JP2004027174A - 低温加工性に優れるシートおよびフィルム用樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温での加工性、耐候性、各種の強度特性に優れるとともに、延伸フィルムの自然収縮が少ないとの特長を有する低温加工シートおよびフィルム用樹脂を提供することを課題とする。
【解決手段】連続プロセスのラジカル重合法によって得られ、下記(a)〜(e)の特徴を有するスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主体とする低温加工シートおよびフィルム用樹脂を用いる。
(a)重合体の結合単位がスチレン系単量体の結合単位 60〜97重量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体の結合単位40〜3重量%、
(b)重合体の重量平均分子量が15万〜55万の範囲、
(c)重合体における分子量5万以下の重合体成分が8重量%未満、
(d)重合体に含まれるスチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ含有する分子量250〜400の低分子量成分の含有量が0.65重量%超え、2.5重量%未満の範囲。
(e)重合体のビカット軟化温度が50〜99℃の範囲。
【選択図】 なし
【解決手段】連続プロセスのラジカル重合法によって得られ、下記(a)〜(e)の特徴を有するスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主体とする低温加工シートおよびフィルム用樹脂を用いる。
(a)重合体の結合単位がスチレン系単量体の結合単位 60〜97重量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体の結合単位40〜3重量%、
(b)重合体の重量平均分子量が15万〜55万の範囲、
(c)重合体における分子量5万以下の重合体成分が8重量%未満、
(d)重合体に含まれるスチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ含有する分子量250〜400の低分子量成分の含有量が0.65重量%超え、2.5重量%未満の範囲。
(e)重合体のビカット軟化温度が50〜99℃の範囲。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた低温加工性と樹脂性能を有するシートおよびフィルム用樹脂に関する。特に、低い温度でのシートおよびフィルムの延伸加工性に優れ、かつ強度性能にも優れるとの特長を有する低温加工シートおよびフィルム等の用途に適する樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂は、その優れた成形加工性と樹脂性能のバランスにより、電気製品等の各種工業材料、雑貨、緩衝材、断熱材および食品容器等に広く用いられる。更には、近年はシートあるいはフィルム状に加工して、あるいは更に二次加工して、食品包装および食品容器のラベル等として用いられ、その伸びは大きい。
この種の用途において、シートおよびフィルムあるいは更に二次加工した成形品は、透明で延伸性、強度特性に優れたものが望まれる。スチレン系樹脂シートおよびフィルムは、未延伸では強度的に使いものにならないが、延伸によって優れた透明性、表面光沢をもつ、強靱で腰に強いシートおよびフィルムにすることができる。一般に、より低温でシーティングや延伸を行い、更には低温で二次加工する方策がとられる。
【0003】
しかし、スチレン系樹脂の代表であるポリスチレン樹脂は、軟化温度がやや高く、また硬くて脆い性質のため、シートまたはフィルムへの加工性に劣る。具体的には、低温でシーティングや延伸、更には低温での二次加工において、ポリスチレン樹脂は伸びが小さく、シートが破断し易い等、加工性に劣る。それ故、強度特性に優れた高延伸倍率のシートおよびフィルムを得ることは極めて難しい。
更には、使用環境によってはポリスチレン樹脂は耐候性にも問題があり、改善が求められている。
この種の用途において、ポリスチレン樹脂の欠点を改善した技術として、スチレン系単量体と、アクリル酸エステル単量体またはメタアクリル酸エステル単量体(以後、(メタ)アクリル酸エステル単量体と略す。)からなる共重合樹脂が既に知られている。
【0004】
スチレンに(メタ)アクリル酸エステルを共重合することで、軟化温度を比較的自由に低下させることができ、かつポリスチレン樹脂の硬くて脆い欠点を改善できる。スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂を成形、加工して得られるシートあるいはフィルムは、一般に強度特性にも優れることが、既に知られている。
具体的には、「ビニル芳香族炭化水素系組成物」に関するもので、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体等((メタ)アクリル酸エステル単量体を含む。)の共重合体と、スチレン−共役ジエンのブロック共重合体(以後、スチレン系ブロック共重合体と略す)との組成物で、フィルム状の冷間延伸加工において、延伸特性および耐クラック性等に優れるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、「低温収縮フィルムおよびその製造方法」に関するもので、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体等の共重合体と、スチレン系ブロック共重合体との組成物を一軸に延伸した低温収縮性フィルムで収縮性能、とりわけ低温収縮性能、低温収縮応力、腰硬さ、光学特性、耐クラック特性、寸法安定性等に優れるものがある(例えば、特許文献2参照)。
更に、「スチレン系共重合体組成物」に関するもので、具体的にはスチレン−アクリル酸n−ブチルエステル共重合体と、限定された構造あるいは特性を有するスチレン系ブロック共重合体との重合体組成物より成るシートおよびフィルムで、ゲル(フィッシュアイ)が少なく、物性バランスに優れるものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−025701号公報
【特許文献2】
特開平03−012535号公報
【特許文献3】
特開2001−002870号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらのスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、あるいはこの樹脂を用いた組成物は、従来のポリスチレン樹脂の問題点を大きく改善するものであるが、市場要求を完全に満足させるものではなかった。市場には更に成形加工性および各種樹脂物性に優れる樹脂材料の要求があった。
即ち、低温での加工性、耐候性、各種の強度特性に優れるとともに、延伸フィルムの自然収縮が少ないとの特長を有する低温加工シートおよびフィルム用樹脂を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題解決について鋭意検討の結果、限定された構造を有するスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主体とする樹脂を用いることによって、従来技術の課題を改善できることを見出した。
本発明は特許請求の範囲の請求項にも示すところである。即ち、
連続プロセスのラジカル重合法によって得られ、下記(a)〜(e)の特徴を有するスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主体とする低温加工シートおよびフィルム用樹脂。
(a)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の結合単位がスチレン系単量体の結合単位 60〜97重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体の結合単位40〜3重量%とからなる、
(b)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量が15万〜55万の範囲である、
(c)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体における分子量5万以下の共重合体成分が8重量%未満である、
(d)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に含まれるスチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ含有する分子量250〜400の低分子量成分の含有量が0.65重量%を超え、2.5重量%未満の範囲である、
(e)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のビカット軟化温度が50〜99℃の範囲である。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
スチレン系重合体の重合方法は、ラジカル重合法、アニオン重合法およびカチオン重合法等が、技術的に公知である。しかし工業的な重合法は、特殊な立体規則性スチレン重合体の重合を除いて、ラジカル重合法に限定される。
スチレン系樹脂のラジカル重合法をプロセスから分類すると、塊状重合法、溶液重合法、縣濁重合法および乳化重合法が公知であり、それぞれに特徴があって、工業的にも実施されている。また、開始剤の面から分類すると熱ラジカル重合法、開始剤ラジカル重合法が公知である。
縣濁重合法は水中にモノマーを分散させ、かつ開始剤を用いて重合する方法である。混合性や除熱性に優れるが、分散剤の添加が必要であり、分散剤が製品にコンタミする。また、コスト的に不利なこと等から、実施は限定されている。塊状重合法と溶液重合法とは、それぞれ目的に応じて広く利用される。
【0010】
熱ラジカル重合法は、スチレンモノマー液を加熱して熱ラジカルを発生させ、重合を開始させる方法で、低コストおよび不純物が入り難いこと等に特長を有する。これに対して、開始剤ラジカル重合法ではラジカル開始剤を使用する。使用されるラジカル開始剤は、通常は熱的に分解してラジカルを発生する化合物で、有機過酸化物やアゾ化合物等が知られる。この方法ではラジカル開始剤の分解温度、ひいては重合温度をある程度自由に設定できるとの特徴を有するが、開始剤コスト的にやや不利となる。
それ故、現在は不純物のコンタミが少ないこと、コスト的に有利なこと等により、塊状の熱重合法が工業的に多用されている。
【0011】
スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造においては、先に挙げた特開昭62−025701号公報および特開平03−012535号公報の具体的開示は熱ラジカル重合法である。重合プロセスの具体的な記載はないが、文脈よりバッチプロセスと推量できる。特開2001−002870号公報はバッチプロセスの開始剤ラジカル重合を開示している。
本発明におけるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造法は、連続プロセスのラジカル重合法が好ましい。特に好ましくは、連続プロセスの熱ラジカル重合法である。
【0012】
一般に反応性の大きく異なる単量体をバッチプロセスで共重合すると、重合初期の段階では反応性の高いモノマーが相対的に多く重合し、重合後期に反応性の低い単量体が残存し、相対的に多く重合することになる。それ故、バッチプロセスのスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、重合体鎖間の組成分布が大きい。例えば、スチレン(M1)とブチルアクリレート(M2)の共重合性比は、r1=0.48、r2=0.15となる。組成分布が大きいと、低温加工性、特に冷延伸時の伸びが大幅に小さくなり好ましくない。
これに対して、連続重合プロセスでは、攪拌混合により流れに対するバックミキシングが期待できるため、組成分布は大幅に縮小できる。このためかバッチプロセスで得られるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、特定の性能、例えば低温シーティング時の伸び等の低温加工性が顕著に低下して、好ましくない。
連続重合法とは、一基もしくは二基以上の重合槽を直列に連結し、重合槽の一端から原材料を連続的に供給し、他端より生成物を連続的に抜き出す重合法である。原材料フィードおよび生成物抜き出しは、それぞれ一箇所もしくは数カ所に分割しても構わない。
【0013】
本発明におけるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造法は、好ましくは連続プロセスの熱ラジカル重合法である。熱ラジカル重合法にすることによって、得られる重合体の低分子量成分、具体的にはスチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ含有する分子量250〜400の低分子量成分を増大できる。これらのオリゴマー成分は、重合体との相溶性に極めて優れる可塑剤として働き、樹脂物性を保持し、かつ樹脂の流動特性を顕著に改善できる。
しかし、本発明の目的を達成できる範囲で、ラジカル開始剤を併用しても構わない。この場合のラジカル開始剤の使用量は、好ましくは100ppm未満、好ましくは50ppm未満、特に好ましくは5ppm未満である。ラジカル開始剤を併用することによって、重合体中のオリゴマー成分含量を制御でき、場合により好ましい。
【0014】
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物とアゾ化合物等が挙げられる。特に好ましいラジカル開始剤は有機過酸化物である。
有機過酸化物の種類は、実施する重合温度での半減期が好ましくは10分から10時間の化合物から選ばれる。重合温度条件にもよるが、更に好ましくは10時間の半減期を得る温度が60〜130℃の範囲、特に好ましくは80〜110℃の範囲の有機過酸化物から選ばれる。
具体的な好ましい有機過酸化物の例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが挙げられる。
【0015】
また、重合時に連鎖移動剤や分子量調整剤を添加することもできる。これらの連鎖移動剤や分子量調整剤は、スチレン重合体製造において公知の連鎖移動剤や分子量調整剤から選ぶことができる。これらの具体的化合物として、四塩化炭素等の有機ハロゲン化合物、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン化合物、α−メチルスチレンダイマー等のベンゼン環に対する瘉ハ 炭素に活性水素を有する化合物が挙げられる。最も好ましい化合物はアルファーメチルスチレンダイマーである。
【0016】
重合は、無溶媒もしくは少量の有機溶媒を使用して実施される。好ましい有機溶媒は、得られるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を溶解可能で、重合反応時のラジカルに対する反応性が低く、かつ重合後に溶媒の加熱除去が容易な有機化合物から選ばれる。この好ましい例としてC6〜C10の芳香族炭化水素化合物および脂環族炭化水素化合物が挙げられる。具体的にはトルエン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。また、一部に鎖状脂肪族炭化水素を含んでいても構わない。
【0017】
重合溶媒の使用量は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100重量当たり、好ましくは100重量部以下、更に好ましくは50重量部以下、特に好ましくは30重量部以下である。
重合温度は、一般に80〜180℃の範囲で実施される。好ましくは90〜170℃の範囲、特に好ましくは100〜160℃の範囲である。過度に高い重合温度は、得られる重合体の分子量低下や重合反応の暴走をもたらし、好ましくない。また、過度に低い温度は、重合速度が極めて低く、また製造時の重合液の粘度が著しく増大し、混合が困難となる等実用的でない。
【0018】
本発明におけるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を構成する単量体は、基本的にスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体からなる。
スチレン系単量体は、スチレンの他に、少量の公知のビニル芳香族単量体を共重合して含んでいても構わない、この例としてα−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、およびこれらの混合物等を挙げることができる。
【0019】
(メタ)アクリル酸エステル単量体には、C1〜C8の範囲のアルコールとアクリル酸およびメタアクリル酸のエステル化合物から選ばれる。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸ペンチル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸シクロヘキシル等を挙げることができる。
またこれらの化合物の内、2種以上の組み合わせで用いても構わない。メタクリル酸メチルを用いる場合は、軟化温度を調整するため、他の(メタ)アクリル酸エステルと組み合わせて用いることが好ましい。
【0020】
低温加工性、耐候性、強度等のバランスの面で、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチルが更に好ましく、アクリル酸n−ブチルが最も好ましい。アクリル酸ブチルを用いることによって、得られる低温加工性シートおよびフィルム等の加工性や物性バランスが最も優れる。
本発明におけるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を構成する単量体は、本発明の目的を阻害しない範囲で、共重合可能な他のビニル系単量体を含んでいても構わない。
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の結合単位は、スチレン系単量体の結合単位60〜97重量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体の結合単位40〜3重量%の範囲でなければならない。好ましくは、スチレン系単量体の結合単位が65〜95重量%、更に好ましくは70〜93重量%、特に好ましくは75〜90重量%の範囲であり、残余の成分は(メタ)アクリル酸エステル単量体の結合単位である。
【0021】
スチレン系単量体の結合単位が60重量%未満では、得られる樹脂の耐熱性が低下する。具体的には使用時に熱的変形や延伸フィルムの自然収縮が起こり易く、好ましくない。また、スチレン系単量体の結合単位が97重量%を越えると、冷間延伸加工時の適正温度幅が著しく狭まり、また強度性能が低下して好ましくない。更には、(メタ)アクリル酸エステルの導入量の低下に伴い、耐候性が低下するため、耐候性を必要とする用途に不向きとなる。
【0022】
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量は、15万〜55万の範囲でなければならない。好ましくは18万〜50万の範囲、特に好ましくは20万〜45万の範囲である。スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量が15万未満では、得られる樹脂の各種の強度性能、特に耐衝撃性、引張強度性能が著しく低下して、好ましくない。また、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量が55万を越えると、得られる樹脂の加工性、特に成型加工性が著しく低下して、やはり好ましくない。
【0023】
更に、重量平均分子量/数平均分子量の比は好ましくは1.5〜3.9範囲、特に好ましくは1.8〜3.2範囲である。Z平均分子量/重量平均分子量の比は好ましくは1.4〜3.1の範囲であり、特に好ましくは1.7〜2.8の範囲である。
分子量分布があまりに狭いと、加工性、特にフィルムおよびシートの高延伸倍率の延伸加工が困難となり好ましくない。分子量分布があまりに広いと、強度性能、例えば表面硬度が低下して好ましくない。
また、MFR(ISO R1133に準拠して測定(条件:200℃、荷重5kgf))は1〜20g/10分の範囲が好ましく、2〜15g/10分の範囲が特に好ましい。この範囲内に設定することにより、得られるシートおよびフィルム、更に二次加工して得られる成形品の厚み斑が少なる。また、低温での高延伸倍率の加工が可能となり、強度性能にも優れて好ましい。
【0024】
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に含まれる分子量5万以下の重合体成分は8重量%未満でなければならない。好ましくは1〜7重量%の範囲、特に好ましくは2〜6重量%の範囲である。
分子量5万以下の重合体成分が8重量%を越えると、強度性能、例えば表面硬度が低下し、更に延伸フィルムの自然収縮率が大幅に増加して好ましくない。また、分子量5万以下の重合体成分は1重量%未満では、流動性、例えば押し出し加工性等が低下して、場合により好ましくない。
【0025】
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のスチレン系単量体の含有量は、500ppm未満でなければならない。好ましくは300ppm未満、更に好ましくは200ppm未満、特に好ましくは100ppm未満である。
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のスチレン系単量体の含有量が500ppm以上では、成型加工時の金型やノズル等の汚染が起こり易く、更に成型体表面に対する印刷性の低下が起こり、好ましくない。
【0026】
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量は、500ppm未満でなければならない。好ましくは300ppm未満、更に好ましくは200ppm未満、特に好ましくは100ppm未満である。
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量が500ppm以上では、成型加工時の金型やノズル等の汚染が起こり易なる。また得られる樹脂の耐候性が低下し、場合により臭気を来す場合があり好ましくない。
重合体に含まれるスチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ含有する分子量250〜400の低分子量成分の含有量が0.65重量%を超え、2.5重量%未満の範囲でなければならない。
【0027】
これらの分子量250〜400の低分子量成分は、重合体との相溶性に極めて優れる可塑剤として働き、樹脂物性を保持し、かつ樹脂の流動特性を顕著に改善できる。これに対して、分子量250未満の低分子量成分は加工工程や製品使用時に揮発のため性能変化や臭気を来たし、好ましい存在ではない。また、分子量400を越える低分子量成分は、可塑化効果が充分に期待できず、樹脂性能の低下があり、好ましくない。
これらの低分子化合物が2.5重量%以上ではシートおよびフィルム等の自然収縮や、厚み斑が増大し、更に強度性能が低下して好ましくない。また、低分子量化合物の含有量の増加に伴い耐候性も悪くなる。一方、低分子化合物が0.65重量%以下では重合体の流動性、破断伸びおよび耐衝撃性等が低下して好ましくない。
【0028】
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の軟化温度はビカット軟化温度で定義する。軟化温度は50〜99℃の範囲でなければならない。好ましくは55〜95℃の範囲、特に好ましくは60〜90℃の範囲である。
軟化温度が50℃以下では、延伸シートおよびフィルムの自然収縮率が大きくなり、また強度が低下して好ましくない。
一方、軟化温度が99℃を越える場合、重合体の柔軟性が低下して脆くなり、低温加工性が著しく低下する。成形温度を高くすれば、シーティングや延伸およびこれらの二次成形加工は可能となるが、加熱時の適正温度幅が狭くなり、加工操作が困難になって好ましくない。
【0029】
スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、含有する未反応単量体や重合溶媒を脱揮、除去することにより、重合体が回収される。未反応単量体や重合溶媒の脱揮、除去の方法は、特に限定するものではない。ベント付押出機、フラッシュタンク等の公知の方法が利用できる。脱揮時の樹脂温度は、処理する樹脂の軟化温度+110℃〜+180℃の範囲が好ましい。具体的には180〜280℃の範囲、好ましくは190〜260℃の範囲、特に好ましくは200〜250℃の範囲である。
極度に低い脱揮温度では、樹脂中の単量体残存量が多くなり、好ましくない。
また極度に高い温度では、樹脂の分解により低分子量重合体が増加し、やはり好ましくない。また脱揮時の真空度は常圧でも可能であるが、好ましくは30torr以下、より好ましくは20torr以下である。
【0030】
本発明の低温加工シートおよびフィルム用樹脂は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の他に、ポリスチレン樹脂で公知の各種添加剤、例えば滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、染料、顔料、各種充填剤等を、同様な効果を達成するために添加して、含むことができる。
また、ポリスチレン樹脂で好ましく混合できることが公知な他の重合体、例えばポリフェニレンエーテル、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、これらを部分的にまたは完全に水素添加された共重合エラストマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトリルゴム、天然ゴム等の樹脂あるいはゴム成分は、ポリスチレン樹脂で公知な効果を達成するために、本発明の低温加工シートおよびフィルム用樹脂においても混合して含むことができる。その他に、ポリスチレン樹脂を混合して用いることにより、軟化温度や剛性を調整できる。
【0031】
本発明の低温加工シートおよびフィルム用樹脂は、シートおよびフィルムあるいはこれらを二次加工して、包装材料や容器のラベル材料に特に好ましく使用できる。しかし、本発明の樹脂の利用はこれらに限定するものではない。本発明の樹脂の達成する特長を発揮できる各種用途に使用することもできる。例えば、射出成形やインジェクションブロー成形等からなる食品容器、日用品、雑貨、OA機器部品、弱電部品等に使用することもできる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の態様を実施例により具体的に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明では、下記の測定法および測定条件を用いた。
(1)重合体中の単量体結合単位の測定:13C−NMRを用いて、それぞれの結合単位に起するスペクトルピークの面積比より共重合組成を算出した。
(2)ビカット軟化温度の測定:ASTM D1525に準拠して測定した。
(3)数、重量、Z平均分子量の測定:ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した、なお定量は単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、ポリスチレン換算として分子量を求めた。
測定条件
試料調製:テトラヒドロフランに重合体約1000ppmを溶解機器
昭和電工(株)製 Shodex21 カラム:サンプル:KF−806L2本、 リファレンス:KF−800RL2本、温度:40℃、 キャリア液:THF 1ml/min、 検出器:RI、UV:254nm、 検量線:東ソー(株)製の単分散PS使用、 データ処理:Sic−480
【0033】
(4)樹脂中のスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体の残存量測定:ガスクロマトグラフィーで測定した
測定条件
試料調製:重合体1gをジメチルフォルアミド25mlに溶解。
検出方法:FID、 機器:島津製製作所 GC14B、 カラム:CHROMAPACK CP WA
X 52CB、100m、膜厚2μm、0.52mmφ、カラム温度:110℃−10分→15℃/分で昇温→130℃−2分、 注入口温度 :150℃、
検出器温度:150℃、 キャリアガス:ヘリウム
【0034】
(5)スチレンあるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を含む低分子量成分の測定
スチレンと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体の溶液サンプルを、昇温ガスクロマトグラフィーを用いて測定した。スチレン三量体(分子量312)のリテンションタイム付近にスチレン三量体以外に、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルの単量体に起因すると考える低分子量化合物のピークが多数検出された。
これらのピークを総称して、スチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ有する分子量250〜400の低分子量成分と呼ぶ。なお、これら低分子量化合物はGC−MSのフラグメントと、GC−IRの吸収波長からスチレンと(メタ)アクリル酸エステルの単量体に起因する化合物であることを確認している。この低分子量化合物の残存量は、各低分子量化合物の面積を合計し、標準物質として1−フェニル−4−(1’ −フェニルエチル)テトラリンを用い、換算して求めた。
【0035】
測定条件
試料調製:樹脂1gをメチルエチルケトン/メタノール(9/1体積比)20mlに溶解検出方法:FID、 機器:AGILENT製 6890、 カラム固定相:5%ジフェニルジメチルポリシロキサン 30m 内径0.25mm 膜厚0.25μm、オーブン温度:40℃−1分→20℃/分昇温→320℃、
注入口温度:200℃、検出器温度:200℃、 キャリアガス:He 80ml/min
(6)MFRの測定:ISO R1133に準拠して測定した(条件:200℃、荷重5kgf)。
【0036】
【実施例】
実施例および比較例に使用したスチレン−メタアクリル酸エステル系共重合体は以下の方法で製造した。
(実施例1)
第1重合槽として攪拌機を備えた完全混合型重合器(容量4リットル)、第2重合槽として攪拌機を備えた層流型重合器(容量2リットル)を2基直列に連結した重合装置を準備した。第1重合槽に、スチレン73.6重量%、アクリル酸n−ブチル18.4重量%、エチルベンゼン8重量%を含む原料溶液を1リットル/hrの速度で、重合槽上部に供給し、下部より抜き出した。次いで第2重合槽を上部より、下部に通過させた。完全混合型重合器の重合温度を130℃、層流型重合器の重合温度を140〜160℃に制御した。
得られた重合溶液は二段ベント付き脱揮押出機に連続的に供給し、未反応単量体および溶媒を脱揮、回収し、重合体を得た。脱揮押出機は樹脂温度を200〜240℃、真空度を20torrに制御した。
【0037】
(実施例2〜5、比較例3、5および6)
実施例1と同じ装置を用いて、同様に重合を行なった。重合体の組成比が表1になるようにスチレン、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルの原料溶液中の比率を変えた。また必要に応じて、連鎖移動剤(α−メチルスチレンダイマー)の添加を行った。更に重合温度も目的に応じて、制御した。
得られた重合溶液は、実施例1と同様の方法および条件で未反応単量体および溶媒を脱揮、回収し、重合体を得た。実施例5のみは脱揮条件を緩和したため、重合体中の残存単量体が増大している。
【0038】
(比較例1)
実施例1と同一の重合装置を用い、第1重合槽に、スチレン73.6重量%、アクリル酸n−ブチル18.4重量%、エチルベンゼン8重量%およびラジカル開始剤として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン1200ppmを含む原料溶液を1リットル/hrの速度で、重合槽上部に供給し、下部より抜き出した。次いで第2重合槽を上部より、下部に通過させた。完全混合型重合器の重合温度を90℃、層流型重合器の重合温度を90〜110℃に制御した。
得られた重合溶液は、実施例1と同様の方法および条件で未反応単量体および溶媒を脱揮、回収し、重合体を得た。
【0039】
(比較例2)
実施例1と同一の重合装置を用い、第1重合槽に、スチレン73.6重量%、アクリル酸n−ブチル18.4重量%、エチルベンゼン8重量%およびラジカル開始剤として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン300ppmを含む原料溶液を1リットル/hrの速度で、重合槽上部に供給し、下部より抜き出した。次いで第2重合槽を上部より、下部に通過させた。完全混合型重合器の重合温度を110℃、層流型重合器の重合温度を120〜140℃に制御した。
得られた重合溶液は、実施例1と同様の方法および条件で未反応単量体および溶媒を脱揮、回収し、重合体を得た。
【0040】
(比較例4)
第1重合槽として攪拌機を備えた完全混合型重合器(容量4リットル)に、スチレン60重量%、アクリル酸n−ブチル15重量%、エチルベンゼン25重量%(単量体組成はスチレン80重量%、アクリル酸n−ブチル20重量%)を含む原料溶液を3リットル仕込み、130℃で1時間、次いで150℃で1時間、180℃で3時間のバッチプロセスで重合した。
重合初期と重合終了後に、それぞれの内液をサンプリングし、重合状況を解析し、次の結果を得た。重合初期の重合体収率5.5重量%の時点で、共重合体中のアクリル酸n−ブチル結合単位は27.2重量%、重合終了後の重合収率94.9重量%の時点で、共重合体中のアクリル酸n−ブチル結合単位の79.1重量%であった。
【0041】
また、重合終了後の残存する単量体組成はスチレン97.8重量%、アクリル酸n−ブチル2.2重量%であった。また別途の実験的に求めた結果より、その単量体組成から得られるアクリル酸n−ブチル単量体の共重合組成は5.3重量%であった。即ち、比較例4の重合体はアクリル酸n−ブチル結合単位の含率が5.3〜27.2重量%の範囲、組成分布を有すると判断できる。
得られた重合溶液は、実施例1と同様の方法および条件で未反応単量体および溶媒を脱揮、回収し、重合体を得た。
実施例1〜5、比較例1〜6で得られた樹脂を、40mmシート押出機を用いて押出温度170〜200℃で厚さ0.25mmのシートを作成し、シートから二次加工成形で得られた成形品の低温加工性、延伸下限温度、自然収縮率、引張強度、引張破断伸びおよび耐衝撃性能を下記の方法で測定した。耐候性は50×50×2mmの平板を射出成形機で成形し、後記の方法で測定した。得られた測定結果を表1および表2に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
表1より、実施例1〜5の樹脂が、比較例5のポリスチレン樹脂に比較して、低温加工性、低温延伸の伸び、破断強度、耐衝撃性、自然収縮率および耐候性のバランス面で極めて優れることが分る。
実施例1と比較例1〜3の比較は低分子量成分の差異の効果を示す。低分子量成分が少ないと、破断伸びや、耐衝撃性の低下が起こり、これが多すぎると自然収縮が著しくなる。
実施例1と比較例4の比較は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体重合プロセスの差異を示す。比較例4のバッチプロセスで得られる重合体では低温加工性や耐衝撃性の低下を来した。
【0044】
実施例1と比較例5の比較では、単量体量が多いと、耐候性や引張強度の一定の低下が起こり、場合により好ましくない。
実施例1と比較例6の比較は、低分子量重合体成分の差異を示す。低分子量重合体成分多いと、自然収縮や低温加工性能が低下し、更に強度性能が低下して好ましくない。
成分が少ないと、破断伸びや、耐衝撃性の低下が起こり、これが多すぎると自然収縮が著しくなる。
【0045】
測定条件、評価基準
(1)低温加工性:厚さ0.25mmのシートを用いてビカット軟化温度+30℃、あるいはビカット軟化温度+30℃が125℃を超えるものは125℃を上限に加熱して、延伸機で二軸方向にそれぞれ2倍に延伸し、厚さ約60μmの延伸フィルムを10枚作成、評価した。延伸時に6枚以上フィルムが破れる場合を×、3枚以下の破れる場合を○として判定した。
(2)延伸下限温度:厚さ0.25mmのシートを用いて、延伸機で二軸方向にそれぞれ2倍に延伸できる下限温度。5℃間隔で評価。5枚試験し、1枚でも延伸できれば、その温度は延伸可能と判断した。
(3)自然収縮率:(1)と同じ方法で得た延伸フィルムを用いて、37℃の恒温槽に21日間放置し、次式により算出した。自然収縮率(%)=(L1−L2)/L1×100、L1:放置前の長さ、L2:放置後の長さ。
【0046】
(4)引張破断強度:厚さ0.25mmのシートを用いて、ASTMD882−67に準拠して測定した。
(5)引張破断伸び:厚さ0.25mmのシートを用いて、ASTMD882−67に準拠して測定した。
(6)Izod:JIS K6871(ノッチ付き)に準拠して測定した。
(7)耐候性:ダイプラ・メタルウェザー試験機(型式:KU−R5CI−A)、ダイプラ・ウィンテス社製を使用した。光源はメタルハライドランプ(KF−1フィルター使用)を用い、30℃、湿度98RH%と55℃、湿度50RH%の各4時間のサイクルで400時間まで照射し、色の変化(ΔE)を測定した。なお測定には、射出成形機で成形した50×50×2mmの平板を用いた。
【0047】
【発明の効果】
本発明の低温加工シートおよびフィルム用樹脂は、低温での加工性、耐候性、各種の強度特性に優れるとともに、延伸加工時の均一性に優れや延伸フィルムの自然収縮が少ないとの特長を有する。得られたシートおよびフィルムは包装容器、蓋材等の各種包装材料や容器のラベル材料として好適に用いることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた低温加工性と樹脂性能を有するシートおよびフィルム用樹脂に関する。特に、低い温度でのシートおよびフィルムの延伸加工性に優れ、かつ強度性能にも優れるとの特長を有する低温加工シートおよびフィルム等の用途に適する樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂は、その優れた成形加工性と樹脂性能のバランスにより、電気製品等の各種工業材料、雑貨、緩衝材、断熱材および食品容器等に広く用いられる。更には、近年はシートあるいはフィルム状に加工して、あるいは更に二次加工して、食品包装および食品容器のラベル等として用いられ、その伸びは大きい。
この種の用途において、シートおよびフィルムあるいは更に二次加工した成形品は、透明で延伸性、強度特性に優れたものが望まれる。スチレン系樹脂シートおよびフィルムは、未延伸では強度的に使いものにならないが、延伸によって優れた透明性、表面光沢をもつ、強靱で腰に強いシートおよびフィルムにすることができる。一般に、より低温でシーティングや延伸を行い、更には低温で二次加工する方策がとられる。
【0003】
しかし、スチレン系樹脂の代表であるポリスチレン樹脂は、軟化温度がやや高く、また硬くて脆い性質のため、シートまたはフィルムへの加工性に劣る。具体的には、低温でシーティングや延伸、更には低温での二次加工において、ポリスチレン樹脂は伸びが小さく、シートが破断し易い等、加工性に劣る。それ故、強度特性に優れた高延伸倍率のシートおよびフィルムを得ることは極めて難しい。
更には、使用環境によってはポリスチレン樹脂は耐候性にも問題があり、改善が求められている。
この種の用途において、ポリスチレン樹脂の欠点を改善した技術として、スチレン系単量体と、アクリル酸エステル単量体またはメタアクリル酸エステル単量体(以後、(メタ)アクリル酸エステル単量体と略す。)からなる共重合樹脂が既に知られている。
【0004】
スチレンに(メタ)アクリル酸エステルを共重合することで、軟化温度を比較的自由に低下させることができ、かつポリスチレン樹脂の硬くて脆い欠点を改善できる。スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂を成形、加工して得られるシートあるいはフィルムは、一般に強度特性にも優れることが、既に知られている。
具体的には、「ビニル芳香族炭化水素系組成物」に関するもので、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体等((メタ)アクリル酸エステル単量体を含む。)の共重合体と、スチレン−共役ジエンのブロック共重合体(以後、スチレン系ブロック共重合体と略す)との組成物で、フィルム状の冷間延伸加工において、延伸特性および耐クラック性等に優れるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、「低温収縮フィルムおよびその製造方法」に関するもので、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体等の共重合体と、スチレン系ブロック共重合体との組成物を一軸に延伸した低温収縮性フィルムで収縮性能、とりわけ低温収縮性能、低温収縮応力、腰硬さ、光学特性、耐クラック特性、寸法安定性等に優れるものがある(例えば、特許文献2参照)。
更に、「スチレン系共重合体組成物」に関するもので、具体的にはスチレン−アクリル酸n−ブチルエステル共重合体と、限定された構造あるいは特性を有するスチレン系ブロック共重合体との重合体組成物より成るシートおよびフィルムで、ゲル(フィッシュアイ)が少なく、物性バランスに優れるものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−025701号公報
【特許文献2】
特開平03−012535号公報
【特許文献3】
特開2001−002870号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらのスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、あるいはこの樹脂を用いた組成物は、従来のポリスチレン樹脂の問題点を大きく改善するものであるが、市場要求を完全に満足させるものではなかった。市場には更に成形加工性および各種樹脂物性に優れる樹脂材料の要求があった。
即ち、低温での加工性、耐候性、各種の強度特性に優れるとともに、延伸フィルムの自然収縮が少ないとの特長を有する低温加工シートおよびフィルム用樹脂を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題解決について鋭意検討の結果、限定された構造を有するスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主体とする樹脂を用いることによって、従来技術の課題を改善できることを見出した。
本発明は特許請求の範囲の請求項にも示すところである。即ち、
連続プロセスのラジカル重合法によって得られ、下記(a)〜(e)の特徴を有するスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主体とする低温加工シートおよびフィルム用樹脂。
(a)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の結合単位がスチレン系単量体の結合単位 60〜97重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体の結合単位40〜3重量%とからなる、
(b)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量が15万〜55万の範囲である、
(c)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体における分子量5万以下の共重合体成分が8重量%未満である、
(d)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に含まれるスチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ含有する分子量250〜400の低分子量成分の含有量が0.65重量%を超え、2.5重量%未満の範囲である、
(e)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のビカット軟化温度が50〜99℃の範囲である。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
スチレン系重合体の重合方法は、ラジカル重合法、アニオン重合法およびカチオン重合法等が、技術的に公知である。しかし工業的な重合法は、特殊な立体規則性スチレン重合体の重合を除いて、ラジカル重合法に限定される。
スチレン系樹脂のラジカル重合法をプロセスから分類すると、塊状重合法、溶液重合法、縣濁重合法および乳化重合法が公知であり、それぞれに特徴があって、工業的にも実施されている。また、開始剤の面から分類すると熱ラジカル重合法、開始剤ラジカル重合法が公知である。
縣濁重合法は水中にモノマーを分散させ、かつ開始剤を用いて重合する方法である。混合性や除熱性に優れるが、分散剤の添加が必要であり、分散剤が製品にコンタミする。また、コスト的に不利なこと等から、実施は限定されている。塊状重合法と溶液重合法とは、それぞれ目的に応じて広く利用される。
【0010】
熱ラジカル重合法は、スチレンモノマー液を加熱して熱ラジカルを発生させ、重合を開始させる方法で、低コストおよび不純物が入り難いこと等に特長を有する。これに対して、開始剤ラジカル重合法ではラジカル開始剤を使用する。使用されるラジカル開始剤は、通常は熱的に分解してラジカルを発生する化合物で、有機過酸化物やアゾ化合物等が知られる。この方法ではラジカル開始剤の分解温度、ひいては重合温度をある程度自由に設定できるとの特徴を有するが、開始剤コスト的にやや不利となる。
それ故、現在は不純物のコンタミが少ないこと、コスト的に有利なこと等により、塊状の熱重合法が工業的に多用されている。
【0011】
スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造においては、先に挙げた特開昭62−025701号公報および特開平03−012535号公報の具体的開示は熱ラジカル重合法である。重合プロセスの具体的な記載はないが、文脈よりバッチプロセスと推量できる。特開2001−002870号公報はバッチプロセスの開始剤ラジカル重合を開示している。
本発明におけるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造法は、連続プロセスのラジカル重合法が好ましい。特に好ましくは、連続プロセスの熱ラジカル重合法である。
【0012】
一般に反応性の大きく異なる単量体をバッチプロセスで共重合すると、重合初期の段階では反応性の高いモノマーが相対的に多く重合し、重合後期に反応性の低い単量体が残存し、相対的に多く重合することになる。それ故、バッチプロセスのスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、重合体鎖間の組成分布が大きい。例えば、スチレン(M1)とブチルアクリレート(M2)の共重合性比は、r1=0.48、r2=0.15となる。組成分布が大きいと、低温加工性、特に冷延伸時の伸びが大幅に小さくなり好ましくない。
これに対して、連続重合プロセスでは、攪拌混合により流れに対するバックミキシングが期待できるため、組成分布は大幅に縮小できる。このためかバッチプロセスで得られるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、特定の性能、例えば低温シーティング時の伸び等の低温加工性が顕著に低下して、好ましくない。
連続重合法とは、一基もしくは二基以上の重合槽を直列に連結し、重合槽の一端から原材料を連続的に供給し、他端より生成物を連続的に抜き出す重合法である。原材料フィードおよび生成物抜き出しは、それぞれ一箇所もしくは数カ所に分割しても構わない。
【0013】
本発明におけるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造法は、好ましくは連続プロセスの熱ラジカル重合法である。熱ラジカル重合法にすることによって、得られる重合体の低分子量成分、具体的にはスチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ含有する分子量250〜400の低分子量成分を増大できる。これらのオリゴマー成分は、重合体との相溶性に極めて優れる可塑剤として働き、樹脂物性を保持し、かつ樹脂の流動特性を顕著に改善できる。
しかし、本発明の目的を達成できる範囲で、ラジカル開始剤を併用しても構わない。この場合のラジカル開始剤の使用量は、好ましくは100ppm未満、好ましくは50ppm未満、特に好ましくは5ppm未満である。ラジカル開始剤を併用することによって、重合体中のオリゴマー成分含量を制御でき、場合により好ましい。
【0014】
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物とアゾ化合物等が挙げられる。特に好ましいラジカル開始剤は有機過酸化物である。
有機過酸化物の種類は、実施する重合温度での半減期が好ましくは10分から10時間の化合物から選ばれる。重合温度条件にもよるが、更に好ましくは10時間の半減期を得る温度が60〜130℃の範囲、特に好ましくは80〜110℃の範囲の有機過酸化物から選ばれる。
具体的な好ましい有機過酸化物の例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが挙げられる。
【0015】
また、重合時に連鎖移動剤や分子量調整剤を添加することもできる。これらの連鎖移動剤や分子量調整剤は、スチレン重合体製造において公知の連鎖移動剤や分子量調整剤から選ぶことができる。これらの具体的化合物として、四塩化炭素等の有機ハロゲン化合物、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン化合物、α−メチルスチレンダイマー等のベンゼン環に対する瘉ハ 炭素に活性水素を有する化合物が挙げられる。最も好ましい化合物はアルファーメチルスチレンダイマーである。
【0016】
重合は、無溶媒もしくは少量の有機溶媒を使用して実施される。好ましい有機溶媒は、得られるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を溶解可能で、重合反応時のラジカルに対する反応性が低く、かつ重合後に溶媒の加熱除去が容易な有機化合物から選ばれる。この好ましい例としてC6〜C10の芳香族炭化水素化合物および脂環族炭化水素化合物が挙げられる。具体的にはトルエン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサンおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。また、一部に鎖状脂肪族炭化水素を含んでいても構わない。
【0017】
重合溶媒の使用量は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100重量当たり、好ましくは100重量部以下、更に好ましくは50重量部以下、特に好ましくは30重量部以下である。
重合温度は、一般に80〜180℃の範囲で実施される。好ましくは90〜170℃の範囲、特に好ましくは100〜160℃の範囲である。過度に高い重合温度は、得られる重合体の分子量低下や重合反応の暴走をもたらし、好ましくない。また、過度に低い温度は、重合速度が極めて低く、また製造時の重合液の粘度が著しく増大し、混合が困難となる等実用的でない。
【0018】
本発明におけるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を構成する単量体は、基本的にスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体からなる。
スチレン系単量体は、スチレンの他に、少量の公知のビニル芳香族単量体を共重合して含んでいても構わない、この例としてα−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、およびこれらの混合物等を挙げることができる。
【0019】
(メタ)アクリル酸エステル単量体には、C1〜C8の範囲のアルコールとアクリル酸およびメタアクリル酸のエステル化合物から選ばれる。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸ペンチル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸シクロヘキシル等を挙げることができる。
またこれらの化合物の内、2種以上の組み合わせで用いても構わない。メタクリル酸メチルを用いる場合は、軟化温度を調整するため、他の(メタ)アクリル酸エステルと組み合わせて用いることが好ましい。
【0020】
低温加工性、耐候性、強度等のバランスの面で、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチルが更に好ましく、アクリル酸n−ブチルが最も好ましい。アクリル酸ブチルを用いることによって、得られる低温加工性シートおよびフィルム等の加工性や物性バランスが最も優れる。
本発明におけるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を構成する単量体は、本発明の目的を阻害しない範囲で、共重合可能な他のビニル系単量体を含んでいても構わない。
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の結合単位は、スチレン系単量体の結合単位60〜97重量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体の結合単位40〜3重量%の範囲でなければならない。好ましくは、スチレン系単量体の結合単位が65〜95重量%、更に好ましくは70〜93重量%、特に好ましくは75〜90重量%の範囲であり、残余の成分は(メタ)アクリル酸エステル単量体の結合単位である。
【0021】
スチレン系単量体の結合単位が60重量%未満では、得られる樹脂の耐熱性が低下する。具体的には使用時に熱的変形や延伸フィルムの自然収縮が起こり易く、好ましくない。また、スチレン系単量体の結合単位が97重量%を越えると、冷間延伸加工時の適正温度幅が著しく狭まり、また強度性能が低下して好ましくない。更には、(メタ)アクリル酸エステルの導入量の低下に伴い、耐候性が低下するため、耐候性を必要とする用途に不向きとなる。
【0022】
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量は、15万〜55万の範囲でなければならない。好ましくは18万〜50万の範囲、特に好ましくは20万〜45万の範囲である。スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量が15万未満では、得られる樹脂の各種の強度性能、特に耐衝撃性、引張強度性能が著しく低下して、好ましくない。また、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量が55万を越えると、得られる樹脂の加工性、特に成型加工性が著しく低下して、やはり好ましくない。
【0023】
更に、重量平均分子量/数平均分子量の比は好ましくは1.5〜3.9範囲、特に好ましくは1.8〜3.2範囲である。Z平均分子量/重量平均分子量の比は好ましくは1.4〜3.1の範囲であり、特に好ましくは1.7〜2.8の範囲である。
分子量分布があまりに狭いと、加工性、特にフィルムおよびシートの高延伸倍率の延伸加工が困難となり好ましくない。分子量分布があまりに広いと、強度性能、例えば表面硬度が低下して好ましくない。
また、MFR(ISO R1133に準拠して測定(条件:200℃、荷重5kgf))は1〜20g/10分の範囲が好ましく、2〜15g/10分の範囲が特に好ましい。この範囲内に設定することにより、得られるシートおよびフィルム、更に二次加工して得られる成形品の厚み斑が少なる。また、低温での高延伸倍率の加工が可能となり、強度性能にも優れて好ましい。
【0024】
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に含まれる分子量5万以下の重合体成分は8重量%未満でなければならない。好ましくは1〜7重量%の範囲、特に好ましくは2〜6重量%の範囲である。
分子量5万以下の重合体成分が8重量%を越えると、強度性能、例えば表面硬度が低下し、更に延伸フィルムの自然収縮率が大幅に増加して好ましくない。また、分子量5万以下の重合体成分は1重量%未満では、流動性、例えば押し出し加工性等が低下して、場合により好ましくない。
【0025】
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のスチレン系単量体の含有量は、500ppm未満でなければならない。好ましくは300ppm未満、更に好ましくは200ppm未満、特に好ましくは100ppm未満である。
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のスチレン系単量体の含有量が500ppm以上では、成型加工時の金型やノズル等の汚染が起こり易く、更に成型体表面に対する印刷性の低下が起こり、好ましくない。
【0026】
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量は、500ppm未満でなければならない。好ましくは300ppm未満、更に好ましくは200ppm未満、特に好ましくは100ppm未満である。
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量が500ppm以上では、成型加工時の金型やノズル等の汚染が起こり易なる。また得られる樹脂の耐候性が低下し、場合により臭気を来す場合があり好ましくない。
重合体に含まれるスチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ含有する分子量250〜400の低分子量成分の含有量が0.65重量%を超え、2.5重量%未満の範囲でなければならない。
【0027】
これらの分子量250〜400の低分子量成分は、重合体との相溶性に極めて優れる可塑剤として働き、樹脂物性を保持し、かつ樹脂の流動特性を顕著に改善できる。これに対して、分子量250未満の低分子量成分は加工工程や製品使用時に揮発のため性能変化や臭気を来たし、好ましい存在ではない。また、分子量400を越える低分子量成分は、可塑化効果が充分に期待できず、樹脂性能の低下があり、好ましくない。
これらの低分子化合物が2.5重量%以上ではシートおよびフィルム等の自然収縮や、厚み斑が増大し、更に強度性能が低下して好ましくない。また、低分子量化合物の含有量の増加に伴い耐候性も悪くなる。一方、低分子化合物が0.65重量%以下では重合体の流動性、破断伸びおよび耐衝撃性等が低下して好ましくない。
【0028】
本発明のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の軟化温度はビカット軟化温度で定義する。軟化温度は50〜99℃の範囲でなければならない。好ましくは55〜95℃の範囲、特に好ましくは60〜90℃の範囲である。
軟化温度が50℃以下では、延伸シートおよびフィルムの自然収縮率が大きくなり、また強度が低下して好ましくない。
一方、軟化温度が99℃を越える場合、重合体の柔軟性が低下して脆くなり、低温加工性が著しく低下する。成形温度を高くすれば、シーティングや延伸およびこれらの二次成形加工は可能となるが、加熱時の適正温度幅が狭くなり、加工操作が困難になって好ましくない。
【0029】
スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、含有する未反応単量体や重合溶媒を脱揮、除去することにより、重合体が回収される。未反応単量体や重合溶媒の脱揮、除去の方法は、特に限定するものではない。ベント付押出機、フラッシュタンク等の公知の方法が利用できる。脱揮時の樹脂温度は、処理する樹脂の軟化温度+110℃〜+180℃の範囲が好ましい。具体的には180〜280℃の範囲、好ましくは190〜260℃の範囲、特に好ましくは200〜250℃の範囲である。
極度に低い脱揮温度では、樹脂中の単量体残存量が多くなり、好ましくない。
また極度に高い温度では、樹脂の分解により低分子量重合体が増加し、やはり好ましくない。また脱揮時の真空度は常圧でも可能であるが、好ましくは30torr以下、より好ましくは20torr以下である。
【0030】
本発明の低温加工シートおよびフィルム用樹脂は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の他に、ポリスチレン樹脂で公知の各種添加剤、例えば滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、染料、顔料、各種充填剤等を、同様な効果を達成するために添加して、含むことができる。
また、ポリスチレン樹脂で好ましく混合できることが公知な他の重合体、例えばポリフェニレンエーテル、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、これらを部分的にまたは完全に水素添加された共重合エラストマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトリルゴム、天然ゴム等の樹脂あるいはゴム成分は、ポリスチレン樹脂で公知な効果を達成するために、本発明の低温加工シートおよびフィルム用樹脂においても混合して含むことができる。その他に、ポリスチレン樹脂を混合して用いることにより、軟化温度や剛性を調整できる。
【0031】
本発明の低温加工シートおよびフィルム用樹脂は、シートおよびフィルムあるいはこれらを二次加工して、包装材料や容器のラベル材料に特に好ましく使用できる。しかし、本発明の樹脂の利用はこれらに限定するものではない。本発明の樹脂の達成する特長を発揮できる各種用途に使用することもできる。例えば、射出成形やインジェクションブロー成形等からなる食品容器、日用品、雑貨、OA機器部品、弱電部品等に使用することもできる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の態様を実施例により具体的に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明では、下記の測定法および測定条件を用いた。
(1)重合体中の単量体結合単位の測定:13C−NMRを用いて、それぞれの結合単位に起するスペクトルピークの面積比より共重合組成を算出した。
(2)ビカット軟化温度の測定:ASTM D1525に準拠して測定した。
(3)数、重量、Z平均分子量の測定:ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した、なお定量は単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、ポリスチレン換算として分子量を求めた。
測定条件
試料調製:テトラヒドロフランに重合体約1000ppmを溶解機器
昭和電工(株)製 Shodex21 カラム:サンプル:KF−806L2本、 リファレンス:KF−800RL2本、温度:40℃、 キャリア液:THF 1ml/min、 検出器:RI、UV:254nm、 検量線:東ソー(株)製の単分散PS使用、 データ処理:Sic−480
【0033】
(4)樹脂中のスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体の残存量測定:ガスクロマトグラフィーで測定した
測定条件
試料調製:重合体1gをジメチルフォルアミド25mlに溶解。
検出方法:FID、 機器:島津製製作所 GC14B、 カラム:CHROMAPACK CP WA
X 52CB、100m、膜厚2μm、0.52mmφ、カラム温度:110℃−10分→15℃/分で昇温→130℃−2分、 注入口温度 :150℃、
検出器温度:150℃、 キャリアガス:ヘリウム
【0034】
(5)スチレンあるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を含む低分子量成分の測定
スチレンと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体の溶液サンプルを、昇温ガスクロマトグラフィーを用いて測定した。スチレン三量体(分子量312)のリテンションタイム付近にスチレン三量体以外に、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルの単量体に起因すると考える低分子量化合物のピークが多数検出された。
これらのピークを総称して、スチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ有する分子量250〜400の低分子量成分と呼ぶ。なお、これら低分子量化合物はGC−MSのフラグメントと、GC−IRの吸収波長からスチレンと(メタ)アクリル酸エステルの単量体に起因する化合物であることを確認している。この低分子量化合物の残存量は、各低分子量化合物の面積を合計し、標準物質として1−フェニル−4−(1’ −フェニルエチル)テトラリンを用い、換算して求めた。
【0035】
測定条件
試料調製:樹脂1gをメチルエチルケトン/メタノール(9/1体積比)20mlに溶解検出方法:FID、 機器:AGILENT製 6890、 カラム固定相:5%ジフェニルジメチルポリシロキサン 30m 内径0.25mm 膜厚0.25μm、オーブン温度:40℃−1分→20℃/分昇温→320℃、
注入口温度:200℃、検出器温度:200℃、 キャリアガス:He 80ml/min
(6)MFRの測定:ISO R1133に準拠して測定した(条件:200℃、荷重5kgf)。
【0036】
【実施例】
実施例および比較例に使用したスチレン−メタアクリル酸エステル系共重合体は以下の方法で製造した。
(実施例1)
第1重合槽として攪拌機を備えた完全混合型重合器(容量4リットル)、第2重合槽として攪拌機を備えた層流型重合器(容量2リットル)を2基直列に連結した重合装置を準備した。第1重合槽に、スチレン73.6重量%、アクリル酸n−ブチル18.4重量%、エチルベンゼン8重量%を含む原料溶液を1リットル/hrの速度で、重合槽上部に供給し、下部より抜き出した。次いで第2重合槽を上部より、下部に通過させた。完全混合型重合器の重合温度を130℃、層流型重合器の重合温度を140〜160℃に制御した。
得られた重合溶液は二段ベント付き脱揮押出機に連続的に供給し、未反応単量体および溶媒を脱揮、回収し、重合体を得た。脱揮押出機は樹脂温度を200〜240℃、真空度を20torrに制御した。
【0037】
(実施例2〜5、比較例3、5および6)
実施例1と同じ装置を用いて、同様に重合を行なった。重合体の組成比が表1になるようにスチレン、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルの原料溶液中の比率を変えた。また必要に応じて、連鎖移動剤(α−メチルスチレンダイマー)の添加を行った。更に重合温度も目的に応じて、制御した。
得られた重合溶液は、実施例1と同様の方法および条件で未反応単量体および溶媒を脱揮、回収し、重合体を得た。実施例5のみは脱揮条件を緩和したため、重合体中の残存単量体が増大している。
【0038】
(比較例1)
実施例1と同一の重合装置を用い、第1重合槽に、スチレン73.6重量%、アクリル酸n−ブチル18.4重量%、エチルベンゼン8重量%およびラジカル開始剤として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン1200ppmを含む原料溶液を1リットル/hrの速度で、重合槽上部に供給し、下部より抜き出した。次いで第2重合槽を上部より、下部に通過させた。完全混合型重合器の重合温度を90℃、層流型重合器の重合温度を90〜110℃に制御した。
得られた重合溶液は、実施例1と同様の方法および条件で未反応単量体および溶媒を脱揮、回収し、重合体を得た。
【0039】
(比較例2)
実施例1と同一の重合装置を用い、第1重合槽に、スチレン73.6重量%、アクリル酸n−ブチル18.4重量%、エチルベンゼン8重量%およびラジカル開始剤として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン300ppmを含む原料溶液を1リットル/hrの速度で、重合槽上部に供給し、下部より抜き出した。次いで第2重合槽を上部より、下部に通過させた。完全混合型重合器の重合温度を110℃、層流型重合器の重合温度を120〜140℃に制御した。
得られた重合溶液は、実施例1と同様の方法および条件で未反応単量体および溶媒を脱揮、回収し、重合体を得た。
【0040】
(比較例4)
第1重合槽として攪拌機を備えた完全混合型重合器(容量4リットル)に、スチレン60重量%、アクリル酸n−ブチル15重量%、エチルベンゼン25重量%(単量体組成はスチレン80重量%、アクリル酸n−ブチル20重量%)を含む原料溶液を3リットル仕込み、130℃で1時間、次いで150℃で1時間、180℃で3時間のバッチプロセスで重合した。
重合初期と重合終了後に、それぞれの内液をサンプリングし、重合状況を解析し、次の結果を得た。重合初期の重合体収率5.5重量%の時点で、共重合体中のアクリル酸n−ブチル結合単位は27.2重量%、重合終了後の重合収率94.9重量%の時点で、共重合体中のアクリル酸n−ブチル結合単位の79.1重量%であった。
【0041】
また、重合終了後の残存する単量体組成はスチレン97.8重量%、アクリル酸n−ブチル2.2重量%であった。また別途の実験的に求めた結果より、その単量体組成から得られるアクリル酸n−ブチル単量体の共重合組成は5.3重量%であった。即ち、比較例4の重合体はアクリル酸n−ブチル結合単位の含率が5.3〜27.2重量%の範囲、組成分布を有すると判断できる。
得られた重合溶液は、実施例1と同様の方法および条件で未反応単量体および溶媒を脱揮、回収し、重合体を得た。
実施例1〜5、比較例1〜6で得られた樹脂を、40mmシート押出機を用いて押出温度170〜200℃で厚さ0.25mmのシートを作成し、シートから二次加工成形で得られた成形品の低温加工性、延伸下限温度、自然収縮率、引張強度、引張破断伸びおよび耐衝撃性能を下記の方法で測定した。耐候性は50×50×2mmの平板を射出成形機で成形し、後記の方法で測定した。得られた測定結果を表1および表2に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
表1より、実施例1〜5の樹脂が、比較例5のポリスチレン樹脂に比較して、低温加工性、低温延伸の伸び、破断強度、耐衝撃性、自然収縮率および耐候性のバランス面で極めて優れることが分る。
実施例1と比較例1〜3の比較は低分子量成分の差異の効果を示す。低分子量成分が少ないと、破断伸びや、耐衝撃性の低下が起こり、これが多すぎると自然収縮が著しくなる。
実施例1と比較例4の比較は、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体重合プロセスの差異を示す。比較例4のバッチプロセスで得られる重合体では低温加工性や耐衝撃性の低下を来した。
【0044】
実施例1と比較例5の比較では、単量体量が多いと、耐候性や引張強度の一定の低下が起こり、場合により好ましくない。
実施例1と比較例6の比較は、低分子量重合体成分の差異を示す。低分子量重合体成分多いと、自然収縮や低温加工性能が低下し、更に強度性能が低下して好ましくない。
成分が少ないと、破断伸びや、耐衝撃性の低下が起こり、これが多すぎると自然収縮が著しくなる。
【0045】
測定条件、評価基準
(1)低温加工性:厚さ0.25mmのシートを用いてビカット軟化温度+30℃、あるいはビカット軟化温度+30℃が125℃を超えるものは125℃を上限に加熱して、延伸機で二軸方向にそれぞれ2倍に延伸し、厚さ約60μmの延伸フィルムを10枚作成、評価した。延伸時に6枚以上フィルムが破れる場合を×、3枚以下の破れる場合を○として判定した。
(2)延伸下限温度:厚さ0.25mmのシートを用いて、延伸機で二軸方向にそれぞれ2倍に延伸できる下限温度。5℃間隔で評価。5枚試験し、1枚でも延伸できれば、その温度は延伸可能と判断した。
(3)自然収縮率:(1)と同じ方法で得た延伸フィルムを用いて、37℃の恒温槽に21日間放置し、次式により算出した。自然収縮率(%)=(L1−L2)/L1×100、L1:放置前の長さ、L2:放置後の長さ。
【0046】
(4)引張破断強度:厚さ0.25mmのシートを用いて、ASTMD882−67に準拠して測定した。
(5)引張破断伸び:厚さ0.25mmのシートを用いて、ASTMD882−67に準拠して測定した。
(6)Izod:JIS K6871(ノッチ付き)に準拠して測定した。
(7)耐候性:ダイプラ・メタルウェザー試験機(型式:KU−R5CI−A)、ダイプラ・ウィンテス社製を使用した。光源はメタルハライドランプ(KF−1フィルター使用)を用い、30℃、湿度98RH%と55℃、湿度50RH%の各4時間のサイクルで400時間まで照射し、色の変化(ΔE)を測定した。なお測定には、射出成形機で成形した50×50×2mmの平板を用いた。
【0047】
【発明の効果】
本発明の低温加工シートおよびフィルム用樹脂は、低温での加工性、耐候性、各種の強度特性に優れるとともに、延伸加工時の均一性に優れや延伸フィルムの自然収縮が少ないとの特長を有する。得られたシートおよびフィルムは包装容器、蓋材等の各種包装材料や容器のラベル材料として好適に用いることができる。
Claims (6)
- 連続プロセスのラジカル重合法によって得られ、下記(a)〜(e)の特徴を有するスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主体とする低温加工シートおよびフィルム用樹脂。
(a)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の結合単位がスチレン系単量体の結合単位60〜97重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体の結合単位40〜3重量%とからなる、
(b)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量が15万〜55万の範囲である、
(c)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体における分子量5万以下の重合体成分が8重量%未満である、
(d)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に含まれるスチレン結合単位あるいは(メタ)アクリル酸エステル結合単位を少なくとも1つ含有する分子量250〜400の低分子量成分の含有量が0.65重量%を超え、2.5重量%未満の範囲である、
(e)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のビカット軟化温度が50〜99℃の範囲である。 - スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が連続プロセスの熱ラジカル重合法で得られることを特徴とする請求項1記載の低温加工シートおよびフィルム用樹脂。
- スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が、(a)〜(e)に加えて、下記(f)および(g)の特徴を有する請求項1又は請求項2記載の低温加工シートおよびフィルム用樹脂。
(f)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体中に残存するスチレン系単量体の含有量が500ppm未満である、
(g)スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体中に残存する(メタ)アクリル酸エステルの含有量が500ppm未満である。 - スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の重合が100〜160℃の範囲で実施されること特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の低温加工シートおよびフィルム用樹脂。
- スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が塊状あるいは溶液ラジカル重合プロセスで得られることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低温加工シートおよびフィルム用樹脂材料。
- スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を構成する(メタ)アクリル酸エステル単量体の結合単位がアクリル酸n−ブチルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の低温加工シートおよびフィルム用樹脂。
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| RU2275386C2 (ru) * | 2004-05-31 | 2006-04-27 | Федеральное унитарное государственное предприятие "Саратовский научно-исследовательский институт химии и технологии акриловых мономеров и полимеров с опытным заводом" | Способ получения акрилового пленкообразователя |
-
2002
- 2002-09-20 JP JP2002274417A patent/JP2004027174A/ja active Pending
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| RU2275386C2 (ru) * | 2004-05-31 | 2006-04-27 | Федеральное унитарное государственное предприятие "Саратовский научно-исследовательский институт химии и технологии акриловых мономеров и полимеров с опытным заводом" | Способ получения акрилового пленкообразователя |
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