JP2004173138A - 同期システム - Google Patents
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Abstract
【課題】長い周期の同期用タイミング信号を必要とする複数の被駆動装置が商用電力を利用して同期し、かつ動作することが可能な同期システムを提供する。
【解決手段】この同期システムでは、電源供給装置2は、電源プラグ1を介して入力された商用電力波形の1サイクルを、予め定められた商用電力周期毎に欠落処理した電源電力を無線基地局装置3へ出力する。無線基地局装置3は、電源供給装置2の出力電力の欠落処理された部分に基づいてフレームタイミング信号を生成する。これにより、電源が同一の範囲内において、長い周期の同期用タイミング信号を必要とする複数の被駆動装置が商用電力を利用して同期し、かつ動作することが可能な同期システムが実現できる。
【選択図】 図3
【解決手段】この同期システムでは、電源供給装置2は、電源プラグ1を介して入力された商用電力波形の1サイクルを、予め定められた商用電力周期毎に欠落処理した電源電力を無線基地局装置3へ出力する。無線基地局装置3は、電源供給装置2の出力電力の欠落処理された部分に基づいてフレームタイミング信号を生成する。これにより、電源が同一の範囲内において、長い周期の同期用タイミング信号を必要とする複数の被駆動装置が商用電力を利用して同期し、かつ動作することが可能な同期システムが実現できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は同期システムに関し、特に、商用電力を利用して同期し、かつ動作する同期システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、歩行者を対象としたナビゲーションを目的とし、詳細なデジタル地図データの情報提供および目的地までのバリアフリーを考慮した経路案内のサービスを行なう歩行者ITS(Intelligent Transportation System:高度道路交通システム)の開発が進められている。
【0003】
この歩行者ITSでは、高い精度の位置標定システムとしてのサービスが要求されている。電波を利用した位置標定システムでは、複数の無線基地局間を同期させる必要がある。歩行者端末がある無線基地局のサービスゾーンから別の無線基地局のサービスゾーンへ移動した場合に、移動前後の無線基地局間の同期がとれていないと、干渉により通信状態が悪くなり、位置標定精度の劣化などの通信障害が発生する。無線基地局間を同期させる方法としては、有線回線でタイミング信号を送る方法、無線回線でタイミング信号を送る方法、標準電波やGPS(Global Positioning System:衛星航法システム)信号を受信してタイミング信号を抽出する方法、商用電力の周波数を利用してタイミング信号を生成する方法などが考えられる。
【0004】
GPSあるいはスードライド(GPSと同様の信号を発生する装置を地上に置いたシステム)を利用したCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式のシステムの場合、システムに高精度な基準クロックを内蔵する必要がある。また、CDMA方式のシステムでは、受信端末が複数の無線基地局から受ける信号にレベル差があるとうまく動作しないという遠近問題がある。
【0005】
商用電力の周波数を利用してタイミング信号を生成する方法は、商用電力が各無線基地局装置に共通で供給されるため非常に使い勝手がよい。また、同期信号を別回線で供給する必要がないためシステム全体の低コスト化・小型化が図れる。歩行者ITSではないが、商用電力に同期したタイミング信号を電源電力とともに複数のテレビカメラに供給することで、複数のテレビカメラを同期させるモニタシステムがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−123293号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、商用電力の周波数を利用してタイミング信号を生成する方法は非常に使い勝手がよいが、日本の商用電力の周波数は50Hzまたは60Hzであるため、TDMA(Time division Multiple Access:時分割多元接続)方式を用いた歩行者ITSに適用するとタイミング間隔(フレーム長)が制限されていた。つまり、商用電力波形の立ち上がりゼロクロスポイントを抽出すると、フレーム長は20msまたは16.7msとなる。実用上、電源プラグの指し込み方向が変わると極性が変わる(位相が180度ずれる)ことを考慮する必要があり、商用電力波形の立ち上がりおよび立ち下がりゼロクロスポイントを抽出すると、フレーム長はその半分の10msまたは8.3msとなる。
【0008】
したがって、商用電力の周波数を利用してタイミング信号を生成する方法は、TDMA方式を用いた歩行者ITSなどの長いフレーム周期(10msよりも長い周期)の通信システムにおいて、複数の無線基地局装置(被駆動装置)を同期させることはできなかった。
【0009】
それゆえに、この発明の主たる目的は、長い周期の同期用タイミング信号を必要とする複数の被駆動装置が商用電力を利用して同期し、かつ動作することが可能な同期システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る同期システムは、商用電力を利用して同期し、かつ動作する同期システムであって、予め定められた商用電力周期毎に商用電力波形の一部を欠落処理した電源電力を出力する電源供給装置と、各々が電源供給装置の出力電力によって駆動され、電源供給装置の出力電力の欠落処理された部分に同期して動作する複数の被駆動装置とを備える。
【0011】
好ましくは、電源供給装置は、商用電力波形の立ち上がりおよび立ち下がりゼロクロスポイントを抽出するポイント抽出手段と、ポイント抽出手段で抽出されたゼロクロスポイント数をカウントし、予め定められたゼロクロスポイント数になる毎に、制御信号を1サイクル期間出力するカウンタ手段と、その入力端子が商用電力を受け、その出力端子が複数の被駆動装置に接続され、カウンタ手段から制御信号が出力されている期間に非導通になるスイッチ手段とを含む。
【0012】
また、好ましくは、複数の被駆動装置は、各々が電源供給装置の出力電力波形をパルス信号列に変換して出力する波形変換手段と、パルス信号列に基づいて波形欠落部分を検出し、検出結果に基づいて複数の被駆動装置の同期をとるためのタイミング信号を生成する欠落検出手段とを含む。
【0013】
また、好ましくは、複数の被駆動装置は、複数の受信端末と無線通信を行なうための複数の無線基地局装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施の形態によるTDMA方式の歩行者ITSの全体構成を示すブロック図である。図1において、この歩行者ITSは、電源プラグ1と、電源供給装置2と、無線基地局装置(送信機)3−1〜3−nと、アンテナ4−1〜4−nと、歩行者端末(受信機)5−1,5−2,…とを備える。
【0015】
電源供給装置2は、その入力端子が電源プラグ1を介して商用電力を受け、その出力端子が複数の無線基地局装置3−1〜3−nに接続される。各無線基地局装置3−1〜3−nは、電源供給装置2から電源電力を受け、各歩行者端末5−1,5−2,…が端末位置を標定するために必要な基準電波P1〜PnをTDMA方式に従ってアンテナ4−1〜4−nを介して輻射する。各歩行者端末5−1,5−2,…は、無線基地局装置3−1〜3−nのうち自己の端末位置が含まれるサービスゾーンを有する無線基地局装置から輻射された基準電波を受信して、自己の端末位置を標定する。
【0016】
各無線基地局装置3−1〜3−nは、自基地局装置のサービスゾーン内に位置する歩行者端末へ放送(報知)を行ない、歩行者端末が通信中にサービスゾーン間を移動した場合でも報知が行なえるように所定の間隔で配置されている。ただし、TDMA方式の場合、一つの無線チャネルを複数の無線基地局装置が時分割で使用するため、各無線基地局装置3−1〜3−nは基準電波を輻射するタイミングが重複しないように互いに同期している必要がある。
【0017】
図2は、図1に示した無線基地局装置3−1〜3−nのフレーム毎の輻射タイミングを示す図である。図2において、n個の無線基地局装置3−1〜3−nで1つの無線チャネルが共用されている。無線基地局装置3−1〜3−nから輻射される各々の基準電波P1〜Pnは、輻射タイミングが重複しないように、タイムスロットTs毎に順に輻射するように設定されている。ここで、フレーム長はタイムスロットTsをn倍した長さである。
【0018】
図3は、図1に示した電源供給装置2および無線基地局装置3の要部を示すブロック図である。図3において、電源プラグ1は電源供給装置2を介して無線基地局装置3に接続され、無線基地局装置3にはアンテナ4が接続される。電源供給装置2に含まれる波形欠落処理回路6は、ポイント抽出回路7と、カウンタ回路8と、スイッチ回路9とを含み、無線基地局装置3に含まれるタイミング生成回路10は、波形変換回路11と、欠落検出回路12とを含む。
【0019】
波形欠落処理回路6において、ポイント抽出回路7は、電源プラグ1を介して入力された商用電力波形の立ち上がりおよび立ち下がりゼロクロスポイントを抽出する。
【0020】
カウンタ回路8は、ポイント抽出回路7で抽出されたゼロクロスポイント数をカウントし、設定されたゼロクロスポイント数になる毎に制御信号を出力する。この制御信号は、1サイクル(立ち上がりゼロクロスポイントから次の立ち上がりゼロクロスポイントまで、または立ち下がりゼロクロスポイントから次の立ち下がりゼロクロスポイントまでのサイクル)期間出力される。
【0021】
スイッチ回路9は、電源プラグ1を介して商用電力を受け、カウンタ回路8から制御信号が入力されている期間に非導通になることによって、商用電力波形の一部を欠落処理した電源電力を出力する。
【0022】
図4は、図3に示した電源供給装置2の出力電力波形を示す図である。図4において、この出力電力波形は6サイクル毎に1サイクルの波形が欠落処理されている。この程度の波形欠落であれば、無線基地局装置3への電源供給上問題は生じない。なお、ここでは波形を欠落処理する周期を6サイクル毎として説明したが、欠落処理する周期を任意の整数倍のサイクル毎とした場合も同様である。
【0023】
図3に戻って、タイミング生成回路10において、波形変換回路11は、電源供給装置2から入力された電源電力の正弦波の波形をパルス信号列に変換して出力する。欠落検出回路12は、波形変換回路11から入力されたパルス信号列に基づいて波形欠落部分を検出し、検出結果に基づいて無線基地局装置3のフレームの同期をとるためのフレームタイミング信号を生成する。無線基地局装置3は、生成されたフレームタイミング信号により同期された基準電波を、アンテナ4を介して輻射する。
【0024】
この実施の形態では、任意の整数倍の商用電力周期毎に商用電力波形の一部が欠落処理され、その欠落部分に基づいてフレームタイミング信号が生成される。したがって、電源が同一の範囲内において、フレーム周期が商用電力周期の任意の整数倍である通信システムにおいて複数の無線基地局装置3−1〜3−nを同期させることができる。電源電力は各無線基地局装置3−1〜3−nに共通で使用されるため、商用電力を利用する方法は非常に使い勝手がよい。また、高価な同期信号発生器は不要であり、同期信号を別回線で供給する必要がないため、システム全体の低コスト化・小型化が図れる。
【0025】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る同期システムは、商用電力を利用して同期し、かつ動作する同期システムであって、予め定められた商用電力周期毎に商用電力波形の一部を欠落処理した電源電力を出力する電源供給装置と、各々が電源供給装置の出力電力によって駆動され、電源供給装置の出力電力の欠落処理された部分に同期して動作する複数の被駆動装置とを備える。したがって、この実施の形態によれば、電源が同一の範囲内において、長い周期の同期用タイミング信号を必要とする複数の被駆動装置が商用電力を利用して同期し、かつ動作することが可能な同期システムが実現できる。電源電力は各被駆動装置に共通で使用されるため、商用電力を利用する方法は非常に使い勝手がよい。また、高価な同期信号発生器は不要であり、同期信号を別回線で供給する必要がないため、システム全体の低コスト化・小型化が図れる。
【0027】
好ましくは、電源供給装置は、商用電力波形の立ち上がりおよび立ち下がりゼロクロスポイントを抽出するポイント抽出手段と、ポイント抽出手段で抽出されたゼロクロスポイント数をカウントし、予め定められたゼロクロスポイント数になる毎に、制御信号を1サイクル期間出力するカウンタ手段と、その入力端子が商用電力を受け、その出力端子が複数の被駆動装置に接続され、カウンタ手段から制御信号が出力されている期間に非導通になるスイッチ手段とを含む。この場合、商用電力周期の任意の整数倍の周期毎に波形を1サイクル期間欠落処理した電源電力を複数の被駆動装置に供給することができる。
【0028】
また、好ましくは、複数の被駆動装置は、各々が電源供給装置の出力電力波形をパルス信号列に変換して出力する波形変換手段と、パルス信号列に基づいて波形欠落部分を検出し、検出結果に基づいて複数の被駆動装置の同期をとるためのタイミング信号を生成する欠落検出手段とを含む。この場合、商用電力周期の任意の整数倍の周期を持つタイミング信号によって複数の被駆動装置を同期させることができる。
【0029】
また、好ましくは、複数の被駆動装置は、複数の受信端末と無線通信を行なうための複数の無線基地局装置である。この場合、フレーム周期が商用電力周期の任意の整数倍である通信システムにおいて複数の無線基地局装置を同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態によるTDMA方式の歩行者ITSの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した無線基地局装置3−1〜3−nのフレーム毎の輻射タイミングを示す図である。
【図3】図1に示した電源供給装置2および無線基地局装置3の要部を示すブロック図である。
【図4】図3に示した電源供給装置2の出力電力波形を示す図である。
【符号の説明】
1 電源プラグ、2 電源供給装置、3,3−1,3−2,…3−n 無線基地局装置、4,4−1,4−2,…4−n アンテナ、5−1,5−2 歩行者端末、6 波形欠落処理回路、7 ポイント抽出回路、8 カウンタ回路、9 スイッチ回路、10 タイミング生成回路、11 波形変換回路、12 欠落検出回路、P1,P2,…Pn 基準電波。
【発明の属する技術分野】
この発明は同期システムに関し、特に、商用電力を利用して同期し、かつ動作する同期システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、歩行者を対象としたナビゲーションを目的とし、詳細なデジタル地図データの情報提供および目的地までのバリアフリーを考慮した経路案内のサービスを行なう歩行者ITS(Intelligent Transportation System:高度道路交通システム)の開発が進められている。
【0003】
この歩行者ITSでは、高い精度の位置標定システムとしてのサービスが要求されている。電波を利用した位置標定システムでは、複数の無線基地局間を同期させる必要がある。歩行者端末がある無線基地局のサービスゾーンから別の無線基地局のサービスゾーンへ移動した場合に、移動前後の無線基地局間の同期がとれていないと、干渉により通信状態が悪くなり、位置標定精度の劣化などの通信障害が発生する。無線基地局間を同期させる方法としては、有線回線でタイミング信号を送る方法、無線回線でタイミング信号を送る方法、標準電波やGPS(Global Positioning System:衛星航法システム)信号を受信してタイミング信号を抽出する方法、商用電力の周波数を利用してタイミング信号を生成する方法などが考えられる。
【0004】
GPSあるいはスードライド(GPSと同様の信号を発生する装置を地上に置いたシステム)を利用したCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式のシステムの場合、システムに高精度な基準クロックを内蔵する必要がある。また、CDMA方式のシステムでは、受信端末が複数の無線基地局から受ける信号にレベル差があるとうまく動作しないという遠近問題がある。
【0005】
商用電力の周波数を利用してタイミング信号を生成する方法は、商用電力が各無線基地局装置に共通で供給されるため非常に使い勝手がよい。また、同期信号を別回線で供給する必要がないためシステム全体の低コスト化・小型化が図れる。歩行者ITSではないが、商用電力に同期したタイミング信号を電源電力とともに複数のテレビカメラに供給することで、複数のテレビカメラを同期させるモニタシステムがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−123293号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、商用電力の周波数を利用してタイミング信号を生成する方法は非常に使い勝手がよいが、日本の商用電力の周波数は50Hzまたは60Hzであるため、TDMA(Time division Multiple Access:時分割多元接続)方式を用いた歩行者ITSに適用するとタイミング間隔(フレーム長)が制限されていた。つまり、商用電力波形の立ち上がりゼロクロスポイントを抽出すると、フレーム長は20msまたは16.7msとなる。実用上、電源プラグの指し込み方向が変わると極性が変わる(位相が180度ずれる)ことを考慮する必要があり、商用電力波形の立ち上がりおよび立ち下がりゼロクロスポイントを抽出すると、フレーム長はその半分の10msまたは8.3msとなる。
【0008】
したがって、商用電力の周波数を利用してタイミング信号を生成する方法は、TDMA方式を用いた歩行者ITSなどの長いフレーム周期(10msよりも長い周期)の通信システムにおいて、複数の無線基地局装置(被駆動装置)を同期させることはできなかった。
【0009】
それゆえに、この発明の主たる目的は、長い周期の同期用タイミング信号を必要とする複数の被駆動装置が商用電力を利用して同期し、かつ動作することが可能な同期システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る同期システムは、商用電力を利用して同期し、かつ動作する同期システムであって、予め定められた商用電力周期毎に商用電力波形の一部を欠落処理した電源電力を出力する電源供給装置と、各々が電源供給装置の出力電力によって駆動され、電源供給装置の出力電力の欠落処理された部分に同期して動作する複数の被駆動装置とを備える。
【0011】
好ましくは、電源供給装置は、商用電力波形の立ち上がりおよび立ち下がりゼロクロスポイントを抽出するポイント抽出手段と、ポイント抽出手段で抽出されたゼロクロスポイント数をカウントし、予め定められたゼロクロスポイント数になる毎に、制御信号を1サイクル期間出力するカウンタ手段と、その入力端子が商用電力を受け、その出力端子が複数の被駆動装置に接続され、カウンタ手段から制御信号が出力されている期間に非導通になるスイッチ手段とを含む。
【0012】
また、好ましくは、複数の被駆動装置は、各々が電源供給装置の出力電力波形をパルス信号列に変換して出力する波形変換手段と、パルス信号列に基づいて波形欠落部分を検出し、検出結果に基づいて複数の被駆動装置の同期をとるためのタイミング信号を生成する欠落検出手段とを含む。
【0013】
また、好ましくは、複数の被駆動装置は、複数の受信端末と無線通信を行なうための複数の無線基地局装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施の形態によるTDMA方式の歩行者ITSの全体構成を示すブロック図である。図1において、この歩行者ITSは、電源プラグ1と、電源供給装置2と、無線基地局装置(送信機)3−1〜3−nと、アンテナ4−1〜4−nと、歩行者端末(受信機)5−1,5−2,…とを備える。
【0015】
電源供給装置2は、その入力端子が電源プラグ1を介して商用電力を受け、その出力端子が複数の無線基地局装置3−1〜3−nに接続される。各無線基地局装置3−1〜3−nは、電源供給装置2から電源電力を受け、各歩行者端末5−1,5−2,…が端末位置を標定するために必要な基準電波P1〜PnをTDMA方式に従ってアンテナ4−1〜4−nを介して輻射する。各歩行者端末5−1,5−2,…は、無線基地局装置3−1〜3−nのうち自己の端末位置が含まれるサービスゾーンを有する無線基地局装置から輻射された基準電波を受信して、自己の端末位置を標定する。
【0016】
各無線基地局装置3−1〜3−nは、自基地局装置のサービスゾーン内に位置する歩行者端末へ放送(報知)を行ない、歩行者端末が通信中にサービスゾーン間を移動した場合でも報知が行なえるように所定の間隔で配置されている。ただし、TDMA方式の場合、一つの無線チャネルを複数の無線基地局装置が時分割で使用するため、各無線基地局装置3−1〜3−nは基準電波を輻射するタイミングが重複しないように互いに同期している必要がある。
【0017】
図2は、図1に示した無線基地局装置3−1〜3−nのフレーム毎の輻射タイミングを示す図である。図2において、n個の無線基地局装置3−1〜3−nで1つの無線チャネルが共用されている。無線基地局装置3−1〜3−nから輻射される各々の基準電波P1〜Pnは、輻射タイミングが重複しないように、タイムスロットTs毎に順に輻射するように設定されている。ここで、フレーム長はタイムスロットTsをn倍した長さである。
【0018】
図3は、図1に示した電源供給装置2および無線基地局装置3の要部を示すブロック図である。図3において、電源プラグ1は電源供給装置2を介して無線基地局装置3に接続され、無線基地局装置3にはアンテナ4が接続される。電源供給装置2に含まれる波形欠落処理回路6は、ポイント抽出回路7と、カウンタ回路8と、スイッチ回路9とを含み、無線基地局装置3に含まれるタイミング生成回路10は、波形変換回路11と、欠落検出回路12とを含む。
【0019】
波形欠落処理回路6において、ポイント抽出回路7は、電源プラグ1を介して入力された商用電力波形の立ち上がりおよび立ち下がりゼロクロスポイントを抽出する。
【0020】
カウンタ回路8は、ポイント抽出回路7で抽出されたゼロクロスポイント数をカウントし、設定されたゼロクロスポイント数になる毎に制御信号を出力する。この制御信号は、1サイクル(立ち上がりゼロクロスポイントから次の立ち上がりゼロクロスポイントまで、または立ち下がりゼロクロスポイントから次の立ち下がりゼロクロスポイントまでのサイクル)期間出力される。
【0021】
スイッチ回路9は、電源プラグ1を介して商用電力を受け、カウンタ回路8から制御信号が入力されている期間に非導通になることによって、商用電力波形の一部を欠落処理した電源電力を出力する。
【0022】
図4は、図3に示した電源供給装置2の出力電力波形を示す図である。図4において、この出力電力波形は6サイクル毎に1サイクルの波形が欠落処理されている。この程度の波形欠落であれば、無線基地局装置3への電源供給上問題は生じない。なお、ここでは波形を欠落処理する周期を6サイクル毎として説明したが、欠落処理する周期を任意の整数倍のサイクル毎とした場合も同様である。
【0023】
図3に戻って、タイミング生成回路10において、波形変換回路11は、電源供給装置2から入力された電源電力の正弦波の波形をパルス信号列に変換して出力する。欠落検出回路12は、波形変換回路11から入力されたパルス信号列に基づいて波形欠落部分を検出し、検出結果に基づいて無線基地局装置3のフレームの同期をとるためのフレームタイミング信号を生成する。無線基地局装置3は、生成されたフレームタイミング信号により同期された基準電波を、アンテナ4を介して輻射する。
【0024】
この実施の形態では、任意の整数倍の商用電力周期毎に商用電力波形の一部が欠落処理され、その欠落部分に基づいてフレームタイミング信号が生成される。したがって、電源が同一の範囲内において、フレーム周期が商用電力周期の任意の整数倍である通信システムにおいて複数の無線基地局装置3−1〜3−nを同期させることができる。電源電力は各無線基地局装置3−1〜3−nに共通で使用されるため、商用電力を利用する方法は非常に使い勝手がよい。また、高価な同期信号発生器は不要であり、同期信号を別回線で供給する必要がないため、システム全体の低コスト化・小型化が図れる。
【0025】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る同期システムは、商用電力を利用して同期し、かつ動作する同期システムであって、予め定められた商用電力周期毎に商用電力波形の一部を欠落処理した電源電力を出力する電源供給装置と、各々が電源供給装置の出力電力によって駆動され、電源供給装置の出力電力の欠落処理された部分に同期して動作する複数の被駆動装置とを備える。したがって、この実施の形態によれば、電源が同一の範囲内において、長い周期の同期用タイミング信号を必要とする複数の被駆動装置が商用電力を利用して同期し、かつ動作することが可能な同期システムが実現できる。電源電力は各被駆動装置に共通で使用されるため、商用電力を利用する方法は非常に使い勝手がよい。また、高価な同期信号発生器は不要であり、同期信号を別回線で供給する必要がないため、システム全体の低コスト化・小型化が図れる。
【0027】
好ましくは、電源供給装置は、商用電力波形の立ち上がりおよび立ち下がりゼロクロスポイントを抽出するポイント抽出手段と、ポイント抽出手段で抽出されたゼロクロスポイント数をカウントし、予め定められたゼロクロスポイント数になる毎に、制御信号を1サイクル期間出力するカウンタ手段と、その入力端子が商用電力を受け、その出力端子が複数の被駆動装置に接続され、カウンタ手段から制御信号が出力されている期間に非導通になるスイッチ手段とを含む。この場合、商用電力周期の任意の整数倍の周期毎に波形を1サイクル期間欠落処理した電源電力を複数の被駆動装置に供給することができる。
【0028】
また、好ましくは、複数の被駆動装置は、各々が電源供給装置の出力電力波形をパルス信号列に変換して出力する波形変換手段と、パルス信号列に基づいて波形欠落部分を検出し、検出結果に基づいて複数の被駆動装置の同期をとるためのタイミング信号を生成する欠落検出手段とを含む。この場合、商用電力周期の任意の整数倍の周期を持つタイミング信号によって複数の被駆動装置を同期させることができる。
【0029】
また、好ましくは、複数の被駆動装置は、複数の受信端末と無線通信を行なうための複数の無線基地局装置である。この場合、フレーム周期が商用電力周期の任意の整数倍である通信システムにおいて複数の無線基地局装置を同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態によるTDMA方式の歩行者ITSの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した無線基地局装置3−1〜3−nのフレーム毎の輻射タイミングを示す図である。
【図3】図1に示した電源供給装置2および無線基地局装置3の要部を示すブロック図である。
【図4】図3に示した電源供給装置2の出力電力波形を示す図である。
【符号の説明】
1 電源プラグ、2 電源供給装置、3,3−1,3−2,…3−n 無線基地局装置、4,4−1,4−2,…4−n アンテナ、5−1,5−2 歩行者端末、6 波形欠落処理回路、7 ポイント抽出回路、8 カウンタ回路、9 スイッチ回路、10 タイミング生成回路、11 波形変換回路、12 欠落検出回路、P1,P2,…Pn 基準電波。
Claims (4)
- 商用電力を利用して同期し、かつ動作する同期システムであって、
予め定められた商用電力周期毎に商用電力波形の一部を欠落処理した電源電力を出力する電源供給装置、および
各々が前記電源供給装置の出力電力によって駆動され、前記電源供給装置の出力電力の欠落処理された部分に同期して動作する複数の被駆動装置を備える、同期システム。 - 前記電源供給装置は、
前記商用電力波形の立ち上がりおよび立ち下がりゼロクロスポイントを抽出するポイント抽出手段、
前記ポイント抽出手段で抽出されたゼロクロスポイント数をカウントし、予め定められたゼロクロスポイント数になる毎に、制御信号を1サイクル期間出力するカウンタ手段、および
その入力端子が前記商用電力を受け、その出力端子が前記複数の被駆動装置に接続され、前記カウンタ手段から前記制御信号が出力されている期間に非導通になるスイッチ手段を含む、請求項1に記載の同期システム。 - 前記複数の被駆動装置は、各々が前記電源供給装置の出力電力波形をパルス信号列に変換して出力する波形変換手段、および
前記パルス信号列に基づいて波形欠落部分を検出し、検出結果に基づいて前記複数の被駆動装置の同期をとるためのタイミング信号を生成する欠落検出手段を含む、請求項1または請求項2に記載の同期システム。 - 前記複数の被駆動装置は、複数の受信端末と無線通信を行なうための複数の無線基地局装置である、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の同期システム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002338931A JP2004173138A (ja) | 2002-11-22 | 2002-11-22 | 同期システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002338931A JP2004173138A (ja) | 2002-11-22 | 2002-11-22 | 同期システム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004173138A true JP2004173138A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32702007
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002338931A Withdrawn JP2004173138A (ja) | 2002-11-22 | 2002-11-22 | 同期システム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004173138A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008111337A1 (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-18 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 可視光通信の受信装置及び可視光通信システム |
-
2002
- 2002-11-22 JP JP2002338931A patent/JP2004173138A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008111337A1 (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-18 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 可視光通信の受信装置及び可視光通信システム |
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