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JP2004029199A - セルロースアシレートフィルムの製造方法、それにより得られたセルロースアシレートフィルム、およびそれを用いた偏光板 - Google Patents

セルロースアシレートフィルムの製造方法、それにより得られたセルロースアシレートフィルム、およびそれを用いた偏光板 Download PDF

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JP2004029199A
JP2004029199A JP2002182719A JP2002182719A JP2004029199A JP 2004029199 A JP2004029199 A JP 2004029199A JP 2002182719 A JP2002182719 A JP 2002182719A JP 2002182719 A JP2002182719 A JP 2002182719A JP 2004029199 A JP2004029199 A JP 2004029199A
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Japan
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cellulose acylate
casting
film
dope
solution
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JP2002182719A
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English (en)
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Takahiro Moto
本 隆裕
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】ドープ膜の剥ぎ取り性に優れ、ウエッブハンドリング時にフィルムが切断するトラブルが発生せず、添加剤の泣き出しがないセルロースアシレートフィルムの製造方法を提供すること、平面性や透明性などの光学特性に優れたセルロースアシレートフィルム、及び偏光板を提供すること。
【解決手段】エチレン性不飽和モノマー及び/または官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有するセルロースアシレートドープ溶液を流延ダイより流延支持体上に流延してフィルムを製造する方法において、該流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射ブース内の酸素濃度を10%以下にすることを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法、それにより得られたセルロースアシレートフィルム、及びそれを用いた偏光板。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に光学用途に適したセルロースアシレートフィルム及びその製造方法に関する。さらにセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜の透明プラスチックフィルムは近年、偏光板の保護膜、位相差板等の光学補償フィルム、プラスチック基板、写真用支持体あるいは動画用セルや光学フィルター、さらにはOHPフィルムなどの光学材料として需要が増大している。特に最近では液晶ディスプレイが、TN、STN、TFTと品質が向上したこと、および軽量で携帯性に優れていることから、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ、携帯用端末、テレビ、さらにはデジタルスチルカメラやムービーカメラなどに広く使用されているが、この液晶ディスプレイには画像表示のために偏光板が必須となっている。液晶ディスプレイの品質の向上に合わせて、偏光板の品質向上が要求され、それと共に偏光板の保護膜である透明プラスチックフィルムもより高品質であることが要望されている。
【0003】
偏光板の保護膜などの光学用途フィルムについては、解像力やコントラストの表示品位から高透明性、低光学異方性、平面性、易表面処理性、高耐久性(寸度安定性、耐湿熱性、耐水性)、フィルム内とフィルム表面に異物がないこと、表面に傷がないか、または付きにくいこと(耐傷性)、適度のフィルム剛性を有すること(取扱い性)、適度の透水性など種々の特性を備えていることが必要である。
【0004】
これらの特性を有するプラスチックフィルムとしては、セルロースアシレート、ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などからなるフィルムが挙げられるが、生産性や材料価格等の点からセルロースアシレートが主として使用されている。特にセルローストリアセテートのフィルムは、極めて高い透明性を有しかつ、光学異方性が小さく、レターデーションが低いことから光学用途に特に有利に用いられている。
【0005】
これらのプラスチックフィルムを製膜する方法としては、溶液製膜法、溶融製膜法および圧延法など各種の製膜技術が利用可能であるが、良好な平面性および低光学異方性を得るためには、溶液製膜法が特に適している。溶液製膜法は、原料フレークを溶剤にて溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(「ドープ」と称する。)を、水平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ供給手段(「ダイ」と称する。)により流延した後、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフィルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
【0006】
しかしながらセルロースアシレートでは、添加された可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の添加剤が、製造工程中に析出して欠陥となる故障や、高温高湿に晒されることにより析出して透過率を低下させる等の故障となることが起こっていた。さらに、上記このような欠陥を引き起こすコンデンスを排除するためには、フィルム製造ラインを止めて時間をかけて清掃しなければならないため、生産性が低下するばかりでなく、またフィルムに付着した汚れ等欠陥をチェックする検査をしたり、欠陥のある箇所を切除する等の作業増、欠陥個所を切除することによる歩留まりの低下等、これら全てコストアップの要因となっていた。そこでこの故障対策として、特開2002−20410号公報では、添加剤としての効果を有する重合性モノマーをセルロースアシレートドープ中に添加して、溶液流延後に光照射により重合させて、添加剤の泣き出しを防ぐ方法が開示されている。
【0007】
しかしながら、公報記載の方法では、紫外線照射によってドープ膜からの発泡が生じ、ドープ膜の金属支持体からの剥ぎ取り性が悪く、ウエッブハンドリング時にフィルムが切断するトラブルが発生するほか、平面性が従来のセルロースアシレートフィルムに比べて悪く、ヘイズも高い欠点があることが明らかとなった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はドープ膜の剥ぎ取り性に優れ、ウエッブハンドリング時にフィルムが切断するトラブルが発生せず、添加剤の泣き出し(析出)がないセルロースアシレートフィルムの製造方法を提供することである。さらに平面性や透明性(ヘイズが低い)などの光学特性に優れたセルロースアシレートフィルムを提供することである。加えて、偏光板を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1) エチレン性不飽和モノマー及び/または官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有するセルロースアシレートドープ溶液を流延ダイより流延支持体上に流延してフィルムを製造する方法において、該流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射ブース内の酸素濃度を10%以下にすることを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(2) 前記流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射ブース内のドープ膜の温度がドープ主溶剤の沸点よりも3℃以上低いことを特徴とする(1)に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(3) 前記流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射ブース内のドープ膜の温度が幅方向に均一で中央部の温度から5℃以上離れていないことを特徴とする(1)または(2)に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(4) 前記流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射量が幅方向に均一で中央部の照射量から20%以上離れていないことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(5) 前記流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射時間を1〜300秒とすることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(6) 該エチレン性不飽和モノマーがビニルエステルを主とするものであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(7) 2〜3のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマーを含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(8) 該官能基が紫外線吸収性基及び/または帯電防止性基であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
【0010】
(9) 3員環又は4員環の環状エーテル基を有する化合物及び/または3員環又は4員環の環状エーテル基と紫外線吸収性基を有する化合物及び光重合開始剤を含有するセルロースアシレートドープ溶液を流延ダイより流延支持体上に流延してフィルムを製造する方法において、該流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射ブース内の酸素濃度を20%以下にすることを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(10) 前記流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射ブース内のドープ膜の温度がドープ主溶剤の沸点よりも3℃以上低いことを特徴とする(9)に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(11) 前記流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射ブース内のドープ膜の温度が幅方向に均一で中央部の温度から5℃以上離れていないことを特徴とする(9)または(10)に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(12) 前記流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射量が幅方向に均一で中央部の照射量から20%以上離れていないことを特徴とする(9)〜(11)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(13) 前記流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射時間を1〜300秒とすることを特徴とする(9)〜(12)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(14) 最外層のセルロースアシレート溶液が微粒子を含有することを特徴とする(1)〜(13)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(15) 該微粒子が、表面にメチル基を有する酸化ケイ素を含有する化合物からなることを特徴とする(14)に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
【0011】
(16) (1)〜(15)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法において、セルロースアシレート溶液を溶液流延製膜装置の無限移行する無端の金属支持体に流延してから乾燥装置でウェブの乾燥が終了するまでの間において、ウェブに紫外線を照射することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法、
(17) セルロースアシレート溶液を無限移行する無端の金属支持体に流延してから剥離までの間で紫外線を照射することを特徴とする(16)に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法、
【0012】
(18) (1)〜(17)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法で形成したことを特徴とするセルロースアシレートフィルム、
(19) (18)に記載のセルロースアシレートフィルムを用いたことを特徴とする偏光板。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
本発明は従来のセルロースアシレートフィルム溶液に添加され、泣き出し物質となり得る従来の添加剤に替わり、同様の効果を発現し得る特定のモノマーや重合性化合物を添加したセルロースアシレートフィルム溶液を流延し、以下に詳細に示す条件の下、光重合させて添加剤の泣き出しを抑えたフィルムを得るものである。
【0014】
(セルロースアシレート溶液の流延)
まず、本発明のセルロースアシレート溶液を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。
さらに、得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了し、巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることができる。これらの各製造工程については、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載され、流延、金属支持体、乾燥、剥離、延伸に分類される方法を用いることができる。
【0015】
ここで、本発明においては流延部の空間温度は特に限定されないが、−50〜50℃であることが好ましい。更には−30〜40℃であることが好ましく、特には−20〜30℃であることが好ましい。特に低温での空間温度により流延されたセルロースアシレート溶液は、支持体の上で瞬時に冷却されゲル強度アップすることでその有機溶媒を含んだフィルムを保持することができる。また、これにより、この後に続く光重合照射(紫外線照射)ブースにおいて紫外線照射時に発生する発泡を抑制することができる。
さらに、セルロースアシレートから有機溶媒を蒸発させることなく、支持体から短時間で剥ぎ取りことが可能となり、高速流延が達成できるものである。なお、空間を冷却する手段としては通常の空気でもよいし窒素やアルゴン、ヘリウムなどでもよく特に限定されない。またその場合の湿度は0〜70%RHが好ましく、さらには0〜50%RHが好ましい。また、本発明ではセルロースアシレート溶液を流延する流延部の支持体の温度が−50〜130℃であり、好ましくは−30〜25℃であり、更には−20〜15℃である。流延部を本発明の温度に保つためには、流延部に冷却した気体を導入して達成してもよく、あるいは冷却装置を流延部に配置して空間を冷却してもよい。この時、水が付着しないように注意することが重要であり、乾燥した気体を利用するなどの方法で実施できる。
【0016】
紫外線照射ブースは、後述する重合性モノマーに紫外線を照射するためのブースであり、流延後乾燥が終了するまでの工程に設置することが好ましく、流延ドラムあるいは、流延バンドから剥ぎ取るまでの間に設置することがより好ましい。紫外線照射ブース内は、作製フィルムの特性や紫外線照射の効率を高めるために、酸素濃度や水分量などを下げることが好ましい。好ましい酸素濃度は、20vol%以下であり、より好ましくは10vol%以下であり、さらに好ましくは5vol%以下であり、特に好ましくは2vol%以下である。水分量は、相対湿度として60%RH以下が好ましく、より好ましくは50%RH以下であり、さらに好ましくは40%RH以下であり、特に好ましくは30%RH以下である。
特に、ラジカルを発生する光重合開始剤において、酸素濃度が10vol%以上では発生したラジカルが失活して重合反応が継続せずドープ膜の剥ぎ取り性が悪く、また乾燥後のフィルム強度、ヘイズなどの光学特性が悪化する。また、水分量も60%RH以上では同様に剥ぎ取り性、フィルム強度や光学特性が悪化する。
【0017】
ブース内の温度はドープ膜の紫外線照射による温度上昇や発泡を抑えるために、予めドープ主溶剤の沸点よりも3℃低い温度((沸点−3)℃)以下とすることが好ましい。(沸点−3)℃以上では発泡が生じて金属支持体からの剥ぎ取り時に剥げ残りが起こやすく、金属支持体に異物が付着する結果となる。そうなるとフィルムの平面性に重大な欠陥を発生させる事となるほか、ヘイズなど光学特性も悪化し、ウエッブハンドリング時にフィルムが切断するトラブルも発生する可能性が高くなる。
【0018】
また、ブース内の温度は幅方向でドープ膜の温度に分布が小さいことが好ましく、全幅域で中央部温度±5℃以内であることが好ましく、より好ましくは3℃以内である。温度差が大きいと剥離ムラが生じたり、膜厚がバラつく結果となり、平面性や光学特性が悪化する。
【0019】
(光重合照射)
本発明において、セルロースアシレート溶液に含有するモノマー重合性化合物を重合させるための光重合照射について説明する。
光重合照射は後述するエチレン性不飽和モノマーまたは3員環又は4員環の環状エーテル基を有する化合物を重合させるために光重合開始剤を活性化させるために行い、放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線などが用いられる。中でも紫外線が好ましく用いられ、以下に紫外線照射について記載する。
本発明に係るエチレン性不飽和モノマー及び3員環又は4員環の環状エーテル基を有する化合物を光重合させる紫外線照射源は低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光線等を挙げることができる。紫外線を照射による光重合は、空気または不活性気体中で行うことができるが、エチレン性不飽和モノマーを使用する場合には、前述したように、酸素濃度が少ない気体が好ましく、10vol%以下が好ましい。よりに好ましくは5vol%以下であり、さらに好ましくは2vol%以下である。
【0020】
照射する紫外線の照射強度は1〜1000mW/cm程度が良く、照射量は100〜20000mJ/cm程度が好ましい。
紫外線の照射強度・照射は流延幅方向に均一であることが、金属支持体からの剥ぎ取り性の観点から好ましく、流延幅方向の中央部の照射量を100%照射量としたとき80%照射量〜120%照射量であることが好ましい。また、平面性やヘイズなどの光学特性にムラを生じることや幅方向にカールが生じることを防ぐ目的からも好ましい。照射量は、市販の照度計・照射量計を金属支持体上に設置して、流延装置を稼動させて測定することができる。
【0021】
照射時間は1秒〜300秒が好ましく、モノマー重合性化合物の硬化効率、作業効率、流延速度などから3秒〜120秒がより好ましい。照射時間が短いと硬化ムラが発生しやすく、平面性やヘイズなどの光学特性にムラを生じる。
【0022】
(膨潤工程)
始めに、前記セルローストリアセテート粒子と溶媒とを混合し、セルローストリアセテート粒子を溶媒により膨潤させる膨潤工程をおこなう。膨潤工程の温度は、−10〜55℃であることが好ましい。通常は室温で実施する。セルローストリアセテートと溶媒との比率は、最終的に得られる溶液の濃度に応じて決定する。一般に、混合物中のセルローストリアセテートの量は、5〜30重量%であることが好ましく、8〜20重量%であることがさらに好ましく、10〜15重量%であることが最も好ましい。溶媒とセルローストリアセテートとの混合物は、セルローストリアセテートが充分に膨潤するまで攪拌することが好ましい。また、膨潤工程において、溶媒とセルローストリアセテート以外の成分、例えば、可塑剤、劣化防止剤、染料や紫外線吸収剤を添加してもよい。
【0023】
(加熱工程)
次に、上記ドープを130℃以上に加熱する加熱工程を行う。加熱温度は、130℃以上、望ましくは160℃以上、最も望ましくは180℃以上である。しかしながら、250℃を超えると、ドープ中のセルローストリアセテートの分解が生じるため、フィルムの品質が損なわれ、好ましくはない。この場合において、加熱速度は、1℃/分以上であることが好ましく、2℃/分以上であることがより好ましく、4℃/分以上であることがさらに好ましく、8℃/分以上であることが最も好ましい。加熱速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加熱速度とは、加熱を開始する時の温度と最終的な加熱温度との差を、加熱開始時から最終的な加熱温度に達するまでの時間で割った値である。加熱方法は、オートクレーブ方式、多管式熱交換器、スクリュー押し出し機、スタチックミキサーなどの何れの方法であっても良い。
【0024】
また、加熱時間は、20秒以上4時間以下が好ましい。加熱時間が20秒に満たない場合、加熱溶解したドープに不溶解物が残存して高品質なフィルムを作製することができない。また、この不溶解物を濾過により取り除く場合でも、濾過寿命が極端に短くなることにより不利である。加熱時間の始期は、目的温度に達したときから測定するものとし、終期は、目的温度から冷却を開始したときとする。なお、装置の冷却は、自然冷却であっても良いし、強制的な冷却であっても良い。
【0025】
(加圧工程)
上記加熱工程において、溶液が沸騰しないように調整された圧力下で、溶媒の大気圧における沸点以上の温度までドープを加熱することが好ましい。加圧することによって、ドープの発泡を防止して、均一なドープを得ることができる。この時、加圧する圧力は、加熱温度と溶媒の沸点との関係で決定する。
【0026】
(冷却工程)
上記ドープを、加熱工程の前に、−100〜−10℃に冷却する冷却工程を行うことも、光学的性質が良好なフィルムを得るために有効である。常温で容易に溶解し得ない系と、不溶解物の多くなる系では、冷却または加熱あるいは両者を組み合わせて用いると、良好なドープを調製できる。冷却することにより、セルローストリアセテート中に溶媒を急速かつ有効に浸透せしめることができ溶解が促進される。有効な温度条件は−100〜−10℃である。冷却工程においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却時に減圧すると、冷却時間を短縮することができる。減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。また、この冷却工程は、上記加熱工程の後に実施することも本発明において有効である。なお、溶解が不充分である場合は、冷却工程から加熱工程までを繰り返して実施してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察して判断できる。
【0027】
(溶液製膜装置)
本発明の溶液製膜方法を実施する溶液製膜装置の一実施形態を図面を参照して説明する。図1は流延支持体として流延バンドを用いた溶液製膜ラインの概略図である。
【0028】
図1において、ミキシングタンク11にセルローストリアセテート、添加剤及び溶剤などを投入してドープを調製する。このミキシングタンク11は、送液ポンプ12及びフィルタ13を介して流延ダイ14に連結されている。流延ダイ14の下方には、ステンレススチール製の流延バンド15が配置されており、流延バンド15は流延部側回転ドラム16及び非流延部側回転ドラム17に巻き掛けられており、また、流延部側回転ドラム16と非流延部側回転ドラム17との間にはガイドロール18が複数設けられている。前述した紫外線照射ブース(図示せず)は流延バンド15の上方及び/又は下方あるいは剥ぎ取りロール19と最終乾燥部22の間に設置でき、酸素濃度、ドープ膜温度を制御するために置換気を導入できるようになっている。さらに、流延バンド15の上方及び下方には、流延バンド15上に流延されたドープに熱風を吹付けて乾燥させるための、乾燥風吹付け手段(図示せず)が設けられている。
【0029】
ドープを流延させる際に、流延ダイ14と流延バンド15との間隔が変動すると均一なフィルムを得ることが困難になる。そこで、本発明において流延ダイ14と流延バンド15との距離の変動が500μm以下であることが好ましい。より好ましくは、200μm以下である。距離の変動が500μmを越えるとドープの流延が不均一になり、ドープ乾燥後のフィルムの平面性が悪化する。また、この距離の変動は、流延ダイ14と流延バンド15との間にセンサー(図示しない)を設けるなどの公知のいずれの方法で測定しても良い。センサーが計測した値が、500μmを超えた場合には、以降に形成されるフィルムは不良品であるので製膜ラインを停止し、再度流延ダイ14と流延バンド15との設置方法を変更する必要がある。
【0030】
高速で流延される際、流延ダイ14の吐出口から流延バンド15に着地するまでドープの膜(以下、リボンと称する)はわずかな外乱によっても振動したり、大きな外乱があれば場合によっては破断することがある。リボンの振動は流延ダイの先端と流延支持体との間の距離の変動値、流延ドープの送液量の変動値、流延支持体の移動速度の変動値、および流延リボン前後の圧力差の変動値などにより生ずる。このリボンの振動は流延製膜したフィルムに段状ムラと呼ばれる周期的な厚みムラを生じせしめフィルムの品質上問題となる。このような品質上の問題を生じせしめないためにはが流延ダイの先端と流延支持体との間の距離の変動値、流延ドープの送液量の変動値、流延支持体の移動速度の変動値、および流延リボン前後の圧力差の変動値がいずれも2%以下とすることがのぞましい。さらに好ましくは1%以下とすることにより高品質なフィルムの製造が可能となる。
【0031】
流延ドープの流量変動は流量計もしくは圧力計により検出し、その変動量あるいはその変動値をフーリエ変換したパワースペクトルのように演算した結果が基準値内に入っているかどうかを監視することが品質管理上、のぞましい。流量、圧力変動値を計測する機器は十分な領域までの周波数応答特性を有していることがのぞましく、その周波数範囲は1ヘルツから1000ヘルツである。流量変動値が2%を超える場合には流量変動を吸収するバッファータンクなどを設置する必要がある。
【0032】
流延リボン前後の圧力変動値も同様に圧力計により検出し、その変動量あるいはその変動値をフーリエ変換したパワースペクトルのように演算した結果が基準値内に入っているかどうかを監視することが品質管理上、のぞましい。圧力変動値を計測する機器は十分な領域までの周波数応答特性を有していることがのぞましく、その周波数範囲は1ヘルツから1000ヘルツである。圧力変動値が2%を超える場合には乾燥風の風量を低下させたり、送風機と吹き出し口との間にバッファータンクを設置したダクトにすることが必要になる。
【0033】
流延支持体の移動速度の変動についても速度検出装置、例えばロータリーエンコーダーなどの装置により検出し、その変動量あるいはその変動値をフーリエ変換したパワースペクトルのように演算した結果が基準値内に入っているかどうかを監視することが品質管理上のぞましい。流量、圧力変動値を計測する機器は十分な領域までの周波数応答特性を有していることがのぞましく、その周波数範囲は1ヘルツから1000ヘルツである。流延支持体の移動速度の変動値が2%を超える場合には、モーター減速比などを変更することが必要になる。
【0034】
流延部側回転ドラム16及び非流延部側回転ドラム17の内部には、熱媒体を流通させる流路(図示せず)が形成されており、この流路に熱媒体を流通させることにより、流延バンド15の幅方向の温度を均一にするようになっている。
【0035】
前記流延ダイ14側の流延部側回転ドラム16に隣接して剥ぎ取りロール19が設けられ、さらに多数のガイドロール20が設けられた乾燥部22が配置されている。乾燥部22で乾燥されたフィルム23は、巻取りロール21によって巻き取られる。
【0036】
流延バンド15上の乾燥、流延バンド15から剥離されて搬送されながら乾燥する過程においてフィルム中の溶剤を揮発せしめるための熱エネルギーの供給が必要である。熱エネルギーを供給する手段としては高温のガスによる対流伝熱、ドラム、ロールなどを介した直接伝熱、遠赤外線やマイクロ波などの輻射伝熱などがある。
【0037】
流延バンド15上の乾燥においては流延バンド15自体からの伝導伝熱が効率および均一性の観点から最も望ましいが、乾燥した溶剤ガスを系外に運び去るためには乾燥ガスを流通して対流伝熱も同時に行うことが行われる。
【0038】
特に流延バンド15からの剥離後にテンターを用いて実質的に非接触で搬送する場合には乾燥の均一性と効率および揮発溶剤ガスの輸送のために乾燥ガスによる対流伝熱を用いる。場合によっては輻射伝熱も併用することもある。これらの方法でフィルムに熱エネルギーを供給する場合、その熱エネルギーの供給速度は総括伝熱係数が5〜200kcal・m・hr・ ℃の範囲の伝熱速度で伝達されることがのぞましい。さらにのぞましくは総括伝熱係数が10〜100kcal・m・hr・℃の範囲の伝熱速度で伝達する。総括伝熱係数が200kcal・m・hr・℃をこえるとフィルムの加熱が急速すぎて発泡が生じたり、フィルムが軟化して搬送困難となる。一方総括伝熱係数が 10kcal・m・hr・℃未満であるとフィルムの温度変化が遅く、乾燥効率が低下する。
【0039】
前記流延支持体のドープ流延部分(流延されたドープが載っている部分)と非流延部分(流延されたドープが載っていない部分、すなわち、表面が露出している部分)との温度差が5℃以下であることが好ましく、3℃以下であることがより好ましい。温度差が5℃を超えると、ドープ端部において発泡や剥離ムラが発生する恐れがある。
【0040】
また、流延支持体の左右の温度差が10℃以下であることが好ましく、5℃以下であることがより好ましい。左右の温度差が10℃を超えると、発泡や剥離ムラを発生する恐れがある。
【0041】
流延されたドープと流通する熱媒体との間(すなわち、流延支持体に流延ドラムを用いた場合は、ドープ、流延ドラム及び熱媒体間、流延支持体に流延バンドを用いた場合は、ドープ、流延バンド、回転ドラム及び熱媒体間)の総括伝熱係数が100〜3000kcal/m・hr・℃であることが好ましく、300〜2000kcal/m・hr・℃であることがより好ましい。この総括伝熱係数を調整するには、熱媒体の流量、流延支持体における熱媒体の流路から表面までの厚さ等により行うことができる。総括伝熱係数が100kcal/m・hr・℃未満であると、流延支持体の幅方向の温度分布が生じ、温度分布を均一にすることが困難であり、また、3000kcal/m・hr・℃を超えると、ドラム内部の熱媒体の流速が極度に速くなるため、キャビティーションによる損傷が発生し好ましくない。
【0042】
流延支持体に流延バンドを用いた場合、流延部直前の流延バンドを幅方向に均一に冷却するとともに、流延部直前以外の流延バンドを幅方向に均一に加熱することが好ましい。このような構成とすることにより、発泡や剥離不良を抑制しつつ、乾燥の効率を上げることが可能となる。
【0043】
流延部直前の流延バンドを幅方向に冷却するとともに、流延部直前以外の流延バンドを幅方向に均一に加熱するには、例えば、流延部側に配置した回転ドラムを冷却するとともに、非流延部側に配置した回転ドラムを加熱することにより行うことができる。この時、冷却熱媒体温度は−10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましく、加熱媒体温度は15〜80℃が好ましく、30〜50℃がより好ましい。冷却熱媒体温度が−10℃未満であると、乾燥ゾーン中の溶剤ガスが凝縮したり、水分が凝縮、氷結したりしてドラムまたはバンドが腐食したり、伝達の効率が低下する恐れがある。また、30℃を超えると、冷却効果が十分でなく、発泡や剥離不良の発生する恐れがある。加熱媒体温度が15℃未満であると、加熱効果が十分でなく、乾燥効率を低下させ剥離不良を発生する恐れがある。また、80℃を超えると、流延されたドープの温度が上昇し、発泡や剥離不良を発生する恐れがある。
【0044】
前記流延ドラム又は流延バンドを駆動、支持する回転ドラムの内部に形成された熱媒体の流路と表面との間の厚さが5〜50mmであることが好ましく、10〜40mmであることがより好ましい。厚さが5mm未満では、十分な表面平滑性が得られないものであり、また、厚さが50mmを超えると、熱伝達が著しく低下し幅方向の温度を均一にすることが困難である。
【0045】
流延バンドの厚さは、0.5〜2.0mmであることが好ましく、1.0〜1.6mmであることがより好ましい。流延バンドの厚さが0.5mm未満であると、バンドにテンションをかけた際に、バンド面にツレシワ状の凹凸が発生してバンド面の平面性を損なう恐れがある。また、厚さが2.0mmを超えると、平面性を保ちつつ駆動するために、非常に高いテンションが必要になり、バンドの耐久性を低下させる恐れがある。
【0046】
流延バンドと回転ドラムとの接触時間(接触距離)が非接触時間(非接触距離)の6%以上であることが好ましく、8%以上であることがより好ましい。接触時間が非接触時間の6%未満であると、流延バンド温度の幅方向分布を均一にすることが困難になる。
【0047】
本発明の流延製膜方法は、流延支持体温度の幅方向分布を均一にするものである。流延支持体としては、流延ドラム、流延バンド等があり、流延ドラムにおいて支持体温度の幅方向分布を均一にするには、流延ドラムの内部に熱媒体を流通させることにより行うことができ、流延バンドにおいて支持体温度の幅方向分布を均一にするには、流延バンドを駆動する回転ドラムの内部に熱媒体を流通させることにより行うことができる。また、流延バンドにおいては、回転ドラムの間に配置されたガイドロールの内部に熱媒体を流通させることもできる。
【0048】
本発明による溶液製膜方法で製膜されたフィルムは、偏光板保護膜として用いることができる。この偏光板保護膜をポリビニルアルコールなどから形成された偏光膜の両面に貼付することで偏光板を形成することができる。さらに、フィルム上に光学補償シートを貼付した光学補償フィルム、防眩層をフィルム上に積層させた反射防止膜などの光機能性膜として用いることもできる。これら製品からは、液晶表示装置の一部を構成することも可能である。
【0049】
また、本発明の溶液製膜方法は、2種類以上のドープを調整して同時重層塗布による溶液製膜法にも適用可能である。例えば、同時3層塗布においてフィルムを形成する場合、内層用のドープにはセルローストリアセテートを多めに含有させ、内層の表面と裏面に形成される外層用のドープには、比較的セルローストリアセテートを少なめに含有させる。これらドープを同時に3層を共流延法により塗布して形成されたフィルムは成型加工性が良好になる。しかしながら本発明の溶液製膜法における共流延法は、この態様に限定される訳ではない。
【0050】
さらに、本発明において特開昭52―50078号あるいは同53―134869号の各公報などに記載されているような逐次流延法も用いることができる。逐次流延法は2つ以上の流延口を支持体上に配して最初の流延口で全体の厚さよりも薄い膜厚さになるように流延し、次の流延口で残余の厚さ相当分のドープを重層して流延し、支持体上での乾燥速度を増加させて短時間で剥離することで生産性の向上を図るものである。流延口の数は2箇所以上であれば特に限定はない。
【0051】
この逐次流延法による生産性の向上を安定に達成するためには支持体上に流延されて乾燥したドープ上に流延する際に泡を巻き込まないように、また流延後にドープ面が発泡しないように流延することが極めて重要となる。これらの問題を起こさず、安定に流延を行うためには支持体上に流延され乾燥されたフィルムの温度が0〜40℃であるときに重層流延することがのぞましい。さらにのぞましくは10〜30℃である時に重層流延する。また、逐次重層流延によって単層流延よりも実質的に生産性を増加させるためには支持体上に流延され乾燥されたフィルムの残留溶剤の量が10〜150重量%の範囲にあるときに重層流延をすることがのぞましい。さらにのぞましくは30〜120重量%の範囲にあるときに重層流延をする。
【0052】
先に流延されたドープの温度が40℃以上だとその後の重層流延時に流延リボンが不安定になり、気泡を巻き込んだり、重層流延した層が発泡したりする。また、先に流延されたドープの残留溶剤量が10%以下だったり、150重量%以上だったりするとほとんど単層流延に対して生産性の向上が認められない。
【0053】
(セルロースアシレート)
本発明の溶液流延製膜に用いられる基本素材であるセルロースアシレートについて詳細に記載する。本発明のセルロースアシレートは本発明の効果を発現する限りにおいて特に限定されない。そして、本発明においては異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合して用いても良い。しかし、その中でも好ましいセルロースアシレートは以下の素材を挙げることができる。すなわち、セルロースアシレートが、セルロースの水酸基への置換度について下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートである。
(I)   2.6≦SA+SB≦3.0
(II)    2.0≦SA≦3.0
(III)    0≦SB≦0.8
式中SA及びSBはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換基を表し、SAはアセチル基の置換度、またSBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。
【0054】
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部をアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1)を意味する。本発明では、水酸基のSAとSBの置換度の総和は、より好ましくは2.7〜2.96であり、特に好ましくは2.80〜2.95である。また、SBの置換度は好ましくは0〜0.8であり、特に好ましくは0〜0.6である。さらにSBはその28%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは30%以上が6位水酸基の置換基であり、さらに好ましくは31%が、特に好ましくは32%以上が6位水酸基の置換基である。また更に、セルロースアシレートの6位のSAとSBの置換度の総和が0.8以上であり、さらに好ましくは0.85であり特に好ましくは0.90であるセルロースアシレートフィルムもあげることができる。これらのセルロースアシレートフィルムにより溶解性の好ましい溶液が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。
【0055】
本発明に用いられるセルロースアシレートの炭素数3〜22のアシル基(SB)としては、脂肪族基でもアリール基でもよく特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいSBとしては、プロピオニル、ブタノイル、ケプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso‐ブタノイル、t‐ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、好ましいSBは、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t‐ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどである。
【0056】
セルロースアシレートの合成方法の基本的な原理は、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)に記載されている。代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相酢化法である。具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却したカルボン酸化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00である)を合成する。上記カルボン酸化混液は、一般に溶媒としての酢酸、エステル化剤としての無水カルボン酸および触媒としての硫酸を含む。無水カルボン酸は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが普通である。アシル化反応終了後に、系内に残存している過剰の無水カルボン酸を加水分解するため、およびエステル化触媒を一部の中和するために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液を添加する。次に、得られた完全セルロースアシレートを少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、50〜90℃に保つことによりケン化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく水または希硫酸中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または希硫酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアシレートを得る。
【0057】
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度200〜700、好ましくは230〜550、更に好ましくは230〜350であり、特に好ましくは粘度平均重合度240〜320である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。更に特開平9−95538に詳細に記載されている。
【0058】
低分子成分が除去されると、平均分子量(平均重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100重量に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量部分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。本発明のセルロースアシレートをフィルム製造時に使用する際には、その含水率は2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.7質量%以下の含水率を有するセルロースアシレートである。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており2.5〜5質量%が知られている。本発明でこのセルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率にすることができれば特に限定されない。
本発明のこれらのセルロースアシレートは、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
【0059】
(セルロースアシレートを溶解する有機溶媒)
次に、本発明のセルロースアシレートを溶解する有機溶媒について記述する。まず、本発明のセルロースアシレートの溶液を作製するに際して好ましく用いられる非塩素系有機溶媒(塩素を含有しない有機溶媒)について記載する。本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延,製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りは非塩素系有機溶媒は特に限定されない。本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、またはエーテルから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−COO−、−CO−および−O−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
【0060】
(非塩素系有機溶媒)
以上のセルロースアシレートに用いられる非塩素系有機溶媒については、前述のいろいろな観点から選定されるが、好ましくは以下のとおりである。すなわち、本発明のセルロースアシレートの好ましい溶媒は、互いに異なる3種類以上の混合溶媒(第1の溶媒、第2の溶媒、及び第3の溶媒)であって、第1の溶媒が酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサンから選ばれる少なくとも一種またはそれらの混合液であり、第2の溶媒が炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれ、第3の溶媒として炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれ、より好ましくは炭素数1〜8のアルコールである。なお第1の溶媒が、2種以上の溶媒の混合液である場合は、第2の溶媒がなくてもよい。第1の溶媒は、さらに好ましくは酢酸メチル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチルあるいはこれらの混合物であり、第2の溶媒は、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチルが好ましく、これらの混合液であってもよい。
【0061】
第3の溶媒であるアルコールの好ましくは、直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。これらの第3の溶媒であるアルコールおよび炭化水素は単独でもよいし2種類以上の混合物でもよく特に限定されない。第3の溶媒としては、好ましい具体的化合物は、アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができ、特にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールである。
【0062】
以上の3種類の混合溶媒は、第1の溶媒が20〜95質量%、第2の溶媒が2〜60質量%さらに第3の溶媒が2〜30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜50質量%、さらに第3のアルコールが3〜25質量%含まれることが好ましい。また特に第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜30質量%、第3の溶媒がアルコールであり3〜15質量%含まれることが好ましい。なお、第1の溶媒が混合液で第2の溶媒を用いない場合は、第1の溶媒が20〜90質量%、第3の溶媒が5〜30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜86質量%であり、さらに第3の溶媒が7〜25質量%含まれることが好ましい。以上の本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、さらに詳細には発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて12頁〜16頁に詳細に記載されている。本発明の好ましい非塩素系有機溶媒の組合せは以下挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/プロパノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/ブタノール(85/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/ブタノール(60/15/15/5/6、質量部)、
・酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/1、3ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
【0064】
・ギ酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・アセトン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/1,3ジオキソラン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
・1、3ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(55/20/10/5/5/5、質量部)
などをあげることができる。
本発明に用いるドープには、上記本発明の非塩素系有機溶媒以外に、ジクロロメタンを本技術の全有機溶媒量の10質量%以下含有させてもよい。
【0065】
(塩素系有機溶媒)
また、本発明のセルロースアシレートの溶液を作製するに際しては、場合により主溶媒として塩素系有機溶媒も用いることもできる。以下に詳細に記載する。本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延、製膜できる範囲において、その塩素系有機溶媒は特に限定されない。これらの塩素系有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルムである。特にジクロロメタンが好ましい。また、塩素系有機溶媒以外の有機溶媒を混合することも特に問題ない。その場合は、ジクロロメタンは少なくとも50質量%使用することが好ましい。本発明において併用される非塩素系有機溶媒について以下に記す。すなわち、好ましい非塩素系有機溶媒としては、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、アルコール、炭化水素などから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−COO−、−CO−および−O−)のいずれかを二つ以上有する化合物も溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を同時に有していてもよい。二種類以上の官能基を有する溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
【0066】
また塩素系有機溶媒と併用されるアルコールとしては、好ましくは直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。
【0067】
以上のセルロースアシレートの溶解に用いられる主溶媒である塩素系有機溶媒と併用される非塩素系有機溶媒については、特に限定されないが、酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサン、炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステル、炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれる。なお好ましい併用される非塩素系有機溶媒は、酢酸メチル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができる。本発明の好ましい主溶媒である塩素系有機溶媒の組合せとしては以下を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
・ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、
・ジクロロメタン/酢酸メチル/ブタノール(80/10/10、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/1、3ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン (65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(70/10/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
などを挙げることができる。
【0069】
本発明のセルロースアシレートは、有機溶媒に10〜30質量%溶解している溶液であることを特徴とするが、より好ましくは13〜27質量%であり、特には15〜25質量%溶解しているセルロースアシレート溶液であることが好ましい。これらの濃度にセルロースアシレートを実施する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように実施してもよく、また予め低濃度溶液(例えば9〜14質量%)として作製した後に後述する濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予め高濃度のセルロースアシレート溶液として後に、種々の添加物を添加することで所定の低濃度のセルロースアシレート溶液としてもよく、いずれの方法で本発明のセルロースアシレート溶液濃度になるように実施されれば特に問題ない。
【0070】
(セルロースアシレート溶液の特性)
次に、本発明ではセルロースアシレート溶液を同一組成の有機溶媒で0.1〜5質量%にした希釈溶液のセルロースアシレートの会合体分子量が1万〜1500万であることが好ましい。さらに好ましくは、会合分子量が100万〜1000万である。この会合分子量は静的光散乱法で求めることができる。その際に同時に求められる慣性自乗半径は40〜200nmになるように溶解することが好ましい。さらに好ましい慣性自乗半径は70〜200nmである。更にまた、第2ビリアル係数が−2×10−4〜4×10−4となるように溶解することが好ましく、より好ましくは第2ビリアル係数が−2×10−4〜2×10−4である。ここで、本発明での会合分子量、さらに慣性自乗半径および第2ビリアル係数の定義について述べる。これらは下記方法に従って、静的光散乱法を用いて測定した。測定は装置の都合上希薄領域で測定したが、これらの測定値は本発明の高濃度域でのドープの挙動を反映するものである。まず、セルロースアシレートをドープに使用する溶媒に溶かし、0.1質量%、0.2質量%、0.3質量%、0.4質量%の溶液を調製した。なお、秤量は吸湿を防ぐためセルロースアシレートは120℃で2時間乾燥したものを用い、25℃,10%RHで行った。溶解方法は、ドープ溶解時に採用した方法(常温溶解法、冷却溶解法、高温溶解法)に従って実施した。続いてこれらの溶液、および溶媒を0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過した。そして、ろ過した溶液を静的光散乱を、光散乱測定装置(大塚電子(株)製DLS−700)を用い、25℃に於いて30度から140度まで10度間隔で測定した。得られたデータをBERRYプロット法にて解析した。なお、この解析に必要な屈折率はアッベ屈折系で求めた溶媒の値を用い、屈折率の濃度勾配(dn/dc)は、示差屈折計(大塚電子(株)製DRM−1021)を用い、光散乱測定に用いた溶媒、溶液を用いて測定した。
【0071】
本発明のセルロースアシレート溶液は、その溶液の粘度と動的貯蔵弾性率がある範囲であることが好ましい。試料溶液1mLをレオメーター(CLS 500)に直径 4cm/2°のSteel Cone(共にTA Instruments社製)を用いて測定した。測定条件はOscillation Step/Temperature Rampで 40℃〜−10℃の範囲を2℃/分で可変して測定し、40℃の静的非ニュートン粘度 n* (Pa・sec)および−5℃の貯蔵弾性率 G’(Pa)を求めた。尚、試料溶液は予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に測定を開始した。本発明では、40℃での粘度が1〜300Pa・secであり、かつ−5℃での動的貯蔵弾性率が1万〜100万Paである。より好ましくは、40℃での粘度が1〜2000Pa・secであり、かつ−5℃での動的貯蔵弾性率が3万〜50万Paであり、特に好ましくは40℃での粘度が10〜150Pa・secであり、かつ−5℃での動的貯蔵弾性率が5万〜50万Paである。
【0072】
(セルロースアシレート溶液(ドープ)の調製)
次に本発明のセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温溶解法でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301、特開昭61−106628、特開昭58−127737、特開平9−95544、特開平10−95854、特開平10−45950、特開2000−53784、特開平11−322946、さらに特開平11−322947、特開平2−276830、特開2000−273239、特開平11−71463、特開平04−259511、特開2000−273184、特開平11−323017、特開平11−302388などにセルロースアシレート溶液の調製法、が記載されている。以上記載したこれらのセルロースアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜本発明の範囲であればこれらの技術を適用できるものである。これらの詳細は、特に非塩素系溶媒系については発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている方法で実施される。さらに本発明のセルロースアシレートのドープ溶液は、溶液濃縮,ろ過が通常実施され、同様に発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
【0073】
(重合性モノマー)
本発明のセルロースアシレート溶液に添加される重合性モノマー又は重合性化合物はセルロースアシレート溶液に溶解・分散するものであれば良く、紫外線吸収能、帯電防止能、劣化防止能、剥離促進能、レターデーション調整能や可塑性、滑り性などを発現する官能基を有する多官能モノマーであることがより好ましい。
重合性モノマーとして、エチレン性不飽和モノマー及び/又は3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物を使用することができる。ここで、3員環の環状エーテル基を有する化合物としてはエポキシ基を有する化合物が挙げられ、又、4員環の環状エーテル基を有する化合物としては、オキセタニル基を有する化合物が挙げられる。
【0074】
(エチレン性不飽和モノマー)
具体的にはエチレン性不飽和モノマー及び/または官能基を有するエチレン性不飽和モノマーが好ましい一例であり、例えば、ビニルエステル類として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、バレリアン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、エナント酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル等、アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類(以下、アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類を、(メタ)アクリル酸エステル類のように略して記載することがある。)として、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、4−シアノブチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート等、ビニルエーテル類として、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等、スチレン類として、スチレン、4−〔(2−ブトキシエトキシ)メチル〕スチレン、4−ブトキシメトキシスチレン、4−ブチルスチレン、4−デシルスチレン、4−(2−エトキシメチル)スチレン、4−(1−エチルヘキシルオキシメチル)スチレン、4−ヒドロキシメチルスチレン、4−ヘキシルスチレン、4−ノニルスチレン、4−オクチルオキシメチルスチレン、2−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、4−プロポキシメチルスチレン、マレイン酸類として、ジメチルマレイン酸、ジエチルマレイン酸、ジプロピルマレイン酸、ジブチルマレイン酸、ジシクロヘキシルマレイン酸、ジ−2−エチルヘキシルマレイン酸、ジノニルマレイン酸、ジベンジルマレイン酸等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0075】
より好ましいエチレン性不飽和モノマーとしては、ビニルエステルであり、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、バレリアン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、エナント酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ソルビン酸ビニルであり、また、その他メチルルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ジメチルマレイン酸、ジエチルマレイン酸、プロピルマレイン酸、ブチルマレイン酸も好ましいモノマーである。
【0076】
本発明に有用な官能基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、ポリマーの側鎖に紫外線吸収性基や帯電防止性基を有しているものが好ましい。コポリマーとしてTgが50℃以下になるような基であれば制限されることなく用いることができる。官能基を有するエチレン性不飽和モノマーのエチレン性基としては、ビニル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましく用いられる。
【0077】
本発明に有用な紫外線吸収性基を有するエチレン性不飽和モノマーの紫外線吸収性基としては、ベンゾトリアゾール基、サリチル酸エステル基、ベンゾフェノン基、オキシベンゾフェノン基、シアノアクリレート基等を挙げることができ、本発明においては何れも好ましく用いることが出来る。特に光反応性が少なく、且つ殆ど着色のないベンゾトリアゾール基を有するモノマーが好ましい。
【0078】
本発明において、紫外線吸収性基を有するエチレン性不飽和モノマーの市販品を用いてもよいし、合成をして得てもよい。市販品としては、例えば、1−ヒドロオキシ−2−(2−ベンゾトリアゾール)−4−(2−メタクリロイルオキシエチル)ベンゼンであり、大塚化学社製の反応型紫外線吸収剤RUVA−93として市販されている。また、1−ヒドロオキシ−2−(2−ベンゾトリアゾール)−4−(2−アクリロイルオキシエチル)ベンゼンも同様に本発明で好ましく用いることができる。その他、特開2002−20410に記載の、紫外線吸収性基を有するエチレン性不飽和モノマーの市販品を用いてもよい。
【0079】
本発明に有用な帯電防止性基を有するエチレン性不飽和モノマーの帯電防止性基としては、4級アンモニウム基、スルホン酸塩の基、ポリエチレンオキサイド基等を挙げることができるが、溶解性や帯電性能の観点から4級アンモニウム基が好ましい。
【0080】
本発明における光重合して得られるポリマーに対する帯電防止性基を有するエチレン性不飽和モノマーの共重合割合は、セルロースアシレートフィルムの吸水性、耐久性、可塑性、必要な帯電防止性等から40質量%以下でよく、好ましくは5〜30質量%である。
【0081】
以下に本発明において使用できる官能基を有するエチレン性不飽和モノマーの代表例を例示するが、これらに限定されるものではない。UVMシリーズは紫外線吸収性残基を有するモノマー例を示し、ASMシリーズは帯電防止性残基を有するモノマー例を示す。
【0082】
【化1】
Figure 2004029199
【0083】
【化2】
Figure 2004029199
【0084】
【化3】
Figure 2004029199
【0085】
【化4】
Figure 2004029199
【0086】
【化5】
Figure 2004029199
【0087】
【化6】
Figure 2004029199
【0088】
【化7】
Figure 2004029199
【0089】
(光ラジカル重合開始剤)
本発明に有用な光重合開始剤としては、エチレン性不飽和モノマーがウェブ中で光重合し得る開始剤であれば制限なく使用できるが、これらの光重合開始剤は公知のものを使用し得る。また光増感剤も使用出来る。具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインシリルエーテル、メチルベンゾインホルメート、ベンジル、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、アセトフェノン、ミヒラーズケトン、α,α′−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジアセチル、エオシン、チオニン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロペン、ジクロロチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、フェニルジスルフィド−2−ニトロソフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルチアゾリルスルフィド、α−アミロキシムエステル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。本発明において、セルロースアシレートドープ組成物中にエチレン性不飽和モノマーと共に光重合開始剤を混合する場合、セルロースアシレートに対してエチレン性不飽和モノマーを5〜30質量%、また光重合開始剤をエチレン性不飽和モノマーに対して1〜30質量%程度加えるのがよい。本発明においては、光重合性のエチレン性不飽和モノマーをセルロースアシレートドープ組成物流延後、有機溶媒を多く含むウェブにおいても、またかなり乾燥が進んでいてもウェブ内で光重合を起こさせることができるが、金属支持体上で、紫外線を照射して重合させるのが好ましい。
【0090】
本発明のエチレン性不飽和モノマーと光重合開始剤を含有するセルロースアシレートドープ組成物に二つのエチレン性不飽和基を有する架橋性モノマーを含有させることにより、光重合後、しなやかさと強靱性を兼ね備えたセルロースアシレートフィルムを得ることが出来る。この二つのエチレン性不飽和基を有する架橋性モノマーとしては、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。市販品として、東亜合成社製のウレタンアクリレート(商品名、M−1310)があり、好ましく用いることができる。
【0091】
これらのポリエステルまたはポリウレタンのジ(メタ)アクリレートは、数平均分子量として、6,000〜100,000、好ましくは10,000〜80,000のものである。
【0092】
(3員又は4員環状エーテル類)
本発明のセルロースアシレート溶液に添加される重合性モノマー又は重合性化合物の別の一例はエポキシ基を有する化合物である。ここで、3員環の環状エーテル基を有する化合物としては3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物が挙げられ、又、4員環の環状エーテル基を有する化合物としては、オキセタニル基を有する化合物が挙げられる。前記の環状エーテル基を有する化合物としては、エポキシ基を有する化合物、特に脂環式エポキシ基を有する化合物が反応性が高い点で好ましい。
以下の説明において、3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物の説明において、エポキシ基を有する化合物を例に挙げて説明するが、本発明はオキセタニル基を有する化合物にも容易に拡張できるものである。
これらのエポキシ基を有する化合物もウェブ内で光重合させることができ、でき上がったフィルムに可塑性を付与することができる。エポキシ基を有する化合物としては、通常接着剤等に使用し得るものを使用することができる。
【0093】
本発明に有用なエポキシ基を有する化合物を例示すると、芳香族エポキシ化合物(多価フェノールのポリグリシジルエーテル)としては、水素添加ビスフェノールAまたはビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物のグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂(例えば、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル)、レゾールエポキシ樹脂、レゾルシノールジグリシジルエーテル等が挙げられ、又、脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートのホモポリマー、コポリマーなどがあり、その代表例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールのポリグリシジルエーテル、脂環式エポキシ化合物、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3′,4′−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3′,4′−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテル、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートと他のモノマーとの共重合物、ポリ−2−グリシジルオキシエチルアクリレート、ポリ−2−グリシジルオキシエチルメタクリレート、2−グリシジルオキシエチルアクリレート、2−グリシジルオキシエチルアクリレートまたは2−グリシジルオキシエチルメタクリレートと他のモノマーとの共重合物、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等を挙げることができ、2種以上組み合わせて使用することができる。本発明においては、上記の例示化合物に限定されず、これらから類推される化合物も含むものである。
【0094】
また、本発明において、3員又は4員環の環状エーテル基を分子内に2つ以上有する化合物以外に、3員又は4員環の環状エーテル基を分子内に1つのみ有する化合物も所望の性能に応じて配合して使用することができる。
【0095】
本発明における紫外線重合性の3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物は、ラジカル重合反応によるのではなく、カチオン重合反応により重合物、架橋構造物または網目構造物を形成する。ラジカル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため誘導期間がなく重合を速く行うことができる。
【0096】
以下に本発明において使用できる3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物の代表例を例示するが、これらに限定されるものではない。
【0097】
【化8】
Figure 2004029199
【0098】
【化9】
Figure 2004029199
【0099】
(光カチオン重合開始剤)
本発明に有用な3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物は、紫外線照射によりカチオン重合を開始する物質を生成する化合物が触媒になってカチオン重合反応が進行する。紫外線照射によりカチオン重合を開始するものとしてはルイス酸を放出するオニウム塩の複塩の一群が特に好ましい。
【0100】
かかる代表的なものは下記一般式(I)で表される化合物である。
一般式(I)
〔(R(R(R(RZ〕+w〔MeXv+w〕−w
ここで、式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、Br、Cl)、またはN=N(ジアゾ)であり、R 、R 、R 、R は同一であっても異なっていてもよい有機の基である。a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数であって、a+b+c+dはZの価数に等しい。Meはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(metalloid)であり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲンであり、wはハロゲン化錯体イオンの正味の電荷であり、vはハロゲン化錯体イオン中のハロゲン原子の数である。
【0101】
上記一般式(I)の陰イオン〔MeXv+w〕−wの具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl )等を挙げることができる。
【0102】
更に一般式MXn(OH)−の陰イオンも用いることができる。また、その他の陰イオンとしては過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CFSO )、フルオロスルホン酸イオン(FSO )、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼン酸陰イオン等を挙げることができる。
【0103】
このようなオニウム塩の中でも特に芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが、特に有効であり、中でも特開昭50−151996号、同50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号、同52−30899号、同59−55420号、同55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号、同56−149402号、同57−192429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特公昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号明細書等に記載のチオピリリウム塩等が好ましい。また、アルミニウム錯体や光分解性ケイ素化合物系重合開始剤等を挙げることが出来る。上記カチオン重合開始剤と、前記ベンゾフェノン及びその誘導体、前記ベンゾイン及びその誘導体、前記チオキサントン及びその誘導体等の光増感剤を併用することができる。この増感剤は近紫外線領域から可視光線領域に吸収極大のあるものが好ましい。
【0104】
本発明において、セルロースアシレートドープ中に3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物と共に光重合開始剤及び/または光増感剤を混合する場合、セルロースアシレートに対して3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物が5〜30質量%、また光重合開始剤が3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物に対して1〜30質量%、好ましくは1〜10質量%である。
【0105】
本発明に有用な3員又は4員環の環状エーテル基と紫外線吸収剤を有する化合物を光重合開始剤と混合してドープとしてもよいし、3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物と共に混合してドープとしてもよい。
【0106】
本発明に有用な3員又は4員環の環状エーテル基と紫外線吸収性基を有する化合物の紫外線吸収性基としては、ベンゾトリアゾール基、サリチル酸エステル基、ベンゾフェノン基、オキシベンゾフェノン基、シアノアクリレート基等を挙げることができ、本発明においては何れも好ましく用いることができる。特に光反応性が少なく、且つ殆ど着色のないベンゾトリアゾール基が好ましい。
【0107】
本発明に係る3員又は4員環の環状エーテル基と紫外線吸収性基を有する化合物を含有するセルロースアシレートドープを溶液流延製膜過程において製膜し、紫外線照射したウェブからは、紫外線吸収剤が析出あるいは揮発することがないため生産性よく、品質に優れた液晶画像表示装置用の偏光板用保護フィルムを得ることができる。また、この3員又は4員環の環状エーテル基と紫外線吸収性基を有する化合物のポリマーが前記の如くセルロースアシレートに対して耐水性を合わせ持つことがより好ましく、ポリマーのTgを50℃以下とすることが好ましい。
【0108】
本発明における光重合したポリマーを構成する紫外線吸収性基を有する化合物単位の割合は、ポリマーのセルロースアシレートとの相溶性、セルロースアシレートフィルムの機械的性質または物理的性質が同等またはそれ以上の性質、あるいは十分な紫外線吸収性能を有するのであれば、如何なるものであってもよい(1〜100質量%の範囲でよい)。
【0109】
本発明において、セルロースアシレートドープ中に3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物と共に光重合開始剤(場合によっては光増感剤も)を混合するが、セルロースアシレートに対して3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物が5〜30質量%、また光重合開始剤が3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物に対して1〜30質量%、好ましくは1〜10質量%である。
【0110】
本発明のセルロースアシレート溶液に、エチレン性不飽和化合物、光ラジカル重合開始剤、3員又は4員環の環状エーテル基を有する化合物及び光カチオン重合開始剤を添加することもできる。
【0111】
本発明のセルロースアシレート溶液に使用されるその他の添加剤としては、セルロースアシレート塗布液に溶解・分散するものであれば良く、紫外線吸収能、帯電防止能、劣化防止能、剥離促進能、レターデーション調整能や可塑性、滑り性などを発現するものを泣き出し等の問題が生じない範囲で添加することができる。従来使用されていた可塑剤や紫外線吸収剤なども添加できる。
【0112】
(可塑剤)
本発明で用いることのできる添加剤としては特に限定はない。本発明で用いることのできる可塑剤としては特に限定はないが、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を単独あるいは併用するのが好ましい。さらに、特開平11−80381号公報、同11−124445号公報、同11−248940号公報に記載されている可塑剤も添加することができる。これら可塑剤は、セルロースアシレートに対して0.1〜20重量%を含むようにドープ中に混合することが望ましい。
【0113】
(紫外線吸収剤)
また、ドープには、紫外線吸収剤を添加することもできる。特に、好ましくは一種または二種以上の紫外線吸収剤を含有することである。液晶用紫外線吸収剤は、液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。例えば、オキシベンゾフェノン系化合物,ベンゾトリアゾール系化合物,サリチル酸エステル系化合物,ベンゾフェノン系化合物,シアノアクリレート系化合物,ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物である。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物は、セルロースエステルに対する不要な着色が少ないことから、好ましい。さらには、特開平8−29619号公報に記載されているベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、あるいは同8−239509号公報に記載されている紫外線吸収剤も添加することができる。その他、公知の紫外線吸収剤を添加しても良い。これら紫外線吸収剤は、セルロースアシレートに対して0.001〜5重量%を含むようにドープ中に混合することが望ましい。例えば、特開平8−29619号公報に記載されているベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、あるいは同8−239509号公報に記載されている紫外線吸収剤も添加することができる。
【0114】
好ましい紫外線防止剤として、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ―tert―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N´−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5―ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。特に、2,6―ジ―tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5―ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が最も好ましい。また例えば、N,N´−ビス[3−(3,5−ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどのヒドラジン系化合物の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ―tert−ブチルフェニル)フォスファイトなどのリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルローストリアセテートに対して重量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
【0115】
(離型剤)
また、ドープには、離型操作を容易にするための離型剤を添加することもできる。離型剤には、高融点のワックス類、高級脂肪酸およびその塩やエステル類、シリコーン油、ポリビニルアルコール、低分子量ポリエチレン、植物性タンパク質誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。離型剤の添加量は、フィルムの表面の光沢や平滑性に影響を及ぼすため、セルローストリアセテートに対して0.001〜2重量%含有していることが好ましい。
【0116】
(フッ素系界面活性剤)
ドープには、フッ素系界面活性剤を添加することもできる。フッ素系界面活性剤は、フルオロカーボン鎖を疎水基とする界面活性剤であり、表面張力を著しく低下させるため有機溶媒中での塗布剤や、帯電防止剤として用いられる。フッ素系界面活性剤としては、C17CHCHO― (CHCHO)10−OSONa、C17SON(C)(CHCHO)16−H、C17SON(C)CHCOOK、C15COONH、C17SON(C)(CHCHO)−(CH−SONa、C17SON(C)−(CH−N(CH・I、C17SON(C)CHCHCH(CH−CHCOO、C17CHCHO(CHCHO)16−H、C17CHCHO(CH−N(CH・I、H(CF−CHCHOCOCHCH(SO)COOCHCHCHCH−(CF−H、H(CFCHCHO(CHCHO)16−H、H(CFCHCHO(CH−N(CH・I、H(CFCHCHOCOCHCH(SO)COOCHCHCHCH17、C17−C−SON(C)(CHCHO)16−H、C17−C−CSON(C)−(CH−N(CH・Iなどが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。フッ素系界面活性剤の添加量は、セルローストリアセテートに対して0.002〜2重量%含有していることが好ましい。
【0117】
(その他添加剤)
また、ドープには、必要に応じて更に種々の添加剤を溶液の調整前から調整後のいずれかの段階で添加してもよい。カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤などである。
【0118】
(マット剤等)
本発明のセルロースアシレート溶液に、微粒子のマット剤を含有させることが好ましく、製膜した後の偏光板用保護フィルムとしてのセルロースアシレートフィルムに、微粒子のマット剤が存在することによって、適度の滑りと耐擦り傷が付与させる。微粒子のマット剤はセルロースアシレート塗布液中に混合・分散して用いる。微粒子のマット剤としては、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さく出来るので好ましい。微粒子の2次粒子の平均粒径は0.01〜1.0μmの範囲で、その含有量はセルロースアシレートに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子には有機物、特にメチル基を有する化合物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下出来るため本発明においては好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類(特にメトキシシラン)、シラザン、シロキサンなどがあげられる。微粒子の平均粒径が大きい方がマット効果は大きく、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50nmで、より好ましくは7〜14nmである。これらの微粒子はセルロースアシレートフィルム中では、通常、凝集体として存在しセルロースアシレートフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させることが好ましい。二酸化ケイ素の微粒子としてはアエロジル(株)製のAEROSIL  200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812,OX50、TT600等を挙げることが出来、好ましくはAEROSIL  R972、R972V、R974、R202、R812である。これらのマット剤は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することが出来る。この場合、平均粒径や材質の異なるマット剤、例えばAEROSIL200VとR972Vを質量比で0.1:99.9〜99.9〜0.1の範囲で使用出来る。
【0119】
更に、本発明のセルロースアシレート溶液中には、酸化防止剤を含有させることが好ましく、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることが出来る。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、 N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースアシレートに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
【0120】
(剥離層)
本発明においては、回収可能なセルロースアシレート層と回収が難しいセルロースアシレート層との間に剥離層を有することが好ましい。
剥離層はモノマーや重合性化合物を有するセルロースアシレートフィルムをスリットしてセルロースアシレートフィルム半製品を製造する際に発生するセルロースアシレートフィルム屑を再利用する際に、再使用可能なセルロースアシレートと再使用が困難なモノマー及び重合性化合物の重合物を分別し、廃棄物量を減ずることができ、好ましい。
剥離層は、分離溶剤(セルロースエステル層とモノマーや重合性化合物塗布層とを分離する際に使用する溶剤)に対する溶解性がセルロースエステル層と異なるポリマーで形成されている。このポリマーは、分離溶剤によって決定されるが、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンオキサイドがある。特開平5−93976号に記載されているような、セルロースアシレートのアシレート置換率の低い素材は、本発明のセルロースアシレートとはアセトン/メタノール(70/30)に対する溶解性が異なり、好ましい一例である。
これらは、単独でも、必要によりブレンドして用いてもよい。これらのポリマーは、分子量が1万以上のものを使用可能であるが、通常は2万から80万のものを使用する。
また、ハロゲン化銀写真感光材料に用いられるゼラチンを主成分とし、ハロゲン化銀やカプラーなど素材を除いたゼラチン層も好ましい一例としてあげられる。
【0121】
剥離層の厚さは特に制限されないが、0.2〜10μmの範囲が好ましい。剥離層は、剥離層用ドープを流延することあるいは、剥離層用塗布液を塗布することにより形成される。この剥離層用ドープは、主として、上述したポリマーと有機溶剤とで構成されている。有機溶剤は、各ポリマーによって異なるが、隣接する層のドープと接したときに相分離や白濁しないような親和性を有することが必要で、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロエチレン、ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノールがある。剥離層用ドープ中のポリマーの量は、3〜50重量%が好ましく、8〜27重量%が特に好ましい。
【0122】
剥離層の分離は、剥離層の素材に応じて選択することができ、分離方法は分離溶剤に浸漬することにより分離される。こうして分離されたセルロースエステル層は通常の精製工程で処理でき、再生原料として使用できる。セルロースエステル層とモノマー重合層の分離には、比重差を利用した沈降分離、遠心分離等、公知の一般的な分離法を使用することができる。
【0123】
(セルロースアシレート積層フィルムの表面処理)
本発明においては、表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、剥離層、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10−3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000Kev下で20〜500Kgyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500Kev下で20〜300Kgyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
【0124】
アルカリ鹸化処理は、鹸化液を塗布することで行ことも好ましい。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒以上5分以下が好ましく、2秒以上1分以下がさらに好ましく、3秒以上30秒以下が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。また、塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を、連続して行うことができ、工程数を減少できる。更に、本発明で得られるセルロースアシレートフィルムは、アルカリ処理を浸漬法で実施してもよい。すなわち、アルカリ処理浴、水洗浴、酸処理浴更に水洗浴、場合によりリンス浴などを連続的あるいは間歇的に配置して、表面処理を実施できる。この場合各溶液は、塗布方式で使用される対応する溶液と内容としては、同一の組成である。
【0125】
(セルロースアシレート積層フィルムの用途)
本発明で作製されたセルロースアシレート積層フィルムの用途についてまず簡単に述べる。本発明の光学フィルムは特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
【0126】
本発明のセルロースアシレート積層フィルム(本発明において単に「セルロースアシレートフィルム」ともいう。)は、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償シートとして用いると特に効果がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。セルロースアシレートフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。本発明のセルロースアシレートフィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。本発明のセルロースアシレートフィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(△n)とセルギャップ(d)との積(△nd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。
【0127】
(光学補償シート)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、WO9848320号、特許第3022477号の各公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、WO00−65384号に記載がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell )モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。以上述べてきたこれらの詳細なセルロースアシレートフィルムの用途は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて45頁〜59頁に詳細に記載されている。
【0128】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0129】
<セルローストリアセテート溶液の仕込み>
表1に示す処方で、攪拌羽根を有するステンレス性溶解タンクに、添加剤を加えた混合溶媒によく攪拌しつつ、セルローストリアセテート粉体(平均サイズ2mm)を徐々に添加し、仕込んだ。添加後、タンクを減圧にして1時間分散し、25℃加圧状態で2時間攪拌しセルローストリアセテートを膨潤させた。なお、溶媒である酢酸メチルとエタノール、アセトン、メタノール、ブタノール及びジクロロメタンは、すべてその含水率が0.2質量%以下のものを利用した。
【0130】
【表1】
Figure 2004029199
【0131】
<セルローストリアセテートドープ溶液の調整(冷却溶解)>
上述したセルローストリアセテート溶液をスクリュー押し出し機で送液して、−70℃で10分間となるように冷却部分を通過させた。冷却は冷凍機で冷却した−80℃の冷媒(3M社製,『フロリナート』)を用いて実施した。そして、冷却により得られた溶液は、静止型混合器を設置した熱交換器により120℃まで温度を上昇させ、3分間保持した後冷却し50℃としてステンレス製の容器に移送し、50℃で2時間撹拌し脱泡を行った。この後、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で濾過し、さらに、絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社製,『FH 025』)にて濾過し、セルローストリアセテートドープ溶液を調整した。
【0132】
<セルローストリアセテートフィルムの作製及び切除>
表2に示すようにろ過したドープを無限移行する無端のステンレスベルトを有するバンド流延機にて流延幅が1000mmとなるように流延した。流延バンドは、ステンレススチール製で厚さ1.5mmのものを用いた。流延バンドと回転ドラムとの接触時間が非接触時間の12%であった。流延部のステンレスベルト支持体の温度は表2に示した。バンド流延機に設置した紫外線照射ブース内に15℃の乾燥窒素を導入し、酸素濃度をコントロールした。表2に示す量の紫外線を照射し光重合させた。ブースを出たドープ膜を80℃の乾燥風で3分間乾燥し、残留溶媒量50%でフィルムウェブを剥ぎ取り、90〜115℃で乾燥し、次にロール乾燥装置で110〜130℃で乾燥し、乾燥されたウェブを残留溶媒量を0.2質量%で巻き取り、60μmのセルロースアセテートフィルムを得た。得られた試料は端から2〜10mmの部分に高さ100μmのナーリングを実施し、長さ500mロール状に巻き取った。
また、流延ダイの先端部と流延バンドとの距離の変動は150μm以下とした。そして、実験中で流延バンド上の発泡現象とフィルムの剥ぎ取り状態について観察し、下記に示す評価を行なった。
【0133】
<偏光子の作製>
PVAフィルムをヨウ素2.0g/L、ヨウ化カリウム4.0g/Lの水溶液に25℃にて240秒浸漬し、さらにホウ酸10g/Lの水溶液に25℃にて60秒浸漬後、テンター延伸機に導入し、5.3倍に延伸し、以降幅を一定に保ち、収縮させながら80℃雰囲気で乾燥させた後テンターから離脱して巻き取った。延伸開始前のPVAフィルムの含水率は31%で、乾燥後の含水率は1.5%であった。
左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.05%未満であった。テンター出口におけるシワ、フィルム変形は観察されなかった。
得られた偏光子の550nmにおける透過率43.7%、偏光度99.97%であった。
【0134】
<偏光板の作製>
製膜したセルロースアセテートフィルムを55℃の1.5NNaOH水溶液に1分間浸漬して両面を鹸化した後、希硫酸および水で十分洗浄し、乾燥後それぞれのセルローストリアセテート側にポリビニルアルコール系粘着材を約30μの厚みに塗布し、上記偏光子の両側に貼り合わせ、さらに80℃で乾燥して偏光板を作成した。
この偏光板を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間暴露した。いずれの本発明においても偏光度は99%以上であり、十分な耐久性が認められた。
【0135】
<評価>
(発泡現象)
流延バンド上で乾燥中の発泡現象を観察した。
○:流延バンド上で発泡現象がなかった。
×:流延バンド上で発泡現象が認められた。
【0136】
(剥離状態)
流延バンドから剥ぎ取った後の状態を観察した。
○:流延バンド上にドープの剥ぎ残りがなかった。
△:流延バンドのエッジ部にドープの付着物がわずかに認められたが成長しない状態であった。
×:剥ぎ残りが成長した状態であった。
【0137】
(ヘイズ)
セルロースアセテートフィルムのヘイズは、日本電色工業(株)製、1001DP型を用いて、90℃/80%の高温高湿下で500時間保管しその前後で調べた。
【0138】
(表面粗さ(Ra))
表面粗さ(中心線平均粗さ)の算出原理は、JIS−B0601「表面粗さ」に規定されている中心線平均粗さに準じており、測定は、小坂研究所製、万能表面形状測定器、SE−3Fを用いて行った。
【0139】
(偏光度)偏光板の偏光度は、分光光度計により可視領域における並行透過率Yp、直行透過率Ycを求め、次式に基づき偏光度Pを決定した。
P=((Yp−Yc)/(Yp+Yc))1/2
【0140】
<結果>
前述した、発泡現象、剥離状態のほか、フィルムのヘイズ及び表面粗さを測定した。結果を表2に示した。
表2から本発明は発泡現象を起こさず、剥離状態も良好であり、表面粗さ及びヘイズも良好であることが確認された。特に高温高湿経時後のヘイズは悪化せず、低分子物の析出も認められないことが分かった。一方、紫外線照射ブース内の酸素濃度の高い比較例101、106は剥離状態が悪く、表面粗さ、ヘイズを悪化することが確認され、ドープ膜面温度がドープ主溶剤の沸点−3℃より高い比較例103、105は発泡現象を生じ、剥離状態も悪く、表面粗さ、ヘイズを悪化することが分かり、ドープ膜面温度が幅方向に均一でない比較例102、104は剥離状態がやや悪く、表面粗さ、ヘイズの性能が本発明よりも劣ることが理解できる。
また、照射量分布が均一でない比較例107や照射時間が本発明の請求範囲外である比較例108では剥離状態が悪く表面粗さ、ヘイズの性能が出ないことが分かる。
さらに、本発明の重合性モノマーと光重合開始剤を含有しない比較例109、110では、高温高湿経時のヘイズが悪化して、添加剤が泣き出しやすい結果が再現された。
【0141】
【表2】
Figure 2004029199
【0142】
【発明の効果】
本発明によれば、種々の要求特性を満足させる添加剤の泣き出しがなく、ヘイズ増加が少なく、耐久性悪化も無く、かつ材料の有効利用可能なセルロースアシレートフィルム及び偏光板を得ることができる。
【0143】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流延製膜方法を実施する流延製膜ラインの一実施形態の概略図である。
【符号の説明】
11 ミキシングタンク
12 送液ポンプ
13 フィルタ
14 流延ダイ
15 流延バンド
16 流延部側回転ドラム
17 非流延部側回転ドラム
18 ガイドロール
19 剥ぎ取りロール
20 ガイドロール
21 巻取りロール
22 乾燥部
23 フィルム

Claims (3)

  1. エチレン性不飽和モノマー及び/または官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有するセルロースアシレートドープ溶液を流延ダイより流延支持体上に流延してフィルムを製造する方法において、該流延支持体上のドープ溶液に紫外線を照射する際の紫外線照射ブース内の酸素濃度を10%以下にすることを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  2. 請求項1に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法で形成したことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
  3. 請求項2に記載のセルロースアシレートフィルムを用いたことを特徴とする偏光板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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