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JP2004034039A - 鋼板の調質圧延方法 - Google Patents

鋼板の調質圧延方法 Download PDF

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JP2004034039A
JP2004034039A JP2002190483A JP2002190483A JP2004034039A JP 2004034039 A JP2004034039 A JP 2004034039A JP 2002190483 A JP2002190483 A JP 2002190483A JP 2002190483 A JP2002190483 A JP 2002190483A JP 2004034039 A JP2004034039 A JP 2004034039A
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mill
temper rolling
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roll
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JP2002190483A
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Hisanori Enoki
榎 久範
Yoshinori Uehori
上堀 義則
Shiro Shimizu
清水 四郎
Takeshi Mitani
三谷 竹志
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JFE Steel Corp
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Abstract

【課題】圧延ロールに疵を発生させることなく、ミル停止を行うことができる、あるいは溶接部をミル通過させることができる、鋼板の調質圧延方法を提供する。
【解決手段】鋼板の調質圧延おいて、調質圧延中の状態から調質圧延機を停止する際、圧延速度の減速を開始した後、調質圧延機が停止する前に、調質圧延機の圧延ロール間を開放する。また、鋼板の溶接部が調質圧延機を通過する際には、あらかじめ圧延速度を減速し、溶接部が調質圧延機を通過する前に、調質圧延機の圧延ロールを駆動させた状態で圧延ロール間を開放し、溶接部を通過させる。そして、開放された調質圧延機の圧延ロール間を鋼板の溶接部が通過後、通板中の鋼板の移動を停止し、調質圧延機の圧延ロール間を閉じた後、調質圧延を再開する。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の調質圧延方法に関するものであり、より詳細には、調質圧延機の停止方法及び鋼板溶接部の調質圧延機通過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷延鋼板や表面処理鋼板は、連続焼鈍ラインや連続亜鉛めっきラインなどの連続ラインで製造されることがほとんどである。このような連続ラインでは、ライン入側で先行材と後行材とをナローラップシーム溶接で接続し、鋼板を製造ラインへ連続的に供給できるようにしている。
【0003】
一方、上記の連続ラインでは、焼鈍後の鋼板の材質調整や平坦度調整を目的として、調質圧延をインラインで行う場合も多い。ところが、ナローラップシーム溶接された部分は、先行材と後行材とが重ね合わされているため、定常部の板厚の1.2〜1.8倍程度の板厚となっている。このように板厚が局所的に厚い部分を調質圧延機で圧延すると、局部的に大荷重が加わり、調質圧延ロール表面に図3(a)に示すような疵が入ることが知られている。そして、このロール表面の疵は、その後に調質圧延する鋼板に転写され、鋼板の表面品質上の問題となる。
【0004】
そこで、従来より、ナローラップシーム溶接部(以下、単に溶接部と呼ぶ)が調質圧延機を通過(以下、ミル通過と呼ぶ)する際に、圧延ロールに疵を生じさせないための様々な検討がなされてきた。その代表的な方法の一つが、溶接部がミル通過する際の圧延荷重を定常圧延中よりも下げる方法である。最も簡単な方法は、溶接部をミル通過させる低目の圧延荷重(溶接部ミル通過荷重)を予め定めておき、溶接点がミル通過する前に圧延荷重を溶接部ミル通過荷重まで下げ、その荷重で溶接部をミル通過させた後、再び定常の圧延荷重まで戻す方法である。最近では、特許第2748831号公報や特開平11−104724号公報に、溶接部のミル通過に関する制御方法やミル通過荷重の設定方法に関する記載があるが、基本的な考え方は溶接部を軽荷重で通過させるという従来からの考え方によるものである。
【0005】
しかし、これらの軽荷重で溶接部をミル通過させる方法は、圧延ロールへの疵の発生を軽減することはできるものの、局部的な荷重増加を解消するのもではなく、したがってこのような疵を完全に防止するものではなかった。特に最近では、需要家からの鋼板に対する表面品質要求はますます高まっており、従来であれば問題とならなかった軽度の疵でも問題視されるようになってきている。したがって、特に品質要求の厳しい製品に対しては、従来の軽荷重でミル通過させる方法では問題が生じるようになってきた。
【0006】
これに対し、疵防止のための別な代表的方法として、溶接部がミル通過する際に、予め調質圧延機の圧延ロール間を開放(以下、ミル開放と呼ぶ)する方法が知られている。一般的には、溶接部のミル通過前に圧延速度を減速して調質圧延機を停止し、その後にミル開放し、通板して溶接部をミル通過させ、その後再び圧延機の圧延ロール間を閉めて調質圧延を再開する。この方法によれば、溶接部が圧延ロールと接触することはなく、上述した疵が圧延ロール表面に生じることは全くない。
【0007】
ところが、調質圧延機の入側と出側の鋼板の張力には差があるのが通常である。したがって、圧延停止状態からミルを開放すると、張力差によって鋼板がミルの入側又は出側に動き、その際に圧延ロールと鋼板とが擦れて、圧延ロール表面に疵が付く場合がある。そこで、特許第3106687号公報には、調質圧延機を停止する際に、圧延機出側テンションロール、調質圧延機(複数スタンドを有する場合には下流側から順に)、入側テンションロールの順で停止させる方法が提案されている。この方法によれば、圧延停止状態での鋼板の張力を低減させることができるため、この状態からミルを開放しても、圧延ロールと鋼板とが擦れることがない。したがって、圧延ロール表面の疵を防止することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の方法により調質圧延機を停止してからミル開放を行っても、圧延ロールに疵が発生する場合がある。このロール疵は、図3の(a)に示した圧延ロールの軸方向に1本の筋として入る従来のロール疵とは異なり、同図(b)に示すように、ロール軸方向端部付近に生じる。そして、このロールにより再び調質圧延を再開すると、鋼板幅方向端部付近100mm程度の範囲に疵が転写され、鋼板の表面外観上問題となる。本発明者等がこの現象について詳しく調査した結果、調質圧延機のワークロール11とバックアップロール12との間で、特にロール軸方向端部付近で相対的にすべりが発生し、ロール表面に疵が発生したことが明かとなった。その理由は定かではないが、以下のように推定することができる。
【0009】
図4は、調質圧延機のワークロールとバックアップロールの接触状態を模式的に示す正面図である。なお、本図は、説明を簡単にするために、バックアップロールのクラウンやたわみを考慮せずに書いた模式図であり、実際の調質圧延時の状態を示したものではない。本図に示すように、ワークロール11には、形状制御等を目的として、ロール軸方向中央部が端部よりもロール径が大きくなるような、いわゆる太鼓型のロールクラウンを付与する場合が多い。また、圧延の進行に伴い、摩擦熱により幅方向中央部付近の温度が上昇し、いわゆるヒートクラウンとして太鼓型の形状となる場合もある。そして、本図(a)に示すように、圧延中は圧延荷重やベンディング装置のベンディング力によりロールが軸方向にたわみ、ワークロール11とバックアップロール12とは軸方向全体に接触している。この時、バックアップロール12に接触しているワークロール11の軸方向端部付近の表面には、縮方向に力が作用している。しかし、ミル開放後は圧延荷重がかからないため、本図(b)に示すように、ロール軸方向端部ではワークロール11とバックアップロール12が離れることになる。この時には、バックアップロール12に接触しているワークロール11の軸方向端部付近の表面には、拡方向に力が作用する。したがって、ロール軸方向端部付近でワークロール11とバックアップロール12とがロール軸方向に相対的にすべり、ロール表面に疵を発生させたものと推定される。
【0010】
また、図5は、調質圧延機のワークロールとバックアップロールの接触点を模式的に示す説明図であり、(a)が側面図、(b)はワークロール11の上面図である。本図(a)に示すように、通常、ワークロール11の中心軸とバックアップロール12の中心軸とは、圧延方向に数mmずれている。この水平方向距離を、一般にオフセット量と呼ぶ。そして、このオフセットの影響と、クラウンを有するワークロール11の軸方向中心部と端部との直径差の影響により、ワークロール11とバックアップロール12とが接触する点は、本図に示すようにロール軸方向で異なることとなる。この接触点を上面から見ると、本図(b)に示すような接触線となる。そして、このような状態からミル開放すると、特にロール軸方向端部付近でワークロール11とバックアップロール12とが接線方向に相対的にすべり、ロール表面に疵を発生させているとも推定することができる。
【0011】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決し、圧延ロールに疵を発生させることなく、ミル停止を行うことができる、あるいは溶接部をミル通過させることができる、鋼板の調質圧延方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋼板の調質圧延において、圧延ロールに疵を発生させることなく、溶接部をミル通過させる方法について種々検討を行った結果、以下の知見を得た。
【0013】
前述したように、調質圧延中の状態から調質圧延機を停止し、この停止状態からミル開放すると、圧延ロール表面に疵が発生する。ところが、調質圧延機が停止するよりも前、すなわち圧延ロールを低速で回転しながらミル開放すると、圧延ロール表面に疵は発生しなかった。
【0014】
上記で説明したようなワークロールとバックアップロールとの間の相対的なすべりは、これらの圧延ロールを回転しながらミル開放する場合であっても発生しているはずである。しかし、調質圧延機を停止した状態でミル開放する場合には圧延ロールに疵が入る円周方向の位置は1箇所であるのに対し、ロールを回転させながらミル開放する場合にはすべりが発生する円周方向位置は刻々と変化する。そのため、局所的な疵とはならないものと考えられる。
【0015】
また、ミル開放状態から圧延ロール間を閉じる際には、調質圧延機の停止状態で行っても、圧延ロールに疵が入ることはほとんどないことがわかった。その理由は明らかではないが、圧延ロールを閉じる前のミル開放状態では特許第3106687号公報で問題としていた調質圧延機前後の鋼板張力に全く差がないことなどが影響していると推定される。一方、圧延ロールを回転させながら閉じる場合には、圧延ロールと鋼板Sとが最初に接触する瞬間に両者に速度差があることを避けるのは困難であり、この時のすべりにより疵が発生する。したがって、ミル開放状態から圧延ロール間を閉じる際には、通板を一旦停止し、圧延ロールを閉じた後に調質圧延を再開する方が好ましい。
【0016】
本発明の鋼板の調質圧延方法は、以上のような知見に基づきなされたもので、以下のような特徴を有する。
【0017】
(1)調質圧延機により鋼板を調質圧延する方法において、調質圧延中の状態から前記調質圧延機を停止する際、圧延速度の減速を開始した後、前記調質圧延機が停止する前に、前記調質圧延機の圧延ロール間を開放することを特徴とする鋼板の調質圧延方法。
【0018】
(2)調質圧延機により鋼板を調質圧延する方法において、鋼板の溶接部が前記調質圧延機を通過する際、あらかじめ圧延速度を減速し、前記溶接部が前記調質圧延機を通過する前に、該調質圧延機の圧延ロールを駆動させた状態で圧延ロール間を開放し、前記溶接部を通過させることを特徴とする鋼板の調質圧延方法。
【0019】
(3)開放された調質圧延機の圧延ロール間を鋼板の溶接部が通過後、通板中の鋼板の移動を停止し、前記調質圧延機の圧延ロール間を閉じた後、調質圧延を再開することを特徴とする上記(2)に記載の鋼板の調質圧延方法。
【0020】
(4)調質圧延機にワークロールベンディング装置を備え、該ワークロールベンディング装置によるベンディング力を、前記調質圧延機が停止している間は一定とすることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の鋼板の調質圧延方法。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施に供する調質圧延設備の一例を示す構成図である。この調質圧延設備は、調質圧延機1a,1bの2スタンドを備えており、各圧延機はワークロール2及びバックアップロール3からなる4段式の調質圧延機である。また、各圧延スタンドの入側及び出側には、鋼板Sを上方に押し上げて鋼板の反りや板形状の調整等を行う補助ロール4(4a,4b)を備えている。さらに、これらの調質圧延機列の入側には入側の鋼板Sに張力を付与する入側テンションロール5を、また出側には出側の鋼板Sに張力を付与する出側テンションロール6を備えている。
【0023】
なお、本発明の調質圧延設備は図1に示す実施形態に限定されるものではない。すなわち、調質圧延機は2スタンドに限定されるものではなく、1スタンドであってもよいし、3スタンド以上であってもよい。また、2段式や6段式の調質圧延機であってもよい。さらに、これらの調質圧延設備は、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきライン等の連続ラインに組み込まれていてもよいし、単独の調質圧延ラインであってもよい。
【0024】
図1において、入側テンションロール5を通過して所定の張力を付与された鋼板Sは、調質圧延機1a及び1bにより順次所定の調質圧延を施される。そして、調質圧延機1bの出側の鋼板Sは、出側テンションロール6により所定の張力を付与されている。また、各圧延スタンドの入側及び出側の鋼板Sは、各圧延スタンドの入側及び出側に設けられた補助ロール4により適切な高さへ押し上げられることにより、絞りの発生を防止され、また反りや板形状が調整されている。このようにして、連続的に供給される鋼板Sは、調質圧延機1により、連続的に調質圧延を施される。
【0025】
ここで、本発明の第1の実施形態である、調質圧延中の状態から調質圧延機1を停止する方法について説明する。
【0026】
調質圧延中の状態から調質圧延機1を停止するには、まず、圧延速度の減速を開始する。そして、調質圧延機1が停止する前、すなわち調質圧延機の圧延ロールを低速で駆動させた状態で、調質圧延機1をミル開放する。そして、ミルが開放した後に調質圧延機1を停止する。この方法によれば、ワークロール2やバックアップロール3に疵が入ることなく、調質圧延機を停止することができる。
【0027】
なお、本実施形態は、溶接部が調質圧延機1を通過する際に限定されるものではなく、調質圧延機1を任意の位置で、また任意の理由で停止する場合に適用することができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態である、溶接部をミル通過させる方法について説明する。
【0029】
溶接部をミル通過させるには、予め圧延速度を減速し、溶接部が調質圧延機1に到達する前に、調質圧延機1の圧延ロールを駆動させた状態で調質圧延機1をミル開放する。そして、ミル開放完了後、通板して溶接部をミル通過させる。その後、調質圧延機1の圧延ロール間を閉じ、調質圧延を再開する。ここで、溶接部のミル通過後、調質圧延機1の圧延ロール間を閉じる際には、一旦通板中の鋼板の移動を停止し、圧延ロール間を閉じた後に調質圧延を再開することが望ましい。通板しながら圧延ロール間を閉じるよりも、圧延ロールに疵が発生しにくいためである。
【0030】
このような溶接部のミル通過方法によれば、溶接部がミル通過する際に急激な圧延荷重増加を生じて圧延ロール表面に疵を発生させることはなく、またミル開放によっても圧延ロール表面に疵が入ることはない。
【0031】
なお、上記の第1の実施形態及び第2の実施形態ともに、以下の条件とすることが望ましい。
【0032】
まず、ミル開放を行う際の圧延速度は、圧延ロールが回転してさえいればよく、減速せずにミル開放を行うことも可能である。しかし、圧延速度が速いほど、調質圧延を施さない鋼板長さ、いわゆるオフテンパー部の長さが増加し、歩留りが低下してしまう。よって、ミル開放を行う際の圧延速度は、100mpm以下とすると、オフテンパー部の長さが抑えられるので好ましい。
【0033】
次に、ミル開放を行う際には、各圧延スタンド入側及び出側の補助ロール4を下降させることが望ましい。補助ロール4がパスラインよりも高い位置にあると、ミルを開放しても、鋼板Sが押し上げられているため、上側のワークロール2と接触するためである。したがって、ミル開放開始時には、補助ロール4の高さはパスライン高さ以下とすると、鋼板Sと上側のワークロール2とが擦れることを防止できるので好ましい。
【0034】
さらに、調質圧延機の各圧延スタンドにワークロールベンディング装置を備えている場合には、ミル停止中のベンディング力を一定とすることが望ましく、さらに、ミルの開放中のベンディング力を一定とすることが望ましい。例えば、ミル停止後にベンディング力を変更すると、ワークロール2とバックアップロール3との間の接触状態が変化し、これらのロール表面間での相対的なすべりの発生を引き起こし、ロール表面に疵が入るためである。また、ミル開放後にベンディング力を変更する場合には、ロール回転中であっても上記のロール表面間での相対的なすべりは発生するため、ロール表面に疵が入る可能性があるためである。
【0035】
また、第2の実施形態においては、ミル停止状態で圧延ロールを閉めた時の圧延開始前の圧延荷重を、できるだけ小さく抑えることが望ましい。圧延荷重が大きくなると、ワークロールとバックアップロールとの接触状態が変化し、すべりを生じてロール表面に疵を発生させてしまうからである。よって、圧延開始前の圧延荷重は、100ton以下に抑えることが好ましい。
【0036】
さらに、前記のように、圧延ロールを閉めた際に大きな圧延荷重がかからないようにするためには、圧延ロールの閉動作の速さ(圧延ロールの高さ位置変更速度)を小さくして行うことが望ましい。急激な動作は、急激な圧延荷重の上昇をもたらす危険があるためである。よって、少なくとも圧延ロール間が閉まる直前においては、圧延ロールの高さ位置変更速度は、1mm/秒以下とすることが好ましい。
【0037】
次に、図1に示す調質圧延設備を用いて鋼板の調質圧延を行う際に、溶接部をミル通過させる具体的な方法の一例について説明する。図2は、溶接部のミル通過前後での各操業条件のタイムチャートの一例を示した図であり、以下では本図に従って時間を追って各装置の動きや操業条件について説明する。なお、図2において、圧延荷重を記載した欄の縦軸に示す原点以下の領域は、圧延荷重ではなく、下ワークロールのパスラインに対する圧下位置を示している。また、補助ロール高さを記載した欄の縦軸の原点は、パスライン高さを示している。
【0038】
まず、定常圧延中は、第2スタンド1bの出側での圧延速度をV、圧延荷重を第1スタンド1aがPa、第2スタンド1bがPbとし、各スタンドのベンディング力をBa,Bb、補助ロール4a,4bの高さをHa,Hbとする。
【0039】
溶接部が調質圧延機1へ近づいたら、以下のような操作を行う。
【0040】
(1) 圧延速度Vの減速を開始する。
【0041】
(2) 各圧延スタンド1a,1bの圧延荷重Pa,Pbを下げ始める。
【0042】
(3) 第1スタンド1aの圧延荷重がPaに達した時点で、第1スタンドを荷重制御から位置制御へ切り替える。また、第2スタンド1bの圧延荷重がPbに達した時点で、第2スタンドを荷重制御から位置制御へ切り替える。なお、必要であればこの時点までに各スタンドのベンディング力Ba,Bbを下げておき、これ以降は一定値に固定する。
【0043】
(4) 各スタンド1a,1bの圧延荷重は0tonとなり、圧延ロール間が開放される。なお、補助ロール4は、少なくともこの時点でパスライン(PL)以下となるように、予め高さを下げておく。
【0044】
(5) 溶接部を第2スタンド1bの出側まで通板する。
【0045】
(6) 溶接部のミル通過完了後、通板を停止する。
【0046】
(7) 各圧延スタンド1a,1bの圧延ロール間を閉め始める。なお、その際のロール位置変更速度は、圧延ロール間が閉まる下記(8)の前に、減速されることが好ましい。
【0047】
(8) 圧延ロール間が閉まり、各圧延スタンド1a,1bに圧延荷重が加わり始める。なお、補助ロール4をパスライン高さ以上に上昇させるのは、この時点以降とする。
【0048】
(9) 各圧延スタンドの圧延荷重がそれぞれPa,Pbに達したら、位置制御から荷重制御へ切り替える。
【0049】
(10) 調質圧延を開始する。各圧延スタンドの圧延荷重や、上記(3)において一定値に固定したベンディング力は、これ以降に定常圧延状態の値へ変更する。
【0050】
なお、以上の説明において、上記(1)〜(4)の開始のタイミングや各条件の変更速度の値は、上記(4)が完了するよりも早く溶接部が調質圧延機に達することがないように定める必要がある。例えば、各装置の動作速度や動作距離、その時の圧延速度等から上記(1)〜(4)の所要時間を計算により予測し、溶接部をトラッキングして、動作開始タイミングを定めることができる。
【0051】
以上のような手順でミル開放,ミル停止及び圧延再開を行うことにより、圧延ロール表面に疵を発生させることなく、溶接部をミル通過させることができる。
【0052】
なお、本発明は図2に示すチャートに従って各条件の変更を行うことに限定されるものではない。例えば、図2の例では第1スタンド1aと第2スタンド1bの各動作が同時となるように行っているが、必ずしも同時である必要はない。例えば、まず第1スタンド1aのミル開放を行い、その後に第2スタンド1bのミル開放を行うことも可能である。また、ベンディング力や補助ロール4の高さの変更開始や変更完了の時期なども、支障のない範囲で図2で示されているタイミングから変更しても差し支えない。つまり、調質圧延中(調質圧延機が停止する前)にミル開放が行われ、その後に溶接部をミル通過させればよく、またミル停止後に圧延を再開すればよい。さらに、溶接部以外の位置でミル停止する場合には、調質圧延中にミル開放し、その後にミル停止すればよい。このように、上記の説明を逸脱しない範囲で、多様な実施形態をとることが可能である。
【0053】
【実施例】
図1に示す調質圧延設備を用いて、冷延鋼板の調質圧延を行った。以下に、板厚0.25mm、板幅1000mmの鋼板を調質圧延する際に、溶接部をミル通過させた実施例を説明する。
【0054】
溶接部のミル通過は、図2のチャートに示した方法に従って行った。ここで、第2スタンド1bの出側での初期の圧延速度Vは300mpm,(2)で示されている圧延荷重を下げ始める時の圧延速度は150mpmとした。また、初期の圧延荷重は、Paが500ton,Pbが1200tonとし、ミル開放時に位置制御に切り替える際の圧延荷重は、Paが50ton,Pbが100tonとした。一方、圧延再開後に荷重制御に切り替える際の圧延荷重は、Paが25ton,Pbが50tonとした。
【0055】
なお、位置制御へ切り替えた後の圧延ロール間を開放する速度は3.5mm/秒とした。また、圧延ロール間を閉める速度はその間隔が狭まるにつれて遅くなるようにし、鋼板と接触する直前には0.5mm/秒となるようにした。
【0056】
このような方法により溶接部のミル通過を行ったところ、圧延ロールに疵が発生することはなく、圧延ロールの疵に起因した表面欠陥のない冷延鋼板の製造を行うことができた。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鋼板を調質圧延するに際し、調質圧延機を停止する際、あるいは鋼板の溶接部をミル通過させる際に、圧延ロールに疵を発生させることがなく、これらに起因した表面欠陥のない鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供する調質圧延設備の一例を示す構成図
【図2】本発明の第2の実施形態に係る溶接部のミル通過前後の各操業条件変更の一例を示すチャート図
【図3】調質圧延ロールに発生するロール疵の説明図であり、(a)は溶接部を圧延して発生する疵、(b)は調質圧延機を停止してからミル開放を行う際に発生する疵
【図4】調質圧延機のワークロールとバックアップロールの接触状態を模式的に示す正面図
【図5】調質圧延機のワークロールとバックアップロールの接触点を模式的に示す説明図であり、(a)は側面図、(b)はワークロールの上面図
【符号の説明】
1  調質圧延機
1a 第1スタンド
1b 第2スタンド
2  ワークロール
3  バックアップロール
4(4a,4b)  補助ロール
5  入側テンションロール
6  出側テンションロール
11  ワークロール
12  バックアップロール
S  鋼板

Claims (4)

  1. 調質圧延機により鋼板を調質圧延する方法において、調質圧延中の状態から前記調質圧延機を停止する際、圧延速度の減速を開始した後、前記調質圧延機が停止する前に、前記調質圧延機の圧延ロール間を開放することを特徴とする鋼板の調質圧延方法。
  2. 調質圧延機により鋼板を調質圧延する方法において、鋼板の溶接部が前記調質圧延機を通過する際、あらかじめ圧延速度を減速し、前記溶接部が前記調質圧延機を通過する前に、該調質圧延機の圧延ロールを駆動させた状態で圧延ロール間を開放し、前記溶接部を通過させることを特徴とする鋼板の調質圧延方法。
  3. 開放された調質圧延機の圧延ロール間を鋼板の溶接部が通過後、通板中の鋼板の移動を停止し、前記調質圧延機の圧延ロール間を閉じた後、調質圧延を再開することを特徴とする請求項2に記載の鋼板の調質圧延方法。
  4. 調質圧延機にワークロールベンディング装置を備え、該ワークロールベンディング装置によるベンディング力を、前記調質圧延機が停止している間は一定とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鋼板の調質圧延方法。
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Cited By (5)

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