JP2004024740A - スライドファスナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】務歯2A,2Bを開閉するスライダー1の下部に務歯の下面に接触しながら裏地6,6との間に進入可能に分離板5を設け、該分離板には閉方向側Aまたは開方向側Bに設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部3,4の少なくとも一方に対して底部7Aが先窄まりで前端および後端に側面所望角度θ1にて設置される端部傾斜面部9と、該端部傾斜面部9の左右両側に正面所望角度θ2に連設された傾斜側面部10,10とによりなるそり上がった立上がり部7Bの壁面部7が形成された。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスライドファスナーに関し、例えば衣服、かばん、袋物、くつ、寝具、テント等の開口部を開閉するのに使用され、開閉に際し、務歯が裏地に噛み合うのを防止して開閉操作を迅速かつ円滑に行うためのものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばコート、上着、ジャンパー、ズボン、スキーウェアー等の衣服、またかばん、袋物、くつ、寝具、テント等の開口部を開閉するのにスライドファスナーが使用されていた。このスライドファスナーには例えば従来、図15ないし図19に示すものがあった。
すなわち、左右1対のストリンガーb,bのテープc,cに固着した務歯d1,d2を開閉操作するには、引手eを有するスライダーaを閉方向側A′または開方向側B′に移動操作させることにより、このスライダーaの前後に設けた務歯d1,d2を導入するか、または導出させる開口部f,gの何れか内に務歯d1,d2を導入して左右の務歯d1,d2相互を噛み合わせるか、または他側の開口部g,fの何れかから務歯d1,d2を導出して務歯d1,d2の噛み合いを解いて左右1対の務歯d1,d2の開閉操作を行うものである。
【0003】
またほかのスライドファスナーの従来例として例えば図20および図21に示すものがある。
すなわち、スライダーa′の務歯d1,d2を導入するか、または導出させる開口部f′,g′に対して前部に位置するような断面略スプーン状の分離板iをスライダーa′の底部に設けることにより、この分離板iにより裏地h′等を下方へ押下げて開口部f′内に務歯d1,d2を導入して閉じるものである。
【0004】
さらに、ほかの従来例として図22に示すように、スライダーa″の下面にテーパを外周に形成した略皿状の滑盤i″を装着したものがあった。この従来例は、滑盤i″により袋物に詰めた内容物としての布h″等を下方へ押下げ、務歯d1,d2ないしはスライダーa″との絡み込みを無くそうとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図15ないし図19に示す上記従来のスライドファスナーは、スライダーaを移動操作させて左右1対の務歯d1,d2の開閉操作を行うのに、図15,図16,図17に示すようにスライダーaを閉方向に移動した場合には、務歯d1,d2とスライダーaの閉方向側A′の開口部fとの間に間隙kが形成されるので、この間隙k内に裏地h,hが入り込み、不用意に噛み合うため、スライダーaが務歯d1,d2に対して動かなくなり、務歯d1,d2の閉止操作に支障をきたしていた。また、図18に示すようにスライダーaを開方向に移動した場合には、務歯d1,d2とスライダーaの開方向側B′の開口部gとの間に間隙k′が形成されるので、この間隙k′内に裏地h,hが入り込み、不用意に噛み合うため、同様にスライダーaが務歯d1,d2に対して動かなくなり、務歯d1,d2の開操作に支障をきたしていた。
このように、従来のスライドファスナーでは、務歯d1,d2の開閉操作を行うためにスライダーaを閉方向側A′または開方向側B′に移動させた場合に、務歯d1,d2とスライダーaの前後の開口部f,gとの間に間隙k,k′が形成されるので、裏地h,hが噛み合い易くなり、スライダーaの開閉操作が円滑かつ迅速に行えなかった。しかも、一度、裏地h,hが務歯d1,d2に噛み合うと、噛み合いを解いてスライダーaを自由に移動させるのに多くの時間と労力が必要になるという不都合があった。
【0006】
また図20および図21に示す上記従来のスライドファスナーは、スライダーa′の開口部f′に対して前部に位置する断面略スプーン状の分離板iをスライダーa′の底部に設けたものは、分離板iにより裏地h′等を下方へ押下げながら開口部f′内に務歯d1,d2を導入して閉じるものに過ぎない。そして、分離板iの先端と開口部f′との距離lが離れて設けられているので、開口部f′と務歯d1,d2との間に生ずる間隙kをなくすための何らの手段は施されてはいない。しかも、分離板iは平面扇形であり、断面略スプーン状に形成されるので、スライダーa′が移動するのに伴い左右に裏地h′を押し分けて開口部f′内への絡み付きを防止するという何らの工夫は施されてはいない。このため、裏地h′を形成するための成形材料が軟らかいものであったり、または薄い成形材料により形成されている場合には、裏地h′が撓んで屈曲されたり、或いは断面スプーン状の分離板iの上面の凹み内に屈曲されて巻き込まれ易くなる。さらには、勢いよくスライダーa′を閉方向側A′に移動した場合には、開口部f′内に裏地h′が巻き込まれるので、裏地h′が務歯d1,d2やスライダーa′に噛み合い、スライダーa′が移動しなくなる。
【0007】
さらに、図22に示す上記従来例のように、スライダーa″の下面にテーパを外周に形成した略皿状の滑盤i″を装着したものは、滑盤i″により袋物に詰めた内容物としての布h″等を下方へ押下げるのに過ぎないので、同様に滑盤i″の先端と開口部f″との距離l′が離れ、開口部f″と務歯d1,d2との間に生ずる間隙kをなくすための何らの手段は施されてはいないため、務歯d1,d2ないしはスライダーa″との絡み付きを無くそうとするものである。しかも、滑盤i″は全体形状が平坦な皿状に形成されているのに過ぎないので、図19および図21のスライダーa″の移動に伴い左右に裏地h″を押し分けて開口部f″内への絡み付きを防止するのには不充分である。
【0008】
本発明は上記従来の欠点を解決するとともに務歯とスライダーの務歯を開閉する開口部との間に生ずる間隙を無くし、裏地の侵入による不用意な噛み合いを防止し、務歯の開閉操作を円滑かつ迅速に行うようになしてスライダーの移動の自由度を保証し、構造簡単にして製作および組付が容易であり、量産可能で製作コストが安価なスライドファスナーを提供しようとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、務歯を開閉するスライダーの下部に務歯の下面に接触しながら裏地との間に進入可能に分離板を設け、該分離板には閉方向側または開方向側に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部の少なくとも一方に対して底部が先窄まりで前端および後端に側面所望角度にて設置される端部傾斜面部と、該端部傾斜面部の左右両側に正面所望角度に連設された傾斜側面部とによりなるそり上がった立上がり部の壁面部が形成されたことを特徴とするという手段を採用した。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において前記壁面部の底部は、スライダーの閉方向側または開方向側に務歯を開閉可能に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部よりも前端および後端が幅狭に形成されることを特徴とするという手段を採用した。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2の何れかにおいて前記壁面部は、スライダーの閉方向側および開方向側に設けることを特徴とするとするという手段を採用した。
【0012】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1,請求項2,または請求項3の何れかにおいて前記壁面部は、分離板の前端および後端に側面所望角度にて設置される正面略逆台形の端部傾斜面部と、該端部傾斜面部の左右両側に正面所望角度に連設された側面逆三角形の傾斜側面部とにより形成されたことを特徴とするという手段を採用した。
【0013】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1,請求項2,請求項3,または請求項4の何れかにおいて前記分離板は、スライダーと一体に形成されるか、またはスライダーとは別体に形成されて適宜固着手段によりスライダーの下部に取付けられることを特徴とするという手段を採用した。
【0014】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,または請求項5の何れかにおいて分離板は、該分離板の上面にスライダーの底面形状に略合致して設けた嵌合凹部または孔部にスライダーの下部が嵌着されることを特徴とするという手段を採用した。
【0015】
また、本発明の請求項7に記載の発明は、務歯を開閉するスライダーの底面に、閉方向側または開方向側に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部の少なくとも一方の何れかの前部に位置して平面先窄まりの案内立壁部が形成されたことを特徴とするという手段を採用した。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7において前記案内立壁部は、スライダーの閉方向側または開方向側に務歯を開閉可能に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部よりも前端または後端が幅狭に形成されることを特徴とするという手段を採用した。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8の何れかにおいてスライダーの前記底部は、閉方向側の開口部よりも前方へ延長させた第1延出端として形成されるとともに開方向側には開口部よりも後方へ延長させた第2延出端として形成されることを特徴とするという手段を採用した。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態の具体例を説明する。
図1乃至図9は本発明の第1実施形態を示し、1は金属または合成樹脂等の剛性材により形成され、左右1対の務歯2A,2Bを開閉するために移動されるスライダーであり、このスライダー1の前後には閉方向側Aまたは開方向側Bに務歯2A,2Bを一端から導入し、他端から排出するような開口部3,4が形成される。
【0019】
5は務歯2A,2Bを開閉するスライダー1の下部に務歯2A,2Bの下面に接触しながら裏地6,6との間に進入可能に設けられた分離板であり、この分離板5は金属または合成樹脂等の剛性と平滑性とを有する形成材料により形成される。また、分離板5の前面および後面には閉方向側Aまたは開方向側Bに設ける開口部3,4の少なくとも何れか、本実施形態では閉方向側Aおよび開方向側Bに設ける開口部3,4に対して底部7Aが先窄まりで立上がり部7Bの外形状が後方へ増大するようなそり上がった壁面部7,7が形成される。
前記壁面部7,7は、スライダー1を閉方向側Aまたは開方向側Bに移動することにより務歯2A,2Bの開閉操作を行う時に裏地6,6を左右に押分けることによりスライダー1の開口部3,4と左右の務歯2A,2Bとの間に裏地6,6が侵入するような間隙を無くして務歯2A,2Bまたはスライダー1に対する裏地6,6の噛み合いを防止するためのものである。
【0020】
また、前記壁面部7,7は、スライダー1の閉方向側Aまたは開方向側Bに務歯2A,2Bを開閉可能に設ける開口部3,4よりも前端または後端が幅狭に形成されることにより務歯2A,2Bの開閉操作時に裏地6,6との間に進入して裏地6,6を左右に押分け、スライダー1の開口部3,4と務歯2A,2Bとの間に裏地6,6が侵入するのを有効に阻止してスライダー1の噛み合いを有効に防止する。
【0021】
前記立上がり部7Bは、分離板5の前端および後端に側面所望角度θ1、図1,図3に示すように本実施形態では略15°〜30°にて設置される正面略逆台形の端部傾斜面部9と、該端部傾斜面部9の左右両側に図4、図5に示すように正面所望角度θ2、図示する本実施形態ではそれぞれ略45°に連設された側面逆三角形の左右の傾斜側面部10,10とにより形成される。このように、分離板5の前端および後端に側面所望角度θ1にて正面略逆台形をなした端部傾斜面部9と、該端部傾斜面部9の左右両側には正面所望角度θ2に側面逆三角形の傾斜側面部10,10とを連設したのは、分離板5の前端および後端が裏地6,6との間に円滑かつ確実に進入するようにするためと、左右に設置配置した傾斜側面部10,10により分離板5の外容積が前端および後端から漸次増大するようにして分離板5による裏地6,6の押分けを確実にするためである。
【0022】
また、前記分離板5は、スライダー1と一体に形成されるか、またはスライダー1とは別体に形成されて適宜固着手段11によりスライダー1の下面に取付けられる。この際、固着手段11としては、スライダー1と分離板5とが共に金属により形成される場合には、溶接により取付が行われるか、接着剤を用いた接着によったり、嵌着したり、加締めにより取付が行われる。また、スライダー1と分離板5とが共に合成樹脂により形成される場合には、高周波溶着によったり、嵌合したり、接着剤を用いて接着することによりスライダー1の下面に分離板5が取付られる。
【0023】
さらに、スライダー1が金属で形成され、分離板5が合成樹脂により形成される等、それぞれ異質の成形材料により形成される場合には、固着手段11としては例えば図7および図8に示すようにスライダー1の下面に、スライダー1の外形状より小形であり適宜個数の爪12aを外周に有する突条部12を形成し、また分離板5の上面には前記突条部12が嵌合される凹部13を設けるとともに前記爪12aが係合される爪受13aを凹部13の対応個所にそれぞれ形成する。そして、取付には突条部12を凹部13内に嵌合し、爪12aを爪受13aに係合させてスライダー1の下面に分離板5を取付ける。
【0024】
また固着手段11の他の変形例として、たとえば図9に示すようにスライダー1の下面に爪12aを有した突条部12を設け、また前記爪12aが係合される爪受14aを内周の対応位置に設けた孔部14を分離板5を設けたことにより、孔部14内に突条部12を嵌合し、爪12aを爪受14aに係合させることによってスライダー1の下面に分離板5を取付けることもできる。
15はスライダー1の引手であり、この引手15の形状、材質の変更は自由に行え、しかもスライダー1に対する取付の変更も自由に行える。また、16はスライダー1の開口部3,4内に設けられた案内壁である。
【0025】
本発明の第1実施形態は以上の構成からなり、務歯2A,2Bを開閉するにはスライダー1を開方向側Aまたは閉方向側Bに移動することは従来と同様である。
【0026】
しかしながら、本実施形態では例えば図1の実線に示すように引手15を引いてスライダー1を務歯2A,2Bに対して閉方向に移動すると、スライダー1の下部に設けた分離板5の前端および後端に形成される壁面部7の端部傾斜面部9の上端がスライダー1と一緒に務歯2A,2Bの下面に接触しながら移動して行く。
このため、図15ないし図19に示す従来のスライドファスナーとは異なりスライダー1の閉方向側Aに設けた開口部3と務歯2A,2Bとの間に生ずる間隙を無くすことができるので、裏地6,6が開口部3内に入り込む余地はない。
また、スライダー1は、分離板5により背面が覆われるので、スライドファスナーを衣服などに装着した場合に、身体に違和感などを覚えることなく、またスライダー1の移動操作の邪魔になることもない。
【0027】
この際、図1,図2に示すようにスライダー1を移動するのに伴って分離板5の壁面部7は、立上がり部7Bの前端および後端には正面略逆台形の端部傾斜面部9が側面所望角度θ1にそり上がって形成されるので、この端部傾斜面部9が務歯2A,2Bと裏地6,6との間に迅速かつ確実に進入されて行く。
【0028】
しかも、立上がり部7Bは、端部傾斜面部9を中央にしてその左右両側に正面所望角度θ2に側面逆三角形の傾斜側面部10,10が連設されることにより分離板5の外形が前端から漸次増大するように形成されるので、中央の端部傾斜面部9と左右両側に連設される傾斜側面部10,10との協同した推力により裏地6,6との間に分離板5が円滑かつ確実に進入するため、裏地6,6は務歯2A,2Bとの接触が断たれて効率的に左右に分担して押分けられる。また、上述のように分離板5の前端の壁面部7は外形が前端から漸次増大するように形成されて図20および図21に示す従来のスライドファスナーのように、断面略スプーン状に形成されず、しかも分離板5の壁面部7における端部傾斜面部7Bの上端は務歯2A,2Bの下面に接触しながら移動して行くので、図20および図21に示す従来のスライドファスナーとは異なりスライダー1の閉方向側Aに設けた開口部3と務歯2A,2Bとの間に生ずる間隙を無くすことができる。
このため、裏地6,6を形成するための成形材料が軟らかいものであったり、または薄い成形材料により裏地6,6が形成されている場合に、裏地6,6が撓んで分離板5の上面に屈曲されたり、或いは分離板5の上面に屈曲されて巻き込まれることなく、さらには、勢いよくスライダー1を閉方向側Aに移動した場合に、開口部3内に裏地6,6が巻き込まれることはない。従って、務歯2A,2Bの閉操作時にスライダー1の開口部3と務歯2A,2Bとの間へ裏地6,6が侵入されるのを壁面部7により阻止でき、裏地6,6の抵抗が少なく、スライダー1は自由に移動するため、務歯2A,2Bの閉操作は円滑かつ確実に行われる。
【0029】
また、この壁面部7は、スライダー1の閉方向側Aに設ける開口部3よりも前端が幅狭に形成されるので、務歯2A,2Bの閉操作時に裏地6,6を左右に効率良く押分けてスライダー1の開口部3と務歯2A,2Bとの間への裏地6,6の侵入を有効に阻止してスライダー1の噛み合いは有効に防止される。
【0030】
また、務歯2A,2Bの開操作を行うには、図1の想像線に示すように引手15を引いて今度はスライダー1を務歯2A,2Bに対して開方向Bに移動すると、スライダー1の下部に設けた分離板5の後端に形成される壁面部7の端部傾斜面部9の上端がスライダー1と一緒に務歯2A,2Bの下面に接触しながら移動して行く。このため、図15ないし図19に示す従来のスライドファスナーとは異なりスライダー1の開方向側Bに設けた開口部4と務歯2A,2Bとの間に生ずる間隙を分離板5の後端の壁面部7が進入することにより無くすことができるので、裏地6,6が開口部4内に入り込む余地はない。
【0031】
しかも、開方向へスライダー1が移動するのに伴って分離板5の後端の壁面部7は前述の閉操作時と同様に務歯2A,2Bの下面に接触しながら裏地6,6との間に進入されて行くので、裏地6,6は左右に押し分けられる。従って、務歯2A,2Bの開操作時にスライダー1の開口部4と務歯2A,2Bとの間に裏地6,6が侵入されるのを分離板5の壁面部7により阻止できるため、スライダー1の噛み合いを防止することができる。
【0032】
この際、壁面部7は、分離板5の後端に設置される正面略逆台形の端部傾斜面部9が側面所望角度θ1にそり上がって形成されているので、分離板5の後端に設置される正面略逆台形の端部傾斜面部9は務歯2A,2Bと裏地6,6との間に間隙を生ずることなく迅速かつ確実に進されて行く。しかも、壁面部7は、端部傾斜面部9を中央にしてその左右両側に正面所望角度θ2に側面逆三角形の傾斜側面部10,10がそれぞれ連設されることにより外形が後端から漸次増大するように形成されるので、中央の端部傾斜面部9と左右の傾斜側面部10,10との協同した推力により裏地6,6は分離板5により務歯2A,2Bとの接触が断たれ、左右に効率的に分担して押分けられるため、裏地7,7の抵抗が少なくなりスライダー1は自由に移動され、務歯2A,2Bの開操作は円滑に行われる。
【0033】
また、この壁面部7の後端は、スライダー1の開方向側Bに設ける開口部4よりも幅狭に形成されるので、務歯2A,2Bの開操作時に裏地6,6を左右に効率良く押分けてスライダー1の開口部4と務歯2A,2Bとの間へ分離板5が進入されることにより裏地6,6が開口部4内に侵入するのを有効に阻止してスライダー1の噛み合いを有効に防止することができる。
【0034】
図10乃至図14に示すものは本発明の第2実施形態である。
この実施形態では、前記壁面部7は、スライダー1の底部を閉方向側Aの開口部3よりも前方へ延長させた第1延出端20,20として形成するとともに該第1延出端20,20の上面には前記開口部3の前部に位置して設けられる平面先窄まりの案内立壁部21,21が形成され、開方向側Bには開口部4よりも後方へ延長させた第2延出端22,22が形成されている。
【0035】
そして、務歯2A,2Bの閉操作を行うためにスライダー1を閉方向側Aに移動すると、スライダー1の底部を閉方向側Aの開口部3よりも前方へ延長させた第1延出端20,20の上面に平面先窄まりの案内立壁部21,21を設けているので、開口部3と務歯2A,2Bとの間に生ずる間隙を最小限にできるため、裏地6,6が開口部3内に入り込むのが案内立壁部21,21により阻止される。しかも、スライダー1の底部を閉方向側Aの開口部3よりも前方へ延長させた第1延出端20を形成しているので、この第1延出端20が務歯2A,2Bとの間に進入されながらスライダー1と一緒に移動するため、裏地6,6は左右に押分けられる。従って、務歯2A,2Bの閉操作時にスライダー1の開口部3と務歯2A,2Bとの間に裏地6,6が侵入されるのを阻止できるため、スライダー1の噛み合いは防止される。
【0036】
また、務歯2A,2Bの開操作を行うには、スライダー1の開方向側Bに開口部4よりも後方へ延長させた第2延出端22,22を形成しているので、スライダー1を開方向側Bに移動すると、第2延出端22,22がスライダー1の底部の開方向側Bの開口部4よりも前方へ延長されて位置されるため、開口部4と務歯2A,2Bとの間に生ずる間隙は最小限になる。しかも、開方向側Bの開口部4よりも前方へ第2延出端22,22が延長して形成されるので、この第2延出端22,22が務歯2A,2Bとの間に進入されながらスライダー1と一緒に移動するため、裏地6,6は左右に押分けられる。従って、務歯2A,2Bの開操作時にスライダー1の開口部4と務歯2A,2Bとの間へ裏地6,6が侵入されるのを阻止できるため、スライダー1の噛み合いは防止される。
【0037】
なお、前記第1実施形態において、分離板5の前端および後端に設けられる端部傾斜面部9を設定する角度θ1を略15°〜45°とし、しかも端部傾斜面部9の左右に連設される左右の傾斜側面部10,10を設置する角度θ2を正面45°としたが、これらの角度θ1,θ2は、裏地6,6が硬いか軟らかいか、または厚いか薄いか等に応じて自由に増減変更が行われ、好適なものが選択される。
【0038】
また前記第1実施形態においては、スライダー1の下部に取付た分離板5の前端および後端に底部7Aが先窄まりで立上がり部7Bの外形が後方へ漸次増大するようにそり上がった壁面部7,7が形成されたことにより務歯2A,2Bとスライダー1の開口部3,4との間に生ずる間隙を無くし、裏地6の侵入による不用意な噛み合いを防止するようにしているが、この壁面部7,7は図には示さないが分離板5の前端および後端の何れか一側に形成されるものであってもよい。
【0039】
また前記第2実施形態では、スライダー1の底部の前部に、平面先窄まりの案内立壁部21,21を形成したことによりスライダー1の開口部3との間に生ずる間隙を無くし、裏地6の侵入による不用意な噛み合いを防止するようにしているが、案内立壁部21,21は図には示さないがスライダー1の前部および後部に設けた開口部3,4の何れか一方に形成されるものであってもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の発明は以上のように、務歯を開閉するスライダーの下部に務歯の下面に接触しながら裏地との間に進入可能に分離板を設け、該分離板には閉方向側または開方向側に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部の少なくとも一方に対して底部が先窄まりで前端および後端に側面所望角度にて設置される端部傾斜面部と、該端部傾斜面部の左右両側に正面所望角度に連設された傾斜側面部とによりなるそり上がった立上がり部の壁面部が形成されたことを特徴とし、また請求項4の発明は、請求項1,請求項2,または請求項3の何れかにおいて前記壁面部は、分離板の前端および後端に側面所望角度にて設置される正面略逆台形の端部傾斜面部と、該端部傾斜面部の左右両側に正面所望角度に連設された側面逆三角形の傾斜側面部とにより形成され、また、本発明の請求項7に記載の発明は、務歯を開閉するスライダーの底面に、閉方向側または開方向側に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部の少なくとも一方の前部に位置して平面先窄まりの案内立壁部が形成されたことを特徴とするので、務歯とスライダーの開口部との間に生ずる間隙が無くなり、裏地の侵入による不用意な噛み合いを防止することができる。しかも、スライダーが移動するのに伴って分離板の壁面部は務歯の下面に接触しながら裏地との間に進入され、裏地は左右に押分けられる。このため、務歯の開閉操作が円滑かつ迅速に行え、スライダーの移動の自由度が保証される。しかも、本願発明のスライドファスナーは構造簡単にして製作および組付が容易であり、量産可能になり、製作コストが安価になる。
【0041】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において前記壁面部の底部は、スライダーの閉方向側または開方向側に務歯を開閉可能に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部よりも前端および後端が幅狭に形成されることを特徴とし、また、請求項8に記載の発明は、請求項7において前記案内立壁部は、スライダーの閉方向側または開方向側に務歯を開閉可能に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部よりも前端または後端が幅狭に形成されることを特徴とするので、務歯とスライダーのとの間に生ずる間隙が無くなり、裏地の侵入による不用意な噛み合いを防止することができる。このため、務歯の開閉操作が円滑かつ迅速に行え、スライダーの移動の自由度が保証される。
【0042】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2の何れかにおいて前記壁面部は、スライダーの閉方向側および開方向側に設けることを特徴とするので、閉方向側および開方向側にスライダーを移動した場合に、務歯とスライダーの開口部との間に生ずる間隙が無くなり、裏地の侵入による不用意な噛み合いを防止することができる。このため、務歯の開閉操作が円滑かつ迅速に行え、スライダーの移動の自由度が保証される。
【0043】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1,請求項2,請求項3,または請求項4の何れかにおいて前記分離板は、スライダーと一体に形成されるか、またはスライダーとは別体に形成されて適宜固着手段によりスライダーの下部に取付けられ、また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,または請求項5の何れかにおいて分離板は、該分離板の上面にスライダーの底面形状に略合致して設けられた嵌合凹部または孔部に嵌着されることを特徴とするので、構造簡単であり、製作および組付が容易になり、製作コストは安価になる。
【0044】
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8の何れかにおいてスライダーの前記底部は、閉方向側の開口部よりも前方へ延長させた第1延出端として形成されるとともに開方向側には開口部よりも後方へ延長させた第2延出端として形成されることを特徴とするので、閉方向および開方向へスライダーが移動するのに伴ってスライダーの底部を閉方向側および開方向側へ開口部よりも前方へ延長させて形成された第1延出端と第2延出端とが務歯の開閉操作時に裏地との間に進入され、裏地は左右に押し分けられる。従って、務歯の開閉操作時にスライダーの開口部と務歯との間へ裏地が侵入されるのを阻止することができ、スライダーの噛み合いを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスライドファスナーの第1実施形態を示し、使用状態の側面図である。
【図2】同じく使用状態を示す裏面図である。
【図3】同じく本実施形態のスライドファスナーを示す側面図である。
【図4】同じくスライドファスナーの正面図である。
【図5】同じくスライドファスナーの背面図である。
【図6】同じくスライドファスナーの平面図である。
【図7】同じくスライダーと分離板との固着手段の一例を示す分解斜視図である。
【図8】同じく分離板を示す斜視図である。
【図9】同じくスライダーと分離板との固着手段の他例を示す分解斜視図である。
【図10】本発明のスライドファスナーの第2実施形態を示す斜視図である。
【図11】同じく裏面より見た斜視図である。
【図12】同じく使用状態を示す側面図である。
【図13】同じく正面図である。
【図14】同じく裏面図である。
【図15】この種の従来のスライドファスナーの使用状態を示す斜視図である。
【図16】同じくスライドファスナーを閉方向側に移動して務歯を閉じる場合の使用状態を示す側面図である。
【図17】同じくスライドファスナーを閉方向側に移動して務歯を閉じる場合の使用状態を示す拡大側面図である。
【図18】同じくスライドファスナーを開方向側に移動して務歯を開く場合の使用状態を示す側面図である。
【図19】同じく裏面図である。
【図20】従来のスライドファスナーの他例を示す斜視図である。
【図21】同じく使用状態を示す斜視図である。
【図22】従来のスライドファスナーのさらに他例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 スライダー
2A 務歯
2B 務歯
3 開口部
4 開口部
5 分離板
6 裏地
7 壁面部
9 端部傾斜面部
10 側部傾斜面部
20 第1延出端
21 案内立壁部
22 第2延出端
A 閉方向側
B 開方向側
Claims (9)
- 務歯を開閉するスライダーの下部に務歯の下面に接触しながら裏地との間に進入可能に分離板を設け、該分離板には閉方向側または開方向側に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部の少なくとも一方に対して底部が先窄まりで前端および後端に側面所望角度にて設置される端部傾斜面部と、該端部傾斜面部の左右両側に正面所望角度に連設された傾斜側面部とによりなるそり上がった立上がり部の壁面部が形成されたことを特徴とするスライドファスナー。
- 前記壁面部の底部は、スライダーの閉方向側または開方向側に務歯を開閉可能に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部よりも前端および後端が幅狭に形成されることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー。
- 前記壁面部は、スライダーの閉方向側および開方向側に設けることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のスライドファスナー。
- 前記壁面部は、分離板の前端および後端に側面所望角度にて設置される正面略逆台形の端部傾斜面部と、該端部傾斜面部の左右両側に正面所望角度に連設された側面逆三角形の傾斜側面部とにより形成されることを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3の何れかに記載のスライドファスナー。
- 前記分離板は、スライダーと一体に形成されるか、またはスライダーとは別体に形成されて適宜固着手段によりスライダーの下部に取付けられることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,または請求項4の何れかに記載のスライドファスナー。
- 前記分離板は、該分離板の上面にスライダーの底面形状に略合致して設けた嵌合凹部または孔部にスライダーの下部が嵌着されることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,または請求項5の何れかに記載のスライドファスナー。
- 務歯を開閉するスライダーの底面に、閉方向側または開方向側に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部の少なくとも一方の何れかの前部に位置して平面先窄まりの案内立壁部が形成されたことを特徴とするスライドファスナー。
- 前記案内立壁部は、スライダーの閉方向側または開方向側に務歯を開閉可能に設ける務歯を導入するか、または導出させる開口部よりも前端または後端が幅狭に形成されることを特徴とする請求項7に記載のスライドファスナー。
- スライダーの前記底部は、閉方向側の開口部よりも前方へ延長させた第1延出端として形成されるとともに開方向側には開口部よりも後方へ延長させた第2延出端として形成されることを特徴とする請求項7または請求項8の何れかに記載のスライドファスナー。
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|---|---|
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013175551A1 (ja) * | 2012-05-21 | 2013-11-28 | Ykk株式会社 | ファスナースライダー、スライドファスナー、及びアタッチメント |
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-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002189281A patent/JP2004024740A/ja active Pending
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