JP2004146340A - El発光シート - Google Patents
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Abstract
【課題】変化のある発光を実現する。
【解決手段】EL発光体を有する発光層、及び、互いに境界領域を隔てて所定の配列で配置してなる第1電極と第2電極の電極組を前記発光層の一面側に持つ電極部を有するEL発光シートであって、前記電極部は、所定の配列で配置された複数の前記電極組を有することを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】EL発光体を有する発光層、及び、互いに境界領域を隔てて所定の配列で配置してなる第1電極と第2電極の電極組を前記発光層の一面側に持つ電極部を有するEL発光シートであって、前記電極部は、所定の配列で配置された複数の前記電極組を有することを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、EL発光シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発光材料の1つとしてエレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence;以下「EL」という。)が知られており、EL発光シートとして種々のシートが開発・実用化されている。EL発光シートは、ベースフィルムの上に、第1電極、発光層、絶縁層(光反射層)、第2電極、及び保護層が順次積層して形成され、第1電極と第2電極間に交流電圧を印加することにより、発光層の蛍光体(EL発光体)が発光するものが一般的である。
【0003】
また、EL発光シートとして、特異な作用・効果を奏するものが知られている(例えば特許文献1)。このEL発光シートは、第1電極及び第2電極の電極組を櫛歯状に形成した電極部、絶縁層、及び発光層を順次積層して形成される。そして、発光層の上に任意形状の導電材料を成膜・乾燥して表示電極を形成させることにより、発光層のうちの表示電極が成膜された部分が発光するものである。このEL発光シートによれば、使用者の好みに応じた形状の表示電極を形成することができ、所望の発光形状が得られる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−153582号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のEL発光シートは、単に発光するのみであるため、変化に乏しく、面白味に欠けるとともに、例えばサインボード等に用いる場合に人目につき難いといった欠点があった。
本発明は、上記の事情に鑑み成されたものであり、変化のある発光を実現することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のEL発光シートは、EL発光体を有する発光層、及び、互いに境界領域を隔てて所定の配列で配置してなる第1電極と第2電極の電極組を前記発光層の一面側に持つ電極部を有するEL発光シートであって、前記電極部は、所定の配列で配置された複数の前記電極組を有することを特徴とするものである。また、請求項2に記載のEL発光シートは、請求項1に記載のEL発光シートにおいて、前記第1電極及び前記第2電極がそれぞれ櫛歯状のパターン形状に形成され、櫛歯状のパターン部分同士が接触しないように境界領域を隔てて互いに所定距離離れて噛み合うように形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
このEL発光シートによれば、電極部は複数の電極組を有することから、電極組の第1電極と第2電極に対する電圧印加の実行を制御することにより、発光線図の発光方式及び/又は発光範囲が異なる複数の発光モードを実現することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
A.EL発光シート
1. 全体構成
図1は、本発明を適用したEL発光シート10の要部断面の一部拡大図である。図1において、EL発光シート10は、ベース層11、電極層(電極部)12、防水層13、EL発光層14及びトップコート層15を順次積層して形成されている。
【0010】
2.細部構成
(1)ベース層11
ベース層11はPET(ポリエチレンテレフタレート)等の絶縁性の材料からなる。このベース層11はベースフィルム(基材シート)として構成されていてもよい。その場合にはベースフィルムは透明若しくは不透明の合成樹脂から構成される。この場合の合成樹脂としては例えばPETが用いられる。なお、ベース層はガラスから構成されていてもよい。
【0011】
(2)電極層12
所定の電極パターンを有する電極層12は、ベース層11に銅又はアルミニウム等の金属を蒸着し、エッチング等を行うことによって形成される。また、この電極層12は、例えば、銀粉を含むペースト状の銀ペースト、銅粉を含むペースト状の銅ペースト、カーボン等の導電性ペーストをスクリーン印刷により所定のパターンでベース層11に蒸着した後に熱乾燥処理することにより形成される。
図2は、電極層12の一部を表した概略平面図である。図1の電極層12は図2のA−A’線の断面を表している。図2に示すように、電極12aと電極12bは、それぞれ櫛歯状のパターン形状に形成されており、櫛歯状のパターン形状部分同士が接触しないように境界領域(隙間)を隔てて互いに所定距離離れて、噛み合うように形成されている。電極12a,12a,・・・は電気的に接続されているため、各電極12aの電位は同電位であり、同様に、電極12b,12b,・・も電気的に接続されているため、各電極12bの電位は同電位である。
以上のように構成された第1電極12a及び第2電極12bの電極組は複数あることが好ましい。
また、発光領域においては、単位面積当たりで境界領域が略等しくなるように、第1電極12a及び第2電極12bを形成することが好ましい。
さらに、第1電極12a及び第2電極12bの隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)は、発光だけを考えれば例えば0.1〜2.0mm程度、第1電極12a及び第2電極12b自体の幅寸法は例えば0.1〜5.0mm程度であれば十分であるが、特に、櫛歯状のパターン形状部分の延在方向に平行な細線の発光線図を付着させたり、ドット(点)状の発光線図を付着させることある場合には、第1電極12a及び第2電極12bの隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)は0.2〜0.3mm程度、第1電極12a及び第2電極12b自体の幅寸法は0.2〜0.5mm程度であることが好ましい。
ここで、第1電極12a及び第2電極12bの隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)を0.2〜0.3mmとしたのは、0.2mm未満であると導電材料30が付着しない部分にも許容できない程度の発光(自発光)が起きてしまうこと、0.3mmを超えると、特に細線の場合に発光斑が目立つからである。ちなみに、実施例として発光面140×92mmのELシートに起動電圧250〜270V、電流100〜130mAの条件下で、隙間間隔0.2mmと隙間間隔0.15mmとの自発光輝度を比較すると、隙間間隔0.2mmの場合3±0.5カンデラ、隙間間隔0.15mmの場合6±0.5カンデラと倍増することになり、工業製品としての一般室内を想定した通常使用状態においての自発光輝度は隙間間隔0.2mmの場合の3±0.5カンデラが限界と思われる。
一方、第1電極12a及び第2電極12b自体の幅寸法を0.2〜0.5mmとしたのは、0.2mm未満であると輝度が低下するとともに量産化においてブリッジや断線が生じて歩留まりが悪くなること、0.5mmを超えると細線用ペン先でドット状の発光線図を付着させた場合に、その発光線図が一の電極幅内に入ってしまい他極との間の交流電界形成確率が低下することを考慮したものである。ちなみに、0.5mm以内であれば、ペン先でドット状の発光線図を付着する場合、一の電極の中心にドット状の発光線図が付着する確率よりもその中心から偏倚する可能性の方が遙かに高いため、交流電界形成確率が高まるからである。、
このようにすることで、交流電界形成確率を高め、文字等の線図の発光斑が押さえられ、美観を有する発光線図を形成することが可能となる。
【0012】
(3)防水層13
防水層13は、電極層12を保護するための層であり、合成樹脂からなる。合成樹脂としては、例えば4フッ化エチレン樹脂、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、シリコンゴム等のシリコン系樹脂、その他エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン酢酸ビニール共重合体その他のシール性の高い樹脂が使用される。これらの樹脂は、例えばUV硬化、IR硬化、二液硬化、加熱硬化等の方法によって硬化される。
【0013】
(4)EL発光層14
EL発光層14は、封止樹脂により封止された有機又は無機のEL発光体(蛍光体)からなる。このEL発光体は透明な樹脂結合剤によって分散状態で固定されている。
樹脂結合剤としてはポリエステル樹脂等の誘電率の高い樹脂が好適に選択される。このEL発光層14は、30〜40μm程度の厚みと、50〜150V程度の耐電圧と、10〜30程度の誘電率とを有している。好適には、EL発光体の径の1.5倍以上の厚みとされる。この場合には、EL発光層14の表面が滑らかとされ、例えば表面粗さが30μm以下とされる。
以上のように構成されたEL発光層14は、第1電極12aと第2電極12bの間に交流電源電圧が印加されることにより、所定の発光色例えば青緑色で発光する。
【0014】
(5)トップコート層15
トップコート層15はEL発光層14に密着又は固着され、EL発光層14を保護するとともに、平滑性や、導電材料30を除去する際の除去性を向上させる目的で積層される。このトップコート層15は、EL発光層14自体で必要な平滑性や除去性が確保できれば、特に設ける必要はない。
トップコート層15としては、例えば4フッ化エチレン樹脂、フッ素ゴムなどのフッ素系合成樹脂、シリコンゴムなどのシリコン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等が使用される。このトップコート層15を設ける主たる目的は上述のようにEL発光層14の表面を平滑にし、除去性を向上させるためであるので、その目的を達成できる程度の厚さに形成すればよい。一方で、トップコート層40は薄ければ薄いほど好適である。厚くすればする程発光強度が低下してしまうからである。実用的には、実効値で1〜2μm程度にすることが好ましい。ここに「実効値」とはEL発光層14の最頂部に付着したトップコート層15の厚さ寸法である。この実効値で1〜2μm程度とするには、塗布値で5〜8μm程度の厚さとすれば足りる。ここに「塗布値」とは凹凸がない状態で塗布した場合の厚さである。
なお、トップコート層15は、フィルム状又はシート状の部材をEL発光層14に固定的に接着することとしてもよいし、可撓性を有する材料によりEL発光層14に密着させることとしてもよい。
【0015】
(6)導電材料30
導電材料30としては、周知のインク、鉛筆、クレヨンやパステルなどの棒状の絵具、導電性を有するシート材(以下導体シートと称す。)等を用いることができる。インク、鉛筆、クレヨンやパステルなどの棒状の絵具としては有機あるいは無機の着色顔料を含むものを使用してもよい。
【0016】
前記インクとしては、例えば、その塗布状態において106Ω/□以下の表面抵抗値を有し、且つ光透過性を有するものであり、酸化インジウム、酸化錫、アンチモン、酸化亜鉛などの導体材料のうちの少なくとも1種類以上の粉体を溶剤中に含むものが好ましい。また、前記インクとして、ポリエチレンジオキシチオフェン(Polyethylene Dioxi Thiophene)等の導電性ポリマーあるいはそれと前記導体材料の粉体との混合体を用いても良い。この場合、拭き取り等によって除去するまで長期間発光させることができる。また、導電材料30は誘電率の高い水や溶剤から構成されてもよい。この場合には、ドライヤで乾燥させたり、ティッシュやガーゼ、スポンジ等により拭き取ることにより、導電材料30を容易に除去できる。
【0017】
3.動作・作用
トップコート層15の上に導電材料30を所望のパターンで付着させる。この導電材料30の付着は、筆(鉛筆、パステル、クレヨン)によって描いたり、インクジェットプリンタによる印刷やスクリーン印刷をしたり、導体シートを貼ったりすることによって行われる。この状態で、第1電極12a及び第2電極12bの間に交流電源電圧を印加する。なお、予め交流電源電圧を印加しておいた後に導電材料30を付着させてもよい。
【0018】
すると、導電材料30の付着によってEL発光層14内に交流電界が形成され、EL発光層14のうち導電材料30の直下部分だけが局部的に発光する。つまり、EL発光層14は誘電率が高いことから、導電材料30の付着によって、第1電極12a、EL発光層14、導電材料30、EL発光層14、第2電極12b等からなる回路が形成され、EL発光層14内に交流電界が形成される。そして、導電材料30の付着部分の直下が発光する。一方、導電材料30が付着していない部分の直下は、EL発光層14内の交流電界の強さが発光に至るほど十分ではなく、発光しない。このように導電材料30の直下部分のみが選択的に発光するようにEL発光層14などの厚み寸法や誘電率が設定される。
【0019】
なお、導電材料30が液状のものであると、トップコート層15の上に導電材料30を付着した際に、傷やピンホール等を通って導電材料30がEL発光層14に浸入し防水層13に達する場合がある。しかし、防水層13は導電材料30のそれ以上の浸入を阻止する。また、防水層13は空気中の水分又は湿気の浸入も阻止する。
【0020】
4.効果
本実施形態によれば、EL発光層14のうち導電材料30の直下部分に交流電界が形成され、その部分だけが局部的に発光する。このことは、所望の発光パターンと同じパターンで導電材料30を付着させれば、所望の発光パターンを得ることができることを意味する。よって、所望の発光パターンをユーザ側で簡単に作成できるEL発光シート10が得られる。
【0021】
EL発光シート10の電極層12は、上述の通り、金属蒸着により形成されるが、例えばアルミ蒸着により電極層12を形成するとした場合、電極層12の厚さは300〜1000オングストローム[10−10メートル]、好適には400〜800オングストローム[10−10メートル]程度である。非常に薄い層であって、アルミ蒸着であるが故に、例えば、使用者が、カッターで傷をつけたり、釘を刺すといった場合、ショートするとほぼ同時に、釘に接する部分のみが溶けてしまう。従って、全体ショートという最悪の現象が発生せず、感電もしない。
【0022】
また、EL発光シート10において、EL発光層14を、EL発光体に顔料を混ぜて封止・形成したり、EL発光層14とトップコート層15間にカラーフィルタを配置したり、トップコート層15を着色したり、導電材料30に顔料を混ぜる等することにより、発光色を変えることが可能である。
【0023】
B.EL発光ディスプレイシステム
図3は、上述したEL発光シートを組み込んだEL発光ディスプレイシステムの一例としてのお絵かきボード50の外観斜視図である。
【0024】
1.全体構成
お絵かきボード50は、所定厚の板状の本体59にEL発光シート51が内設状態で保持されており、開口部59aからトップコート層15を上面(表面)にしたEL発光シート51が露出している。また、お絵かきボード50は、蛍光材料を含んだ導電性インクを導電材料30とし、この導電材料30を含浸した含浸材をペン先53aとする蛍光ペン53と、蛍光ペン53を起立した状態で保持するホルダー52と、内部に蛍光ペン53を寝かした状態で保持可能な凹部形状のトレー54と、導電材料30を除去するための吸水性に優れたスポンジ58aを担持した除去部材58と、除去部材58を取り出し可能に保持するトレー57と、発光モードを切り換える切換スイッチ55と、電源スイッチ56とを備えて構成される。
【0025】
2.使用方法
使用者は、トレー54からペン53を取り出し、描画面61即ち開口部59aから露出しているトップコート層15の上面部分に、導電材料30を塗布することにより任意の発光線図を描画する。図3においては、文字「ABC」と描画されている。そして、電源スイッチ56をONすると、導電材料30と、電極12a,12b等から閉回路が形成されて、EL発光層14が発光し、発光光が導電材料30を透過して放射される。即ち、ペン53で描画した部分のみが発光するため、あたかも文字「ABC」が発光しているような作用を奏する。
【0026】
3.細部構成
(1)電極パターン
次に、お絵かきボード50に内設されたEL発光シート51の電極パターンについて説明する。図4は、お絵かきボード50に内設されたEL発光シート51の電極パターン70の概形を示す平面図である。電極パターン70とは、ベース層11上に形成された電極層12の形態のことである。同図において、電極71aと電極71bとが1つの電極組71を構成しており、電極71a,71bは図2の電極12a,12bに示した櫛歯状のパターン形状と略同一の形態である。電極パターン70は、電極組71と略同一構成の電極組として6つの電極組71〜76を、1列に並べて有している。そして、各電極組71〜76の電極71b〜76b同士は、図中の上端部が接続され、1本の電極ライン(アースライン)70bが形成されており、電気的に接地接続される。一方、電極71a〜76a同士は接続されていない。
【0027】
そして、電極71a〜76aそれぞれに所定の電圧(交流電圧)が印加されることにより、電極組71〜76それぞれが閉回路形成可能状態となる。より具体的には、電極71a〜76aの全てに電圧が印加されているときに、描画面61に導電材料30が塗布された場合には、描画面61の何れの場所であってもEL発光層14等を介して導電材料30と電極組間で閉回路が形成されるが、電極71a〜76aの一部にのみ電圧が印加されている場合には、その電圧が印加されている電極に対応する電極組の部分のみが閉回路を形成可能である(本明細書において、この状態を閉回路形成可能状態といい、この状態でない状態を閉回路形成不可能状態という。)。
なお、櫛歯状のパターン形状部分の延在方向に平行な細線の発光線図を付着させたり、ドット(点)状の発光線図を付着させることある場合には、上述したと同様の理由により、第1電極及び第2電極の隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)は0.2〜0.3mm程度、第1電極及び第2電極自体の幅寸法は0.2〜0.5mm程度であることが好ましい。
【0028】
(2)内部回路
図5は、お絵かきボード50の機能ブロック図である。同図において、お絵かきボード50は、CPUやRAM、ROM等からなる制御部110と、乾電池からなる電池130と、電圧印加部120とを備える。電圧印加部120は、電池130から供給される直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路121と、昇圧回路(不図示)とを有しており、制御部110から入力される制御信号に応じて、電極パターン70のアースライン70bと、各電極組71〜76に100〜300[V]程度の実効交流電圧を印加する。
【0029】
制御部110は、電極パターン70に印加する手順を示したプログラムを各発光モードごとにROM内に記憶し、切換スイッチ55から入力されるモード選択信号に応じて、対応するプログラムを読み出して、制御信号を電圧印加部120に出力する。
【0030】
そして、電極組71〜76に対する電圧印加を制御することにより種々の発光モードが実現される。お絵かきボード50においては、全体発光モード(モードI)、全体点滅モード(モードII)、順番発光モード(モードIII)、及び波状発光モード(モードIV)が、切換スイッチ55による切り換えによって実行される。
【0031】
(3)発光モード
▲1▼全体発光モード
全体発光モードは、電極組71〜76全てに、同時かつ継続的に電圧を印加するモードである。換言すると、全ての電極組71〜76が閉回路形成可能状態となるモードである。仮に、描画面61全面に導電材料30が塗布されていた場合には、描画面61全体が継続的に発光することとなる。
【0032】
▲2▼全体点滅モード
全体点滅モードは、電極組71〜76全てに、同時かつ間欠的に電圧を印加するモードである。換言すると、全ての電極組71〜76が、同時かつ所定時間間隔で、閉回路形成可能状態となったり、閉回路形成不可能状態となったりするモードである。仮に、描画面61全面に導電材料30が塗布されていた場合には、描画面61全体が間欠的に発光することとなる。
【0033】
▲3▼順番発光モード
順番発光モードは、電極組71〜76の配列順に、累積的に電圧を印加していくモードである。換言すると、閉回路形成不可能状態にあった電極組71〜76が、所定の時間間隔をおいて順番に閉回路形成可能状態となるモードである。仮に、描画面61全面に導電材料30が塗布されていた場合には、描画面61全体の面積のうち、1/6の面積部分(電極組が6つであるため)が順番に発光していき、次第に発光する面積が増えていくこととなる。なお、全ての電極組が閉回路形成可能状態となった後は、所定時間をおいて、全ての電極組71〜76に対する電圧印加を中止し、全ての電極組を閉回路形成不可能状態として、初期状態に戻し、繰り返し順番発光を実行することとなる。
【0034】
▲4▼波状発光モード
波状発光モードは、電極組71〜76の配列順に、電極組71〜76に間欠的な電圧印加を行うモードである。換言すると、電極組71〜76それぞれが、所定の時間差をおいて、閉回路形成可能状態と閉回路形成不可能状態とを繰り返し遷移するモードである。仮に、描画面61全面に導電材料30が塗布されていた場合には、描画面61全体の面積のうち、1/6の面積部分が順番に発光/非発光することにより、発光している部分が波打って動いているかのように作用する。
【0035】
4.効果
以上説明したように、お絵かきボード50においては、蛍光ペン53により導電材料30を簡単に塗布し、発光線図を描画可能であり、また除去部材58により、塗布された導電材料30を簡単に除去可能である。このため、発光線図の繰り返し描画を簡単に実現できる。
【0036】
また、EL発光シートに複数の電極組を形成し、制御部110が各電極組の第1電極と第2電極に対する電圧印加の実行を制御することにより、発光線図の発光方式を種々変更することができ、導電材料30を塗布する場所と相俟って、面白味のある発光を実現できる。
【0037】
なお、EL発光ディスプレイシステムを他の玩具に適用してもよいことは勿論である。その場合、EL発光ディスプレイ玩具(例えば、お絵かきボード50)の様に、発光線図を描画することを主としているものに限らず、EL発光ディスプレイシステムを一部に組み込んだ玩具であってもよい。
【0038】
C.EL発光シートの変形例
1.EL発光シートの変形例1
(1)全体構成
変形例1に係るEL発光シート10aは、図6示すように、ベース層11、電極層12、防水層13、光反射層16、EL発光層14及びトップコート層15がこの順で積層された構造を有している。このうちベース層11、電極層12、光反射層16、EL発光層14及びトップコート層15の構造は本発明の実施形態のEL発光シート10751とほぼ同様なので同一符号を付してその説明は省略し、光反射層16について主に説明する。
【0039】
(2)細部構成
光反射層16は防水層13とEL発光層14の間に配置されている。そして、この光反射層16はEL発光層14に密着されている。この光発光層16は、10〜30μm程度の厚みと200〜300V程度の耐電圧と、30〜100程度の誘電率さらに好適には60〜100程度の誘電率を有している。
この光反射層16は、チタン酸バリウム、ロッシェル塩のような強誘電体粉末である無機粉末を例えばアクリル樹脂等の結合剤として機能する樹脂中に分散することにより構成される。この強誘電体粉末のような無機粉末は白色を呈する顔料であることから、光反射層16は白色となり、光反射機能を有効に発揮する。
【0040】
2.EL発光シートの変形例2
変形例1では、防水層13を電極層12と光反射層16の間に配置したが、この変形例2は、防水層13を光反射層16とEL発光層14の間に配置したものである。この場合、トップコート層15は設けても、設けなくてもよい。
【0041】
3.EL発光シートの変形例3
変形例3は、変形例1をさらに変形して、ベース層11、第1電極12a又は第2電極12bのいずれか一方、防水層13、第1電極12a又は第2電極12bのいずれか他方、光反射層16及びEL発光層14をこの順で積層した構造となっている。この場合、トップコート層15は設けても、設けなくてもよい。また、光反射層16を省略してもよい。
【0042】
4.EL発光シートの変形例4
変形例4は、変形例1をさらに変形して、ベース層11、第1電極12a又は第2電極12bのいずれか一方、光反射層16、防水層13、第1電極12a又は第2電極12bのいずれか他方、EL発光層14をこの順に積層した構造となっている。この場合、トップコート層15は設けても、設けなくてもよい。
【0043】
5.EL発光シートの変形例5
変形例5は、実施形態のEL発光シート10や前記変形例1〜4のいずれかにおいて、前記防水層13の代わりに、あるいは前記防水層13に加えてEL発光層14及び(又は)光反射層16に浸透防止機能を付加したものである。この場合、トップコート層15は設けても、設けなくてもよい。
【0044】
この場合の浸透防止機能を持つEL発光層14は、例えば蛍光体あるいは燐光体粒子である有機あるいは無機のEL発光体と、そのEL発光体を分散状態で固定する透明な樹脂結合剤とから構成されるが、その樹脂結合剤として防水性、防湿性のある合成樹脂を使用したものである。例えば4フッ化エチレン樹脂、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、シリコンゴム等のシリコン系樹脂、その他エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン酢酸ビニール共重合体その他のシール性の高い樹脂が使用される。これらの樹脂は、例えばUV硬化、IR硬化、二液硬化、加熱硬化等の方法によって硬化される。
【0045】
また、浸透防止機能を持つ光反射層16を構成する樹脂としては、防水性、防湿性のある合成樹脂、例えば4フッ化エチレン樹脂、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、シリコンゴム等のシリコン系樹脂、その他エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン酢酸ビニール共重合体その他のシール性の高い樹脂が使用される。これらの樹脂は、例えばUV硬化、IR硬化、二液硬化、加熱硬化等の方法によって硬化される。
この変形例4によれば、光反射層16が水等の浸入を阻止するので、第1電極12aと第2電極12bの間で電気分解が発生することを防止できる。また、第1電極12a及び第2電極12bの酸化に起因する断線(破損)を防止できる。
【0046】
6.EL発光シートの変形例6
変形例6は、浸透防止機能を持つベースフィルム又はガラス(ベース層11)の裏面に第1電極12a及び第2電極12bを設けたものである。この場合のベースフィルムとしては、例えばPETによって構成したものが使用される。
この変形例6によれば、ベースフィルムやガラスが表側からの水等の浸入を阻止するので、第1電極12aと第2電極12bの間で電気分解が発生することが防止される。また、第1電極12a及び第2電極12bの酸化に起因する断線(破損)が防止される。
なお、この構造は、EL発光シートがケース体などに組み込まれる場合に使用される。このようにケース体に組み込む場合には裏面側が露出しないようにシールされるのが一般的であるので、裏側からの水等の付着は考慮しなくてよい。必要ならば、露出する電極を浸透防止機能を持つ合成樹脂でコーティングするか、その電極をアルマイト処理すればよい。
なお、変形例6は、基材シートの裏面に第1電極12a及び第2電極12bを設けたが、基材シートを挟んで第1電極12aと第1電極12bを設けるようにしてもよい。
【0047】
7.EL発光シートの変形例7
図7には変形例7の電極パターンの概略を示す。同図において、電極パターン700は、上段及び下段それぞれに3つの櫛形の電極組710が図中左右方向に配設され、合計6つの電極組による二次元的な配列がなされている。また、各電極組710の電極が図中上下方向に噛み合うように配設されている。そして、各電極組のアース側電極の電極端が上下2段の電極組の間に、アースライン700bとして一体的に形成されている。ここで、細線の発光線図を付着させたり、ドット(点)状の発光線図を付着させることある場合には、上述したと同様の理由により、第1電極及び第2電極の隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)は0.2〜0.3mm程度、第1電極及び第2電極自体の幅寸法は0.2〜0.5mm程度であることが好ましい。
この電極パターン700によれば、合計6つの電極組により、多種多様な発光パターンを形成することができる。
【0048】
また、アースライン700bを上下2段の電極組の間に配したことにより、上下の電極組の間隔を狭めることができる。即ち、上下2段の電極組の間に変位側の電極710aを配設した場合には、上段の電極710aと下段の電極710aとを接続することができず、所定間隔をおいて配設する必要がある。このため、上下2段の間隔が広くなり、発光パターンによっては、上下2段の間隔が明瞭になってしまう。一方、アースライン700bを中央に配設した場合にはそのような欠点をなくす、若しくは少なくすることができる。
【0049】
8.EL発光シートの変形例8
図8には変形例8の電極部の概略が示されている。この変形例8ではプリント基板を用いた電極部(電極層)800を備える。同図(a)は、電極部800をEL発光層側から見た要部拡大平面図であり、同図(b)は電極部800の断面図である。電極部800は、ベース層側から順に第1電位ライン層830、第2電位ライン層820、及び電極端層810の3層構造になっている。第1電位ライン層830には、同図(a)において左右方向に延伸した第1電位ライン831,832,833,834が複数平行に形成されている。第2電位ライン層820には、同図(b)において上下方向に延伸した第2電位ライン821,822,823,824が複数平行に形成されている。電極端層810には、第1電位ライン及び第2電位ラインのうち、何れか1つに接続されたバイアホールの端子が2次元的に配列されている。同図(a)において、黒丸が第1電位ラインに接続されたバイアホールの端子であり、白丸が第2電位ラインに接続されたバイアホールの端子である。白丸と黒丸とが互い違いに千鳥格子状に配設されている。例えば、第1電位ライン831に接続された端子は、端子8122,8124であり、第2電位ライン821に接続された端子は、端子8111,8131である。
【0050】
第1電位ラインには第1電圧が印加され、第2電位ラインには第2電圧が印加されるが、印加するラインは制御部によって選択・制御される。具体的には、第1電圧を印加するラインとして第1電位ライン832を、第2電圧を印加するラインとして第2電位ライン822を、というようにである。この場合、端子8121,8123は、第1電位ライン832に印加された第1電圧の電位となり、端子8112,8132は、第2電位ライン822に印加された第2電圧の電位となる。したがって、端子8121と端子8122との電位差、及び端子8122と端子8123との電位差によって、同図(a)の一点鎖線で囲まれた領域850が閉回路形成可能状態となる。
【0051】
電極部800を用いてEL発光シートを形成し、所定電圧(交流電圧)を印加する電位ラインの選択制御を行うことにより、閉回路形成可能状態/閉回路形成不可能状態の領域を任意に制御することができる。例えば、仮に、描画面全面に導電材料30が塗布されていた場合に、任意の文字や線図を浮かび上がらせるように、発光させる(発光形態を変える)ことができる。また、中心から同心円上に発光する部分を拡大する等、多種多様な発光パターンを実現できる。
【0052】
また、同図(c)に示すような使用方法も可能である。同図(c)は、描画面の一部平面図であり、文字「A」の書き方の練習を行っている場面を想定した図である。破線で囲まれた領域860が閉回路形成可能状態であり、実線で囲まれた領域870が蛍光ペンによって発光線図として、導電材料30が塗布された部分である。この場合、領域860と領域870とが重なった斜線部分が発光することとなる。
【0053】
なお、細線の発光線図を付着させたり、ドット(点)状の発光線図を付着させることある場合には、上述したと同様の理由により、第1電極及び第2電極の隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)は0.2〜0.3mm程度、第1電極及び第2電極自体の幅寸法は0.2〜0.5mm程度であることが好ましい。
【0054】
D.EL発光ディスプレイシステムの変形例
1.EL発光ディスプレイシステムの変形例1
EL発光ディスプレイシステムの一変形例であるサインボード900を図9に示す。サインボード900は、ベース層11にアルミ蒸着することにより形成した4つの電極組を直線状に配設して有するEL発光シート910を内設しており、各電極組921,922,923,924(以下、包括的に電極組920という。)に対応するボタン931,932,933,934(以下、包括的にボタン930という。)が、描画面(EL発光シートのトップコート層の上面)の傍らに配列されている。EL発光シート910やサインボード900は、電極組の配置構成以外は、EL発光シート10やお絵かきボード50と同様の構成である。ボタン930は、トグルスイッチとなっており、押下された場合には押下信号を制御部110に出力するように構成されている。
【0055】
図10は、サインボード900の制御ブロック図である。図3のお絵かきボード50と略同様の構成であり、ボタン930を更に備えて構成されている。同図において、制御部110は、ボタン930から入力される押下信号に基づいて、発光させる領域、即ち所定電圧を印加する電極組を選択・決定する。例えば、ボタン931とボタン932が押下されている場合には、電極組921と電極組922とを選択・決定する。そして、選択・決定した電極組に対して、切換スイッチ55によって選択された発光モードに基づく電圧印加を行う。
【0056】
図9(b)は、ボタン931が押下された状態のサインボード900の一実施例を示す図である。電極組921が閉回路形成可能状態となっているため、この電極組921が配設された描画面の領域に、導電材料30で描画された「本日のサービス品!」という文字が発光している。
【0057】
なお、ボタン930を切換スイッチで構成し、ON/OFFのみならず、当該電極組に対する発光モードをも選択可能に構成してもよい。その場合には、例えば、図9(b)において、「本日のサービス品!」と描画された領域を点滅発光させ、その他の領域を常時発光させるといった発光形態を実現できる。
【0058】
2.EL発光ディスプレイシステムの変形例2
▲1▼概略構成
図11は、上述したEL発光シートを組み込んだEL発光ディスプレイシステムの一例としてのお絵かきボード1000の外観斜視図である。
このお絵かきボード1000は、同図に示すように、EL発光シート1100の上に透明なカバー1110を備えている。このカバー1110は開閉可能に構成されている。このカバー1110の裏側には突起1111が付設されており、この突起1111はカバー1110を閉じた際に内部にある電源制御スイッチ(不図示)をONさせるようになっている。EL発光シート1100の構成その他はお絵かきボード50と同様である。
【0059】
▲2▼作用・効果
このEL発光ディスプレイシステムによれば、電源スイッチ1256をONしただけでは作動せず、電源スイッチ1256及び電源制御スイッチが共にONの時にのみ作動して閉回路形成可能状態となる。したがって、例えば万一液状の導電材料30が染みこんで電極同士が短絡状態となった場合でも、カバー1110を閉めない限り交流電流は印加されないので安全性の更なる向上が図れる。
【0060】
E.本発明のその他の変形例
(1)EL発光シートにおける防水層13には有機あるいは無機の着色顔料を入れて表面から電極パターンが見えないような着色を施すことが好ましい。このように着色することで、電極パターンが表面から見えなくなるばかりか、好みの色に着色することで、表面から見たデザインの選択肢が広がることになる。但し、光反射層16を有する場合にあっては、防水層13よりも光反射層16をEL発光層14の近くに設けることが条件とされる。
【0061】
(2)EL発光ディスプレイシステムの変形例2では、カバー1110の裏側に突起1111が付設され、この突起1111がカバー1110を閉じた際に閉回路形成可能状態となるように構成したが、カバー1110の開閉を機械的、電気的又は光学的方法いずれかによって検知し、カバー1110が閉じたときだけ閉回路形成可能状態となるように構成してもよい。あるいはカバー1110が開いている間は電源スイッチ1256がロックされるような構造でもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明の代表的なものの効果について説明すれば、多種多様な発光モードを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】EL発光シートの要部断面の一部拡大図。
【図2】電極層の一部を表した概略平面図。
【図3】お絵かきボードの外観斜視図。
【図4】お絵かきボードに内設されたEL発光シートの電極パターンの外形図。
【図5】お絵かきボードの機能ブロック図。
【図6】EL発光シートの変形例1の要部断面の一部拡大図。
【図7】EL発光シートの変形例7の電極パターンを示す図。
【図8】EL発光シートの変形例8の電極部(電極層)の概略図。
【図9】EL発光ディスプレイシステムの変形例1のサインボードの平面図。
【図10】EL発光ディスプレイシステムの変形例1のサインボードの制御ブロック図。
【図11】EL発光ディスプレイシステムの変形例2のお絵かきボードの平面図。
【符号の説明】
10 EL発光シート
11 ベース層
12 電極層(電極部)
13 防水層
14 EL発光層
15 トップコート層
30 導電材料
50 お絵かきボード
52 ホルダー
53 蛍光ペン
54 トレー(ペン用)
55 切換スイッチ
57 トレー(除去部材用)
58 除去部材
59 本体
70 電極パターン
71〜76 電極組
110 制御部
120 電圧印加部
121 インバータ
130 電池
【発明の属する技術分野】
本発明は、EL発光シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発光材料の1つとしてエレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence;以下「EL」という。)が知られており、EL発光シートとして種々のシートが開発・実用化されている。EL発光シートは、ベースフィルムの上に、第1電極、発光層、絶縁層(光反射層)、第2電極、及び保護層が順次積層して形成され、第1電極と第2電極間に交流電圧を印加することにより、発光層の蛍光体(EL発光体)が発光するものが一般的である。
【0003】
また、EL発光シートとして、特異な作用・効果を奏するものが知られている(例えば特許文献1)。このEL発光シートは、第1電極及び第2電極の電極組を櫛歯状に形成した電極部、絶縁層、及び発光層を順次積層して形成される。そして、発光層の上に任意形状の導電材料を成膜・乾燥して表示電極を形成させることにより、発光層のうちの表示電極が成膜された部分が発光するものである。このEL発光シートによれば、使用者の好みに応じた形状の表示電極を形成することができ、所望の発光形状が得られる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−153582号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のEL発光シートは、単に発光するのみであるため、変化に乏しく、面白味に欠けるとともに、例えばサインボード等に用いる場合に人目につき難いといった欠点があった。
本発明は、上記の事情に鑑み成されたものであり、変化のある発光を実現することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のEL発光シートは、EL発光体を有する発光層、及び、互いに境界領域を隔てて所定の配列で配置してなる第1電極と第2電極の電極組を前記発光層の一面側に持つ電極部を有するEL発光シートであって、前記電極部は、所定の配列で配置された複数の前記電極組を有することを特徴とするものである。また、請求項2に記載のEL発光シートは、請求項1に記載のEL発光シートにおいて、前記第1電極及び前記第2電極がそれぞれ櫛歯状のパターン形状に形成され、櫛歯状のパターン部分同士が接触しないように境界領域を隔てて互いに所定距離離れて噛み合うように形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
このEL発光シートによれば、電極部は複数の電極組を有することから、電極組の第1電極と第2電極に対する電圧印加の実行を制御することにより、発光線図の発光方式及び/又は発光範囲が異なる複数の発光モードを実現することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
A.EL発光シート
1. 全体構成
図1は、本発明を適用したEL発光シート10の要部断面の一部拡大図である。図1において、EL発光シート10は、ベース層11、電極層(電極部)12、防水層13、EL発光層14及びトップコート層15を順次積層して形成されている。
【0010】
2.細部構成
(1)ベース層11
ベース層11はPET(ポリエチレンテレフタレート)等の絶縁性の材料からなる。このベース層11はベースフィルム(基材シート)として構成されていてもよい。その場合にはベースフィルムは透明若しくは不透明の合成樹脂から構成される。この場合の合成樹脂としては例えばPETが用いられる。なお、ベース層はガラスから構成されていてもよい。
【0011】
(2)電極層12
所定の電極パターンを有する電極層12は、ベース層11に銅又はアルミニウム等の金属を蒸着し、エッチング等を行うことによって形成される。また、この電極層12は、例えば、銀粉を含むペースト状の銀ペースト、銅粉を含むペースト状の銅ペースト、カーボン等の導電性ペーストをスクリーン印刷により所定のパターンでベース層11に蒸着した後に熱乾燥処理することにより形成される。
図2は、電極層12の一部を表した概略平面図である。図1の電極層12は図2のA−A’線の断面を表している。図2に示すように、電極12aと電極12bは、それぞれ櫛歯状のパターン形状に形成されており、櫛歯状のパターン形状部分同士が接触しないように境界領域(隙間)を隔てて互いに所定距離離れて、噛み合うように形成されている。電極12a,12a,・・・は電気的に接続されているため、各電極12aの電位は同電位であり、同様に、電極12b,12b,・・も電気的に接続されているため、各電極12bの電位は同電位である。
以上のように構成された第1電極12a及び第2電極12bの電極組は複数あることが好ましい。
また、発光領域においては、単位面積当たりで境界領域が略等しくなるように、第1電極12a及び第2電極12bを形成することが好ましい。
さらに、第1電極12a及び第2電極12bの隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)は、発光だけを考えれば例えば0.1〜2.0mm程度、第1電極12a及び第2電極12b自体の幅寸法は例えば0.1〜5.0mm程度であれば十分であるが、特に、櫛歯状のパターン形状部分の延在方向に平行な細線の発光線図を付着させたり、ドット(点)状の発光線図を付着させることある場合には、第1電極12a及び第2電極12bの隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)は0.2〜0.3mm程度、第1電極12a及び第2電極12b自体の幅寸法は0.2〜0.5mm程度であることが好ましい。
ここで、第1電極12a及び第2電極12bの隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)を0.2〜0.3mmとしたのは、0.2mm未満であると導電材料30が付着しない部分にも許容できない程度の発光(自発光)が起きてしまうこと、0.3mmを超えると、特に細線の場合に発光斑が目立つからである。ちなみに、実施例として発光面140×92mmのELシートに起動電圧250〜270V、電流100〜130mAの条件下で、隙間間隔0.2mmと隙間間隔0.15mmとの自発光輝度を比較すると、隙間間隔0.2mmの場合3±0.5カンデラ、隙間間隔0.15mmの場合6±0.5カンデラと倍増することになり、工業製品としての一般室内を想定した通常使用状態においての自発光輝度は隙間間隔0.2mmの場合の3±0.5カンデラが限界と思われる。
一方、第1電極12a及び第2電極12b自体の幅寸法を0.2〜0.5mmとしたのは、0.2mm未満であると輝度が低下するとともに量産化においてブリッジや断線が生じて歩留まりが悪くなること、0.5mmを超えると細線用ペン先でドット状の発光線図を付着させた場合に、その発光線図が一の電極幅内に入ってしまい他極との間の交流電界形成確率が低下することを考慮したものである。ちなみに、0.5mm以内であれば、ペン先でドット状の発光線図を付着する場合、一の電極の中心にドット状の発光線図が付着する確率よりもその中心から偏倚する可能性の方が遙かに高いため、交流電界形成確率が高まるからである。、
このようにすることで、交流電界形成確率を高め、文字等の線図の発光斑が押さえられ、美観を有する発光線図を形成することが可能となる。
【0012】
(3)防水層13
防水層13は、電極層12を保護するための層であり、合成樹脂からなる。合成樹脂としては、例えば4フッ化エチレン樹脂、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、シリコンゴム等のシリコン系樹脂、その他エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン酢酸ビニール共重合体その他のシール性の高い樹脂が使用される。これらの樹脂は、例えばUV硬化、IR硬化、二液硬化、加熱硬化等の方法によって硬化される。
【0013】
(4)EL発光層14
EL発光層14は、封止樹脂により封止された有機又は無機のEL発光体(蛍光体)からなる。このEL発光体は透明な樹脂結合剤によって分散状態で固定されている。
樹脂結合剤としてはポリエステル樹脂等の誘電率の高い樹脂が好適に選択される。このEL発光層14は、30〜40μm程度の厚みと、50〜150V程度の耐電圧と、10〜30程度の誘電率とを有している。好適には、EL発光体の径の1.5倍以上の厚みとされる。この場合には、EL発光層14の表面が滑らかとされ、例えば表面粗さが30μm以下とされる。
以上のように構成されたEL発光層14は、第1電極12aと第2電極12bの間に交流電源電圧が印加されることにより、所定の発光色例えば青緑色で発光する。
【0014】
(5)トップコート層15
トップコート層15はEL発光層14に密着又は固着され、EL発光層14を保護するとともに、平滑性や、導電材料30を除去する際の除去性を向上させる目的で積層される。このトップコート層15は、EL発光層14自体で必要な平滑性や除去性が確保できれば、特に設ける必要はない。
トップコート層15としては、例えば4フッ化エチレン樹脂、フッ素ゴムなどのフッ素系合成樹脂、シリコンゴムなどのシリコン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等が使用される。このトップコート層15を設ける主たる目的は上述のようにEL発光層14の表面を平滑にし、除去性を向上させるためであるので、その目的を達成できる程度の厚さに形成すればよい。一方で、トップコート層40は薄ければ薄いほど好適である。厚くすればする程発光強度が低下してしまうからである。実用的には、実効値で1〜2μm程度にすることが好ましい。ここに「実効値」とはEL発光層14の最頂部に付着したトップコート層15の厚さ寸法である。この実効値で1〜2μm程度とするには、塗布値で5〜8μm程度の厚さとすれば足りる。ここに「塗布値」とは凹凸がない状態で塗布した場合の厚さである。
なお、トップコート層15は、フィルム状又はシート状の部材をEL発光層14に固定的に接着することとしてもよいし、可撓性を有する材料によりEL発光層14に密着させることとしてもよい。
【0015】
(6)導電材料30
導電材料30としては、周知のインク、鉛筆、クレヨンやパステルなどの棒状の絵具、導電性を有するシート材(以下導体シートと称す。)等を用いることができる。インク、鉛筆、クレヨンやパステルなどの棒状の絵具としては有機あるいは無機の着色顔料を含むものを使用してもよい。
【0016】
前記インクとしては、例えば、その塗布状態において106Ω/□以下の表面抵抗値を有し、且つ光透過性を有するものであり、酸化インジウム、酸化錫、アンチモン、酸化亜鉛などの導体材料のうちの少なくとも1種類以上の粉体を溶剤中に含むものが好ましい。また、前記インクとして、ポリエチレンジオキシチオフェン(Polyethylene Dioxi Thiophene)等の導電性ポリマーあるいはそれと前記導体材料の粉体との混合体を用いても良い。この場合、拭き取り等によって除去するまで長期間発光させることができる。また、導電材料30は誘電率の高い水や溶剤から構成されてもよい。この場合には、ドライヤで乾燥させたり、ティッシュやガーゼ、スポンジ等により拭き取ることにより、導電材料30を容易に除去できる。
【0017】
3.動作・作用
トップコート層15の上に導電材料30を所望のパターンで付着させる。この導電材料30の付着は、筆(鉛筆、パステル、クレヨン)によって描いたり、インクジェットプリンタによる印刷やスクリーン印刷をしたり、導体シートを貼ったりすることによって行われる。この状態で、第1電極12a及び第2電極12bの間に交流電源電圧を印加する。なお、予め交流電源電圧を印加しておいた後に導電材料30を付着させてもよい。
【0018】
すると、導電材料30の付着によってEL発光層14内に交流電界が形成され、EL発光層14のうち導電材料30の直下部分だけが局部的に発光する。つまり、EL発光層14は誘電率が高いことから、導電材料30の付着によって、第1電極12a、EL発光層14、導電材料30、EL発光層14、第2電極12b等からなる回路が形成され、EL発光層14内に交流電界が形成される。そして、導電材料30の付着部分の直下が発光する。一方、導電材料30が付着していない部分の直下は、EL発光層14内の交流電界の強さが発光に至るほど十分ではなく、発光しない。このように導電材料30の直下部分のみが選択的に発光するようにEL発光層14などの厚み寸法や誘電率が設定される。
【0019】
なお、導電材料30が液状のものであると、トップコート層15の上に導電材料30を付着した際に、傷やピンホール等を通って導電材料30がEL発光層14に浸入し防水層13に達する場合がある。しかし、防水層13は導電材料30のそれ以上の浸入を阻止する。また、防水層13は空気中の水分又は湿気の浸入も阻止する。
【0020】
4.効果
本実施形態によれば、EL発光層14のうち導電材料30の直下部分に交流電界が形成され、その部分だけが局部的に発光する。このことは、所望の発光パターンと同じパターンで導電材料30を付着させれば、所望の発光パターンを得ることができることを意味する。よって、所望の発光パターンをユーザ側で簡単に作成できるEL発光シート10が得られる。
【0021】
EL発光シート10の電極層12は、上述の通り、金属蒸着により形成されるが、例えばアルミ蒸着により電極層12を形成するとした場合、電極層12の厚さは300〜1000オングストローム[10−10メートル]、好適には400〜800オングストローム[10−10メートル]程度である。非常に薄い層であって、アルミ蒸着であるが故に、例えば、使用者が、カッターで傷をつけたり、釘を刺すといった場合、ショートするとほぼ同時に、釘に接する部分のみが溶けてしまう。従って、全体ショートという最悪の現象が発生せず、感電もしない。
【0022】
また、EL発光シート10において、EL発光層14を、EL発光体に顔料を混ぜて封止・形成したり、EL発光層14とトップコート層15間にカラーフィルタを配置したり、トップコート層15を着色したり、導電材料30に顔料を混ぜる等することにより、発光色を変えることが可能である。
【0023】
B.EL発光ディスプレイシステム
図3は、上述したEL発光シートを組み込んだEL発光ディスプレイシステムの一例としてのお絵かきボード50の外観斜視図である。
【0024】
1.全体構成
お絵かきボード50は、所定厚の板状の本体59にEL発光シート51が内設状態で保持されており、開口部59aからトップコート層15を上面(表面)にしたEL発光シート51が露出している。また、お絵かきボード50は、蛍光材料を含んだ導電性インクを導電材料30とし、この導電材料30を含浸した含浸材をペン先53aとする蛍光ペン53と、蛍光ペン53を起立した状態で保持するホルダー52と、内部に蛍光ペン53を寝かした状態で保持可能な凹部形状のトレー54と、導電材料30を除去するための吸水性に優れたスポンジ58aを担持した除去部材58と、除去部材58を取り出し可能に保持するトレー57と、発光モードを切り換える切換スイッチ55と、電源スイッチ56とを備えて構成される。
【0025】
2.使用方法
使用者は、トレー54からペン53を取り出し、描画面61即ち開口部59aから露出しているトップコート層15の上面部分に、導電材料30を塗布することにより任意の発光線図を描画する。図3においては、文字「ABC」と描画されている。そして、電源スイッチ56をONすると、導電材料30と、電極12a,12b等から閉回路が形成されて、EL発光層14が発光し、発光光が導電材料30を透過して放射される。即ち、ペン53で描画した部分のみが発光するため、あたかも文字「ABC」が発光しているような作用を奏する。
【0026】
3.細部構成
(1)電極パターン
次に、お絵かきボード50に内設されたEL発光シート51の電極パターンについて説明する。図4は、お絵かきボード50に内設されたEL発光シート51の電極パターン70の概形を示す平面図である。電極パターン70とは、ベース層11上に形成された電極層12の形態のことである。同図において、電極71aと電極71bとが1つの電極組71を構成しており、電極71a,71bは図2の電極12a,12bに示した櫛歯状のパターン形状と略同一の形態である。電極パターン70は、電極組71と略同一構成の電極組として6つの電極組71〜76を、1列に並べて有している。そして、各電極組71〜76の電極71b〜76b同士は、図中の上端部が接続され、1本の電極ライン(アースライン)70bが形成されており、電気的に接地接続される。一方、電極71a〜76a同士は接続されていない。
【0027】
そして、電極71a〜76aそれぞれに所定の電圧(交流電圧)が印加されることにより、電極組71〜76それぞれが閉回路形成可能状態となる。より具体的には、電極71a〜76aの全てに電圧が印加されているときに、描画面61に導電材料30が塗布された場合には、描画面61の何れの場所であってもEL発光層14等を介して導電材料30と電極組間で閉回路が形成されるが、電極71a〜76aの一部にのみ電圧が印加されている場合には、その電圧が印加されている電極に対応する電極組の部分のみが閉回路を形成可能である(本明細書において、この状態を閉回路形成可能状態といい、この状態でない状態を閉回路形成不可能状態という。)。
なお、櫛歯状のパターン形状部分の延在方向に平行な細線の発光線図を付着させたり、ドット(点)状の発光線図を付着させることある場合には、上述したと同様の理由により、第1電極及び第2電極の隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)は0.2〜0.3mm程度、第1電極及び第2電極自体の幅寸法は0.2〜0.5mm程度であることが好ましい。
【0028】
(2)内部回路
図5は、お絵かきボード50の機能ブロック図である。同図において、お絵かきボード50は、CPUやRAM、ROM等からなる制御部110と、乾電池からなる電池130と、電圧印加部120とを備える。電圧印加部120は、電池130から供給される直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路121と、昇圧回路(不図示)とを有しており、制御部110から入力される制御信号に応じて、電極パターン70のアースライン70bと、各電極組71〜76に100〜300[V]程度の実効交流電圧を印加する。
【0029】
制御部110は、電極パターン70に印加する手順を示したプログラムを各発光モードごとにROM内に記憶し、切換スイッチ55から入力されるモード選択信号に応じて、対応するプログラムを読み出して、制御信号を電圧印加部120に出力する。
【0030】
そして、電極組71〜76に対する電圧印加を制御することにより種々の発光モードが実現される。お絵かきボード50においては、全体発光モード(モードI)、全体点滅モード(モードII)、順番発光モード(モードIII)、及び波状発光モード(モードIV)が、切換スイッチ55による切り換えによって実行される。
【0031】
(3)発光モード
▲1▼全体発光モード
全体発光モードは、電極組71〜76全てに、同時かつ継続的に電圧を印加するモードである。換言すると、全ての電極組71〜76が閉回路形成可能状態となるモードである。仮に、描画面61全面に導電材料30が塗布されていた場合には、描画面61全体が継続的に発光することとなる。
【0032】
▲2▼全体点滅モード
全体点滅モードは、電極組71〜76全てに、同時かつ間欠的に電圧を印加するモードである。換言すると、全ての電極組71〜76が、同時かつ所定時間間隔で、閉回路形成可能状態となったり、閉回路形成不可能状態となったりするモードである。仮に、描画面61全面に導電材料30が塗布されていた場合には、描画面61全体が間欠的に発光することとなる。
【0033】
▲3▼順番発光モード
順番発光モードは、電極組71〜76の配列順に、累積的に電圧を印加していくモードである。換言すると、閉回路形成不可能状態にあった電極組71〜76が、所定の時間間隔をおいて順番に閉回路形成可能状態となるモードである。仮に、描画面61全面に導電材料30が塗布されていた場合には、描画面61全体の面積のうち、1/6の面積部分(電極組が6つであるため)が順番に発光していき、次第に発光する面積が増えていくこととなる。なお、全ての電極組が閉回路形成可能状態となった後は、所定時間をおいて、全ての電極組71〜76に対する電圧印加を中止し、全ての電極組を閉回路形成不可能状態として、初期状態に戻し、繰り返し順番発光を実行することとなる。
【0034】
▲4▼波状発光モード
波状発光モードは、電極組71〜76の配列順に、電極組71〜76に間欠的な電圧印加を行うモードである。換言すると、電極組71〜76それぞれが、所定の時間差をおいて、閉回路形成可能状態と閉回路形成不可能状態とを繰り返し遷移するモードである。仮に、描画面61全面に導電材料30が塗布されていた場合には、描画面61全体の面積のうち、1/6の面積部分が順番に発光/非発光することにより、発光している部分が波打って動いているかのように作用する。
【0035】
4.効果
以上説明したように、お絵かきボード50においては、蛍光ペン53により導電材料30を簡単に塗布し、発光線図を描画可能であり、また除去部材58により、塗布された導電材料30を簡単に除去可能である。このため、発光線図の繰り返し描画を簡単に実現できる。
【0036】
また、EL発光シートに複数の電極組を形成し、制御部110が各電極組の第1電極と第2電極に対する電圧印加の実行を制御することにより、発光線図の発光方式を種々変更することができ、導電材料30を塗布する場所と相俟って、面白味のある発光を実現できる。
【0037】
なお、EL発光ディスプレイシステムを他の玩具に適用してもよいことは勿論である。その場合、EL発光ディスプレイ玩具(例えば、お絵かきボード50)の様に、発光線図を描画することを主としているものに限らず、EL発光ディスプレイシステムを一部に組み込んだ玩具であってもよい。
【0038】
C.EL発光シートの変形例
1.EL発光シートの変形例1
(1)全体構成
変形例1に係るEL発光シート10aは、図6示すように、ベース層11、電極層12、防水層13、光反射層16、EL発光層14及びトップコート層15がこの順で積層された構造を有している。このうちベース層11、電極層12、光反射層16、EL発光層14及びトップコート層15の構造は本発明の実施形態のEL発光シート10751とほぼ同様なので同一符号を付してその説明は省略し、光反射層16について主に説明する。
【0039】
(2)細部構成
光反射層16は防水層13とEL発光層14の間に配置されている。そして、この光反射層16はEL発光層14に密着されている。この光発光層16は、10〜30μm程度の厚みと200〜300V程度の耐電圧と、30〜100程度の誘電率さらに好適には60〜100程度の誘電率を有している。
この光反射層16は、チタン酸バリウム、ロッシェル塩のような強誘電体粉末である無機粉末を例えばアクリル樹脂等の結合剤として機能する樹脂中に分散することにより構成される。この強誘電体粉末のような無機粉末は白色を呈する顔料であることから、光反射層16は白色となり、光反射機能を有効に発揮する。
【0040】
2.EL発光シートの変形例2
変形例1では、防水層13を電極層12と光反射層16の間に配置したが、この変形例2は、防水層13を光反射層16とEL発光層14の間に配置したものである。この場合、トップコート層15は設けても、設けなくてもよい。
【0041】
3.EL発光シートの変形例3
変形例3は、変形例1をさらに変形して、ベース層11、第1電極12a又は第2電極12bのいずれか一方、防水層13、第1電極12a又は第2電極12bのいずれか他方、光反射層16及びEL発光層14をこの順で積層した構造となっている。この場合、トップコート層15は設けても、設けなくてもよい。また、光反射層16を省略してもよい。
【0042】
4.EL発光シートの変形例4
変形例4は、変形例1をさらに変形して、ベース層11、第1電極12a又は第2電極12bのいずれか一方、光反射層16、防水層13、第1電極12a又は第2電極12bのいずれか他方、EL発光層14をこの順に積層した構造となっている。この場合、トップコート層15は設けても、設けなくてもよい。
【0043】
5.EL発光シートの変形例5
変形例5は、実施形態のEL発光シート10や前記変形例1〜4のいずれかにおいて、前記防水層13の代わりに、あるいは前記防水層13に加えてEL発光層14及び(又は)光反射層16に浸透防止機能を付加したものである。この場合、トップコート層15は設けても、設けなくてもよい。
【0044】
この場合の浸透防止機能を持つEL発光層14は、例えば蛍光体あるいは燐光体粒子である有機あるいは無機のEL発光体と、そのEL発光体を分散状態で固定する透明な樹脂結合剤とから構成されるが、その樹脂結合剤として防水性、防湿性のある合成樹脂を使用したものである。例えば4フッ化エチレン樹脂、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、シリコンゴム等のシリコン系樹脂、その他エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン酢酸ビニール共重合体その他のシール性の高い樹脂が使用される。これらの樹脂は、例えばUV硬化、IR硬化、二液硬化、加熱硬化等の方法によって硬化される。
【0045】
また、浸透防止機能を持つ光反射層16を構成する樹脂としては、防水性、防湿性のある合成樹脂、例えば4フッ化エチレン樹脂、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、シリコンゴム等のシリコン系樹脂、その他エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン酢酸ビニール共重合体その他のシール性の高い樹脂が使用される。これらの樹脂は、例えばUV硬化、IR硬化、二液硬化、加熱硬化等の方法によって硬化される。
この変形例4によれば、光反射層16が水等の浸入を阻止するので、第1電極12aと第2電極12bの間で電気分解が発生することを防止できる。また、第1電極12a及び第2電極12bの酸化に起因する断線(破損)を防止できる。
【0046】
6.EL発光シートの変形例6
変形例6は、浸透防止機能を持つベースフィルム又はガラス(ベース層11)の裏面に第1電極12a及び第2電極12bを設けたものである。この場合のベースフィルムとしては、例えばPETによって構成したものが使用される。
この変形例6によれば、ベースフィルムやガラスが表側からの水等の浸入を阻止するので、第1電極12aと第2電極12bの間で電気分解が発生することが防止される。また、第1電極12a及び第2電極12bの酸化に起因する断線(破損)が防止される。
なお、この構造は、EL発光シートがケース体などに組み込まれる場合に使用される。このようにケース体に組み込む場合には裏面側が露出しないようにシールされるのが一般的であるので、裏側からの水等の付着は考慮しなくてよい。必要ならば、露出する電極を浸透防止機能を持つ合成樹脂でコーティングするか、その電極をアルマイト処理すればよい。
なお、変形例6は、基材シートの裏面に第1電極12a及び第2電極12bを設けたが、基材シートを挟んで第1電極12aと第1電極12bを設けるようにしてもよい。
【0047】
7.EL発光シートの変形例7
図7には変形例7の電極パターンの概略を示す。同図において、電極パターン700は、上段及び下段それぞれに3つの櫛形の電極組710が図中左右方向に配設され、合計6つの電極組による二次元的な配列がなされている。また、各電極組710の電極が図中上下方向に噛み合うように配設されている。そして、各電極組のアース側電極の電極端が上下2段の電極組の間に、アースライン700bとして一体的に形成されている。ここで、細線の発光線図を付着させたり、ドット(点)状の発光線図を付着させることある場合には、上述したと同様の理由により、第1電極及び第2電極の隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)は0.2〜0.3mm程度、第1電極及び第2電極自体の幅寸法は0.2〜0.5mm程度であることが好ましい。
この電極パターン700によれば、合計6つの電極組により、多種多様な発光パターンを形成することができる。
【0048】
また、アースライン700bを上下2段の電極組の間に配したことにより、上下の電極組の間隔を狭めることができる。即ち、上下2段の電極組の間に変位側の電極710aを配設した場合には、上段の電極710aと下段の電極710aとを接続することができず、所定間隔をおいて配設する必要がある。このため、上下2段の間隔が広くなり、発光パターンによっては、上下2段の間隔が明瞭になってしまう。一方、アースライン700bを中央に配設した場合にはそのような欠点をなくす、若しくは少なくすることができる。
【0049】
8.EL発光シートの変形例8
図8には変形例8の電極部の概略が示されている。この変形例8ではプリント基板を用いた電極部(電極層)800を備える。同図(a)は、電極部800をEL発光層側から見た要部拡大平面図であり、同図(b)は電極部800の断面図である。電極部800は、ベース層側から順に第1電位ライン層830、第2電位ライン層820、及び電極端層810の3層構造になっている。第1電位ライン層830には、同図(a)において左右方向に延伸した第1電位ライン831,832,833,834が複数平行に形成されている。第2電位ライン層820には、同図(b)において上下方向に延伸した第2電位ライン821,822,823,824が複数平行に形成されている。電極端層810には、第1電位ライン及び第2電位ラインのうち、何れか1つに接続されたバイアホールの端子が2次元的に配列されている。同図(a)において、黒丸が第1電位ラインに接続されたバイアホールの端子であり、白丸が第2電位ラインに接続されたバイアホールの端子である。白丸と黒丸とが互い違いに千鳥格子状に配設されている。例えば、第1電位ライン831に接続された端子は、端子8122,8124であり、第2電位ライン821に接続された端子は、端子8111,8131である。
【0050】
第1電位ラインには第1電圧が印加され、第2電位ラインには第2電圧が印加されるが、印加するラインは制御部によって選択・制御される。具体的には、第1電圧を印加するラインとして第1電位ライン832を、第2電圧を印加するラインとして第2電位ライン822を、というようにである。この場合、端子8121,8123は、第1電位ライン832に印加された第1電圧の電位となり、端子8112,8132は、第2電位ライン822に印加された第2電圧の電位となる。したがって、端子8121と端子8122との電位差、及び端子8122と端子8123との電位差によって、同図(a)の一点鎖線で囲まれた領域850が閉回路形成可能状態となる。
【0051】
電極部800を用いてEL発光シートを形成し、所定電圧(交流電圧)を印加する電位ラインの選択制御を行うことにより、閉回路形成可能状態/閉回路形成不可能状態の領域を任意に制御することができる。例えば、仮に、描画面全面に導電材料30が塗布されていた場合に、任意の文字や線図を浮かび上がらせるように、発光させる(発光形態を変える)ことができる。また、中心から同心円上に発光する部分を拡大する等、多種多様な発光パターンを実現できる。
【0052】
また、同図(c)に示すような使用方法も可能である。同図(c)は、描画面の一部平面図であり、文字「A」の書き方の練習を行っている場面を想定した図である。破線で囲まれた領域860が閉回路形成可能状態であり、実線で囲まれた領域870が蛍光ペンによって発光線図として、導電材料30が塗布された部分である。この場合、領域860と領域870とが重なった斜線部分が発光することとなる。
【0053】
なお、細線の発光線図を付着させたり、ドット(点)状の発光線図を付着させることある場合には、上述したと同様の理由により、第1電極及び第2電極の隙間間隔(隣り合う電極の隙間間隔)は0.2〜0.3mm程度、第1電極及び第2電極自体の幅寸法は0.2〜0.5mm程度であることが好ましい。
【0054】
D.EL発光ディスプレイシステムの変形例
1.EL発光ディスプレイシステムの変形例1
EL発光ディスプレイシステムの一変形例であるサインボード900を図9に示す。サインボード900は、ベース層11にアルミ蒸着することにより形成した4つの電極組を直線状に配設して有するEL発光シート910を内設しており、各電極組921,922,923,924(以下、包括的に電極組920という。)に対応するボタン931,932,933,934(以下、包括的にボタン930という。)が、描画面(EL発光シートのトップコート層の上面)の傍らに配列されている。EL発光シート910やサインボード900は、電極組の配置構成以外は、EL発光シート10やお絵かきボード50と同様の構成である。ボタン930は、トグルスイッチとなっており、押下された場合には押下信号を制御部110に出力するように構成されている。
【0055】
図10は、サインボード900の制御ブロック図である。図3のお絵かきボード50と略同様の構成であり、ボタン930を更に備えて構成されている。同図において、制御部110は、ボタン930から入力される押下信号に基づいて、発光させる領域、即ち所定電圧を印加する電極組を選択・決定する。例えば、ボタン931とボタン932が押下されている場合には、電極組921と電極組922とを選択・決定する。そして、選択・決定した電極組に対して、切換スイッチ55によって選択された発光モードに基づく電圧印加を行う。
【0056】
図9(b)は、ボタン931が押下された状態のサインボード900の一実施例を示す図である。電極組921が閉回路形成可能状態となっているため、この電極組921が配設された描画面の領域に、導電材料30で描画された「本日のサービス品!」という文字が発光している。
【0057】
なお、ボタン930を切換スイッチで構成し、ON/OFFのみならず、当該電極組に対する発光モードをも選択可能に構成してもよい。その場合には、例えば、図9(b)において、「本日のサービス品!」と描画された領域を点滅発光させ、その他の領域を常時発光させるといった発光形態を実現できる。
【0058】
2.EL発光ディスプレイシステムの変形例2
▲1▼概略構成
図11は、上述したEL発光シートを組み込んだEL発光ディスプレイシステムの一例としてのお絵かきボード1000の外観斜視図である。
このお絵かきボード1000は、同図に示すように、EL発光シート1100の上に透明なカバー1110を備えている。このカバー1110は開閉可能に構成されている。このカバー1110の裏側には突起1111が付設されており、この突起1111はカバー1110を閉じた際に内部にある電源制御スイッチ(不図示)をONさせるようになっている。EL発光シート1100の構成その他はお絵かきボード50と同様である。
【0059】
▲2▼作用・効果
このEL発光ディスプレイシステムによれば、電源スイッチ1256をONしただけでは作動せず、電源スイッチ1256及び電源制御スイッチが共にONの時にのみ作動して閉回路形成可能状態となる。したがって、例えば万一液状の導電材料30が染みこんで電極同士が短絡状態となった場合でも、カバー1110を閉めない限り交流電流は印加されないので安全性の更なる向上が図れる。
【0060】
E.本発明のその他の変形例
(1)EL発光シートにおける防水層13には有機あるいは無機の着色顔料を入れて表面から電極パターンが見えないような着色を施すことが好ましい。このように着色することで、電極パターンが表面から見えなくなるばかりか、好みの色に着色することで、表面から見たデザインの選択肢が広がることになる。但し、光反射層16を有する場合にあっては、防水層13よりも光反射層16をEL発光層14の近くに設けることが条件とされる。
【0061】
(2)EL発光ディスプレイシステムの変形例2では、カバー1110の裏側に突起1111が付設され、この突起1111がカバー1110を閉じた際に閉回路形成可能状態となるように構成したが、カバー1110の開閉を機械的、電気的又は光学的方法いずれかによって検知し、カバー1110が閉じたときだけ閉回路形成可能状態となるように構成してもよい。あるいはカバー1110が開いている間は電源スイッチ1256がロックされるような構造でもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明の代表的なものの効果について説明すれば、多種多様な発光モードを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】EL発光シートの要部断面の一部拡大図。
【図2】電極層の一部を表した概略平面図。
【図3】お絵かきボードの外観斜視図。
【図4】お絵かきボードに内設されたEL発光シートの電極パターンの外形図。
【図5】お絵かきボードの機能ブロック図。
【図6】EL発光シートの変形例1の要部断面の一部拡大図。
【図7】EL発光シートの変形例7の電極パターンを示す図。
【図8】EL発光シートの変形例8の電極部(電極層)の概略図。
【図9】EL発光ディスプレイシステムの変形例1のサインボードの平面図。
【図10】EL発光ディスプレイシステムの変形例1のサインボードの制御ブロック図。
【図11】EL発光ディスプレイシステムの変形例2のお絵かきボードの平面図。
【符号の説明】
10 EL発光シート
11 ベース層
12 電極層(電極部)
13 防水層
14 EL発光層
15 トップコート層
30 導電材料
50 お絵かきボード
52 ホルダー
53 蛍光ペン
54 トレー(ペン用)
55 切換スイッチ
57 トレー(除去部材用)
58 除去部材
59 本体
70 電極パターン
71〜76 電極組
110 制御部
120 電圧印加部
121 インバータ
130 電池
Claims (2)
- EL発光体を有する発光層、及び、互いに境界領域を隔てて所定の配列で配置してなる第1電極と第2電極の電極組を前記発光層の一面側に持つ電極部を有するEL発光シートであって、
前記電極部は、所定の配列で配置された複数の前記電極組を有することを特徴とするEL発光シート。 - 前記第1電極及び前記第2電極がそれぞれ櫛歯状のパターン形状に形成され、櫛歯状のパターン部分同士が接触しないように境界領域を隔てて互いに所定距離離れて噛み合うように形成されていることを特徴とする請求項1記載のEL発光シート
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