JP2004148668A - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】副走査方向解像度設定キー10により設定された副走査方向の解像度に基づき、マイクロコンピュータ55によりプラテンローラ92、原稿搬送ローラ82a、83a、プレスローラ103が制御される。これと同時に、マイクロコンピュータ55は、設定された副走査方向の解像度に応じた最適な大きさの穿孔を形成するための通電パルス幅設定の信号をサーマルヘッド駆動回路36へ送出する。設定された副走査方向の解像度に対応した所定の印圧設定の信号に基づき、印圧可変モータ駆動回路39を介して印圧可変モータ21が駆動され、印刷ドラム101と印刷用紙62との圧接力が所定の大きさに制御される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製版済みの孔版原紙(以下、「マスタ」ともいう)を印刷ドラムの外周面に巻装し、該外周面にシート状記録媒体(以下、「印刷用紙」ともいう)を圧接して印刷を行う孔版印刷装置に関し、詳しくは、副走査方向の解像度(送り密度)を可変できる副走査方向解像度設定手段を有する孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷画像に応じた穿孔パターンが形成された感熱性孔版マスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、印刷ドラムの内周側からインキを供給し、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより穿孔パターンに応じたインキ画像を印刷用紙上に転移させて印刷を行う孔版印刷装置が知られている。
このような孔版印刷装置においては、サーマルヘッドの主走査方向に一列に配列された個々の発熱体に一定のライン周期をもって通電し、その電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、すなわちジュール熱を発生させて上記感熱性孔版マスタを穿孔している。ライン周期とは、サーマルヘッドにおける同一発熱体に通電するときの発熱作動時間間隔をいい、印字周期とも呼ばれている。
【0003】
上記のような孔版印刷装置において印刷を行い、印刷済みの印刷用紙を順次排紙トレイへ排紙・積載したとき、先に排紙された印刷用紙表面のインキが、次に排紙された印刷用紙の裏面へ転移してその印刷用紙の裏面を汚してしまう、いわゆる裏移りという不具合が発生する。
これを解消するために、例えば副走査方向において各穿孔を独立させて形成することによりインキ転移量を抑制することが試みられているが、裏移りの不具合は解消できるものの、この手法において副走査方向の解像度を高めた場合、マスタの穿孔が副走査方向において繋がってしまうため、副走査方向の解像度を高めることができず、高い印刷画像品質への対応が不十分であるという問題があった。
裏移りの抑制と高画質化を同時に実現すべく、例えば特開平7−241974号公報や特開平8−67061号公報には、副走査方向の解像度を設定できる手段を設け、設定された副走査方向の解像度に応じた穿孔状態となるように、サーマルヘッドへの投入エネルギー(通電パルス幅、印加電圧等)を調整し、適正な印刷画像を得る構成が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−241974号公報
【特許文献2】
特開平8−67061号公報
【特許文献3】
特開平6−155880号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−241974号公報等に開示された方法では、副走査方向の解像度の可変範囲が狭い場合には有効であるが、可変範囲が広い場合にはサーマルヘッドへの投入エネルギーの調整だけでは対応できないことが判った。
すなわち、高解像度に合わせて印刷条件を設定した場合においては、低解像度時の印刷状態としては転移するインキの量が不十分であり、画質としては満足できるものではなかった。逆に低解像度に合わせて印刷条件を設定した場合においては、高解像度設定時にインキの転移量が過多になり、裏移りが発生するという問題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、副走査方向の可変範囲が広い場合でも設定された副走査方向の解像度に拘わらず常に適正な印刷画像品質が得られる孔版印刷装置の提供を、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、副走査方向の解像度を可変できる副走査方向解像度設定手段を有し、画像情報に基づいて製版装置により製版された孔版原紙を印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムと該印刷ドラムに対向配置された押圧手段との間に圧接力を生じさせながらシート状記録媒体を通して印刷を行う孔版印刷装置において、上記印刷ドラムと押圧手段との間の圧接力を調整する圧接力調整手段を有し、上記副走査方向解像度設定手段により設定された解像度情報に応じて、上記印刷ドラムに対する上記シート状記録媒体の圧接力を調整する、という構成を採っている。
【0008】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の孔版印刷装置において、設定された副走査方向の解像度情報に応じて、予め得られた副走査方向の解像度と圧接力との関係データテーブルから自動的に最適な圧接力を選択して上記圧接力調整手段を制御する制御手段を有している、という構成を採っている。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の孔版印刷装置において、装置外部から解像度情報を入力可能に設けられた外部接続機器を有し、該外部接続機器から入力された副走査方向の解像度情報に応じて、予め得られた副走査方向の解像度と圧接力との関係データテーブルから自動的に最適な圧接力を選択して上記圧接力調整手段を制御する制御手段を有している、という構成を採っている。
【0010】
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記製版装置が複数の発熱体を有するサーマルヘッドを備え、設定された副走査方向の解像度情報に応じた穿孔状態となるように上記サーマルヘッドの個々の発熱体に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段を有している、という構成を採っている。
【0011】
請求項5記載の発明では、請求項4記載の孔版印刷装置において、上記穿孔エネルギー調整手段が、上記発熱体への穿孔用エネルギーを1つの画像信号に対して複数回連続して印加する、という構成を採っている。
【0012】
請求項6記載の発明では、請求項4又は5記載の孔版印刷装置において、上記サーマルヘッドが、1つの画像信号に対して主走査方向に複数個の発熱体を備えた構成を有している、という構成を採っている。
【0013】
請求項7記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記製版装置が複数の発熱体を有するサーマルヘッドを備え、該サーマルヘッドは1つの画像信号に対して主走査方向に複数個の発熱体を備えた構成を有している、という構成を採っている。
【0014】
請求項8記載の発明では、請求項1乃至7のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記孔版原紙を製版した際の副走査方向の解像度データを記憶する副走査方向解像度データ記憶手段を有している、という構成を採っている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図10に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における孔版印刷装置の全体構成及び孔版印刷プロセスの概要を説明する。
装置本体50の上部には原稿読取部80が設けられており、その下方中央部には多孔性の印刷ドラム101を有する印刷ドラム部100が設けられている。印刷ドラム部100の上方右側には製版装置90が設けられ、印刷ドラム部100の上方左側には排版部70が設けられている。また、製版装置90の下方には給紙部110が、印刷ドラム部100の下方には印圧部120が、排版部70の下方には排紙部130が、それぞれ設けられている。
【0016】
次に、上記構成に係る孔版印刷装置の印刷動作を説明する。
先ず、原稿読取部80の上部に配置された図示しない原稿載置台に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない操作パネル上の製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押下に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム部100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済み感熱性孔版マスタ61bが装着されたまま残っている。
【0017】
印刷ドラム101が反時計回りに回転し、印刷ドラム101の外周面の使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部が排版剥離ローラ対71a、71bに近づくと、この排版剥離ローラ対71a、71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ対71aで使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部をすくい上げる。
使用済み感熱性孔版マスタ61bは、排版剥離ローラ対71a、71bの左側に配設された排版コロ対73a、73bと排版剥離ローラ対71a、71bとの間に掛け回された排版搬送ベルト対72a、72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、印刷ドラム101の外周面から引き剥がされて排版工程が終了する。このとき、印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離・排出された使用済み感熱性孔版マスタ61bは、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0018】
排版工程と並行して、原稿読取部80で原稿読み取りが行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前方原稿搬送ローラ対82a、82b及び後方原稿搬送ローラ対83a、83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。なお、後方原稿搬送ローラ83aは原稿搬送ローラ用モータ83Aによって回転駆動されるとともに、前方原稿搬送ローラ82aは搬送ローラ83aと82aとの間に掛け渡された図示しないタイミングベルトを介して回転駆動され、ローラ82b、83bはそれぞれ従動回転する。
原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させ、レンズ88を通してCCD(電荷結合素子)から成る画像センサ89に入射させることにより行われる。
すなわち、原稿60の読み取りは、周知である縮小式の原稿読取方式で行われ、その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に入力され、デジタル画像信号に変換される。
【0019】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版及び給版工程が行われる。すなわち、製版装置90の所定部位にセットされたロール状の感熱性孔版マスタ61は、ロール状態から繰り出され、サーマルヘッド35に感熱性孔版マスタ61を介して押圧されているマスタ搬送手段としてのプラテンローラ92、及びテンションローラ対93a、93bの回転により搬送路の下流側に搬送される。
このように搬送される感熱性孔版マスタ61に対して、サーマルヘッド35に一列に配列された多数の微小な発熱体が、図示しないA/D変換基板から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱体に接触している感熱性孔版マスタ61の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じた感熱性孔版マスタ61の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0020】
画像情報が書き込まれた製版済感熱性孔版マスタ61aの先端は、給版ローラ対94a、94bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材により進行方向を下方へ変えられ、給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタークランパ102(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済感熱性孔版マスタ61bを既に除去されている。
【0021】
製版済感熱性孔版マスタ61aの先端が、一定のタイミングでマスタークランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済感熱性孔版マスタ61aを徐々に巻き付けていく。製版済感熱性孔版マスタ61aの後端部はカッタ95により一定の長さに切断される。
【0022】
一版の製版済感熱性孔版マスタ61aが印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版及び給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された印刷用紙62のうちの最上位の1枚が、給紙コロ111及び分離コロ対112a、112bによりレジストローラ対113a、113bに向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにレジストローラ対113a、113bにより印刷ドラム101の回転と同期した所定のタイミングで印圧部120に送られる。
送り出された印刷用紙62が、印刷ドラム101と押圧手段としてのプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が後述する圧接力調整手段16(図1では省略)の動作によって上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済感熱性孔版マスタ61aに押圧される。こうして、印刷ドラム101の多孔部及び製版済感熱性孔版マスタ61aの穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。
【0023】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜り107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。インキはW/O型のエマルジョンインキである。
【0024】
印圧部120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118に吸着されつつ、吸着排紙入口ローラ115及び吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙部130へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにしていわゆる試し刷りが終了する。
【0025】
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷及び排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終了する。
感熱性孔版マスタ61は、熱可塑性樹脂フィルム(厚みは大体1〜3μm程度のものが一般に用いられる)に、多孔質支持体の和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維を混抄したものを貼り合わせたラミネート構造を有している。
【0026】
次に、副走査方向の解像度を設定するための構成、サーマルヘッド35、プラテンローラ92廻り及びこれらに関連する制御構成について説明する。
装置本体50の上部の図示しない操作パネルには、上記インキ画像における副走査方向の解像度を設定するための副走査方向解像度設定手段としての副走査方向解像度設定キー10が配設されている。副走査方向解像度設定キー10は、例えば複写機等におけるファインモード設定キーと同様な機能を有しており、印刷用紙62上のインキ画像の副走査方向の解像度を設定するために、ユーザーが所望する解像度に手動で任意に入力し設定できるものである。
副走査方向解像度設定キー10は、本実施形態では1回押す毎に、副走査方向の解像度を300DPI又は400DPI(ドット/インチ)の2段階に切り替えて設定できるようになっている。
上記操作パネルにおける副走査方向解像度設定キー10の近傍には、図において左から順に300DPI及び400DPIの、副走査方向の解像度の設定を表示するためのLED(発光ダイオード)11が2個配置されており、いずれかのLED11の点灯により、現在設定されている解像度が確認できるようになっている。
【0027】
プラテンローラ92は、図示しないタイミングベルトを介して駆動手段としてのマスタ送りモータ40に連結されている。マスタ送りモータ40は、ステッピングモータからなり、間欠的に回転駆動される。従って、感熱性孔版マスタ61は、マスタ送りモータ40によりプラテンローラ92を介して所定の送りピッチをもって、上記主走査方向と直交する副走査方向に移動される。
サーマルヘッド35は、主走査方向300DPIの解像度を有し、その主走査方向に配列されている微小な発熱部には、いわゆる矩形型の発熱体が用いられており、さらに、発熱体が1つの画像信号に対して主走査方向に複数個配設された構成となっている。
【0028】
孔版印刷装置において、印刷画像の画像濃度は感熱性孔版マスタ61から滲み出るインキの量により決定される。感熱性孔版マスタ61から滲み出るインキ量は感熱性孔版マスタ61に形成された穿孔パターンを構成する個々の微小な穿孔の開口面積、すなわち穿孔の大きさに比例的である。また、穿孔の大きさは、サーマルヘッド35の個々の発熱体の温度に対応する穿孔用エネルギーに比例的である。
従って、サーマルヘッド35の個々の発熱体の温度に対応する穿孔用エネルギーを調整することにより、最適な印刷画像を得るための穿孔パターンの穿孔の大きさを定めることができる。
【0029】
プレスローラ103は、図3に示すように、プレスローラアーム14の一端部に回転自在に支持されている(図1では省略)。プレスローラアーム14は、その他端部を自身と一体的に設けられた支持軸12により上下方向に回動自在に支持されており、支持軸12は図示しない側板に回転自在に支持されている。プレスローラ103は、圧接力調整手段16により実線で示す離間位置と二点鎖線で示す押圧位置(圧接位置)とに選択的に設定される。
レジストローラ対113a、113bの印刷用紙搬送方向下流側には、用紙センサー13が設けられている(図1では省略)。用紙センサー13は印刷用紙62が通過するときに後述する制御手段としてのマイクロコンピュータ55(図2参照)に検知信号を出力するようになっている。
【0030】
次に、図4乃至図10に基づいて圧接力調整手段16を詳細に説明する。
図4に示すように、圧接力調整手段16は、支持軸12、カム17、揺動アーム18、加圧アーム19、移動板20、移動板20を移動させる駆動源としてのステッピングモータである印圧可変モータ21、連結リンク22、バネ23等から主に構成されている。
カム17は、図示しない側板に回転自在に支持された軸17aと一体的に設けられており、図示しない駆動手段で印刷ドラム101と同期して回転駆動される。カム17の大径部の周長は、印刷ドラム101の図示しない開孔部と対応するように形成されている。
揺動アーム18は、略く字形状を呈しており、その曲折部において支持軸12に揺動自在に支持されている。揺動アーム18の一端部には、係合部としての切欠18aが形成され、他端部にはカム17と対応するカムフォロア24が回転自在に取り付けられている。また、揺動アーム18には、その曲折部とカムフォロア24取付位置との略中間の位置に、引張バネ25の一端が取り付けられている。引張バネ25の他端は、図示しない側板に取り付けられており、この引張バネ25の付勢力により、揺動アーム18は、そのカムフォロア24がカム17と当接する向きに付勢されている。さらに、揺動アーム18の切欠18aの近傍には、図5に示すように、支軸26aを中心に揺動自在な外し爪26と、この外し爪26にプランジャ27aを連結し、外し爪26を揺動させるソレノイド27とが配設されている。
【0031】
外し爪26には図示しない引張バネの一端が取り付けられており、外し爪26は、通常、支軸26aを中心に、図4において反時計回り方向に付勢されている。ソレノイド27は、その動作をマイクロコンピュータ55により制御される。加圧アーム19は、自身と一体的に設けられた支持軸12で支持され、図4の方向から見て揺動アーム18より手前側に位置するように配設されており、その長手方向には長孔19aが形成されている。この長孔19aは、切欠18aと後述する連結リンク22の被係合部とが係合したときに、切欠18aを中心とした円弧状となるように形成されている。また、加圧アーム19には、後述する移動板20を移動させる印圧可変モータ21が取り付けられている。この印圧可変モータ21は、マイクロコンピュータ55によりその動作を制御される。
加圧アーム19の近傍には、側板に固定されたストッパー33が設けられている。加圧アーム19は、自重による反時計回り方向への回動を、ストッパー33と当接することで抑制されており、ストッパー33によって位置決めされている。
【0032】
移動板20は円弧状に形成され、内側部にはラック20aが形成されており、その一端寄りには、ボス20bが形成されている。また、移動板20の他端よりには、ピン29が挿通固定されている。移動板20は、ボス20bとピン29とを長孔19aに挿通させて加圧アーム19上に配設されており、ラック20aは、印圧可変モータ21の出力軸に取り付けられたピニオン28と噛み合っている。
ボス20bとピン29には、図6に示すように、スナップリング30、31が取り付けられており、ボス20bとピン29とが長孔19aから抜けることで移動板20が加圧アーム19上より脱落することを防止されている。
連結リンク22には、その一端部に被係合部としてのボス22aが形成されており、他端部には、長孔22bが形成されている。また、ボス22aと長孔22bとの間の位置には、ボス22aとは逆向きに突出するようにボス22cが形成されている。
【0033】
連結リンク22は、自身と加圧アーム19とで移動板20を挟み込むように、長孔22bをピン29に挿通され、スナップリング32で抜け止めされており、ピン29で揺動自在に支持されている。連結リンク22と移動板20との間には、図示しない引張バネが設けられており、連結リンク22は、ボス22aを揺動アーム18の先端面18bに押圧する向きに付勢されている。この引張バネの付勢力は、外し爪26を反時計回り方向に付勢する、図示しない引張バネの付勢力よりも小さくなるように設定されている。また、ボス22cには、引張バネであるバネ23の一端が取り付けられ、バネ23の他端はピン29に取り付けられている。
【0034】
以下、圧接力調整手段16による印刷ドラム101に対するプレスローラ103の接離動作及び圧接力調整機能を説明する。
印刷ドラム101が給版位置で停止し、製版装置90で穿孔製版された製版済みマスタ61aが搬送されると、図示しない開閉手段によりマスタークランパ102が閉じられて製版済みマスタ61aの先端部を印刷ドラム101の外周面上に係止する。次に、図示しないドラム駆動手段により印刷ドラム101が時計回り方向に回転され、製版済みマスタ61aが印刷ドラム101の外周面上に巻装されると、給紙部110より印刷用紙62が給送される。給送された印刷用紙62は、その先端部をレジストローラ対113a、113bにより挟持される。
レジストローラ対113a、113bは、印刷ドラム101の回転のタイミングに合わせて、印刷用紙62を印刷ドラム101の外周面とプレスローラ103との間に向けて搬送する。このとき、印刷用紙62の先端が用紙センサー13の下方を通過することで用紙センサー13がオンし、用紙センサー13よりマイクロコンピュータ55へ用紙検知信号が出力される。
【0035】
用紙センサー13からの信号を受けたマイクロコンピュータ55は、ソレノイド27への通電を許容する。ソレノイド27は、通電によりプランジャ27aを吸引し、外し爪26を時計回り方向に回動させて、切欠18a部位を開放する。このとき、カム17は、印刷ドラム101の回転と同期して反時計回り方向に回転しており、図4に示す状態から、図7に示すように、その小径部がカムフォロア24に当接し、揺動アーム18を反時計回り方向に回動させる。
図示しない引張バネで付勢された連結リンク22は、そのボス22aが先端面18bと摺動した後、開放された切欠18aに係合する。
カム17は回転を継続し、その小径部から大径部にかけてカムフォロア24と当接する。これにより揺動アーム18が時計回り方向に回動され、揺動アーム18の切欠18aとボス22aが係合した連結リンク22、連結リンク22の長孔22bとピン29で連結された移動板20及び加圧アーム19が、支持軸12を中心にそれぞれ時計回り方向に回動される。加圧アーム19が回動することで、加圧アーム19と一体的に設けられた支持軸12、及び支持軸12と一体的に設けられたプレスローラアーム14が、共に時計回り方向に回動される。
【0036】
印刷ドラム101が、その開孔部がプレスローラ103と対応する位置まで回転されたとき、カム17は、図8に示すように、その小径部と大径部との境界部がカムフォロア24に当接する。このタイミングで、プレスローラアーム14の先端部に取り付けられたプレスローラ103が、製版済みのマスタ61a及び印刷用紙62を介して印刷ドラム101の外周面に当接する。
プレスローラ103が、製版済みのマスタ61a及び印刷用紙62を介して印刷ドラム101の外周面に当接すると、プレスローラアーム14と加圧アーム19とは、それぞれの回動を規制される。しかし、カム17はさらに回転し、その大径部がカムフォロア24に当接し、揺動アーム18をさらに揺動(回動)させる。揺動アーム18の回動につれて、連結リンク22と加圧アーム19とが回動しようとするが、上述の如く加圧アーム19はその回動が規制されており、図9に示すように、連結リンク22のみが長孔22bの長さの範囲内で回動する。
このとき、バネ23が引き伸ばされることで、プレスローラ103の印刷ドラム101の外周面に対する押圧力が発生する。
【0037】
印刷用紙62は、プレスローラ103で印刷ドラム101の外周面に押圧され、印刷画像を転写された後、排紙剥離爪114で印刷ドラム101の外周面より剥離され、吸着用ファン118に吸着されつつ排紙、搬送される。
カム17はさらに回転し、やがてその小径部がカムフォロア24と当接し、加圧アーム19はその側端部がストッパー33に当接して図7に示す状態となる。この状態のときに、用紙センサー13からの信号がマイクロコンピュータ55に入力されると、ソレノイド27への通電が引き続き行われ、圧接力調整手段16は、上記動作を継続する。
図7の状態で、用紙センサー13からの信号がマイクロコンピュータ55に入力されない場合は、マイクロコンピュータ55はソレノイド27への通電を遮断する。外し爪26は、図示しない引張バネに付勢されて支軸26aを中心に反時計回り方向に回動し、切欠18aよりボス22aを離脱させる。その後、カム17が回転することにより揺動アーム18が揺動されるが、揺動アーム18と連結リンク22との係合が解除されているので加圧アーム19は揺動せず、加圧アーム19と支持軸12を介して一体のプレスローラアーム14の揺動が解除され、プレスローラ103は、図3の実線で示す離間位置に保持される。
【0038】
上述の圧接力調整手段16を備えた孔版印刷装置で印刷を行う際に、印圧を小さくする場合には、印圧可変モータ21を時計回り方向に回転させ、移動板20を図4に示すように左方向に移動させる。
印圧を大きくする場合には、印圧可変モータ21を反時計回り方向に回転させ、移動板20を図10に示すように右方向に移動させる。力点であるピン29の移動により、バネ23がプレスローラ103に付与する押圧力は、移動板20が図4に示す位置にあるときよりも小さくなり、印刷用紙62へのプレスローラ103の押圧力が小さくなることで、印刷用紙62へのインキの転写量は、移動板20が図4に示す位置にあるときよりも少なくなる。
【0039】
圧接力調整手段16の構成は上記のものに限定される趣旨ではなく、例えば特開平6−155880号公報等に記載された、バネ部材の張力を変更することでプレスローラの押圧力を変化させる周知の構成を採用してもよい。
しかしながら、バネ部材を引き伸ばす方式ではモータが大出力となることを避けられない。これに対して上述したような本実施形態における圧接力調整手段16では、低出力の駆動源で応答性よくプレスローラ103に押圧力を付与することができる利点を有している。
【0040】
次に、図2に基づいて、副走査方向の解像度を可変する制御構成、サーマルヘッド35、マスタ送りモータ40及び原稿搬送ローラ用モータ83Aを駆動制御する構成を説明する。
同図において、符号55はマイクロコンピュータを示す。マイクロコンピュータ55は、後述するように、サーマルヘッド駆動回路36、マスタ送りモータ駆動回路41、原稿搬送ローラ用モータ駆動回路83B、印圧可変モータ駆動回路39、副走査方向解像度設定キー10及び副走査方向解像度データ記憶手段としてのメモリ56の間で指令信号及びデータ信号を送受信し、孔版印刷装置全体のシステムを制御している。
【0041】
マイクロコンピュータ55は、CPU(中央演算処理装置)、I/Oインターフェース、ROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)等を備え、信号バスによって接続された周知の構成を有している。
マイクロコンピュータ55は、後述するように、副走査方向解像度設定キー10の出力信号に基づき、設定された副走査方向の解像度に対応した送りピッチに変えるようにマスタ送りモータ40を制御する制御手段、副走査方向解像度設定キー10の出力信号に基づき、設定された副走査方向の解像度に対応した送りピッチに変えるように原稿搬送ローラ用モータ83Aを制御する制御手段、副走査方向解像度設定キー10の出力信号に応じて、サーマルヘッド35の個々の発熱体に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段、副走査方向解像度設定キー10の出力信号(解像度情報)に応じて、印刷ドラム101対する印刷用紙62の圧接力を調整すべく印圧可変モータ21を制御する制御手段等の諸機能を有している。
【0042】
マイクロコンピュータ55のROMには、設定された副走査方向の解像度に対応した送りピッチを設定するための関係データテーブルと、エネルギー調整のためのプログラムと、設定された副走査方向の解像度に応じた最適な大きさの穿孔を形成するための穿孔用エネルギーに対応した通電パルス幅の関係データテーブルと、設定された副走査方向の解像度に応じた最適な圧接力を選択するための関係データテーブルが、予め実験等(コンピュータシミュレーションを含む)により求められて記憶されている。
【0043】
副走査方向解像度設定キー10はマイクロコンピュータ55に接続されていて、設定された副走査方向の解像度の出力は、2つのLED11の何れかに表示されるとともに、マイクロコンピュータ55のI/Oインターフェースに入力される。
図3において、符号37は復号化回路、符号38は電源をそれぞれ示す。復号化回路37は、上記アナログ/デジタル(A/D)変換基板でデジタル符号化された画像信号をイメージデータ信号に復号する機能を有し、サーマルヘッド駆動回路36へイメージデータ信号を出力する。
マスタ送りモータ駆動回路41は、1−2相励磁パルスを発生する1−2相励磁回路の出力をマスタ送りモータ40に供給するようになっている。マスタ送りモータ駆動回路41はマスタ送りモータ40に接続されていて、マスタ送りモータ40を駆動する。
原稿搬送ローラ用モータ駆動回路83Bは、マスタ送りモータ駆動回路41と同様な構成を有し、1−2相励磁パルスを発生する1−2相励磁回路の出力を原稿搬送ローラ用モータ83Aに供給するようになっている。
【0044】
サーマルヘッド駆動回路36は、復号化回路37から出力されるイメージデータ信号や、1副走査を示す信号並びにマイクロコンピュータ55から出力される通電パルス幅の指令及びデータ信号を受けてサーマルヘッド駆動信号を出力する駆動回路から主に構成されている。
サーマルヘッド35は、1主走査分のイメージデータ信号を順次シフトするシフトレジスタと、このシフトレジスタの各段の出力をラッチするラッチ回路と、黒画素に対応する発熱体のみ駆動するためのAND回路と、発熱体を駆動するトランジスタと、逆流防止用のダイオード等を有している。
電源38は、サーマルヘッド駆動回路36に接続されていて、サーマルヘッド駆動回路36を介してサーマルヘッド35の個々の発熱体に感熱性孔版マスタ61を溶融穿孔するための穿孔用エネルギーに対応した電気エネルギーを供給する。
【0045】
次に、副走査方向の解像度を可変する場合の動作プロセスを説明する。
まず、製版スタートキーを押して製版工程を実行する前に、副走査方向解像度設定キー10を押して、印刷画像として所望する副走査方向の解像度を設定する。
この副走査方向の解像度の設定信号がマイクロコンピュータ55に出力されると、マイクロコンピュータ55は、その設定された副走査方向の解像度に対応した所定の送りピッチ設定の信号をマスタ送りモータ駆動回路41に送出するとともに、その副走査方向の解像度に対応した所定の送りピッチで原稿搬送ローラ用モータ83Aを駆動制御する信号を原稿搬送ローラ用モータ駆動回路83Bに送出し、さらにその副走査方向の解像度に対応した所定の印圧(圧接力)へ制御する信号を印圧可変モータ駆動回路39へ送出する。
これと同時に、マイクロコンピュータ55は、設定された副走査方向の解像度に応じた最適な大きさの穿孔を形成するための通電パルス幅設定の信号をサーマルヘッド駆動回路36へ送出する。
また、マイクロコンピュータ55は、設定された副走査方向の解像度の設定データをメモリ56に記憶する。
【0046】
マイクロコンピュータ55により設定された副走査方向の解像度に対応した所定の送りピッチ設定の信号に基づき、マスタ送りモータ駆動回路41を介してマスタ送りモータ40が駆動される。マスタ送りモータ40によりプラテンローラ92が回転駆動され、感熱性孔版マスタ61が所定の送りピッチ及び速度で搬送される。
マイクロコンピュータ55により設定された副走査方向の解像度に対応した所定の送りピッチ設定の信号に基づき、原稿搬送ローラ用モータ駆動回路83Bを介して原稿搬送ローラ用モータ83Aが駆動される。原稿搬送ローラ用モータ83Aにより原稿搬送ローラ82a、83aが回転駆動され、原稿60が所定の送りピッチ及び速度で搬送される。
【0047】
サーマルヘッド駆動回路36では、上記通電パルス幅設定の信号に基づき、電源38からの電力供給を受けて通電パルス(サーマルヘッド駆動信号)が生成されてサーマルヘッド35の個々の発熱体に出力され、黒画素に対応した発熱体がジュール熱を発生し、感熱性孔版マスタ61が溶融穿孔される。
本実施形態では、サーマルヘッド35の発熱体への穿孔エネルギーを1つの画像信号に対して複数回(例えば2回)連続して印加するようになっている。2回の連続した通電パルスが印加されることで、サーマルヘッド35の発熱体ピーク温度を感熱性孔版マスタ61の穿孔に必要とする温度、すなわち感熱性孔版マスタ61の閾値温度よりむやみに高くすることなく、感熱性孔版マスタ61の副走査方向における穿孔の大きさを所望の大きさにすることができる。このため、サーマルヘッド35の発熱体に加えられる熱ストレスを少なく、且つ、小さくすることができ、サーマルヘッド35の長寿命化を図ることができる。
【0048】
印刷部100においては、マイクロコンピュータ55により設定された副走査方向の解像度に対応した所定の印圧設定の信号に基づき、印圧可変モータ駆動回路39を介して印圧可変モータ21が駆動され、印刷ドラム101と印刷用紙62との圧接力が所定の大きさに制御される。
具体的に説明すると、マイクロコンピュータ55は、ROMに記憶されている副走査方向の解像度と圧接力との関係データテーブルから設定された副走査方向の解像度に対応した最適な圧接力を選択し、これに基づいて印圧設定の信号を生成する。
さらに詳細に説明すると、上記関係データテーブルにおける副走査方向の解像度と最適な圧接力との関係は1対1で対応するのではなく、一つの解像度に対して圧接力は段階的な幅を有している。
【0049】
例えば、上記のように2種類の副走査方向解像度設定機能を有する孔版印刷装置において、設定された副走査方向の解像度が低解像度(300DPI)であった場合、印圧は印刷画像の濃度が最適となる範囲内で高く設定される。すなわち、マイクロコンピュータ55は対応する最適な圧接力の範囲の中で高い値を選択する。このことにより副走査方向でのインキの広がりが大きくなり、画像として良好な濃度のものが得られる。
低解像度に合わせて印刷条件が設定されていた場合、従来、上述のように高解像度設定時にはインキの転移量が過多になり易かった。本実施形態では、副走査方向の解像度が高解像度に設定された場合、マイクロコンピュータ55は対応する最適な圧接力の範囲の中で低い値を選択する。これによりインキの転移量の過多が抑制される。
すなわち、サーマルヘッド35への投入エネルギーの調整による不足分を、印刷ドラム101に対する印刷用紙62の圧接力の微調整により補い、良好な印刷画像品質を確保するものである。
次に、溶融穿孔された製版済みの感熱性孔版マスタ61aが印刷ドラム101へ巻装された後、設定された印刷速度にて設定された印刷枚数分、印刷を行う。
【0050】
上記実施形態では、副走査方向の解像度を設定する副走査方向解像度設定手段として、副走査方向解像度設定キー10を用いる構成としたが、図2に二点鎖線で示すように、孔版印刷装置の外部に設けられ、マイクロコンピュータ55を介して副走査方向の解像度情報を入力可能に設けられたパーソナルコンピュータ等の外部接続機器34により、副走査方向の解像度情報を入力・設定するようにしてもよい。この場合、孔版印刷装置がマイクロコンピュータ55に接続されたメインコントローラを有している場合には該メインコントローラを介して外部接続機器34により、副走査方向の解像度情報を入力・設定するようにしてもよい。また、上記実施形態では、副走査方向の解像度の設定数を2段階としたが、3段階以上としても同様の機能を得ることができる。
また、上記実施形態では、印刷ドラム101に対してプレスローラ103を押圧する構成としたが、印刷ドラム101と略同径の圧胴を圧接する構成において圧接力を調整するようにしてもよく、あるいはプレスローラ103や圧胴に対して印刷ドラム101をインキローラの変位により圧接する構成において圧接力を調整するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、副走査方向の解像度を可変できる副走査方向解像度設定手段を有し、画像情報に基づいて製版装置により製版された孔版原紙を印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムと該印刷ドラムに対向配置された押圧手段との間に圧接力を生じさせながらシート状記録媒体を通して印刷を行う孔版印刷装置において、上記印刷ドラムと押圧手段との間の圧接力を調整する圧接力調整手段を有し、上記副走査方向解像度設定手段により設定された解像度情報に応じて、上記印刷ドラムに対する上記シート状記録媒体の圧接力を調整する構成としたので、設定された解像度に適した印刷画像品質になるよう制御されることにより、印刷用紙へのインキ転移量が制御され、設定された副走査方向の解像度の如何に拘わらず良好な画質の印刷画像を得ることができる。
【0052】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の孔版印刷装置において、設定された副走査方向の解像度情報に応じて、予め得られた副走査方向の解像度と圧接力との関係データテーブルから自動的に最適な圧接力を選択して上記圧接力調整手段を制御する制御手段を有している構成としたので、最適な圧接力を容易に設定でき、設定された副走査方向の解像度の如何に拘わらず良好な画質の印刷画像を得ることができる。
【0053】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の孔版印刷装置において、装置外部から解像度情報を入力可能に設けられた外部接続機器を有し、該外部接続機器から入力された副走査方向の解像度情報に応じて、予め得られた副走査方向の解像度と圧接力との関係データテーブルから自動的に最適な圧接力を選択して上記圧接力調整手段を制御する制御手段を有している構成としたので、例えばパーソナルコンピュータ上で設定された副走査方向の解像度情報に応じて自動的に最適な圧接力に設定されるため、改めて孔版印刷装置上で設定する煩わしさを無くすことができる。
【0054】
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記製版装置が複数の発熱体を有するサーマルヘッドを備え、設定された副走査方向の解像度情報に応じた穿孔状態となるように上記サーマルヘッドの個々の発熱体に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段を有している構成としたので、感熱性孔版マスタの副走査方向における穿孔の大きさが適正な大きさに制御され、設定した副走査方向の解像度の如何に拘わらずその解像度に適した独立穿孔を行うことができる。
【0055】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の孔版印刷装置において、上記穿孔エネルギー調整手段が、上記発熱体への穿孔用エネルギーを1つの画像信号に対して複数回連続して印加する構成としたので、サーマルヘッドへあまり負荷を掛けずに感熱性孔版マスタの副走査方向における穿孔の大きさを適正な大きさに制御することができる。
低解像度が選択された際には副走査方向の穿孔の間隔が広くなることを補うためにサーマルヘッドへの印加エネルギーを高くすることがあるが、この方法ではサーマルヘッドの発熱体で生じる発熱ピーク温度が高くなりサーマルヘッドの早期劣化に繋がることや穿孔自体が全体に大きくなり、主走査方向での穿孔分離性を保てなくなるといった問題点が生じてしまう。しかしながら、本発明では、副走査方向のみに大きく穿孔され、副走査方向の解像度に適した穿孔状態が得られる。また、サーマルヘッドの発熱ピーク温度を必要以上に上昇させることなく、感熱性孔版マスタの副走査方向における穿孔の大きさを所望の大きさにすることができるため、サーマルヘッドの発熱体に加えられる熱ストレスを少なく、且つ、小さくすることができ、サーマルヘッドの長寿命化を図ることができる。
【0056】
請求項6記載の発明によれば、請求項4又は5記載の孔版印刷装置において、上記サーマルヘッドが、1つの画像信号に対して主走査方向に複数個の発熱体を備えた構成を有している構成としたので、高解像度送りのために副走査方向の発熱体のサイズを短くした場合においても発熱抵抗体の抵抗値を高く設定できるようになり、電流値を制御できる。その上、同時通電によるコモンドロップの影響を抑制でき、主走査方向における穿孔の大きさをより適正に制御できるようになる。
尚且つ、1つの穿孔面積は小さくなるので、印刷ドラムからのインキ転移量を抑制でき、過度のインキが印刷用紙へ転移することがなく、高解像度送り時にも裏移りの少ない画像品質を得ることができる。
【0057】
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記製版装置が複数の発熱体を有するサーマルヘッドを備え、該サーマルヘッドは1つの画像信号に対して主走査方向に複数個の発熱体を備えた構成を有している構成としたので、高解像度送りのために副走査方向の発熱体のサイズを短くした場合においても発熱抵抗体の抵抗値を高く設定できるようになり、電流値を制御できる。その上、同時通電によるコモンドロップの影響を抑制でき、主走査方向における穿孔の大きさをより適正に制御できるようになる。
尚且つ、1つの穿孔面積は小さくなるので、印刷ドラムからのインキ転移量を抑制でき、過度のインキが印刷用紙へ転移することがなく、高解像度送り時にも裏移りの少ない画像品質を得ることができる。
【0058】
請求項8記載の発明によれば、請求項1乃至7のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、上記孔版原紙を製版した際の副走査方向の解像度データを記憶する副走査方向解像度データ記憶手段を有している構成としたので、ユーザーが作業を一旦停止して装置の電源を切った後に再度印刷ドラムに巻装されているマスタでの印刷を行おうとした場合、製版された際の解像度に応じた印刷条件を設定でき、同一の版(マスタ)による画像品質のバラツキを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における孔版印刷装置の概要正面図である。
【図2】制御ブロック図である。
【図3】印刷ドラムに対するプレスローラの接離動作を示す概略図である。
【図4】圧接力調整手段の、プレスローラが離間している状態の概要正面図である。
【図5】図4における圧接力調整手段の概要平面図である。
【図6】図4における圧接力調整手段の概要側面図である。
【図7】圧接力調整手段において揺動アームと連結リンクが係合した状態を示す概要正面図である。
【図8】プレスローラが印刷ドラムに接近する状態における圧接力調整手段の概要正面図である。
【図9】プレスローラが印刷ドラムに圧接した状態における圧接力調整手段の概要正面図である。
【図10】圧接力を強めた状態の圧接力調整手段の概要正面図である。
【符号の説明】
10 副走査方向解像度設定手段としての副走査方向解像度設定キー
16 圧接力調整手段
34 外部接続機器
35 サーマルヘッド
55 制御手段、穿孔エネルギー調整手段としてのマイクロコンピュータ
56 副走査方向解像度データ記憶手段としてのメモリ
61 孔版原紙としてのマスタ
62 シート状記録媒体としての印刷用紙
90 製版装置
101 印刷ドラム
103 押圧手段としてのプレスローラ
Claims (8)
- 副走査方向の解像度を可変できる副走査方向解像度設定手段を有し、画像情報に基づいて製版装置により製版された孔版原紙を印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムと該印刷ドラムに対向配置された押圧手段との間に圧接力を生じさせながらシート状記録媒体を通して印刷を行う孔版印刷装置において、
上記印刷ドラムと押圧手段との間の圧接力を調整する圧接力調整手段を有し、上記副走査方向解像度設定手段により設定された解像度情報に応じて、上記印刷ドラムに対する上記シート状記録媒体の圧接力を調整することを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1記載の孔版印刷装置において、
設定された副走査方向の解像度情報に応じて、予め得られた副走査方向の解像度と圧接力との関係データテーブルから自動的に最適な圧接力を選択して上記圧接力調整手段を制御する制御手段を有していることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1記載の孔版印刷装置において、
装置外部から解像度情報を入力可能に設けられた外部接続機器を有し、該外部接続機器から入力された副走査方向の解像度情報に応じて、予め得られた副走査方向の解像度と圧接力との関係データテーブルから自動的に最適な圧接力を選択して上記圧接力調整手段を制御する制御手段を有していることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、
上記製版装置が複数の発熱体を有するサーマルヘッドを備え、設定された副走査方向の解像度情報に応じた穿孔状態となるように上記サーマルヘッドの個々の発熱体に供給する穿孔用エネルギーを所定のエネルギーに調整する穿孔エネルギー調整手段を有していることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項4記載の孔版印刷装置において、
上記穿孔エネルギー調整手段が、上記発熱体への穿孔用エネルギーを1つの画像信号に対して複数回連続して印加することを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項4又は5記載の孔版印刷装置において、
上記サーマルヘッドが、1つの画像信号に対して主走査方向に複数個の発熱体を備えた構成を有していることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、
上記製版装置が複数の発熱体を有するサーマルヘッドを備え、該サーマルヘッドは1つの画像信号に対して主走査方向に複数個の発熱体を備えた構成を有していることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1乃至7のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、
上記孔版原紙を製版した際の副走査方向の解像度データを記憶する副走査方向解像度データ記憶手段を有していることを特徴とする孔版印刷装置。
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| JP2007320073A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 感熱孔版印刷装置 |
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