JP2004162124A - 基板の処理装置及び処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板に付着した有機物を励起酸素で分解除去する基板の処理装置において、
上記基板が供給されるチャンバ1と、このチャンバ内の酸素を励起して励起酸素を発生させる低圧水銀ランプ7と、上記チャンバ内に供給する不活性ガスの量を制御してこのチャンバ内の酸素濃度を所定の範囲に設定する制御装置15とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は基板に付着した有機物を酸素を励起することで発生する励起酸素によって分解除去する基板の処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体装置や液晶表示装置の製造過程においては、半導体ウエハや矩形状の液晶表示用ガラス基板等の基板に回路パタ−ンを形成するための成膜プロセスやフォトプロセスがある。これらのプロセスでは、上記基板の薬液処理、洗浄液による洗浄処理および乾燥処理などが繰り返して行われる。
【0003】
基板の清浄度を高めるために、上述した種々の処理の前または後に、上記基板に付着した有機物を分解除去する工程がある。有機物の分解除去は、酸素を励起することで発生する励起酸素によって行われる。
【0004】
すなわち、チャンバ内に基板を搬送し、このチャンバに設けられた低圧水銀ランプやエキシマランプなどの紫外線ランプを点灯し、その紫外線ランプから出射される紫外線によってチャンバ内を照射する。有機物の分解除去に用いられるランプはチャンバ内の酸素を励起して励起酸素を発生させる。
【0005】
したがって、チャンバ内を上記紫外線ランプから出射された紫外線で照射すれば、このチャンバ内に励起酸素が発生するから、その励起酸素によって基板に付着した有機物を分解除去することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、チャンバ内を紫外線で照射したときに、このチャンバ内で励起酸素を発生させるためには、上述したようにチャンバ内に酸素が存在することが必要となる一方、紫外線は酸素に吸収され易いため、チャンバ内の酸素濃度を単に高くするのでは、紫外線が基板に到達する前に酸素に吸収されて低減してしまう。
【0007】
そのため、基板に到達する紫外線量が低減し、基板上面で酸素を励起する紫外線量が低減することになるから、励起酸素の発生量も低減し、基板に付着した有機物を確実に分解除去できなくなるということがある。
【0008】
この発明は、チャンバ内で基板に付着した有機物を分解除去するための励起酸素を確実に発生させることができるようにした基板の処理装置及び処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、基板に付着した有機物を励起酸素で分解除去する基板の処理装置において、
上記基板が供給されるチャンバと、
このチャンバ内の酸素を励起して励起酸素を発生させる励起手段と、
上記チャンバ内に供給される不活性ガスの量を制御してこのチャンバ内の酸素濃度を設定する制御手段と、
を具備したことを特徴とする基板の処理装置にある。
【0010】
請求項2の発明は、上記制御手段は、上記チャンバ内の酸素濃度を0よりも大きく、5%よりも小さい範囲に設定することを特徴とする請求項1記載の基板の処理装置にある。
【0011】
請求項3の発明は、上記制御手段は、上記チャンバ内の雰囲気を一定の流量で排気する排気装置と、上記チャンバに不活性ガスを流量制御弁を介して供給する供給部と、この供給部から供給される不活性ガスの供給量が上記排気装置の排気量よりも所定量少なくなるよう上記流量制御弁の開度を制御する制御装置と、
から構成されていることを特徴とする基板の処理装置にある。
【0012】
請求項4の発明は、基板に付着した有機物を励起酸素で分解除去する基板の処理方法において、
上記基板をチャンバ内に供給する工程と、
上記チャンバ内に不活性ガスを供給するとともに、この不活性ガスの供給量を制御して上記チャンバ内の酸素濃度を設定する工程と、
上記チャンバ内の酸素を励起して上記励起酸素を発生させる工程と、
を具備したことを特徴とする基板の処理方法にある。
【0013】
請求項5の発明は、上記チャンバ内の酸素濃度は、0よりも大きく、5%よりも小さい範囲に設定することを特徴とする請求項4記載の基板の処理方法にある。
【0014】
この発明によれば、チャンバ内に供給される不活性ガスの供給量を制御してチャンバ内の酸素濃度を設定することで、紫外線が酸素によって吸収され過ぎるの防止して励起酸素を確実に発生させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1乃至図3はこの発明の第1の実施の形態を示す。図1は基板の処理装置を示し、この処理装置は内部空間が大気に開放されたチャンバ1を備えている。このチャンバ1の一端には搬入口2aが形成され、他端には搬出口2bがほぼ同じ高さで形成されている。搬入口2aと搬出口2bはそれぞれシャッタ3によって開閉されるようになっている。
【0017】
上記チャンバ1内には搬送ローラ4を有する複数の搬送軸5が軸線をほぼ平行にして配設されている。搬送軸5は図示しない駆動源によって回転駆動されるようになっている。それによって、上記搬入口2aからチャンバ1内に搬入された基板Wは搬出口2bから搬出されるようになっている。
【0018】
上記チャンバ1内には励起手段を構成する複数の低圧水銀ランプ7が配置されている。低圧水銀ランプ7は、基板Wの幅寸法とほぼ同等の長さを有し、搬送ローラ4によって搬送される基板Wの上方に、この基板Wの搬送方向に沿って所定間隔で配置されている。
【0019】
上記低圧水銀ランプ7は、酸素を励起してオゾンガス化する波長と、オゾンガスを励起して励起酸素を発生させる波長との2つのピークを持つ紫外線を出力する。つまり、低圧水銀ランプ7は、158〜300nmの範囲の波長の紫外線を出力するようになっていて、184.9nmと253.7nmとにピークを持つ。波長が184.9nmの紫外線は酸素を励起してオゾンガス化し、波長が253.7nmの紫外線はオゾンガスを励起して励起酸素を発生させる。
【0020】
上記チャンバ1内には主供給管11によってN2 、Ne、Ar、H2 などの紫外線によって励起されることない不活性ガスが供給される。つまり、主供給管11の先端側は複数の分岐管11aに分岐され、各分岐管11aが上記チャンバ1の両側壁から内部に連通している。上記主供給管11の基端部は、流量計12及び流量制御弁13を介してボンベなどの不活性ガスの供給部14Aに接続されている。
【0021】
上記チャンバ1の底部には排気装置14が設けられ、この排気装置14によってチャンバ1内の雰囲気を単位時間当たり一定の流量で排気できるようになっている。
【0022】
上記供給部14Aからチャンバ1内に供給された不活性ガスの供給量は、上記流量計12によって検出される。この流量計12による検出信号は制御装置15に入力される。この制御装置15は上記流量制御弁13の開度を制御し、チャンバ1に供給される不活性ガスの量が上記排気装置14から排気されるチャンバ1内の雰囲気の排気量よりもわずかに少なくなるように設定する。
【0023】
それによって、チャンバ1内に供給される不活性ガスの供給量と、上記排気装置14によって排出されるチャンバ1内の排気量との差分だけ、チャンバ1内には搬入口2と搬出口3から外気が流入するから、その差分に応じてチャンバ1内の酸素量が設定される。この実施の形態では、チャンバ1内の酸素濃度が0よりも大きく、10%よりも小さい範囲、好ましくは0よりも大きく、5%よりも小さい範囲になるよう、不活性ガスの供給量が制御される。
【0024】
つぎに、上記構成の処理装置によって基板Wの有機物を分解処理するときの作用について説明する。
【0025】
基板Wを搬入口2からチャンバ1内に搬入したならば、その基板Wを低圧水銀ランプ7の下方まで搬送して停止し、上記低圧水銀ランプ7を点灯する。それによって、各低圧水銀ランプ7からは紫外線が放射される。
【0026】
低圧水銀ランプ7から放射される紫外線は酸素を励起してオゾンガス化する波長と、オゾンガスを励起して励起酸素を発生させる波長との2つのピークを持つ。そのため、チャンバ1内に紫外線が放射されると、チャンバ1内の酸素が励起されてオゾンガス化されたのち、そのオゾンガスが励起されて励起酸素が発生するから、その励起酸素によって基板Wに付着した有機物が分解除去されることになる。
【0027】
チャンバ1内の雰囲気は、不活性ガスによって酸素濃度が0よりも大きく10%よりも小さい範囲、この実施の形態では0よりも大きく、5%以下の範囲になるよう制御されている。このようにチャンバ1内の酸素濃度を設定することで、基板Wに付着する有機物を効率よく分解除去できることが実験によって確認できた。
【0028】
すなわち、酸素濃度が0であると、オゾンガスが発生せず、それに応じて励起酸素も発生しなくなるから、基板Wに付着した有機物を分解除去することができなくなる。
【0029】
酸素濃度が10%以上になると、オゾンガスの発生量は十分であるが、酸素が多すぎるため、オゾンガスを励起する波長の紫外線が酸素に吸収され、その波長の紫外線が基板Wの上面に到達し難くなる。
【0030】
その結果、基板Wの上面近傍では紫外線が希薄になり、紫外線によるオゾンガスの励起がほとんど行なわれなくなる。そのため、基板Wの上面近傍で励起酸素が効率よく発生し難くなるから、基板Wに付着した有機物の分解除去も効率よく確実に行なわれなくなる。
【0031】
しかしながら、この発明では、上述したようにチャンバ1内の酸素濃度を紫外線の照射によってチャンバ1内で基板Wに作用する励起酸素が発生する範囲に設定した。つまり、酸素濃度を0よりも大きく10%よりも小さい範囲であって、好ましくは0よりも大きく5%よりも小さい範囲に設定した。
【0032】
そのため、不活性ガスによって酸素濃度が上述した濃度に設定されたチャンバ1内の雰囲気を、低圧水銀ランプ12から出力される紫外線によって励起することで、このチャンバ1内に励起酸素を確実に発生させることができるから、その励起酸素によって基板Wの板面に付着した有機物を分解除去することができる。
【0033】
すなわち、上記構成の処理装置によれば、チャンバ1からの排気量に応じてこのチャンバ1への不活性ガスの供給量を制御することで、チャンバ1内の酸素濃度を、このチャンバ1内で励起酸素が確実に発生する濃度に設定される。
【0034】
そのため、チャンバ1内に搬送された基板Wに対して励起酸素を確実に作用させることができるから、上記基板Wに付着した有機物の分解除去も確実に行なうことが可能となる。
【0035】
図3のグラフはチャンバ1内の酸素濃度と、基板Wに付着した有機物の除去状態を示す接触角値との関係を測定した結果を示す。なお、図3のグラフにおいて、縦軸は処理後の基板Wの濡れ性を示す上記接触角値であって、その値が小さい程、基板Wに残留する有機物が少ないことになる。
【0036】
すなわち、図3から分かるように、チャンバ1内の酸素濃度を0. %として基板Wを処理すると、この基板Wの接触角値は約3°であった。酸素濃度を3%にして処理した場合には接触角値は2°であり、酸素濃度を5%にして処理した場合には接触角値が約3°であった。以上のことから、酸素濃度が0よりも大きく、5%以内の範囲では基板Wから有機物を良好に除去することができた。
【0037】
チャンバ1内の酸素濃度を10%にして基板Wを処理した場合、処理後の基板Wの接触角値は約9°であり、酸素濃度が5%よりも小さい場合に比べて接触角値が大きくなるものの、基板Wからの有機物の除去状態は実用上、問題のない範囲であった。
【0038】
一方、酸素濃度が10%を超えると、接触角値が大きくなり、基板Wに残留する有機物が増大するため、チャンバ1内の酸素濃度は10%以下にすることが望ましい。たとえば、酸素濃度を20%にすると、接触角値は約11°となり、酸素濃度を10%よりも大きくすると、それに応じて接触角値も大きくなることが確認された。
【0039】
以上の実験結果から、チャンバ1内の酸素濃度が10%よりも小さくなるよう、チャンバ1への不活性ガスの供給を制御すれば、基板Wに付着した有機物を良好に除去することができ、さらにチャンバ1内の酸素濃度を5%よりも小さくすると、有機物の除去をより一層、確実に行なえることが確認された。
【0040】
この発明は上記第1の実施の形態に限定されるものでなく、励起酸素を発生させる励起手段としては、たとえば図4に示すようにチャンバ1の上部壁に紫外線が透過する、たとえば石英板などによって窓21を形成し、この窓21の上側にランプ収容室22を形成する。そして、このランプ収容室22に励起手段として低圧水銀ランプに代わり、172nmの波長の紫外線を出力するエキシマランプ7Aを収容配置する構成としてもよい。
【0041】
エキシマランプ7Aの場合、172nmの波長の紫外線によって酸素をオゾン化した後、励起酸素を発生させる。したがって、エキシマランプ7Aを用いた場合であっても、上記第1の実施の形態と同様、励起酸素を発生させることが可能となる。
【0042】
なお、チャンバ1内の酸素濃度を制御するため、チャンバ1からの排気量を一定とし、不活性ガスの供給量を制御して行なうようにしたが、排気量を制御し、不活性ガスの供給量を一定にしてもよく、要はチャンバ1内の酸素濃度が制御できる方法であればよい。また、チャンバ1内の酸素濃度の下限は1%に限られず、0よりも大きく、10%よりも小さければ、チャンバ1内に励起酸素を確実に発生させることができる。
【0043】
図5はこの発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態はチャンバ1Aの長さ寸法が基板Wの搬送方向の長さ寸法に比べて短く設定されているとともに、そのチャンバ1Aの搬送ローラ4によって搬送される基板Wの上面側には励起手段を構成する第1の電極31と第2の電極32とが所定の間隔で対向して配置されている。第1の電極31は高周波電源33を介してアースされ、第2の電極32はアースされている。
【0044】
主供給管11から分岐された分岐管11aは一対の電極31,32間に対応する部位に接続され、これら電極31,32間の空間部からチャンバ1A内に不活性ガスが供給され、チャンバ1A内の酸素濃度を所定の値に設定する。チャンバ1Aに供給される不活性ガスの種類としては、一対の電極31,32間に生じるプラズマによって励起されないものが用いられる。
なお、チャンバ1Aの搬入口2aと搬出口2bとは開放されている。また、チャンバ1A内の酸素濃度は不活性ガスの供給量と、排気装置14による排気量とによって第1の実施の形態と同様に設定される。
【0045】
このような構成によれば、一対の電極31,32に高周波電圧を印加すると、これらの電極間にプラズマが発生し、そのプラズマによってチャンバ1A内の酸素が励起されるから、このチャンバ1A内に励起酸素を発生させ、基板Wに付着した有機物を分解除去することができる。
【0046】
したがって、基板Wを所定の速度で搬送しながらチャンバ1Aを通過させれば、この基板Wに付着した有機物を分解除去することができる。その場合、上記第1の実施の形態と同様、チャンバ1A内の酸素濃度に応じて処理後の基板Wの接触角値が定まるから、その酸素濃度を0よりも大きく、10%よりも小さい値、好ましくは5%よりも小さい値に設定することで、有機物の分解除去を確実に行なうことが可能となる。
【0047】
図6はこの発明の第4の実施の形態である。この実施の形態は図5に示す第3の実施の形態とは第1の電極31と第2の電極32との配置が異なる。つまり、第1の電極31は搬送される基板Wの上方に配設され、第2の電極32は下方に配設されている。なお、不活性ガスは第1の電極31の両側から分岐管11aによって基板Wに向けて供給されるようになっている。
【0048】
このような構造であっても、図5に示す第3の実施の形態と同様、一対の電極31,32間に発生するプラズマによって基板Wに付着した有機物を分解除去する励起酸素を発生させることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、チャンバ内の酸素濃度を、このチャンバ内に供給する不活性ガスの量を制御して設定するようにしたから、その酸素濃度によって基板に付着した有機物を分解除去するための励起酸素を確実に発生させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る処理装置の側断面図。
【図2】図1の処理装置の平面図。
【図3】チャンバ内の酸素濃度で処理後の基板の接触角値との関係を示すグラフ。
【図4】この発明の第2の実施の形態の処理装置を示す縦断面図。
【図5】この発明の第3の実施の形態の処理装置を示す側断面図。
【図6】この発明の第4の実施の形態の処理装置を示す側断面図。
【符号の説明】
1…チャンバ
7…低圧水銀ランプ(励起手段)
7A…エキシマランプ(励起手段)
13…流量制御弁(制御手段)
14…排気装置(制御手段)
15…制御装置(制御手段)
31,32…電極(励起手段)
Claims (5)
- 基板に付着した有機物を励起酸素で分解除去する基板の処理装置において、
上記基板が供給されるチャンバと、
このチャンバ内の酸素を励起して励起酸素を発生させる励起手段と、
上記チャンバ内に供給される不活性ガスの量を制御してこのチャンバ内の酸素濃度を設定する制御手段と、
を具備したことを特徴とする基板の処理装置。 - 上記制御手段は、上記チャンバ内の酸素濃度を0よりも大きく、5%よりも小さい範囲に設定することを特徴とする請求項1記載の基板の処理装置。
- 上記制御手段は、上記チャンバ内の雰囲気を一定の流量で排気する排気装置と、上記チャンバに不活性ガスを流量制御弁を介して供給する供給部と、この供給部から供給される不活性ガスの供給量が上記排気装置の排気量よりも所定量少なくなるよう上記流量制御弁の開度を制御する制御装置と、
から構成されていることを特徴とする基板の処理装置。 - 基板に付着した有機物を励起酸素で分解除去する基板の処理方法において、
上記基板をチャンバ内に供給する工程と、
上記チャンバ内に不活性ガスを供給するとともに、この不活性ガスの供給量を制御して上記チャンバ内の酸素濃度を設定する工程と、
上記チャンバ内の酸素を励起して上記励起酸素を発生させる工程と、
を具備したことを特徴とする基板の処理方法。 - 上記チャンバ内の酸素濃度は、0よりも大きく、5%よりも小さい範囲に設定することを特徴とする請求項4記載の基板の処理方法。
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