JP2004027030A - 絶縁性薄膜製造用の塗布組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】多孔性シリカ薄膜の比誘電率が低く、安定で、半導体素子の銅配線工程におけるCMP工程に十分耐える機械的強度を有する多孔性シリカ薄膜を提供する。
【解決手段】アルコキシシランに由来する珪素原子を特定の割合で含有するシリカ前駆体および特定のポリエーテルブロックコポリマーを含む有機ポリマーを含有する絶縁性薄膜製造用塗布組成物およびこの組成物から得られる多孔性シリカからなる絶縁性薄膜。
【選択図】 選択図なし。
【解決手段】アルコキシシランに由来する珪素原子を特定の割合で含有するシリカ前駆体および特定のポリエーテルブロックコポリマーを含む有機ポリマーを含有する絶縁性薄膜製造用塗布組成物およびこの組成物から得られる多孔性シリカからなる絶縁性薄膜。
【選択図】 選択図なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い機械強度および低い比誘電率を有すると同時に、半導体用基板、半導体用配線、絶縁材料等との密着性に優れた絶縁性薄膜およびその原料である塗布組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔性のシリカは、軽量、耐熱性等の優れた特性を有するために、構造材料、触媒担体、光学材料等に幅広く用いられている。例えば、近年、多孔性のシリカは誘電率を低くできる、という点から期待を集めている。
半導体集積回路をはじめとする半導体素子の多層配線構造体用の絶縁薄膜には、従来、緻密なシリカ膜が一般的に用いられてきた。しかし、近年、半導体集積回路の配線密度は微細化の一途をたどっており、これに伴って、基板上の隣接する配線間の距離が狭まっている。このとき、絶縁体の比誘電率が高いと配線間の静電容量が増大し、その結果、配線を通じて伝達される電気信号の遅延、いわゆる配線遅延が顕著となるため、問題となっている。
【0003】
このような問題を解決するため、配線構造体用の絶縁薄膜の素材として、比誘電率のより低い物質が強く求められている。一方、配線遅延を低減するもう一つの方法として、配線材料を従来のアルミニウムから、より電気抵抗の低い銅に変更する方法も提案されている。
銅はアルミニウムと異なり、配線パターンを形成する際に適当なドライエッチングの方法が知られていないため、絶縁薄膜中に配線パターンとなる溝や導通孔を形成した後、これらの溝や導通孔に銅を埋め込み、しかる後に余分な銅を化学機械研磨(以下、CMP工程、という)によって除去するのが一般的である。
【0004】
半導体素子の配線構造に用いられる絶縁薄膜は、CMP工程のほか、エッチング工程や洗浄工程等を経て所望の配線パターンを有する配線構造に加工される。そのため、これらの工程を経た後も絶縁薄膜としての特性が保持できるだけの耐薬品性、耐水性、機械強度等が要求される。
このような要求特性を満たすべく、これまでにさまざまな材料が提案されている。例えば、特開平5−85762号公報や国際公開第99/03926号パンフレットには、一般的なアルコキシシランと有機ポリマーの混合系から、誘電率が極めて低く、均一細孔および細孔分布を持った多孔性のシリカを得る方法が開示されている。特開平4−285081号公報には、アルコキシシランのゾル−ゲル反応を特定の有機ポリマーの共存下で行い、均一な孔径を有する多孔性のシリカを得る方法が開示されている。
【0005】
さらに、特開2001−49184号公報には、2官能性、3官能性、4官能性のアルコキシシランの仕込み量を、分子内に2個の珪素原子を有する4,5,6官能性のアルコキシシランの仕込み量より多くし、有機ポリマーにブロックコポリマーを用いることにより、誘電率特性および吸水性に優れ、空隙サイズが小さい低密度膜を形成する方法が開示されている。
しかしながら、いずれの方法においても、比誘電率が十分に低く、経時的に安定であり、CMP工程に耐えるような、十分な機械的強度を有する多孔性シリカは得られていない。特に、CMP工程においては、多孔性シリカ層とその上下に配置される層との密着が完全でないと剥離が起こりやすいという問題がある。すなわち、銅を用いた半導体素子の配線構造において、銅の拡散を防ぐ等の目的で、低誘電率を有する絶縁薄膜の上下に、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素等からなる下地層やキャップ層を設けることが多いが、CMP工程において、絶縁薄膜および下地層やキャップ層の両方に圧縮応力とシェア応力とがかかるため、絶縁薄膜と下地層やキャップ層との間の密着性が十分でないと容易に剥離が生じ得るからである。
【0006】
従来から知られているシリカ/有機ポリマー複合体から有機ポリマーを加熱により除去する場合、450℃以上の加熱温度が必要であることが半導体素子製造プロセス上の大きな制約になっていた。すなわち、半導体素子製造プロセスにおいて、金属配線の酸化および結晶成長、熱ストレス等を考慮すると、加熱温度の上限は400℃付近、かつ、非酸化性の雰囲気が推奨されている。しかし、この加熱条件では、上記のシリカ/有機ポリマー複合体は大部分の有機ポリマーが残存またはチャー化し、例えば、多層配線構造を作成する場合、下層中に残存した有機ポリマー由来のガスが下層から発生し上層の接着力低下や剥離を引き起こす可能性がある。さらに、有機ポリマー由来の残存物の存在により、配線を形成した半導体デバイスにおいて、高い電圧(例えば、5MV/cm程度)をかけた場合に、線間や層間のリーク電流や絶縁破壊が発生する可能性があることも実用上の問題となっている。
【0007】
これを解決するために、熱的に分解しやすい有機ポリマーを使用するという手段も検討されているが、熱に対して有機ポリマーが鋭敏すぎて、取り扱いが著しく危険であったり、シリカ前駆体との相溶性が悪いために、塗布溶液中で相分離を生じたりする等、実用上の取り扱いが困難であった。さらに、成膜した膜からポリマーを除去する際に、分解/揮発する速度が速いと、膜が緻密化することにより低誘電率化が達成できない。また、成分と組成を適切に選定することによりシリカの多孔質構造が達成できても、薄膜の強度が不十分であったり、基板や配線材料との密着性が低過ぎて実用上問題である等の様々な問題が生じ、理想的な絶縁薄膜の製造は困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の問題を解決して、高い機械強度と低い比誘電率を有し、かつ、基板や配線材料との密着性にも優れたを製造するための塗布組成物、その塗布組成物を用いて得られる絶縁性薄膜、その絶縁性薄膜を用いた配線構造体およびその配線構造体を用いた半導体素子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、シリカ前駆体と化学式(OR8)x(O(CH2)w)y(OR9)z(R8およびR9は、炭素数1〜10のアルキレン基、wは、3〜10、xは、2〜200、yは、2〜100、zは、0〜200、の各々、整数を示す)で表される2元または3元の脂肪族エーテルブロックコポリマーが有機ポリマー全体に対して10重量%以上含まれる有機ポリマーを含有する塗布組成物を用いると、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明により得られる絶縁性薄膜は、機械強度が高く、比誘電率が著しく低い、吸湿性の改善も達成する。と同時に、基板や配線材料への密着性も著しく向上する。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0010】
(1) (A)化学式(1)および/または化学式(2)で表される1〜6官能性のアルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有するシリカ前駆体であって、アルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物に由来する珪素原子の合計に対する1〜3官能性のアルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物に由来する珪素原子の合計の割合が5〜80mol%であるシリカ前駆体と、
R1 n(Si)(OR2)4−n (1)
(式中、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素または1価の有機基を表し、nは0〜3の整数である)
R3 m(R4O)3−mSi(R7)pSi(OR5)3−qR6 q (2)
(R3,R4,R5およびR6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素または1価の有機基を示し、mおよびqは、同一でも異なっていてもよく、0〜2の数を示し、R7は、酸素原子または(CH2)rで表される基、rは、1〜6、pは0または1である)
(B)化学式(3)で表される2元または3元の脂肪族エーテルブロックコポリマーが有機ポリマー全体に対して10重量%以上含まれている有機ポリマー、
(OR8)x(O(CH2)w)y(OR9)z (3)
(R8およびR9は、炭素数1〜10のアルキレン基、wは、3〜10、xは、2〜200、yは、2〜100、zは、0〜200の、各々、整数である)
を含有することを特徴とする絶縁性薄膜製造用の塗布組成物。
【0011】
(2) 化学式(3)において、wが4であることを特徴とする(1)に記載の絶縁性薄膜製造用の塗布組成物
(3) 有機ポリマーの末端基の少なくとも一つがシリカ前駆体に対して化学的に不活性な基であることを特徴とする(1)または(2)に2記載の絶縁性薄膜製造用の塗布組成物。
(4) (1)〜(3)のいずれか1つに記載の塗布組成物を基板上に塗布した後、シリカ前駆体をゲル化することにより得られるシリカ/有機ポリマー複合薄膜から有機ポリマーが除去されてなることを特徴とする多孔性のシリカからなる絶縁性薄膜。
(5) (4)に記載の薄膜を絶縁物として用いた配線構造体。
(6) (5)に記載の配線構造体を包含する半導体素子。
【0012】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう多孔性のシリカとは、化学式(4)で表される化合物を主成分とした多孔質のものである。
RxHySiOz (4)
(式中、Rは、炭素数1〜8の直鎖状、分岐上若しくは環状のアルキル基、またはアリール基、0≦x<2、0≦y<2、0≦(x+y)<2、1<z≦2である)。
【0013】
本発明の、化学式(1)で表されるアルコキシシランにおいて、Si(OR2)4を4官能性のアルコキシシラン、化学式(1)でnが1の場合、すなわち、R1(Si)(OR2)3を3官能性のアルコキシシラン、nが2の場合、すなわちR1 2(Si)(OR2)2を2官能性のアルコキシシラン、nが3の場合、すなわちR1 3(Si)(OR2)を1官能性のアルコキシシランという。
化学式(2)で表されるアルコキシシランにおいて、例えば、m=q=1であるR3(R4O)2Si−(R7)p−Si(OR5)2R6の化合物を4官能性のアルコキシシラン、m=0、かつ、q=1、またはm=1、かつ、q=0である、例えば、(R4O)3Si−(R7)p−Si(OR5)2R6の化合物を5官能性のアルコキシシラン、m=q=0である(R4O)3Si−(R7)p−Si(OR5)3の化合物を6官能性のアルコキシシラン、化学式(2)でm=q=2であるR3 2(R4O)Si−(R7)p−Si(OR5)R6 2を2官能性のアルコキシシラン、m=2、かつ、q=1、またははm=1、かつ、q=2である、例えば、R3 2(R4O)Si−(R7)p−Si(OR5)2R6の化合物を3官能性のアルコキシシランという。
【0014】
アルコキシシランが加水分解、重縮合してその縮合率が90%を越えるものを本発明ではシリカという。
以下に、本発明に用いる絶縁薄膜製造用塗布組成物(以下、塗布組成物、という)について説明する。
本発明に用いる塗布組成物は、アルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物から選ばれた少なくとも1種を含有するシリカ前駆体および特定の有機ポリマーを主成分とする。
【0015】
先ず、シリカ前駆体(A)について説明する。
シリカ前駆体に含まれる化学式(1)で表されるアルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物は、その出発原料であるアルコキシシランが4、3、2および1官能性のものである。アルコキシシラン、その加水分解物、および重縮合物を、以下、アルコキシシラン等という。
化学式(1)で表される4官能性のアルコキシシランの具体例として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
【0016】
これら4官能性のアルコキシシランの中でも、好ましいのはテトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランである。
化学式(1)で表される3官能性のアルコキシシランの具体例として、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリールトリメトキシシラン、アリールトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−i−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−i−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−i−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。アルコキシシラン類の部分加水分解物を原料としてもよい。
【0017】
これら3官能性のアルコキシシランの中でも、好ましいのはトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランである。
【0018】
ケイ素原子上にビニル基が結合した3官能性のアルキルシラン等も好ましい。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
化学式(1)で表される2官能性のアルコキシシランの具体例として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−i−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−i−プロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−i−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−tert−ブトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジ−n−プロポキシシラン、メチルエチルジ−i−プロポキシシラン、メチルエチルジ−n−ブトキシシラン、メチルエチルジ−sec−ブトキシシラン、メチルエチルジ−tert−ブトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルプロピジ−n−プロポキシシラン、メチルプロピルジ−i−プロポキシシラン、メチルプロピルジ−n−ブトキシシラン、メチルプロピルジ−sec−ブトキシシラン、メチルプロピルジ−tert−ブトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジ−n−プロポキシシラン、メチルフェニルジ−i−プロポキシシラン、メチルフェニルジ−n−ブトキシシラン、メチルフェニルジ−sec−ブトキシシラン、メチルフェイルジ−tert−ブトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジ−n−プロポキシシラン、エチルフェニルジ−i−プロポキシシラン、エチルフェニルジ−n−ブトキシシラン、エチルフェニルジ−sec−ブトキシシラン、エチルフェニルジ−tert−ブトキシシラン等のケイ素原子上に2個のアルキル基またはアリール基が結合したアルキルシラン等が挙げられる。
【0019】
本発明の2官能性のアルコキシシランとして、好ましいのはジメチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン等である。
【0020】
また、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、エチルジメトキシシラン、エチルジエトキシシラン、プロピルジメトキシシラン、プロピルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン等のケイ素原子に直接水素原子が結合したものも用いることもできる。
メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、メチルビニルジ−n−プロポキシシラン、メチルビニルジ−i−プロポキシシラン、メチルビニルジ−n−ブトキシシラン、メチルビニルジ−sec−ブトキシシラン、メチルビニルジ−tert−ブトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジ−n−プロポキシシラン、ジビニルジ−i−プロポキシシラン、ジビニルジ−n−ブトキシシラン、ジビニルジ−sec−ブトキシシラン、ジビニルジ−tert−ブトキシシラン等、ケイ素原子上に1ないし2個のビニル基が結合したアルキルシラン等も好ましい。
【0021】
化学式(1)で表される1官能性のアルコキシシランの具体例として、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチル−n−プロポキシシラン、トリメチル−i−プロポキシシラン、トリメチル−n−ブトキシシラン、トリメチル−sec−ブトキシシラン、トリメチル−tert−ブトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチル−n−プロポキシシラン、トリエチル−i−プロポキシシラン、トリエチル−n−ブトキシシラン、トリエチル−sec−ブトキシシラン、トリエチル−tert−ブトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリプロピル−n−プロポキシシラン、トリプロピル−i−プロポキシシラン、トリプロピル−n−ブトキシシラン、トリプロピル−sec−ブトキシシラン、トリプロピル−tert−ブトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリフェニル−n−プロポキシシラン、トリフェニル−i−プロポキシシラン、トリフェニル−n−ブトキシシラン、トリフェニル−sec−ブトキシシラン、トリフェニル−tert−ブトキシシラン、メチルジエチルメトキシシラン、メチルジエチルエトキシシラン、メチルジエチル−n−プロポキシシラン、メチルジエチル−i−プロポキシシラン、メチルジエチル−n−ブトキシシラン、メチルジエチル−sec−ブトキシシラン、メチルジエチル−tert−ブトキシシラン、メチルジプロピルメトキシシラン、メチルジプロピルエトキシシラン、メチルジプロピル−n−プロポキシシラン、メチルジプロピル−i−プロポキシシラン、メチルジプロピル−n−ブトキシシラン、メチルジプロピル−sec−ブトキシシラン、メチルジプロピル−tert−ブトキシシラン、メチルジフェニルメトキシシラン、メチルジフェニルエトキシシラン、メチルジフェニル−n−プロポキシシラン、メチルジフェニル−i−プロポキシシラン、メチルジフェニル−n−ブトキシシラン、メチルジフェニル−sec−ブトキシシラン、メチルジフェニル−tert−ブトキシシラン、エチルジメチルメトキシシラン、エチルジメチルエトキシシラン、エチルジメチル−n−プロポキシシラン、エチルジメチル−i−プロポキシシラン、エチルジメチル−n−ブトキシシラン、エチルジメチル−sec−ブトキシシラン、エチルジメチル−tert−ブトキシシラン、エチルジプロピルメトキシシラン、エチルジプロピルエトキシシラン、エチルジプロピル−n−プロポキシシラン、エチルジプロピル−i−プロポキシシラン、エチルジプロピル−n−ブトキシシラン、エチルジプロピル−sec−ブトキシシラン、エチルジプロピル−tert−ブトキシシラン、エチルジフェニルメトキシシラン、エチルジフェニルエトキシシラン、エチルジフェニル−n−プロポキシシラン、エチルジフェニル−i−プロポキシシラン、エチルジフェニル−n−ブトキシシラン、エチルジフェニル−sec−ブトキシシラン、エチルジフェニル−tert−ブトキシシラン、プロピルジメチルメトキシシラン、プロピルジメチルエトキシシラン、プロピルジメチル−n−プロポキシシラン、プロピルジメチル−i−プロポキシシラン、プロピルジメチル−n−ブトキシシラン、プロピルジメチル−sec−ブトキシシラン、プロピルジメチル−tert−ブトキシシラン、プロピルジエチルメトキシシラン、プロピルジエチルエトキシシラン、プロピルジエチル−n−プロポキシシラン、プロピルジエチル−i−プロポキシシラン、プロピルジエチル−n−ブトキシシラン、プロピルジエチル−sec−ブトキシシラン、プロピルジエチル−tert−ブトキシシラン、プロピルジフェニルメトキシシラン、プロピルジフェニルエトキシシラン、プロピルジフェニル−n−プロポキシシラン、プロピルジフェニル−i−プロポキシシラン、プロピルジフェニル−n−ブトキシシラン、プロピルジフェニル−sec−ブトキシシラン、プロピルジフェニル−tert−ブトキシシランフェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジメチル−n−プロポキシシラン、フェニルジメチル−i−プロポキシシラン、フェニルジメチル−n−ブトキシシラン、フェニルジメチル−sec−ブトキシシラン、フェニルジメチル−tert−ブトキシシラン、フェニルジエチルメトキシシラン、フェニルジエチルエトキシシラン、フェニルジエチル−n−プロポキシシラン、フェニルジエチル−i−プロポキシシラン、フェニルジエチル−n−ブトキシシラン、フェニルジエチル−sec−ブトキシシラン、フェニルジエチル−tert−ブトキシシラン、フェニルジプロピルメトキシシラン、フェニルジプロピルエトキシシラン、フェニルジプロピル−n−プロポキシシラン、フェニルジプロピル−i−プロポキシシラン、フェニルジプロピル−n−ブトキシシラン、フェニルジプロピル−sec−ブトキシシラン、フェニルジプロピル−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
【0022】
また、ケイ素原子上に1〜3個のビニル基が結合したアルキルシラン等も好適である。具体的には、トリビニルメトキシシラン、トリビニルエトキシシラン、トリビニル−n−プロポキシシラン、トリビニル−i−プロポキシシラン、トリビニル−n−ブトキシシラン、トリビニル−sec−ブトキシシラン、トリビニル−tert−ブトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチル−n−プロポキシシラン、ビニルジメチル−i−プロポキシシラン、ビニルジメチル−n−ブトキシシラン、ビニルジメチル−sec−ブトキシシラン、ビニルジメチル−tert−ブトキシシラン、ビニルジエチルメトキシシラン、ビニルジエチルエトキシシラン、ビニルジエチル−n−プロポキシシラン、ビニルジエチル−i−プロポキシシラン、ビニルジエチル−n−ブトキシシラン、ビニルジエチル−sec−ブトキシシラン、ビニルジエチル−tert−ブトキシシラン、ビニルジプロピルメトキシシラン、ビニルジプロピルエトキシシラン、ビニルジプロピル−n−プロポキシシラン、ビニルジプロピル−i−プロポキシシラン、ビニルジプロピル−n−ブトキシシラン、ビニルジプロピル−sec−ブトキシシラン、ビニルジプロピル−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
【0023】
本発明の1官能性のアルコキシシランとして、先に述べたようなアルコキシシランが用いられるが、その中で、好ましいのはトリメチルメトキシシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメチルメトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラン等のアルキルシランが挙げられる。
【0024】
本発明で用いることができる化学式(2)で表されるアルコキシシラン等は、その出発原料であるアルコキシシランが6、5、4、3および2官能性のものである。
化学式(2)で表されるアルコキシシランのうち、R7が−(CH2)n−の化合物で6、5、4、3および2官能性のアルコキシシランの具体例として、まず6官能性のアルコキシランの例として、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリフェノキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリフェノキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリフェノキシシリル)プロパン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。
【0025】
5官能性のアルコキシシランとして、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−t−ブトキシシリル)エタン等が挙げられる。
【0026】
4官能性のアルコキシシランの例として、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)メタン、ビス(ジエトキシフェニルシリル)メタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)エタン、ビス(ジエトキシフェニルシリル)エタン、1,3−ビス(ジメトキシメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジエトキシメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジメトキシフェニルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジエトキシフェニルシリル)プロパン等が挙げられる。
【0027】
3官能性のアルコキシシランとして、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(メトキシジメチルシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(エトキシジメチルシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(n−プロポキジメチルシリル)メタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−1−(i−プロポキシジメチルシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(n−ブトキシジメチルシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(sec−ブトキシジメチルシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−1−(t−ブトキシジメチルシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(メトキシジメチルシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(エトキシジメチルシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(n−プロポキシジメチルシリル)エタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−2−(i−プロポキシジメチルシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(n−ブトキシジメチルシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(sec−ブトキシジメチルシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−2−(t−ブトキシジメチルシリル)エタン等が挙げられる。
【0028】
2官能性のアルコキシシランの具体例として、ビス(メトキシジメチルシリル)メタン、ビス(エトキシジメチルシリル)メタン、ビス(メトキシジフェニルシリル)メタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)メタン、ビス(メトキシジメチルシリル)エタン、ビス(エトキシジメチルシリル)エタン、ビス(メトキシジフェニルシリル)エタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)エタン、1,3−ビス(メトキシジメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(メトキシジフェニルシリル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジフェニルシリル)プロパン等が挙げられる。
【0029】
化学式(2)でR7が酸素原子の化合物で6官能性のアルコキシシランとしては、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサフェノキシジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−メチルジシロキサン、5官能性のアルコキシシランとして、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−フェニルジシロキサン、4官能性のアルコキシシランとして、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、3官能性のアルコキシシランとして、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、2官能性のアルコキシシランとして、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン等を挙げることができる。
【0030】
化学式(2)で、pが0の化合物で6,5,4、3および2官能性のアルコキシシランの具体例として、6官能性のアルコキシシランの具体例として、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェニキシジシラン、5官能性のアルコキシシランの具体例として、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−フェニルジシラン、4官能性のアルコキシシランの具体例として、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、3官能性のアルコキシシランの具体例として、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、2官能性のアルコキシシランの具体例として、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン等を挙げることができる。
【0031】
本発明の1、2、3官能性のアルコキシシランとして、先に述べたようなアルコキシシランが用いられるが、その中で、好ましいのがトリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラン等のケイ素原子に直接3個のアルキル基またはアリール基が結合したアルキルシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン等のケイ素原子に直接2個のアルキル基またはアリール基が結合したアルキルシラン、さらに、前記したケイ素原子に直接1個のアルキル基またはアリール基が結合したアルコキシシランが挙げられる。
【0032】
また、メチルジエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン等のケイ素原子に直接水素原子が結合したものも用いることもできる。
さらに、ビス(エトキシジメチルシリル)メタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)メタン、ビス(エトキシジメチルシリル)エタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)エタン、1,3−ビス(エトキシジメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジフェニルシリル)プロパン、3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン等を好適に用いることができる。
【0033】
これらの中で、好ましいアルコキシシランとして、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシランが挙げられる。
【0034】
本発明のシリカ前駆体には、上記のアルコキシシラン、その加水分解、およびその重縮合したもののうち、少なくとも1種を含んでいる。
加水分解物には部分加水分解物も含まれる。例えば、シリカ前駆体(A)に用いられる4官能性のアルコキシシランの場合、4つのアルコキシのすべてが加水分解されている必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、またはこれらの混合物が存在していてもよい。
【0035】
本発明におけるシリカ前駆体(A)に含有される重縮合物とは、シリカ前駆体(A)の加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものであるが、シラノール基がすべて縮合している必要はなく、一部のシラノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物等でもよい。
本発明の塗布組成物に含まれるシリカ前駆体は、化学式(1)および化学式(2)で表されるアルコキシシラン等のうち、1〜3官能性アルコキシシラン等に由来する珪素原子の合計が、全体の1〜6官能性アルコキシシランに由来する珪素原子に対して5〜80モル%包含されることが必要であり、好ましくは10〜70モル%、より好ましくは20〜60モル%である。1〜3官能性アルコキシシランに由来する珪素原子が5モル%未満では、薄膜の比誘電率が下がらない。一方、80モル%を越えると、薄膜の機械強度が低下する。
【0036】
本発明の塗布組成物中のシリカ前駆体の含有量は、全固形分濃度として表すことができる。後で述べるように、全固形分濃度は、目的とする絶縁性薄膜の膜厚にもよるが、優れた保存安定性を発揮する上から2〜30重量%が好ましい。
全固形分濃度は、既知量の本発明の塗布組成物、すなわち、シリカ前駆体および有機ポリマーを含有する組成物の全量に対する、仕込みのアルコキシシランの全量が加水分解および縮合反応して得られるシロキサンの重量の割合として求められる。
【0037】
次に、本発明において、(B)成分として用いられる有機ポリマーについて説明する。
有機ポリマーは、化学式(3)で示される2元または3元の脂肪族エーテルブロックリマ−(以下、ブロックポリマー、ということがある)とそれ以外の有機ポリマーからなる。
(B)成分として用いられる有機ポリマーは、(A)成分が硬化する過程または硬化後に、熱により揮発もしくはガスを発生し、好ましくは系外に揮散することにより、絶縁薄膜中に極めて微細な空孔を形成し、絶縁膜の比誘電率を低下させる作用をする。(B)成分が揮発またはガスを発生する温度は、大気圧下、0〜500℃の範囲が好ましく、より好ましくは25〜400℃である。
【0038】
ブロックポリマー以外の有機ポリマーとしては、任意の化合物が用いられるが、本発明の塗布組成物中で安定に溶解するものをしていることが必要である。上記の条件を満たすものとして、例えば、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリアンハイドライド等を主とした構成成分からなるポリマーが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ポリエーテル鎖を骨格構造にもつものが好ましい。有機ポリマーは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0039】
ブロックポリマー以外の有機ポリマーの分子量は、数平均で、通常、100〜100万、好ましくは100〜30万、より好ましくは200〜5万である。分子量が100未満であると、前記ポリマーがシリカ/有機ポリマー複合体から除去されるのが速くなり、所望するような空孔率を持った多孔性シリカ薄膜が得られにくいことがあり、前記ポリマーの分子量が100万を越えると、前記ポリマーが除去される速度が遅くなり、得られる薄膜中にポリマーが残存しやすくなる。前記ポリマーの分子量が200〜5万の場合には、低温、かつ、短時間に所望するような高い空孔率を持った多孔性シリカ薄膜がきわめて容易に得られるので好ましい。ここで注目すべきことは、多孔性シリカの空孔の大きさは、ポリマーの分子量にあまり依存せずに、きわめて小さく、かつ、均一なことである。
【0040】
ブロックポリマー以外の有機ポリマーとして使用される化合物について例示する。
脂肪族ポリエーテルの例として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソブチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコールのようなポリアルキレングリコール類、ポリジオキソラン、ポリジオキセパン等が挙げられる。アルキレングリコールとは、炭素数2以上のアルカンの同一炭素原子上に結合していない2個の水素原子を、それぞれ水酸基に置換して得られる2価アルコールを指す。
【0041】
さらに、グリセロール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ペンチトール、ペントース、ヘキシトール、ヘキソース、ヘプトース等に代表される糖鎖に含まれるヒドロキシル基のうちの少なくとも3つとポリマー鎖が結合した構造、および/またはヒドロキシル酸に含まれるヒドロキシル基とカルボキシル基のうち少なくとも3つが上述したブロックコポリマー鎖を含む脂肪族ポリエーテル鎖と結合した構造である有機ポリマーを配合しても好適に本発明の塗布用組成物を得ることができる。具体的には分岐状のグリセロールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、エリスリトールポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレングリコール等が含まれる。
【0042】
上記の糖鎖以外にも用いることのできる糖鎖の具体例としては、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、スレイトール、マルチトール、アラビトール、ラクチトール、アドニトール、セロビトール、グルコース、フルクトース、スクロース、ラクトース、マンノース、ガラクトース、エリスロース、キシルロース、アルロース、リボース、ソルボース、キシロース、アラビノース、イソマルトース、デキストロース、グルコヘプトース等が挙げられる。ヒドロキシル酸の具体例として、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルコヘプトン酸、グルコオクタン酸、スレオニン酸、サッカリン酸、ガラクトン酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシコハク酸等が挙げられる。
【0043】
さらに、本発明では、(B)成分として脂肪族高級アルコールにアルキレンオキサイドを付加重合させた直鎖状の高級脂肪族/アルキレンオキサイドブロックコポリマーも使用することが可能である。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリールエーテル、ポリオキシプロピレンステアリールエーテル等が挙がられる。
【0044】
この他に、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリアンハイドライドも(B)成分として使用可能である。
脂肪族ポリエステルとしては、具体的には、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリピバロラクトン等のヒドロキシカルボン酸の重縮合物やラクトンの開環重合物、およびポリエチレンオキサレート、ポリエチレンスクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンアジペート、ポリオキシジエチレンアジペート等のジカルボン酸とアルキレングリコールとの重縮合物、ならびにエポキシドと酸無水物との開環共重合物を挙げることができる。
【0045】
脂肪族ポリカーボネートの例としては、主鎖部分としてポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリペンタメチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート等のポリカーボネートを挙げることができる。
脂肪族ポリアンハイドライドの例としては、主鎖部分として、ポリマロニルオキシド、ポリアジポイルオキシド、ポリピメロイルオキシド、ポリスベロイルオキシド、ポリアゼラオイルオキシド、ポリセバコイルオキシド等のジカルボン酸の重縮合物をあげることができる。ジカルボン酸とは、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のカルボキシル基を2個有する有機酸を指す。
【0046】
この他、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリジエン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリビニルアミド、ポリビニルアミン、ポリビニルエステル、ポリビニルピロリドン、ポリハロゲン化ビニル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリイミン、ポリイミド、セルロース等の多糖類、およびこれらの誘導体を主なる構成成分とするポリマーを(B)成分として使用することができる。
【0047】
これらのポリマーの構成単位であるモノマーどうしの共重合体や、その他の任意のモノマーとの共重合体を用いてもよい。
さらに、本発明で(B)成分として用いることのできる、ブロックポリマー以外の有機ポリマーとして、分子内に少なくとも一つの重合可能な官能基を有するポリマーも挙げることができる。このようなポリマーを用いると、理由は定かではないが、多孔性薄膜の強度が向上する。
【0048】
重合可能な官能基としては、ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基、グリシジル基、アリル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、アミノ基、イミノ基、ハロゲン基等が挙げられる。これらの官能基は、ポリマーの主鎖中にあっても末端にあっても側鎖にあってもよい。またポリマー鎖に直接結合していてもよいし、アルキレン基やエーテル基等のスペーサーを介して結合していてもよい。同一のポリマー分子が1種類の能基を有していても、2種類以上の官能基を有していてもよい。上に挙げた官能基の中でも、ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基、グリシジル基、アリル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましく用いられる。
【0049】
重合可能な官能基を有するポリマーの基本骨格としては、前述したポリマーの例と同様、熱分解温度の低い脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリアンハイドライドを主なる構成要素とするものを用いるのが好ましい。
本発明で用いることができる重合性官能基を有する有機ポリマーの基本骨格を更に具体的に示す。なお、以下アルキレンとは、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、イソプロピリデン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルトリメチレンを指し、ここでのアルキルとはC1〜C8のアルキル基およびフェニル基、トリル基、アニシル基等のアリール基も含み、−メタ−アクリレートとはアクリレートとメタクリレートの両方を指し、ジカルボン酸とは蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機酸を指す。
【0050】
脂肪族ポリエーテルの例としては、ポリアルキレングリコール−メタ−アクリレート、ポリアルキレングリコールジ−メタ−アクリレート、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル−メタ−アクリレート、ポリアルキレングリコールビニルエーテル、ポリアルキレングリコールジビニルエーテル、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルビニルエーテル、ポリアルキレングリコールグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルグリシジルエーテル等に代表される、末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポリエーテルが挙げられる。当然、前述した2元以上の直鎖または分岐状のポリエーテルブロックコポリマーをこれらの官能基で修飾したポリマーも含まれる。
【0051】
脂肪族ポリエステルの例としては、ポリカプロラクトン−メタ−アクリレート、ポリカプロラクトンビニルエーテル、ポリカプロラクトングリシジルエーテル、ポリカプロラクトンビニルエステル、ポリカプロラクトングリシジルエステル、ポリカプロラクトンビニルエステル−メタ−アクリレート、ポリカプロラクトングリシジルエステル−メタ−アクリレート、ポリカプロラクトンビニルエステルビニルエーテル、ポリカプロラクトングリシジルエステルビニルエーテル、ポリカプロラクトンビニルエステルグリシジルエーテル、ポリカプロラクトングリシジルエステルグリシジルエーテル、さらに、ポリカプロラクトントリオールの−メタ−アクリレート、ジ−メタ−アクリレート、トリ−メタ−アクリレート、ビニルエーテル、ジビニルエーテル、トリビニルエーテル、グリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテルの各末端修飾ポリマー等に代表される、片末端あるいは両末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつポリカプロラクトンやジカルボン酸とアルキレングリコールとの重合体であり、片末端または両末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
【0052】
片末端または両末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポリアルキレンカーボネートや、ジカルボン酸無水物の重合体であり、末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポリアンハイドライドも使用することができる。
これらの他に、ポリグリシジル−メタ−アクリレート、ポリアリル−メタ−アクリレート、ポリビニル−メタ−アクリレート等、側鎖にビニル基、グリシジル基、アリール基等の官能基を有するポリアクリル酸エステルおよびポリメタクリル酸エステル、ポリケイ皮酸ビニル、ポリビニルアジドベンザル、エポキシ樹脂等の添加も場合によっては有効である。ただし、これらの例示によって本発明で使用される有機ポリマーが限定されるものではない。
【0053】
(B)成分として用いられる有機ポリマーにおいて、ポリマー鎖の末端基が特定の条件を満たしていることが好ましい。
すなわち、有機ポリマーの末端基の少なくとも1つの末端基が化学的に不活性な基であることが好ましい。化学的に不活性な基とは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基のように、水中においてプロトンが容易に遊離またはその基がプロトンを受理して電離するような、シリカ前駆体に対して反応性をもつ基以外の置換基を意味する。化学的に不活性な置換基を有機ポリマーの末端に含んでいることにより、薄膜の製造時にシリカ/有機ポリマー複合体薄膜から有機ポリマーがより容易に除去される。
【0054】
好ましい不活性基としては、直鎖状、分岐状および環状のアルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、アルキルカーボネート基、ウレタン基およびトリアルキルシリル基変性された基が挙げられる。
以下に、末端基を特定した本発明で使用可能な(B)成分の例を、特に、脂肪族ポリエーテルについて示す。
末端にエステル基を持つ脂肪族ポリエーテル類としては、上記アルキレングリコール類の少なくとも一つの末端を、例えば、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、安息香酸エステルとしたもの等が挙げられる。また、アルキレングリコール類の末端をカルボキシメチルエーテル化し、この末端のカルボキシル基をアルキルエステル化したものも好適に用いられる。例えば、ポリエチレングリコールモノ酢酸エステル、ポリエチレングリコールジ酢酸エステル、ポリプロピレングリコールモノ酢酸エステル、ポリプロピレングリコールジ酢酸エステル、ポリエチレングリコールジ安息香酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル、ポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールビスカルボキシメチルエーテルジメチルエス
テル、ポリプロピレングリコールビスカルボキシメチルエーテルジメチルエステル、グリセリンポリエチレングリコールトリ酢酸エステル、ペンタエリスリトールポリエチレングリコールテトラ酢酸エステル、ペンチトールポリエチレングリコールペンタ酢酸エステル、ソルビトールポリエチレングリコールヘキサ酢酸エステル等が好ましい例として挙げられる。
【0055】
末端にアミド基を持つ脂肪族ポリエーテル類としては、上記のアルキレングリコール類の少なくとも一つの末端をカルボキシメチルエーテル化し、そのあとでアミド化する方法、ヒドロキシ末端をアミノ基変性したあとにアミド化する方法、等が挙げられ、具体的には、ポリエチレングリコールビス(カルボキシメチルエーテルジメチルアミド)、ポリプロピレングリコールビス(カルボキシメチルエーテルジメチルアミド)、ポリエチレングリコールビス(カルボキシメチルエーテルジエチルアミド)、グリセリンポリエチレングリコールトリカルボキシメチルエーテルジメチルアミド、ペンタエリスリトールポリエチレングリコールテトラカルボキシメチルエーテルジメチルアミド、ペンチトールポリエチレングリコールペンタカルボキシメチルエーテルジメチルアミド、ソルビトールポリエチレングリコールヘキサカルボキシメチルエーテルジメチルアミド等が好適に用いられる。
【0056】
末端にアルキルカーボネート基を持つ脂肪族ポリエーテル類としては、例えば上記アルキレングリコール類の少なくとも一つの末端に、ホルミルエステル基をつける方法が挙げられ、具体的には、ビスメトキシカルボニルオキシポリエチレングリコール、ビスエトキシカルボニルオキシポリエチレングリコール、ビスエトキシカルボニルオキシポリプロピレングリコール、ビスtert−ブトキシカルボニルオキシポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0057】
また、有機ポリマーの末端基を制御すると末端基近傍でのシリカ前駆体との相溶性が特に良好となるため、本発明の必須成分である直鎖状のブロックコポリマー以外の有機ポリマー成分として、末端基密度の高い分岐ポリマーを使用しても相溶性を良好に向上させることができ、シリカ/有機ポリマー複合体の均一性が高められるため、薄膜の表面均一性を向上させるので好ましい。
次に、有機ポリマー中に配合する、特定のブロックコポリマーについて説明する。このブロックポリマーは、後で述べるように、加熱焼成によって、塗膜が多孔性のシリカ薄膜に変換する場合に、熱分解温度が低く、かつ、シリカ前駆体およびシリカとの相溶性が適度に良好であるため、本発明において極めて重要な成分である。
【0058】
相溶性が適度に良好であるとは、このブロックコポリマーが、シリカ前駆体およびシリカに対して親和性が良好であることをいう。両者の親和性が適度に良好であると、シリカ前駆体とポリマー間での相分離状態が制御され、その後の工程でブロックコポリマーがシリカから抜き去られて多孔体が形成される場合に極端に大きなまたは小さな孔径を持つ孔がなく、孔径が均一になるので、得られた薄膜の表面平滑性がさらに向上し、機械強度も高くなる。
【0059】
本発明に用いられるブロックポリマーは、化学式(3)で表される。
(OR8)x−(O(CH2)w)y−(OR9)z (3)
式中、R8およびR9は、炭素数1〜10のアルキレン基、wは、3〜10、xは、2〜200、yは、2〜100、zは、0〜200の、各々、整数を示す。
R8とR9は、炭素数1〜10のアルキレン基であり、同一であっても異なるものであってもよい。具体的には、−CH2−(メチレン基)、−(CH2)2−(エチレン基)、−(CH2)3−(トリメチレン基)、−(CH2)4−(テトラメチレン基)、−(CH2)10−(デシルメチレン基)のように直鎖型のアルキレン鎖(アルキレン基)の他に、−CH(CH3)CH2−(1−メチルエチレン基)、−CH2CH(CH3)−(2−メチルエチレン基)、−C(CH3)2CH2−(1,1−ジメチルエチレン基)、−CH(CH3)CH(CH3)−(1,2−ジメチルエチレン基)のような、メチレン連鎖を主鎖とし、そのプロトンの一つまたは複数をアルキル基(n−プロピル基のように直鎖状であってもiso−ブチル基のように側鎖をもつものであってもよい)で置換したもの(アルキレン基)であり、その炭素数が1〜10の範囲にあるものであるものをすべて含む。例えば、R8=−(CH2)2−の場合には、(R8O)xの連鎖はポリエチレングリコール鎖、R9=−CH(CH3)CH2−または−CH2CH(CH3)−の場合には、(R9O)zの連鎖はポリプロピレングリコール鎖を意味することになる。
【0060】
化学式(3)において、wは、3〜10の整数である。すなわち、−(O(CH2)w)y−で表される中央部の連鎖は、直鎖状のアルキレンオキサイド基であるが、具体的には、−O(CH2)3−(トリメチレンオキサイド基)、−O(CH2)4−(テトラメチレンオキサイド基)、−O(CH2)5−(ペンタメチレンオキサイド基)、−O(CH2)6−(ヘキサメチレンオキサイド基)、−O(CH2)7−(ヘプタメチレンオキサイド基)、−O(CH2)8−(オクタメチレンオキサイド基)、−O(CH2)10−(デシルメチレンオキサイド基)等を意味する。
【0061】
化学式(3)において、ブロックコポリマーの各構成連鎖の重合度である、x、y、zについては、xは、2〜200、yは、1〜100、zは、0〜200の整数であるが、z≠0の場合には、x、y、zの各整数共、好ましくは5〜90、より好ましくは5〜75、最も好ましくは5〜60の範囲、z=0の場合には、xとyが共に、好ましくは5〜90、より好ましくは5〜75、最も好ましくは5〜60の範囲にあると、良好な塗布組成物を得ることができる。特に、z=0の場合には、本発明の必須成分であるポリマーは、(OR8)x−(O(CH2)w)yの骨格構造をもつ2元の脂肪族エーテルブロックコポリマーを意味する。
【0062】
本発明のブロックコポリマーを、国際純正応用化学連合(IUPAC)の高分子命名法委員会の勧告(高分子,vol.51,269−279(2002))に基づいた命名によって例示すると以下のとおりである。
ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシトリメチレン)、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)、ポリ(オキシ−1−メチルエチレン)−ポリ(オキシトリメチレン)、ポリ(オキシ−1−エチルエチレン)−ポリ(オキシトリメチレン)のような2元ブロックコポリマー、さらにポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシトリメチレン)−ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)−ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシ−1−メチルエチレン)−ポリ(オキシトリメチレン)−ポリ(オキシ−1−メチルエチレン)等の3元ブロックコポリマーを挙げることができるが当然ながらこれらに限定されるものではない。
【0063】
これらの中でも、特に、化学式(OR8)x−(O(CH2)4)y−(OR9)zの構造式で表されるブロックポリマーを用いた場合、本発明の効果である密着性を大きく向上させることができるので好ましい。この際のR8,R9,x,y,zの値の好ましい範囲は上記の通りである。このようなポリマーとしては、上記の中にも一部含まれているが、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)やポリ(オキシ−1−メチルエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)のような2元ブロックコポリマー、およびポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)−ポリ(オキシエチレン)やポリ(オキシ−1−メチルエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)−ポリ(オキシ−1−メチルエチレン)のような3元ブロックコポリマーを挙げることができる。
【0064】
本発明の塗布組成物を構成する有機ポリマーにおいて、上記の条件を満たすブロックコポリマーは、有機化合物中に10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは40重量%以上、最も好ましくは50重量%以上含まれる。有機化合物全体が上記のブロックポリマーであってもよい。ブロックコポリマーの含有率が10重量%未満であると、基板等への十分な密着性が得られない。
本発明の塗布組成物における有機ポリマー(B成分)の割合は、出発原料であるアルコキシシランの仕込み全量が加水分解および縮合反応したと仮定して、得られるシロキサン1重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜5重量部、最も好ましくは0.1〜3重量部である。有機ポリマーの添加量が0.01重量部未満になると、多孔体が得られにくいことがあり、10重量部を越えると、十分な機械強度を有する多孔性シリカが得られにくいことがある。アルコキシシランの仕込み全量が加水分解および縮合反応したと仮定して得られるシロキサンとは、化学式(1)および(2)のSiOR2基、SiOR4基およびSiOR5基が100%加水分解されてSiOHになり、さらに100%縮合してシロキサン構造になったものをいう。
【0065】
本発明の塗布組成物は、通常、水を含有している。有機溶媒は配合されていても配合されていなくてもよい。本発明の塗布組成物がを含有している理由は、シリカ前駆体の生成反応がアルコキシシランの加水分解および脱水縮合反応であるためである。通常、水は、加水分解および脱水縮合の反応剤としてだけでなく溶媒としても作用するので、塗布組成物中に含まれる水の量は塗布組成物全重量に対して、通常、10〜90重量%、好ましくは10〜60重量%である。水の量が10重量%未満の場合、得られる薄膜の機械的強度が高くならない場合があり、90重量%を越えると、塗布組成物において、シリカ前駆体が析出しやすくなる場合がある。
【0066】
ただし、適切なシリカ前駆体/有機ポリマーの組み合わせおよび組成の下では、媒体として水と共に有機溶媒を使用すると、絶縁性薄膜の性能を高めることができる。
本発明において、媒体として用いられる有機溶媒の好ましい例は、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒およびエステル系溶媒であるが、有機溶媒はこれらに限定されない。
【0067】
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒、およびエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒、およびエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等を挙げることができる。これらのアルコール系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0068】
これらのアルコールのうち、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が好ましい。
【0069】
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フェンチョン等のほか、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオン等のβ−ジケトン類等が挙げられる。これらのケトン系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0070】
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジン等が挙げられる。これらアミド系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0071】
エステル系溶媒としては、ジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。これらエステル系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0072】
有機溶媒として、アルコール系溶媒および/またはエステル系溶媒を用いると、塗布性が良好、かつ、貯蔵安定性に優れた組成物が得られる点で好ましい。
本発明の塗布組成物中に有機溶媒を含む場合、それを添加する時期は限定はない。例えば、シリカ前駆体を調製する際に加えてもよいし、シリカ前駆体(A)を加水分解および/または縮合する際に、有機溶媒を新たにまたは追加で添加することができる。
【0073】
本発明において、シリカ前駆体(A)の加水分解および/または縮合速度を制御する目的で酸を添加することも可能である。
本発明で用いることができる酸の具体例としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、トリポリリン酸、ホスフィン酸、ホスフォン酸等の無機酸を挙げることができる。有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、イソニコチン酸等を挙げることができる。
【0074】
本発明の塗布溶液を基板上に塗布した後で、酸として機能するような化合物も含まれる。具体的には、芳香族スルホン酸エステルやカルボン酸エステルのような、加熱または光により分解して酸を発生する化合物が挙げられる。酸は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの酸成分の添加量は、出発原料として仕込まれる化学式(1)および/または(2)のアルコキシシランのアルコキシシラン基の全モル数を1モルとして、通常、1モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、より好ましくは0.2モル%以下である。1モル%を越えると、沈殿物が生成し、均質な多孔質のケイ素酸化物からなる塗膜が得られ難くなったり、比誘電率の低い塗膜が得られない場合がある。
【0075】
本発明を実施するに際して、規定される各種化合物やその組成範囲の中で、安定、かつ、均一性の高い組成物を得るように各構成化合物を選定し、組成を決定することが好ましい。必須成分として使用する2元または3元のポリエーテルブロックコポリマーは、水系の溶液中で極めて高い分散安定性を示すため、シリカ原料/溶媒/その他添加物の組み合わせを適切に調整することにより、塗布組成物としての貯蔵安定性が従来のものよりも大幅に向上される。
【0076】
このようにして得られた塗布組成物を使用することによって、それから製造される多孔性シリカ薄膜の比誘電率を著しく低くすることができる。その理由は明らかではないが、複合体または多孔体中に存在するシリカ末端基であるシラノール基(シラノール基は吸水性で、薄膜の誘電率を著しく上昇させる原因となる)と1,2官能性のアルコキシシラン等との反応が、ポリエーテルブロックコポリマーと酸の作用により促進されることにより、シラノール基が失活されるものと推定される。また、本発明の2元または3元のポリエーテルブロックコポリマーは、塗布液中で強くアルコキシシラン類と相互作用し、両成分は各々で凝集を起こすことなく極めて安定な分散状態を形成するため、これを塗布し、適切な熱処理を施すことにより、極めて均一な多孔質のシリカからなる構造を得ることができる。その結果、得られた絶縁性の薄膜は、CMP処理にも耐え得る高い機械強度を有するものと推定される。
【0077】
加えて、本発明で得られる絶縁性薄膜の大きな特徴は、シリコンウェハー等の基板に対して高い密着性を有することである。これは、塗布組成物を基板上に塗布する際、疎水性の高い基板表面に対し、添加した2元または3元のブロックコポリマーの疎水部が強く相互作用するが、一方で、ブロックポリマーはアルコキシシランのようなシリカ原料とも強く相互作用しているため、基板/絶縁薄膜界面におけるシリカの定着性が、これらのポリマーを加えない場合と比べて大幅に向上することが一因と推定される。
【0078】
本発明の塗布組成物には、その他、所望であれば、例えば、コロイド状シリカや界面活性剤等の成分を添加してもよいし、感光性付与のための光触媒発生剤、基板との密着性を高めるための密着性向上剤、長期保存のための安定剤等任意の添加物を、本発明の趣旨を損なわない範囲で本発明の塗布組成物に添加することも可能である。
次に、本発明の塗布組成物の製造方法について説明する。
【0079】
本発明の塗布組成物の製造方法としては、アルコキシシランを出発原料として仕込み、水を添加して加水分解、縮合反応を行った後、有機ポリマーまたは溶媒を加えてもよいし、アルコキシシランにあらかじめ、有機ポリマーまたは溶媒を添加して、加水分解、重縮合反応を行う方法がある。
アルコキシシランの加水分解のために水が必要である。水を液体のまま、またはアルコールや水溶液として加えるのが一般的であるが、水蒸気の形で加えてもよい。水の添加を急激に行うと、アルコキシシランの種類によっては加水分解と縮合が速く進行しすぎて沈殿を生じる場合があるため、充分な時間をかけて添加する、均一に溶解させるためにアルコール等の溶媒を共存させる、低温で添加する等の手法が単独または組み合わせて用いられる。
【0080】
添加された水は、一旦、アルコキシシランの加水分解のために消費されるが、その後の縮合反応時に副生成物として精製してくるので、本発明の塗布組成物中には、有機溶媒を加えた場合には有機溶媒とともに、適当量、存在する。水は、加水分解、重縮合反応中に全量または断続的に加えてもよい。また、重縮合反応終了後に上記の含有量になるように追加してもよい。
アルコキシシランは、水の存在下、加水分解してシラノールになり、次に、シラノール基間の縮合反応によりシロキサン結合を有するオリゴマー状のシリカ前駆体へと生長する。
【0081】
本発明の塗布組成物において、予め、アルコキシシランをオリゴマー状にしておくと、(l)塗布液粘度が適度に上がるので、塗膜の保形性が確保でき膜厚を均一にできる、(2)さらにシリカ前駆体がゲル化する場合に、シリカ骨格の形成がマイルドに起こるので、膜収縮が起こり難くいために好ましい。
アルコキシシランを加水分解するときの温度は、通常、0〜150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0℃〜50℃である。温度が0℃未満になると加水分解が十分に進行しにくくなり、150℃を越えると反応が急激に進行しすぎて、溶液のゲル化が起こる場合がある。
【0082】
本発明の塗布組成物に含有されるシリカ前駆体の縮合率は、通常、10〜90%、好ましくは20〜85%、より好ましくは30〜85%である。縮合率が10%未満であると、上記の(1)および(2)が達成されにくくなることがあり、縮合率が90%を越えると塗布組成物全体がゲル化しやすくなることがある。シリカ前駆体の縮合率は、後に述べるシリカ組成比を求める場合と同様の測定法により算出される。
【0083】
酸は、アルコシシランの加水分解、縮合反応時に全量添加してもよいし、段階的に添加してもよい。また、塗布組成物の塗布する直前に添加してもよい。
塗布組成物中のナトリウム、カリウム等のアルカリ金属および鉄の含量は、塗膜の低リーク電流の観点から、好ましくは15ppb以下、より好ましくは10ppb以下である。アルカリ金属および鉄は、使用する原料から混入する場合があり、シリカ前駆体(A)、有機ポリマー(B)および水、有機溶媒等を蒸留等により精製することが好ましい。
【0084】
以上のようにして得られる塗布組成物を塗布液として用い、基板上に塗布し、得られた塗膜中のシリカ前駆体をゲル化させることによって、シリカ/有機ポリマー複合体薄膜を得ることができる。
以下に、本発明の塗布組成物を塗膜して薄膜を得る方法、および薄膜をゲル化して複合体薄膜とする方法、さらに複合体薄膜から有機ポリマーを除去させる方法について説明する。
【0085】
本発明における塗布組成物の全固形分濃度は2〜30重量%が好ましいが、使用目的に応じて適宜調整される。塗布組成物の全固形分濃度が2〜30重量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れる。なお、この全固形分濃度の調整は、必要であれば、濃縮または水や有機溶媒による希釈によって行われる。
薄膜の形成は、基板上に本発明の塗布組成物を塗布することによって行われる。塗布方法としては、流延、浸漬、スピンコート等の公知の方法で行うことができるが、半導体素子の多層配線構造体用の絶縁層の製造に用いるにはスピンコートが好ましい。薄膜の厚さは、塗布組成物の粘度や回転速度を変えることによって、0.1〜100μmの範囲で制御できる。厚みが100μmを越えるとクラックが発生する場合がある。半導体素子の多層配線構造体用の絶縁層としては、通常、0.1〜5μmの範囲で用いられる。
【0086】
基板としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体基板、ガリウム−ヒ素、インジウム−アンチモン等の化合物半導体基板等を用いこともできるし、これらの表面に他の物質の薄膜を形成した上で用いることも可能である。この場合、薄膜としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、銀、タンタル、タングステン、オスミウム、白金、金等の金属の他に、二酸化ケイ素、フッ素化ガラス、リンガラス、ホウ素−リンガラス、ホウケイ酸ガラス、多結晶シリコン、アルミナ、チタニア、ジルコニア、窒化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、窒化ホウ素、水素化シルセスキオキサン等の無機化合物、メチルシルセスキオキサン、アモルファスカーボン、フッ素化アモルファスカーボン、ポリイミド、その他任意のブロックコポリマーからなる薄膜を用いることができる。
【0087】
薄膜の形成に先立ち、基板の表面を、あらかじめ密着向上剤で処理してもよい。密着向上剤としては、シランカップリング剤として用いられるものやアルミニウムキレート化合物等を使用することができる。好ましく用いられるものとして、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジクロロシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等が挙げられる。これらの密着向上剤を塗布するにあたっては、必要に応じて他の添加物を加えたり、溶媒で希釈して用いてもよい。密着向上剤による処理は公知の方法で行うことができる。
【0088】
塗布組成物を塗膜にした後、引き続きゲル化させる。ゲル化させる温度は限定されないが、通常、100〜300℃、好ましくは150〜300℃、ゲル化反応に要する時間は、熱処理温度、触媒添加量、溶媒種および量等によっても異なるが、通常、数秒間から10時間、好ましくは30秒〜5時間、より好ましくは1分〜2時間である。この操作により、塗布組成物中のシリカ前駆体のゲル化反応が十分に進行し、シリカが形成される。
【0089】
シリカの縮合率は、100%近くまで達する場合がある。通常は90%を越える程度である。この場合の縮合率は、固体NMRで求めることができる。ゲル化させる温度が100℃未満の場合、後工程であるポリマー除去工程において、ゲル化が十分に進行する前にポリマーが除去され始めるので、その結果、塗膜の高密度化が起こってしまう。また300℃を越えると、巨大なボイドが生成しやすく、シリカ/有機ポリマー複合体薄膜の均質性が低下する。
【0090】
このようにして得られたシリカ/有機ポリマー複合体薄膜は、誘電率が低く、厚膜形成性があるので、このままで配線の絶縁部分として用いることもできる。さらに、薄膜以外の用途、例えば、光学的膜、構造材料、フィルム、コーティング材等として使用することも可能である。しかし、LSI多層配線の絶縁物として、さらに誘電率の低い材料を得ることを目的として、多孔性シリカ薄膜に変換することが好ましい。
【0091】
シリカ/有機ポリマー複合体薄膜から絶縁性の多孔性シリカ薄膜へは、シリカ/有機ポリマー複合体薄膜から有機ポリマーを除去することによって行われる。この時に、シリカ前駆体のゲル化反応が十分に進行していれば、シリカ/有機ポリマー複合体薄膜中の有機ポリマーが占有していた領域が、多孔性シリカ薄膜中の空孔としてつぶれずに残る。その結果、空隙率が高く、誘電率の低い多孔性シリカ薄膜を得ることができる。
【0092】
有機ポリマーを除去する方法としては、加熱、プラズマ処理、溶媒抽出等が挙げられるが、現行の半導体素子製造プロセスにおいて、容易に実施可能であるという観点からは、加熱が最も好ましい。この場合、加熱温度は、用いる有機ポリマーの種類に依存し、薄膜状態下で単に蒸散除去されるもの、有機ポリマーの分解を伴って焼成除去されるもの、およびその混合した場合があるが、通常の加熱温度は300〜450℃、好ましくは350〜400℃の範囲である。加熱温度が300℃未満の場合、有機ポリマーの除去が不充分で、有機物の不純物が残るため、誘電率の低い多孔性シリカ薄膜が得られない場合がある。また汚染ガス発生量も多くなる。逆に450℃を越える温度で処理することは、有機ポリマーの除去の点では好ましいが、半導体製造プロセスで用いるのが困難である。
【0093】
加熱時間は10秒〜24時間の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは10秒〜5時間、最も好ましくは1分〜2時間である。加熱時間が10秒未満の場合、有機ポリマーの蒸散や分解が十分進行しにくく、得られる多孔性シリカ薄膜に不純物として有機物が残存しやすくなる。通常、熱分解や蒸散は24時間以内に終了する。
加熱は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気下で行うのが好ましい。空気または酸素ガスを混入させた、酸化性雰囲気下で行うことも可能であるが、この場合には、酸化性ガスの濃度を、シリカ前駆体がゲル化する前に有機ポリマーが実質的に分解しないような濃度に制御することが好ましい。雰囲気中にアンモニア、水素等を存在させ、シリカ中に残存しているシラノール基を失活させることによって多孔性シリカ薄膜の吸湿性を低減させ、誘電率の上昇を抑制することもできる。
【0094】
以上の加熱条件下で本発明の有機ポリマーを除去することにより、多孔性シリカ薄膜中の残渣ポリマー量は著しく低減されるので、先に述べたような有機ポリマーの分解ガスによる上層膜の接着力の低下や剥離等の現象が生じない。本発明の塗布組成物中の有機ポリマーが、ポリエーテルブロックコポリマーとシリカ前駆体に対して化学的に不活性な末端基を有するポリマーとを包含することにより、さらにその効果が顕著になる。
【0095】
シリカ/有機ポリマー複合体薄膜を形成するステップを経た後、ポリマーを除去するステップを上記条件下で行うものであれば、そのステップの前後に任意の温度や雰囲気によるステップを経ても問題はない。
本発明において、加熱は、半導体素子製造プロセス中で通常使用される枚葉型縦型炉またはホットプレート型の焼成システムを使用することができる。もちろん、本発明の製造工程を満足すれば、これらに限定されるものではない。
【0096】
以上述べたように、本発明の多孔性シリカ薄膜を用いることにより、機械強度が高く、かつ、誘電率が充分に低い、LSI用の多層配線用絶縁膜が成膜できる。本発明の多孔性シリカ薄膜の比誘電率は、通常、2.8〜1.2、好ましくは2.3〜1.2、より好ましくは2.3〜1.6である。この比誘電率は、本発明の塗布組成物中の有機ポリマー成分の組成および含有量により調節することができる。
【0097】
本発明の多孔性薄膜中には、BJH法による細孔分布測定において、20nm以上の空孔は実質上認められず、通常、10nm以上の孔は存在しないため、層間絶縁膜に極めて適したものである。
本発明により得られる多孔性シリカ薄膜は、薄膜以外のバルク状の多孔性シリカ体、例えば、反射防止膜や光導波路のような光学的膜や触媒担体はじめ、断熱材、吸収剤、カラム充填材、ケーキング防止剤、増粘剤、顔料、不透明化剤、セラミック、防煙剤、研磨剤、歯磨剤等として使用することも可能である。
【0098】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。
本発明に用いられる測定方法は以下のとおりである。
(1)シリカ組成比
塗布組成物中に含まれる官能性基数の異なるアルコキシシラン等に由来する珪素原子を、各々、29Si−NMRによるシグナルの面積から算出した数値で表し、それらを対比することにより、塗布組成物中に含まれるアルコキシシラン等の組成比とする。その塗布組成物を用いて製造される絶縁性薄膜中のアルコキシシラン等から得られるシリカの組成比も同様の測定方法で求める。
【0099】
一例として、アルコキシシランとしてテトラエトキシシラン(TEOS)、ジメチルジエトキシシラン(DMDES)およびビス(トリエトキシシリル)エタン(BSE)を用いた場合の薄膜中のDMDES起因のSi原子のモル%(シリカ組成比)の算出法を説明する。
装置:JEOL−ラムダ400
測定モード:NNE
試料管:外径10mm、内径3mm
(塗布組成物、薄膜ともD化エタノール、TMSを少量添加)
積算回数:1300回
PD(パルスディレー) 250秒
BF(ブロードニングファクター)30Hz
以上の測定装置および測定条件から得られた数値を用いて以下に示す計算式より算出する。
MDESのモル%=100×{(D0+D1+D2)/
T0+T1+T2+T3+T4)+(D0+D1+D2)+2(B0+B1+B2+B3)}
(式中、T0、D0およびB0は、それぞれ上記の装置で原料のTEOS、DMDESおよびBSE中のエトキシ基が少なくとも一部加水分解されて水酸基となった化合物に帰属されるシグナル積分強度を表し、T1、D1およびB1は、TEOS、DMDESおよびBSE中の各Siの一箇所が隣接のSi原子と酸素原子を介して結合して形成される基に帰属されるシグナルの積分強度を表し、T2、D2およびB2は、TEOS、DMDES、およびBSE中の各Siの二箇所が隣接のSi原子と酸素原子を介して結合して形成される基に帰属されるシグナルの積分強度を表し、T3およびB3は、TEOSおよびBSE中のSiの三箇所が隣接のSi原子と酸素原子を介して結合して形成される基に帰属されるシグナルの積分強度を表し、T4は、TEOS中のSiの四箇所が隣接のSi原子と酸素原子を介して結合して形成される基に帰属されるシグナルの積分強度を表す)。
【0100】
(2)絶縁膜の評価方法
(2)−1 膜厚
分光エリプソメーター(Jovin Yvon製UVISEL)により、SiO2−ボイドモデルを用いて測定する。
(2)−2 比誘電率
低抵抗率(0.01〜0.1Ω)SSM社製495型自動水銀CV測定装置を用いて1MHzにおける比誘電率(k)を求める。
(2)−3 密着性試験:
(2)−3−a テーププル試験
シリコンウェハー上に本発明の組成物を用いて形成した低誘電率膜上に、さらに膜厚100nmのSiO2(p−TEOS)膜を形成したものについて、テーププル試験を行う。試験後の剥離の有無を、目視および光学顕微鏡で観察した。テーププル試験の条件は、JIS K−5400に記載のものを使用する。
(2)−3−b BlanketCMP試験
(2)−3−aと同様に低誘電率膜およびp−TEOS膜を形成したものについて、BlanketCMP試験を行う。試験後の剥離の有無を、目視および光学顕微鏡で観察する。なお、CMPは荷重4.4psi、キャリア・プラテンとも、回転数30rpmの条件で行う。
(2)−4 ヤングモジュラス
MTSSystemsCorporation社製ナノインデンターDCMで測定する。測定方法は、バーコビッチ型のダイヤモンド製圧子を試料に押し込み、一定荷重に達するまで負荷したのちそれを除き、変位をモニターすることにより荷重―変位曲線を求める。表面は、コンタクトスティフネスが200N/mになる条件で認識する。硬度の算出は、以下の式による。
H=P/A
ここで、Pは、印加した荷重、接触面積Aは、接触深さhcの関数で次式により、実験的に求める。
A=24.56hc 2
この接触深さは、圧子の変位hと次の関係にある。
hc=h−εP/S
ここで、εは、0.75、Sは、除荷曲線の初期勾配である。
ヤングモジュラスの算出は、スネドンの式によって求める。
Er=(√π・S)/2√A
ここで、複合弾性率Erは、次式で表される。
Er=[(1−νs2)/Es+(1−νi2)/Ei]−1
ここで、νは、ポアソン比、添字Sは、サンプル、iは、圧子を表す。本発明では、νi=0.07、Ei=1141GPa、本材料のポアッソン比は未知であるがνs=0.18として、サンプルのヤングモジュラスEsを算出する。なお、本発明におけるヤングモジュラスは、0.8μ〜1.2μmの膜厚で測定する。
【0101】
【実施例1】
メチルトリエトキシシラン31.88g、1,2−ビストリエトキシシリルエタン31.92g、およびテトラエトキシシラン20.84gを混合し、これに水53.2gおよび0.9%の蓚酸水溶液0.17gを混合した。これに、両末端ジメトキシのポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール−ポリエチレングリコール(数平均分子量Mn=2000、ポリテトラメチレングリコール部分のMn=1000:50wt%エタノール溶液)36gを添加して、50℃で6時間攪拌して反応させた。この反応液をロータリーエバポレーターで50℃、40分間、50torr下で減圧処理を行って、水およびエタノールを留去した。
【0102】
得られた留去残留物68.83gに乳酸エチル79.17gを加えたもののうち、28gを小分けし、エタノール2.21g、水12.01g、乳酸エチル36.17g、酢酸10%水溶液0.80g、およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.2%水溶液0.80gを添加して本発明の組成物を作成した。
作成した絶縁膜形成用組成物を、6インチシリコンウェハー上に3ml滴下し、2000rpmで60秒回転塗布した。その後、空気中、120℃で1分間、窒素雰囲気下200℃で1時間、続いて、窒素雰囲気下400℃で1時間加熱焼成して、絶縁膜を得た。
【0103】
得られた絶縁膜の膜厚および比誘電率は、それぞれ397nmおよび2.14であった。ヤングモジュラスは4.5GPaであった。テーププル試験では、シリコンウェハー/低誘電率膜間および低誘電率膜/p−TEOS膜間のいずれにおいても全く剥離は見られず、blanketCMPの試験においても全く剥離は見られなかった。
【0104】
【比較例1】
実施例1において、両末端ジメトキシのポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール−ポリエチレングリコールの代わりに、両末端ジメトキシのポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール−ポリエチレングリコール(数平均分子量Mn=2000、ポリブチレングリコールのMn=1000:50wt%エタノール溶液)を使用した以外、実施例1と同様の方法で絶縁膜形成用塗布組成物を作成した。
【0105】
作成した絶縁膜形成用組成物を用いて、実施例1と同一の条件で絶縁膜を得た。
得られた絶縁膜の膜厚および比誘電率は、それぞれ380nmおよび2.20であった。ヤングモジュラスは4.8GPaであった。テーププル試験では、低誘電率膜/p−TEOS膜間で剥離が見られ、blanketCMP試験でも、大部分のp−TEOS層にクラックが見られ、部分的にp−TEOS層の剥離が見られた。
【0106】
【比較例2】
実施例1において、両末端ジメトキシのポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール−ポリエチレングリコールの代わりに、両末端ジメトキシのポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール(数平均分子量Mn=2000、ポリプロピレングリコールのMn=1000:50wt%エタノール溶液)を使用した以外、実施例1と同様の方法で絶縁膜形成用塗布組成物を作成した。
作成した絶縁膜形成用組成物を用いて、実施例1と同一の条件で絶縁膜を得た。
得られた絶縁膜の膜厚および比誘電率は、それぞれ386nmおよび2.24であった。ヤングモジュラスは4.4GPaであったが、テーププル試験では、低誘電率膜/p−TEOS膜間で剥離が見られ、blanketCMP試験でも、大部分のp−TEOS層にクラックが見られ、部分的にp−TEOS層の剥離が見られた。
【0107】
【発明の効果】
本発明の絶縁性薄膜製造用の塗布組成物は、多孔性シリカ薄膜の製造に好適である。本発明の塗布組成物から製造される多孔性シリカ薄膜は、高い機械強度と低い比誘電率を有するために、比誘電率/薄膜強度のバランスに優れると同時に、基板への密着性が著しく高い。したがって、この多孔性シリカ薄膜は、半導体素子の銅配線工程におけるCMP工程に十分に耐えることができ、LSI多層配線用基板や半導体素子の絶縁膜用として最適である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い機械強度および低い比誘電率を有すると同時に、半導体用基板、半導体用配線、絶縁材料等との密着性に優れた絶縁性薄膜およびその原料である塗布組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔性のシリカは、軽量、耐熱性等の優れた特性を有するために、構造材料、触媒担体、光学材料等に幅広く用いられている。例えば、近年、多孔性のシリカは誘電率を低くできる、という点から期待を集めている。
半導体集積回路をはじめとする半導体素子の多層配線構造体用の絶縁薄膜には、従来、緻密なシリカ膜が一般的に用いられてきた。しかし、近年、半導体集積回路の配線密度は微細化の一途をたどっており、これに伴って、基板上の隣接する配線間の距離が狭まっている。このとき、絶縁体の比誘電率が高いと配線間の静電容量が増大し、その結果、配線を通じて伝達される電気信号の遅延、いわゆる配線遅延が顕著となるため、問題となっている。
【0003】
このような問題を解決するため、配線構造体用の絶縁薄膜の素材として、比誘電率のより低い物質が強く求められている。一方、配線遅延を低減するもう一つの方法として、配線材料を従来のアルミニウムから、より電気抵抗の低い銅に変更する方法も提案されている。
銅はアルミニウムと異なり、配線パターンを形成する際に適当なドライエッチングの方法が知られていないため、絶縁薄膜中に配線パターンとなる溝や導通孔を形成した後、これらの溝や導通孔に銅を埋め込み、しかる後に余分な銅を化学機械研磨(以下、CMP工程、という)によって除去するのが一般的である。
【0004】
半導体素子の配線構造に用いられる絶縁薄膜は、CMP工程のほか、エッチング工程や洗浄工程等を経て所望の配線パターンを有する配線構造に加工される。そのため、これらの工程を経た後も絶縁薄膜としての特性が保持できるだけの耐薬品性、耐水性、機械強度等が要求される。
このような要求特性を満たすべく、これまでにさまざまな材料が提案されている。例えば、特開平5−85762号公報や国際公開第99/03926号パンフレットには、一般的なアルコキシシランと有機ポリマーの混合系から、誘電率が極めて低く、均一細孔および細孔分布を持った多孔性のシリカを得る方法が開示されている。特開平4−285081号公報には、アルコキシシランのゾル−ゲル反応を特定の有機ポリマーの共存下で行い、均一な孔径を有する多孔性のシリカを得る方法が開示されている。
【0005】
さらに、特開2001−49184号公報には、2官能性、3官能性、4官能性のアルコキシシランの仕込み量を、分子内に2個の珪素原子を有する4,5,6官能性のアルコキシシランの仕込み量より多くし、有機ポリマーにブロックコポリマーを用いることにより、誘電率特性および吸水性に優れ、空隙サイズが小さい低密度膜を形成する方法が開示されている。
しかしながら、いずれの方法においても、比誘電率が十分に低く、経時的に安定であり、CMP工程に耐えるような、十分な機械的強度を有する多孔性シリカは得られていない。特に、CMP工程においては、多孔性シリカ層とその上下に配置される層との密着が完全でないと剥離が起こりやすいという問題がある。すなわち、銅を用いた半導体素子の配線構造において、銅の拡散を防ぐ等の目的で、低誘電率を有する絶縁薄膜の上下に、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素等からなる下地層やキャップ層を設けることが多いが、CMP工程において、絶縁薄膜および下地層やキャップ層の両方に圧縮応力とシェア応力とがかかるため、絶縁薄膜と下地層やキャップ層との間の密着性が十分でないと容易に剥離が生じ得るからである。
【0006】
従来から知られているシリカ/有機ポリマー複合体から有機ポリマーを加熱により除去する場合、450℃以上の加熱温度が必要であることが半導体素子製造プロセス上の大きな制約になっていた。すなわち、半導体素子製造プロセスにおいて、金属配線の酸化および結晶成長、熱ストレス等を考慮すると、加熱温度の上限は400℃付近、かつ、非酸化性の雰囲気が推奨されている。しかし、この加熱条件では、上記のシリカ/有機ポリマー複合体は大部分の有機ポリマーが残存またはチャー化し、例えば、多層配線構造を作成する場合、下層中に残存した有機ポリマー由来のガスが下層から発生し上層の接着力低下や剥離を引き起こす可能性がある。さらに、有機ポリマー由来の残存物の存在により、配線を形成した半導体デバイスにおいて、高い電圧(例えば、5MV/cm程度)をかけた場合に、線間や層間のリーク電流や絶縁破壊が発生する可能性があることも実用上の問題となっている。
【0007】
これを解決するために、熱的に分解しやすい有機ポリマーを使用するという手段も検討されているが、熱に対して有機ポリマーが鋭敏すぎて、取り扱いが著しく危険であったり、シリカ前駆体との相溶性が悪いために、塗布溶液中で相分離を生じたりする等、実用上の取り扱いが困難であった。さらに、成膜した膜からポリマーを除去する際に、分解/揮発する速度が速いと、膜が緻密化することにより低誘電率化が達成できない。また、成分と組成を適切に選定することによりシリカの多孔質構造が達成できても、薄膜の強度が不十分であったり、基板や配線材料との密着性が低過ぎて実用上問題である等の様々な問題が生じ、理想的な絶縁薄膜の製造は困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の問題を解決して、高い機械強度と低い比誘電率を有し、かつ、基板や配線材料との密着性にも優れたを製造するための塗布組成物、その塗布組成物を用いて得られる絶縁性薄膜、その絶縁性薄膜を用いた配線構造体およびその配線構造体を用いた半導体素子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、シリカ前駆体と化学式(OR8)x(O(CH2)w)y(OR9)z(R8およびR9は、炭素数1〜10のアルキレン基、wは、3〜10、xは、2〜200、yは、2〜100、zは、0〜200、の各々、整数を示す)で表される2元または3元の脂肪族エーテルブロックコポリマーが有機ポリマー全体に対して10重量%以上含まれる有機ポリマーを含有する塗布組成物を用いると、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明により得られる絶縁性薄膜は、機械強度が高く、比誘電率が著しく低い、吸湿性の改善も達成する。と同時に、基板や配線材料への密着性も著しく向上する。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0010】
(1) (A)化学式(1)および/または化学式(2)で表される1〜6官能性のアルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有するシリカ前駆体であって、アルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物に由来する珪素原子の合計に対する1〜3官能性のアルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物に由来する珪素原子の合計の割合が5〜80mol%であるシリカ前駆体と、
R1 n(Si)(OR2)4−n (1)
(式中、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素または1価の有機基を表し、nは0〜3の整数である)
R3 m(R4O)3−mSi(R7)pSi(OR5)3−qR6 q (2)
(R3,R4,R5およびR6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素または1価の有機基を示し、mおよびqは、同一でも異なっていてもよく、0〜2の数を示し、R7は、酸素原子または(CH2)rで表される基、rは、1〜6、pは0または1である)
(B)化学式(3)で表される2元または3元の脂肪族エーテルブロックコポリマーが有機ポリマー全体に対して10重量%以上含まれている有機ポリマー、
(OR8)x(O(CH2)w)y(OR9)z (3)
(R8およびR9は、炭素数1〜10のアルキレン基、wは、3〜10、xは、2〜200、yは、2〜100、zは、0〜200の、各々、整数である)
を含有することを特徴とする絶縁性薄膜製造用の塗布組成物。
【0011】
(2) 化学式(3)において、wが4であることを特徴とする(1)に記載の絶縁性薄膜製造用の塗布組成物
(3) 有機ポリマーの末端基の少なくとも一つがシリカ前駆体に対して化学的に不活性な基であることを特徴とする(1)または(2)に2記載の絶縁性薄膜製造用の塗布組成物。
(4) (1)〜(3)のいずれか1つに記載の塗布組成物を基板上に塗布した後、シリカ前駆体をゲル化することにより得られるシリカ/有機ポリマー複合薄膜から有機ポリマーが除去されてなることを特徴とする多孔性のシリカからなる絶縁性薄膜。
(5) (4)に記載の薄膜を絶縁物として用いた配線構造体。
(6) (5)に記載の配線構造体を包含する半導体素子。
【0012】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう多孔性のシリカとは、化学式(4)で表される化合物を主成分とした多孔質のものである。
RxHySiOz (4)
(式中、Rは、炭素数1〜8の直鎖状、分岐上若しくは環状のアルキル基、またはアリール基、0≦x<2、0≦y<2、0≦(x+y)<2、1<z≦2である)。
【0013】
本発明の、化学式(1)で表されるアルコキシシランにおいて、Si(OR2)4を4官能性のアルコキシシラン、化学式(1)でnが1の場合、すなわち、R1(Si)(OR2)3を3官能性のアルコキシシラン、nが2の場合、すなわちR1 2(Si)(OR2)2を2官能性のアルコキシシラン、nが3の場合、すなわちR1 3(Si)(OR2)を1官能性のアルコキシシランという。
化学式(2)で表されるアルコキシシランにおいて、例えば、m=q=1であるR3(R4O)2Si−(R7)p−Si(OR5)2R6の化合物を4官能性のアルコキシシラン、m=0、かつ、q=1、またはm=1、かつ、q=0である、例えば、(R4O)3Si−(R7)p−Si(OR5)2R6の化合物を5官能性のアルコキシシラン、m=q=0である(R4O)3Si−(R7)p−Si(OR5)3の化合物を6官能性のアルコキシシラン、化学式(2)でm=q=2であるR3 2(R4O)Si−(R7)p−Si(OR5)R6 2を2官能性のアルコキシシラン、m=2、かつ、q=1、またははm=1、かつ、q=2である、例えば、R3 2(R4O)Si−(R7)p−Si(OR5)2R6の化合物を3官能性のアルコキシシランという。
【0014】
アルコキシシランが加水分解、重縮合してその縮合率が90%を越えるものを本発明ではシリカという。
以下に、本発明に用いる絶縁薄膜製造用塗布組成物(以下、塗布組成物、という)について説明する。
本発明に用いる塗布組成物は、アルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物から選ばれた少なくとも1種を含有するシリカ前駆体および特定の有機ポリマーを主成分とする。
【0015】
先ず、シリカ前駆体(A)について説明する。
シリカ前駆体に含まれる化学式(1)で表されるアルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物は、その出発原料であるアルコキシシランが4、3、2および1官能性のものである。アルコキシシラン、その加水分解物、および重縮合物を、以下、アルコキシシラン等という。
化学式(1)で表される4官能性のアルコキシシランの具体例として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
【0016】
これら4官能性のアルコキシシランの中でも、好ましいのはテトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランである。
化学式(1)で表される3官能性のアルコキシシランの具体例として、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリールトリメトキシシラン、アリールトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−i−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−i−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−i−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。アルコキシシラン類の部分加水分解物を原料としてもよい。
【0017】
これら3官能性のアルコキシシランの中でも、好ましいのはトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランである。
【0018】
ケイ素原子上にビニル基が結合した3官能性のアルキルシラン等も好ましい。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
化学式(1)で表される2官能性のアルコキシシランの具体例として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−i−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−i−プロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−i−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−tert−ブトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジ−n−プロポキシシラン、メチルエチルジ−i−プロポキシシラン、メチルエチルジ−n−ブトキシシラン、メチルエチルジ−sec−ブトキシシラン、メチルエチルジ−tert−ブトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルプロピジ−n−プロポキシシラン、メチルプロピルジ−i−プロポキシシラン、メチルプロピルジ−n−ブトキシシラン、メチルプロピルジ−sec−ブトキシシラン、メチルプロピルジ−tert−ブトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジ−n−プロポキシシラン、メチルフェニルジ−i−プロポキシシラン、メチルフェニルジ−n−ブトキシシラン、メチルフェニルジ−sec−ブトキシシラン、メチルフェイルジ−tert−ブトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジ−n−プロポキシシラン、エチルフェニルジ−i−プロポキシシラン、エチルフェニルジ−n−ブトキシシラン、エチルフェニルジ−sec−ブトキシシラン、エチルフェニルジ−tert−ブトキシシラン等のケイ素原子上に2個のアルキル基またはアリール基が結合したアルキルシラン等が挙げられる。
【0019】
本発明の2官能性のアルコキシシランとして、好ましいのはジメチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン等である。
【0020】
また、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、エチルジメトキシシラン、エチルジエトキシシラン、プロピルジメトキシシラン、プロピルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン等のケイ素原子に直接水素原子が結合したものも用いることもできる。
メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、メチルビニルジ−n−プロポキシシラン、メチルビニルジ−i−プロポキシシラン、メチルビニルジ−n−ブトキシシラン、メチルビニルジ−sec−ブトキシシラン、メチルビニルジ−tert−ブトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジ−n−プロポキシシラン、ジビニルジ−i−プロポキシシラン、ジビニルジ−n−ブトキシシラン、ジビニルジ−sec−ブトキシシラン、ジビニルジ−tert−ブトキシシラン等、ケイ素原子上に1ないし2個のビニル基が結合したアルキルシラン等も好ましい。
【0021】
化学式(1)で表される1官能性のアルコキシシランの具体例として、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチル−n−プロポキシシラン、トリメチル−i−プロポキシシラン、トリメチル−n−ブトキシシラン、トリメチル−sec−ブトキシシラン、トリメチル−tert−ブトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチル−n−プロポキシシラン、トリエチル−i−プロポキシシラン、トリエチル−n−ブトキシシラン、トリエチル−sec−ブトキシシラン、トリエチル−tert−ブトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリプロピル−n−プロポキシシラン、トリプロピル−i−プロポキシシラン、トリプロピル−n−ブトキシシラン、トリプロピル−sec−ブトキシシラン、トリプロピル−tert−ブトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリフェニル−n−プロポキシシラン、トリフェニル−i−プロポキシシラン、トリフェニル−n−ブトキシシラン、トリフェニル−sec−ブトキシシラン、トリフェニル−tert−ブトキシシラン、メチルジエチルメトキシシラン、メチルジエチルエトキシシラン、メチルジエチル−n−プロポキシシラン、メチルジエチル−i−プロポキシシラン、メチルジエチル−n−ブトキシシラン、メチルジエチル−sec−ブトキシシラン、メチルジエチル−tert−ブトキシシラン、メチルジプロピルメトキシシラン、メチルジプロピルエトキシシラン、メチルジプロピル−n−プロポキシシラン、メチルジプロピル−i−プロポキシシラン、メチルジプロピル−n−ブトキシシラン、メチルジプロピル−sec−ブトキシシラン、メチルジプロピル−tert−ブトキシシラン、メチルジフェニルメトキシシラン、メチルジフェニルエトキシシラン、メチルジフェニル−n−プロポキシシラン、メチルジフェニル−i−プロポキシシラン、メチルジフェニル−n−ブトキシシラン、メチルジフェニル−sec−ブトキシシラン、メチルジフェニル−tert−ブトキシシラン、エチルジメチルメトキシシラン、エチルジメチルエトキシシラン、エチルジメチル−n−プロポキシシラン、エチルジメチル−i−プロポキシシラン、エチルジメチル−n−ブトキシシラン、エチルジメチル−sec−ブトキシシラン、エチルジメチル−tert−ブトキシシラン、エチルジプロピルメトキシシラン、エチルジプロピルエトキシシラン、エチルジプロピル−n−プロポキシシラン、エチルジプロピル−i−プロポキシシラン、エチルジプロピル−n−ブトキシシラン、エチルジプロピル−sec−ブトキシシラン、エチルジプロピル−tert−ブトキシシラン、エチルジフェニルメトキシシラン、エチルジフェニルエトキシシラン、エチルジフェニル−n−プロポキシシラン、エチルジフェニル−i−プロポキシシラン、エチルジフェニル−n−ブトキシシラン、エチルジフェニル−sec−ブトキシシラン、エチルジフェニル−tert−ブトキシシラン、プロピルジメチルメトキシシラン、プロピルジメチルエトキシシラン、プロピルジメチル−n−プロポキシシラン、プロピルジメチル−i−プロポキシシラン、プロピルジメチル−n−ブトキシシラン、プロピルジメチル−sec−ブトキシシラン、プロピルジメチル−tert−ブトキシシラン、プロピルジエチルメトキシシラン、プロピルジエチルエトキシシラン、プロピルジエチル−n−プロポキシシラン、プロピルジエチル−i−プロポキシシラン、プロピルジエチル−n−ブトキシシラン、プロピルジエチル−sec−ブトキシシラン、プロピルジエチル−tert−ブトキシシラン、プロピルジフェニルメトキシシラン、プロピルジフェニルエトキシシラン、プロピルジフェニル−n−プロポキシシラン、プロピルジフェニル−i−プロポキシシラン、プロピルジフェニル−n−ブトキシシラン、プロピルジフェニル−sec−ブトキシシラン、プロピルジフェニル−tert−ブトキシシランフェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジメチル−n−プロポキシシラン、フェニルジメチル−i−プロポキシシラン、フェニルジメチル−n−ブトキシシラン、フェニルジメチル−sec−ブトキシシラン、フェニルジメチル−tert−ブトキシシラン、フェニルジエチルメトキシシラン、フェニルジエチルエトキシシラン、フェニルジエチル−n−プロポキシシラン、フェニルジエチル−i−プロポキシシラン、フェニルジエチル−n−ブトキシシラン、フェニルジエチル−sec−ブトキシシラン、フェニルジエチル−tert−ブトキシシラン、フェニルジプロピルメトキシシラン、フェニルジプロピルエトキシシラン、フェニルジプロピル−n−プロポキシシラン、フェニルジプロピル−i−プロポキシシラン、フェニルジプロピル−n−ブトキシシラン、フェニルジプロピル−sec−ブトキシシラン、フェニルジプロピル−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
【0022】
また、ケイ素原子上に1〜3個のビニル基が結合したアルキルシラン等も好適である。具体的には、トリビニルメトキシシラン、トリビニルエトキシシラン、トリビニル−n−プロポキシシラン、トリビニル−i−プロポキシシラン、トリビニル−n−ブトキシシラン、トリビニル−sec−ブトキシシラン、トリビニル−tert−ブトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチル−n−プロポキシシラン、ビニルジメチル−i−プロポキシシラン、ビニルジメチル−n−ブトキシシラン、ビニルジメチル−sec−ブトキシシラン、ビニルジメチル−tert−ブトキシシラン、ビニルジエチルメトキシシラン、ビニルジエチルエトキシシラン、ビニルジエチル−n−プロポキシシラン、ビニルジエチル−i−プロポキシシラン、ビニルジエチル−n−ブトキシシラン、ビニルジエチル−sec−ブトキシシラン、ビニルジエチル−tert−ブトキシシラン、ビニルジプロピルメトキシシラン、ビニルジプロピルエトキシシラン、ビニルジプロピル−n−プロポキシシラン、ビニルジプロピル−i−プロポキシシラン、ビニルジプロピル−n−ブトキシシラン、ビニルジプロピル−sec−ブトキシシラン、ビニルジプロピル−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
【0023】
本発明の1官能性のアルコキシシランとして、先に述べたようなアルコキシシランが用いられるが、その中で、好ましいのはトリメチルメトキシシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメチルメトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラン等のアルキルシランが挙げられる。
【0024】
本発明で用いることができる化学式(2)で表されるアルコキシシラン等は、その出発原料であるアルコキシシランが6、5、4、3および2官能性のものである。
化学式(2)で表されるアルコキシシランのうち、R7が−(CH2)n−の化合物で6、5、4、3および2官能性のアルコキシシランの具体例として、まず6官能性のアルコキシランの例として、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリフェノキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリフェノキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリフェノキシシリル)プロパン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。
【0025】
5官能性のアルコキシシランとして、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−t−ブトキシシリル)エタン等が挙げられる。
【0026】
4官能性のアルコキシシランの例として、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)メタン、ビス(ジエトキシフェニルシリル)メタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、ビス(ジメトキシフェニルシリル)エタン、ビス(ジエトキシフェニルシリル)エタン、1,3−ビス(ジメトキシメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジエトキシメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジメトキシフェニルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジエトキシフェニルシリル)プロパン等が挙げられる。
【0027】
3官能性のアルコキシシランとして、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(メトキシジメチルシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(エトキシジメチルシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(n−プロポキジメチルシリル)メタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−1−(i−プロポキシジメチルシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(n−ブトキシジメチルシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(sec−ブトキシジメチルシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−1−(t−ブトキシジメチルシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(メトキシジメチルシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(エトキシジメチルシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(n−プロポキシジメチルシリル)エタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−2−(i−プロポキシジメチルシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(n−ブトキシジメチルシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(sec−ブトキシジメチルシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−2−(t−ブトキシジメチルシリル)エタン等が挙げられる。
【0028】
2官能性のアルコキシシランの具体例として、ビス(メトキシジメチルシリル)メタン、ビス(エトキシジメチルシリル)メタン、ビス(メトキシジフェニルシリル)メタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)メタン、ビス(メトキシジメチルシリル)エタン、ビス(エトキシジメチルシリル)エタン、ビス(メトキシジフェニルシリル)エタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)エタン、1,3−ビス(メトキシジメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(メトキシジフェニルシリル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジフェニルシリル)プロパン等が挙げられる。
【0029】
化学式(2)でR7が酸素原子の化合物で6官能性のアルコキシシランとしては、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサフェノキシジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−メチルジシロキサン、5官能性のアルコキシシランとして、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−フェニルジシロキサン、4官能性のアルコキシシランとして、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、3官能性のアルコキシシランとして、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、2官能性のアルコキシシランとして、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン等を挙げることができる。
【0030】
化学式(2)で、pが0の化合物で6,5,4、3および2官能性のアルコキシシランの具体例として、6官能性のアルコキシシランの具体例として、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェニキシジシラン、5官能性のアルコキシシランの具体例として、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−フェニルジシラン、4官能性のアルコキシシランの具体例として、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、3官能性のアルコキシシランの具体例として、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、2官能性のアルコキシシランの具体例として、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン等を挙げることができる。
【0031】
本発明の1、2、3官能性のアルコキシシランとして、先に述べたようなアルコキシシランが用いられるが、その中で、好ましいのがトリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラン等のケイ素原子に直接3個のアルキル基またはアリール基が結合したアルキルシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン等のケイ素原子に直接2個のアルキル基またはアリール基が結合したアルキルシラン、さらに、前記したケイ素原子に直接1個のアルキル基またはアリール基が結合したアルコキシシランが挙げられる。
【0032】
また、メチルジエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン等のケイ素原子に直接水素原子が結合したものも用いることもできる。
さらに、ビス(エトキシジメチルシリル)メタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)メタン、ビス(エトキシジメチルシリル)エタン、ビス(エトキシジフェニルシリル)エタン、1,3−ビス(エトキシジメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(エトキシジフェニルシリル)プロパン、3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン等を好適に用いることができる。
【0033】
これらの中で、好ましいアルコキシシランとして、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシランが挙げられる。
【0034】
本発明のシリカ前駆体には、上記のアルコキシシラン、その加水分解、およびその重縮合したもののうち、少なくとも1種を含んでいる。
加水分解物には部分加水分解物も含まれる。例えば、シリカ前駆体(A)に用いられる4官能性のアルコキシシランの場合、4つのアルコキシのすべてが加水分解されている必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、またはこれらの混合物が存在していてもよい。
【0035】
本発明におけるシリカ前駆体(A)に含有される重縮合物とは、シリカ前駆体(A)の加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものであるが、シラノール基がすべて縮合している必要はなく、一部のシラノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物等でもよい。
本発明の塗布組成物に含まれるシリカ前駆体は、化学式(1)および化学式(2)で表されるアルコキシシラン等のうち、1〜3官能性アルコキシシラン等に由来する珪素原子の合計が、全体の1〜6官能性アルコキシシランに由来する珪素原子に対して5〜80モル%包含されることが必要であり、好ましくは10〜70モル%、より好ましくは20〜60モル%である。1〜3官能性アルコキシシランに由来する珪素原子が5モル%未満では、薄膜の比誘電率が下がらない。一方、80モル%を越えると、薄膜の機械強度が低下する。
【0036】
本発明の塗布組成物中のシリカ前駆体の含有量は、全固形分濃度として表すことができる。後で述べるように、全固形分濃度は、目的とする絶縁性薄膜の膜厚にもよるが、優れた保存安定性を発揮する上から2〜30重量%が好ましい。
全固形分濃度は、既知量の本発明の塗布組成物、すなわち、シリカ前駆体および有機ポリマーを含有する組成物の全量に対する、仕込みのアルコキシシランの全量が加水分解および縮合反応して得られるシロキサンの重量の割合として求められる。
【0037】
次に、本発明において、(B)成分として用いられる有機ポリマーについて説明する。
有機ポリマーは、化学式(3)で示される2元または3元の脂肪族エーテルブロックリマ−(以下、ブロックポリマー、ということがある)とそれ以外の有機ポリマーからなる。
(B)成分として用いられる有機ポリマーは、(A)成分が硬化する過程または硬化後に、熱により揮発もしくはガスを発生し、好ましくは系外に揮散することにより、絶縁薄膜中に極めて微細な空孔を形成し、絶縁膜の比誘電率を低下させる作用をする。(B)成分が揮発またはガスを発生する温度は、大気圧下、0〜500℃の範囲が好ましく、より好ましくは25〜400℃である。
【0038】
ブロックポリマー以外の有機ポリマーとしては、任意の化合物が用いられるが、本発明の塗布組成物中で安定に溶解するものをしていることが必要である。上記の条件を満たすものとして、例えば、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリアンハイドライド等を主とした構成成分からなるポリマーが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ポリエーテル鎖を骨格構造にもつものが好ましい。有機ポリマーは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0039】
ブロックポリマー以外の有機ポリマーの分子量は、数平均で、通常、100〜100万、好ましくは100〜30万、より好ましくは200〜5万である。分子量が100未満であると、前記ポリマーがシリカ/有機ポリマー複合体から除去されるのが速くなり、所望するような空孔率を持った多孔性シリカ薄膜が得られにくいことがあり、前記ポリマーの分子量が100万を越えると、前記ポリマーが除去される速度が遅くなり、得られる薄膜中にポリマーが残存しやすくなる。前記ポリマーの分子量が200〜5万の場合には、低温、かつ、短時間に所望するような高い空孔率を持った多孔性シリカ薄膜がきわめて容易に得られるので好ましい。ここで注目すべきことは、多孔性シリカの空孔の大きさは、ポリマーの分子量にあまり依存せずに、きわめて小さく、かつ、均一なことである。
【0040】
ブロックポリマー以外の有機ポリマーとして使用される化合物について例示する。
脂肪族ポリエーテルの例として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソブチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコールのようなポリアルキレングリコール類、ポリジオキソラン、ポリジオキセパン等が挙げられる。アルキレングリコールとは、炭素数2以上のアルカンの同一炭素原子上に結合していない2個の水素原子を、それぞれ水酸基に置換して得られる2価アルコールを指す。
【0041】
さらに、グリセロール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ペンチトール、ペントース、ヘキシトール、ヘキソース、ヘプトース等に代表される糖鎖に含まれるヒドロキシル基のうちの少なくとも3つとポリマー鎖が結合した構造、および/またはヒドロキシル酸に含まれるヒドロキシル基とカルボキシル基のうち少なくとも3つが上述したブロックコポリマー鎖を含む脂肪族ポリエーテル鎖と結合した構造である有機ポリマーを配合しても好適に本発明の塗布用組成物を得ることができる。具体的には分岐状のグリセロールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、エリスリトールポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレングリコール等が含まれる。
【0042】
上記の糖鎖以外にも用いることのできる糖鎖の具体例としては、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、スレイトール、マルチトール、アラビトール、ラクチトール、アドニトール、セロビトール、グルコース、フルクトース、スクロース、ラクトース、マンノース、ガラクトース、エリスロース、キシルロース、アルロース、リボース、ソルボース、キシロース、アラビノース、イソマルトース、デキストロース、グルコヘプトース等が挙げられる。ヒドロキシル酸の具体例として、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルコヘプトン酸、グルコオクタン酸、スレオニン酸、サッカリン酸、ガラクトン酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシコハク酸等が挙げられる。
【0043】
さらに、本発明では、(B)成分として脂肪族高級アルコールにアルキレンオキサイドを付加重合させた直鎖状の高級脂肪族/アルキレンオキサイドブロックコポリマーも使用することが可能である。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリールエーテル、ポリオキシプロピレンステアリールエーテル等が挙がられる。
【0044】
この他に、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリアンハイドライドも(B)成分として使用可能である。
脂肪族ポリエステルとしては、具体的には、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリピバロラクトン等のヒドロキシカルボン酸の重縮合物やラクトンの開環重合物、およびポリエチレンオキサレート、ポリエチレンスクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンアジペート、ポリオキシジエチレンアジペート等のジカルボン酸とアルキレングリコールとの重縮合物、ならびにエポキシドと酸無水物との開環共重合物を挙げることができる。
【0045】
脂肪族ポリカーボネートの例としては、主鎖部分としてポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリペンタメチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート等のポリカーボネートを挙げることができる。
脂肪族ポリアンハイドライドの例としては、主鎖部分として、ポリマロニルオキシド、ポリアジポイルオキシド、ポリピメロイルオキシド、ポリスベロイルオキシド、ポリアゼラオイルオキシド、ポリセバコイルオキシド等のジカルボン酸の重縮合物をあげることができる。ジカルボン酸とは、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のカルボキシル基を2個有する有機酸を指す。
【0046】
この他、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリジエン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリビニルアミド、ポリビニルアミン、ポリビニルエステル、ポリビニルピロリドン、ポリハロゲン化ビニル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリイミン、ポリイミド、セルロース等の多糖類、およびこれらの誘導体を主なる構成成分とするポリマーを(B)成分として使用することができる。
【0047】
これらのポリマーの構成単位であるモノマーどうしの共重合体や、その他の任意のモノマーとの共重合体を用いてもよい。
さらに、本発明で(B)成分として用いることのできる、ブロックポリマー以外の有機ポリマーとして、分子内に少なくとも一つの重合可能な官能基を有するポリマーも挙げることができる。このようなポリマーを用いると、理由は定かではないが、多孔性薄膜の強度が向上する。
【0048】
重合可能な官能基としては、ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基、グリシジル基、アリル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、アミノ基、イミノ基、ハロゲン基等が挙げられる。これらの官能基は、ポリマーの主鎖中にあっても末端にあっても側鎖にあってもよい。またポリマー鎖に直接結合していてもよいし、アルキレン基やエーテル基等のスペーサーを介して結合していてもよい。同一のポリマー分子が1種類の能基を有していても、2種類以上の官能基を有していてもよい。上に挙げた官能基の中でも、ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基、グリシジル基、アリル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましく用いられる。
【0049】
重合可能な官能基を有するポリマーの基本骨格としては、前述したポリマーの例と同様、熱分解温度の低い脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリアンハイドライドを主なる構成要素とするものを用いるのが好ましい。
本発明で用いることができる重合性官能基を有する有機ポリマーの基本骨格を更に具体的に示す。なお、以下アルキレンとは、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、イソプロピリデン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルトリメチレンを指し、ここでのアルキルとはC1〜C8のアルキル基およびフェニル基、トリル基、アニシル基等のアリール基も含み、−メタ−アクリレートとはアクリレートとメタクリレートの両方を指し、ジカルボン酸とは蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機酸を指す。
【0050】
脂肪族ポリエーテルの例としては、ポリアルキレングリコール−メタ−アクリレート、ポリアルキレングリコールジ−メタ−アクリレート、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル−メタ−アクリレート、ポリアルキレングリコールビニルエーテル、ポリアルキレングリコールジビニルエーテル、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルビニルエーテル、ポリアルキレングリコールグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルグリシジルエーテル等に代表される、末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポリエーテルが挙げられる。当然、前述した2元以上の直鎖または分岐状のポリエーテルブロックコポリマーをこれらの官能基で修飾したポリマーも含まれる。
【0051】
脂肪族ポリエステルの例としては、ポリカプロラクトン−メタ−アクリレート、ポリカプロラクトンビニルエーテル、ポリカプロラクトングリシジルエーテル、ポリカプロラクトンビニルエステル、ポリカプロラクトングリシジルエステル、ポリカプロラクトンビニルエステル−メタ−アクリレート、ポリカプロラクトングリシジルエステル−メタ−アクリレート、ポリカプロラクトンビニルエステルビニルエーテル、ポリカプロラクトングリシジルエステルビニルエーテル、ポリカプロラクトンビニルエステルグリシジルエーテル、ポリカプロラクトングリシジルエステルグリシジルエーテル、さらに、ポリカプロラクトントリオールの−メタ−アクリレート、ジ−メタ−アクリレート、トリ−メタ−アクリレート、ビニルエーテル、ジビニルエーテル、トリビニルエーテル、グリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテルの各末端修飾ポリマー等に代表される、片末端あるいは両末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつポリカプロラクトンやジカルボン酸とアルキレングリコールとの重合体であり、片末端または両末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
【0052】
片末端または両末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポリアルキレンカーボネートや、ジカルボン酸無水物の重合体であり、末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポリアンハイドライドも使用することができる。
これらの他に、ポリグリシジル−メタ−アクリレート、ポリアリル−メタ−アクリレート、ポリビニル−メタ−アクリレート等、側鎖にビニル基、グリシジル基、アリール基等の官能基を有するポリアクリル酸エステルおよびポリメタクリル酸エステル、ポリケイ皮酸ビニル、ポリビニルアジドベンザル、エポキシ樹脂等の添加も場合によっては有効である。ただし、これらの例示によって本発明で使用される有機ポリマーが限定されるものではない。
【0053】
(B)成分として用いられる有機ポリマーにおいて、ポリマー鎖の末端基が特定の条件を満たしていることが好ましい。
すなわち、有機ポリマーの末端基の少なくとも1つの末端基が化学的に不活性な基であることが好ましい。化学的に不活性な基とは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基のように、水中においてプロトンが容易に遊離またはその基がプロトンを受理して電離するような、シリカ前駆体に対して反応性をもつ基以外の置換基を意味する。化学的に不活性な置換基を有機ポリマーの末端に含んでいることにより、薄膜の製造時にシリカ/有機ポリマー複合体薄膜から有機ポリマーがより容易に除去される。
【0054】
好ましい不活性基としては、直鎖状、分岐状および環状のアルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、アルキルカーボネート基、ウレタン基およびトリアルキルシリル基変性された基が挙げられる。
以下に、末端基を特定した本発明で使用可能な(B)成分の例を、特に、脂肪族ポリエーテルについて示す。
末端にエステル基を持つ脂肪族ポリエーテル類としては、上記アルキレングリコール類の少なくとも一つの末端を、例えば、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、安息香酸エステルとしたもの等が挙げられる。また、アルキレングリコール類の末端をカルボキシメチルエーテル化し、この末端のカルボキシル基をアルキルエステル化したものも好適に用いられる。例えば、ポリエチレングリコールモノ酢酸エステル、ポリエチレングリコールジ酢酸エステル、ポリプロピレングリコールモノ酢酸エステル、ポリプロピレングリコールジ酢酸エステル、ポリエチレングリコールジ安息香酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル、ポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールビスカルボキシメチルエーテルジメチルエス
テル、ポリプロピレングリコールビスカルボキシメチルエーテルジメチルエステル、グリセリンポリエチレングリコールトリ酢酸エステル、ペンタエリスリトールポリエチレングリコールテトラ酢酸エステル、ペンチトールポリエチレングリコールペンタ酢酸エステル、ソルビトールポリエチレングリコールヘキサ酢酸エステル等が好ましい例として挙げられる。
【0055】
末端にアミド基を持つ脂肪族ポリエーテル類としては、上記のアルキレングリコール類の少なくとも一つの末端をカルボキシメチルエーテル化し、そのあとでアミド化する方法、ヒドロキシ末端をアミノ基変性したあとにアミド化する方法、等が挙げられ、具体的には、ポリエチレングリコールビス(カルボキシメチルエーテルジメチルアミド)、ポリプロピレングリコールビス(カルボキシメチルエーテルジメチルアミド)、ポリエチレングリコールビス(カルボキシメチルエーテルジエチルアミド)、グリセリンポリエチレングリコールトリカルボキシメチルエーテルジメチルアミド、ペンタエリスリトールポリエチレングリコールテトラカルボキシメチルエーテルジメチルアミド、ペンチトールポリエチレングリコールペンタカルボキシメチルエーテルジメチルアミド、ソルビトールポリエチレングリコールヘキサカルボキシメチルエーテルジメチルアミド等が好適に用いられる。
【0056】
末端にアルキルカーボネート基を持つ脂肪族ポリエーテル類としては、例えば上記アルキレングリコール類の少なくとも一つの末端に、ホルミルエステル基をつける方法が挙げられ、具体的には、ビスメトキシカルボニルオキシポリエチレングリコール、ビスエトキシカルボニルオキシポリエチレングリコール、ビスエトキシカルボニルオキシポリプロピレングリコール、ビスtert−ブトキシカルボニルオキシポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0057】
また、有機ポリマーの末端基を制御すると末端基近傍でのシリカ前駆体との相溶性が特に良好となるため、本発明の必須成分である直鎖状のブロックコポリマー以外の有機ポリマー成分として、末端基密度の高い分岐ポリマーを使用しても相溶性を良好に向上させることができ、シリカ/有機ポリマー複合体の均一性が高められるため、薄膜の表面均一性を向上させるので好ましい。
次に、有機ポリマー中に配合する、特定のブロックコポリマーについて説明する。このブロックポリマーは、後で述べるように、加熱焼成によって、塗膜が多孔性のシリカ薄膜に変換する場合に、熱分解温度が低く、かつ、シリカ前駆体およびシリカとの相溶性が適度に良好であるため、本発明において極めて重要な成分である。
【0058】
相溶性が適度に良好であるとは、このブロックコポリマーが、シリカ前駆体およびシリカに対して親和性が良好であることをいう。両者の親和性が適度に良好であると、シリカ前駆体とポリマー間での相分離状態が制御され、その後の工程でブロックコポリマーがシリカから抜き去られて多孔体が形成される場合に極端に大きなまたは小さな孔径を持つ孔がなく、孔径が均一になるので、得られた薄膜の表面平滑性がさらに向上し、機械強度も高くなる。
【0059】
本発明に用いられるブロックポリマーは、化学式(3)で表される。
(OR8)x−(O(CH2)w)y−(OR9)z (3)
式中、R8およびR9は、炭素数1〜10のアルキレン基、wは、3〜10、xは、2〜200、yは、2〜100、zは、0〜200の、各々、整数を示す。
R8とR9は、炭素数1〜10のアルキレン基であり、同一であっても異なるものであってもよい。具体的には、−CH2−(メチレン基)、−(CH2)2−(エチレン基)、−(CH2)3−(トリメチレン基)、−(CH2)4−(テトラメチレン基)、−(CH2)10−(デシルメチレン基)のように直鎖型のアルキレン鎖(アルキレン基)の他に、−CH(CH3)CH2−(1−メチルエチレン基)、−CH2CH(CH3)−(2−メチルエチレン基)、−C(CH3)2CH2−(1,1−ジメチルエチレン基)、−CH(CH3)CH(CH3)−(1,2−ジメチルエチレン基)のような、メチレン連鎖を主鎖とし、そのプロトンの一つまたは複数をアルキル基(n−プロピル基のように直鎖状であってもiso−ブチル基のように側鎖をもつものであってもよい)で置換したもの(アルキレン基)であり、その炭素数が1〜10の範囲にあるものであるものをすべて含む。例えば、R8=−(CH2)2−の場合には、(R8O)xの連鎖はポリエチレングリコール鎖、R9=−CH(CH3)CH2−または−CH2CH(CH3)−の場合には、(R9O)zの連鎖はポリプロピレングリコール鎖を意味することになる。
【0060】
化学式(3)において、wは、3〜10の整数である。すなわち、−(O(CH2)w)y−で表される中央部の連鎖は、直鎖状のアルキレンオキサイド基であるが、具体的には、−O(CH2)3−(トリメチレンオキサイド基)、−O(CH2)4−(テトラメチレンオキサイド基)、−O(CH2)5−(ペンタメチレンオキサイド基)、−O(CH2)6−(ヘキサメチレンオキサイド基)、−O(CH2)7−(ヘプタメチレンオキサイド基)、−O(CH2)8−(オクタメチレンオキサイド基)、−O(CH2)10−(デシルメチレンオキサイド基)等を意味する。
【0061】
化学式(3)において、ブロックコポリマーの各構成連鎖の重合度である、x、y、zについては、xは、2〜200、yは、1〜100、zは、0〜200の整数であるが、z≠0の場合には、x、y、zの各整数共、好ましくは5〜90、より好ましくは5〜75、最も好ましくは5〜60の範囲、z=0の場合には、xとyが共に、好ましくは5〜90、より好ましくは5〜75、最も好ましくは5〜60の範囲にあると、良好な塗布組成物を得ることができる。特に、z=0の場合には、本発明の必須成分であるポリマーは、(OR8)x−(O(CH2)w)yの骨格構造をもつ2元の脂肪族エーテルブロックコポリマーを意味する。
【0062】
本発明のブロックコポリマーを、国際純正応用化学連合(IUPAC)の高分子命名法委員会の勧告(高分子,vol.51,269−279(2002))に基づいた命名によって例示すると以下のとおりである。
ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシトリメチレン)、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)、ポリ(オキシ−1−メチルエチレン)−ポリ(オキシトリメチレン)、ポリ(オキシ−1−エチルエチレン)−ポリ(オキシトリメチレン)のような2元ブロックコポリマー、さらにポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシトリメチレン)−ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)−ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシ−1−メチルエチレン)−ポリ(オキシトリメチレン)−ポリ(オキシ−1−メチルエチレン)等の3元ブロックコポリマーを挙げることができるが当然ながらこれらに限定されるものではない。
【0063】
これらの中でも、特に、化学式(OR8)x−(O(CH2)4)y−(OR9)zの構造式で表されるブロックポリマーを用いた場合、本発明の効果である密着性を大きく向上させることができるので好ましい。この際のR8,R9,x,y,zの値の好ましい範囲は上記の通りである。このようなポリマーとしては、上記の中にも一部含まれているが、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)やポリ(オキシ−1−メチルエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)のような2元ブロックコポリマー、およびポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)−ポリ(オキシエチレン)やポリ(オキシ−1−メチルエチレン)−ポリ(オキシテトラメチレン)−ポリ(オキシ−1−メチルエチレン)のような3元ブロックコポリマーを挙げることができる。
【0064】
本発明の塗布組成物を構成する有機ポリマーにおいて、上記の条件を満たすブロックコポリマーは、有機化合物中に10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは40重量%以上、最も好ましくは50重量%以上含まれる。有機化合物全体が上記のブロックポリマーであってもよい。ブロックコポリマーの含有率が10重量%未満であると、基板等への十分な密着性が得られない。
本発明の塗布組成物における有機ポリマー(B成分)の割合は、出発原料であるアルコキシシランの仕込み全量が加水分解および縮合反応したと仮定して、得られるシロキサン1重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜5重量部、最も好ましくは0.1〜3重量部である。有機ポリマーの添加量が0.01重量部未満になると、多孔体が得られにくいことがあり、10重量部を越えると、十分な機械強度を有する多孔性シリカが得られにくいことがある。アルコキシシランの仕込み全量が加水分解および縮合反応したと仮定して得られるシロキサンとは、化学式(1)および(2)のSiOR2基、SiOR4基およびSiOR5基が100%加水分解されてSiOHになり、さらに100%縮合してシロキサン構造になったものをいう。
【0065】
本発明の塗布組成物は、通常、水を含有している。有機溶媒は配合されていても配合されていなくてもよい。本発明の塗布組成物がを含有している理由は、シリカ前駆体の生成反応がアルコキシシランの加水分解および脱水縮合反応であるためである。通常、水は、加水分解および脱水縮合の反応剤としてだけでなく溶媒としても作用するので、塗布組成物中に含まれる水の量は塗布組成物全重量に対して、通常、10〜90重量%、好ましくは10〜60重量%である。水の量が10重量%未満の場合、得られる薄膜の機械的強度が高くならない場合があり、90重量%を越えると、塗布組成物において、シリカ前駆体が析出しやすくなる場合がある。
【0066】
ただし、適切なシリカ前駆体/有機ポリマーの組み合わせおよび組成の下では、媒体として水と共に有機溶媒を使用すると、絶縁性薄膜の性能を高めることができる。
本発明において、媒体として用いられる有機溶媒の好ましい例は、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒およびエステル系溶媒であるが、有機溶媒はこれらに限定されない。
【0067】
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒、およびエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒、およびエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等を挙げることができる。これらのアルコール系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0068】
これらのアルコールのうち、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が好ましい。
【0069】
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フェンチョン等のほか、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオン等のβ−ジケトン類等が挙げられる。これらのケトン系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0070】
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジン等が挙げられる。これらアミド系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0071】
エステル系溶媒としては、ジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。これらエステル系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0072】
有機溶媒として、アルコール系溶媒および/またはエステル系溶媒を用いると、塗布性が良好、かつ、貯蔵安定性に優れた組成物が得られる点で好ましい。
本発明の塗布組成物中に有機溶媒を含む場合、それを添加する時期は限定はない。例えば、シリカ前駆体を調製する際に加えてもよいし、シリカ前駆体(A)を加水分解および/または縮合する際に、有機溶媒を新たにまたは追加で添加することができる。
【0073】
本発明において、シリカ前駆体(A)の加水分解および/または縮合速度を制御する目的で酸を添加することも可能である。
本発明で用いることができる酸の具体例としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、トリポリリン酸、ホスフィン酸、ホスフォン酸等の無機酸を挙げることができる。有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、イソニコチン酸等を挙げることができる。
【0074】
本発明の塗布溶液を基板上に塗布した後で、酸として機能するような化合物も含まれる。具体的には、芳香族スルホン酸エステルやカルボン酸エステルのような、加熱または光により分解して酸を発生する化合物が挙げられる。酸は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの酸成分の添加量は、出発原料として仕込まれる化学式(1)および/または(2)のアルコキシシランのアルコキシシラン基の全モル数を1モルとして、通常、1モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、より好ましくは0.2モル%以下である。1モル%を越えると、沈殿物が生成し、均質な多孔質のケイ素酸化物からなる塗膜が得られ難くなったり、比誘電率の低い塗膜が得られない場合がある。
【0075】
本発明を実施するに際して、規定される各種化合物やその組成範囲の中で、安定、かつ、均一性の高い組成物を得るように各構成化合物を選定し、組成を決定することが好ましい。必須成分として使用する2元または3元のポリエーテルブロックコポリマーは、水系の溶液中で極めて高い分散安定性を示すため、シリカ原料/溶媒/その他添加物の組み合わせを適切に調整することにより、塗布組成物としての貯蔵安定性が従来のものよりも大幅に向上される。
【0076】
このようにして得られた塗布組成物を使用することによって、それから製造される多孔性シリカ薄膜の比誘電率を著しく低くすることができる。その理由は明らかではないが、複合体または多孔体中に存在するシリカ末端基であるシラノール基(シラノール基は吸水性で、薄膜の誘電率を著しく上昇させる原因となる)と1,2官能性のアルコキシシラン等との反応が、ポリエーテルブロックコポリマーと酸の作用により促進されることにより、シラノール基が失活されるものと推定される。また、本発明の2元または3元のポリエーテルブロックコポリマーは、塗布液中で強くアルコキシシラン類と相互作用し、両成分は各々で凝集を起こすことなく極めて安定な分散状態を形成するため、これを塗布し、適切な熱処理を施すことにより、極めて均一な多孔質のシリカからなる構造を得ることができる。その結果、得られた絶縁性の薄膜は、CMP処理にも耐え得る高い機械強度を有するものと推定される。
【0077】
加えて、本発明で得られる絶縁性薄膜の大きな特徴は、シリコンウェハー等の基板に対して高い密着性を有することである。これは、塗布組成物を基板上に塗布する際、疎水性の高い基板表面に対し、添加した2元または3元のブロックコポリマーの疎水部が強く相互作用するが、一方で、ブロックポリマーはアルコキシシランのようなシリカ原料とも強く相互作用しているため、基板/絶縁薄膜界面におけるシリカの定着性が、これらのポリマーを加えない場合と比べて大幅に向上することが一因と推定される。
【0078】
本発明の塗布組成物には、その他、所望であれば、例えば、コロイド状シリカや界面活性剤等の成分を添加してもよいし、感光性付与のための光触媒発生剤、基板との密着性を高めるための密着性向上剤、長期保存のための安定剤等任意の添加物を、本発明の趣旨を損なわない範囲で本発明の塗布組成物に添加することも可能である。
次に、本発明の塗布組成物の製造方法について説明する。
【0079】
本発明の塗布組成物の製造方法としては、アルコキシシランを出発原料として仕込み、水を添加して加水分解、縮合反応を行った後、有機ポリマーまたは溶媒を加えてもよいし、アルコキシシランにあらかじめ、有機ポリマーまたは溶媒を添加して、加水分解、重縮合反応を行う方法がある。
アルコキシシランの加水分解のために水が必要である。水を液体のまま、またはアルコールや水溶液として加えるのが一般的であるが、水蒸気の形で加えてもよい。水の添加を急激に行うと、アルコキシシランの種類によっては加水分解と縮合が速く進行しすぎて沈殿を生じる場合があるため、充分な時間をかけて添加する、均一に溶解させるためにアルコール等の溶媒を共存させる、低温で添加する等の手法が単独または組み合わせて用いられる。
【0080】
添加された水は、一旦、アルコキシシランの加水分解のために消費されるが、その後の縮合反応時に副生成物として精製してくるので、本発明の塗布組成物中には、有機溶媒を加えた場合には有機溶媒とともに、適当量、存在する。水は、加水分解、重縮合反応中に全量または断続的に加えてもよい。また、重縮合反応終了後に上記の含有量になるように追加してもよい。
アルコキシシランは、水の存在下、加水分解してシラノールになり、次に、シラノール基間の縮合反応によりシロキサン結合を有するオリゴマー状のシリカ前駆体へと生長する。
【0081】
本発明の塗布組成物において、予め、アルコキシシランをオリゴマー状にしておくと、(l)塗布液粘度が適度に上がるので、塗膜の保形性が確保でき膜厚を均一にできる、(2)さらにシリカ前駆体がゲル化する場合に、シリカ骨格の形成がマイルドに起こるので、膜収縮が起こり難くいために好ましい。
アルコキシシランを加水分解するときの温度は、通常、0〜150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0℃〜50℃である。温度が0℃未満になると加水分解が十分に進行しにくくなり、150℃を越えると反応が急激に進行しすぎて、溶液のゲル化が起こる場合がある。
【0082】
本発明の塗布組成物に含有されるシリカ前駆体の縮合率は、通常、10〜90%、好ましくは20〜85%、より好ましくは30〜85%である。縮合率が10%未満であると、上記の(1)および(2)が達成されにくくなることがあり、縮合率が90%を越えると塗布組成物全体がゲル化しやすくなることがある。シリカ前駆体の縮合率は、後に述べるシリカ組成比を求める場合と同様の測定法により算出される。
【0083】
酸は、アルコシシランの加水分解、縮合反応時に全量添加してもよいし、段階的に添加してもよい。また、塗布組成物の塗布する直前に添加してもよい。
塗布組成物中のナトリウム、カリウム等のアルカリ金属および鉄の含量は、塗膜の低リーク電流の観点から、好ましくは15ppb以下、より好ましくは10ppb以下である。アルカリ金属および鉄は、使用する原料から混入する場合があり、シリカ前駆体(A)、有機ポリマー(B)および水、有機溶媒等を蒸留等により精製することが好ましい。
【0084】
以上のようにして得られる塗布組成物を塗布液として用い、基板上に塗布し、得られた塗膜中のシリカ前駆体をゲル化させることによって、シリカ/有機ポリマー複合体薄膜を得ることができる。
以下に、本発明の塗布組成物を塗膜して薄膜を得る方法、および薄膜をゲル化して複合体薄膜とする方法、さらに複合体薄膜から有機ポリマーを除去させる方法について説明する。
【0085】
本発明における塗布組成物の全固形分濃度は2〜30重量%が好ましいが、使用目的に応じて適宜調整される。塗布組成物の全固形分濃度が2〜30重量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れる。なお、この全固形分濃度の調整は、必要であれば、濃縮または水や有機溶媒による希釈によって行われる。
薄膜の形成は、基板上に本発明の塗布組成物を塗布することによって行われる。塗布方法としては、流延、浸漬、スピンコート等の公知の方法で行うことができるが、半導体素子の多層配線構造体用の絶縁層の製造に用いるにはスピンコートが好ましい。薄膜の厚さは、塗布組成物の粘度や回転速度を変えることによって、0.1〜100μmの範囲で制御できる。厚みが100μmを越えるとクラックが発生する場合がある。半導体素子の多層配線構造体用の絶縁層としては、通常、0.1〜5μmの範囲で用いられる。
【0086】
基板としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体基板、ガリウム−ヒ素、インジウム−アンチモン等の化合物半導体基板等を用いこともできるし、これらの表面に他の物質の薄膜を形成した上で用いることも可能である。この場合、薄膜としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、銀、タンタル、タングステン、オスミウム、白金、金等の金属の他に、二酸化ケイ素、フッ素化ガラス、リンガラス、ホウ素−リンガラス、ホウケイ酸ガラス、多結晶シリコン、アルミナ、チタニア、ジルコニア、窒化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、窒化ホウ素、水素化シルセスキオキサン等の無機化合物、メチルシルセスキオキサン、アモルファスカーボン、フッ素化アモルファスカーボン、ポリイミド、その他任意のブロックコポリマーからなる薄膜を用いることができる。
【0087】
薄膜の形成に先立ち、基板の表面を、あらかじめ密着向上剤で処理してもよい。密着向上剤としては、シランカップリング剤として用いられるものやアルミニウムキレート化合物等を使用することができる。好ましく用いられるものとして、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジクロロシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等が挙げられる。これらの密着向上剤を塗布するにあたっては、必要に応じて他の添加物を加えたり、溶媒で希釈して用いてもよい。密着向上剤による処理は公知の方法で行うことができる。
【0088】
塗布組成物を塗膜にした後、引き続きゲル化させる。ゲル化させる温度は限定されないが、通常、100〜300℃、好ましくは150〜300℃、ゲル化反応に要する時間は、熱処理温度、触媒添加量、溶媒種および量等によっても異なるが、通常、数秒間から10時間、好ましくは30秒〜5時間、より好ましくは1分〜2時間である。この操作により、塗布組成物中のシリカ前駆体のゲル化反応が十分に進行し、シリカが形成される。
【0089】
シリカの縮合率は、100%近くまで達する場合がある。通常は90%を越える程度である。この場合の縮合率は、固体NMRで求めることができる。ゲル化させる温度が100℃未満の場合、後工程であるポリマー除去工程において、ゲル化が十分に進行する前にポリマーが除去され始めるので、その結果、塗膜の高密度化が起こってしまう。また300℃を越えると、巨大なボイドが生成しやすく、シリカ/有機ポリマー複合体薄膜の均質性が低下する。
【0090】
このようにして得られたシリカ/有機ポリマー複合体薄膜は、誘電率が低く、厚膜形成性があるので、このままで配線の絶縁部分として用いることもできる。さらに、薄膜以外の用途、例えば、光学的膜、構造材料、フィルム、コーティング材等として使用することも可能である。しかし、LSI多層配線の絶縁物として、さらに誘電率の低い材料を得ることを目的として、多孔性シリカ薄膜に変換することが好ましい。
【0091】
シリカ/有機ポリマー複合体薄膜から絶縁性の多孔性シリカ薄膜へは、シリカ/有機ポリマー複合体薄膜から有機ポリマーを除去することによって行われる。この時に、シリカ前駆体のゲル化反応が十分に進行していれば、シリカ/有機ポリマー複合体薄膜中の有機ポリマーが占有していた領域が、多孔性シリカ薄膜中の空孔としてつぶれずに残る。その結果、空隙率が高く、誘電率の低い多孔性シリカ薄膜を得ることができる。
【0092】
有機ポリマーを除去する方法としては、加熱、プラズマ処理、溶媒抽出等が挙げられるが、現行の半導体素子製造プロセスにおいて、容易に実施可能であるという観点からは、加熱が最も好ましい。この場合、加熱温度は、用いる有機ポリマーの種類に依存し、薄膜状態下で単に蒸散除去されるもの、有機ポリマーの分解を伴って焼成除去されるもの、およびその混合した場合があるが、通常の加熱温度は300〜450℃、好ましくは350〜400℃の範囲である。加熱温度が300℃未満の場合、有機ポリマーの除去が不充分で、有機物の不純物が残るため、誘電率の低い多孔性シリカ薄膜が得られない場合がある。また汚染ガス発生量も多くなる。逆に450℃を越える温度で処理することは、有機ポリマーの除去の点では好ましいが、半導体製造プロセスで用いるのが困難である。
【0093】
加熱時間は10秒〜24時間の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは10秒〜5時間、最も好ましくは1分〜2時間である。加熱時間が10秒未満の場合、有機ポリマーの蒸散や分解が十分進行しにくく、得られる多孔性シリカ薄膜に不純物として有機物が残存しやすくなる。通常、熱分解や蒸散は24時間以内に終了する。
加熱は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気下で行うのが好ましい。空気または酸素ガスを混入させた、酸化性雰囲気下で行うことも可能であるが、この場合には、酸化性ガスの濃度を、シリカ前駆体がゲル化する前に有機ポリマーが実質的に分解しないような濃度に制御することが好ましい。雰囲気中にアンモニア、水素等を存在させ、シリカ中に残存しているシラノール基を失活させることによって多孔性シリカ薄膜の吸湿性を低減させ、誘電率の上昇を抑制することもできる。
【0094】
以上の加熱条件下で本発明の有機ポリマーを除去することにより、多孔性シリカ薄膜中の残渣ポリマー量は著しく低減されるので、先に述べたような有機ポリマーの分解ガスによる上層膜の接着力の低下や剥離等の現象が生じない。本発明の塗布組成物中の有機ポリマーが、ポリエーテルブロックコポリマーとシリカ前駆体に対して化学的に不活性な末端基を有するポリマーとを包含することにより、さらにその効果が顕著になる。
【0095】
シリカ/有機ポリマー複合体薄膜を形成するステップを経た後、ポリマーを除去するステップを上記条件下で行うものであれば、そのステップの前後に任意の温度や雰囲気によるステップを経ても問題はない。
本発明において、加熱は、半導体素子製造プロセス中で通常使用される枚葉型縦型炉またはホットプレート型の焼成システムを使用することができる。もちろん、本発明の製造工程を満足すれば、これらに限定されるものではない。
【0096】
以上述べたように、本発明の多孔性シリカ薄膜を用いることにより、機械強度が高く、かつ、誘電率が充分に低い、LSI用の多層配線用絶縁膜が成膜できる。本発明の多孔性シリカ薄膜の比誘電率は、通常、2.8〜1.2、好ましくは2.3〜1.2、より好ましくは2.3〜1.6である。この比誘電率は、本発明の塗布組成物中の有機ポリマー成分の組成および含有量により調節することができる。
【0097】
本発明の多孔性薄膜中には、BJH法による細孔分布測定において、20nm以上の空孔は実質上認められず、通常、10nm以上の孔は存在しないため、層間絶縁膜に極めて適したものである。
本発明により得られる多孔性シリカ薄膜は、薄膜以外のバルク状の多孔性シリカ体、例えば、反射防止膜や光導波路のような光学的膜や触媒担体はじめ、断熱材、吸収剤、カラム充填材、ケーキング防止剤、増粘剤、顔料、不透明化剤、セラミック、防煙剤、研磨剤、歯磨剤等として使用することも可能である。
【0098】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。
本発明に用いられる測定方法は以下のとおりである。
(1)シリカ組成比
塗布組成物中に含まれる官能性基数の異なるアルコキシシラン等に由来する珪素原子を、各々、29Si−NMRによるシグナルの面積から算出した数値で表し、それらを対比することにより、塗布組成物中に含まれるアルコキシシラン等の組成比とする。その塗布組成物を用いて製造される絶縁性薄膜中のアルコキシシラン等から得られるシリカの組成比も同様の測定方法で求める。
【0099】
一例として、アルコキシシランとしてテトラエトキシシラン(TEOS)、ジメチルジエトキシシラン(DMDES)およびビス(トリエトキシシリル)エタン(BSE)を用いた場合の薄膜中のDMDES起因のSi原子のモル%(シリカ組成比)の算出法を説明する。
装置:JEOL−ラムダ400
測定モード:NNE
試料管:外径10mm、内径3mm
(塗布組成物、薄膜ともD化エタノール、TMSを少量添加)
積算回数:1300回
PD(パルスディレー) 250秒
BF(ブロードニングファクター)30Hz
以上の測定装置および測定条件から得られた数値を用いて以下に示す計算式より算出する。
MDESのモル%=100×{(D0+D1+D2)/
T0+T1+T2+T3+T4)+(D0+D1+D2)+2(B0+B1+B2+B3)}
(式中、T0、D0およびB0は、それぞれ上記の装置で原料のTEOS、DMDESおよびBSE中のエトキシ基が少なくとも一部加水分解されて水酸基となった化合物に帰属されるシグナル積分強度を表し、T1、D1およびB1は、TEOS、DMDESおよびBSE中の各Siの一箇所が隣接のSi原子と酸素原子を介して結合して形成される基に帰属されるシグナルの積分強度を表し、T2、D2およびB2は、TEOS、DMDES、およびBSE中の各Siの二箇所が隣接のSi原子と酸素原子を介して結合して形成される基に帰属されるシグナルの積分強度を表し、T3およびB3は、TEOSおよびBSE中のSiの三箇所が隣接のSi原子と酸素原子を介して結合して形成される基に帰属されるシグナルの積分強度を表し、T4は、TEOS中のSiの四箇所が隣接のSi原子と酸素原子を介して結合して形成される基に帰属されるシグナルの積分強度を表す)。
【0100】
(2)絶縁膜の評価方法
(2)−1 膜厚
分光エリプソメーター(Jovin Yvon製UVISEL)により、SiO2−ボイドモデルを用いて測定する。
(2)−2 比誘電率
低抵抗率(0.01〜0.1Ω)SSM社製495型自動水銀CV測定装置を用いて1MHzにおける比誘電率(k)を求める。
(2)−3 密着性試験:
(2)−3−a テーププル試験
シリコンウェハー上に本発明の組成物を用いて形成した低誘電率膜上に、さらに膜厚100nmのSiO2(p−TEOS)膜を形成したものについて、テーププル試験を行う。試験後の剥離の有無を、目視および光学顕微鏡で観察した。テーププル試験の条件は、JIS K−5400に記載のものを使用する。
(2)−3−b BlanketCMP試験
(2)−3−aと同様に低誘電率膜およびp−TEOS膜を形成したものについて、BlanketCMP試験を行う。試験後の剥離の有無を、目視および光学顕微鏡で観察する。なお、CMPは荷重4.4psi、キャリア・プラテンとも、回転数30rpmの条件で行う。
(2)−4 ヤングモジュラス
MTSSystemsCorporation社製ナノインデンターDCMで測定する。測定方法は、バーコビッチ型のダイヤモンド製圧子を試料に押し込み、一定荷重に達するまで負荷したのちそれを除き、変位をモニターすることにより荷重―変位曲線を求める。表面は、コンタクトスティフネスが200N/mになる条件で認識する。硬度の算出は、以下の式による。
H=P/A
ここで、Pは、印加した荷重、接触面積Aは、接触深さhcの関数で次式により、実験的に求める。
A=24.56hc 2
この接触深さは、圧子の変位hと次の関係にある。
hc=h−εP/S
ここで、εは、0.75、Sは、除荷曲線の初期勾配である。
ヤングモジュラスの算出は、スネドンの式によって求める。
Er=(√π・S)/2√A
ここで、複合弾性率Erは、次式で表される。
Er=[(1−νs2)/Es+(1−νi2)/Ei]−1
ここで、νは、ポアソン比、添字Sは、サンプル、iは、圧子を表す。本発明では、νi=0.07、Ei=1141GPa、本材料のポアッソン比は未知であるがνs=0.18として、サンプルのヤングモジュラスEsを算出する。なお、本発明におけるヤングモジュラスは、0.8μ〜1.2μmの膜厚で測定する。
【0101】
【実施例1】
メチルトリエトキシシラン31.88g、1,2−ビストリエトキシシリルエタン31.92g、およびテトラエトキシシラン20.84gを混合し、これに水53.2gおよび0.9%の蓚酸水溶液0.17gを混合した。これに、両末端ジメトキシのポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール−ポリエチレングリコール(数平均分子量Mn=2000、ポリテトラメチレングリコール部分のMn=1000:50wt%エタノール溶液)36gを添加して、50℃で6時間攪拌して反応させた。この反応液をロータリーエバポレーターで50℃、40分間、50torr下で減圧処理を行って、水およびエタノールを留去した。
【0102】
得られた留去残留物68.83gに乳酸エチル79.17gを加えたもののうち、28gを小分けし、エタノール2.21g、水12.01g、乳酸エチル36.17g、酢酸10%水溶液0.80g、およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.2%水溶液0.80gを添加して本発明の組成物を作成した。
作成した絶縁膜形成用組成物を、6インチシリコンウェハー上に3ml滴下し、2000rpmで60秒回転塗布した。その後、空気中、120℃で1分間、窒素雰囲気下200℃で1時間、続いて、窒素雰囲気下400℃で1時間加熱焼成して、絶縁膜を得た。
【0103】
得られた絶縁膜の膜厚および比誘電率は、それぞれ397nmおよび2.14であった。ヤングモジュラスは4.5GPaであった。テーププル試験では、シリコンウェハー/低誘電率膜間および低誘電率膜/p−TEOS膜間のいずれにおいても全く剥離は見られず、blanketCMPの試験においても全く剥離は見られなかった。
【0104】
【比較例1】
実施例1において、両末端ジメトキシのポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール−ポリエチレングリコールの代わりに、両末端ジメトキシのポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール−ポリエチレングリコール(数平均分子量Mn=2000、ポリブチレングリコールのMn=1000:50wt%エタノール溶液)を使用した以外、実施例1と同様の方法で絶縁膜形成用塗布組成物を作成した。
【0105】
作成した絶縁膜形成用組成物を用いて、実施例1と同一の条件で絶縁膜を得た。
得られた絶縁膜の膜厚および比誘電率は、それぞれ380nmおよび2.20であった。ヤングモジュラスは4.8GPaであった。テーププル試験では、低誘電率膜/p−TEOS膜間で剥離が見られ、blanketCMP試験でも、大部分のp−TEOS層にクラックが見られ、部分的にp−TEOS層の剥離が見られた。
【0106】
【比較例2】
実施例1において、両末端ジメトキシのポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール−ポリエチレングリコールの代わりに、両末端ジメトキシのポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール(数平均分子量Mn=2000、ポリプロピレングリコールのMn=1000:50wt%エタノール溶液)を使用した以外、実施例1と同様の方法で絶縁膜形成用塗布組成物を作成した。
作成した絶縁膜形成用組成物を用いて、実施例1と同一の条件で絶縁膜を得た。
得られた絶縁膜の膜厚および比誘電率は、それぞれ386nmおよび2.24であった。ヤングモジュラスは4.4GPaであったが、テーププル試験では、低誘電率膜/p−TEOS膜間で剥離が見られ、blanketCMP試験でも、大部分のp−TEOS層にクラックが見られ、部分的にp−TEOS層の剥離が見られた。
【0107】
【発明の効果】
本発明の絶縁性薄膜製造用の塗布組成物は、多孔性シリカ薄膜の製造に好適である。本発明の塗布組成物から製造される多孔性シリカ薄膜は、高い機械強度と低い比誘電率を有するために、比誘電率/薄膜強度のバランスに優れると同時に、基板への密着性が著しく高い。したがって、この多孔性シリカ薄膜は、半導体素子の銅配線工程におけるCMP工程に十分に耐えることができ、LSI多層配線用基板や半導体素子の絶縁膜用として最適である。
Claims (6)
- (A)化学式(1)および/または化学式(2)で表される1〜6官能性のアルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有するシリカ前駆体であって、アルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物に由来する珪素原子の合計に対する1〜3官能性のアルコキシシラン、その加水分解物、およびその重縮合物に由来する珪素原子の合計の割合が5〜80mol%であるシリカ前駆体と、
R1 n(Si)(OR2)4−n (1)
(式中、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素または1価の有機基を表し、nは0〜3の整数である)
R3 m(R4O)3−mSi(R7)pSi(OR5)3−qR6 q (2)
(R3,R4,R5およびR6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素または1価の有機基を示し、mおよびqは、同一でも異なっていてもよく、0〜2の数を示し、R7は、酸素原子または(CH2)rで表される基、rは、1〜6、pは0または1である)
(B)化学式(3)で表される2元または3元の脂肪族エーテルブロックコポリマーが有機ポリマー全体に対して10重量%以上含まれている有機ポリマー、
(OR8)x(O(CH2)w)y(OR9)z (3)
(R8およびR9は、炭素数1〜10のアルキレン基、wは、3〜10、xは、2〜200、yは、2〜100、zは、0〜200の、各々、整数である)
を含有することを特徴とする絶縁性薄膜製造用の塗布組成物。 - 化学式(3)において、wが4であることを特徴とする請求項1記載の絶縁性薄膜製造用の塗布組成物
- 有機ポリマーの末端基の少なくとも一つがシリカ前駆体に対して化学的に不活性な基であることを特徴とする請求項1または2記載の絶縁性薄膜製造用の塗布組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布組成物を基板上に塗布した後、シリカ前駆体をゲル化することにより得られるシリカ/有機ポリマー複合薄膜から有機ポリマーが除去されてなることを特徴とする多孔性のシリカからなる絶縁性薄膜。
- 請求項4記載の薄膜を絶縁物として用いた配線構造体。
- 請求項5記載の配線構造体を包含する半導体素子。
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