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JP2004028267A - 防振ブッシュ - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化やコストの上昇を抑えつつ、軸方向のばね比をアップさせることができる防振ブッシュを提供する。
【解決手段】主軸部材1の筒状部11の中央部に、フランジ部12と軸方向に距離を隔てて対向するブロック部14、14を設ける。主軸部材1と外筒部材2との間に介在するゴム弾性体3には、フランジ部12と反対側の端面に開口しフランジ部12側の端面近傍まで軸方向に延びるすぐり31、31を設ける。このゴム弾性体3は、主軸部材1のフランジ部12とブロック部14、14の間に位置し軸方向の荷重入力に対して変形しない不変形ゴム部32、32と、すぐり31、31の底部とフランジ部12側の端面との間に位置し不変形ゴム部32、32と外筒部材2の端部内周面とを連結する連結部33、33とを有する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のサスペンションにおいて、例えばトレーリングアームブッシュやコンプレッションロッドブッシュ等として好適に採用される防振ブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のサスペンションにおいては、アーム部材やロッド部材と車体とを防振連結するために種々の構造を有する防振ブッシュが用いられており、例えば特開平11−153180号公報や特開平10−238574号公報等に開示されているものが知られている。このような防振ブッシュは、一般に、防振連結すべき部材のいずれか一方に固定される主軸部材と、その主軸部材の外側に距離を隔てて同軸状に配置され、防振連結すべき部材のいずれか他方に固定される外筒部材と、その外筒部材と前記主軸部材の間に介在して両者を一体的に連結するゴム弾性体とで構成されている。なお、この防振ブッシュのゴム弾性体は、通常、軸直角方向のばねを90°位相がずれた方向において調整する必要があるため、主軸部材を挟んだ軸対称位置に軸方向に延びるすぐりが設けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リアサスペンションにおいて、トレーリングアームと車体の防振連結に使用されるトレーリングアームブッシュは、例えば主軸部材を取付ボルト等で車体に固定するとともに、外筒部材をトレーリングアームに設けられた装着孔に圧入固定することにより取付けられ、ブッシュの軸方向が自動車の略前後方向となり、ゴム弾性体のすぐりが自動車の略上下方向に位置する状態に配置される。このようにブッシュが配置されることにより、自動車の旋回時においては、ゴム弾性体の軸直角方向と軸方向のばね作用が調和して、リアタイヤをトーインさせるように機能する。通常、ブッシュの軸直角方向(自動車の上下方向)と軸方向(自動車の前後方向)のばね比は1:0.4程度に設定されている。しかし、自動車の前後方向(ブッシュの軸方向)のばねが低いと、リアタイヤのトーインが遅れてしまうため、その現象を抑えるためには、ブッシュの軸方向のばねをアップさせる必要がある。
【0004】
従来より行われている軸方向のばね比をアップさせる手法としては次の方法がある。
(1)ゴム弾性体のゴム硬度アップ……ゴム弾性体の軸方向長さや径方向厚み幅等を調整してゴム硬度をアップすることで軸方向のばねをアップさせる。
(2)軸方向ストッパの追加(特開平11−153180号公報等)……外筒部材等に軸方向の変位を規制する弾性ストッパを設け、その弾性ストッパのばねにより軸方向のばねをアップさせる。
(3)ゴム弾性体の軸方向圧縮部の追加(特開平11−182598号公報等)……主軸部材及び外筒部材の一端側に軸方向に対向するフランジ部をそれぞれ設け、両フランジ部間にゴム弾性体の一部を配置して軸方向圧縮部を設けることで軸方向のばねをアップさせる。
【0005】
しかし、(1)ゴム弾性体のゴム硬度アップの場合には、耐久性やゴム硬度等の特性からばね比のアップ幅が少ないという問題がある。また、(2)軸方向ストッパの追加の場合や、(3)ゴム弾性体の軸方向圧縮部の追加の場合には、大型化したり、コストが上昇したりする問題がある。
【0006】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、大型化やコストの上昇を抑えつつ、軸方向のばね比をアップさせることができる防振ブッシュを提供することを解決すべき課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段、発明の作用及び効果】
上記課題を解決する請求項1記載の発明に係る防振ブッシュは、筒状部と該筒状部の一端から径方向外方に延出するフランジ部と該フランジ部と軸方向に距離を隔てて前記筒状部の中央部に設けられたブロック部とを有する主軸部材と、該主軸部材の外側に距離を隔てて同軸状に配置された外筒部材と、前記主軸部材と前記外筒部材との間に介在して両者を一体的に連結し、前記フランジ部と反対側の端面に開口し前記フランジ部側の端面近傍まで軸方向に延びるすぐりを有するゴム弾性体と、から構成され、該ゴム弾性体は、前記フランジ部と前記ブロック部の間に位置し、軸方向の荷重入力に対して変形しない不変形ゴム部と、前記すぐりの底部と前記フランジ部側の端面との間に位置し、前記不変形ゴム部と前記外筒部材の端部内周面とを連結する連結部とを有するという手段を採用している。
【0008】
本発明の防振ブッシュは、ゴム弾性体にすぐりや不変形ゴム部及び連結部が設けられていることにより軸方向のばねが高められるため、軸直角方向のばねに対する軸方向のばね比を高めることができる。この場合、不変形ゴム部が主軸部材のフランジ部とブロック部の間に設けられ、連結部がその不変形ゴム部と外筒部材の端部内周面とを連結するように設けられていることから、前記従来のように、軸方向ストッパを追加したり、ゴム弾性体の軸方向圧縮部を追加したりする場合に比べ、大型化やコストの上昇が回避される。
【0009】
したがって、本発明の防振ブッシュによれば、大型化やコストの上昇を抑えつつ、軸方向のばね比をアップさせることができる。
【0010】
請求項2記載の発明に係る防振ブッシュは、請求項1記載の発明において、前記ブロック部の径方向外方への突出先端は、前記フランジ部の外周端より内側に位置しているという手段を採用している。
【0011】
この手段によれば、ゴム弾性体に入力した軸方向の荷重がフランジ部の抵抗を受けることにより逃げ難い構造になるため、フランジ部とブロック部の間に設けられる不変形ゴム部を有利に設けることができる。
【0012】
請求項3記載の発明に係る防振ブッシュは、請求項1又は2記載の発明において、前記連結部は、前記不変形ゴム部よりも軸方向内側にずれた状態に形成されているという手段を採用している。
【0013】
この手段によれば、連結部は、軸方向の入力に対して圧縮成分が加わる構造になるため、ゴム弾性体の軸方向のばねを効果的に高めることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0015】
図1は本実施形態に係る防振ブッシュの軸方向に沿う断面図であって図2のI−I線矢視断面図であり、図2はその防振ブッシュの図1の左側面図である。
【0016】
本実施形態の防振ブッシュは、図1及び図2に示すように、筒状部11とフランジ部12と一対のブロック部14、14とを有する主軸部材1と、主軸部材1の外側に距離を隔てて同軸状に配置された外筒部材2と、主軸部材1と外筒部材2との間に介在して両者を一体的に連結し、軸方向に延びる一対のすぐり31、31と2箇所に設けられた不変形ゴム部32、32及び連結部33、33とを有するゴム弾性体3とから構成されている。
【0017】
主軸部材1の筒状部11は、鋼鉄等の金属によりストレートな厚肉円筒状に形成されている。この筒状部11の一端部には、径方向外方に延出するリング状のフランジ部12が筒状部11と一体に形成されている。そして、筒状部11の中央部外周には、円筒部13と、その円筒部13の外周面から径方向外方に突出する一対のブロック部14、14とからなる鋼鉄等の金属により一体に形成されたブロック部材が嵌合固定されている。
【0018】
一対のブロック部14、14は、筒状部11を間に挟んで軸対称となる位置に設けられている。このブロック部14、14は、筒状部11の軸方向長さの略1/2の長さで、筒状部11の外径と略同じ幅をもち、断面が円弧状となるブロック体に形成されている。このブロック部14、14は、径方向外方への突出先端面(外周面)がフランジ部12の外周端よりも少し内側に位置する大きさに形成されており、その軸方向一端面がフランジ部12と距離を隔てて対向するように配置されている。
【0019】
外筒部材2は、鋼鉄等の金属によりストレートな薄肉円筒状に形成されている。この外筒部材2は、主軸部材1のフランジ部12の外径よりも大きい内径をもち、ブロック部14、14よりも長く筒状部11よりも短い長さに形成されている。この外筒部材2は、ブロック部14、14と径方向に重なり合う位置で主軸部材1の外側に距離を隔てて同軸状に配置されている。
【0020】
ゴム弾性体3は、ゴム材料を主軸部材1及び外筒部材2とともに一体加硫成形することにより、主軸部材1と外筒部材2の間に介在して略円筒状に形成されている。このゴム弾性体3は、主軸部材1の外周面(フランジ部12の内側端面を含む)と外筒部材2の内周面に加硫接着されていることにより両者を一体的に連結している。このゴム弾性体3の各ブロック部14、14の外側部分には、フランジ部12と反対側の端面に開口し、フランジ部12側の端面近傍まで軸方向に延びる一対のすぐり31、31が設けられている。このすぐり31、31は、各ブロック部14、14のフランジ部12側端面よりも少し内側位置まで延び、各ブロック部14、14をそれぞれ囲むようにして形成されている。
【0021】
このゴム弾性体3は、主軸部材1のフランジ部12とブロック部14、14の間部分に設けられて軸方向の荷重入力に対して殆ど変形しない不変形ゴム部32、32を有する。なお、不変形ゴム部32、32は、軸直角方向の荷重入力時においてはこの不変形ゴム部32、32と連結される連結部33、33の変形にともなって僅かではあるが圧縮や引っ張り或いは剪断等で変形する。この不変形ゴム部32、32は、ブロック部14、14の軸方向一端面の形状と略同じ大きさに形成されている。そして、各すぐり31、31の底部とフランジ部12側の端面との間には、各不変形ゴム部32、32と外筒部材2の端部内周面とを連結する連結部33、33がそれぞれ設けられている。この連結部33、33は、ゴム弾性体3のフランジ部12側端面の内周側部分が外周側へ向かうに連れて軸方向内側へ近づくように傾斜していることから、不変形ゴム部32、32よりも軸方向内側にずれた状態に形成されている。
【0022】
なお、ゴム弾性体3が上記のように構成されていることにより、本実施形態の防振ブッシュは、軸直角方向(すぐり31、31を結ぶ方向であって自動車の上下方向)と軸方向(自動車の前後方向)のばね比が1:0.6となるように設定されている。また、不変形ゴム部32、32がフランジ部12とブロック部14、14の間に設けられ、連結部33、33が不変形ゴム部32、32と外筒部材2の端部内周面とを連結するように設けられていることから、前記従来のように、軸方向ストッパを追加したり、ゴム弾性体の軸方向圧縮部を追加したりする場合に比べ、大型化やコストの上昇が回避されている。
【0023】
以上のように構成された本実施形態の防振ブッシュは、リアサスペンションにおいて、トレーリングアームと車体を防振連結するトレーリングアームブッシュとして使用される。この場合、例えば主軸部材1を取付ボルト等で車体に固定するとともに、外筒部材2をトレーリングアームに設けられた装着孔に圧入固定することにより取付けられ、防振ブッシュの軸方向が自動車の略前後方向となり、ゴム弾性体3の一対のすぐり31、31が自動車の略上下方向に位置する状態に配置される。
【0024】
そして、トレーリングアームと車体の間に発生する振動(相対変位)を、ゴム弾性体3の弾性変形により吸収して、他方の部材への振動伝達を低減する。また、自動車の旋回時においては、ゴム弾性体3の軸直角方向と軸方向のばね作用が調和して、リアタイヤをトーインさせるように機能する。このとき、本実施形態の防振ブッシュは、ゴム弾性体3にすぐり31、31や不変形ゴム部32、32及び連結部33、33が上記のように設けられていることにより軸方向のばねが高められ、軸直角方向のばねに対する軸方向のばね比が高められているため、リアタイヤのトーインの遅れは抑制される。
【0025】
以上のように、本実施形態の防振ブッシュによれば、ゴム弾性体3は、上記のように設けられたすぐり31、31や不変形ゴム部32、32及び連結部33、33とを有するため、大型化やコストの上昇を抑えつつ、軸方向のばね比をアップさせることができ、自動車の旋回時におけるリアタイヤのトーインの遅れを抑制することができる。
【0026】
また、本実施形態における主軸部材1のブロック部14、14は、径方向外方への突出先端面(外周面)がフランジ部12の外周端より内側に位置するように設けられていることから、ゴム弾性体3に入力した軸方向の荷重がフランジ部12の抵抗を受けることにより逃げ難い構造にすることができる。これにより、フランジ部12とブロック部14、14の間に設けられる不変形ゴム部32、32を有利に設けることができる。
【0027】
また、本実施形態における連結部33、33は、不変形ゴム部32、32よりも軸方向内側にずれた状態に形成されていることから、軸方向の入力に対して圧縮成分が加わる構造になるため、ゴム弾性体3の軸方向のばねを効果的に高めることが可能となる。
【0028】
なお、本実施形態における主軸部材1のブロック部14、14は、金属よりなる剛体のものであるが、これに代えて、例えば硬質樹脂等の剛体で形成することができる。また、本実施形態では、一対のブロック部14、14が軸対称となる位置に配設されているが、ブロック部14の数を増やして周方向に断続的に設けてもよく、或いはブロック部14を周方向に連続して繋がるようにリング状に形成して周方向の全域に設けるようにしてもよい。
【0029】
また、本実施形態における主軸部材1のフランジ部12は、リング状に形成されて周方向の全域に設けられているが、ブロック部14、14と軸方向において対向する位置に部分的に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る防振ブッシュの軸方向に沿う断面図であって図2のI−I線矢視断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る防振ブッシュの図1の左側面図である。
【符号の説明】
1…主軸部材   2…外筒部材      3…ゴム弾性体
11…筒状部      12…フランジ部   13…円筒部
14…ブロック部   31…すぐり      32…不変形ゴム部
33…連結部

Claims (3)

  1. 筒状部と該筒状部の一端から径方向外方に延出するフランジ部と該フランジ部と軸方向に距離を隔てて前記筒状部の中央部に設けられたブロック部とを有する主軸部材と、
    該主軸部材の外側に距離を隔てて同軸状に配置された外筒部材と、
    前記主軸部材と前記外筒部材との間に介在して両者を一体的に連結し、前記フランジ部と反対側の端面に開口し前記フランジ部側の端面近傍まで軸方向に延びるすぐりを有するゴム弾性体と、から構成され、
    該ゴム弾性体は、前記フランジ部と前記ブロック部の間に位置し、軸方向の荷重入力に対して変形しない不変形ゴム部と、前記すぐりの底部と前記フランジ部側の端面との間に位置し、前記不変形ゴム部と前記外筒部材の端部内周面とを連結する連結部とを有することを特徴とする防振ブッシュ。
  2. 前記ブロック部の径方向外方への突出先端は、前記フランジ部の外周端より内側に位置していることを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
  3. 前記連結部は、前記不変形ゴム部よりも軸方向内側にずれた状態に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の防振ブッシュ。
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