JP2004158391A - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の色度で高輝度に発光する有機電界発光素子などの光学的素子を作成するための、ガラス転移温度が高くかつ被膜特性に優れた、高蛍光性、高電子輸送性を有する材料を用いた有機電界発光素子を提供することを課題とする。
【解決手段】基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層された有機電界発光素子であって、有機層が、特定の配位子を有する金属錯体を含有することを特徴とする有機電界発光素子により、上記の課題を解決する。
【選択図】 なし
【解決手段】基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層された有機電界発光素子であって、有機層が、特定の配位子を有する金属錯体を含有することを特徴とする有機電界発光素子により、上記の課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の三座配位構造を有するベンゾオキサゾール化合物を配位子とした金属錯体を構成材料とする、優れた発光機能を有する有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機化合物の高い蛍光効率に注目し、有機化合物を用いた有機電界発光素子(有機EL素子)の研究が近年盛んに行われている。有機電界発光素子は、発光層を一対の電極で挟んだ構造であり、対向する電極間に印加された電界によって陽極側から注入されたホールと陰極側から注入された電子とが発光層において再結合することにより発光する。
【0003】
有機電界発光素子には、基本的に2つのタイプがあるとされている。
1つは、C.W.Tangらによって発表された、蛍光色素を電荷輸送層中に添加したものであり(J.Appl.Phys.65、3610(1989)参照)、もう1つは、発光層に蛍光色素を単独で用いたものである(Jpn.J.Appl.Phys.27、L269(1988)参照)
後者の素子では、蛍光色素が電荷の1つであるホールのみを輸送するホール輸送層および/または電子のみを輸送する電子輸送層を発光層と共に積層した場合に、発光効率が向上することが示されている。
【0004】
従来から有機電界発光素子に使用されるホール輸送材料としては、トリフェニルアミン誘導体を中心に多種多様の材料が知られているが、電子輸送材料についてはその数が非常に少ない。電子輸送材料として、優れた発光特性を有する、8−ヒドロキシキノリン(別名:オキシン)とアルミニウムから構成されるオキシネイト金属錯体が1987年に報告されて以来、オキシネイト金属錯体のディスプレイなどへの応用を目指した研究が盛んに検討されている。そして、高効率の発光を得るための材料開発が盛んに行われている。さらに近年、素子の駆動電圧を下げるための材料開発も精力的に行われている。
【0005】
また、上記オキシネイト金属錯体は、緑色発光領域に発光極大を有する発光材料であり、有機電界発光素子を用いたディスプレイのカラー表示化には十分に対応できないという問題が残されている。
特開平8−81472号公報には、発光装置において使用するための新しい種類の有機金属錯体(二座配位構造)が開示されている。しかしながら、この有機金属錯体は、耐熱性が低く、かつ電子輸送効率が十分でなく、発光強度および繰り返し駆動における安定性に劣る傾向があるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、種々の色度で高輝度に発光する有機電界発光素子などの光学的素子を作成するための、ガラス転移温度が高くかつ被膜特性に優れた、高蛍光性、高電子輸送性を有する材料を用いた有機電界発光素子を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の配位子を有する金属錯体が高い電子輸送性と熱安定性を有し、それを用いた有機電界発光素子は、高蛍光性、高輝度、高安定性を有することを見出し、本発明を完成するに到った。本発明の金属錯体は、電子輸送性材料および青色から橙色の発光材料として有効な化合物である。
【0008】
かくして、本発明によれば、基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層された有機電界発光素子であって、有機層が、一般式(I):
【0009】
【化4】
【0010】
(式中、R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、低級アルコキシ基であり、R1とR2、R2とR3、R3とR4は互いに結合して芳香族環を形成してもよく、R5は水素原子またはハロゲン原子である)
で表されるベンゾオキサゾール化合物を三座配位子とする金属錯体を含有することを特徴とする有機電界発光素子が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の有機電界発光素子は、基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層された有機電界発光素子であって、有機層が、一般式(I)で表されるベンゾオキサゾール化合物を三座配位子とする金属錯体を含有することを特徴とする。
【0012】
一般式(I)の置換基R1、R2、R3およびR4について説明する。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、塩素原子が特に好ましい。
「低級アルキル基」としては、炭素数1〜4の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、エチル基が特に好ましい。また、「ハロゲン原子で置換された低級アルキル基」としては、上記のハロゲン原子と低級アルキル基の組み合わせ、例えば−CF3基などが挙げられる。
【0013】
「低級アルコキシ基」としては、炭素数1〜4の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブチトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。これらの中でも、メトキシ基が特に好ましい。
また、置換基R1とR2、R2とR3、R3とR4は互いに結合して芳香族環を形成してもよいが、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環、ナフタレン環またはジベンゾフラン環を形成するのが好ましい。
一般式(I)の置換基R5の「ハロゲン原子」としては、上記と同様のものが挙げられ、中でも塩素原子が好ましい。
【0014】
一般式(I)において、
(1)R2とR3が互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環を形成し、かつR1、R4およびR5が水素原子であるか、
(2)R1とR2が互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環を形成し、かつR3、R4およびR5が水素原子であるか、または
(3)R3とR4が互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環を形成し、かつR1、R2およびR5が水素原子である
のが好ましい。
【0015】
本発明の有機電界発光素子の発光材料として用いられるベンゾオキサゾール金属錯体は、特に高いガラス転移温度(200〜400℃程度)、非晶性、高い電子輸送性を有することを特徴とする。一般式(I)の化合物は、金属錯体の3座配位子としての機能を有し、一般式(II)のように3価の金属原子との錯体および一般式(III)のように2価の金属原子との錯体を形成するのが好ましい。
【0016】
【化5】
【0017】
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は一般式(I)と同義であり、M1は3価の金属原子である)
【0018】
【化6】
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は一般式(I)と同義であり、Aは炭素数6〜18の置換または非置換の芳香族炭化水素基であり、M2は2価の金属原子である)
【0019】
3価の金属原子の錯体は、一般式(II)のように6座配位化合物になる。
2価の金属原子との錯体は、金属1原子に対して配位化合物3当量が反応する3座配位化合物になり、金属原子の最外殻電子1個が不対電子として残る。この不対電子と1価の単座配位子を反応させて、一般式(III)で表される安定な錯体を構成させるのが好ましい。
【0020】
配位数を飽和状態にせず、途中で止めることにより、金属原子の中に不対電子をもたせ、この不対電子を適当なカウンターイオンと反応させて、安定な錯体を形成させてもよい。
カウンターイオンとしては、水酸化物イオン、ハロゲンイオン、次亜塩素酸イオン、過塩素酸イオン、イソチオシアン酸イオン(−SCN)などが挙げられる。湿度に対する安定性、熱分解性などの経時安定性、さらには発光強度の点から、単座配位子としてイソチオシアン酸、ヒドロキシル基置換芳香族または脂肪族化合物(いわゆるフェノキシド、アルコキシド)が特に好ましい。特に、多環系のフェノキシドの単座配位子を有する2価金属の錯体は、発光輝度、熱安定性に優れている。
【0021】
一般式(III)の置換基Aの「炭素数6〜18の置換または非置換の芳香族炭化水素基」としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、1,3−ベンゾジオキソイル基および(フェニルオキシ)フェニル基などが挙げられる。
【0022】
一般式(II)におけるM1の3価の金属原子としては、アルミニウム、インジウム、ルテチウム、ホウ素、オスミウム、スカンジウム、ユウロピウムおよびガリウムなどの3価の金属原子が挙げられ、中でも、アルミニウム、ユウロピウムおよびガリウムから選択される3価の金属原子が好ましい。金属錯体の合成、得られる有機電界発光素子の発光輝度およびその熱安定性などの点から総合的にみて、アルミニウムが特に好ましい。
また、一般式(III)におけるM2の2価の金属原子としては、M1と同様の理由で、亜鉛、ニッケルおよびベリリウムから選択される2価の金属原子が好ましい。
【0023】
一般式(II)および(III)で表されるベンゾオキサゾール金属錯体の具体例を以下に示す。しかしながら、これらの例示によって、本発明が限定されるものではない。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
一般式(II)および一般式(III)で表される本発明のベンゾオキサゾール金属錯体は、例えば、以下のような合成方法により得られるが、本発明はこれにより限定されるものではない。
まず、一般式(II)および一般式(III)の共通部分である配位子、すなわち、一般式(I)で表されるベンゾオキサゾール化合物を得る(合成過程1および2)。なお、合成過程1〜4の反応式における置換基はすべて一般式(I)〜(III)に準ずる。
【0029】
【化11】
【0030】
合成過程1では、置換基を有していてもよいヒドロキシ安息香酸をフェノールによりエステル化する。この反応では、フェノールの代わりにアルコールを用いてもよく、必要に応じて、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの溶剤中で反応させてもよい。また、反応促進のため、反応の途中にオキシ塩化リン、三塩化リンなどの脱水剤を加えてもよい。反応温度および反応時間は、例えば、100〜120℃程度、6時間程度である。反応後には、アルコールなどを加え、析出した粉末を酢酸エチルなどで再結晶することにより、エステル体を得る。
【0031】
次いで、合成過程2では、得られたエステル体を2−アミノレゾルシン誘導体(置換基を有していてもよい2,3−ジアミノフェノール)と150℃以上の高温で反応させることにより、目的とする配位子化合物を得る。
なお、2−アミノレゾルシン誘導体は、特開平7−61953号公報および新実験化学講座14(III)、1274頁(1978年2月20日、丸善株式会社発行)に記載の合成法に準じて得られる。
【0032】
【化12】
【0033】
合成過程2では、加熱のみで容易に目的物が得られる。均一に反応させるために、ニトロベンゼンなどの溶剤中で反応させるのが好ましい。反応後には、トルエン、クロロベンゼンなどで再結晶することにより、配位子化合物を得る。
上記の合成過程1および2は、2段階反応としてほぼ定量的に進行する。
合成過程1を経ずに直接、配位子化合物を得る方法もあるが、反応が進みにくく、そのため副生成物が多量に生成するので好ましくない。
【0034】
次いで、得られた配位子化合物を2価または3価の金属と反応させることにより本発明の金属錯体を得る(合成過程3および4)。
まず、得られた配位子化合物(オキサゾール体)を適当な溶剤に溶解し、さらに1.5〜2.0倍モルの水酸化カリウムまたは水酸ナトリウムを加え、最後に2価または3価の金属塩(通常はハロゲン塩)を徐々に加えて、撹拌下で150℃以上の比較的高温に加熱し、それらを反応させて、本発明の金属錯体を得る。上記の溶剤としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホオキサイド(DMSO)、アルコールおよびこれらの混合溶剤が挙げられる。
【0035】
3価の金属の材料としては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化スカンジム、塩化オスミウムなどの金属塩が挙げられる。
また、2価の金属の材料としては、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化ベリリウムなどの金属塩が挙げられる。
一般的には塩化物(M1Cl3およびM2Cl2)が入手し易いので好ましい
【0036】
【化13】
【0037】
以上の合成過程3により、一般式(II)で表される金属錯体が得られる。
一般式(III)で表される金属錯体は、合成過程3で得られた化合物にA−OH(フェノール誘導体、アルコール誘導体)を反応させることにより得られる(合成過程4)。
具体的には、合成過程3で得られた化合物(下矢印)矢印をアルコールなどに溶解し、この混合溶液にA−OHを加える。アルコールなどに溶解することにより、反応がスムースに進行する。A−OHは、理論量の1.5倍程度を用いるのが好ましく、溶剤としてアルコールを用いる場合には、溶質の数十倍程度を用いるのが好ましい。
【0038】
【化14】
【0039】
以上の合成過程で得られた反応生成物を、水、アルコールなどの溶剤で複数回洗浄し、必要に応じて昇華精製することにより、本発明の金属錯体を得る。
これらの合成については、米国特許第5,150,006号公報およびAnalytical Chemistry、1938P(1968)などに記載されている。
【0040】
このようにして得られる本発明の金属錯体は、蛍光特性、発光特性に優れており、これらの特性を利用した種々の商品形態に適用できる。蛍光特性を利用したものとして蛍光塗料が挙げられ、発光特性を利用したものとして有機電界発光素子が挙げられる。特に有機電界発光素子への適用においては、本発明の金属錯体は、低電圧で高輝度の発光が可能な有機電界発光素子の一成分として有効に利用できる。中でも一般式(III)で表される金属錯体は、ほとんどが青紫から青色の発光を示し、母体の発光体としての役割は大きく、青色発光材料としても重要である。
【0041】
本発明の有機電界発光素子は、基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層された構成である。有機層としては、ホール輸送層、発光層および電子輸送層などが挙げられる。また、有機電界発光素子の安定性を高めるために、素子の一部または全体を保護層で被覆してもよく、発光色を調整するために、カラーフィルターを組み込んでもよい。
【0042】
本発明の有機電界発光素子は、これらの有機層のいずれかの1つの層が本発明のベンゾオキサゾール金属錯体を含有するものであり、本発明の金属錯体はいずれの有機層に含有されていてもよいが、発光層および/または電子輸送層に含有させるのが好ましい。
また、本発明の金属錯体は、一般式(I)で表される金属錯体の2種以上を混合して、または他の発光材料となる金属錯体(例えば、オキシネイト誘導体)と混合して用いることもできる。
【0043】
本発明の金属錯体の2種以上を混合(共蒸着)して用いる場合には、発光波長のパンクロ化、さらにはアモルファス化により、積層膜の密着性が向上する。特に中核金属が同じで、配位子化合物の少し異なる金属錯体から構成されているものが好ましい。例えば、下記の化合物を配位子とするアルミニウム金属または亜鉛金属からなる金属錯体の混合が好ましい。なお、括弧内に対応する例示化合物の番号を示す。
【0044】
2−(2−ヒドロキシナフチル)ベンゾオキサゾール
(例示化合物5、8、9、10、13、16、18)
2−(2−ヒドロキシアントリル)ベンゾオキサゾール
(例示化合物6、15)
2−(2−ヒドロキシフェナントリル)ベンゾオキサゾール
2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール
(例示化合物1、2、11、12)
上記の混合の割合はその使用目的によって任意に変えることができる。
【0045】
さらに、本発明の金属錯体は、蛍光色素と混合して用いることもできる。
蛍光色素としては、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、ぺリレン、クマリン、アクリジン、スチルベン、オキサチアゾールおよびその誘導体などが挙げられる。例えば、下記の構造式で表される4−ジシアノメチレン−6−(p−ジエチルアミノスチリル)−2−メチル−4H−ピランが挙げられる。蛍光色素の添加量は2%以下が好ましい。
【0046】
【化15】
【0047】
また、本発明の金属錯体は、アルカリ金属塩と混合して用いることもできる。発光層中のアルカリ金属塩の占める割合は、発光材料1当量に対して、0.01〜1当量が好ましく、0.1当量前後が特に好ましい。アルカリ金属塩の割合が0.01当量未満の場合には、その併用効果が認められないので好ましくない。また、アルカリ金属塩の割合が1当量を超える場合には、ガラス転移点が低下し、熱的な劣化が起り易くなり、さらには発光開始電圧の上昇傾向が認められるので好ましくない。
さらに、発光層には、後述する2%以下の電子輸送材料を添加するのが、熱的劣化の点でも好ましい。
【0048】
発光層は、公知の方法により形成することができる。
蒸着法では、▲1▼本発明の金属錯体を単独で蒸着させる方法、▲2▼本発明の金属錯体と同時にアルカリ金属含有化合物(例えば、リチウムα−ナフチオラート)または他の金属錯体(例えばAlq3)を蒸着させる方法、▲3▼本発明の金属錯体の2種以上を混合蒸着させる方法などがある。金属錯体により蒸着速度が異なるので、まず蒸着条件、特に温度条件の高い金属錯体を蒸着した後に、温度条件の低い金属錯体、アルカリ金属塩を順次蒸着させるのが好ましい。また、蒸着速度の差を利用して、2層構成に近い発光層を形成してもよい。
発光層膜厚は、使用する材料や有機電界発光素子の動作電圧などによって異なるが、例えば、10nm〜0、2μm程度である。
【0049】
また、発光層は、本発明の金属錯体を適当な有機溶剤に溶解または分散させた溶液をスピンコーターなどの方法で塗布することによっても形成することができる。溶剤としては、NMP、DMSOなどが挙げられる。
発光層の密着性の点から、発光材料をアモルファス状態にするのが好ましい。このため、発光材料としては、非対称構造、さらには長鎖のアルキル、分岐のアルキル基を置換した構造のものが好ましい。
【0050】
次に、本発明の有機電界発光素子の基本的な層構成とその材料について説明する。
図1(a)および(b)は、本発明の有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。
図1(a)の有機電界発光素子は、透明基板7上に、透明電極(陽極)6、ホール輸送層5、発光層4(電子輸送材料を含み電子輸送機能を有していてもよい)、電子障壁層2および陰極1が順次積層された構成であり、図1(b)の有機電界発光素子は、発光層4と電子障壁層2との間に、独立して電子輸送機能を有する電子輸送層3が積層された構成である。ホール輸送層5、発光層4、電子障壁層2、さらに電子輸送層3をまとめて有機層という。
【0051】
この素子は、陽極である透明電極6と陰極1との間に、直流電源8から直流電圧を選択的に印加することによって、透明電極6から注入されたホールがホール輸送層5を経て発光層4に到達し、陰極1から注入された電子が電子障壁層2(さらに電子輸送層3)を経て発光層4に到達し、発光層において電子とホールとが再結合することにより発光する。発光19は透明基板7側から観察される。
【0052】
図2(a)および(b)は、本発明の有機電界発光素子の別の例を示す概略断面図である。
図2(a)および(b)の有機電界発光素子は、図1(a)および(b)の素子の電子障壁層2を省略した構成である。また、発光の機構は図1の素子と同様である。
【0053】
次に発光層以外の層について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、陽極側から発光を取り出す構成であり、基板には透明基板を用い、陽極には透明電極を用いる。
基板に用いる基板材料としては、例えば、ガラス、石英、透明プラスチック(ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリサルホン基板など)などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、これらの基板上に素子、回路、所望の絶縁膜などが形成されていてもよい。
【0054】
陽極に用いる陽極材料としては、例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)、酸化スズなどの無機材料やポリアニリン、ポリチオフェン薄膜などの有機材料が挙げられるが、特にこれらに限定されない。陽極は真空蒸着法などの公知の方法により形成することができ、その膜厚は、使用する材料や有機電界発光素子の動作電圧などによって異なるが、例えば、10nm〜1μm程度である。
【0055】
ホール輸送層は、ホール輸送材料からなる層であり、陽極から注入されたホールを効率よく発光層側に伝達して、発光輝度や発光効率を増加させる機能を有する。ホール輸送層の膜厚は、使用する材料や有機電界発光素子の動作電圧などによって異なるが、例えば、5nm〜5μm程度である。
【0056】
ホール輸送材料としては、電子写真用の機能分離型感光体のホール輸送材料などの公知の材料を用いることができる。例えば、ポルフィリン系化合物、芳香族アミン系化合物、芳香族エナミン系化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
上記のホール輸送材料をバインダー樹脂に溶解し、これを塗布することによりホール輸送層を形成することができる。したがって、ホール輸送材料はバインダー樹脂中にアモルファス状態で存在する。このためバインダー樹脂に対する溶解性が良好なホール輸送材料を用いるのが好ましいが、このような材料は耐熱性に優れているとは言い難い。
そこで、ホール輸送材料としては、溶解性に劣るものの、ホール輸送効率に優れた多価の芳香族アミン化合物および芳香族エナミン化合物を用いるのが好ましく、エナミン構造を有する芳香族化合物が特に好ましい。中でも、米国特許第5,792,568号公報に記載のN,N’型のビス−エナミン化合物(下記構造式)は有効な化合物である。
【0057】
【化16】
【0058】
(式中、ArおよびAr’は同一または異なって、炭素数6〜12の置換、非置換の芳香族残基であり、nは1〜3の整数である)
また、置換基ArおよびAr’の「置換、非置換の芳香族残基」としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基などで置換されているか、非置換のアリール基が挙げられる。この「芳香族残基」としては、例えば、フェニル基、(1−または2−)ナフチル基、(1−,2−または9−)アントリル基、(1−,2−,3−,4−または9−)フェナントリル基、(1−または2−)ピレニル基、(2−,3−または4−)ビフェニリル基、テルフェニル基、(1−,2−または3−)ペリレニル基など炭素数6〜20のアリ−ル基が挙げられ、中でもフェニル基が特に好ましい。
【0059】
本発明の有機電界発光素子は、有機層側の陰極上に、リチウム金属含有の有機金属塩からなる電子障壁層が配設されているのが好ましい。電子障壁層は、電子注入効果を高める機能を有する。
電子障壁層を形成する材料としては、イオン化傾向が大きく、ルモ準位を下げる金属の無機塩または有機塩が挙げられるが、多くの塩は吸湿し易く、また加水分解し易いものが多いので、材料の選択およびその取り扱いには注意を要する。前記の材料の中でも、リチウム金属含有の有機金属塩が好ましい。具体的には、α、α、α−トリフロロ酢酸のリチウム塩、各種リチウムフェノラート、スルホネート、α−ナフトールのリチウム塩などが挙げられ、α−ナフトールのリチウム塩が特に好ましい。
【0060】
電子障壁層は、真空蒸着法、スパッタリング法などの乾式成膜法により薄膜状に形成することができる。
また、電子障壁層は、アルカリ金属塩と高分子バインダーからなる塗布液を用いて、ラングミュア−ブロジェット(LB)法、スピンコーティング法、ディッピング法などの塗布法(湿式成膜法)によっても形成することもできる。
電子障壁層の膜厚は、基本的に電子障壁材料が単分子配列を構成するのに必要な膜厚であればよく、特に限定されない。その膜厚は、通常、駆動電圧の低下効果の点から10〜500Å程度が適当である。
【0061】
電子輸送層は、電子輸送材料からなる層であり、陰極から注入された電子を効率よく発光層側に伝達して、発光輝度や発光効率を増加させる機能を有し、その膜厚は、使用する材料や有機電界発光素子の動作電圧などによって異なるが、例えば、5nm〜5μm程度である。
電子輸送材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、有機金属錯体、ポリパラフェニレン誘導体などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。電子輸送材料には、層間の密着性を高めるために、テトラセン、ペンタセン、テトラフェニレンなどの縮合多環式炭化水素、ジフェニルオキサジアゾール、ルブレンなどの複素環化合物を、10〜80重量%程度配合するのが好ましい。
本発明の金属錯体は、電子輸送材料として用いることもでき、特に一般式(II)で表される金属錯体は、電子輸送効率の優れた化合物である。
電子輸送層には、アルカリ金属塩を30モル%以上添加するのが好ましい。この添加により、素子の駆動開始電圧を低下させることができる。
【0062】
陰極材料としては、低仕事関数の金属または合金が好ましい。例えば、Al、Mgなどの金属、ならびにAl−Mg合金、Al−Li合金、Li−Ag合金などの合金が挙げられる。
陰極材料よりも仕事関数の小さいアルカリ金属を陰極に含ませることにより、低い駆動電圧と発光輝度を得ることができる(第51回応用物理学会講演会、講演予稿集28a−PB−4、1040p参照)。このことから、陰極材料としては、リチウム金属を含む合金、例えばアルミニウム金属にリチウム金属を数%程度含む合金が好ましい。
陰極の膜厚は、使用する材料や有機電界発光素子の動作電圧などによって異なるが、例えば、10nm〜1μm程度である。
【0063】
本発明のベンゾオキサゾール金属錯体は、蛍光塗料の蛍光材料、光起電力装置用の光電材料、映像装置用の材料などの応用も考えられる。
【0064】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
【0065】
実施例1〜6
30mm×30mm×t1.5mmのガラス基板の上に、真空蒸着法により、膜厚50nmのITO(インジウム−錫酸化物)からなる透明電極(陽極)を形成した。次いで、透明電極上に、真空蒸着法により、膜厚35nmのビスエナミン化合物(下記構造式:式中、Arはフェニル基である)からなるホール輸送層を形成した。
【0066】
【化17】
【0067】
次いで、ホール輸送層上に、真空蒸着法により、表1に示す配位子と2価の中核金属(ベリリウムまたは亜鉛)からなるベンゾオキサゾール金属錯体6種類をそれぞれ形成して、膜厚40〜50nmの電子性発光層を得た。
次いで、電子性発光層の上に、スピンコート法により、α−ナフトールのリチウム塩のジメチルホルムアミド(DMF)溶液を塗布して、膜厚40nmの電子障壁層を得た。さらに、電子障壁層上に、真空蒸着法により、膜厚50nmのMg−Ag合金からなる陰極を形成して、有機電界発光素子を得た。
なお、上記の真空蒸着はいずれも真空度1×10−4Torrで、それぞれ次の蒸着速度で行った。
ホール輸送層 2〜 4Å/sec
発光層 2〜 4Å/sec
陰極 12〜14Å/sec
【0068】
このようにして作製した有機電界発光素子に直流電圧18Vを印加し、光電子増倍管を用いて、発光スペクトルの最大波長(nm)を測定した。また、直流電圧の印加時の電流値(mA/cm2)および発光開始電圧(V)を測定した。
得られた結果を、用いた金属錯体と共に表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
表1の結果から、本発明のベンゾオキサゾール金属錯体を用いた有機電界発光素子は、460〜485nmの青色発光領域に発光極大を有し、かつ発光開始電圧の低い、換言すれば消費電力の小さい素子であることがわかる。
【0071】
実施例7〜11
電子性発光材料として表1に示す配位子と2価の中核金属からなるベンゾオキサゾール金属錯体の代わりに、表2に示す配位子と3価の中核金属(アルミニウムおよびガリウム)からなるベンゾオキサゾール金属錯体5種類をそれぞれ用いること、および電子障壁層と発光層との間に、真空蒸着法により、2,5−ジフェニル−オキサジアゾールからなる膜厚20nmの電子輸送層を設けること以外は、実施例1〜6と同様にして、有機電界発光素子を得、それらの特性を評価した。
得られた素子の断面のSEM写真で電子輸送層と電子障壁層との界面付近を観察したところ、その界面が少し崩れ、完全な積層構造が形成されていなかった。これは、電子障壁層を構成するリチウム塩のリチウムイオンが電子輸送層に拡散した状態であることを示している。
得られた結果を、用いた金属錯体と共に表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】
表2の結果から、本発明のベンゾオキサゾール金属錯体を用いた有機電界発光素子は、510〜545nmの緑色発光領域に発光極大を有し、かつ発光開始電圧の低い、換言すれば消費電力の小さい素子であることがわかる。
【0074】
実施例12および13
電子障壁層を設けないこと以外は、実施例2および3と同様にして、有機電界発光素子を得た。このようにして作製した有機電界発光素子に直流電圧18Vを印加した時の電流値(mA/cm2)および輝度(cd/cm2)ならびに発光開始電圧(V)を測定した。
得られた結果を、実施例2および3の結果と共に表3に示す。
なお、実施例12および13は、それぞれ実施例2および3に対応する。
【0075】
【表3】
【0076】
表3の結果から、本発明の有機電界発光素子は、陰極側に電子障壁層を設けることにより、発光開始電圧が低下することがわかる。なお、輝度については、電子障壁層の有無による大きな変化は認められなかった。
【0077】
実施例14〜19
電子性発光材料として表1に示す配位子と2価の中核金属からなるベンゾオキサゾール金属錯体の代わりに、表3に示す金属当量の割合の、例示化合物13の亜鉛金属錯体(1)と各種金属からなるオキシネイト錯体(2)3種類をそれぞれ用いること、および電子障壁層と発光層との間に、真空蒸着法により、ルブレンからなる膜厚約20nmの電子輸送層を設けること以外は、実施例1〜6と同様にして、有機電界発光素子を得た。
金属当量の割合は、亜鉛金属錯体(1)の亜鉛1当量に対して、オキシネイト錯体(2)を0.05当量、0.2当量および1当量とした。
2種類の金属錯体をそれぞれの割合で秤量し、これらを乳鉢に入れ、少量のアルコールを加え、湿潤状態でよく混煉し、乾燥して、真空蒸着の材料とした。
【0078】
得られた素子の断面のSEM写真で電子輸送層と電子障壁層との界面付近を観察したところ、その界面が少し崩れ、完全な積層構造が形成されていなかった。これは、電子障壁層を構成するリチウム塩のリチウムイオンが電子輸送層に拡散した状態であることを示している。一方、電子輸送層と電子性発光層との界面ははっきりと認められた。
【0079】
このようにして作製した有機電界発光素子に直流電圧18Vを印加した時の輝度(cd/cm2)およびその輝度の強さが半減する時間(分)ならびに発光開始電圧(V)を測定した。
得られた結果を、用いた2種類の金属錯体およびその割合と共に表4に示す。
【0080】
【表4】
【0081】
表4の結果から、次のことがわかる。
(1)2種類の金属錯体の当量比が1/1である素子(実施例16)は、それぞれ当量比が20/1および5/1である素子(実施例14および15)と比較して、半減時間が最短であり、熱的安定性に劣ることがわかる。また、実施例19と実施例14および15との比較においても同様のことがいえる。これは、2種類の金属錯体が互いに不純物となり、熱的特性(溶融点、ガラス転移点の低下)の悪化の要因になったためと考えられる。
(2)2種類の金属錯体の中核金属が同じである素子(実施例17〜19)は、それらが異なる素子(実施例14〜16)と比較して、半減時間が長く、熱的安定性に優れる傾向がみられる。
【0082】
(3)亜鉛金属錯体とオキシネイト錯体とを併用することにより、発光スペクトルの最大波長(nm)が長波長にシフトした素子(特に、実施例15、16および18)は、亜鉛金属錯体のみを用いた素子と比較して、少し輝度が高い傾向がみられるが、あまり大きな差とは考えにくい。
(4)2種類の金属錯体の中核金属が同じである素子(実施例17〜19)は、それらが異なる素子(実施例14〜16)と比較して、発光開始電圧少し低い傾向がみられるが、熱的安定性ほどそれらの顕著ではない。
以上のことから、2種類の金属錯体の中核金属が同じで、かつそれらの当量比が5〜20%程度の素子が、全般的にみて好ましいことがわかる。
【0083】
本発明の特定の化学構造を有するベンゾオキサゾール金属錯体は、青色から黄緑色の発光を有する発光材料であり、この金属錯体を光学的素子、特に有機電界発光素子の電子輸送性を保持した発光材料に用いた場合、低電圧での駆動が可能な高輝度の発光素子を提供することができる。
この要因としては、本発明のベンゾオキサゾール金属錯体が三座配位子に基づく安定した平面構造を有し、電荷移動が容易であること、また一部の金属錯体は、π結合部位に対する置換基の位置が錯体内の電子遷移を容易に起こさせる配置になっていることによるものと考えられる。
【0084】
また、本発明のベンゾオキサゾール金属錯体の高い蛍光特性を利用することにより、光学的な装飾材料、表示材料、例えばガラス工芸品用蛍光塗料などへの応用も期待できる。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、種々の色度で高輝度に発光する有機電界発光素子などの光学的素子を作成するための、ガラス転移温度が高くかつ被膜特性に優れた、高蛍光性、高電子輸送性を有する材料を用いた有機電界発光素子を提供することができる。
また、本発明のベンゾオキサゾール金属錯体の優れた特性を利用することにより、例えば、蛍光塗料の蛍光材料、光起電力装置用の光電材料、映像装置用の材料などへの応用も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の有機電界発光素子の別の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 陰極
2 電子障壁層
3 電子輸送層
4 発光層
5 ホール輸送層
6 透明電極(陽極)
7 透明基板
8 直流電源
19 発光
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の三座配位構造を有するベンゾオキサゾール化合物を配位子とした金属錯体を構成材料とする、優れた発光機能を有する有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機化合物の高い蛍光効率に注目し、有機化合物を用いた有機電界発光素子(有機EL素子)の研究が近年盛んに行われている。有機電界発光素子は、発光層を一対の電極で挟んだ構造であり、対向する電極間に印加された電界によって陽極側から注入されたホールと陰極側から注入された電子とが発光層において再結合することにより発光する。
【0003】
有機電界発光素子には、基本的に2つのタイプがあるとされている。
1つは、C.W.Tangらによって発表された、蛍光色素を電荷輸送層中に添加したものであり(J.Appl.Phys.65、3610(1989)参照)、もう1つは、発光層に蛍光色素を単独で用いたものである(Jpn.J.Appl.Phys.27、L269(1988)参照)
後者の素子では、蛍光色素が電荷の1つであるホールのみを輸送するホール輸送層および/または電子のみを輸送する電子輸送層を発光層と共に積層した場合に、発光効率が向上することが示されている。
【0004】
従来から有機電界発光素子に使用されるホール輸送材料としては、トリフェニルアミン誘導体を中心に多種多様の材料が知られているが、電子輸送材料についてはその数が非常に少ない。電子輸送材料として、優れた発光特性を有する、8−ヒドロキシキノリン(別名:オキシン)とアルミニウムから構成されるオキシネイト金属錯体が1987年に報告されて以来、オキシネイト金属錯体のディスプレイなどへの応用を目指した研究が盛んに検討されている。そして、高効率の発光を得るための材料開発が盛んに行われている。さらに近年、素子の駆動電圧を下げるための材料開発も精力的に行われている。
【0005】
また、上記オキシネイト金属錯体は、緑色発光領域に発光極大を有する発光材料であり、有機電界発光素子を用いたディスプレイのカラー表示化には十分に対応できないという問題が残されている。
特開平8−81472号公報には、発光装置において使用するための新しい種類の有機金属錯体(二座配位構造)が開示されている。しかしながら、この有機金属錯体は、耐熱性が低く、かつ電子輸送効率が十分でなく、発光強度および繰り返し駆動における安定性に劣る傾向があるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、種々の色度で高輝度に発光する有機電界発光素子などの光学的素子を作成するための、ガラス転移温度が高くかつ被膜特性に優れた、高蛍光性、高電子輸送性を有する材料を用いた有機電界発光素子を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の配位子を有する金属錯体が高い電子輸送性と熱安定性を有し、それを用いた有機電界発光素子は、高蛍光性、高輝度、高安定性を有することを見出し、本発明を完成するに到った。本発明の金属錯体は、電子輸送性材料および青色から橙色の発光材料として有効な化合物である。
【0008】
かくして、本発明によれば、基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層された有機電界発光素子であって、有機層が、一般式(I):
【0009】
【化4】
【0010】
(式中、R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、低級アルコキシ基であり、R1とR2、R2とR3、R3とR4は互いに結合して芳香族環を形成してもよく、R5は水素原子またはハロゲン原子である)
で表されるベンゾオキサゾール化合物を三座配位子とする金属錯体を含有することを特徴とする有機電界発光素子が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の有機電界発光素子は、基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層された有機電界発光素子であって、有機層が、一般式(I)で表されるベンゾオキサゾール化合物を三座配位子とする金属錯体を含有することを特徴とする。
【0012】
一般式(I)の置換基R1、R2、R3およびR4について説明する。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、塩素原子が特に好ましい。
「低級アルキル基」としては、炭素数1〜4の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、エチル基が特に好ましい。また、「ハロゲン原子で置換された低級アルキル基」としては、上記のハロゲン原子と低級アルキル基の組み合わせ、例えば−CF3基などが挙げられる。
【0013】
「低級アルコキシ基」としては、炭素数1〜4の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブチトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。これらの中でも、メトキシ基が特に好ましい。
また、置換基R1とR2、R2とR3、R3とR4は互いに結合して芳香族環を形成してもよいが、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環、ナフタレン環またはジベンゾフラン環を形成するのが好ましい。
一般式(I)の置換基R5の「ハロゲン原子」としては、上記と同様のものが挙げられ、中でも塩素原子が好ましい。
【0014】
一般式(I)において、
(1)R2とR3が互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環を形成し、かつR1、R4およびR5が水素原子であるか、
(2)R1とR2が互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環を形成し、かつR3、R4およびR5が水素原子であるか、または
(3)R3とR4が互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環を形成し、かつR1、R2およびR5が水素原子である
のが好ましい。
【0015】
本発明の有機電界発光素子の発光材料として用いられるベンゾオキサゾール金属錯体は、特に高いガラス転移温度(200〜400℃程度)、非晶性、高い電子輸送性を有することを特徴とする。一般式(I)の化合物は、金属錯体の3座配位子としての機能を有し、一般式(II)のように3価の金属原子との錯体および一般式(III)のように2価の金属原子との錯体を形成するのが好ましい。
【0016】
【化5】
【0017】
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は一般式(I)と同義であり、M1は3価の金属原子である)
【0018】
【化6】
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は一般式(I)と同義であり、Aは炭素数6〜18の置換または非置換の芳香族炭化水素基であり、M2は2価の金属原子である)
【0019】
3価の金属原子の錯体は、一般式(II)のように6座配位化合物になる。
2価の金属原子との錯体は、金属1原子に対して配位化合物3当量が反応する3座配位化合物になり、金属原子の最外殻電子1個が不対電子として残る。この不対電子と1価の単座配位子を反応させて、一般式(III)で表される安定な錯体を構成させるのが好ましい。
【0020】
配位数を飽和状態にせず、途中で止めることにより、金属原子の中に不対電子をもたせ、この不対電子を適当なカウンターイオンと反応させて、安定な錯体を形成させてもよい。
カウンターイオンとしては、水酸化物イオン、ハロゲンイオン、次亜塩素酸イオン、過塩素酸イオン、イソチオシアン酸イオン(−SCN)などが挙げられる。湿度に対する安定性、熱分解性などの経時安定性、さらには発光強度の点から、単座配位子としてイソチオシアン酸、ヒドロキシル基置換芳香族または脂肪族化合物(いわゆるフェノキシド、アルコキシド)が特に好ましい。特に、多環系のフェノキシドの単座配位子を有する2価金属の錯体は、発光輝度、熱安定性に優れている。
【0021】
一般式(III)の置換基Aの「炭素数6〜18の置換または非置換の芳香族炭化水素基」としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、1,3−ベンゾジオキソイル基および(フェニルオキシ)フェニル基などが挙げられる。
【0022】
一般式(II)におけるM1の3価の金属原子としては、アルミニウム、インジウム、ルテチウム、ホウ素、オスミウム、スカンジウム、ユウロピウムおよびガリウムなどの3価の金属原子が挙げられ、中でも、アルミニウム、ユウロピウムおよびガリウムから選択される3価の金属原子が好ましい。金属錯体の合成、得られる有機電界発光素子の発光輝度およびその熱安定性などの点から総合的にみて、アルミニウムが特に好ましい。
また、一般式(III)におけるM2の2価の金属原子としては、M1と同様の理由で、亜鉛、ニッケルおよびベリリウムから選択される2価の金属原子が好ましい。
【0023】
一般式(II)および(III)で表されるベンゾオキサゾール金属錯体の具体例を以下に示す。しかしながら、これらの例示によって、本発明が限定されるものではない。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
一般式(II)および一般式(III)で表される本発明のベンゾオキサゾール金属錯体は、例えば、以下のような合成方法により得られるが、本発明はこれにより限定されるものではない。
まず、一般式(II)および一般式(III)の共通部分である配位子、すなわち、一般式(I)で表されるベンゾオキサゾール化合物を得る(合成過程1および2)。なお、合成過程1〜4の反応式における置換基はすべて一般式(I)〜(III)に準ずる。
【0029】
【化11】
【0030】
合成過程1では、置換基を有していてもよいヒドロキシ安息香酸をフェノールによりエステル化する。この反応では、フェノールの代わりにアルコールを用いてもよく、必要に応じて、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの溶剤中で反応させてもよい。また、反応促進のため、反応の途中にオキシ塩化リン、三塩化リンなどの脱水剤を加えてもよい。反応温度および反応時間は、例えば、100〜120℃程度、6時間程度である。反応後には、アルコールなどを加え、析出した粉末を酢酸エチルなどで再結晶することにより、エステル体を得る。
【0031】
次いで、合成過程2では、得られたエステル体を2−アミノレゾルシン誘導体(置換基を有していてもよい2,3−ジアミノフェノール)と150℃以上の高温で反応させることにより、目的とする配位子化合物を得る。
なお、2−アミノレゾルシン誘導体は、特開平7−61953号公報および新実験化学講座14(III)、1274頁(1978年2月20日、丸善株式会社発行)に記載の合成法に準じて得られる。
【0032】
【化12】
【0033】
合成過程2では、加熱のみで容易に目的物が得られる。均一に反応させるために、ニトロベンゼンなどの溶剤中で反応させるのが好ましい。反応後には、トルエン、クロロベンゼンなどで再結晶することにより、配位子化合物を得る。
上記の合成過程1および2は、2段階反応としてほぼ定量的に進行する。
合成過程1を経ずに直接、配位子化合物を得る方法もあるが、反応が進みにくく、そのため副生成物が多量に生成するので好ましくない。
【0034】
次いで、得られた配位子化合物を2価または3価の金属と反応させることにより本発明の金属錯体を得る(合成過程3および4)。
まず、得られた配位子化合物(オキサゾール体)を適当な溶剤に溶解し、さらに1.5〜2.0倍モルの水酸化カリウムまたは水酸ナトリウムを加え、最後に2価または3価の金属塩(通常はハロゲン塩)を徐々に加えて、撹拌下で150℃以上の比較的高温に加熱し、それらを反応させて、本発明の金属錯体を得る。上記の溶剤としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホオキサイド(DMSO)、アルコールおよびこれらの混合溶剤が挙げられる。
【0035】
3価の金属の材料としては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化スカンジム、塩化オスミウムなどの金属塩が挙げられる。
また、2価の金属の材料としては、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化ベリリウムなどの金属塩が挙げられる。
一般的には塩化物(M1Cl3およびM2Cl2)が入手し易いので好ましい
【0036】
【化13】
【0037】
以上の合成過程3により、一般式(II)で表される金属錯体が得られる。
一般式(III)で表される金属錯体は、合成過程3で得られた化合物にA−OH(フェノール誘導体、アルコール誘導体)を反応させることにより得られる(合成過程4)。
具体的には、合成過程3で得られた化合物(下矢印)矢印をアルコールなどに溶解し、この混合溶液にA−OHを加える。アルコールなどに溶解することにより、反応がスムースに進行する。A−OHは、理論量の1.5倍程度を用いるのが好ましく、溶剤としてアルコールを用いる場合には、溶質の数十倍程度を用いるのが好ましい。
【0038】
【化14】
【0039】
以上の合成過程で得られた反応生成物を、水、アルコールなどの溶剤で複数回洗浄し、必要に応じて昇華精製することにより、本発明の金属錯体を得る。
これらの合成については、米国特許第5,150,006号公報およびAnalytical Chemistry、1938P(1968)などに記載されている。
【0040】
このようにして得られる本発明の金属錯体は、蛍光特性、発光特性に優れており、これらの特性を利用した種々の商品形態に適用できる。蛍光特性を利用したものとして蛍光塗料が挙げられ、発光特性を利用したものとして有機電界発光素子が挙げられる。特に有機電界発光素子への適用においては、本発明の金属錯体は、低電圧で高輝度の発光が可能な有機電界発光素子の一成分として有効に利用できる。中でも一般式(III)で表される金属錯体は、ほとんどが青紫から青色の発光を示し、母体の発光体としての役割は大きく、青色発光材料としても重要である。
【0041】
本発明の有機電界発光素子は、基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層された構成である。有機層としては、ホール輸送層、発光層および電子輸送層などが挙げられる。また、有機電界発光素子の安定性を高めるために、素子の一部または全体を保護層で被覆してもよく、発光色を調整するために、カラーフィルターを組み込んでもよい。
【0042】
本発明の有機電界発光素子は、これらの有機層のいずれかの1つの層が本発明のベンゾオキサゾール金属錯体を含有するものであり、本発明の金属錯体はいずれの有機層に含有されていてもよいが、発光層および/または電子輸送層に含有させるのが好ましい。
また、本発明の金属錯体は、一般式(I)で表される金属錯体の2種以上を混合して、または他の発光材料となる金属錯体(例えば、オキシネイト誘導体)と混合して用いることもできる。
【0043】
本発明の金属錯体の2種以上を混合(共蒸着)して用いる場合には、発光波長のパンクロ化、さらにはアモルファス化により、積層膜の密着性が向上する。特に中核金属が同じで、配位子化合物の少し異なる金属錯体から構成されているものが好ましい。例えば、下記の化合物を配位子とするアルミニウム金属または亜鉛金属からなる金属錯体の混合が好ましい。なお、括弧内に対応する例示化合物の番号を示す。
【0044】
2−(2−ヒドロキシナフチル)ベンゾオキサゾール
(例示化合物5、8、9、10、13、16、18)
2−(2−ヒドロキシアントリル)ベンゾオキサゾール
(例示化合物6、15)
2−(2−ヒドロキシフェナントリル)ベンゾオキサゾール
2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール
(例示化合物1、2、11、12)
上記の混合の割合はその使用目的によって任意に変えることができる。
【0045】
さらに、本発明の金属錯体は、蛍光色素と混合して用いることもできる。
蛍光色素としては、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、ぺリレン、クマリン、アクリジン、スチルベン、オキサチアゾールおよびその誘導体などが挙げられる。例えば、下記の構造式で表される4−ジシアノメチレン−6−(p−ジエチルアミノスチリル)−2−メチル−4H−ピランが挙げられる。蛍光色素の添加量は2%以下が好ましい。
【0046】
【化15】
【0047】
また、本発明の金属錯体は、アルカリ金属塩と混合して用いることもできる。発光層中のアルカリ金属塩の占める割合は、発光材料1当量に対して、0.01〜1当量が好ましく、0.1当量前後が特に好ましい。アルカリ金属塩の割合が0.01当量未満の場合には、その併用効果が認められないので好ましくない。また、アルカリ金属塩の割合が1当量を超える場合には、ガラス転移点が低下し、熱的な劣化が起り易くなり、さらには発光開始電圧の上昇傾向が認められるので好ましくない。
さらに、発光層には、後述する2%以下の電子輸送材料を添加するのが、熱的劣化の点でも好ましい。
【0048】
発光層は、公知の方法により形成することができる。
蒸着法では、▲1▼本発明の金属錯体を単独で蒸着させる方法、▲2▼本発明の金属錯体と同時にアルカリ金属含有化合物(例えば、リチウムα−ナフチオラート)または他の金属錯体(例えばAlq3)を蒸着させる方法、▲3▼本発明の金属錯体の2種以上を混合蒸着させる方法などがある。金属錯体により蒸着速度が異なるので、まず蒸着条件、特に温度条件の高い金属錯体を蒸着した後に、温度条件の低い金属錯体、アルカリ金属塩を順次蒸着させるのが好ましい。また、蒸着速度の差を利用して、2層構成に近い発光層を形成してもよい。
発光層膜厚は、使用する材料や有機電界発光素子の動作電圧などによって異なるが、例えば、10nm〜0、2μm程度である。
【0049】
また、発光層は、本発明の金属錯体を適当な有機溶剤に溶解または分散させた溶液をスピンコーターなどの方法で塗布することによっても形成することができる。溶剤としては、NMP、DMSOなどが挙げられる。
発光層の密着性の点から、発光材料をアモルファス状態にするのが好ましい。このため、発光材料としては、非対称構造、さらには長鎖のアルキル、分岐のアルキル基を置換した構造のものが好ましい。
【0050】
次に、本発明の有機電界発光素子の基本的な層構成とその材料について説明する。
図1(a)および(b)は、本発明の有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。
図1(a)の有機電界発光素子は、透明基板7上に、透明電極(陽極)6、ホール輸送層5、発光層4(電子輸送材料を含み電子輸送機能を有していてもよい)、電子障壁層2および陰極1が順次積層された構成であり、図1(b)の有機電界発光素子は、発光層4と電子障壁層2との間に、独立して電子輸送機能を有する電子輸送層3が積層された構成である。ホール輸送層5、発光層4、電子障壁層2、さらに電子輸送層3をまとめて有機層という。
【0051】
この素子は、陽極である透明電極6と陰極1との間に、直流電源8から直流電圧を選択的に印加することによって、透明電極6から注入されたホールがホール輸送層5を経て発光層4に到達し、陰極1から注入された電子が電子障壁層2(さらに電子輸送層3)を経て発光層4に到達し、発光層において電子とホールとが再結合することにより発光する。発光19は透明基板7側から観察される。
【0052】
図2(a)および(b)は、本発明の有機電界発光素子の別の例を示す概略断面図である。
図2(a)および(b)の有機電界発光素子は、図1(a)および(b)の素子の電子障壁層2を省略した構成である。また、発光の機構は図1の素子と同様である。
【0053】
次に発光層以外の層について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、陽極側から発光を取り出す構成であり、基板には透明基板を用い、陽極には透明電極を用いる。
基板に用いる基板材料としては、例えば、ガラス、石英、透明プラスチック(ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリサルホン基板など)などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、これらの基板上に素子、回路、所望の絶縁膜などが形成されていてもよい。
【0054】
陽極に用いる陽極材料としては、例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)、酸化スズなどの無機材料やポリアニリン、ポリチオフェン薄膜などの有機材料が挙げられるが、特にこれらに限定されない。陽極は真空蒸着法などの公知の方法により形成することができ、その膜厚は、使用する材料や有機電界発光素子の動作電圧などによって異なるが、例えば、10nm〜1μm程度である。
【0055】
ホール輸送層は、ホール輸送材料からなる層であり、陽極から注入されたホールを効率よく発光層側に伝達して、発光輝度や発光効率を増加させる機能を有する。ホール輸送層の膜厚は、使用する材料や有機電界発光素子の動作電圧などによって異なるが、例えば、5nm〜5μm程度である。
【0056】
ホール輸送材料としては、電子写真用の機能分離型感光体のホール輸送材料などの公知の材料を用いることができる。例えば、ポルフィリン系化合物、芳香族アミン系化合物、芳香族エナミン系化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
上記のホール輸送材料をバインダー樹脂に溶解し、これを塗布することによりホール輸送層を形成することができる。したがって、ホール輸送材料はバインダー樹脂中にアモルファス状態で存在する。このためバインダー樹脂に対する溶解性が良好なホール輸送材料を用いるのが好ましいが、このような材料は耐熱性に優れているとは言い難い。
そこで、ホール輸送材料としては、溶解性に劣るものの、ホール輸送効率に優れた多価の芳香族アミン化合物および芳香族エナミン化合物を用いるのが好ましく、エナミン構造を有する芳香族化合物が特に好ましい。中でも、米国特許第5,792,568号公報に記載のN,N’型のビス−エナミン化合物(下記構造式)は有効な化合物である。
【0057】
【化16】
【0058】
(式中、ArおよびAr’は同一または異なって、炭素数6〜12の置換、非置換の芳香族残基であり、nは1〜3の整数である)
また、置換基ArおよびAr’の「置換、非置換の芳香族残基」としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基などで置換されているか、非置換のアリール基が挙げられる。この「芳香族残基」としては、例えば、フェニル基、(1−または2−)ナフチル基、(1−,2−または9−)アントリル基、(1−,2−,3−,4−または9−)フェナントリル基、(1−または2−)ピレニル基、(2−,3−または4−)ビフェニリル基、テルフェニル基、(1−,2−または3−)ペリレニル基など炭素数6〜20のアリ−ル基が挙げられ、中でもフェニル基が特に好ましい。
【0059】
本発明の有機電界発光素子は、有機層側の陰極上に、リチウム金属含有の有機金属塩からなる電子障壁層が配設されているのが好ましい。電子障壁層は、電子注入効果を高める機能を有する。
電子障壁層を形成する材料としては、イオン化傾向が大きく、ルモ準位を下げる金属の無機塩または有機塩が挙げられるが、多くの塩は吸湿し易く、また加水分解し易いものが多いので、材料の選択およびその取り扱いには注意を要する。前記の材料の中でも、リチウム金属含有の有機金属塩が好ましい。具体的には、α、α、α−トリフロロ酢酸のリチウム塩、各種リチウムフェノラート、スルホネート、α−ナフトールのリチウム塩などが挙げられ、α−ナフトールのリチウム塩が特に好ましい。
【0060】
電子障壁層は、真空蒸着法、スパッタリング法などの乾式成膜法により薄膜状に形成することができる。
また、電子障壁層は、アルカリ金属塩と高分子バインダーからなる塗布液を用いて、ラングミュア−ブロジェット(LB)法、スピンコーティング法、ディッピング法などの塗布法(湿式成膜法)によっても形成することもできる。
電子障壁層の膜厚は、基本的に電子障壁材料が単分子配列を構成するのに必要な膜厚であればよく、特に限定されない。その膜厚は、通常、駆動電圧の低下効果の点から10〜500Å程度が適当である。
【0061】
電子輸送層は、電子輸送材料からなる層であり、陰極から注入された電子を効率よく発光層側に伝達して、発光輝度や発光効率を増加させる機能を有し、その膜厚は、使用する材料や有機電界発光素子の動作電圧などによって異なるが、例えば、5nm〜5μm程度である。
電子輸送材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、有機金属錯体、ポリパラフェニレン誘導体などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。電子輸送材料には、層間の密着性を高めるために、テトラセン、ペンタセン、テトラフェニレンなどの縮合多環式炭化水素、ジフェニルオキサジアゾール、ルブレンなどの複素環化合物を、10〜80重量%程度配合するのが好ましい。
本発明の金属錯体は、電子輸送材料として用いることもでき、特に一般式(II)で表される金属錯体は、電子輸送効率の優れた化合物である。
電子輸送層には、アルカリ金属塩を30モル%以上添加するのが好ましい。この添加により、素子の駆動開始電圧を低下させることができる。
【0062】
陰極材料としては、低仕事関数の金属または合金が好ましい。例えば、Al、Mgなどの金属、ならびにAl−Mg合金、Al−Li合金、Li−Ag合金などの合金が挙げられる。
陰極材料よりも仕事関数の小さいアルカリ金属を陰極に含ませることにより、低い駆動電圧と発光輝度を得ることができる(第51回応用物理学会講演会、講演予稿集28a−PB−4、1040p参照)。このことから、陰極材料としては、リチウム金属を含む合金、例えばアルミニウム金属にリチウム金属を数%程度含む合金が好ましい。
陰極の膜厚は、使用する材料や有機電界発光素子の動作電圧などによって異なるが、例えば、10nm〜1μm程度である。
【0063】
本発明のベンゾオキサゾール金属錯体は、蛍光塗料の蛍光材料、光起電力装置用の光電材料、映像装置用の材料などの応用も考えられる。
【0064】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
【0065】
実施例1〜6
30mm×30mm×t1.5mmのガラス基板の上に、真空蒸着法により、膜厚50nmのITO(インジウム−錫酸化物)からなる透明電極(陽極)を形成した。次いで、透明電極上に、真空蒸着法により、膜厚35nmのビスエナミン化合物(下記構造式:式中、Arはフェニル基である)からなるホール輸送層を形成した。
【0066】
【化17】
【0067】
次いで、ホール輸送層上に、真空蒸着法により、表1に示す配位子と2価の中核金属(ベリリウムまたは亜鉛)からなるベンゾオキサゾール金属錯体6種類をそれぞれ形成して、膜厚40〜50nmの電子性発光層を得た。
次いで、電子性発光層の上に、スピンコート法により、α−ナフトールのリチウム塩のジメチルホルムアミド(DMF)溶液を塗布して、膜厚40nmの電子障壁層を得た。さらに、電子障壁層上に、真空蒸着法により、膜厚50nmのMg−Ag合金からなる陰極を形成して、有機電界発光素子を得た。
なお、上記の真空蒸着はいずれも真空度1×10−4Torrで、それぞれ次の蒸着速度で行った。
ホール輸送層 2〜 4Å/sec
発光層 2〜 4Å/sec
陰極 12〜14Å/sec
【0068】
このようにして作製した有機電界発光素子に直流電圧18Vを印加し、光電子増倍管を用いて、発光スペクトルの最大波長(nm)を測定した。また、直流電圧の印加時の電流値(mA/cm2)および発光開始電圧(V)を測定した。
得られた結果を、用いた金属錯体と共に表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
表1の結果から、本発明のベンゾオキサゾール金属錯体を用いた有機電界発光素子は、460〜485nmの青色発光領域に発光極大を有し、かつ発光開始電圧の低い、換言すれば消費電力の小さい素子であることがわかる。
【0071】
実施例7〜11
電子性発光材料として表1に示す配位子と2価の中核金属からなるベンゾオキサゾール金属錯体の代わりに、表2に示す配位子と3価の中核金属(アルミニウムおよびガリウム)からなるベンゾオキサゾール金属錯体5種類をそれぞれ用いること、および電子障壁層と発光層との間に、真空蒸着法により、2,5−ジフェニル−オキサジアゾールからなる膜厚20nmの電子輸送層を設けること以外は、実施例1〜6と同様にして、有機電界発光素子を得、それらの特性を評価した。
得られた素子の断面のSEM写真で電子輸送層と電子障壁層との界面付近を観察したところ、その界面が少し崩れ、完全な積層構造が形成されていなかった。これは、電子障壁層を構成するリチウム塩のリチウムイオンが電子輸送層に拡散した状態であることを示している。
得られた結果を、用いた金属錯体と共に表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】
表2の結果から、本発明のベンゾオキサゾール金属錯体を用いた有機電界発光素子は、510〜545nmの緑色発光領域に発光極大を有し、かつ発光開始電圧の低い、換言すれば消費電力の小さい素子であることがわかる。
【0074】
実施例12および13
電子障壁層を設けないこと以外は、実施例2および3と同様にして、有機電界発光素子を得た。このようにして作製した有機電界発光素子に直流電圧18Vを印加した時の電流値(mA/cm2)および輝度(cd/cm2)ならびに発光開始電圧(V)を測定した。
得られた結果を、実施例2および3の結果と共に表3に示す。
なお、実施例12および13は、それぞれ実施例2および3に対応する。
【0075】
【表3】
【0076】
表3の結果から、本発明の有機電界発光素子は、陰極側に電子障壁層を設けることにより、発光開始電圧が低下することがわかる。なお、輝度については、電子障壁層の有無による大きな変化は認められなかった。
【0077】
実施例14〜19
電子性発光材料として表1に示す配位子と2価の中核金属からなるベンゾオキサゾール金属錯体の代わりに、表3に示す金属当量の割合の、例示化合物13の亜鉛金属錯体(1)と各種金属からなるオキシネイト錯体(2)3種類をそれぞれ用いること、および電子障壁層と発光層との間に、真空蒸着法により、ルブレンからなる膜厚約20nmの電子輸送層を設けること以外は、実施例1〜6と同様にして、有機電界発光素子を得た。
金属当量の割合は、亜鉛金属錯体(1)の亜鉛1当量に対して、オキシネイト錯体(2)を0.05当量、0.2当量および1当量とした。
2種類の金属錯体をそれぞれの割合で秤量し、これらを乳鉢に入れ、少量のアルコールを加え、湿潤状態でよく混煉し、乾燥して、真空蒸着の材料とした。
【0078】
得られた素子の断面のSEM写真で電子輸送層と電子障壁層との界面付近を観察したところ、その界面が少し崩れ、完全な積層構造が形成されていなかった。これは、電子障壁層を構成するリチウム塩のリチウムイオンが電子輸送層に拡散した状態であることを示している。一方、電子輸送層と電子性発光層との界面ははっきりと認められた。
【0079】
このようにして作製した有機電界発光素子に直流電圧18Vを印加した時の輝度(cd/cm2)およびその輝度の強さが半減する時間(分)ならびに発光開始電圧(V)を測定した。
得られた結果を、用いた2種類の金属錯体およびその割合と共に表4に示す。
【0080】
【表4】
【0081】
表4の結果から、次のことがわかる。
(1)2種類の金属錯体の当量比が1/1である素子(実施例16)は、それぞれ当量比が20/1および5/1である素子(実施例14および15)と比較して、半減時間が最短であり、熱的安定性に劣ることがわかる。また、実施例19と実施例14および15との比較においても同様のことがいえる。これは、2種類の金属錯体が互いに不純物となり、熱的特性(溶融点、ガラス転移点の低下)の悪化の要因になったためと考えられる。
(2)2種類の金属錯体の中核金属が同じである素子(実施例17〜19)は、それらが異なる素子(実施例14〜16)と比較して、半減時間が長く、熱的安定性に優れる傾向がみられる。
【0082】
(3)亜鉛金属錯体とオキシネイト錯体とを併用することにより、発光スペクトルの最大波長(nm)が長波長にシフトした素子(特に、実施例15、16および18)は、亜鉛金属錯体のみを用いた素子と比較して、少し輝度が高い傾向がみられるが、あまり大きな差とは考えにくい。
(4)2種類の金属錯体の中核金属が同じである素子(実施例17〜19)は、それらが異なる素子(実施例14〜16)と比較して、発光開始電圧少し低い傾向がみられるが、熱的安定性ほどそれらの顕著ではない。
以上のことから、2種類の金属錯体の中核金属が同じで、かつそれらの当量比が5〜20%程度の素子が、全般的にみて好ましいことがわかる。
【0083】
本発明の特定の化学構造を有するベンゾオキサゾール金属錯体は、青色から黄緑色の発光を有する発光材料であり、この金属錯体を光学的素子、特に有機電界発光素子の電子輸送性を保持した発光材料に用いた場合、低電圧での駆動が可能な高輝度の発光素子を提供することができる。
この要因としては、本発明のベンゾオキサゾール金属錯体が三座配位子に基づく安定した平面構造を有し、電荷移動が容易であること、また一部の金属錯体は、π結合部位に対する置換基の位置が錯体内の電子遷移を容易に起こさせる配置になっていることによるものと考えられる。
【0084】
また、本発明のベンゾオキサゾール金属錯体の高い蛍光特性を利用することにより、光学的な装飾材料、表示材料、例えばガラス工芸品用蛍光塗料などへの応用も期待できる。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、種々の色度で高輝度に発光する有機電界発光素子などの光学的素子を作成するための、ガラス転移温度が高くかつ被膜特性に優れた、高蛍光性、高電子輸送性を有する材料を用いた有機電界発光素子を提供することができる。
また、本発明のベンゾオキサゾール金属錯体の優れた特性を利用することにより、例えば、蛍光塗料の蛍光材料、光起電力装置用の光電材料、映像装置用の材料などへの応用も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の有機電界発光素子の別の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 陰極
2 電子障壁層
3 電子輸送層
4 発光層
5 ホール輸送層
6 透明電極(陽極)
7 透明基板
8 直流電源
19 発光
Claims (9)
- 一般式(I)において、
(1)R2とR3が互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環を形成し、かつR1、R4およびR5が水素原子であるか、
(2)R1とR2が互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環を形成し、かつR3、R4およびR5が水素原子であるか、または
(3)R3とR4が互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共にベンゼン環を形成し、かつR1、R2およびR5が水素原子である
請求項1に記載の有機電界発光素子。 - 一般式(II)のM1が、アルミニウム、ユウロピウムおよびガリウムから選択される3価の金属原子である請求項3に記載の有機電界発光素子。
- 一般式(III)のM2が、亜鉛、ニッケルおよびベリリウムから選択される2価の金属原子である請求項3に記載の有機電界発光素子。
- 一般式(III)のAが、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、1,3−ベンゾジオキソイル基および(フェニルオキシ)フェニル基から選択される基である請求項3または5に記載の有機電界発光素子。
- 有機層がホール輸送層と発光層とからなる場合には発光層に、有機層がホール輸送層と発光層と電子輸送層とからなる場合には発光層および/または電子輸送層に、一般式(I)で表されるベンゾオキサゾール化合物を三座配位子とする金属錯体を含有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の有機電界発光素子。
- ホール輸送層が、ホール輸送材料としてエナミン構造を有する芳香族化合物を含有する請求項7に記載の有機電界発光素子。
- 有機層側の陰極上に、リチウム金属含有の有機金属塩からなる電子障壁層が配設されている請求項1〜8のいずれか1つに記載の有機電界発光素子。
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