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JP2004024068A - 新規遺伝子及びそれにコードされる蛋白質 - Google Patents

新規遺伝子及びそれにコードされる蛋白質 Download PDF

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JP2004024068A JP2002182646A JP2002182646A JP2004024068A JP 2004024068 A JP2004024068 A JP 2004024068A JP 2002182646 A JP2002182646 A JP 2002182646A JP 2002182646 A JP2002182646 A JP 2002182646A JP 2004024068 A JP2004024068 A JP 2004024068A
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小原 收
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Abstract

【課題】ヒト成人全脳、扁桃体、大動脈内皮細胞及びヒト胎児全脳由来のcDNAライブラリーから、蛋白質をコードしている領域を含む新規なDNAを直接クローニングし、それらの塩基配列を決定し、更にそれらの機能を同定すること。
【解決手段】以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードする塩基配列を含むDNA:(a)特定のアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列から成るポリペプチド、(b)特定のアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、(a)のポリペプチドの機能と実質的に同質の生物学的活性を有するポリペプチド、上記DNAにコードされる組換えポリペプチド、及び該ポリペプチドを含む蛋白質。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNA及び該DNAを含む遺伝子、並びに該DNAにコードされる組換えポリペプチド及び該ポリペプチドを含む新規組換え蛋白質に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒトゲノム計画における大規模シークエンシングによって、2001年2月にヒトゲノムドラフト配列が公開された。
ヒトゲノム計画の最終目的は単にゲノム全塩基配列を決定することではなく、その構造情報、即ち、DNAの塩基配列情報からヒトのさまざまな生命現象を読み解くことにあろう。
ヒトゲノム配列中で蛋白質をコードしている領域はそのごく一部であり、現在は、ニューラルネットワークや隠れマルコフモデルと呼ばれる情報科学の手法を用いて、そのコード領域の予測が行われている。しかしながら、それらの予測精度はまだ充分なものではない。
【0003】
今回、本発明者は新規な遺伝子を見出すべく、ヒト成人全脳、扁桃体、大動脈内皮細胞及びヒト胎児全脳由来のcDNAライブラリーから、蛋白質をコードしている領域を含む新規なDNAを直接クローニングすることに成功し、それらの塩基配列を決定して本発明を完成させた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は第一の態様として、以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードする塩基配列を含むDNAに係る:
(a)配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列から成るポリペプチド、
(b)配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、(a)のポリペプチドの機能と実質的に同質の生物学的活性を有するポリペプチド。
本発明の第二の態様として、以下の(a)又は(b)のDNAに係る:
(a)配列番号:1乃至17のいずれか一つで示される塩基配列において、夫々の配列で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNA、
(b)(a)のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、(a)のポリペプチドの機能と実質的に同質の生物学的活性を有する蛋白質をコードするDNA。
以上の本発明の第一及び第二の態様であるDNAをまとめて、以下、「本発明DNA」ともいう。又、本発明はこれらDNAを含む遺伝子にも係る。
更に、本発明は上記DNA又は遺伝子にコードされる組換えポリペプチド(以下、「本発明ポリペプチド」ともいう。)、及び該ポリペプチドを含む組換え蛋白質に係る。
【0005】
本発明DNAを有するクローンの名称、本発明ポリペプチド又は蛋白質の長さ、その機能については、表1に示されている。
本発明DNAは、市販されている(クロンテック社製)、ヒト成人全脳、扁桃体、大動脈内皮細胞及びヒト胎児全脳のmRNAを出発材料として、本発明者が調製したcDNAライブラリーから、cDNA断片として単離した後に、塩基配列を決定し同定したものである。
即ち、具体的には、小原他の方法(DNA Research Vol.4,53−59(1997), Nucreic Acids Res., 29, e22 (2001)及びDNA Research Vol.9, 47−57(2002))に従って調製したヒト成人全脳、扁桃体、大動脈内皮細胞及びヒト胎児全脳由来のcDNAライブラリーからクローンをランダムに単離する。
これらの末端塩基配列を解析後、これらの配列をクエリーとして既知遺伝子のデータベースにて相同性検索を行い、その結果、新規であることが判明したクローンについて、cDNAの5’および3’の末端配列をヒトのゲノム配列に対応させ、それらが挟む領域に未知の長鎖遺伝子が確認された場合には、そのcDNAの全長解析をおこなう。
cDNAライブリーから単離した約10万個のクローンの5’及び3’の末端配列と約2000個のクローンの全長配列をアッセンブルし、同じ遺伝子由来のcDNAクローンのグループ化を行い、5’や3’末端欠損クローンやフレームシフトクローンを相補させることにより、完全な遺伝子を分取することが可能である。
このようにして既知の遺伝子に依存した従来のクローニング方法では得られなかった未知の遺伝子も、システマチックにクローニングを行なうことができる。又、短い断片や得られた配列に人工的な間違いが起こらないように十分な注意を払いながら、RACE等のPCR法を使用することによっても、本発明DNAを含むヒト由来遺伝子の全領域を調製することも可能である。
【0006】
更に、本発明は、本発明DNA又は本発明DNAを含む遺伝子を含有する組換えベクター、該組換えベクターを保持する形質転換体、該形質転換体を培養し、本発明ポリペプチド若しくは該ポリペプチドを含む組換え蛋白質を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする、本発明ポリペプチド若しくは該ポリペプチドを含む組換え蛋白質、又はその塩の製造方法、及び、こうして得られる本発明ポリペプチド若しくは該ポリペプチドを含む組換え蛋白質又はその塩を提供する。
【0007】
又、本発明は、本発明DNA又は遺伝子を含有してなる医薬、本発明ポリペプチド若しくはその部分ポリペプチド又は該ポリペプチドを含む組換え蛋白質をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチド(DNA)、それら塩基配列に実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセンスヌクレオチド、該ポリヌクレオチド又はアンチセンスヌクレオチドを含有してなる医薬、本発明ポリペプチド若しくはその部分ポリペプチド、及び、該ポリペプチド又はそれらを含む組換え蛋白質を含有してなる医薬に係る。
更に、本発明は、本発明ポリペプチド若しくはその部分ポリペプチド又は該ポリペプチドを含む組換え蛋白質又はそれらの塩に対する抗体、及び、本発明ポリペプチド、その部分ポリペプチド若しくは該ポリペプチドを含む組換え蛋白質又はそれらの塩、又はそれらに対する抗体を用いることを特徴とする、それら物質と特異的に相互作用する物質のスクリーニング方法、スクリーニング用キット、並びに、該スクリーニング方法によって同定される物質(化合物)自体等にも係る。
【0008】
更に、本発明は、本発明DNA、本発明ポリペプチド、その部分ポリペプチド若しくは該ポリペプチドを含む組換え蛋白質、又は、本発明のDNA又は遺伝子に対する抗体を網羅的に作成し、それらを集積させて得られる、所謂、DNAチップ(アレイ)、プロテインチップにも係る。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明DNAとしては、前述した本発明ポリペプチドをコードする塩基配列から成るものであればいかなるものであってもよい。また、ヒトの脳、又は、それ以外の組織、例えば、心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓、精巣、等の細胞・組織に由来するcDNAライブラリー等から同定・単離されたcDNA、又は、合成DNAのいずれでもよい。
ライブラリー作成に使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtotalRNA画分またはmRNA画分を調製したものを用いて、直接逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応:Reverse Transcription coupled Polymerase Chain Reaction(以下、「RT−PCR法」と略称する)によって増幅することもできる。
【0010】
配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とは、配列番号:1乃至17のいずれか一つで示される全アミノ酸配列との相同性の程度が、全体の平均で約70%以上、好ましくは約80%以上、更に好ましくは約90%以上、特に好ましくは約95%以上であるアミノ酸配列を意味する。
従って、本発明の配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列から成るポリペプチドとしては、例えば、前記の各配列番号で示されるアミノ酸配列に対して上記の相同性を有し、各配列番号で示されるアミノ酸配列から成るポリペプチドの機能と実質的に同質の生物学的活性(機能)を有するポリペプチドを挙げることが出来る。ここで、実質的に同質とは、それらの活性(機能)が性質的に同質であることを示す。
又、本発明ポリペプチドには、例えば、配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列中の一部(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が欠失、置換又は付加したアミノ酸配列、或いはそれらを組み合わせたアミノ酸配列から成り、配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列から成るポリペプチドの機能と実質的に同質の生物学的活性(機能)を有するポリペプチドも含まれる。
【0011】
上記の配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列から成るポリペプチド、又はその一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加したアミノ酸配列から成るポリペプチドは、例えば、部位特異的変異導入法、遺伝子相同組換え法、プライマー伸長法、及びPCR法等の当業者に周知の方法を適宜組み合わせて、容易に作成することが可能である。
尚、その際に、実質的に同質の生物学的活性を有するためには、当該ポリペプチドを構成するアミノ酸のうち、同族アミノ酸(極性・非極性アミノ酸、疎水性・親水性アミノ酸、陽性・陰性荷電アミノ酸、芳香族アミノ酸など)同士の置換が可能性として考えられる。又、実質的に同質の生物学的活性の維持のためには、本発明の各ポリペプチドに含まれる機能ドメイン内のアミノ酸は保持されることが望ましい。
【0012】
更に、本発明DNAは、配列番号:1乃至17のいずれか一つで示される塩基配列において、夫々の配列で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNA、及び、該DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、各配列で示されるアミノ酸配列から成るポリペプチドの機能と同質の生物学的活性(機能)を有するポリペプチド(蛋白質)をコードするDNAを包含する。
かかる条件下で、配列番号:1乃至17のいずれか一つで示される塩基配列において、夫々の配列で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNAとハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、該DNAの全塩基配列との相同性の程度が、全体の平均で約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上である塩基配列を含有するDNA等を挙げることが出来る。
ハイブリダイゼーションは、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Current protocols in molecular biology(edited by Frederick M. Ausubel et al., 1987))に記載の方法等、当業界で公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
ここで、「ストリンジェントな条件」とは、例えば、65℃の1mM EDTA ナトリウム、0.5M リン酸水素ナトリウム(pH7.2)、7%SDS 水溶液中でハイブリダイズさせ、65℃の1mM EDTA ナトリウム、40mM リン酸水素ナトリウム(pH7.2)、1%SDS 水溶液中でメンブレンを洗浄する条件でのサザンブロットハイブリダイゼーションで本発明DNAプローブにハイブリダイズする程度の条件である。
【0013】
本発明DNAのクローニングの手段としては、本発明ポリペプチドの部分等の適当な塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを本発明ポリペプチドの一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーションによって選別することができる。
ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、上記の Current protocols in molecular biology(edited by Frederick M. Ausubel et al., 1987)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
クローン化されたポリペプチドをコードするDNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
【0014】
本発明の蛋白質の発現ベクターは、当該技術分野で公知の方法に従って作成することが出来る。例えば、(1)本発明DNA又は本発明DNAを含む遺伝子を含有するDNA断片を切り出し、(2)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。
ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC18,pUC118)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルス,バキュロウイルスなどの動物ウイルス等を利用することが出来る。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応した適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、宿主が大腸菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーターなどが、宿主が枯草菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV−TKプロモーターなどが挙げられる。
【0015】
発現ベクターには、以上の他に、所望により当該技術分野で公知の、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製起点(オリジン)等を付加することができる。また、必要に応じて、本発明のDNAにコードされた蛋白質を他の蛋白質(例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼ及びプロテインA)との融合蛋白質として発現させることも可能である。このような融合蛋白質は、適当なプロテアーゼを使用して切断し、それぞれの蛋白質に分離することが出来る。
【0016】
宿主細胞としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞などが用いられる。
エシェリヒア属菌の具体例としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,60巻,160(1968)),JM103(Nucleic Acids Research,9巻,309(1981)),JA221(Journal of Molecular Biology,120巻,517(1978)),及びHB101(Journal of Molecular Biology,41巻,459(1969))等が用いられる。
バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サチルス(Bacillus subtilis)MI114(Gene,24巻,255(1983)),207−21〔Journal of Biochemistry,95巻,87(1984)〕等が用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ(Saccaromyces cerevisiae)AH22,AH22R−,NA87−11A,DKD−5D,20B−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccaromyces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア パストリス(Picjia pastoris)等が用いられる。
動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損CHO細胞,マウスL細胞,マウスAtT−20,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細胞などが用いられる。
【0017】
これら宿主細胞の形質転換は、当該技術分野で公知の方法に従って行うことが出来る。例えば、以下に記載の文献を参照することが出来る。
Proc. Natl. Acad. Sci. USA,69巻,2110(1972); Gene,17巻,107(1982);Molecular & General Genetics,168巻,111(1979);Methods in Enzymology,194巻,182−187(1991);Proc. Natl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(1978);細胞工学別冊8 新 細胞工学実験プロトコール.263−267(1995)(秀潤社発行);及び Virology,52巻,456(1973)。
【0018】
このようにして得られた、本発明DNA又は本発明DNAを含む遺伝子を含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体は、当該技術分野で公知の方法に従って培養することが出来る。
例えば、宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常、約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培養は通常、pH約5〜8に調整された培地を用いて約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、pHは約6〜8に調整された培地を用いて、通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加えることもできる。
【0019】
上記培養物から本発明ポリペプチド又は蛋白質を分離精製するには、例えば、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により蛋白質の粗抽出液を得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤や、トリトンX−100TM(商標)などの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中に蛋白質が分泌される場合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる蛋白質の精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。
こうして得られた本発明ポリペプチド(蛋白質)は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。更に、組換え体が産生する蛋白質を、精製前または精製後に、トリプシン及びキモトリプシンのような適当な蛋白質修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもできる。
本発明ポリペプチド(蛋白質)又はその塩の存在は、様々な結合アッセイ及び特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイ等により測定することができる。
【0020】
本発明ポリペプチド(蛋白質)は、C末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート(−COO−)であるが、C末端がアミド(−CONH)またはエステル(−COOR)であってもよい。ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1−6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチルエステルなどが用いられる。
【0021】
本発明ポリペプチド(蛋白質)がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明の蛋白質に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明の蛋白質には、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、生体内で切断されて生成するN末端のグルタミン酸残基がピログルタミン化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上にある、例えばOH、COOH、NH、SHなどが適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。
【0022】
本発明の蛋白質の部分ポリペプチドとしては、前記した本発明ポリペプチド(蛋白質)の部分ペプチドであって、実質的に同質の活性を有するものであればいずれのものでもよい。例えば、本発明ポリペプチド(蛋白質)の構成アミノ酸配列のうち少なくとも10個以上、好ましくは50個以上、さらに好ましくは70個以上、より好ましくは100個以上、最も好ましくは200個以上のアミノ酸配列を有し、例えば、本発明のポリペプチドの機能と実質的に同質の生物学的活性を有するペプチドなどが用いられる。本発明の部分ポリペプチドとしては、例えば、各機能ドメインを含むものが好ましい。又、本発明の部分ペプチドはC末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート(−COO−)であるが、前記した本発明の蛋白質のごとく、C末端がアミド(−CONH )またはエステル(−COOR)であってもよい。さらに、本発明の部分ペプチドには、前記した本発明の蛋白質と同様に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。本発明の部分ペプチドは、例えば、試薬、実験の際の標準物質、又は免疫原若しくはその一部として使用することが出来る。
【0023】
本発明ポリペプチド(蛋白質)又はその部分ペプチドの塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0024】
本発明ポリペプチド(蛋白質)、その部分ペプチドもしくはそれらの塩またはそれらのアミド体は、当該技術分野で公知の化学合成方法を用いて調製することも出来る。
例えば、通常市販されている蛋白質合成用樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とする蛋白質の配列通りに、当業界において自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂から蛋白質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の蛋白質、その部分ペプチドまたはそれらのアミド体を取得する。上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、例えば、DCC、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、及びN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドのようなカルボジイミド類に代表される蛋白質合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対照とする酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
【0025】
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、酸アミド類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、スルホキシド類、及びエーテル類等、当業界において蛋白質縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。反応温度は蛋白質結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化して、後の反応に影響を及ぼさないようにすることができる。
原料の各アミノ基、カルボキシル基、及びセリン水酸基等の保護基としても、当該技術分野において、通常使用される基を使用することができる。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜選択しうる。
【0026】
本発明の部分ペプチドまたはそれらの塩は、当該技術分野において自体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明の蛋白質を適当なペプチダーゼで切断することによって製造することができる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の(1)〜(3)に記載された方法が挙げられる。
(1)泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株) (1975年)
(2)矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 蛋白質の化学IV、 205、(1977年)
(3)矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成 広川書店
反応後の精製も自体公知の方法、例えば、溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを精製単離することができる。上記方法で得られる部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換することができる。
【0027】
本発明ポリペプチド(蛋白質)、その部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体は、それらを認識し得るものであれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。本発明ポリペプチド(蛋白質)、その部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体は、本発明ポリペプチド(蛋白質)又はその部分ペプチドを抗原として用い、公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明ポリペプチド(蛋白質)等を検出するために使用することができる。また、これらを精製するために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明ポリペプチド(蛋白質)の検出、被検細胞内における本発明ポリペプチド(蛋白質)の挙動の分析などのために使用することができる。
【0028】
更に、本発明の抗体は、公知の方法による被検液中の本発明ポリペプチド(蛋白質)等の定量、特に、モノクローナル抗体を使用したサンドイッチ免疫測定法による定量、及び組織染色等による検出などに使用することができる。それによって、例えば、本発明ポリペプチド(蛋白質)等が関与する疾病の診断を行なうことができる。
これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab’)2 、Fab’、あるいはFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本発明の蛋白質等の定量法は、特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、蛋白質量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、当該技術分野で公知の、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などを用いることが出来る。
【0029】
これらの測定・検出方法に関する一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる。例えば、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I:HybridomaTechnology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。
【0030】
本発明ポリペプチド(蛋白質)又はその部分ポリペプチドをコードするDNAに実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド(DNA)としては、当該DNAの塩基配列に実質的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有するものであれば、いずれのアンチセンスDNAであってもよい。実質的に相補的な塩基配列とは、例えば、本発明DNAに相補的な塩基配列の全塩基配列または部分塩基配列と好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上、最も好ましくは100%の相同性を有する塩基配列などが挙げられる。又、これらアンチセンスDNAと同様の作用を有する核酸配列(RNAまたはDNAの修飾体)も本発明でいうアンチセンスDNAに含まれる。これらのアンチセンスDNAは、公知のDNA合成装置などを用いて製造することができる。
【0031】
更に、本発明ポリペプチド(蛋白質)等は、これら物質と特異的に相互作用する化合物をスクリーニングする為の試薬として有用である。すなわち、本発明は、本発明ポリペプチド(蛋白質)、その部分ペプチド若しくはそれらの塩、又はそれらに対する抗体を用いることを特徴とする、該物質又はそれらの塩と特異的に相互作用する化合物のスクリーニング方法、及びその為のスクリーニング用キットを提供する。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて同定される化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明ポリペプチド(蛋白質)等と相互作用し、その生物学的活性を調節、阻害、促進、又は拮抗等する化合物である。該化合物またはその塩は、本発明の蛋白質等の活性に直接作用するものであってもよいし、本発明ポリペプチド(蛋白質)等の発現に作用することによって間接的に本発明ポリペプチド(蛋白質)等の活性に作用するものであってもよい。該化合物の塩としては、例えば、薬学的に許容可能な塩などが用いられる。例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などがあげられる。本発明ポリペプチド(蛋白質)等の生物学的活性を阻害する化合物も上記各種疾病に対する治療・予防剤などの医薬として使用できる可能性がある。
【0032】
本発明DNA及び該DNAを含む遺伝子をプローブとして使用することにより、本発明ポリペプチド又はその部分ペプチドをコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法(Genomics,第5巻,874〜879頁(1989年)、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,第86巻,2766〜2770頁(1989年))などにより実施することができる。
更に、本発明DNA又は遺伝子に異常があったり、欠損している場合あるいは発現量が減少している場合、生体内において正常な機能を発揮できない患者に対しては、公知手段に従って(1)レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターをベヒクルとして使用する遺伝子治療によって、本発明DNA又は遺伝子を該患者体内に導入し、発現させるか、又は(2)本発明の蛋白質等を該患者に注入すること等によって、該患者において本発明の蛋白質等の機能を発揮させることができるものと考えられる。
本発明DNA又は遺伝子を、該DNAを単独、又は、摂取促進のための補助剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与することも可能である。
【0033】
本明細書および表面において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
【0034】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。なお、実施例における各種遺伝子操作は、上記のCurrent protocols in molecular biology(edited by Frederick M. Ausubel et al.,1987)に記載されている方法に従った。
【0035】
(1)ヒト成人全脳、扁桃体及びヒト胎児全脳由来cDNAライブラリーの構築(その1)
NotI部位を有するオリゴヌクレオチド(GACTAGTTCTAGATCGCGAGCGGCCGCCC(T)15)(インビトロジェン)をプライマーとして、ヒト成人全脳、扁桃体及びヒト胎児全脳由来mRNA(クローンテック社製)を鋳型にSuperScriptII逆転写酵素キット(インビトロジェン社製)で2本鎖cDNAを合成した。SalI部位を有するアダプター(インビトロジェン社製)をcDNAとライゲーションした。その後、NotI消化し、1%濃度の低融解アガロース電気泳動により、3kb以上のDNA断片を精製した。
精製cDNA断片を、SalI−NotI制限酵素処理したpBluescript IISK+ プラスミドとライゲーションした。大腸菌 ElectroMax DH10B 株(インビトロジェン社製)にエレクトロポレーション法によりこの組換えプラスミドを導入した。
ヒト成人全脳、及び大動脈内皮細胞由来のcDNAライブラリーの構築(その2)
AttB2部位を有するオリゴヌクレオチド5’−FgcGCACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGCGGCCGC(T)18−3’(F、gおよびcは、フルオレッセイン基、フォスフォロチオエイト修飾G、C残基を表す)をプライマーとして、ヒトの成人脳及び大動脈内皮細胞由来mRNAを鋳型にSuperScriptII逆転写酵素キット(インビトロジェン社製)で2本鎖cDNAを合成した。このcDNAにattB1部位を有するアダプターをライゲーションした。その後、アガロースゲルで1kb−3kbと3kb以上にcDNAをサイズ分画した。ゲルから精製したcDNAを、サイズを小さくした attP pSPORT−1エントリーベクターにBP反応により挿入した後、大腸菌 ElectoroMax DH10B株(インビトロジェン社製)にエレクトロポーレーション法により導入した。プレートに出現した10個以上の形質転換体を液体培地中に集め、37℃で2−3時間培養した後、プラスミドを調製した。スーパーコイルドプラスミドの形でサイズ分画した後、LR反応により attR pBC デスティネーションベクターにcDNAを移し換えた。このプラスミドを精製後、DH10B株にエレクトロポーレーション法により導入し、各分画が期待されるサイズになるまで、上記と同様の分画操作を2−3回繰り返した。最後に各分画ごとにDH10B株にプラスミドを導入した。なお、試験管内での相同組み換え反応(BP反応及びLR反応)を利用したクローニングシステムは小原等の方法に従った (Nucreic Acids Res., 29, e22 (2001)およびDNA Research Vol.9, 47−57(2002)) 。
【0036】
(2)スクリーニング(その1)
ランダムに単離したクローンの末端塩基配列を決定し、得られた配列をクエリーとして相同検索プログラムBLASTN 2.2.1 (Altschul, Stephen F., Thomas L. Madden, Alejandro A. Schaffer, Jinghui Zhang, Zheng Zhang, Webb Miller, and David J. Lipman (1997), ”Gapped BLAST and PSI−BLAST: a new generation of protein database search programs”,  Nucleic Acids Res. 25:3389−3402)を用いて、nr(All GenBank+EMBL+DDBJ+PDB sequences (but no EST, STS,GSS, or phase 0,1 or 2 HTGS sequences))データベースに対して相同検索を行った。その結果、相同遺伝子が存在しなかったもの、即ち、新規遺伝子であるものについて、その5’および3’の末端配列を、相同検索プログラムBLASTN2.2.1を用いて、ヒトのゲノム配列(ftp://ncbi.nlm.nih.gov/genomes/H_sapiens/)に対応させた。
次に、それらが挟むゲノム領域から、Genscanプログラム(Burge, C. and Karlin, S. 1997, Prediction of complete gene structures in human genomic DNA, J Mol. Biol., 268, 78−94 、ゲノムから遺伝子を予測するコンピューターソフト)を用いて、コードされる遺伝子を抜き出した。これをクエリーとして、相同検索プログラムBLASTN2.2.1を用いて、mergedb(かずさDNA研究所で決定したヒトのcDNAの配列とGenBankのhomo sapiensデータベースからESTとゲノムを除いたものを重複なく混ぜ合わせた、かずさDNA研究所で独自に作成したDNA配列データベース)に対応させ、新規の長鎖(Genscan予想cdsが1200 bp以上)遺伝子が確認された場合には、cDNAの全長解析をおこなった。
スクリーニング(その2)
小原らの方法で作成したcDNAライブリーから単離した約10万個のクローンの5’及び3’の末端配列と約2000個の全長クローン配列をアッセンブルし、同じ遺伝子由来のcDNAクローンのグループ化を行い、5’や3’末端欠損クローンやフレームシフトクローンを相補させることにより、完全な遺伝子を分取することができた。
配列決定には、PEアプライドバイオシステム社製のDNAシークエンサー(ABI PRISM377)と同社製反応キットを使用した。大部分の配列はショットガンクローンをダイターミネーター法を用いて決定した。一部の塩基配列については、決定した塩基配列を元にしてオリゴヌクレオチドを合成し、プライマーウォーキング法で決定した。
【0037】
このようにして新規DNA又は遺伝子のスクリーニングを行なった。その結果、配列表の配列番号1乃至17のいずれか一つに示された新規DNA又は遺伝子が検出された。
これらの新規DNA又は遺伝子について、上記の配列決定方法によりその塩基配列を決定した。本発明DNA又は遺伝子を有するクローンの名称は表1に示されている。
【0038】
(3)本発明DNAの相同性検索
次に、こうして得られた全塩基配列に基づき、クローンのアミノ酸配列を既知配列ライブラリーnrに対して解析プログラムBLASTP 2.2.1 (Altschul, Stephen F., Thomas L. Madden, Alejandro A. Schaffer, Jinghui Zhang, Zheng Zhang,Webb Miller, and David J. Lipman (1997), ”Gapped BLAST and PSI−BLAST: anew generation of protein database search programs”,  Nucleic Acids Res. 25:3389−3402)を用いて検索したところ表2及び表3に示した各相同遺伝子と相同性を示すことが明らかになった。尚、表2及び表3には、これら相同遺伝子に関する情報、即ち、その名称、データベースID、生物種、蛋白質長、及び記載文献が挙げられている。又、これら各表中の「生物種」の略号の意味は表4で説明されている。
【0039】
更に、各クローンに含まれる本発明DNA又は遺伝子と表2及び表3に示した各相同遺伝子との相同性に関する各種データを表5にまとめた。これら表中の各項目の意味は以下の通りである。
「相同領域 クローン」クローンの相同領域の起点及び終点
「相同領域 相同遺伝子」相同遺伝子の相同領域の起点及び終点
「Score」この値が高いほど信頼度が高い
「E−value」この値が0に近いほど信頼度が高い
「相同性」相同領域のアミノ酸残基の一致の割合
「相同範囲率」相同遺伝子中の相同領域の割合
【0040】
(4)各種ドメインの検索
次に、クローンに含まれるDNAがコードするアミノ酸配列中から、Pfam 7.1に含まれる検索ツールPfam HMM ver 2.1 Search (HMMPFAM) (Sonnhammer ELL, Eddy SR, Birney E, Bateman A, Durbin R (1998) Pfam: multiple sequence alignments and HMM−profiles of protein domains, Nucleic Acids Research 26:320−322)を用いて機能ドメインを検索した。
更に、膜蛋白予測プログラムであるSOSUI system (ver. 1.0 / 10, Mar., 1996) (Takatsugu Hirokawa, Seah Boon−Chieng and Shigeki Mitaku, SOSUI: Classification and Secondary Structure Prediction System for Membrane Proteins, Bioinformatics (formerly CABIOS) 1998 May;14(4):378−379.) を用いて膜貫通ドメインを検索した。
これらの検出された機能ドメイン及び膜貫通ドメインを表6〜表10にそれぞれのクローンについて示した。
これら表中の各項目の意味は以下の通りである。
「機能ドメイン」Pfam SOSUIにより検出されたドメイン
「クローン from」クローン機能ドメインの起点
「クローン to」クローン機能ドメインの終点
「相同遺伝子 from」相同遺伝子機能ドメインの起点
「相同遺伝子 to」相同遺伝子機能ドメインの終点
「Score(Pfamのみ)」この値が高いほど信頼度が高い
「Exp(Pfamのみ)」この値が0に近いほど信頼度が高い
又、各機能ドメインの完全標記を表11に示した。
【0041】
(5)染色体位置
クローンのDNA配列を、相同検索プログラムBLASTN 2.2.1を用いてヒトゲノムをコードするクローンのライブラリーftp://ncbi.nlm.nih.gov/genomes/H_sapiens/)に対応させた。対応したクローンの説明(Definition)の中からこのクローンが由来した染色体の番号を抽出し、これを表12に示した。
【0042】
以上の、相同性、相同性遺伝子に関する情報、各種ドメイン、発現部位、及び染色体位置等に基づき、当業者であれば、本発明のDNA又は遺伝子が表1に示した各機能を有するものと科学的に十分な蓋然性をもって予測することが出来る。
【0043】
本発明で得られた新規なDNA又は遺伝子を所謂DNAチップ等に集積させ、これに、例えば、精神病等の脳が関与する疾患の患者と対照としての正常人の血液又は組織等から作成したプローブをハイブリダイゼーションさせることによって、これら疾患の診断、治療等に役立てることが出来る。
又、本発明のDNA若しくは遺伝子又はそれらの一部の塩基配列に基づき作成した合成DNAプライマーを使用し、ヒトの血液又は組織から抽出した染色体DNAを用いてPCRを行い、その産物の塩基配列を決定することにより、本発明のDNA又は遺伝子中にある個体によって異なる一塩基の変異、即ち、cSNPsを見出すことが出来る。これにより、個体の体質等が予測され、各自に適した医薬の開発等が可能となる。
又、クロスハイブリダイゼーションにより、マウス等のモデル生物における本発明のDNA又は遺伝子に対するオルソログ(ホモログ、カウンターパート)遺伝子を単離し、例えば、これら遺伝子をノックアウトすることによってヒトの疾患モデル動物を作成し、ヒトの病因となる遺伝子を探索・同定することも可能である。
更に、本発明ポリペプチド、その部分ポリペプチド若しくは該ポリペプチドを含む組換え蛋白質、又は、本発明のDNA又は遺伝子に対する抗体を網羅的に作成し、それらを集積させて所謂プロテインチップを作成し、患者と正常人との蛋白質発現量の差異を検出する等のプロテオーム解析から、病気の診断・治療等に役立てることが出来る。
【0044】
【表1】
Figure 2004024068
【0045】
【表2】
Figure 2004024068
【0046】
【表3】
Figure 2004024068
【0047】
【表4】
Figure 2004024068
【0048】
【表5】
Figure 2004024068
【0049】
【表6】
Figure 2004024068
【0050】
【表7】
Figure 2004024068
【0051】
【表8】
Figure 2004024068
【0052】
【表9】
Figure 2004024068
【0053】
【表10】
Figure 2004024068
【0054】
【表11】
Figure 2004024068
【0055】
【表12】
Figure 2004024068
【0056】

Claims (5)

  1. 以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードする塩基配列を含むDNA:
    (a)配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列から成るポリペプチド、
    (b)配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、(a)のポリペプチドの機能と実質的に同質の生物学的活性を有するポリペプチド。
  2. 以下の(a)又は(b)のDNA:
    (a)配列番号:1乃至17のいずれか一つで示される塩基配列において、夫々の配列で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNA、
    (b)(a)のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、(a)のポリペプチドの機能と実質的に同質の生物学的活性を有する蛋白質をコードするDNA。
  3. 請求項1又は2記載のヒトDNAを含む遺伝子。
  4. 以下の(a)又は(b)の組換えポリペプチド:
    (a)配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列から成るポリペプチド、
    (b)配列番号:1乃至17のいずれか一つで示されるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、(a)のポリペプチドの機能と実質的に同質の生物学的活性を有するポリペプチド。
  5. 請求項3に記載の遺伝子にコードされる組換え蛋白質。
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