JP2004160344A - ハロゲン化有機化合物の分解方法及び分解剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハロゲン化有機化合物で汚染された固体物質からなる被処理物質に、ハロゲン化有機化合物の分解能を有する高分子脂肪族炭化水素類、糖類又は有機酸類を添加して加熱することにより、ハロゲン化有機化合物を分解する。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化有機化合物で汚染された固体物質からなる被処理物質中のハロゲン化有機化合物を、安全かつ安価に分解して無害化する分解方法と、そのための分解剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ごみ焼却場から排出されるダイオキシン類に代表される有害なハロゲン化有機化合物の分解、無害化法としては、次のような方法が提案されている。
【0003】
▲1▼ 高温度で焼却、酸化分解する方法(「第8回廃棄物学会研究発表会講演論文集」p.677−679)
▲2▼ 不活性ガス雰囲気中で加熱して脱塩素する方法(「ORGANOHALOGEN COMPOUNDS Vol.27(1996)」p.147−152)
▲3▼ 金属ナトリウムと接触させて還元脱塩素する方法(「第7回廃棄物学会研究発表会講演論文集」p.954−957)
▲4▼ アミン化合物等の還元性物質と共に加熱して脱塩素する方法(特許第3287298号)
【0004】
【特許文献1】
特許第3287298号
【非特許文献2】
「第8回廃棄物学会研究発表会講演論文集」p.677−679
【非特許文献3】
「ORGANOHALOGEN COMPOUNDS Vol.27(1996)」
p.147−152
【非特許文献4】
「第7回廃棄物学会研究発表会講演論文集」p.954−957
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記▲1▼の方法では、800℃以上の高温加熱が必要であり、毒性としては高濃度であっても熱量として不十分なハロゲン化有機化合物で汚染された固体汚染物質では、エネルギー多消費型の処理技術となり、不経済である。
【0006】
また、▲2▼の方法では、200〜550℃程度の加熱でダイオキシン類を分解しているが、直接燃焼法よりもエネルギー的には有利である。しかしながら、都市ごみの焼却で発生する飛灰のように冷却過程でダイオキシン類が再合成するものもあり、冷却に別途対策を必要とする。また、融点の低い飛灰では、ダイオキシン類の分解反応中にマトリックスの一部が溶融し、安定した反応器の運転が困難となる。
【0007】
▲3▼の方法では、常温の処理が可能であるが、反応性が高く、危険な金属ナトリウムを使用するため、発火、爆発の危険性が高く、厳重な安全管理が必要となる。
【0008】
▲4▼の方法は、100〜300℃という比較的低温度で処理が可能で、低融点の飛灰に対して有効であり、エネルギー的に▲1▼及び▲2▼の方法に比較して安価な処理方法であるが、混合した薬剤が揮発又は分解して悪臭が発生したり、タール成分が生成したりするため、悪臭やタールに対する後処理が必要となるという問題があった。
【0009】
このようなことから、より安価で安全にハロゲン化有機化合物を無害化処理できるハロゲン化有機化合物の分解技術が求められているのが現状である。
【0010】
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ダイオキシン類等のハロゲン化有機化合物で汚染された固体物質からなる被処理物質中のハロゲン化有機化合物を、安全かつ安価に分解して無害化する分解方法と、そのための分解剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)のハロゲン化有機化合物の分解方法は、ハロゲン化有機化合物で汚染された固体物質からなる被処理物質中のハロゲン化有機化合物を分解する方法において、該被処理物質にハロゲン化有機化合物の分解に対して有効な高分子脂肪族炭化水素類を含む薬剤を添加して加熱することを特徴とする。
【0012】
本発明(請求項2)のハロゲン化有機化合物の分解方法は、ナトリウム及び/又はカリウムを含むアルカリ剤が添加された排ガスから得られた集塵灰以外の、ハロゲン化有機化合物で汚染された固体物質からなる被処理物質中のハロゲン化有機化合物を分解する方法において、該被処理物質に糖類及び/又は有機酸類を含む薬剤を添加して加熱することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のハロゲン化有機化合物の分解剤は、ハロゲン化有機化合物の分解能を有する高分子脂肪族炭化水素類、糖類、又は有機酸類を含むことを特徴とする。
【0014】
ハロゲン化有機化合物の分解能を有する高分子脂肪族炭化水素類、糖類、又は有機酸類であれば、従来のアミン化合物のように悪臭やタール状物質を殆ど発生させることなく、100〜450℃程度の比較的低温で被処理物質中のハロゲン化有機化合物を安全かつ安価に分解して無害化することができる。
【0015】
特に、糖類、有機酸類は、従来のアミン化合物では350℃以上に温度を上げないと分解効果が十分に得られなかったカルシウム系のアルカリ剤が添加された焼却飛灰にも有効であり、比較的低温の加熱でハロゲン化有機化合物を効率的に分解することができる。
【0016】
即ち、一般に、ごみ焼却炉から排出される排ガスは、ボイラ、ガス冷却塔を経た後、消石灰、生石灰等のカルシウム系塩化水素除去剤が噴霧され、その後バグフィルタ等の集塵機で除塵された後、煙突から大気に放出される。このように、排ガス中の塩化水素を消石灰、生石灰等のカルシウム系塩化水素除去剤で処理している焼却施設から排出される飛灰中には、消石灰等のカルシウム系のアルカリ剤と塩化水素との反応生成物である塩化カルシウムが含有されている。しかし、飛灰中の塩化カルシウムは、官能基としてアミン基を有するアミン化合物や水酸基を有する多価アルコールを強固に吸着する性質がある。そのため、ダイオキシン類の分解を目的としてカルシウム系アルカリ剤を含有した飛灰にアミン化合物や多価アルコール類を添加した場合、塩化カルシウムに吸着されてしまう。そのため、飛灰内部に存在するダイオキシン類への拡散が阻害を受けるため、塩化カルシウムを含む飛灰にアミン化合物や多価アルコール類を添加して加熱を行っても、充分なダイオキシン類の分解効果は得られない。ただし、酸性ガスの吸着剤としてナトリウム系やカリウム系のアルカリ剤として噴霧された排ガスから集塵された飛灰では、生成物である塩化ナトリウムや塩化カリウムにアミン化合物や多価アルコール類を吸着する作用がないため、これらはダイオキシン類分解剤として有効に作用する。
【0017】
一方、糖類や有機酸類は、塩化カルシウムを含む飛灰に対しても、有効に作用することを発見した。特に有機酸塩類のうち、ギ酸ナトリウムは塩化カルシウムの影響を実質的に全く受けないため、塩化カルシウムを含む飛灰のダイオキシン類分解剤として最適である。なお、底質を対象とした場合には、薬剤を添加せずに加熱すると、底質にもともと含まれている有機物に起因する焦げ臭い強い臭気を生じるが、本発明の分解剤を添加すると、焦げ臭い臭いを活性炭のように吸着、吸収、又は分解するため、反応中の臭気発生を低減、消失することができる。
特にグルコースは臭いを抑える効果が強く、底質の場合は好適である。
【0018】
なお、本発明に係る分解剤により処理した処理物質中のハロゲン化有機化合物の挙動を追跡すると、例えばダイオキシン類の場合、反応開始当初は、まず、8塩素置換体であるOCDD(8塩素化ジベンゾパラジオキシン)又はOCDF(8塩素化ジベンゾフラン)が減少し、途中、低塩素置換体は増加傾向を示す。更に、反応を継続すると、逐次、低塩素化ダイオキシン類の減少が進んでいく。このことから、本発明によるハロゲン化有機化合物の分解反応は、逐次脱ハロゲン化反応であると推定される。
【0019】
本発明において、高分子脂肪族炭化水素類としては、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンが好ましい。また、糖類としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、セロビオース、澱粉及びセルロースよりなる群から選ばれる1種又は2種以上が、有機酸類としては、クエン酸、エリソルビン酸、グルコン酸、ギ酸及びこれらの有機酸の塩類よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が好適である。
【0020】
被処理物質の加熱には、反応器を用いることができ、この場合、被処理物質を反応器に供給する前工程で、或いは反応器内で、粉体状又は顆粒状の分解剤を被処理物質に添加混合することができる。反応器としては、不活性ガスを積極的に供給する機能を必要としない間接加熱型の連続式又は回分式の反応器を用いることが好ましい。
【0021】
本発明の分解剤の添加率は、被処理物質に対して有効成分量として0.1〜20重量%であることが好ましく、加熱温度は100〜450℃であることが好ましい。
【0022】
なお、被処理物質が重金属を含む場合には、更に重金属類溶出防止剤を添加して、その溶出を防止することが好ましく、この場合、リン酸化合物を主成分とする重金属類溶出防止剤を本発明の分解剤と同時に、或いは本発明の分解剤と事前に混合して、被処理物質に添加して加熱することが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のハロゲン化有機化合物の分解方法及び分解剤の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
まず、本発明のハロゲン化有機化合物の分解剤について説明する。
【0025】
本発明のハロゲン化有機化合物の分解剤は、
ハロゲン化有機化合物の分解能を有する高分子脂肪族炭化水素
糖類
或いは
有機酸類
を含むものである。なお、本発明のハロゲン化有機化合物の分解剤は、高分子脂肪族炭化水素、糖類及び有機酸類のうちの1種のみを含むものに限らず、2種以上を含むものであっても良い。即ち、高分子脂肪族炭化水素と糖類及び/又は有機酸類を含むものであっても良く、糖類及び有機酸類を含むものであっても良い。また、高分子脂肪族炭化水素、糖類、有機酸類の各々についても、それぞれ2種以上を含んでいても良い。
【0026】
本発明において、高分子脂肪族炭化水素としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられるが、これらのうち、加熱反応中に悪臭の発生がないことから、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンを用いることが好ましい。
【0027】
糖類としては、グルコース、フルクトース、ガラクトースなどの単糖類、スクロース、マルトース、ラクトース、セロビオースなどの二糖類、澱粉、セルロースなどの多糖類が挙げられる。また、サポニンなどの配糖体、リグニンなどの高分子電解質も有効である。
【0028】
有機酸類としては、クエン酸、エリソルピン酸、ギ酸、グルコースが酸化されたグルコン酸、或いはこれらの塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
【0029】
本発明のハロゲン化有機化合物の分解剤は、これら高分子脂肪族炭化水素、糖類、有機酸類の他、他のハロゲン化有機化合物分解薬剤を含んでいても良い。また、後述の重金属溶出防止剤を含むものであっても良い。
【0030】
本発明のハロゲン化有機化合物の分解剤は、後述の本発明の方法に従って、ハロゲン化有機化合物で汚染された固体物質からなる被処理物質に添加される他、次のようにして、ごみ焼却炉におけるダイオキシン類の発生防止にも有効に使用することができる。
【0031】
即ち、ごみ焼却炉の焼却飛灰はダイオキシン類の合成触媒として知られているが、排ガス配管内や集塵機内に堆積した飛灰や、濾過式集塵器の濾布の織目に入り込んで払い落とされずに残る飛灰は、ダイオキシン類が合成しやすい温度環境で長時間滞留することになり、ダイオキシン類含有量が増加するだけでなく、集塵機内に滞留することで排ガス中で増加したダイオキシン類が再び脱離、揮散して煙突でのダイオキシン類濃度を増加させることがある。
【0032】
そこで、この排ガス中に本発明のハロゲン化有機化合物の分解剤を添加して、排ガス流中で混合し、飛灰に付着、又は飛灰と混合した形で堆積させることにより、飛灰上で合成されたダイオキシン類の分解する効果、及び飛灰上でのダイオキシン類の合成を抑制する効果を得ることができる。
【0033】
特に、焼却炉の始動運転時や停止運転時は、不完全燃焼によりダイオキシン類及びその前駆体が多量に発生し、このため、ダイオキシン類が多量に付着した飛灰も発生するため、始動運転時、停止運転時に本発明の分解剤を添加することは特に効果的である。
【0034】
本発明のハロゲン化有機化合物の分解方法は、このような本発明の分解剤を用いて、ハロゲン化有機化合物で汚染された固体物質からなる被処理物質中のハロゲン化有機化合物を分解して、無害化する方法である。
【0035】
本発明においては、被処理物質に対して前述の高分子脂肪族炭化水素、或いは糖類及び/又は有機酸類を添加混合して加熱することにより、被処理物質中のハロゲン化有機化合物を分解するが、高分子脂肪族炭化水素と共に糖類及び/又は有機酸類を併用しても良い。
【0036】
被処理物質に対するこれらの分解剤の添加量は、用いる薬剤の種類や、被処理物質中のハロゲン化有機化合物含有量に応じて適宜決定されるが、通常の場合、被処理物質に対して有効成分量として0.1〜20重量%、特に0.5〜15重量%、とりわけ1〜10重量%とするのが好ましい。
【0037】
被処理物質をハロゲン化有機化合物の分解剤と共に加熱するには、加熱反応器を用い、被処理物質と分解剤とを反応器に投入すれば良い。この場合、分解剤は粉体状又は顆粒状の固体のまま被処理物質に添加することができ、被処理物質を反応器に投入する前工程で添加混合しても良く、また、反応器に添加して被処理物質に混合しても良い。
【0038】
加熱雰囲気は空気雰囲気でも良く、必ずしも不活性ガスで置換する必要は無い。従って、反応器に不活性ガスを積極的に供給する機能は不要である。加熱方法は特に限定しないが、分解剤が作用する前に反応器内で酸化燃焼することがないよう、間接加熱式の反応器を用いることが好ましい。また、必須要件ではないが、反応器内への空気の吸い込みは抑制されることが好ましい。
【0039】
用いる反応器は、連続式であっても回分式であっても構わないが、分解剤と被処理物質との均一な接触を実現するために、撹拌機能を有する反応器の利用が望ましい。例えば、連続式では間接加熱式の回転式キルンや、複数の撹拌用パドルを有するパドルドライヤーに類似の反応器などを用いることができ、また、回分反応器としては撹拌機能を有したオートクレーブ或いはこれに類似の反応器などを用いることができるが、何らこれらに限定されるものではない。
【0040】
加熱温度は100〜450℃、特に100〜400℃、とりわけ150〜400℃とすることが好ましい。加熱温度が100℃未満では十分な分解効果を得ることができず、450℃を超える高温加熱はコスト面、設備面で不利である。加熱時間は加熱温度や処理量によっても異なるが、3分以上であれば良く、通常5〜60分程度である。
【0041】
本発明において、処理対象となる被処理物質は特に限定されないが、ダイオキシン類等のハロゲン化有機化合物を含有する焼却飛灰、焼却灰土壌、河川/湖沼/港湾の底質、灰ピットのスラッジ、耐火レンガや金属片等の焼却炉の解体残渣、排ガス配管内の堆積物や濾過式集塵器の濾布といった焼却炉のメンテナンス時に発生する廃棄物等が挙げられる。
【0042】
なお、被処理物が都市ごみ焼却炉の飛灰等のように、重金属類を含有するものである場合には、重金属溶出防止剤を併用して重金属の溶出防止処理も行ってこれを無害化することが好ましい。
【0043】
重金属溶出防止剤としては、有機系、無機系の各種のものがあるが、キレート化合物等の有機系重金属溶出防止剤では、加熱処理時に分解して損失するため、これを避けるためにハロゲン化有機化合物の加熱分解処理後に、ハロゲン化有機化合物の分解剤とは別に添加混練する操作が必要となる。これに対して、無機系の重金属溶出防止剤であれば、加熱により分解するおそれがないため、ハロゲン化有機化合物の加熱分解処理時に、ハロゲン化有機化合物の分解剤と共に被処理物質に添加混合することができ、この場合にはハロゲン化有機化合物の分解剤と予め所定の割合で混合して被処理物質に添加することもでき、処理効率の面で有利である。
【0044】
無機系重金属溶出防止剤としては、例えば次のようなものが挙げられるが、これらのうち、特にリン酸化合物が重金属を長期に安定に固定化できるので好ましい。
【0045】
正リン酸(オルソリン酸)、ポリリン酸、メタリン酸、次リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、過リン酸、第一リン酸ソーダ、第二リン酸ソーダ、第三リン酸ソーダ、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸カリウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、過燐酸石灰、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等のリン酸化合物。
【0046】
焼き石膏、ポルトランドセメント、早強セメント、ジェットセメント、高炉セメント、アルミナセメント等のセメント類。
【0047】
各種活性白土、合成珪酸、天然珪酸加工物等の無機吸着剤。
【0048】
汎用の珪酸ソーダ、珪酸カリウム等の水溶性珪酸塩等の水ガラス。
【0049】
これらの重金属溶出防止剤の添加量は用いる薬剤の種類や被処理物質の性状により異なるが、通常の場合、都市ごみ焼却炉の飛灰等の重金属含有被処理物質に対して有効成分量として0.1〜50重量%、特に1〜20重量%とするのが好ましい。
【0050】
なお、被処理物質中に、アルカリ成分が多量に含まれる場合は、予め汎用の酸を加えて中和することで、これらの重金属溶出防止剤の添加量を低く抑えることもできる。
【0051】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0052】
実施例1〜12
被処理物質として、ナトリウム系及びカリウム系アルカリ剤が添加されず、カルシウム系のアルカリ剤も含まず、ダイオキシン類を729ng/g含有するごみ焼却炉の飛灰を用い、加熱反応器としては撹拌機付の三ッ口フラスコをマントルヒータで加熱する間接加熱型の回分式反応器を用いて、処理を行った。
【0053】
被処理物質に、表1に示す分解剤(いずれも粉末)を5重量%添加して均一に混合した後、反応器に投入し、空気雰囲気にて300℃で10分間加熱処理した。その後、処理物を自然放冷した後、処理物のダイオキシン類含有量を測定し、結果を表1に示した。また、測定結果からダイオキシン類の分解率を算出し、結果を表1に示した。
【0054】
比較例1
分解剤を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に処理を行い、結果を表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】
表1から明らかなように、何も添加しないで300℃に加熱した場合(比較例1)には、ごみ焼却炉の飛灰に含有されるダイオキシン類前駆物質から飛灰の触媒作用によりダイオキシン類が生成し、逆に処理物のダイオキシン類含有量が増加した。一方、本発明に従って、各種の高分子脂肪族炭化水素、糖類、又は有機酸類を添加して加熱した場合(実施例1〜12)には、300℃という低温度でも高効率でダイオキシン類を分解することができた。
【0057】
実施例13,14
実施例1で処理したものと同様の焼却炉飛灰に塩化カルシウムの粉末を20重量%添加混合した模擬試料を調製し、これにD−グルコース粉末(実施例13)又はギ酸ナトリウム(実施例14)を重量比で5%添加し、実施例1と同様に加熱処理し、ダイオキシン類の分解率を調べた。
【0058】
結果を塩化カルシウムを添加しない実施例4,12と各々比較すると、表2に示す如く、同等のダイオキシン類分解率が得られた。
【0059】
【表2】
【0060】
実施例15〜22
港湾から採取した底質を事前にメッシュ2mmのふるいを用い、ふるい下を採取し、80℃で乾燥させて試料とした。この試料中のダイオキシン類濃度は1050ng/gであった。40gの底質にグルコースを2g(乾燥底質重量に対し5重量%)添加、混合したものを10分間、250℃で加熱した。自然放冷後の処理物についてダイオキシン類濃度を測定し、分解率を求めた(実施例15)。
【0061】
同様にして、実施例16から実施例20は、分解剤として高分子脂肪族炭化水素、糖類、有機酸類をそれぞれ5重量%加えて、実施例15と同じ操作を行った。
【0062】
また、実施例15のときと加熱温度を変え、実施例21では加熱温度を150℃、実施例22では加熱温度を350℃にして、同様の操作を行い、これらの結果を表3に示した。
【0063】
比較例2〜4
薬剤を加えないこと以外は、実施例15と同様に処理を行った結果を比較例2として表3に示した。また、加熱温度を150℃にした場合と350℃にした場合の結果を、それぞれ比較例3,4として表3に示した。
【0064】
なお、表3には、反応時の臭気の強さを併記した。
【0065】
【表3】
【0066】
表3の比較例2から分かるように、何も添加しないで250℃に加熱した場合にはダイオキシン類の分解率は43%であり、十分な分解率を得ることはできなかった。また、加熱中の臭気がひどく、かなり焦げ臭いにおいが充満していた。
【0067】
一方、分解剤を添加した実施例15〜20では、80%を超える高い分解率が確認でき、分解剤による分解効果が発揮されていることが分かる。このとき臭気は、殆ど認められなかった。
【0068】
次に、加熱温度を350℃とした比較例3をみると、90%を超える高い分解率が得られたが、装置周辺は非常に焦げ臭いにおいが充満し、この方法で処理を行うには、十分な装置気密化対策と排ガスの脱臭設備が不可欠であった。
【0069】
一方、実施例21に示すように、グルコースを5%添加して350℃で加熱した場合には、高い分解率が得られるとともに、臭気も殆ど認められず、極めて簡便な操作で安全に底質に含まれるダイオキシン類を無害化処理できることが明らかである。
【0070】
また、実施例22に示すように、150℃でも60%の分解率が得られており、高い分解率を必要としない場合には、極めて低い温度で無害化処理を行うことができ、経済的な処理といえる。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のハロゲン化有機化合物の分解方法及び分解剤によれば、ダイオキシン類等のハロゲン化有機化合物で汚染された固体物質からなる被処理物質中のハロゲン化有機化合物を、安全かつ安価に分解して無害化することができる。
Claims (16)
- ハロゲン化有機化合物で汚染された固体物質からなる被処理物質中のハロゲン化有機化合物を分解する方法において、
該被処理物質にハロゲン化有機化合物の分解に対して有効な高分子脂肪族炭化水素類を含む薬剤を添加して加熱することを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解方法。 - ナトリウム及び/又はカリウムを含むアルカリ剤が添加された排ガスから得られた集塵灰以外の、ハロゲン化有機化合物で汚染された固体物質からなる被処理物質中のハロゲン化有機化合物を分解する方法において、
該被処理物質に糖類及び/又は有機酸類を含む薬剤を添加して加熱することを特徴とするハロゲン化有機化合物の無害化処理方法。 - 請求項1において、該高分子脂肪族炭化水素類が、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンであることを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解方法。
- 請求項2において、該糖類が、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、セロビオース、澱粉及びセルロースよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、該有機酸類が、クエン酸、エリソルビン酸、グルコン酸、ギ酸及びこれらの有機酸の塩類よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、該被処理物質を反応器に供給して加熱することにより該ハロゲン化有機化合物を分解する方法であって、該被処理物質を反応器に供給する前に、又は反応器内にて、粉体状又は顆粒状の前記薬剤を該被処理物質に添加混合することを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、該薬剤の添加率が該被処理物質に対して有効成分量として0.1〜20重量%であることを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、間接加熱型の連続式又は回分式の反応器を用いて加熱することを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解方法。
- 請求項1ないし7のいずれか1項において、加熱温度が100〜450℃であることを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解方法。
- 請求項1ないし8のいずれか1項において、該被処理物質に更に重金属類溶出防止剤を添加することを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解方法。
- 請求項9において、リン酸化合物を主成分とする重金属類溶出防止剤を前記薬剤と同時に、又は前記薬剤と事前に混合して、該被処理物質に添加して加熱することを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解方法。
- ハロゲン化有機化合物の分解能を有する高分子脂肪族炭化水素類を含むことを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解剤。
- 請求項11において、該高分子脂肪族炭化水素類が、ポリエチレン及び又はポリプロピレンであることを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解剤。
- 糖類を含むことを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解剤。
- 請求項13において、該糖類が、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、セロビオース、澱粉及びセルロースよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解剤。
- 有機酸類を含むことを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解剤。
- 請求項15において、該有機酸類が、クエン酸、エリソルビン酸、グルコン酸、ギ酸及びこれらの有機酸の塩類よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするハロゲン化有機化合物の分解剤。
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