JP2004037395A - ホールボディカウンタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定室12内には椅子14が設けられ、被測定者15がその椅子14に腰掛けた状態で測定が実施される。第1検出ユニット16及び第2検出ユニット18は椅子の背側に設けられ、すなわち被測定者15に対して近接配置されている。第1検出ユニット16は上下方向に広い検出視野を有し、スクリーニング測定に用いられる。第2検出ユニット18は高感度測定を行えるものであり、精密測定に用いられる。それらの検出ユニット16,18は昇降機構により上下方向に駆動される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はホールボディカウンタに関し、特に放射性物質取扱施設において作業に従事する作業者の体内被ばくを管理するためのホールボディカウンタに関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
原子力発電所、原子力燃料処理施設、医療機関などの放射性物質取扱施設においては、作業者の被ばく管理が不可欠である。そのための装置として、ホールボディカウンタが知られている。ホールボディカウンタは、作業者が呼吸などによって体内摂取した放射性物質の放射能量を測定する装置である。
【0003】
従来の一般的なホールボディカウンタは、作業者としての被測定者を仰向けで載置するベットを有する。そのベットの上方には、遮蔽部材によって取り囲まれた放射線検出器が設置される。体内被ばく量の測定に当たっては、まず、スクリーニング用の測定が実施される。これは、被測定者の胴部全体を測定部位として行われるものである。そのスクリーニング測定において異常が認められた場合には、次に精密測定が実施される。その場合には、被測定者の各局所部位ごとに放射能が測定される。これにより、被検者に対する放射能の分布が計測される。
【0004】
ここで、スクリーニング測定用のホールボディカウンタと、詳細用のホールボディカウンタを別々の専用装置として構成すると、コストアップ、設置スペースの浪費といった問題が生じる。精密測定はまれにしか実施されないもので、そのために専用装置を常置しておくのは合理的でない。
【0005】
なお、上記のようなベットを用いるホールボディカウンタにおいては、被測定者と放射線検出器との間の距離がどうしても増大してしまう。換言すれば、放射線検出器を被測定者へ近づけるのが困難で、検出感度の低下、あるいは、測定時間の増大という問題が指摘できる。また、被測定者の前方に重量物が存在するので、心理的な圧迫感、恐怖感が生じるという問題がある。そこで、特開平11−30668号公報、特開平9−10137号公報では、被測定者を椅子に座らせ、その背側に放射線線検出器を設けたホールボディカウンタが提案されている。しかし、それらの公報には、スクリーニング測定と精密測定とを単一の装置で実施するための構成は開示されていない。
【0006】
本発明の目的は、被測定者に圧迫感を与えず、しかもスクリーニング測定及び精密測定の両測定が行えるホールボディカウンタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、被測定者の体内被ばく管理を行うためのホールボディカウンタにおいて、被測定者を座らせる椅子と、前記椅子の背側に設けられたスクリーニング測定用の第1放射線検出器と、前記椅子の背側に設けられた精密測定用の第2放射線検出器と、少なくとも前記第2放射線検出器を昇降させる昇降機構と、を含み、スクリーニング測定時には前記第1放射線検出器が用いられ、精密測定時には前記第2放射線検出器が用いられることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、椅子に被測定者を座らせた状態で、被測定者に対して体内被ばく管理のための放射線の測定がなされる。椅子の背側(被測定者から見て椅子の背の奥側)に第1及び第2放射線検出器を設けたので、それらの放射線検出器を被検者に近接させることが可能であり、高感度化を図れる。このため測定時間を従来よりも短縮することが可能である。また、単一の装置で、スクリーニング測定と精密測定とを行えるので、それぞれの測定のために専用の装置を用意する必要がない。特に、昇降機構によって少なくとも第2放射線検出器を昇降させることができるので、背骨に沿って第2放射線検出器を移動させ、放射能量の分布などを計測することができる。
【0009】
望ましくは、前記昇降機構は、上下に並んで配置された前記第1放射線検出器及び前記第2放射線検出器を含む可動部を昇降させ、前記可動部が最下位置としての規定位置に位置決めされた状態では、前記第2放射線検出器が前記被測定者の臀部に相当する高さに位置決めされ、かつ、前記第1放射線検出器が前記被測定者の臀部より上方に位置決めされ、前記可動部が前記規定位置に位置決めされた状態で前記スクリーニング測定が実施される。
【0010】
上記構成によれば、可動部が規定位置にある状態でスクリーニング測定が実施される。その場合、第2放射線検出器は被検者のおよそ臀部の高さに位置決めされる。つまり、第1放射線検出器と第2放射線検出器は互いに近接した状態で上下に並んで配置されており、可動部について必要なストローク量を少なくできる。
【0011】
望ましくは、前記精密測定時には、前記可動部が上方へ引き上げられ、対象部位に相当する高さに前記第2放射線検出器が位置決めされる。望ましくは、前記第1放射線検出器は、前記可動部が前記規定位置に位置決めされた状態で、前記被測定者の腰部から頸部までカバーする検出視野を有する。望ましくは、前記第1放射線検出器は、上下方向に伸長したシンチレータを有する。望ましくは、前記第2放射線検出器は、シンチレータ型検出器又は半導体型検出器である。
【0012】
望ましくは、前記可動部を収容する溝空間を有する固定部を含み、前記固定部は、前記溝空間を形成する上下方向に伸長したコリメート用の一対の垂直部材を含み、前記可動部は、前記第1放射線検出器の下方に設けられたコリメート用の下側水平部材と、前記第1放射線検出器と前記第2放射線検出器との間に設けられたコリメート用の中間水平部材と、前記第2放射線検出器の上方に設けられたコリメート用の上側水平部材と、を含む。
【0013】
上記構成によれば、一対の垂直部材が、第1放射線検出器及び第2放射線検出器についての水平方向の検出視野を規定し、上側水平部材及び中間水平部材が第1放射線検出器についての水平方向の検出視野を規定し、中間水平部材及び下側水平部材が第2放射線検出器の水平方向の検出視野を規定する。
【0014】
一対の垂直部材を昇降させる必要がないので、昇降機構の規模、コストを削減できる。また、中間水平部材が2つの放射線検出器について兼用されているので、各放射線検出器ごとに同種の部材を設ける場合に比べて、重量及びコストを削減できる。一対の垂直部材は、第2放射線検出器の昇降範囲に対応した長さに形成するのが望ましい。つまり、規定位置から最上位置まで、第2放射線検出器が昇降しても、水平方向のコリメートが確実に行えるように、一対の垂直部材の長さを設定する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1には、本発明に係るホールボディカウンタの好適な実施形態が示されており、図1はホールボディカウンタを側面から見た状態を示す模式図である。
【0017】
図1において、ホールボディカウンタは放射線取扱施設のフロア10上に設置される。符号12は測定室を示しており、その測定室12の周囲には必要な遮蔽部材が設けられる。測定室12内には椅子14が配置されており、その椅子14に対して被測定者15が腰掛けた状態でその測定者について体内被ばく管理のための放射線測定が実施される。
【0018】
その放射線測定には、本実施形態において、スクリーニング測定と精密測定とがあり、前者のスクリーニング測定のために広い検出視野を有する第1検出ユニット16が設けられている。また、後者の精密測定のために狭い検出視野を有する第2検出ユニット18が設けられている。
【0019】
具体的には、椅子14の背の奥側に第1検出ユニット16及び第2検出ユニット18が上下に並んで配置されている。このように被測定者15の背中側に2つの検出ユニット16,18を設けることにより、各検出ユニット16,18を被測定者15に近接させることができ、測定感度を高めて検出時間を削減できるという利点がある。第1検出ユニット16と第2検出ユニット18との上下関係についてみると、上側に第1検出ユニット16が設けられ、下側に第2検出ユニット18が設けられている。それらの検出ユニット16,18は両者一体として昇降可能に構成されたり、それらを含む可動部を昇降するために図示されていない昇降機構が設けられている。そのような昇降機構としては例えば特開平11−30668号公報に記載されたものなどを採用できる。なお、図1においては、第1検出ユニット16及び第2検出ユニット18が最下位置としての規定位置に位置決めされた状態が示されており、それらが最上位置に位置決めされた状態が符号16’及び18’で一点鎖線により示されている。
【0020】
第1検出ユニット16は、上下方向に伸長した、具体的には腰部から頸部にわたって上下に伸長したシンチレータ(例えばNaI(Tl)型シンチレータ)を有しており、すなわち上下方向に広い検出視野を有する放射線検出器として構成されている。第1検出ユニット16は上記のシンチレータの他、そこで生じた発光を検知する光電子増倍管などを有している。
【0021】
また、第2検出ユニット18は、図1に示す実施形態において、検出部20及び冷却部22を有している。検出部20は例えばGe(Li)型の半導体検出器で構成され、その半導体検出器を冷却状態で動作させるために冷却部22が設けられている。冷却部22と半導体検出器とは熱伝導体によって連結されており、半導体検出器は、そのような熱伝導によって常に冷却された状態で動作する。ちなみに、その冷却部22についても昇降機構によって昇降されている。
【0022】
図2には、図1に示したホールボディカウンタを上方から見た状態が模式図として示されている。なお、図2においては各検出ユニット16,18についての構成が一部を除いて省略されている。
【0023】
また、他の実施形態としては、図3に示されるように、第2検出ユニット32をシンチレータ型の検出器として構成するようにしてもよい。なお、図3においては、図1に示した構成と同様の構成には同一符号を付してある。この第2検出ユニット32は、例えば、円柱形状のシンチレータとそこで生じた光を検知する光電子増倍管とを含むものである。なお、各図においては検出信号を処理する計測演算装置については図示省略されている。
【0024】
図4には、椅子14の奥側に設けられる固定部102及び可動部100が斜視図として示されている。
【0025】
固定部102は本実施形態において、コリメート機能(遮蔽機能)を有する一対の垂直部材40,42を有する。各垂直部材40,42は上下方向に伸長しており、それらの両者間には溝空間44が形成されている。垂直部材40は大別して第1部分40A,第2部分40B及び第3部分40Cからなり、その水平断面はおおよそL字型を有している。第1部分40Aの被測定者側の端部は水平方向に広がっている。これと同様に、垂直部材42についてもその端部が水平方向に広がっており、両者併せて水平方向についてみるとラッパ状の形態をなす。
【0026】
可動部100は、第1検出ユニット16及び第2検出ユニット18(あるいは32)、コリメート用の水平部材50,52,54を有する。水平部材50は下側コリメート部材であり、水平部材52は中間コリメート部材であり、水平部材54は上側コリメート部材である。
【0027】
水平部材50と水平部材52とによって第2検出ユニット18についての垂直方向の検出視野が決定され、これと同様に、水平部材52と水平部材54とによって第1検出ユニット16についての垂直方向の検出視野が決定される。ちなみに、それらの水平方向の検出視野は、上述した垂直部材40,42によって決定される。
【0028】
水平部材52が第1検出ユニット16及び第2検出ユニット18の両者に対して兼用されているため、その分だけ可動部100の重量を削減することができる。また、垂直部材40,42については昇降させる必要がないので、昇降機構に加わる負荷を削減することができる。
【0029】
水平部材50,52,54はそれぞれ被測定者側からの反対側へ厚みが増大された形態を有していてもよいし、単に平板状の形態を有していてもよい。なお、第2検出ユニット18については、それを取り囲む筒状のコリメータを設けるようにしてもよい。その場合においては少なくとも水平部材50が不要となる。
【0030】
ちなみに、第2検出ユニット18が上述したような半導体検出器によって構成される場合、それと冷却部とを連結する熱伝導体は、垂直部材40と垂直部材42との間の折れ曲がった隙間経路上に配置される。そのような部材も昇降運動する。ちなみに垂直部材40が折れ曲がり端部40Cを有することにより、背面側からの外部放射線の侵入を効果的に阻止することが可能となる。もちろん、遮蔽構造としては他の構造を採用することもできる。
【0031】
以上説明したホールボディカウンタを用いて被測定者についての測定を行う場合には、まず、可動部100が規定位置に位置決めされた状態においてスクリーニング測定が実施される。この場合においては第1検出ユニット16が用いられ、被測定者についての広い範囲にわたって体内被ばく量の測定などがなされる。そのようなスクリーニング測定の結果が異常である場合には、それに引き続いて精密測定が実施される。その場合においては図4に示された可動部100が上方に引き上げられ、第2検出ユニット18が所望の測定部位に位置決めされる。そして、その部位について精密測定が実施され、その測定部位を順次異ならせることにより、例えば背骨に沿って放射能の分布などを得ることができる。
【0032】
ちなみに、図4には、最下位置である規定状態に位置決めされた可動部100が示されているが、その場合において第2検出ユニット18の高さH1は椅子に腰掛けた被測定者15の臀部の高さに相当し、第1検出ユニット16における例えばシンチレータの上下間の高さH2,H3は例えばそれぞれ被測定者15の腰部及び頸部の間に相当する。なお、第1検出ユニット16が有する上下に伸長したシンチレータにはその上端部に光電子増倍管が取り付けられている。また各検出ユニットにおいて光電子増倍管を用いる場合には必要に応じてそれを複数個設けるのが望ましい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被測定者に圧迫感を与えず、しかもスクリーニング測定及び精密測定の両測定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るホールボディカウンタの側面から見た模式図である。
【図2】図1に示すホールボディカウンタの上面から見た模式図である。
【図3】他の実施形態に係るホールボディカウンタの側面から見た模式図である。
【図4】椅子の背面側に設けられる固定部及び可動部の構造を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
10 フロア、12 測定室、14 椅子、15 被測定者、16 第1検出ユニット、18 第2検出ユニット。
Claims (7)
- 被測定者の体内被ばく管理を行うためのホールボディカウンタにおいて、
被測定者を座らせる椅子と、
前記椅子の背側に設けられたスクリーニング測定用の第1放射線検出器と、
前記椅子の背側に設けられた精密測定用の第2放射線検出器と、
少なくとも前記第2放射線検出器を昇降させる昇降機構と、
を含み、
スクリーニング測定時には前記第1放射線検出器が用いられ、精密測定時には前記第2放射線検出器が用いられることを特徴とするホールボディカウンタ。 - 請求項1記載のホールボディカウンタにおいて、
前記昇降機構は、上下に並んで配置された前記第1放射線検出器及び前記第2放射線検出器を含む可動部を昇降させ、
前記可動部が最下位置としての規定位置に位置決めされた状態では、前記第2放射線検出器が前記被測定者の臀部に相当する高さに位置決めされ、かつ、前記第1放射線検出器が前記被測定者の臀部より上方に位置決めされ、
前記可動部が前記規定位置に位置決めされた状態で前記スクリーニング測定が実施されることを特徴とするホールボディカウンタ。 - 請求項2記載のホールボディカウンタにおいて、
前記精密測定時には、前記可動部が上方へ引き上げられ、対象部位に相当する高さに前記第2放射線検出器が位置決めされることを特徴とするホールボディカウンタ。 - 請求項2記載のホールボディカウンタにおいて、
前記第1放射線検出器は、前記可動部が前記規定位置に位置決めされた状態で、前記被測定者の腰部から頸部までカバーする検出視野を有することを特徴とするホールボディカウンタ。 - 請求項4記載のホールボディカウンタにおいて、
前記第1放射線検出器は、上下方向に伸長したシンチレータを有することを特徴とするホールボディカウンタ。 - 請求項2記載のホールボディカウンタにおいて、
前記第2放射線検出器は、シンチレータ型検出器又は半導体型検出器であることを特徴とするホールボディカウンタ。 - 請求項2記載のホールボディカウンタにおいて、
前記可動部を収容する溝空間を有する固定部を含み、
前記固定部は、前記溝空間を形成する上下方向に伸長したコリメート用の一対の垂直部材を含み、
前記可動部は、
前記第1放射線検出器の下方に設けられたコリメート用の下側水平部材と、
前記第1放射線検出器と前記第2放射線検出器との間に設けられたコリメート用の中間水平部材と、
前記第2放射線検出器の上方に設けられたコリメート用の上側水平部材と、
を含むことを特徴とするホールボディカウンタ。
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2002
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