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JP2004158274A - 燃料電池の水分状態推定装置および燃料電池システム - Google Patents

燃料電池の水分状態推定装置および燃料電池システム Download PDF

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JP2004158274A
JP2004158274A JP2002322186A JP2002322186A JP2004158274A JP 2004158274 A JP2004158274 A JP 2004158274A JP 2002322186 A JP2002322186 A JP 2002322186A JP 2002322186 A JP2002322186 A JP 2002322186A JP 2004158274 A JP2004158274 A JP 2004158274A
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fuel
moisture state
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Kiyomi Eimiya
清美 永宮
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】燃料電池の電解質膜に含まれる水分量をより正確に推定し、この推定された水分量に基づいて水分管理を行なう。
【解決手段】燃料電池30の重量を重量センサ40で検出すると共に燃料電池30の温度と内圧とに基づいて燃料電池30内に含まれているガスの重量を推定する。そして、検出された燃料電池30の重量から、推定されたガスの重量と燃料電池30内に含水がない状態として予め測定された基準重量とを減じて、燃料電池30内の水分量を推定し、推定した水分量が燃料電池30の運転に適した水分量となるようにポンプ24やエアポンプ28、加湿器25,27を駆動制御する。これにより、より直接的で正確に推定された水分量に基づいて燃料電池30内の水分管理をより適切に行なうことができるから、燃料電池30の効率をより向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の水分状態推定装置および燃料電池システムに関し、詳しくは、燃料ガスと酸化ガスとにより発電する燃料電池の水分状態を推定する水分状態推定装置および燃料ガスと酸化ガスとにより発電する燃料電池を有する燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃料電池システムとして、湿潤状態で良好なプロトン導伝性を呈する電解質膜とこの電解質膜を狭持するアノード電極およびカソード電極とからなる単セルとこのセル間の隔壁をなすセパレータとにより構成された単電池を複数積層した燃料電池スタックを有するものが知られている。セパレータには、アノード電極とにより燃料ガスとしての水素ガスを単セル内に行き渡らせるための燃料ガス通路が形成されると共に、カソード電極とにより酸化ガスとしての空気を単セル内に行き渡らせるための酸化ガス通路が形成されている。
【0003】
この電解質膜は通常湿潤状態で良好なプロトン導電性を呈する電解質として機能するため、燃料ガスや酸化ガスを予め加湿したうえで供給することにより電解質膜の湿潤状態を維持しているが、種々の理由によりフラッディング現象(水分過多の状態)が発生し種々の不都合が生じることがある。例えばフラッディング現象が発生すると、ガス通路に水が生成してガス流れの抵抗になり、ガス拡散電極に対して十分なガスを供給できなくなることがある。したがって、燃料電池の水分状態を的確に把握して、燃料電池内を適切な水分状態に維持することは、燃料電池を効率よく運転する上で極めて重要である。
【0004】
この点、燃料電池内の水分状態を判定する燃料電池システムとしては、燃料電池スタックの積層方向を伸縮自在に固定すると共に燃料電池スタックの積層方向の変位量を検出する変位センサを設けたものが提案されている(特許文献1参照)。このシステムでは、燃料電池の電解質膜が乾燥しているとスタックの積層方向の長さが短くなるという前提のもと変位センサにより検出された変位量に基づいて燃料電池の電解質膜の乾燥の有無を判定し、燃料電池への加湿量を調節している。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−332280号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした燃料電池システムでは、燃料電池スタックの積層方向を伸縮自在に固定する必要から、構造が複雑になりがちであり、また燃料電池スタックの積層方向の変位量を燃料電池内の水分量と対応させるため燃料電池の水分量の推定として間接的であり必要な精度が得られないことも多い。
【0007】
本発明の燃料電池の水分状態推定装置は、こうした問題を解決し、燃料電池内の水分状態をより正確に推定することを目的の一つとする。また、本発明の燃料電池システムは、燃料電池内の水分管理をより適切に行なうことを目的の一つとする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の燃料電池の水分状態推定装置および燃料電池システムは、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0009】
本発明の燃料電池の水分状態推定装置は、
燃料ガスと酸化ガスとにより発電する燃料電池内の水分状態を推定する燃料電池の水分状態推定装置であって、
燃料電池本体の重量を検出する重量検出手段と、
前記検出された重量と前記燃料電池本体が所定の含水状態にあるときの重量として予め設定されている燃料電池本体の基準重量とに基づいて前記燃料電池の水分状態を推定する水分状態推定手段と
を備えることを要旨とする。
【0010】
この本発明の燃料電池の水分状態推定装置では、燃料電池本体の重量を検出し、この検出された燃料電池本体の重量と燃料電池本体が所定の含水状態にあるときの重量として予め設定されている燃料電池本体の基準重量とに基づいて燃料電池の水分状態を推定する。これにより、燃料電池の水分状態を直接的でより正確に推定することができる。
【0011】
こうした本発明の燃料電池の水分状態推定装置において、前記水分状態推定手段は、前記所定の含水状態として含水がない状態にあるときの重量を前記基準重量として予め設定して前記水分状態を推定する手段であるものとすることもできる。
【0012】
また、本発明の燃料電池の水分状態推定装置において、前記燃料電池内に含まれる燃料ガスおよび酸化ガスの重量を推定するガス重量推定手段を備え、前記水分状態推定手段は、前記検出された燃料電池本体の重量と前記燃料電池本体の基準重量と前記推定されたガス重量とに基づいて前記水分状態を推定する手段であるものとすることもできる。燃料電池内に含まれているガスの重量も考慮するから、より正確に水分状態を推定することができる。
【0013】
さらに、本発明の燃料電池の水分状態推定装置において、前記燃料電池は、車両に搭載されており、前記水分状態推定手段は、前記車両が停車しているときに前記重量検出手段により検出された重量に基づいて前記水分状態を推定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、車両に搭載された燃料電池の水分状態を正確に推定することができる。
【0014】
本発明の第1の燃料電池システムは、
燃料ガスと酸化ガスとにより発電する燃料電池を有する燃料電池システムであって、
上記の各態様の燃料電池の水分状態推定装置と、
該水分状態推定装置により推定された水分状態に基づいて前記燃料電池を運転制御する制御手段と
を備えることを要旨とする。
【0015】
この本発明の第1の燃料電池システムでは、上記の各態様の本発明の燃料電池の水分状態推定装置により推定された水分状態に基づいて燃料電池を運転制御する。燃料電池の水分状態は、上述の本発明の燃料電池の水分状態推定装置により正確に推定されるから、この正確に推定された水分状態に基づいて燃料電池を運転制御することにより燃料電池の水分管理をより適切に行なうことができる。この結果、燃料電池の運転効率をより向上させることができる。
【0016】
こうした本発明の第1の燃料電池システムにおいて、前記燃料ガスを燃料電池に供給する燃料ガス供給手段と、前記酸化ガスを燃料電池に供給する酸化ガス供給手段と、前記燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスおよび/または前記酸化ガス供給手段により供給される酸化ガスを加湿可能な加湿手段とを備え、前記制御手段は、前記水分状態推定装置により推定された水分状態に基づいて前記燃料ガス供給手段による燃料ガスの供給および/または前記酸化ガス供給手段による酸化ガスの供給および/または前記加湿手段による加湿を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、燃料電池の水分状態をより適切な状態に維持することができる。
【0017】
また、本発明の第1の燃料電池システムにおいて、前記加湿制御手段は、前記推定された水分状態が所定の目標水分状態となるよう制御する手段であるものとすることもできる。
【0018】
本発明の第2の燃料電池システムは、
燃料ガスと酸化ガスとにより発電する燃料電池を有する燃料電池システムであって、
燃料電池本体の重量を検出する重量検出手段と、
前記検出された重量と前記燃料電池本体が所定の含水状態にあるときの重量として予め設定されている基準重量とに基づいて前記燃料電池を運転制御する制御手段と
を備えることを要旨とする。
【0019】
この本発明の第2の燃料電池システムでは、検出された燃料電池本体の重量と、所定の含水状態にあるときの重量として予め設定されている基準重量とに基づいて燃料電池を運転制御するから、燃料電池の水分管理をより直接的で適切に行なうことができる。この結果、燃料電池の運転効率をより向上させることができる。
【0020】
こうした本発明の第2の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池に酸化ガスを供給する酸化ガス供給手段と、前記燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスおよび/または前記酸化ガス供給手段により供給される酸化ガスを加湿可能な加湿手段とを備え、前記制御手段は、前記燃料ガス供給手段による燃料ガスの供給および/または前記酸化ガス供給手段による酸化ガスの供給および/または前記加湿手段による加湿を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、燃料電池の水分状態をより適切な状態に維持することができる。
【0021】
また、本発明の第2の燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記検出された重量と前記基準重量との偏差に基づいて制御する手段であるものとすることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である燃料電池システム20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、実施例の燃料電池システム20を自動車10に搭載したときの構成の概略を示す構成図である。実施例の燃料電池システム20は、図示するように、水素タンク22からポンプ24を介して供給された燃料ガスとしての水素とエアポンプ26により供給された空気(酸化ガス)中の酸素とにより発電する燃料電池30と、燃料電池30の重量を検出する重量センサ40と、燃料電池30に供給される燃料ガスおよび空気をそれぞれ加湿する加湿器25,27と、燃料電池30から排出される燃料系の排出ガスと空気系の排出ガスの各排出管路56,58にそれぞれ設けられ各排出ガスの流量を調節可能な流量調節弁34,36と、システム全体をコントロールする電子制御ユニット70とを備える。なお、流量調節弁34,36を介して排出された水素系の排出ガスに含まれる未反応の水素は、図示しない燃焼室で燃焼させてから排気されるようになっている。勿論、未反応の水素を燃料電池30に循環させて再び燃料として使用するものとしてもよい。
【0023】
燃料電池30は、例えば、湿潤状態で良好なプロトン導伝性を有する電解質膜とこの電解質膜を狭持するカソード電極およびアノード電極とからなる単セルとセル間の隔壁をなすセパレータとからなる単電池を複数積層した燃料電池スタックとして構成されており、セパレータに形成されたガス流路を通ってアノード電極に供給される水素とカソード電極に供給される空気中の酸素との電気化学反応により水の生成を伴って発電する。この燃料電池30には、発電に伴って生じる熱を排出するために冷却媒体(例えば、冷却水)の循環路31が形成されており、循環路31上には冷却媒体を循環させるポンプ32と、燃料電池30と熱交換した冷却媒体を冷却する熱交換器33とが取り付けられている。このポンプ32は電子制御ユニット70による駆動制御を受けている。電子制御ユニット70は、ポンプ32を駆動制御して燃料電池30の温度をその運転に適した温度(実施例では、65℃〜85℃)に調節している。
【0024】
燃料電池30の出力端子からの電力ラインには、図2に示すように、燃料電池30から取り出された電力を調節するインバータ12などを介してモータ14に接続されており、モータ14の回転軸には車輪16が接続されている。したがって、燃料電池30から電力の供給を受けて駆動するモータ14からの動力を用いて、自動車10を走行させることができる。
【0025】
電子制御ユニット70は、CPU72を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、入出力ポート(図示せず)とを備える。電子制御ユニット70には、重量センサ40により検出された燃料電池重量Wfcや、水素タンク22から燃料電池30への供給管路52における燃料電池30への入口近傍に取り付けられた圧力センサ41からの入口圧力Pain、排出管路56における燃料電池30の出口近傍に取り付けられた圧力センサ42からの出口圧力Paout、エアポンプ26から燃料電池30への供給管路54における燃料電池30の入口近傍に取り付けられた圧力センサ43からの入口圧力Pcin、排出管路58における燃料電池30の出口近傍に取り付けられた圧力センサ44からの出口圧力Pcout、循環路31における冷却媒体の燃料電池30への入口近傍に取り付けられた温度センサ45からの入口温度Tin、循環路31における冷却媒体の燃料電池30からの出口近傍に取り付けられた温度センサ46からの出口温度Tout、車速センサ47により検出された自動車10の車速V、傾斜角センサ48により検出された自動車10の傾斜角θなどが入力ポートを介して入力されている。また、電子制御ユニット70からは、ポンプ24への駆動信号や、エアポンプ26への駆動信号、加湿器25,27への駆動信号、ポンプ32への駆動信号、流量調節弁34,36の各アクチュエータの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0026】
こうして構成された電子制御ユニット70の動作、特に、燃料電池30内に含まれる水分量を管理するための動作について説明する。図3は、実施例の燃料電池システム20の電子制御ユニット70により実行される水分管理制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
【0027】
水分管理処理ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70のCPU72は、まず、車速センサ47により検出された車速Vや傾斜角センサ48により検出された傾斜角θを入力し(ステップS100)、入力した車速Vや傾斜角θに基づいて車両が停車し且つ車体が水平となった状態が所定時間継続したか否かを判定する(ステップS102,S104)。所定時間継続して車両が停止していないと判定されたり車体が水平でないと判定されたときには、水分管理を行なうのに不適当であると判断して何もせずに本ルーチンを終了する。なお、車両の停止や車体の水平の状態が所定時間継続するのを判定するのは、車両の振動が落ち着くのを待ち後述する各センサ、特に重量センサ40の検出精度を向上させるためである。
【0028】
所定時間継続して車両が停止しており且つ車体が水平であると判定されたときには、重量センサ40により検出された燃料電池重量Wfcや、圧力センサ41〜44により検出された燃料ガスの入口圧力Pain,出口圧力Paout,空気の入口圧力Pcin,出口圧力Pcout、温度センサ45,46により検出された入口温度Tin,出口温度Toutを入力し(ステップS106)、入力した燃料ガスの入口圧力Pain,出口圧力Paout,空気の入口圧力Pcin,出口圧力Pcout,入口温度Tin,出口温度Toutに基づいて燃料電池30内に含まれるガスの重量Wgを推定する処理を行なう(ステップS108)。ガスの重量Wgを推定する処理は、実施例では、以下に示すように行なわれる。
【0029】
まず、燃料ガスの入口圧力Pain,出口圧力Paoutとに基づいて次式(1)によりアノード電極側の流路内の圧力Paを計算すると共に、入口温度Tinと出口温度Toutとに基づいて次式(2)により燃料電池30内の温度Tfcを計算する。
【0030】
Pa=(Pain+Paout)/2 (1)
Tfc=(Tin+Tout)/2 (2)
【0031】
次に、計算された圧力Paと燃料電池30の温度Tfcとに基づいてアノード電極側の流路内の燃料ガス全体のモル数naを次式(3)の状態方程式を用いて計算する。ここで、Vaはアノード電極側の流路内の体積であり予め求めた値が用いられる。また、Rは気体定数である。
【0032】
na=Pa・Va/R・Tfc (3)
【0033】
そして、計算されたモル数naにアノード電極側の流路内に含まれる燃料ガスの割合(モル比)に応じた分子量を乗じることによりアノード電極側の流路内のガス重量Wagを算出することができる。実施例では、燃料ガスとして水素タンク22に充填された水素ガスを用いたから、アノード電極に含まれるガスのほぼ全てを水素ガスとみなしてアノード電極内のガス重量Wagを算出することができる。なお、炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質して燃料電池の燃料として用いるときには、通常燃料電池に供給される燃料ガスのうち水素ガス以外の不純物も含まれるが、アノード電極内に含まれるガスの割合を予め実験などにより求めておけば、式(3)で計算されたモル数とガスの割合とによりガス重量Wagを算出することができる。例えば、アノード電極側の流路内に含まれる燃料ガスの割合(モル比)をN:H:HO:CO=a:b:c:dとすると、アノード電極側の流路内に含まれるガス重量Wagは次式(4)で計算できる。なお、このときの燃料ガスの割合は、Hに関しては供給される分量から燃料電池30による発電により消費される分量を差し引いたものとして設定することが好適である。
【0034】
Wag=na(28a+2b+18c+44d)/(a+b+c+d)(4)
【0035】
カソード電極側の流路内に含まれる酸化ガスの重量Wcgに関しても、アノード電極側の流路内に含まれる燃料ガスの重量Wagの計算と同様にして、空気の入口圧力Pcin,出口圧力Pcoutとに基づいて次式(5)によりカソード電極側の流路内の圧力Pcを計算し、圧力Pcと式(2)で計算された燃料電池30の温度Tfcとに基づいてカソード電極側の流路内のガス全体のモル数ncを次式(6)の状態方程式を用いて計算する。ここで、Vcはカソード電極側の流路内の体積であり予め求めた値が用いられる。また、Rは気体定数である。
【0036】
Pc=(Pcin+Pcout)/2 (5)
nc=Pc・Vc/R・Tfc (6)
【0037】
そして、計算されたモル数ncにカソード電極側の流路内に含まれる酸化ガスの割合に応じた分子量を乗じてカソード電極側の流路内のガス重量Wcgを算出することができる。例えば、カソード電極側の流路内に含まれる酸化ガスの割合(モル比)をN:O:HO=x:y:zとすると、カソード電極側の流路内に含まれるガス重量Wcgは次式(7)で計算できる。なお、酸化ガスの割合は、Oに関してはエアポンプ26により供給される分量から燃料電池30による発電により消費される分量を差し引いたものとして、HOに関しては加湿器27による加湿により供給される分量と燃料電池30による発電により生成される分量とを加算したものとして設定することが好適である。
【0038】
Wcg=nc(28x+16y+18z)/(x+y+z) (7)
【0039】
アノード電極側の流路内のガス重量Wagとカソード電極側の流路内のガス重量Wcgとを計算すると、両者を加算することにより燃料電池30内のガス重量Wgを算出することができる。以上が燃料電池30内のガス重量Wgを推定する処理である。
【0040】
こうしてガス重量Wgが推定されると、次に、重量センサ40により検出された燃料電池30の重量Wfcから燃料電池30内に含水がない状態として予め設定された基準重量Wfc0とステップS108で推定された燃料電池30内のガス重量Wgとを減算、すなわち次式(8)を用いて燃料電池30内に含まれている水分量Wwを推定する処理を行なう(ステップS110)。
【0041】
Ww=Wfc−Wfc0−Wg (8)
【0042】
ここで、燃料電池30内に含水がない状態として予め設定された基準重量Wfc0は、例えば、燃料電池30の製造過程において燃料電池として組み付けると共に燃料電池30内に形成された循環路31に冷却媒体を充填させたときに、重量計により測定された燃料電池30本体の重量として設定するものとした。これにより、式(8)により算出される水分量Wwは燃料電池30(電解質膜)に含まれる水分量とみなすことができるから、燃料電池30(電解質膜)の含水量を直接的に把握することができる。
【0043】
こうして水分量Wwが算出されると、算出された水分量Wwが目標水分量Wwrefとなるよう加湿量Qを設定すると共に設定された加湿量Qをもって加湿器25,27を駆動制御して(ステップS112)、本ルーチンを終了する。加湿量Qの設定は、実施例では、次式(9)を用いたPI(比例積分)制御により行なうものとした。ここで、K1は比例ゲインを示し、K2は積分ゲインを示し、dtは本ルーチンの実行時間間隔を示す。もとより、加湿量Qの設定を、P(比例)制御やPID(比例積分微分)制御を用いて行なうものとしても構わない。
【0044】
Q=K1(Ww−Wwref)+K2∫(Ww−Wwref)dt (9)
【0045】
以上説明した実施例の燃料電池システム20によれば、重量センサ40により検出された燃料電池30の重量Wfcから、燃料電池30に含水がない状態のときの重量として予め測定されている燃料電池30の基準重量Wfc0と燃料電池30の流路内に含まれるガス重量Wgとを減じて燃料電池30(電解質膜)に含まれている水分量Wwを推定し、推定した水分量Wwが目標水分量Wwrefとなるように加湿器25,27を駆動制御するから、燃料電池30の水分状態を良好に維持することができる。この結果、燃料電池システム20の効率をより向上させることができる。
【0046】
実施例の燃料電池システム20では、基準重量Wfc0を、燃料電池30(電解質膜)に含水がない状態のときに予め測定された重量として設定するものとし、重量センサ40により検出された燃料電池30の重量Wfcから基準重量Wfc0とガス重量Wgとを減じて水分量Wwを推定するものとしたが、燃料電池30が所定の含水量、例えば、燃料電池30の運転に最適な含水量を予め実験などにより決定し、この状態のときに予め測定された重量を基準重量Wfc0として設定し、重量センサ40により検出された燃料電池30の重量Wfcから設定された基準重量Wfc0とガス重量Wgとを減じて水分量Wwを推定するものとしても構わない。このときの水分量Wwは所定の含水量を基準とした相対的な水分量として算出されることになる。
【0047】
実施例の燃料電池システム20やその変形例では、燃料電池30の重量Wfcから基準重量Wfc0とガス重量Wgとを減じたものを燃料電池30内の水分量Wwとして推定するものとしたが、ガス重量Wgは考慮せずに燃料電池30の重量Wfcから基準重量Wfc0を減じたものを燃料電池30内の水分量Wwとして推定するものとしても構わない。
【0048】
実施例の燃料電池システム20では、燃料電池30(電解質膜)の水分量Wwを推定し、推定された水分量Wwが目標水分量Wwrefとなるよう水分管理を行なうものとしたが、水分量Wwを推定せずに重量センサ40により検出された燃料電池30の重量Wfcと基準重量Wfc0とに基づいて直接加湿量の制御を行なうものとしても構わない。例えば、基準重量Wfc0として燃料電池30が所定の含水量を有する状態のときに予め測定された重量を設定し、重量センサ40により検出された燃料電池30の重量Wfc(およびガス重量Wgの和)と基準重量Wfc0との偏差が燃料電池30の運転に適した含水量になるように加湿量を制御するものとすればよい。特に、所定の含水量として燃料電池30の運転に最適な含水量の状態にあるときの燃料電池30の重量を基準重量Wfc0に設定するものとすれば、重量センサ40により検出された燃料電池30の重量Wfc(およびガス重量Wgとの和)が基準重量Wfc0となるように加湿量を制御すればよいことになる。
【0049】
実施例の燃料電池システム20では、燃料電池30内の水分量の調整を加湿器25,27を駆動制御することにより行なうものとしたが、流量調節弁34,36での排出ガスの流量の調節による燃料電池30内の圧力変動を利用すれば、燃料電池30内の余剰な水分を排出することもできるから、流量調節弁34,36の駆動制御により燃料電池30内の水分量を調節するものとしてもよい。また、ポンプ24やエアポンプ26により燃料電池30へ供給する燃料ガスや酸化ガスの流量を調節することにより燃料電池30内の水分量を調節するものとしてもよい。さらに、燃料電池30内に形成された循環路内を流れる冷却媒体の循環量を調節して、燃料電池30の温度を調節することにより燃料電池30内の水分量を調節するものとしてもよい。また、これらのうちの2つ以上を組み合わせて水分量を調節するものとしても構わない。
【0050】
実施例の燃料電池システム20では、燃料電池30を自動車10など車両に搭載するものとして説明したが、燃料電池30を据え置き型のものに適用するものとしてもよいことは勿論である。このとき、車速センサ47などが不要なのは勿論である。
【0051】
実施例では、燃料電池30(電解質膜)内の水分量を推定して燃料電池30への加湿制御を行なう燃料電池システム20の形態として説明したが、燃料電池30内の水分量(水分状態)を推定する水分状態推定装置の形態とするものとしても構わない。
【0052】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である燃料電池システム20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】実施例の燃料電池システム20を自動車10に搭載したときの構成の概略を示す構成図である。
【図3】実施例の燃料電池システム20の電子制御ユニットにより実行される水分管理制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 自動車、12 インバータ、14 モータ、16 車輪、20 燃料電池システム、22 水素タンク、24 ポンプ、25 加湿器、26 エアポンプ、27 加湿器、30 燃料電池、31 循環路、32 ポンプ、33 熱交換器、34,36 流量調節弁、40 重量センサ、41〜44 圧力センサ、45,46 温度センサ、47 車速センサ、48 傾斜角センサ、52,54供給管路、56,58 排出管路、70 電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM。

Claims (10)

  1. 燃料ガスと酸化ガスとにより発電する燃料電池内の水分状態を推定する燃料電池の水分状態推定装置であって、
    燃料電池本体の重量を検出する重量検出手段と、
    前記検出された重量と前記燃料電池本体が所定の含水状態にあるときの重量として予め設定されている燃料電池本体の基準重量とに基づいて前記燃料電池の水分状態を推定する水分状態推定手段と
    を備える燃料電池の水分状態推定装置。
  2. 請求項1記載の燃料電池の水分状態推定装置であって、
    前記水分状態推定手段は、前記所定の含水状態として含水がない状態にあるときの重量を前記基準重量として予め設定して前記水分状態を推定する手段である
    燃料電池の水分状態推定装置。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池の水分状態推定装置であって、
    前記燃料電池内に含まれる燃料ガスおよび酸化ガスの重量を推定するガス重量推定手段を備え、
    前記水分状態推定手段は、前記検出された燃料電池本体の重量と前記燃料電池本体の基準重量と前記推定されたガス重量とに基づいて前記水分状態を推定する手段である
    燃料電池の水分状態推定装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池の水分状態推定装置であって、
    前記燃料電池は、車両に搭載されており、
    前記水分状態推定手段は、前記車両が停車しているときに前記重量検出手段により検出された重量に基づいて前記水分状態を推定する手段である
    燃料電池の水分状態推定装置。
  5. 燃料ガスと酸化ガスとにより発電する燃料電池を有する燃料電池システムであって、
    請求項1ないし4いずれか記載の燃料電池の水分状態推定装置と、
    該水分状態推定装置により推定された水分状態に基づいて前記燃料電池を運転制御する制御手段と
    を備える燃料電池システム。
  6. 請求項5記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料ガスを燃料電池に供給する燃料ガス供給手段と、
    前記酸化ガスを燃料電池に供給する酸化ガス供給手段と、
    前記燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスおよび/または前記酸化ガス供給手段により供給される酸化ガスを加湿可能な加湿手段とを備え、
    前記制御手段は、前記水分状態推定装置により推定された水分状態に基づいて前記燃料ガス供給手段による燃料ガスの供給および/または前記酸化ガス供給手段による酸化ガスの供給および/または前記加湿手段による加湿を制御する手段である
    燃料電池システム。
  7. 請求項5または6記載の燃料電池システムであって、
    前記制御手段は、前記推定された水分状態が所定の目標水分状態となるよう制御する手段である
    燃料電池システム。
  8. 燃料ガスと酸化ガスとにより発電する燃料電池を有する燃料電池システムであって、
    燃料電池本体の重量を検出する重量検出手段と、
    前記検出された重量と前記燃料電池本体が所定の含水状態にあるときの重量として予め設定されている基準重量とに基づいて前記燃料電池を運転制御する制御手段と
    を備える燃料電池システム。
  9. 請求項8記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料電池に酸化ガスを供給する酸化ガス供給手段と、
    前記燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスおよび/または前記酸化ガス供給手段により供給される酸化ガスを加湿可能な加湿手段とを備え、
    前記制御手段は、前記検出された重量と前記基準重量とに基づいて前記燃料ガス供給手段による燃料ガスの供給および/または前記酸化ガス供給手段による酸化ガスの供給および/または前記加湿手段による加湿を制御する手段である
    燃料電池システム。
  10. 請求項8または9記載の燃料電池システムであって、
    前記制御手段は、前記基準重量と前記検出された重量との偏差に基づいて制御する手段である
    燃料電池システム。
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