JP2004187360A - 電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路および半導体モジュ−ル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差を抑制し、より均一なスイッチング動作を実現することを目的とする。
【解決手段】ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線間9の結合係数を一定値以上に設定し、スイッチング時に、エミッタ側主回路配線7の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により複数の電圧駆動型スイッチング素子5a、5bのゲ−ト・エミッタ間電圧に発生する電圧差を抑制することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線間9の結合係数を一定値以上に設定し、スイッチング時に、エミッタ側主回路配線7の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により複数の電圧駆動型スイッチング素子5a、5bのゲ−ト・エミッタ間電圧に発生する電圧差を抑制することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばIGBT等の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路および半導体モジュ−ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インバ−タ等の電力変換装置に使用されるスイッチング素子として、IGBT等の電圧駆動型スイッチング素子がある。この電圧駆動型スイッチング素子において、素子単体の定格電流を超える大電流をスイッチングする場合、複数の電圧駆動型スイッチング素子を並列接続してこれを実現することが行われている。
【0003】
図2は、電圧駆動型スイッチング素子を2並列接続した2レベルインバ−タの従来例を示している。直流電源20の主回路(+)端子13と主回路(−)端子14の間に、主回路直流(+)配線16及び主回路直流(−)配線17を介して上側ア−ムとなる2並列接続した電圧駆動型スイッチング素子22a、22bと下側ア−ムとなる2並列接続した電圧駆動型スイッチング素子22c、22dとが接続されている。各電圧駆動型スイッチング素子22a〜22dには、それぞれ還流ダイオ−ド23a〜23dが並列接続されている。
【0004】
上側ア−ムの電圧駆動型スイッチング素子22a、22bはエミッタ補助配線24aを通じてゲ−ト駆動回路19aで同時に駆動され、下側ア−ムの電圧駆動型スイッチング素子22c、22dはエミッタ補助配線24bを通じてゲ−ト駆動回路19bで同時に駆動されるようになっており、このような構成により、各電圧駆動型スイッチング素子22a〜22d単体の定格電流の2倍の大電流をスイッチングする2レベルインバ−タが実現されている。
【0005】
図3は、上記の2レベルインバ−タにおいて、主回路直流(+)配線16、主回路直流(−)配線17及びエミッタ補助配線24a、24b等の浮遊インダクタンスを集中定数として表した等価回路を示している。下側ア−ムのタ−ンオンの場合、ゲ−ト駆動回路19bのオンゲ−ト電圧指令により、2並列接続した電圧駆動型スイッチング素子22c、22dは同時にタ−ンオンし、還流ダイオ−ド23aと23bに流れる負荷電流が転流する。この主回路の電流変化によって、浮遊インダクタンス21a、21b、21c、21dに誘起電圧が発生し、特に浮遊インダクタンス21cに発生した誘起電圧VL(c)は、電圧駆動型スイッチング素子22dのオンゲ−ト電圧指令に加算され、電圧駆動型スイッチング素子22dのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(d)は、電圧駆動型スイッチング素子22cのVge(c)より大きくなる。
【0006】
下側ア−ムのタ−ンオフの場合も同様に、主回路の電流変化によって、特に浮遊インダクタンス21cに発生した誘起電圧VL(c)は、電圧駆動型スイッチング素子22dのオフゲ−ト電圧指令に加算され、電圧駆動型スイッチング素子22dのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(d)は、電圧駆動型スイッチング素子22cのVge(c)よりも大きくなる。このように、スイッチングにおける主回路の電流変化時に、電圧駆動型スイッチング素子22cと22dのゲ−ト・エミッタ間電圧は等しくならないため、均一なスイッチング動作が行えなくなる。
【0007】
これに対し、従来の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路としては、複数の電圧駆動型スイッチング素子における各コレクタ端子及び各エミッタ端子同士を接続導体で並列に接続し、単一のゲ−ト回路を、1つの電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト端子には直接接続し、他の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト端子にはエミッタ間接続導体に生じるリアクトル成分による電圧降下に等しい電圧を発生する電圧源を介して接続し、過渡時に、並列接続したエミッタ間接続導体によって引起こされるゲ−ト電圧のばらつきを補正して複数の電圧駆動型スイッチング素子に流れる電流を均等化するようにしている。上記の電圧源は、エミッタ間接続導体に他の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト線を巻き付けたリアクトルで構成している(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−177727号公報(第2頁、図1、図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図2、図3に示す従来技術は、電圧駆動型スイッチング素子のスイッチング時に、主回路配線の電流変化率と主回路配線の僅かな浮遊インダクタンスで発生する誘起電圧によって、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に電圧差が生じ、均一なスイッチング動作ができなくなるという問題がある。
【0010】
また、特許文献1に記載の従来技術は、エミッタ間接続導体に生じるリアクトル成分による電圧降下に等しい電圧を発生する電圧源を、そのエミッタ間接続導体に他の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト線を巻き付けたリアクトルで構成している。しかし、ゲ−ト線を巻き付けたリアクトルに発生する電圧は、エミッタ間接続導体との相互誘導によって生じるものであり、過渡時に、エミッタ間接続導体に生じるリアクトル成分による電圧降下と等しい電圧を、そのエミッタ間接続導体に単にゲ−ト線を巻き付けたリアクトルに生じさせるのは難しい。このため、この従来技術の構成で、過渡時に、複数の電圧駆動型スイッチング素子の電流を十分に均等化させるのは難しい。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差を抑制し、より均一なスイッチング動作を実現することができる電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路および半導体モジュ−ルを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、各コレクタをそれぞれコレクタ側主回路配線を介して一方の主回路端子に接続し、各エミッタをそれぞれエミッタ側主回路配線を介して他方の主回路端子に接続し、それぞれゲ−ト配線及びエミッタ補助配線を通じて各ゲ−トにゲ−ト電圧を供給するようにしてなる並列接続された複数の電圧駆動型スイッチング素子の各ゲ−トを駆動する電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路であって、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の結合係数を一定値以上に設定し、前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のスイッチング時に、前記エミッタ側主回路配線の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に発生する電圧差を抑制するようにしたことを要旨とする。
【0013】
ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の結合係数を一定値以上に設定することで、スイッチング時に、エミッタ側主回路配線の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により複数の電圧駆動型スイッチング素子の各エミッタ間に発生する電圧差が補償される。これにより、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差が抑制される。
【0014】
本発明の請求項2に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共に磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0015】
ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の磁気的な結合性が増大して、結合係数を一定値以上に設定することが可能となる。
【0016】
本発明の請求項3に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共にギャップ付き磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0017】
ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の磁気的な結合性が増大するとともに、結合係数を一定値以上に設定・調整することが可能となる。
【0018】
本発明の請求項4に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、平行平板構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0019】
前記請求項2に係る発明と略同様の作用がある。
【0020】
本発明の請求項5に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、同軸構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0021】
前記請求項2に係る発明と略同様の作用がある。
【0022】
本発明の請求項6に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、前記結合係数の値は、0.9以上であることを要旨とする。
【0023】
結合係数の値を0.9以上に設定することで、スイッチング時に、複数の電圧駆動型スイッチング素子の各エミッタ間に発生する電圧差が十分に補償され、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差の抑制が十分に行われる。
【0024】
本発明の請求項7に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、各コレクタをそれぞれコレクタ側主回路配線を介して一方の主回路端子に接続し、各エミッタをそれぞれエミッタ側主回路配線を介して他方の主回路端子に接続し、それぞれゲ−ト配線及びエミッタ補助配線を通じて各ゲ−トにゲ−ト電圧を供給するようにしてなる並列接続された複数の電圧駆動型スイッチング素子を搭載した電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルであって、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の結合係数を一定値以上に設定し、前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のスイッチング時に、前記エミッタ側主回路配線の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に発生する電圧差を抑制するようにしたことを要旨とする。
【0025】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項1に係る発明と略同様の作用がある。
【0026】
本発明の請求項8に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共に磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0027】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項2に係る発明と略同様の作用がある。
【0028】
本発明の請求項9に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共にギャップ付き磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0029】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項3に係る発明と略同様の作用がある。
【0030】
本発明の請求項10に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、平行平板構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0031】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項2に係る発明と略同様の作用がある。
【0032】
本発明の請求項11に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、同軸構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0033】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項2に係る発明と略同様の作用がある。
【0034】
本発明の請求項12に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、前記結合係数の値は、0.9以上であることを要旨とする。
【0035】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項6に係る発明と略同様の作用がある。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電圧駆動型スイッチング素子(以下、IGBTを適用して説明する)のゲ−ト駆動回路の構成を示している。図1において、主回路コレクタ端子1がそれぞれ主回路コレクタ配線6を介してIGBT5aと5bの各コレクタに接続され、主回路エミッタ端子2がそれぞれ主回路エミッタ配線7を介してIGBT5aと5bの各エミッタに接続されて、主回路コレクタ端子1と主回路エミッタ端子2の間にIGBT5a、5bが並列接続されている。主回路エミッタ配線7には浮遊インダクタンス10が生じている。
【0038】
また、ゲ−ト端子3がそれぞれゲ−ト配線8によりゲ−ト抵抗11を介してIGBT5aと5bの各ゲ−トに接続され、エミッタ補助端子4がエミッタ補助配線9を介してIGBT5aと5bの各エミッタに接続され、ゲ−ト端子3とエミッタ補助端子4間に与えられるゲ−ト電圧VGEにより、両IGBT5a、5bは同時に駆動されるようになっている。ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9とは結合係数12で磁気的に結合している。
【0039】
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。ゲ−ト端子3とエミッタ補助端子4の間にゲ−ト電圧VGEを与えて、IGBT5a、5bをスイッチングする場合、主回路エミッタ配線7の電流変化率di/dtによって各浮遊インダクタンス10に誘起電圧VL(a)、VL(b)が発生する。
【0040】
【数1】
各主回路エミッタ配線7における浮遊インダクタンス10の値Leや電流変化率di/dtが等しくなければ、各浮遊インダクタンス10に生じる誘起電圧VL(a)、VL(b)は等しくならず、両IGBT5a、5bのエミッタ端子間に電圧差ΔVe(a−b)が発生する。
【0041】
【数2】
ΔVe(a−b)=VL(a)−VL(b) …(2)
結合係数12の値をKとし、各ゲ−ト配線8と各エミッタ補助配線9のインダクタンスを等しくLge、また相互インダクタンスを等しくMgeとすれば、電圧差ΔVe(a−b)はエミッタ補助配線9のインダクタンスLgeで2等分され、エミッタ補助配線9には、VKe(a)、VKe(b)が発生する。
【0042】
【数3】
エミッタ補助配線9のインダクタンスLgeに発生した電圧は、相互インダクタンスMgeによって、ゲ−ト配線8のインダクタンスLgeに磁気結合され、各ゲ−ト配線8には、VKg(a)、VKg(b)が発生する。
【0043】
【数4】
式(3)、式(4)から、IGBT5a、5bのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(a)、Vge(b)は、次式で示される。
【0044】
【数5】
結合係数12がない場合、即ち、係数K=0とすれば、両IGBT5a、5bのエミッタ端子間の電圧差ΔVe(a−b)によって、次式に示すように、両IGBT5a、5bのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(a)、Vge(b)に電圧差が発生するため、均一なスイッチング動作をすることができない。
【0045】
【数6】
一方、結合係数12がある場合、係数K=1とすれば、両IGBT5a、5bのエミッタ端子間の電圧差ΔVe(a−b)は、磁気結合により補償されるため、次式に示すように、両IGBT5a、5bのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(a)、Vge(b)に電圧差が発生しない。このため、均一なスイッチング動作を行うことができる。
【0046】
【数7】
Vge(a)=VGE、Vge(b)=VGE→Vge(a)=Vge(b) …(8)
このように、IGBT5a、5bのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(a)、Vge(b)の電圧差を抑制するためには、ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9の結合係数12を十分大きくする必要がある。十分な電圧補償を得るには、結合係数12の係数K>0.9は必要である。また、ΔVgeを抑制するには、スイッチング時にエミッタ補助配線9に流れる電流が、エミッタ補助配線9の寄生抵抗によって飽和しないようにする必要がある。十分な補償期間を得るには、エミッタ補助配線9のインダクタンスL>10nHは必要である。
【0047】
結合係数12の係数Kを上記のような一定値以上の大なる値に設定し、また、エミッタ補助配線9のインダクタンスを大にすることは、ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9を、共に磁性体コアを貫通させることで、実現することができる。このゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9を、共に磁性体コアを貫通させる構成を採用することで、さらに、スイッチング時に主回路エミッタ配線7とエミッタ補助配線9に流れる閉ル−プ電流を減少させて、誤動作やノイズを減らすことも同時に達成できる。
【0048】
その他の実施の形態を説明する。結合係数12の係数Kを一定値以上の大なる値に設定する手段として、上記の他に、ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9を、共にギャップ付き磁性体コアを貫通させることでも、実現することができる。ギャップ付き磁性体コアを用いることで、エミッタ補助配線9のインダクタンス値を調整し、かつ磁性体コアが飽和しないようにすることもできる。
【0049】
また、ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9を、平行平板構造あるいは同軸構造にすることによっても、一定値以上の大きな結合係数12を得ることができる。平行平板構造あるいは同軸構造にすると、ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9の低インダクタンス化も同時に達成できる。
【0050】
なお、上述の第1の実施の形態及び他の実施の形態において、電圧駆動型スイッチング素子の並列接続数は、3並列以上であっても、上記と同様の考えを適用して実施することができる。また、以上述べた電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、インバ−タ等に使用する場合において、回路全体を例えば1つのパッケ−ジ内に収納し、電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルとして構成しても、上記と同様の作用・効果を生じる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路の発明によれば、ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の結合係数を一定値以上に設定し、スイッチング時に、エミッタ側主回路配線の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差を抑制するようにしたので、より均一なスイッチング動作を実現することができる。
【0052】
請求項6に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路の発明によれば、結合係数の値を0.9以上に設定することで、スイッチング時に、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差の抑制が十分に行われて、より一層均一なスイッチング動作を実現することができる。
【0053】
請求項7〜11に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルの発明によれば、半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項1〜5に係る発明と略同様の効果がある。
【0054】
請求項12に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルの発明によれば、半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項6に係る発明と略同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路の回路図である。
【図2】従来の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路の回路図である。
【図3】各配線の浮遊インダクタンスを集中定数として表した図2の等価回路図である。
【符号の説明】
1 主回路コレクタ端子(一方の主回路端子)
2 主回路エミッタ端子(他方の主回路端子)
3 ゲ−ト端子
4 エミッタ補助端子
5a、5b IGBT(電圧駆動型スイッチング素子)
6 主回路コレクタ配線(コレクタ側主回路配線)
7 主回路エミッタ配線(エミッタ側主回路配線)
8 ゲ−ト配線
9 エミッタ補助配線
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばIGBT等の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路および半導体モジュ−ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インバ−タ等の電力変換装置に使用されるスイッチング素子として、IGBT等の電圧駆動型スイッチング素子がある。この電圧駆動型スイッチング素子において、素子単体の定格電流を超える大電流をスイッチングする場合、複数の電圧駆動型スイッチング素子を並列接続してこれを実現することが行われている。
【0003】
図2は、電圧駆動型スイッチング素子を2並列接続した2レベルインバ−タの従来例を示している。直流電源20の主回路(+)端子13と主回路(−)端子14の間に、主回路直流(+)配線16及び主回路直流(−)配線17を介して上側ア−ムとなる2並列接続した電圧駆動型スイッチング素子22a、22bと下側ア−ムとなる2並列接続した電圧駆動型スイッチング素子22c、22dとが接続されている。各電圧駆動型スイッチング素子22a〜22dには、それぞれ還流ダイオ−ド23a〜23dが並列接続されている。
【0004】
上側ア−ムの電圧駆動型スイッチング素子22a、22bはエミッタ補助配線24aを通じてゲ−ト駆動回路19aで同時に駆動され、下側ア−ムの電圧駆動型スイッチング素子22c、22dはエミッタ補助配線24bを通じてゲ−ト駆動回路19bで同時に駆動されるようになっており、このような構成により、各電圧駆動型スイッチング素子22a〜22d単体の定格電流の2倍の大電流をスイッチングする2レベルインバ−タが実現されている。
【0005】
図3は、上記の2レベルインバ−タにおいて、主回路直流(+)配線16、主回路直流(−)配線17及びエミッタ補助配線24a、24b等の浮遊インダクタンスを集中定数として表した等価回路を示している。下側ア−ムのタ−ンオンの場合、ゲ−ト駆動回路19bのオンゲ−ト電圧指令により、2並列接続した電圧駆動型スイッチング素子22c、22dは同時にタ−ンオンし、還流ダイオ−ド23aと23bに流れる負荷電流が転流する。この主回路の電流変化によって、浮遊インダクタンス21a、21b、21c、21dに誘起電圧が発生し、特に浮遊インダクタンス21cに発生した誘起電圧VL(c)は、電圧駆動型スイッチング素子22dのオンゲ−ト電圧指令に加算され、電圧駆動型スイッチング素子22dのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(d)は、電圧駆動型スイッチング素子22cのVge(c)より大きくなる。
【0006】
下側ア−ムのタ−ンオフの場合も同様に、主回路の電流変化によって、特に浮遊インダクタンス21cに発生した誘起電圧VL(c)は、電圧駆動型スイッチング素子22dのオフゲ−ト電圧指令に加算され、電圧駆動型スイッチング素子22dのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(d)は、電圧駆動型スイッチング素子22cのVge(c)よりも大きくなる。このように、スイッチングにおける主回路の電流変化時に、電圧駆動型スイッチング素子22cと22dのゲ−ト・エミッタ間電圧は等しくならないため、均一なスイッチング動作が行えなくなる。
【0007】
これに対し、従来の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路としては、複数の電圧駆動型スイッチング素子における各コレクタ端子及び各エミッタ端子同士を接続導体で並列に接続し、単一のゲ−ト回路を、1つの電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト端子には直接接続し、他の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト端子にはエミッタ間接続導体に生じるリアクトル成分による電圧降下に等しい電圧を発生する電圧源を介して接続し、過渡時に、並列接続したエミッタ間接続導体によって引起こされるゲ−ト電圧のばらつきを補正して複数の電圧駆動型スイッチング素子に流れる電流を均等化するようにしている。上記の電圧源は、エミッタ間接続導体に他の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト線を巻き付けたリアクトルで構成している(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−177727号公報(第2頁、図1、図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図2、図3に示す従来技術は、電圧駆動型スイッチング素子のスイッチング時に、主回路配線の電流変化率と主回路配線の僅かな浮遊インダクタンスで発生する誘起電圧によって、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に電圧差が生じ、均一なスイッチング動作ができなくなるという問題がある。
【0010】
また、特許文献1に記載の従来技術は、エミッタ間接続導体に生じるリアクトル成分による電圧降下に等しい電圧を発生する電圧源を、そのエミッタ間接続導体に他の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト線を巻き付けたリアクトルで構成している。しかし、ゲ−ト線を巻き付けたリアクトルに発生する電圧は、エミッタ間接続導体との相互誘導によって生じるものであり、過渡時に、エミッタ間接続導体に生じるリアクトル成分による電圧降下と等しい電圧を、そのエミッタ間接続導体に単にゲ−ト線を巻き付けたリアクトルに生じさせるのは難しい。このため、この従来技術の構成で、過渡時に、複数の電圧駆動型スイッチング素子の電流を十分に均等化させるのは難しい。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差を抑制し、より均一なスイッチング動作を実現することができる電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路および半導体モジュ−ルを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、各コレクタをそれぞれコレクタ側主回路配線を介して一方の主回路端子に接続し、各エミッタをそれぞれエミッタ側主回路配線を介して他方の主回路端子に接続し、それぞれゲ−ト配線及びエミッタ補助配線を通じて各ゲ−トにゲ−ト電圧を供給するようにしてなる並列接続された複数の電圧駆動型スイッチング素子の各ゲ−トを駆動する電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路であって、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の結合係数を一定値以上に設定し、前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のスイッチング時に、前記エミッタ側主回路配線の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に発生する電圧差を抑制するようにしたことを要旨とする。
【0013】
ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の結合係数を一定値以上に設定することで、スイッチング時に、エミッタ側主回路配線の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により複数の電圧駆動型スイッチング素子の各エミッタ間に発生する電圧差が補償される。これにより、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差が抑制される。
【0014】
本発明の請求項2に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共に磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0015】
ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の磁気的な結合性が増大して、結合係数を一定値以上に設定することが可能となる。
【0016】
本発明の請求項3に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共にギャップ付き磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0017】
ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の磁気的な結合性が増大するとともに、結合係数を一定値以上に設定・調整することが可能となる。
【0018】
本発明の請求項4に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、平行平板構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0019】
前記請求項2に係る発明と略同様の作用がある。
【0020】
本発明の請求項5に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、同軸構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0021】
前記請求項2に係る発明と略同様の作用がある。
【0022】
本発明の請求項6に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、前記結合係数の値は、0.9以上であることを要旨とする。
【0023】
結合係数の値を0.9以上に設定することで、スイッチング時に、複数の電圧駆動型スイッチング素子の各エミッタ間に発生する電圧差が十分に補償され、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差の抑制が十分に行われる。
【0024】
本発明の請求項7に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、各コレクタをそれぞれコレクタ側主回路配線を介して一方の主回路端子に接続し、各エミッタをそれぞれエミッタ側主回路配線を介して他方の主回路端子に接続し、それぞれゲ−ト配線及びエミッタ補助配線を通じて各ゲ−トにゲ−ト電圧を供給するようにしてなる並列接続された複数の電圧駆動型スイッチング素子を搭載した電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルであって、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の結合係数を一定値以上に設定し、前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のスイッチング時に、前記エミッタ側主回路配線の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に発生する電圧差を抑制するようにしたことを要旨とする。
【0025】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項1に係る発明と略同様の作用がある。
【0026】
本発明の請求項8に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共に磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0027】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項2に係る発明と略同様の作用がある。
【0028】
本発明の請求項9に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共にギャップ付き磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0029】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項3に係る発明と略同様の作用がある。
【0030】
本発明の請求項10に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、平行平板構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0031】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項2に係る発明と略同様の作用がある。
【0032】
本発明の請求項11に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、同軸構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを要旨とする。
【0033】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項2に係る発明と略同様の作用がある。
【0034】
本発明の請求項12に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルは、前記結合係数の値は、0.9以上であることを要旨とする。
【0035】
半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項6に係る発明と略同様の作用がある。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電圧駆動型スイッチング素子(以下、IGBTを適用して説明する)のゲ−ト駆動回路の構成を示している。図1において、主回路コレクタ端子1がそれぞれ主回路コレクタ配線6を介してIGBT5aと5bの各コレクタに接続され、主回路エミッタ端子2がそれぞれ主回路エミッタ配線7を介してIGBT5aと5bの各エミッタに接続されて、主回路コレクタ端子1と主回路エミッタ端子2の間にIGBT5a、5bが並列接続されている。主回路エミッタ配線7には浮遊インダクタンス10が生じている。
【0038】
また、ゲ−ト端子3がそれぞれゲ−ト配線8によりゲ−ト抵抗11を介してIGBT5aと5bの各ゲ−トに接続され、エミッタ補助端子4がエミッタ補助配線9を介してIGBT5aと5bの各エミッタに接続され、ゲ−ト端子3とエミッタ補助端子4間に与えられるゲ−ト電圧VGEにより、両IGBT5a、5bは同時に駆動されるようになっている。ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9とは結合係数12で磁気的に結合している。
【0039】
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。ゲ−ト端子3とエミッタ補助端子4の間にゲ−ト電圧VGEを与えて、IGBT5a、5bをスイッチングする場合、主回路エミッタ配線7の電流変化率di/dtによって各浮遊インダクタンス10に誘起電圧VL(a)、VL(b)が発生する。
【0040】
【数1】
各主回路エミッタ配線7における浮遊インダクタンス10の値Leや電流変化率di/dtが等しくなければ、各浮遊インダクタンス10に生じる誘起電圧VL(a)、VL(b)は等しくならず、両IGBT5a、5bのエミッタ端子間に電圧差ΔVe(a−b)が発生する。
【0041】
【数2】
ΔVe(a−b)=VL(a)−VL(b) …(2)
結合係数12の値をKとし、各ゲ−ト配線8と各エミッタ補助配線9のインダクタンスを等しくLge、また相互インダクタンスを等しくMgeとすれば、電圧差ΔVe(a−b)はエミッタ補助配線9のインダクタンスLgeで2等分され、エミッタ補助配線9には、VKe(a)、VKe(b)が発生する。
【0042】
【数3】
エミッタ補助配線9のインダクタンスLgeに発生した電圧は、相互インダクタンスMgeによって、ゲ−ト配線8のインダクタンスLgeに磁気結合され、各ゲ−ト配線8には、VKg(a)、VKg(b)が発生する。
【0043】
【数4】
式(3)、式(4)から、IGBT5a、5bのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(a)、Vge(b)は、次式で示される。
【0044】
【数5】
結合係数12がない場合、即ち、係数K=0とすれば、両IGBT5a、5bのエミッタ端子間の電圧差ΔVe(a−b)によって、次式に示すように、両IGBT5a、5bのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(a)、Vge(b)に電圧差が発生するため、均一なスイッチング動作をすることができない。
【0045】
【数6】
一方、結合係数12がある場合、係数K=1とすれば、両IGBT5a、5bのエミッタ端子間の電圧差ΔVe(a−b)は、磁気結合により補償されるため、次式に示すように、両IGBT5a、5bのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(a)、Vge(b)に電圧差が発生しない。このため、均一なスイッチング動作を行うことができる。
【0046】
【数7】
Vge(a)=VGE、Vge(b)=VGE→Vge(a)=Vge(b) …(8)
このように、IGBT5a、5bのゲ−ト・エミッタ間電圧Vge(a)、Vge(b)の電圧差を抑制するためには、ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9の結合係数12を十分大きくする必要がある。十分な電圧補償を得るには、結合係数12の係数K>0.9は必要である。また、ΔVgeを抑制するには、スイッチング時にエミッタ補助配線9に流れる電流が、エミッタ補助配線9の寄生抵抗によって飽和しないようにする必要がある。十分な補償期間を得るには、エミッタ補助配線9のインダクタンスL>10nHは必要である。
【0047】
結合係数12の係数Kを上記のような一定値以上の大なる値に設定し、また、エミッタ補助配線9のインダクタンスを大にすることは、ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9を、共に磁性体コアを貫通させることで、実現することができる。このゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9を、共に磁性体コアを貫通させる構成を採用することで、さらに、スイッチング時に主回路エミッタ配線7とエミッタ補助配線9に流れる閉ル−プ電流を減少させて、誤動作やノイズを減らすことも同時に達成できる。
【0048】
その他の実施の形態を説明する。結合係数12の係数Kを一定値以上の大なる値に設定する手段として、上記の他に、ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9を、共にギャップ付き磁性体コアを貫通させることでも、実現することができる。ギャップ付き磁性体コアを用いることで、エミッタ補助配線9のインダクタンス値を調整し、かつ磁性体コアが飽和しないようにすることもできる。
【0049】
また、ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9を、平行平板構造あるいは同軸構造にすることによっても、一定値以上の大きな結合係数12を得ることができる。平行平板構造あるいは同軸構造にすると、ゲ−ト配線8とエミッタ補助配線9の低インダクタンス化も同時に達成できる。
【0050】
なお、上述の第1の実施の形態及び他の実施の形態において、電圧駆動型スイッチング素子の並列接続数は、3並列以上であっても、上記と同様の考えを適用して実施することができる。また、以上述べた電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路は、インバ−タ等に使用する場合において、回路全体を例えば1つのパッケ−ジ内に収納し、電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルとして構成しても、上記と同様の作用・効果を生じる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路の発明によれば、ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の結合係数を一定値以上に設定し、スイッチング時に、エミッタ側主回路配線の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差を抑制するようにしたので、より均一なスイッチング動作を実現することができる。
【0052】
請求項6に係る電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路の発明によれば、結合係数の値を0.9以上に設定することで、スイッチング時に、複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に生じる電圧差の抑制が十分に行われて、より一層均一なスイッチング動作を実現することができる。
【0053】
請求項7〜11に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルの発明によれば、半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項1〜5に係る発明と略同様の効果がある。
【0054】
請求項12に係る電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルの発明によれば、半導体モジュ−ルにおいて、前記請求項6に係る発明と略同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路の回路図である。
【図2】従来の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路の回路図である。
【図3】各配線の浮遊インダクタンスを集中定数として表した図2の等価回路図である。
【符号の説明】
1 主回路コレクタ端子(一方の主回路端子)
2 主回路エミッタ端子(他方の主回路端子)
3 ゲ−ト端子
4 エミッタ補助端子
5a、5b IGBT(電圧駆動型スイッチング素子)
6 主回路コレクタ配線(コレクタ側主回路配線)
7 主回路エミッタ配線(エミッタ側主回路配線)
8 ゲ−ト配線
9 エミッタ補助配線
Claims (12)
- 各コレクタをそれぞれコレクタ側主回路配線を介して一方の主回路端子に接続し、各エミッタをそれぞれエミッタ側主回路配線を介して他方の主回路端子に接続し、それぞれゲ−ト配線及びエミッタ補助配線を通じて各ゲ−トにゲ−ト電圧を供給するようにしてなる並列接続された複数の電圧駆動型スイッチング素子の各ゲ−トを駆動する電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路であって、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の結合係数を一定値以上に設定し、前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のスイッチング時に、前記エミッタ側主回路配線の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に発生する電圧差を抑制するようにしたことを特徴とする電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路。
- 前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共に磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを特徴とする請求項1記載の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路。
- 前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共にギャップ付き磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを特徴とする請求項1記載の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路。
- 前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、平行平板構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを特徴とする請求項1記載の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路。
- 前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、同軸構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを特徴とする請求項1記載の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト駆動回路。
- 前記結合係数の値は、0.9以上であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電圧駆動型スイッチング素子のゲート駆動回路。
- 各コレクタをそれぞれコレクタ側主回路配線を介して一方の主回路端子に接続し、各エミッタをそれぞれエミッタ側主回路配線を介して他方の主回路端子に接続し、それぞれゲ−ト配線及びエミッタ補助配線を通じて各ゲ−トにゲ−ト電圧を供給するようにしてなる並列接続された複数の電圧駆動型スイッチング素子を搭載した電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ルであって、前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線間の結合係数を一定値以上に設定し、前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のスイッチング時に、前記エミッタ側主回路配線の浮遊インダクタンスに生じる誘起電圧により前記複数の電圧駆動型スイッチング素子のゲ−ト・エミッタ間電圧に発生する電圧差を抑制するようにしたことを特徴とする電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ル。
- 前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共に磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを特徴とする請求項7記載の電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ル。
- 前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、共にギャップ付き磁性体コアを貫通させて、前記結合係数を一定値以上としたことを特徴とする請求項7記載の電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ル。
- 前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、平行平板構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを特徴とする請求項7記載の電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ル。
- 前記ゲ−ト配線とエミッタ補助配線を、同軸構造にして、前記結合係数を一定値以上としたことを特徴とする請求項7記載の電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ル。
- 前記結合係数の値は、0.9以上であることを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の電圧駆動型スイッチング素子の半導体モジュ−ル。
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