JP2004191710A - 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒータのON時に、交流電力をソフトスタート方式で位相制御し(区間R1)、つづいて所定のデューティ比βで所定時間t2、位相制御をつづけた(区間R2)後、同じデューティ比βの半波制御に切り替える(区間R3)ことにより、突入電流及び高調波電流の双方の発生を適宜に抑制する。このときの所定時間t2は、ヒータや定着ローラの物性や、デューティ比βによって異なるため、例えば、実験によって適宜な値を決定する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電源から供給された交流電力によってヒータを加熱することにより記録材上に画像を定着する定着装置、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、一般に、熱ローラ式の定着装置を使用して、紙、透明フィルム等の記録材表面にトナー像を溶融固着(定着)する。
【0003】
この定着装置は、内側にハロゲンヒータ(以下単に「ヒータ」という。)が配設された定着ローラと、これに圧接された加圧ローラとを備えていて、両ローラの間には、母線に沿って帯状の定着ニップ部が形成されている。
【0004】
画像形成時に電源スイッチをONすると、ヒータに対する電力の供給が開始され、ヒータの発熱によって定着ローラ及びこれに接触している加圧ローラが徐々に加熱される。この加熱により、定着ローラの温度が所定の定着温度に達すると、画像形成可能(コピー可能)となる。この状態でコピースタートボタンを押すと、画像形成部において粉体からなるトナーによってトナー像が形成され、このトナー像が記録材上に転写される。トナー像転写後の記録材は、定着装置の定着ニップ部によって挟持搬送され、このとき定着ローラ及び加圧ローラにより加熱・加圧されて表面のトナー像が溶融固着(定着)される。なお、上述の電源スイッチのONからコピー可能となるまでの時間であるウエイト時間は、できるだけ短いことが要求される。
【0005】
上述の定着ローラ及び加圧ローラは、連続コピー時には、記録材及びトナー像に順次に熱を奪われることになるが、この場合でも温度の低下幅が小さくなるように、熱容量の大きな部材が使用される。したがって、ヒータは、この熱容量の大きい部材を、短いウエイト時間で所定の定着温度まで加熱することが必要となり、供給電力の大きなものが使用される。
【0006】
供給電力の大きいヒータは、その立ち上げ時には、高温となるコピー時と比較して抵抗が小さいために、突入電流が過大となって電源系統に電圧変動フリッカを発生させやすい。これを低減するための方策として、特開2001−338745号公報には、PWM制御によるソフトスタート方式が従来技術として開示されている。このような従来技術は、ソフトスタートでヒータを立ち上げ、その後、所定のデューティ比で位相制御し、これにより定着ローラを所望の温度に保持するようにしている。ここで定着ローラの所望の温度とは、コピー時には、記録材上にトナーを良好に溶融固着させる定着温度であり、またスタンバイ(待機)時には、定着温度よりも低いが比較的短時間で定着温度に達することができる待機温度である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術によると、ヒータの立ち上げ時の突入電流を小さくして電圧変動フリッカの発生は抑制することはできるものの、位相制御によって交流波形が大きく歪められてしまうため、高調波電流が発生しやすくなる。こうして発生した高調波電流は、周辺機器や電源系統を誤動作させる原因となる。
【0008】
そこで、本発明は、ヒータの立ち上げ時に、突入電流及び高調波電流の双方の発生を適宜に抑制して、電圧変動フリッカ及び周辺機器等の誤動作を抑制するようにした定着装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、記録材上に画像を熱定着する定着装置において、交流電源から電力が供給されて発熱するヒータと、前記ヒータによって加熱される定着部材と、前記定着部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の検知結果に基づいて、前記交流電源から前記ヒータに供給される電力を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ヒータのON時に、交流電力をソフトスタート方式で位相制御し、つづいて所定のデューティ比で所定時間だけ位相制御をつづけた後、前記所定のデューティ比と同じデューティ比の半波制御に切り替えることを特徴としている。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記制御手段は、前記所定のデューティ比を変更可能であり、変更後のデューティ比に応じて前記所定時間を設定することを特徴としている。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の定着装置において、前記交流電源の位相のゼロクロスを検知するゼロクロス検知手段を備えている。そして、前記制御手段は、前記ゼロクロス検知手段の検知結果に基づいて、前記ヒータへの電力の供給を供給電力調整手段を介してONさせることを特徴としている。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置に関するものである。そして、前記制御手段は、前記ヒータのON時に、前記温度検知手段が検知する前記定着部材の温度が所定の温度以下である場合、前記定着部材の温度が所定の制御温度になるまで100%のデューティ比で前記ヒータに電力を供給し、前記定着部材が前記所定の制御温度に到達した後に所定のデューティ比の電力を供給する。また、前記制御手段は、前記ヒータのON時に、前記温度検知手段が検知する前記定着部材の温度が前記所定の温度を超えている場合、前記定着部材の温度が前記所定の制御温度よりも低い温度から所定のデューティ比の電力を供給するようになっている。
【0013】
請求項5に係る発明は、記録材表面に粉体のトナーによってトナー像を形成する画像形成手段と、前記記録材上のトナー像を加熱された定着部材によって前記記録材上に溶融固着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、前記定着手段が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置であることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を模式的に示す縦断面図である。なお、同図に示す画像形成装置は、電子写真方式のレーザビームプリンタである。
【0016】
同図に示すレーザビームプリンタ(以下「画像形成装置」という。)1は、画像を読み取るリーダ部2と、読み取った画像情報に基づいて画像を形成するプリンタ部3(画像形成装置本体M)とを備えている。
【0017】
このうちリーダ部2は、プラテンガラス11と、押圧板12と、照射ランプ13と、反射ミラー14,15,16と、レンズ17と、CCD(受光素子)18と、画像処理部19とを備えている。
【0018】
上述のリーダ部2においては、原稿Dはその画像面を下方に向けてプラテンガラス11上に載置され、押圧板12によってプラテンガラス11に押圧される。この原稿Dは、照射ランプ13によって画像面が照射される。このときの原稿面からの反射光がさらに反射ミラー14,15,16によって反射され、レンズ17を通過してCCD18に入力され、ここで電気信号に光電変換された後、画像処理部19に入力される。画像処理部9に入力された電気信号は、濃度補正、シェーディング補正等の種々の補正がなされた後、パルス幅変調されて露光装置(後述)に入力される。
【0019】
一方、プリンタ部3は、ドラム型の感光体21と、その周囲に配置された一次帯電器22、露光装置23、現像装置24、転写装置25、クリーニング装置26等を備えている。また記録媒体としてのシート状の記録材(例えば、紙、透明フィルム)Pの搬送方向(点線の矢印B方向)に沿っての上流側から順に、給紙カセット27、搬送ベルト28、定着装置29、排紙トレイ30等が配設されている。
【0020】
上述のプリンタ部3において、感光体21は、駆動手段(不図示)によって所定のプロセススピード(周速度)で矢印A方向に回転駆動され、その表面が一次帯電器22によって所定の極性・電位に均一に帯電される。帯電後の感光体21は、露光装置23によって静電潜像が形成される。露光装置23は、上述の画像処理部19から入力された画像情報に基づいてON/OFFされるレーザ光を照射し、感光体21表面のレーザ光照射部分の電荷を除去して画像情報に応じた静電潜像を形成する。感光体21表面に形成された静電潜像は、現像装置24によって、電荷を有するトナーが静電的に付着されてトナー像として現像される。このトナーとしては、一般に、合成樹脂製の粉体が使用される。
【0021】
こうして感光体21上に形成されたトナー像は、給紙カセット27から供給される記録材Pに転写される。給紙カセット27内に収納された記録材Pは、図示しない給送ローラ,搬送ローラ,レジストローラによって、感光ドラム21と転写帯電器25との間の転写ニップ部に供給される。この際、記録材Pは、レジストローラによって、感光ドラム21上に形成されているトナー像とタイミングを合わせるようにして転写ニップ部に供給される。供給された記録材Pは、転写ニップ部によって挟持搬送されながら、転写帯電器25によって静電的に記録材P表面に転写される。
【0022】
トナー像転写後の感光ドラム21は、転写時に記録材Pに転写されないで表面に残ったトナー(残留トナー)がクリーニング装置26によって除去され、次の画像形成に供される。
【0023】
一方、トナー像転写後の記録材Pは、感光ドラム26表面から分離された後、搬送ベルト28によって定着装置29に搬送され、ここで加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。なお、定着装置29については後に詳述する。
【0024】
定着装置29によって表面にトナー像が定着された記録材Pは、排紙トレイ30上に排出される。これにより、1枚の記録材Pに対する画像形成が終了する。
【0025】
上述の画像形成装置1は、次に説明する定着装置29をはじめ、その全体の動作が制御手段(CPU)36(図2参照)によって制御されている。
【0026】
つづいて本実施の形態に係る定着装置29について詳述する。
【0027】
図2は、図1に示す定着装置29の拡大図である。同図に示すように、定着装置29は、定着部材としての定着ローラ31及び加圧ローラ32と、定着ローラ31の内側に配設されたヒータ33と、定着ローラ31の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ34と、交流電源35からヒータ33に供給される電力を制御する制御手段36とを備えている。さらに本実施の形態では、交流電力が0(ゼロ)になるタイミングを検知するゼロクロス検知手段37と、供給電力調整手段38とを備えている。
【0028】
このうち定着ローラ31は、円筒状の金属製の部材によって形成されていて、駆動手段(不図示)によって矢印E方向に回転駆動される。加圧ローラ32は、円筒状の弾性を有する部材によって形成されていて、上述の定着ローラ31の下方に、定着ローラ31に対して平行に配置されている。
【0029】
加圧ローラ32は、定着ローラ31に対して下方から押圧されていて、これにより、定着ローラ31との間に、定着ローラ31及び加圧ローラ32の軸に沿って帯状の定着ニップ部Nが形成されている。加圧ローラ32は、駆動手段(不図示)によって矢印F方向に、上述の定着ローラ31とほぼ同じ周速度で回転駆動される。
【0030】
定着ローラ31及び加圧ローラ32は、それぞれ矢印E方向、矢印F方向に回転することで、その定着ニップ部Nによって記録材Pを挟持搬送するとともに、後述のヒータ33によって加熱される。表面に未定着トナー像を担持した状態で、定着装置29に搬送されてきた記録材Pは、定着ローラ31及び加圧ローラ32の加圧・加熱によって、表面にトナーが溶融固着されるようになっている。定着ローラ31及び加圧ローラ32は、複数枚の記録材Pに連続してトナー像を定着させることができるように、すなわち連続画像形成時においても、各記録材P及びトナー像に対して、記録材P表面にトナー像を定着させるのに十分な熱量を付与することができるように、比較的大きな熱容量を有している。このため、画像形成装置の電源を入れたときに、定着ローラ31及び加圧ローラ32を室温から待機温度に昇温させるのに時間がかかることになる。また、スタンバイ状態の画像形成装置において画像形成開始のボタンが押されたときに、定着ローラ31及び加圧ローラ32を待機温度から定着温度に昇温させるのに時間がかかることになる。ここで、定着温度とは、記録材P上にトナー像を溶融固着させることができる温度であり、合成樹脂製のトナーのガラス転移温度よりも高い温度をいう。ただし、温度が高すぎる場合には、定着時に溶融したトナーが定着ローラ31表面に付着する現象、いわゆる高温オフセットが発生してしまう。また、待機温度とは、画像形成装置が設置されている雰囲気温度(室温)よりも高く、かつ上述のガラス転移温度よりも低い温度であり、画像形成開始ボタンが押されたときに、定着ローラ31及び加圧ローラ32が比較的短時間に、上述の定着温度に達することが可能な温度をいう。
【0031】
ヒータ33としては、例えば、棒状のハロゲンヒータが使用される。ヒータ33は、上述の定着ローラ31の中心に沿って配設されていて、定着ローラ31を内側から加熱する。ヒータ33には、交流電源35から電力が供給される。このときヒータ33に供給される電力は、次に説明するサーミスタ34が検知する定着ローラ31の温度に基づき、制御手段36によって作動制御される供給電力調整手段38を介して制御される。ヒータ33は、上述の定着ローラ31及び加圧ローラ32を比較的短時間で加熱できるように、発熱量が多いもの、したがって抵抗の大きなものが使用される。
【0032】
サーミスタ34は、定着ローラ31の表面に対向するように、定着ローラ31に対して非接触で配設されている。サーミスタ34は、定着ローラ31表面の温度を検知して、その検知結果を制御手段36に送る。
【0033】
交流電源35としては、一般の家庭用の電源を使用することができる。
【0034】
制御手段36は、上述のサーミスタ34の検知結果に基づいて、供給電力調整手段38を制御する。これにより交流電源35からヒータ33に供給される電力を制御して、定着ローラ31の温度調整を行う。この制御手段36は、次に説明するゼロクロス検知手段37から入力されるゼロクロス検知信号に基づいて、後述の供給電力調整手段38を構成するサイリスタ又はトライアック等を制御する。
【0035】
ゼロクロス検知手段37は、交流電源35のゼロクロスのタイミングを検出し、上述の制御手段36に対してゼロクロス検知信号を送信するものである。
【0036】
供給電力調整手段38は、サイリスタを逆並列接続して構成された位相制御回路又はトライアック,フォトトライアック等を備えており、制御手段36からの制御信号に基づいて、後述のようなヒータ33に供給する電力の位相制御及び半波制御を行うようになっている。
【0037】
上述のような構成の定着装置29においては、ヒータ33に供給する電力を精度良く制御して、定着ローラ31の温度を待機温度や定着温度に維持するようにしている。このときのヒータ33の制御方式として、位相制御,半波制御が知られている。図3(a),(b)にそれぞれデューティ比が50%である場合の位相制御,半波制御を例示する。これら位相制御,半波制御は、供給電力のデューティ比が等しい場合には、いずれの制御を採用した場合でも正確な温度制御が可能となる。
【0038】
ところで、一般に、位相制御を行うと、交流波形のひずみが大きくなることから高調波電流が発生しやすくなり、一方、半波制御を行うとヒータのON/OFFの変動が大きくなることから突入電流が発生して電圧変動フリッカ(以下単に「フリッカ」という。)が発生しやすくなる。そして、高調波電流及びフリッカについてのそれぞれの規格値が達成されない場合には、周辺機器の誤動作や蛍光灯のちらつき等が発生することになる。
【0039】
そこで、本発明では、ヒータの立ち上げ時(ON時)に、交流電力をソフトスタート方式で位相制御し、つづいて所定のデューティ比で所定時間、位相制御をつづけた後、前記所定のデューティ比と同じデューティ比の半波制御に切り替えるようにし、さらにこの切り替え時のタイミングを適宜に設定できるようにすることで、高調波電流とフリッカの双方を抑制して、規格値内に収めるようにしている。
【0040】
図4は、このようなヒータの制御を示すものであり、位相制御と半端制御とを組み合わせたヒータの制御を示すものである。この図4において、横軸は時間、縦軸は電圧(又は電流)を示している。また、同図中の区間R1は、ソフトスタート方式での位相制御を、また区間R2は、所定のデューティ比(35%)での位相制御を、さらに区間R3は、所定のデューティ比(35%)での半波制御を行う区間である。なお、ここで、デューティ比35%は、定着ローラ31を待機温度に維持するためのデューティ比であるものとする。
【0041】
画像形成装置のメインスイッチがONされると、制御手段36からON指令が出され、ヒータ33に対する電力の供給が可能な状態となり、ソフトスタートが開始される。このソフトスタートの区間R1において、制御手段36は、供給電力調整手段38に制御信号を出力し、図4の斜線で示すように、ヒータ33に供給される電力のデューティ比を0〜100%まで段階的に徐々に増加させ、突入電流の発生を防止する。このときの電力の増加率をαとすると、この増加率αは、大きいほど短時間でヒータ35を昇温させることができる一方、突入電流が発生しやすくなる。この逆に、増加率αは、小さいほど突入電流の発生を抑制できるが、ヒータ33の昇温に時間がかかることになる。この増加率αについては、ヒータ及び最終的にこのヒータによって昇温される定着ローラによって昇温についての特性が異なるため、定着ローラの昇温速度と突入電流の発生状況とを勘案して、例えば、実験的に求めるようにするとよい。こうして実験によって決定された増加率αは、制御手段6のROMに格納されている。
【0042】
なお、この増加率αについては、ROM中に複数のものを格納しておいて、例えば、画像形成装置が設置されている雰囲気温度に応じて適宜に選択するようにしてもよい。例えば、雰囲気温度が高い場合には、増加率αの小さいものを選択し、逆に雰囲気温度が低い場合には、増加率αが高いものを選択するようにしてもよい。さらにこの増加率αは、一定に設定する場合に限らず、制御手段36から出力する制御信号のタイミングを調整することにより、漸増するように、又は漸減するように設定することも可能である。
【0043】
上述のソフトスタートによって、供給電力のデューティ比が100%に達したら(スタートからt1時間経過後)、ソフトスタート方式での位相制御から、所定のデューティ比β(35%)での位相制御に移行する。この位相制御は、デューティ比βを一定に維持した状態で、所定時間t2だけ継続する。
【0044】
上述の所定のデューティ比βでの位相制御を所定時間t2だけ継続させた後、同じデューティ比βでの半波制御に切り替える。半波制御における35%のデューティ比とは、例えば、20の半波のうちの7つの半波をONすることによって実現することができる。そして、以下、この半波制御を継続することで、定着ローラ31の待機温度を維持する。この状態がいわゆる画像形成装置のスタンバイ状態である。
【0045】
本発明の特徴の1つは、上述の所定時間t2を、突入電流の発生状況と、高調波電流の発生状況とを勘案しながら、例えば実験的に設定することにある。これにより、フリッカ及び高調波の双方が規格値内に納まるようにしている。
【0046】
すなわち、ヒータ33に使用されている抵抗は、正の温度係数を有しているので、温度が低いと抵抗値が低く、温度が上昇するほど抵抗値が高くなる。つまり、ヒータ33は、画像形成装置のメインスイッチがONされたときには、ほぼ室内温度と同じであり、抵抗値が低いために突入電流が流れやすい状態にある。そこで、本実施の形態では、ヒータの温度が低くて突入電流が流れやすい状態であるヒータON直後には、まずソフトスタート方式の位相制御を行い、これに引き続いて所定のデューティ比βでの位相制御を行う。ところがこのまま位相制御を継続すると、今度は、高調波が規格値内に収まらなくなる。そこで、位相制御によってヒータ33がある程度昇温されてヒータ33の抵抗値が大きくり、したがって突入電流が発生しにくくなったタイミングで、位相制御から同じデューティ比での半波制御に切り替えるようにした。これにより、フリッカ及び高調波の双方が規格値内に納まるようにしている。
【0047】
上述の所定のデューティ比βでの位相制御を行う所定時間t2は、ヒータ33や定着ローラ31や加圧ローラ32の物性や、デューティ比βによって異なるため、例えば、実験によって適宜な値を決定し、その値を制御手段36のROM中に格納しておくものとする。
【0048】
以上の説明では、定着ローラ31を待機温度にまで昇温させる場合を例に説明した。
【0049】
実際の画像形成装置の使用に当たっては、一旦、待機温度に昇温させるのではなく、一気に定着温度にまで昇温させるような場合がある。例えば、画像形成装置のメインスイッチをONして定着温度に達する前に画像形成ボタンをONして画像形成予約(コピー予約)を行うような場合がそれである。
【0050】
このような場合には、例えば、デューティ比βを上述で例示した35%よりも大きいデューティ比に高めるとともに、このデューティβの変更に応じて、所定時間t2も適宜に変更するようにするとよい。
【0051】
すなわち、図4中の増加率α、デューティβ、所定時間t2等について、それぞれ複数の値をあらかじめ実験的に設定して、制御手段36のROM中に格納しておく。そして、画像形成装置が設置されている環境や、画像形成モード(例えば、上述のように室温から待機温度に昇温させるか、あるいは室温から一気に定着温度に昇温させるか、1枚の記録材に対する画像形成か、あるいは複数の記録材に対する連続的な画像形成か等。)に応じて、制御手段33によって、適宜な値を選択するのが好ましい。
【0052】
上述の制御手段36による温度制御において、以下のような制御を行うこともできる。すなわち、図5に示すように、ヒータ33のON時に、サーミスタ34が検知する定着ローラ31の温度が所定の温度(例えば、150℃)以下である場合、定着ローラ31の温度がその所定の温度(例えば、150℃)になるまで、0%から徐々に100%までデューティ比を増加させるようにヒータ33に電力供給した後、定着ローラ31の温度が所定の温度(例えば、150℃)に到達すると、定着ローラ31の温度が所定の制御温度(例えば、180℃)になるまで100%のデューティ比でヒータ33に電力を供給する(全波制御をする)。尚、この全波制御は、ヒータONと同時に、又は所定の温度(例えば、150℃)よりも低い温度から開始してもよい。
【0053】
そして、定着ローラ33が所定の制御温度(例えば、180℃)に到達すると、デューティ比を0〜100%まで徐々に増加させる位相制御でヒータ33に電力供給し、所定時間経過した後に所定のデューティ比(例えば、50%)の電力を位相制御で所定時間供給し、その後に所定のデューティ比(例えば、50%)の電力を半波制御で供給する。尚、デューティ比を0〜100%まで徐々に増加させる位相制御を省略し、所定のデューティ比の位相制御を開始するようにしてもよい。また、デューティ比を0〜100%まで徐々に増加させる位相制御、所定のデューティ比の位相制御、所定のデューティ比の半波制御の切り替えのタイミングは、実験等で定めた最良のタイミングが適用される。
【0054】
その後、定着ローラ31の温度が所定の制御温度(例えば、180℃)よりもΔT(例えば、5℃)まで上昇すると、一旦ヒータへの電力供給を遮断する(ヒータ33をOFFする)。これにより、定着ローラ31の温度が低下していき、定着ローラ31の温度が所定温度よりもΔT(例えば、5℃)だけ低下すると、ヒータ33をONし、0%〜100%までデューティ比を増加させる位相制御を行って、定着ローラ31の温度を所定の制御温度(例えば、180℃)にする。その後、所定のデューティ比(例えば、50%)の電力を位相制御で所定時間供給し、その後に所定のデューティ比(例えば、50%)の電力を半波制御で供給する。このように、ヒータ33への電力供給を制御することにより、定着ローラ31の温度を所定の制御温度(例えば、180℃)に対して一定の範囲内(例えば、5℃)に制御できる。
【0055】
一方、ヒータ33のON時に、サーミスタ34が検知する定着ローラ31の温度が所定の温度(例えば、150℃)を超えている場合、定着ローラ31の温度が所定の制御温度(例えば、180℃)よりも低い温度から所定のデューティ比(例えば、50%)の電力を位相制御で所定時間供給し、その後に所定のデューティ比(例えば、50%)の電力を半波制御で供給するようにしてもよい。尚、この場合にも、位相制御から半波制御に切り替えるタイミングは、実験等において求められた最良のタイミングが適用される。
【0056】
このような制御を行うことで、効率よく定着ローラ31を加熱することができる。また、上述のような制御を行うことにより、定着ローラ31の温度制御を所定の温度に対して正確に行うことができる。その結果、ウォーミングアップ時間の短縮化、オーバーシュートに起因する高温オフセット防止、及び高品質の画像形成が可能になる。
【0057】
なお、上述の半波制御は、例えばデューティ比が20%の場合、10半波ごとに2半波連続で導通したり、又は、5半波ごとに1半波導通するようにしてもよい。ただし、この半波制御は、変圧器の偏磁を避けるために、正・負両波の数が等しくなるようにするのが好ましい。
【0058】
以上の説明では、本発明を、図2に示す定着装置29に適用した場合を例に説明したが、本発明は、このような構成の定着装置に限定されるものではなく、広く一般に、ヒータによる加熱によって記録材P上にトナー像を定着させる方式の定着装置、いわゆる熱定着方式の定着装置に適用することができ、この場合もほぼ同様の作用・効果を奏することができる。
【0059】
同様に、本発明は、図1に示す画像形成装置に限らず、熱定着方式の定着装置を有する一般的な画像形成装置に対しても適用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、ヒータのON時に、交流電力をソフトスタート方式で位相制御し、つづいて所定のデューティ比で所定時間、位相制御をつづけた後、所定のデューティ比と同じデューティ比の半波制御に切り替えることにより、突入電流及び高調波電流の双方の発生を適宜に抑制して、電圧変動フリッカ及び周辺機器等の誤動作を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の縦断面を模式的に示す図である。
【図2】図1における定着装置の拡大図である。
【図3】(a),(b)はそれぞれデューティ比50%のときの位相制御,半波制御の波形を示す図である。
【図4】ソフトスタート方式での位相制御、所定のデューティ比での位相制御、同じデューティ比での半波制御を説明する図である。
【図5】定着ローラの温度制御の他の態様を説明する図である。
【符号の説明】
1……画像形成装置、29……定着装置、31……定着ローラ(定着部材)、32……加圧ローラ、33……ヒータ、34……サーミスタ(温度検知手段)、35……交流電源、36……制御手段、37……ゼロクロス検知手段、38……供給電力調整手段、P……記録材
Claims (5)
- 記録材上に画像を熱定着する定着装置において、
交流電源から電力が供給されて発熱するヒータと、
前記ヒータによって加熱される定着部材と、
前記定着部材の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段の検知結果に基づいて、前記交流電源から前記ヒータに供給される電力を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記ヒータのON時に、交流電力をソフトスタート方式で位相制御し、つづいて所定のデューティ比で所定時間だけ位相制御をつづけた後、前記所定のデューティ比と同じデューティ比の半波制御に切り替えることを特徴とする定着装置。 - 前記制御手段は、前記所定のデューティ比を変更可能であり、変更後のデューティ比に応じて前記所定時間を設定することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記交流電源の位相のゼロクロスを検知するゼロクロス検知手段を備え、
前記制御手段は、前記ゼロクロス検知手段の検知結果に基づいて、前記ヒータへの電力の供給を供給電力調整手段を介してONさせることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。 - 前記制御手段は、
前記ヒータのON時に、前記温度検知手段が検知する前記定着部材の温度が所定の温度以下である場合、前記定着部材の温度が所定の制御温度になるまで100%のデューティ比で前記ヒータに電力を供給し、前記定着部材が前記所定の制御温度に到達した後に所定のデューティ比の電力を供給し、
前記ヒータのON時に、前記温度検知手段が検知する前記定着部材の温度が前記所定の温度を超えている場合、前記定着部材の温度が前記所定の制御温度よりも低い温度から所定のデューティ比の電力を供給する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。 - 記録材表面に粉体のトナーによってトナー像を形成する画像形成手段と、前記記録材上のトナー像を加熱された定着部材によって前記記録材上に溶融固着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、
前記定着手段が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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