JP2004019930A - 自動変速装置の前後進切換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トルクロスを低減して燃費を向上するとともに、設計の自由度を向上することのできる自動変速装置の前後進切換装置を提供する。
【解決手段】リバースブレーキ43をバンドブレーキで構成することにより、リバースブレーキ43解放時のドラッグトルクを低減し、トルクロスを低減して燃費の向上を図る。また、油圧室97を回転ドラム90及びブレーキバンド91の軸方向に沿って併設する必要がない分、これらを軸方向に延長させることにより、リバースブレーキ43の締結トルクの低下を招くことなく、回転ドラム90及びブレーキバンド91の小径化を図る。
【選択図】 図1
【解決手段】リバースブレーキ43をバンドブレーキで構成することにより、リバースブレーキ43解放時のドラッグトルクを低減し、トルクロスを低減して燃費の向上を図る。また、油圧室97を回転ドラム90及びブレーキバンド91の軸方向に沿って併設する必要がない分、これらを軸方向に延長させることにより、リバースブレーキ43の締結トルクの低下を招くことなく、回転ドラム90及びブレーキバンド91の小径化を図る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
主変速部として無段変速機を備えた自動変速装置に搭載され、駆動力の逆転機構としてプラネタリギヤ列を採用した自動変速装置の前後進切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
主変速部としてベルト式の無段変速機を備える自動変速装置においては、一般に、トルクコンバータや電磁クラッチ等の発進デバイス側から延出する出力軸と、無段変速機側から延出するプーリ入力軸との間の伝達経路に、プラネタリギヤ式の前後進切換装置が介装されている。
【0003】
この種の前後進切換装置は、例えば特開平11−94046号公報に開示されているように、プラネタリギヤ列と、油圧多板式のフォワードクラッチと、油圧多板式のリバースブレーキとを有して要部が構成され、前進時には、フォワードクラッチを締結するとともにリバースブレーキを解放することで、出力軸からプーリ入力軸に正方向の駆動力を伝達する。逆に、後進時には、フォワードクラッチを解放するとともにリバースブレーキを締結することで、出力軸からの駆動力をプラネタリギヤ列によって逆転してプーリ入力軸に伝達する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、油圧多板式のクラッチやブレーキは、その構成上、解放時にドラッグトルクが発生する。従って、上述の構成の前後進切換装置では、走行時にフォワードクラッチ或いはリバースブレーキで発生するドラッグトルクがトルクロスとなって、燃費の低下を招く虞がある。この場合、特に、リバースブレーキは、前進時に解放されるため、フォワードクラッチに比べてドラッグトルクを発生させる比率が高く、燃費の低下を招く大きな要素となる。
【0005】
また、油圧多板式のフォワードクラッチやリバースブレーキは、クラッチ部やブレーキ部の軸方向端面に油圧室を必要とするため、比較的軸方向に長大な構造となる。従って、このようなフォワードクラッチ及びリバースブレーキを有する前後進切換装置においては、各構成部材の配置がある程度限定されたものとなり、自動変速装置に要求される仕様等に応じて小型化やレイアウトの変更等を効果的に行うことが困難であった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、トルクロスを低減して燃費を向上するとともに、設計の自由度を向上することのできる自動変速装置の前後進切換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明による自動変速装置の前後進切換装置は、無段変速機に連設する入力軸に対しエンジンに連設する出力軸からの出力の伝達及び遮断を制御するフォワードクラッチと、上記入力軸に対し上記出力軸からの出力を逆転させて伝達するプラネタリギヤ列と、上記プラネタリギヤ列の作動及び停止を制御するバンドブレーキ式のリバースブレーキとを備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1乃至3は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は前後進切換装置の要部断面図、図2はリバースブレーキの概略構成図、図3は自動変速装置の概略構成を展開して示すスケルトン図である。
【0009】
先ず、ベルト式の無段変速機を内蔵した自動変速装置1の概略構成について、図3を参照して説明する。図示のように、この自動変速装置1は、無段変速機2の入力側に前後進切換装置3と発進デバイス4とを有して要部が構成され、発進デバイス4の入力側にはエンジン10が連設されている。
【0010】
発進デバイス4を収容するコンバータケース20の内部には、エンジン10のクランク軸11に連結するドライブプレート21が設けられている。ドライブプレート21にはトルクコンバータ22のトルコンケース23が固設されており、トルコンケース23にはポンプインペラ24が連結されている。ポンプインペラ24にはタービンランナ25が流体を介して連設され、タービンランナ25に連結された出力軸としてのトルコン出力軸26が前後進切換装置3側へ延出されている。
【0011】
また、タービンランナ25には、トルコンケース23に対設されたロックアップクラッチ27が連設されている。そして、ロックアップクラッチ27がトルコンケース23に係合すると、エンジン10の駆動力がトルクコンバータ22を経由せず、タービンランナ25を介してトルコン出力軸26に直接伝達されるロックアップ状態となる。
【0012】
また、ポンプインペラ24とタービンランナ25との間には、トルクコンバータ22の流体を整流するステータ28が配設され、ステータ28は、ワンウェイクラッチ29を介してステータ軸30に支持されている。ここで、ステータ軸30は、コンバータケース20の出力側に固設されたセンタサポート31から延設される中空の部材で構成され、内部にトルコン出力軸26を貫通支持する。
【0013】
また、コンバータケース20の出力側下部にはオイルパン32が取付けられ、オイルパン32には、オイルポンプ33が油圧制御バルブユニット34と一体的に配設されている。オイルポンプ33からはポンプ入力軸35が延出され、このポンプ入力軸35に、チェーンシステム36を介してトルクコンバータ22のポンプインペラ24の中空軸が連設されている。なお、図3は展開図であるため、オイルパン32は図中上部に表示されている。
【0014】
前後進切換装置3は、トルクコンバータ22のタービンランナ25から延出されたトルコン出力軸26と無段変速機2のプライマリプーリ50から延出する入力軸としてのプーリ入力軸51との間の動力伝達を媒介するもので、コンバータケース20に連結されたメインケース40内に、プーリ入力軸51に対してトルコン出力軸26からの出力を逆転させて伝達するプラネタリギヤ列41と、プーリ入力軸51に対するトルコン出力軸26からの出力の伝達及び遮断を制御するフォワードクラッチ42と、プラネタリギヤ列41の作動及び停止を制御するリバースブレーキ43とを有して要部が構成されている。
【0015】
また、無段変速機2は、プライマリプーリ50と、このプライマリプーリ50に対設するセカンダリプーリ52と、これら両プーリ50,52を連設するベルト53とを有し、セカンダリプーリ52を軸支するプーリ出力軸54が、終減速装置60の減速歯車群61を介して、前輪或いは後輪の駆動軸62に軸着されているデファレンシャル装置63に連設されている。
【0016】
プライマリプーリ50は、プーリ入力軸51上に一体形成された固定シーブ50aと、プーリ入力軸51上を軸方向に移動可能な可動シーブ50bとを有して構成され、可動シーブ50bにはプライマリ油圧室55が併設されている。また、セカンダリプーリ52は、プーリ出力軸54上に一体形成された固定シーブ52aと、プーリ出力軸54上を軸方向に移動可能な可動シーブ52bとを有して構成され、可動シーブ52bにはセカンダリ油圧室56が併設されている。
【0017】
プライマリ油圧室55にはプライマリ油圧が供給され、これにより可動シーブ50bが可変動作されて両シーブ50a,50b間の溝幅が可変制御される。一方、セカンダリ油圧室56にはセカンダリ油圧が供給され、これにより可動シーブ52bが可変動作されて両シーブ52a,52b間の溝幅が可変制御される。この場合、無段変速機2では、セカンダリ油圧室56に供給されるセカンダリ油圧により、セカンダリプーリ52に対しトルク伝達に必要な張力が付与され、また、プライマリ油圧室55に供給されるプライマリ油圧により変速比が設定される。なお、これらプライマリ油圧及びセカンダリ油圧は、図示しないトランスミッション制御装置においてエンジン運転状態等に基づいて設定され、油圧制御バルブユニット34を通じて制御される。
【0018】
ここで、図示のように、プライマリプーリ50の固定シーブ50aは、前後進切換装置3に隣接されている。また、プライマリプーリ50の固定シーブ50aにはセカンダリプーリ52の可動シーブ52bが対向され、プライマリプーリ50の可動シーブ50bにはセカンダリプーリ52の固定シーブ52aが対向されている。従って、レイアウト上、前後進切換装置3には、可動シーブ52bに併設するセカンダリ油圧室56が対向される。
【0019】
次に、図1,2を参照して、前後進切換装置3の詳細な構成について説明する。図1に示すように、メインケース40の内部には、発進デバイス4側から延設されたトルコン出力軸26が臨まされているとともに、このトルコン出力軸26と同一軸線上に、無段変速機2側から延設されたプーリ入力軸51が臨まされている。
【0020】
本実施の形態において、プーリ入力軸51上にはプラネタリギヤ列41が配設され、トルコン出力軸26上にはフォワードクラッチ42が配設されている。さらに、プラネタリギヤ列41の周部には、リバースブレーキ43がフォワードクラッチ42と隣接して配設されている。
【0021】
プラネタリギヤ列41は、プーリ入力軸51に固設されたサンギヤ70と、サンギヤ70に噛合する複数のピニオン71と、ピニオン71を支持するプラネタリキャリヤ72と、ピニオン71を介してサンギヤ70に噛合するリングギヤ73とを有して要部が構成されている。
【0022】
また、フォワードクラッチ42は、油圧多板式のクラッチで構成されるもので、トルコン出力軸26及びプラネタリキャリヤ72に連結されたクラッチドラム76と、サンギヤ70を介してプーリ入力軸51に固設されたクラッチハブ77とを有する。
【0023】
クラッチドラム76の内周にはクラッチハブ77の外周が対向されており、これらの間に、クラッチドラム76にスプライン嵌合する複数のドライブプレート78と、クラッチハブ77にスプライン嵌合する複数のドリブンプレート79とが交互に配列されてクラッチ部80が構成されている。
【0024】
また、クラッチドラム76の内部において、クラッチ部80よりも発進デバイス4側には、クラッチ部80を押圧するためのピストン81が配設され、ピストン81とクラッチドラム76とで囲まれた間隙が油圧室82として構成されている。
【0025】
そして、油圧室82に作動油圧が供給されてピストン81がクラッチ部80を押圧すると、ドライブプレート78とドリブンプレート79とが係合されてフォワードクラッチ42の締結が実現し、トルコン出力軸26からの出力がプーリ入力軸51に伝達されるようになっている。
【0026】
一方、リバースブレーキ43は、バンドブレーキで構成されるもので、リングギヤ73に固設された回転ドラム90と、メインケース40に保持されたブレーキバンド91とを有する。
【0027】
回転ドラム90は、フォワードクラッチ42のドライブプレート78及びドリブンプレート79の外径よりも小径の筒状部材で構成され、一端がプライマリプーリ50側に延設されている。
【0028】
また、図2に示すように、ブレーキバンド91は、回転ドラム90の外周に沿って対向配置されている。ブレーキバンド91の両端には互いに対向する突起部93,94が立設され、両突起部93,94の間には、これらを離間する方向に付勢するリターンスプリング95が介装されている。
【0029】
また、一方の突起部93には、ピストンステム96の先端が当接されている。ピストンステム96は、突起部93をリターンスプリング95の付勢力に抗して他方の突起部94側に押圧するためのもので、その基端部が、メインケース40に形成された油圧室97内に臨まされ、油圧室97内を摺動するピストン98に連結されている。
【0030】
また、他方の突起部94には、メインケース40に固設されたアンカピン99が当接され、アンカピン99によって突起部94の移動が規制されている。
【0031】
そして、油圧室97に作動油圧が供給されてピストン98が作動されると、突起部93がピストンステム96を介して突起部94側に押圧され、ブレーキバンド91が回転ドラム90に係合されてリバースブレーキ43の締結が実現し、プラネタリギヤ列41が作動されるようになっている。
【0032】
このような実施の形態によれば、リバースブレーキ43をバンドブレーキで構成することにより、リバースブレーキ43解放時のドラッグトルクを低減することができ、トルクロスを低減して燃費の向上を図ることができる。すなわち、油圧多板式のブレーキよりもドラッグトルクの発生が格段に低いバンド式のブレーキを用いてリバースブレーキ43を構成することにより、トルクロスを効果的に低減して燃費の向上を図ることができる。
【0033】
その際、ブレーキバンド91の両端に設けられた突起部93,94の間にこれらを離間させる方向に付勢するリターンスプリング95を介装することにより、リバースブレーキ43の非締結時におけるドラッグトルクをより効果的に低減することができる。
【0034】
また、リバースブレーキ43をバンドブレーキで構成することにより、前後進切換装置43の小型化や各構成部材のレイアウトの変更等を効果的に行うことができる。
【0035】
例えば、図1に示すように、セカンダリ油圧室56の大径化要求等に対応し、前後進切換装置43を軸方向に大型化させることなく、リバースブレーキ43の小径化を実現することができる。すなわち、油圧多板式のリバースブレーキ等に比べ、バンドブレーキ式のリバースブレーキ43では、油圧室97をブレーキ部(回転ドラム90及びブレーキバンド91)の軸方向に沿って併設する必要がないため、その分、ブレーキ部を軸方向に延長させることができる。そして、ブレーキ部を軸方向に延長すると締結トルクが増大するため、リバースブレーキ43の締結トルク低下を招くことなくブレーキ部を小径化することができる。従って、セカンダリ油圧室56の大径化を効果的に行うことができる。
【0036】
次に、図4は本発明の第2の実施の形態に係り、前後進切換装置の要部断面図である。なお、本実施の形態においては、リバースブレーキ43の構成が、上述の第1の実施の形態と異なる。その他、上述の第1の実施の形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0037】
図4に示すように、リバースブレーキ43の回転ドラム100は、フォワードクラッチ42のクラッチドラム76よりも大径の筒状部材で構成され、一端がクラッチドラム76の外周に沿って発進デバイス4側に延設されている。
【0038】
また、リバースブレーキ43のブレーキバンド101は、回転ドラム100の外周に沿って対向された状態で、メインケース40に保持されている。
【0039】
このような実施の形態では、前後進切換装置43の軸方向の短縮を効果的に行うことができる。すなわち、油圧多板式のリバースブレーキ等に比べ、バンドブレーキ式のリバースブレーキ43は、ブレーキ部(回転ドラム100及びブレーキバンド101)を薄く構成することができるため、前後進切換装置3を大幅に大径化させることなく、ブレーキ部をクラッチドラム76の外周に沿って配設することができ、前後進切換装置43の軸方向の短縮を効果的に行うことができる。
【0040】
なお、上述の各実施の形態において、リバースブレーキは、ブレーキバンドが回転ドラムの外周に係合される外接式のバンドブレーキで構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブレーキバンドが回転ドラムの内周に係合される内接式のバンドブレーキで構成してもよいことは勿論である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、リバースブレーキをバンドブレーキで構成することにより、トルクロスを低減して燃費を向上することができるとともに、設計の自由度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わり、前後進切換装置の要部断面図
【図2】同上、リバースブレーキの概略構成図
【図3】同上、自動変速装置の概略構成を展開して示すスケルトン図
【図4】本発明の第2の実施の形態に係り、前後進切換装置の要部断面図
【符号の説明】
2 … 無段変速機
10 … エンジン
26 … トルコン出力軸(出力軸)
41 … プラネタリギヤ列
42 … フォワードクラッチ
43 … リバースブレーキ
51 … プーリ入力軸(入力軸)
【発明の属する技術分野】
主変速部として無段変速機を備えた自動変速装置に搭載され、駆動力の逆転機構としてプラネタリギヤ列を採用した自動変速装置の前後進切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
主変速部としてベルト式の無段変速機を備える自動変速装置においては、一般に、トルクコンバータや電磁クラッチ等の発進デバイス側から延出する出力軸と、無段変速機側から延出するプーリ入力軸との間の伝達経路に、プラネタリギヤ式の前後進切換装置が介装されている。
【0003】
この種の前後進切換装置は、例えば特開平11−94046号公報に開示されているように、プラネタリギヤ列と、油圧多板式のフォワードクラッチと、油圧多板式のリバースブレーキとを有して要部が構成され、前進時には、フォワードクラッチを締結するとともにリバースブレーキを解放することで、出力軸からプーリ入力軸に正方向の駆動力を伝達する。逆に、後進時には、フォワードクラッチを解放するとともにリバースブレーキを締結することで、出力軸からの駆動力をプラネタリギヤ列によって逆転してプーリ入力軸に伝達する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、油圧多板式のクラッチやブレーキは、その構成上、解放時にドラッグトルクが発生する。従って、上述の構成の前後進切換装置では、走行時にフォワードクラッチ或いはリバースブレーキで発生するドラッグトルクがトルクロスとなって、燃費の低下を招く虞がある。この場合、特に、リバースブレーキは、前進時に解放されるため、フォワードクラッチに比べてドラッグトルクを発生させる比率が高く、燃費の低下を招く大きな要素となる。
【0005】
また、油圧多板式のフォワードクラッチやリバースブレーキは、クラッチ部やブレーキ部の軸方向端面に油圧室を必要とするため、比較的軸方向に長大な構造となる。従って、このようなフォワードクラッチ及びリバースブレーキを有する前後進切換装置においては、各構成部材の配置がある程度限定されたものとなり、自動変速装置に要求される仕様等に応じて小型化やレイアウトの変更等を効果的に行うことが困難であった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、トルクロスを低減して燃費を向上するとともに、設計の自由度を向上することのできる自動変速装置の前後進切換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明による自動変速装置の前後進切換装置は、無段変速機に連設する入力軸に対しエンジンに連設する出力軸からの出力の伝達及び遮断を制御するフォワードクラッチと、上記入力軸に対し上記出力軸からの出力を逆転させて伝達するプラネタリギヤ列と、上記プラネタリギヤ列の作動及び停止を制御するバンドブレーキ式のリバースブレーキとを備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1乃至3は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は前後進切換装置の要部断面図、図2はリバースブレーキの概略構成図、図3は自動変速装置の概略構成を展開して示すスケルトン図である。
【0009】
先ず、ベルト式の無段変速機を内蔵した自動変速装置1の概略構成について、図3を参照して説明する。図示のように、この自動変速装置1は、無段変速機2の入力側に前後進切換装置3と発進デバイス4とを有して要部が構成され、発進デバイス4の入力側にはエンジン10が連設されている。
【0010】
発進デバイス4を収容するコンバータケース20の内部には、エンジン10のクランク軸11に連結するドライブプレート21が設けられている。ドライブプレート21にはトルクコンバータ22のトルコンケース23が固設されており、トルコンケース23にはポンプインペラ24が連結されている。ポンプインペラ24にはタービンランナ25が流体を介して連設され、タービンランナ25に連結された出力軸としてのトルコン出力軸26が前後進切換装置3側へ延出されている。
【0011】
また、タービンランナ25には、トルコンケース23に対設されたロックアップクラッチ27が連設されている。そして、ロックアップクラッチ27がトルコンケース23に係合すると、エンジン10の駆動力がトルクコンバータ22を経由せず、タービンランナ25を介してトルコン出力軸26に直接伝達されるロックアップ状態となる。
【0012】
また、ポンプインペラ24とタービンランナ25との間には、トルクコンバータ22の流体を整流するステータ28が配設され、ステータ28は、ワンウェイクラッチ29を介してステータ軸30に支持されている。ここで、ステータ軸30は、コンバータケース20の出力側に固設されたセンタサポート31から延設される中空の部材で構成され、内部にトルコン出力軸26を貫通支持する。
【0013】
また、コンバータケース20の出力側下部にはオイルパン32が取付けられ、オイルパン32には、オイルポンプ33が油圧制御バルブユニット34と一体的に配設されている。オイルポンプ33からはポンプ入力軸35が延出され、このポンプ入力軸35に、チェーンシステム36を介してトルクコンバータ22のポンプインペラ24の中空軸が連設されている。なお、図3は展開図であるため、オイルパン32は図中上部に表示されている。
【0014】
前後進切換装置3は、トルクコンバータ22のタービンランナ25から延出されたトルコン出力軸26と無段変速機2のプライマリプーリ50から延出する入力軸としてのプーリ入力軸51との間の動力伝達を媒介するもので、コンバータケース20に連結されたメインケース40内に、プーリ入力軸51に対してトルコン出力軸26からの出力を逆転させて伝達するプラネタリギヤ列41と、プーリ入力軸51に対するトルコン出力軸26からの出力の伝達及び遮断を制御するフォワードクラッチ42と、プラネタリギヤ列41の作動及び停止を制御するリバースブレーキ43とを有して要部が構成されている。
【0015】
また、無段変速機2は、プライマリプーリ50と、このプライマリプーリ50に対設するセカンダリプーリ52と、これら両プーリ50,52を連設するベルト53とを有し、セカンダリプーリ52を軸支するプーリ出力軸54が、終減速装置60の減速歯車群61を介して、前輪或いは後輪の駆動軸62に軸着されているデファレンシャル装置63に連設されている。
【0016】
プライマリプーリ50は、プーリ入力軸51上に一体形成された固定シーブ50aと、プーリ入力軸51上を軸方向に移動可能な可動シーブ50bとを有して構成され、可動シーブ50bにはプライマリ油圧室55が併設されている。また、セカンダリプーリ52は、プーリ出力軸54上に一体形成された固定シーブ52aと、プーリ出力軸54上を軸方向に移動可能な可動シーブ52bとを有して構成され、可動シーブ52bにはセカンダリ油圧室56が併設されている。
【0017】
プライマリ油圧室55にはプライマリ油圧が供給され、これにより可動シーブ50bが可変動作されて両シーブ50a,50b間の溝幅が可変制御される。一方、セカンダリ油圧室56にはセカンダリ油圧が供給され、これにより可動シーブ52bが可変動作されて両シーブ52a,52b間の溝幅が可変制御される。この場合、無段変速機2では、セカンダリ油圧室56に供給されるセカンダリ油圧により、セカンダリプーリ52に対しトルク伝達に必要な張力が付与され、また、プライマリ油圧室55に供給されるプライマリ油圧により変速比が設定される。なお、これらプライマリ油圧及びセカンダリ油圧は、図示しないトランスミッション制御装置においてエンジン運転状態等に基づいて設定され、油圧制御バルブユニット34を通じて制御される。
【0018】
ここで、図示のように、プライマリプーリ50の固定シーブ50aは、前後進切換装置3に隣接されている。また、プライマリプーリ50の固定シーブ50aにはセカンダリプーリ52の可動シーブ52bが対向され、プライマリプーリ50の可動シーブ50bにはセカンダリプーリ52の固定シーブ52aが対向されている。従って、レイアウト上、前後進切換装置3には、可動シーブ52bに併設するセカンダリ油圧室56が対向される。
【0019】
次に、図1,2を参照して、前後進切換装置3の詳細な構成について説明する。図1に示すように、メインケース40の内部には、発進デバイス4側から延設されたトルコン出力軸26が臨まされているとともに、このトルコン出力軸26と同一軸線上に、無段変速機2側から延設されたプーリ入力軸51が臨まされている。
【0020】
本実施の形態において、プーリ入力軸51上にはプラネタリギヤ列41が配設され、トルコン出力軸26上にはフォワードクラッチ42が配設されている。さらに、プラネタリギヤ列41の周部には、リバースブレーキ43がフォワードクラッチ42と隣接して配設されている。
【0021】
プラネタリギヤ列41は、プーリ入力軸51に固設されたサンギヤ70と、サンギヤ70に噛合する複数のピニオン71と、ピニオン71を支持するプラネタリキャリヤ72と、ピニオン71を介してサンギヤ70に噛合するリングギヤ73とを有して要部が構成されている。
【0022】
また、フォワードクラッチ42は、油圧多板式のクラッチで構成されるもので、トルコン出力軸26及びプラネタリキャリヤ72に連結されたクラッチドラム76と、サンギヤ70を介してプーリ入力軸51に固設されたクラッチハブ77とを有する。
【0023】
クラッチドラム76の内周にはクラッチハブ77の外周が対向されており、これらの間に、クラッチドラム76にスプライン嵌合する複数のドライブプレート78と、クラッチハブ77にスプライン嵌合する複数のドリブンプレート79とが交互に配列されてクラッチ部80が構成されている。
【0024】
また、クラッチドラム76の内部において、クラッチ部80よりも発進デバイス4側には、クラッチ部80を押圧するためのピストン81が配設され、ピストン81とクラッチドラム76とで囲まれた間隙が油圧室82として構成されている。
【0025】
そして、油圧室82に作動油圧が供給されてピストン81がクラッチ部80を押圧すると、ドライブプレート78とドリブンプレート79とが係合されてフォワードクラッチ42の締結が実現し、トルコン出力軸26からの出力がプーリ入力軸51に伝達されるようになっている。
【0026】
一方、リバースブレーキ43は、バンドブレーキで構成されるもので、リングギヤ73に固設された回転ドラム90と、メインケース40に保持されたブレーキバンド91とを有する。
【0027】
回転ドラム90は、フォワードクラッチ42のドライブプレート78及びドリブンプレート79の外径よりも小径の筒状部材で構成され、一端がプライマリプーリ50側に延設されている。
【0028】
また、図2に示すように、ブレーキバンド91は、回転ドラム90の外周に沿って対向配置されている。ブレーキバンド91の両端には互いに対向する突起部93,94が立設され、両突起部93,94の間には、これらを離間する方向に付勢するリターンスプリング95が介装されている。
【0029】
また、一方の突起部93には、ピストンステム96の先端が当接されている。ピストンステム96は、突起部93をリターンスプリング95の付勢力に抗して他方の突起部94側に押圧するためのもので、その基端部が、メインケース40に形成された油圧室97内に臨まされ、油圧室97内を摺動するピストン98に連結されている。
【0030】
また、他方の突起部94には、メインケース40に固設されたアンカピン99が当接され、アンカピン99によって突起部94の移動が規制されている。
【0031】
そして、油圧室97に作動油圧が供給されてピストン98が作動されると、突起部93がピストンステム96を介して突起部94側に押圧され、ブレーキバンド91が回転ドラム90に係合されてリバースブレーキ43の締結が実現し、プラネタリギヤ列41が作動されるようになっている。
【0032】
このような実施の形態によれば、リバースブレーキ43をバンドブレーキで構成することにより、リバースブレーキ43解放時のドラッグトルクを低減することができ、トルクロスを低減して燃費の向上を図ることができる。すなわち、油圧多板式のブレーキよりもドラッグトルクの発生が格段に低いバンド式のブレーキを用いてリバースブレーキ43を構成することにより、トルクロスを効果的に低減して燃費の向上を図ることができる。
【0033】
その際、ブレーキバンド91の両端に設けられた突起部93,94の間にこれらを離間させる方向に付勢するリターンスプリング95を介装することにより、リバースブレーキ43の非締結時におけるドラッグトルクをより効果的に低減することができる。
【0034】
また、リバースブレーキ43をバンドブレーキで構成することにより、前後進切換装置43の小型化や各構成部材のレイアウトの変更等を効果的に行うことができる。
【0035】
例えば、図1に示すように、セカンダリ油圧室56の大径化要求等に対応し、前後進切換装置43を軸方向に大型化させることなく、リバースブレーキ43の小径化を実現することができる。すなわち、油圧多板式のリバースブレーキ等に比べ、バンドブレーキ式のリバースブレーキ43では、油圧室97をブレーキ部(回転ドラム90及びブレーキバンド91)の軸方向に沿って併設する必要がないため、その分、ブレーキ部を軸方向に延長させることができる。そして、ブレーキ部を軸方向に延長すると締結トルクが増大するため、リバースブレーキ43の締結トルク低下を招くことなくブレーキ部を小径化することができる。従って、セカンダリ油圧室56の大径化を効果的に行うことができる。
【0036】
次に、図4は本発明の第2の実施の形態に係り、前後進切換装置の要部断面図である。なお、本実施の形態においては、リバースブレーキ43の構成が、上述の第1の実施の形態と異なる。その他、上述の第1の実施の形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0037】
図4に示すように、リバースブレーキ43の回転ドラム100は、フォワードクラッチ42のクラッチドラム76よりも大径の筒状部材で構成され、一端がクラッチドラム76の外周に沿って発進デバイス4側に延設されている。
【0038】
また、リバースブレーキ43のブレーキバンド101は、回転ドラム100の外周に沿って対向された状態で、メインケース40に保持されている。
【0039】
このような実施の形態では、前後進切換装置43の軸方向の短縮を効果的に行うことができる。すなわち、油圧多板式のリバースブレーキ等に比べ、バンドブレーキ式のリバースブレーキ43は、ブレーキ部(回転ドラム100及びブレーキバンド101)を薄く構成することができるため、前後進切換装置3を大幅に大径化させることなく、ブレーキ部をクラッチドラム76の外周に沿って配設することができ、前後進切換装置43の軸方向の短縮を効果的に行うことができる。
【0040】
なお、上述の各実施の形態において、リバースブレーキは、ブレーキバンドが回転ドラムの外周に係合される外接式のバンドブレーキで構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブレーキバンドが回転ドラムの内周に係合される内接式のバンドブレーキで構成してもよいことは勿論である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、リバースブレーキをバンドブレーキで構成することにより、トルクロスを低減して燃費を向上することができるとともに、設計の自由度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わり、前後進切換装置の要部断面図
【図2】同上、リバースブレーキの概略構成図
【図3】同上、自動変速装置の概略構成を展開して示すスケルトン図
【図4】本発明の第2の実施の形態に係り、前後進切換装置の要部断面図
【符号の説明】
2 … 無段変速機
10 … エンジン
26 … トルコン出力軸(出力軸)
41 … プラネタリギヤ列
42 … フォワードクラッチ
43 … リバースブレーキ
51 … プーリ入力軸(入力軸)
Claims (1)
- 無段変速機に連設する入力軸に対し、エンジンに連設する出力軸からの出力の伝達及び遮断を制御するフォワードクラッチと、
上記入力軸に対し、上記出力軸からの出力を逆転させて伝達するプラネタリギヤ列と、
上記プラネタリギヤ列の作動及び停止を制御するバンドブレーキ式のリバースブレーキとを備えたことを特徴とする自動変速装置の前後進切換装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002180352A JP2004019930A (ja) | 2002-06-20 | 2002-06-20 | 自動変速装置の前後進切換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002180352A JP2004019930A (ja) | 2002-06-20 | 2002-06-20 | 自動変速装置の前後進切換装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004019930A true JP2004019930A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31177510
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002180352A Pending JP2004019930A (ja) | 2002-06-20 | 2002-06-20 | 自動変速装置の前後進切換装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004019930A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006283787A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Honda Motor Co Ltd | 車両用動力伝達装置 |
| JP2008196670A (ja) * | 2007-02-15 | 2008-08-28 | Nsk Warner Kk | ブレーキバンドを用いた前後進切換え機構 |
-
2002
- 2002-06-20 JP JP2002180352A patent/JP2004019930A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006283787A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Honda Motor Co Ltd | 車両用動力伝達装置 |
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