JP2004026991A - 発泡体形成材、中空部材用発泡部材および充填用発泡体 - Google Patents
発泡体形成材、中空部材用発泡部材および充填用発泡体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】充填される空間が複雑な形状であっても、その空間をほとんど隙間なく充填することのできる充填用発泡体、および、その充填用発泡体を形成するための発泡体形成材および中空部材用発泡部材を提供すること。
【解決手段】ポリマー、架橋剤および発泡剤を混練して、得られた混練物を所定形状に成形することによって、発泡体形成材1を調製する。次いで、その発泡体形成材1の表面に、滑剤をコーティングする。そして、その発泡体形成材1に取付部材3を装着して中空部材用発泡部材Pを作製し、その取付部材3をピラー2の内部空間に取り付けて、その後、発泡体形成材1を加熱し、発泡および硬化させることにより充填用発泡体6を形成する。そうすると、たとえピラー2が複雑な形状であっても、充填用発泡体6によって、その内部空間がほとんど隙間のないように充填されるため、十分な制振および防音を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ポリマー、架橋剤および発泡剤を混練して、得られた混練物を所定形状に成形することによって、発泡体形成材1を調製する。次いで、その発泡体形成材1の表面に、滑剤をコーティングする。そして、その発泡体形成材1に取付部材3を装着して中空部材用発泡部材Pを作製し、その取付部材3をピラー2の内部空間に取り付けて、その後、発泡体形成材1を加熱し、発泡および硬化させることにより充填用発泡体6を形成する。そうすると、たとえピラー2が複雑な形状であっても、充填用発泡体6によって、その内部空間がほとんど隙間のないように充填されるため、十分な制振および防音を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の部材の間や中空部材の内部空間などを充填するために用いられる充填用発泡体、および、その充填用発泡体を形成するための発泡体形成材および中空部材用発泡部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のピラーなどの閉断面として形成される中空部材には、エンジンの振動や騒音、あるいは、風きり音などが車室内に伝達されることを防止するために、充填材として発泡体を充填することが知られている。
【0003】
このような発泡体としては、各種の樹脂やゴムからなるポリマーの発泡体が用いられており、例えば、中空部材の内部空間に、発泡前のこれらのプリフォームを設置して、その後、中空部材の焼付塗装時の加熱などによって、プリフォームを発泡および硬化させることにより、中空部材の内部空間において発泡体を形成し、この発泡体によって内部空間を隙間なく充填するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、中空部材の形状が複雑な場合には、中空部材の内部空間でプリフォームを発泡させても、その内部空間を発泡体によって隙間なく充填することが困難となり、十分な制振および防音を図ることができないという不具合を生じる場合がある。
【0005】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、充填される空間が複雑な形状であっても、その空間をほとんど隙間なく充填することのできる充填用発泡体、および、その充填用発泡体を形成するための発泡体形成材および中空部材用発泡部材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の発泡体形成材は、ポリマーを含有する発泡体形成材であって、その表面に滑剤がコーティングされていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の発泡体形成材では、滑剤が、ステアリン酸および/またはポリエチレンワックスであることが好ましく、また、滑剤により形成されるコーティング層の厚みが、30〜100μmであることが好ましい。
【0008】
また、本発明は、上記した発泡体形成材と、前記発泡体形成材に装着され、中空部材の内部空間に取り付け可能な取付部材とを備える中空部材用発泡部材を含んでいる。
【0009】
さらに、本発明は、上記した発泡体形成材を発泡させることによって得られる充填用発泡体を含んでいる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の発泡体形成材は、主成分としてポリマーを含有しており、その表面に、滑剤がコーティングされている。
【0011】
主成分となるポリマーは、特に限定されないが、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリケトンなどの樹脂、例えば、スチレン−ブタジエン−ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)などのゴムなどが挙げられる。好ましくは、エチレン・酢酸ビニル共重合体が用いられる。エチレン・酢酸ビニル共重合体を用いることにより、発泡倍率を高くでき、また、金属からなる被充填部材に対する接着性の向上を図ることができる。
【0012】
これらポリマーは、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0013】
また、本発明の発泡体形成材では、ポリマーを発泡および硬化させるために、さらに、例えば、架橋剤、発泡剤、必要により発泡助剤などが適宜配合される。
【0014】
架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生して分子間または分子内に架橋結合を形成させる公知のラジカル発生剤が用いられ、より具体的には、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキシン、1, 3−ビス(タ−シャリ−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、ターシャリブチルパーオキシケトン、ターシャリブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物などが挙げられる。好ましくは、ジクミルパーオキサイドが用いられる。
【0015】
また、ポリマーが加硫可能である場合には、架橋剤として公知の加硫剤を用いてもよい。そのような加硫剤としては、特に限定されないが、例えば、硫黄、硫黄化合物類、セレン、酸化マグネシウム、一酸化鉛、酸化亜鉛、ポリアミン類、オキシム類、ニトロソ化合物類、樹脂類、アンモニウム塩類などが挙げられる。
【0016】
これら架橋剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、架橋剤の配合割合は、特に限定されないが、例えば、ポリマーに対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜7重量部である。
【0017】
また、加硫剤を用いる場合には、加硫促進剤を併用することができる。加硫促進剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸類、チアゾール類、グアニジン類、スルフェンアミド類、チウラム類、キサントゲン酸類、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、チオウレア類などの公知の加硫促進剤が挙げられる。このような加硫促進剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合割合は、ポリマーに対して、0.1〜5重量部である。また、加硫促進剤とは反対に、成形性の調節などを目的として、例えば、有機酸やアミン類などの公知の加硫遅延剤などを適宜配合することもできる。
【0018】
また、発泡剤としては、特に限定されないが、例えば、公知の無機系発泡剤や有機系発泡剤が用いられる。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。
【0019】
また、有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミドなどのアゾ系化合物、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、トリニトロトリメチルトリアミンなどのニトロソ系化合物、例えば、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、アリルビス(スルホニルヒドラジド)などのヒドラジド系化合物、例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などのセミカルバジド系化合物、例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなどのフッ化アルカン、例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物などが挙げられる。
【0020】
また、これら発泡剤のなかでも、ポリマーの軟化温度以上で分解してガスを発生し、かつ、本発明の発泡体形成材の成形時において、ほとんど発泡しないものが、組成に応じて適宜選択される。
【0021】
これら発泡剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、発泡剤の配合割合は、特に限定されないが、例えば、ポリマー100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは、10〜30重量部である。
【0022】
なお、発泡剤の配合量は、本発明の発泡体形成材の発泡時において、その発泡倍率が5〜25倍程度、好ましくは、10〜20倍程度で、実質的に独立気泡を生じさせる範囲であることが好ましい。発泡剤の配合量が少なすぎると、本発明の発泡体形成材の発泡により得られる充填用発泡体が、実質的に発泡体を形成することができず、一方、発泡剤の配合量が多すぎると、得られる充填用発泡体の樹脂だれによる空隙を生じ、いずれも防音効果が抵下する。
【0023】
発泡助剤としては、特に限定されないが、例えば、発泡剤の種類に応じて適宜公知の発泡助剤を選択することができ、より具体的には、例えば、尿素を主成分とする尿素系化合物、例えば、酸化亜鉛、酸化鉛などの金属酸化物、例えば、サリチル酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸またはその金属塩などが挙げられる。好ましくは、高級脂肪酸金属塩が用いられる。
【0024】
これら発泡助剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、発泡助剤の配合割合は、特に限定されないが、例えば、ポリマー100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは、5〜10重量部である。
【0025】
さらに、本発明の発泡体形成材では、その目的および用途によって、得られる充填用発泡体の物性に影響を与えない範囲において、例えば、安定剤、補強材、充填剤、軟化剤や、さらには必要に応じて、例えば、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、防カビ剤、難燃剤などの公知の添加剤を適宜配合することができる。
【0026】
そして、本発明の発泡体形成材は、上記した各成分を、上記した配合割合において配合し、特に限定されないが、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などによって混練し、得られた混練物を、所定形状に成形することにより予備成形物(プリフォーム)として調製することができる。
【0027】
混練物の成形は、特に限定されないが、例えば、混練物を、ペレタイザーなどによってペレット化し、このペレットを、発泡剤が実質的に分解しない温度条件下で、射出成形機または押出成形機などによって所定形状に成形するか、あるいは、カレンダー成形やプレス成形によって、直接、所定形状に成形すればよい。
【0028】
そして、本発明では、このようにして得られる発泡体形成材の表面に、滑剤がコーティングされている。
【0029】
滑剤としては、特に限定されないが、例えば、公知のワックスや脂肪酸類が用いられる。ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木蝋などの植物系ワックス、例えば、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、例えば、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンなどの鉱物系ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプッシュワックス、アミドワックス、硬化ヒマシ油などの合成系ワックスなどが挙げられる。
【0030】
また、脂肪酸類としては、例えば、ステアリン酸やそのエステル類、アミド類などが挙げられる。
【0031】
これら滑剤において、ワックスでは、その軟化点が50〜120℃のものが好ましく用いられる。50℃未満では、保存時にべたつく場合があり、また、120℃を超えると、充填用発泡体の充填性能の向上を図ることができない場合がある。また、これら滑剤のなかでは、好ましくは、ポリエチレンワックスおよび/またはステアリン酸が用いられる。ポリエチレンワックスおよび/またはステアリン酸を用いることにより、作業性、滑り性などを向上させることができる。また、これら滑剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0032】
そして、このような滑剤を、発泡体形成材の表面にコーティングするには、特に限定されず、例えば、浸漬法、塗布法、スプレー法などの公知のコーティング方法が用いられる。例えば、浸漬法では、溶融させた滑剤中に、発泡体形成材を浸漬すればよい。また、例えば、塗布法やスプレー法では、滑剤を適宜の溶媒に溶かして、発泡体形成材に塗布または噴霧すればよい。なお、これら浸漬、塗布または噴霧の具体的な条件は、滑剤の種類やコーティングする厚さなどによって、適宜選択される。
【0033】
また、滑剤をコーティングする厚さは、30〜100μm、好ましくは、50〜80μmであり、これをコーティング量に換算すると、30〜100g/m2、好ましくは、50〜80g/m2である。30μmより薄いと、十分な滑り性が得られず、充填不良が生じる場合がある。100μmより厚いと、滑剤のたれが著しい場合がある。
【0034】
そして、このようにして調製される本発明の発泡体形成材を、適宜の条件下で加熱して、発泡および硬化させることにより、本発明の充填用発泡体を形成することができる。
【0035】
なお、本発明の充填用発泡体は、その密度(発泡体の重量(g)/発泡体の体積(g/cm3))が、例えば、0.04〜0.2g/cm3、さらには、0.05〜0.1g/cm3であることが好ましく、また、発泡時の発泡倍率が、5〜25倍、さらには、10〜20倍であることが好ましい。
【0036】
このようにして得られる本発明の充填用発泡体は、特に限定されることなく、制振、防音、防塵、断熱、緩衝、水密などを目的として、各種の部材の間や中空部材の内部空間に充填する、例えば、防振材、防音材、防塵材、断熱材、緩衝材、止水材などとして、各種の産業製品の充填材として、好適に用いることができる。
【0037】
そして、このような発泡体形成材および充填用発泡体では、発泡される原料配合物の表面に、滑剤がコーティングされているので、発泡時に、被充填部材の表面に発泡途中のポリマーが接触しても、接触抵抗を低減することができる。そのため、被充填部材が複雑な形状であっても、入り込みやすく、その空間をほとんど隙間なく充填することができる。
【0038】
なお、各種の部材の間や中空部材の内部空間に充填するには、特に限定されないが、例えば、隙間の充填を目的する部材の間や中空部材の内部空間に、発泡体形成材を設置して、その後、設置された発泡体形成材を加熱し、発泡および硬化させることにより充填用発泡体を形成し、その充填用発泡体によって、部材の間や中空部材の内部空間を充填すればよい。
【0039】
より具体的には、例えば、中空部材の内部空間を充填する場合には、まず、発泡体形成材に取付部材を装着して中空部材用発泡部材を作製し、その中空部材用発泡部材の取付部材を、中空部材の内部空間に取り付けた後、加熱により発泡させて、充填用発泡体を形成すれば、その充填用発泡体によって、中空部材の内部空間を充填することができる。
【0040】
そのような中空部材としては、自動車のピラーを例示することができ、本発明の発泡体形成材により、中空部材用発泡部材を作製して、ピラーの内部空間に取り付けた後、発泡させれば、充填用発泡体により、エンジンの振動や騒音、あるいは、風きり音などが車室内に伝達されることを有効に防止することができる。
【0041】
次に、本発明の発泡体形成材、中空部材用発泡部材および充填用発泡体の実施態様の一例として、これらを用いて自動車のピラーの内部空間を充填する方法について説明する。
【0042】
この方法では、まず、図1(a)に示すように、所定形状に成形された発泡体形成材1をピラー2内に設置する。発泡体形成材1をピラー2内に設置するには、例えば、取付部材3を発泡体形成材1に取り付けて、中空部材用発泡部材Pを作製し、その中空部材用発泡部材Pの取付部材3をピラー2の内周面に取り付ければよい。取付部材3を発泡体形成材1に取り付けるには、例えば、取付部材3を、成形された発泡体形成材1に取り付ける他、発泡体形成材1の成形時に混練物とともにインサート成形してもよい。また、取付部材3をピラー2の内周面に取り付けるには、例えば、ピラー2の内周面に係止溝を形成して、取付部材3を差し込むことにより係止させるか、あるいは、取付部材3を吸盤または磁石などから構成して、吸着または磁力により固定するか、さらには、取付部材3を金属板から構成して、溶接により取り付ければよい。
【0043】
なお、このピラー2は、略断略凹状のインナパネル4およびアウタパネル5から構成されており、まず、発泡体形成材1をインナパネル4に設置した後に、これらインナパネル4およびアウタパネル5の両端部を対向当接させて、溶接により接合することによって、閉断面として形成される。なお、このようなピラー2は、より具体的には、車両ボディのフロントピラー、サイドピラーあるいはリヤピラーとして用いられる。
【0044】
その後、この方法では、図1(b)に示すように、防錆処理など適宜の処理をした後に、例えば、その後の焼付塗装時の乾燥ライン工程での加熱(例えば、110〜190℃)によって、発泡体形成材1を発泡および硬化させることにより充填用発泡体6を形成し、この充填用発泡体6によってピラー2の内部空間を隙間なく充填する。
【0045】
そして、このような方法において、本発明の発泡体形成材および中空部材用発泡部材によって本発明の充填用発泡体を形成すれば、たとえピラー2(中空部材)の形状が複雑であっても、充填用発泡体によってその内部空間を、隙間がほとんどなく十分に充填することができ、十分な制振および防音を図ることができる。
【0046】
なお、以上の説明においては、発泡体形成材1の形状、設置位置、配置方向および配置数などは、ピラー2の形状などに応じて適宜選択される。
【0047】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0048】
なお、表1に示す略号および名称の詳細は、下記の通りである。
【0049】
EV460:エバフレックスEV460(酢酸ビニル含量19重量%、三井・デュポンポリケミカル社製)
DCP:パークミルD−40(ジクミルパーオキサイド40重量%、日本油脂社製)
OBSH:セルマイクSX(オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、三協化成社製)
ステアリン酸:ステアリン酸 桜(日本油脂社製)
ポリエチレンワックス:サンワックス131−P(三洋化成社製)
発泡体形成材の調製および中空部材用発泡部材の作製
実施例1、2
表1に示す実施例1、2の組成において、まず、ポリマー、架橋剤および発泡剤を、ミキシングロールにて混練し、シート状に成形することにより、実施例1、2の発泡体形成材を調製した。
【0050】
これに、図2(a)および(b)に示すように、差込片(長さ10mm、厚さ2mmの略矩形状の板部材)が一体的に形成されている略直角三角形状(各隅の角度がそれぞれ約30°、約60°および約90°)の板部材からなるナイロン製の芯材(高さ58mm、底辺100mm、厚み2mm、ピラーモデルの67%相似形状)をインサートして、熱プレスにて成形することにより、テストピース(ピラーモデルの80%相似形状)を作製した。
【0051】
次いで、このテストピースを、溶融させた滑剤中に浸漬させ、そのコーティング量が50g/m2となるように、テストピースの表面に滑剤をコーティングし、これによって、各発泡体形成材の中空部材用発泡部材をテストピースとして作製した。なお、コーティング量は、コーティング後のテストピースの重量から、コーティング前のテストピースの重量を差し引くことにより求めた。
【0052】
比較例1
表1に示す比較例1の組成において、まず、ポリマー、架橋剤および発泡剤を、ミキシングロールにて混練し、シート状に成形することにより、発泡体形成材を調製した。
【0053】
これに、図2(a)および(b)に示すように、差込片(長さ10mm、厚さ2mmの略矩形状の板部材)が一体的に形成されている略直角三角形状(各隅の角度がそれぞれ約30°、約60°および約90°)の板部材からなるナイロン製の芯材(高さ58mm、底辺100mm、厚み2mm、ピラーモデルの67%相似形状)をインサートして、熱プレスにて成形することにより、発泡体形成材の中空部材用発泡部材をテストピース(ピラーモデルの80%相似形状)として作製した。
【0054】
比較例2
表1に示す比較例2の組成において、まず、ポリマー、架橋剤、発泡剤および滑剤を、ミキシングロールにて混練し、シート状に成形することにより、発泡体形成材を調製した。
【0055】
これに、図2(a)および(b)に示すように、差込片(長さ10mm、厚さ2mmの略矩形状の板部材)が一体的に形成されている略直角三角形状(各隅の角度がそれぞれ約30°、約60°および約90°)の板部材からなるナイロン製の芯材(高さ58mm、底辺100mm、厚み2mm、ピラーモデルの67%相似形状)をインサートして、熱プレスにて成形することにより、発泡体形成材の中空部材用発泡部材をテストピース(ピラーモデルの80%相似形状)として作製した。
【0056】
充填用発泡体の形成および評価
実施例1、2および比較例1、2の中空部材用発泡部材からなる各テストピースを、図2(c)および(d)に示すように、略中空三角柱状(各隅の角度がそれぞれ約30°、約60°および約90°)のピラーモデル(高さ83mm、底辺150mm、厚み100mm、0.6mm鋼板製)に、差込片をピラーモデルの底壁に差し込むことによって設置し、160℃のオーブンに25分間投入して、各発泡体形成材を発泡および硬化させることによって、各充填用発泡体を形成した。その後、各充填用発泡体の隙間面積を求めた。その結果を表1に示す。
【0057】
なお、隙間面積は、ピラーモデルの断面積のうち、充填用発泡体が充填されなかった部分の面積を示す。
【0058】
【表1】
なお、表1において、比較例1、2には、ピラーモデルの約30°隅部分に充填不良による隙間が生じた。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の発泡体形成材、中空部材用発泡部材および充填用発泡体によれば、たとえ充填される空間が複雑な形状であっても、その空間をほとんど隙間なく充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡体形成材、中空部材用発泡部材および充填用発泡体を用いて、自動車のピラーの内部空間を充填する方法の一実施形態の工程図であって、
(a)は、発泡体形成材に取付部材を装着して中空部材用発泡部材を作製し、これをピラーに設置する工程、
(b)は、加熱により発泡体形成材を発泡および硬化させることにより、充填用組成物によってピラーの内部空間を充填する工程を示す。
【図2】実施例の充填用発泡体の形成および評価において、(a)は、テストピースの側面図、(b)は、テストピースの正面図、(c)は、ピラーモデルの側面図、(b)は、ピラーモデルの正面図をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 発泡体形成材
2 ピラー
P 中空部材用発泡部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の部材の間や中空部材の内部空間などを充填するために用いられる充填用発泡体、および、その充填用発泡体を形成するための発泡体形成材および中空部材用発泡部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のピラーなどの閉断面として形成される中空部材には、エンジンの振動や騒音、あるいは、風きり音などが車室内に伝達されることを防止するために、充填材として発泡体を充填することが知られている。
【0003】
このような発泡体としては、各種の樹脂やゴムからなるポリマーの発泡体が用いられており、例えば、中空部材の内部空間に、発泡前のこれらのプリフォームを設置して、その後、中空部材の焼付塗装時の加熱などによって、プリフォームを発泡および硬化させることにより、中空部材の内部空間において発泡体を形成し、この発泡体によって内部空間を隙間なく充填するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、中空部材の形状が複雑な場合には、中空部材の内部空間でプリフォームを発泡させても、その内部空間を発泡体によって隙間なく充填することが困難となり、十分な制振および防音を図ることができないという不具合を生じる場合がある。
【0005】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、充填される空間が複雑な形状であっても、その空間をほとんど隙間なく充填することのできる充填用発泡体、および、その充填用発泡体を形成するための発泡体形成材および中空部材用発泡部材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の発泡体形成材は、ポリマーを含有する発泡体形成材であって、その表面に滑剤がコーティングされていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の発泡体形成材では、滑剤が、ステアリン酸および/またはポリエチレンワックスであることが好ましく、また、滑剤により形成されるコーティング層の厚みが、30〜100μmであることが好ましい。
【0008】
また、本発明は、上記した発泡体形成材と、前記発泡体形成材に装着され、中空部材の内部空間に取り付け可能な取付部材とを備える中空部材用発泡部材を含んでいる。
【0009】
さらに、本発明は、上記した発泡体形成材を発泡させることによって得られる充填用発泡体を含んでいる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の発泡体形成材は、主成分としてポリマーを含有しており、その表面に、滑剤がコーティングされている。
【0011】
主成分となるポリマーは、特に限定されないが、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリケトンなどの樹脂、例えば、スチレン−ブタジエン−ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)などのゴムなどが挙げられる。好ましくは、エチレン・酢酸ビニル共重合体が用いられる。エチレン・酢酸ビニル共重合体を用いることにより、発泡倍率を高くでき、また、金属からなる被充填部材に対する接着性の向上を図ることができる。
【0012】
これらポリマーは、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0013】
また、本発明の発泡体形成材では、ポリマーを発泡および硬化させるために、さらに、例えば、架橋剤、発泡剤、必要により発泡助剤などが適宜配合される。
【0014】
架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生して分子間または分子内に架橋結合を形成させる公知のラジカル発生剤が用いられ、より具体的には、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキシン、1, 3−ビス(タ−シャリ−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、ターシャリブチルパーオキシケトン、ターシャリブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物などが挙げられる。好ましくは、ジクミルパーオキサイドが用いられる。
【0015】
また、ポリマーが加硫可能である場合には、架橋剤として公知の加硫剤を用いてもよい。そのような加硫剤としては、特に限定されないが、例えば、硫黄、硫黄化合物類、セレン、酸化マグネシウム、一酸化鉛、酸化亜鉛、ポリアミン類、オキシム類、ニトロソ化合物類、樹脂類、アンモニウム塩類などが挙げられる。
【0016】
これら架橋剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、架橋剤の配合割合は、特に限定されないが、例えば、ポリマーに対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜7重量部である。
【0017】
また、加硫剤を用いる場合には、加硫促進剤を併用することができる。加硫促進剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸類、チアゾール類、グアニジン類、スルフェンアミド類、チウラム類、キサントゲン酸類、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、チオウレア類などの公知の加硫促進剤が挙げられる。このような加硫促進剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合割合は、ポリマーに対して、0.1〜5重量部である。また、加硫促進剤とは反対に、成形性の調節などを目的として、例えば、有機酸やアミン類などの公知の加硫遅延剤などを適宜配合することもできる。
【0018】
また、発泡剤としては、特に限定されないが、例えば、公知の無機系発泡剤や有機系発泡剤が用いられる。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。
【0019】
また、有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミドなどのアゾ系化合物、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、トリニトロトリメチルトリアミンなどのニトロソ系化合物、例えば、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、アリルビス(スルホニルヒドラジド)などのヒドラジド系化合物、例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などのセミカルバジド系化合物、例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなどのフッ化アルカン、例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物などが挙げられる。
【0020】
また、これら発泡剤のなかでも、ポリマーの軟化温度以上で分解してガスを発生し、かつ、本発明の発泡体形成材の成形時において、ほとんど発泡しないものが、組成に応じて適宜選択される。
【0021】
これら発泡剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、発泡剤の配合割合は、特に限定されないが、例えば、ポリマー100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは、10〜30重量部である。
【0022】
なお、発泡剤の配合量は、本発明の発泡体形成材の発泡時において、その発泡倍率が5〜25倍程度、好ましくは、10〜20倍程度で、実質的に独立気泡を生じさせる範囲であることが好ましい。発泡剤の配合量が少なすぎると、本発明の発泡体形成材の発泡により得られる充填用発泡体が、実質的に発泡体を形成することができず、一方、発泡剤の配合量が多すぎると、得られる充填用発泡体の樹脂だれによる空隙を生じ、いずれも防音効果が抵下する。
【0023】
発泡助剤としては、特に限定されないが、例えば、発泡剤の種類に応じて適宜公知の発泡助剤を選択することができ、より具体的には、例えば、尿素を主成分とする尿素系化合物、例えば、酸化亜鉛、酸化鉛などの金属酸化物、例えば、サリチル酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸またはその金属塩などが挙げられる。好ましくは、高級脂肪酸金属塩が用いられる。
【0024】
これら発泡助剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、発泡助剤の配合割合は、特に限定されないが、例えば、ポリマー100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは、5〜10重量部である。
【0025】
さらに、本発明の発泡体形成材では、その目的および用途によって、得られる充填用発泡体の物性に影響を与えない範囲において、例えば、安定剤、補強材、充填剤、軟化剤や、さらには必要に応じて、例えば、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、防カビ剤、難燃剤などの公知の添加剤を適宜配合することができる。
【0026】
そして、本発明の発泡体形成材は、上記した各成分を、上記した配合割合において配合し、特に限定されないが、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などによって混練し、得られた混練物を、所定形状に成形することにより予備成形物(プリフォーム)として調製することができる。
【0027】
混練物の成形は、特に限定されないが、例えば、混練物を、ペレタイザーなどによってペレット化し、このペレットを、発泡剤が実質的に分解しない温度条件下で、射出成形機または押出成形機などによって所定形状に成形するか、あるいは、カレンダー成形やプレス成形によって、直接、所定形状に成形すればよい。
【0028】
そして、本発明では、このようにして得られる発泡体形成材の表面に、滑剤がコーティングされている。
【0029】
滑剤としては、特に限定されないが、例えば、公知のワックスや脂肪酸類が用いられる。ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木蝋などの植物系ワックス、例えば、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、例えば、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンなどの鉱物系ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプッシュワックス、アミドワックス、硬化ヒマシ油などの合成系ワックスなどが挙げられる。
【0030】
また、脂肪酸類としては、例えば、ステアリン酸やそのエステル類、アミド類などが挙げられる。
【0031】
これら滑剤において、ワックスでは、その軟化点が50〜120℃のものが好ましく用いられる。50℃未満では、保存時にべたつく場合があり、また、120℃を超えると、充填用発泡体の充填性能の向上を図ることができない場合がある。また、これら滑剤のなかでは、好ましくは、ポリエチレンワックスおよび/またはステアリン酸が用いられる。ポリエチレンワックスおよび/またはステアリン酸を用いることにより、作業性、滑り性などを向上させることができる。また、これら滑剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0032】
そして、このような滑剤を、発泡体形成材の表面にコーティングするには、特に限定されず、例えば、浸漬法、塗布法、スプレー法などの公知のコーティング方法が用いられる。例えば、浸漬法では、溶融させた滑剤中に、発泡体形成材を浸漬すればよい。また、例えば、塗布法やスプレー法では、滑剤を適宜の溶媒に溶かして、発泡体形成材に塗布または噴霧すればよい。なお、これら浸漬、塗布または噴霧の具体的な条件は、滑剤の種類やコーティングする厚さなどによって、適宜選択される。
【0033】
また、滑剤をコーティングする厚さは、30〜100μm、好ましくは、50〜80μmであり、これをコーティング量に換算すると、30〜100g/m2、好ましくは、50〜80g/m2である。30μmより薄いと、十分な滑り性が得られず、充填不良が生じる場合がある。100μmより厚いと、滑剤のたれが著しい場合がある。
【0034】
そして、このようにして調製される本発明の発泡体形成材を、適宜の条件下で加熱して、発泡および硬化させることにより、本発明の充填用発泡体を形成することができる。
【0035】
なお、本発明の充填用発泡体は、その密度(発泡体の重量(g)/発泡体の体積(g/cm3))が、例えば、0.04〜0.2g/cm3、さらには、0.05〜0.1g/cm3であることが好ましく、また、発泡時の発泡倍率が、5〜25倍、さらには、10〜20倍であることが好ましい。
【0036】
このようにして得られる本発明の充填用発泡体は、特に限定されることなく、制振、防音、防塵、断熱、緩衝、水密などを目的として、各種の部材の間や中空部材の内部空間に充填する、例えば、防振材、防音材、防塵材、断熱材、緩衝材、止水材などとして、各種の産業製品の充填材として、好適に用いることができる。
【0037】
そして、このような発泡体形成材および充填用発泡体では、発泡される原料配合物の表面に、滑剤がコーティングされているので、発泡時に、被充填部材の表面に発泡途中のポリマーが接触しても、接触抵抗を低減することができる。そのため、被充填部材が複雑な形状であっても、入り込みやすく、その空間をほとんど隙間なく充填することができる。
【0038】
なお、各種の部材の間や中空部材の内部空間に充填するには、特に限定されないが、例えば、隙間の充填を目的する部材の間や中空部材の内部空間に、発泡体形成材を設置して、その後、設置された発泡体形成材を加熱し、発泡および硬化させることにより充填用発泡体を形成し、その充填用発泡体によって、部材の間や中空部材の内部空間を充填すればよい。
【0039】
より具体的には、例えば、中空部材の内部空間を充填する場合には、まず、発泡体形成材に取付部材を装着して中空部材用発泡部材を作製し、その中空部材用発泡部材の取付部材を、中空部材の内部空間に取り付けた後、加熱により発泡させて、充填用発泡体を形成すれば、その充填用発泡体によって、中空部材の内部空間を充填することができる。
【0040】
そのような中空部材としては、自動車のピラーを例示することができ、本発明の発泡体形成材により、中空部材用発泡部材を作製して、ピラーの内部空間に取り付けた後、発泡させれば、充填用発泡体により、エンジンの振動や騒音、あるいは、風きり音などが車室内に伝達されることを有効に防止することができる。
【0041】
次に、本発明の発泡体形成材、中空部材用発泡部材および充填用発泡体の実施態様の一例として、これらを用いて自動車のピラーの内部空間を充填する方法について説明する。
【0042】
この方法では、まず、図1(a)に示すように、所定形状に成形された発泡体形成材1をピラー2内に設置する。発泡体形成材1をピラー2内に設置するには、例えば、取付部材3を発泡体形成材1に取り付けて、中空部材用発泡部材Pを作製し、その中空部材用発泡部材Pの取付部材3をピラー2の内周面に取り付ければよい。取付部材3を発泡体形成材1に取り付けるには、例えば、取付部材3を、成形された発泡体形成材1に取り付ける他、発泡体形成材1の成形時に混練物とともにインサート成形してもよい。また、取付部材3をピラー2の内周面に取り付けるには、例えば、ピラー2の内周面に係止溝を形成して、取付部材3を差し込むことにより係止させるか、あるいは、取付部材3を吸盤または磁石などから構成して、吸着または磁力により固定するか、さらには、取付部材3を金属板から構成して、溶接により取り付ければよい。
【0043】
なお、このピラー2は、略断略凹状のインナパネル4およびアウタパネル5から構成されており、まず、発泡体形成材1をインナパネル4に設置した後に、これらインナパネル4およびアウタパネル5の両端部を対向当接させて、溶接により接合することによって、閉断面として形成される。なお、このようなピラー2は、より具体的には、車両ボディのフロントピラー、サイドピラーあるいはリヤピラーとして用いられる。
【0044】
その後、この方法では、図1(b)に示すように、防錆処理など適宜の処理をした後に、例えば、その後の焼付塗装時の乾燥ライン工程での加熱(例えば、110〜190℃)によって、発泡体形成材1を発泡および硬化させることにより充填用発泡体6を形成し、この充填用発泡体6によってピラー2の内部空間を隙間なく充填する。
【0045】
そして、このような方法において、本発明の発泡体形成材および中空部材用発泡部材によって本発明の充填用発泡体を形成すれば、たとえピラー2(中空部材)の形状が複雑であっても、充填用発泡体によってその内部空間を、隙間がほとんどなく十分に充填することができ、十分な制振および防音を図ることができる。
【0046】
なお、以上の説明においては、発泡体形成材1の形状、設置位置、配置方向および配置数などは、ピラー2の形状などに応じて適宜選択される。
【0047】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0048】
なお、表1に示す略号および名称の詳細は、下記の通りである。
【0049】
EV460:エバフレックスEV460(酢酸ビニル含量19重量%、三井・デュポンポリケミカル社製)
DCP:パークミルD−40(ジクミルパーオキサイド40重量%、日本油脂社製)
OBSH:セルマイクSX(オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、三協化成社製)
ステアリン酸:ステアリン酸 桜(日本油脂社製)
ポリエチレンワックス:サンワックス131−P(三洋化成社製)
発泡体形成材の調製および中空部材用発泡部材の作製
実施例1、2
表1に示す実施例1、2の組成において、まず、ポリマー、架橋剤および発泡剤を、ミキシングロールにて混練し、シート状に成形することにより、実施例1、2の発泡体形成材を調製した。
【0050】
これに、図2(a)および(b)に示すように、差込片(長さ10mm、厚さ2mmの略矩形状の板部材)が一体的に形成されている略直角三角形状(各隅の角度がそれぞれ約30°、約60°および約90°)の板部材からなるナイロン製の芯材(高さ58mm、底辺100mm、厚み2mm、ピラーモデルの67%相似形状)をインサートして、熱プレスにて成形することにより、テストピース(ピラーモデルの80%相似形状)を作製した。
【0051】
次いで、このテストピースを、溶融させた滑剤中に浸漬させ、そのコーティング量が50g/m2となるように、テストピースの表面に滑剤をコーティングし、これによって、各発泡体形成材の中空部材用発泡部材をテストピースとして作製した。なお、コーティング量は、コーティング後のテストピースの重量から、コーティング前のテストピースの重量を差し引くことにより求めた。
【0052】
比較例1
表1に示す比較例1の組成において、まず、ポリマー、架橋剤および発泡剤を、ミキシングロールにて混練し、シート状に成形することにより、発泡体形成材を調製した。
【0053】
これに、図2(a)および(b)に示すように、差込片(長さ10mm、厚さ2mmの略矩形状の板部材)が一体的に形成されている略直角三角形状(各隅の角度がそれぞれ約30°、約60°および約90°)の板部材からなるナイロン製の芯材(高さ58mm、底辺100mm、厚み2mm、ピラーモデルの67%相似形状)をインサートして、熱プレスにて成形することにより、発泡体形成材の中空部材用発泡部材をテストピース(ピラーモデルの80%相似形状)として作製した。
【0054】
比較例2
表1に示す比較例2の組成において、まず、ポリマー、架橋剤、発泡剤および滑剤を、ミキシングロールにて混練し、シート状に成形することにより、発泡体形成材を調製した。
【0055】
これに、図2(a)および(b)に示すように、差込片(長さ10mm、厚さ2mmの略矩形状の板部材)が一体的に形成されている略直角三角形状(各隅の角度がそれぞれ約30°、約60°および約90°)の板部材からなるナイロン製の芯材(高さ58mm、底辺100mm、厚み2mm、ピラーモデルの67%相似形状)をインサートして、熱プレスにて成形することにより、発泡体形成材の中空部材用発泡部材をテストピース(ピラーモデルの80%相似形状)として作製した。
【0056】
充填用発泡体の形成および評価
実施例1、2および比較例1、2の中空部材用発泡部材からなる各テストピースを、図2(c)および(d)に示すように、略中空三角柱状(各隅の角度がそれぞれ約30°、約60°および約90°)のピラーモデル(高さ83mm、底辺150mm、厚み100mm、0.6mm鋼板製)に、差込片をピラーモデルの底壁に差し込むことによって設置し、160℃のオーブンに25分間投入して、各発泡体形成材を発泡および硬化させることによって、各充填用発泡体を形成した。その後、各充填用発泡体の隙間面積を求めた。その結果を表1に示す。
【0057】
なお、隙間面積は、ピラーモデルの断面積のうち、充填用発泡体が充填されなかった部分の面積を示す。
【0058】
【表1】
なお、表1において、比較例1、2には、ピラーモデルの約30°隅部分に充填不良による隙間が生じた。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の発泡体形成材、中空部材用発泡部材および充填用発泡体によれば、たとえ充填される空間が複雑な形状であっても、その空間をほとんど隙間なく充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡体形成材、中空部材用発泡部材および充填用発泡体を用いて、自動車のピラーの内部空間を充填する方法の一実施形態の工程図であって、
(a)は、発泡体形成材に取付部材を装着して中空部材用発泡部材を作製し、これをピラーに設置する工程、
(b)は、加熱により発泡体形成材を発泡および硬化させることにより、充填用組成物によってピラーの内部空間を充填する工程を示す。
【図2】実施例の充填用発泡体の形成および評価において、(a)は、テストピースの側面図、(b)は、テストピースの正面図、(c)は、ピラーモデルの側面図、(b)は、ピラーモデルの正面図をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 発泡体形成材
2 ピラー
P 中空部材用発泡部材
Claims (5)
- ポリマーを含有する発泡体形成材であって、その表面に滑剤がコーティングされていることを特徴とする、発泡体形成材。
- 滑剤が、ステアリン酸および/またはポリエチレンワックスであることを特徴とする、請求項1に記載の発泡体形成材。
- 滑剤により形成されるコーティング層の厚みが、30〜100μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の発泡体形成材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の発泡体形成材と、前記発泡体形成材に装着され、中空部材の内部空間に取り付け可能な取付部材とを備えることを特徴とする、中空部材用発泡部材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の発泡体形成材を発泡させることによって得られることを特徴とする、充填用発泡体。
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