JP2004019199A - 車両用電動スライドドアの安全装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】煩雑なケーブルの配線作業を解消することができる電動スライドドア安全装置を安価に提供すること。
【解決手段】車両100用のスライドドア106の開閉に伴う挟込みを検知する挟込検知手段として、スライドドア106の開閉のための車両本体101側に固定されるモータ102の負荷電流を検出する電流検出手段12と、モータ102の回転量を前記スライドドア106の位置を前記モータの回転角に対応させて検出する位置検出手段11,12と、電流検出手段12及び位置検出手段11,12の両検出手段の検出値に応じて挟込検知信号を出力する信号出力手段12とを備えていることを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】車両100用のスライドドア106の開閉に伴う挟込みを検知する挟込検知手段として、スライドドア106の開閉のための車両本体101側に固定されるモータ102の負荷電流を検出する電流検出手段12と、モータ102の回転量を前記スライドドア106の位置を前記モータの回転角に対応させて検出する位置検出手段11,12と、電流検出手段12及び位置検出手段11,12の両検出手段の検出値に応じて挟込検知信号を出力する信号出力手段12とを備えていることを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用電動スライドドアの安全装置に関し、特に、電動スライドドアによる挟込み発生を高レスポンスに検知することができ、且つ安価な電動スライドドアの安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、電送スライドドアシステムの配設された車両が市販されている。ここで、電送スライドドアシステムを車両に配設するに当たっては、スライドドアと車両本体(ボディ)との間に腕や物等が挟込まれてしまうことを防止するための安全装置を設ける必要がある。
【0003】
図6は、従来技術の安全装置を搭載した車両100の側面図であるが、この図6に示すように、従来の車両100には、スライドドア106の挟込検知手段として、スライドドア106端部の弾性体(図示せず)内部に設けられた感圧センサ91が用いられていた。この感圧センサ91は、スライドドア106が人物などを挟み込んで弾性体を圧縮した場合に、内部の電極同士が接触し、電気信号を出力する。これにより、スライドドア106による挟込みの発生を検知することができるのである。かかる電気信号はECU(Electric Control Unit)12へ送信され(▲4▼)、ECU12よりモータ102のドライバ部に対して回転停止信号が送信されることにより、図8に示すように、スライドドア106の閉塞時(矢印A方向へのスライド(摺動)時)における挟込みが防止される。感圧センサ91を車両本体101側に設けた場合にも同様であるので、その説明を省略する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、挟込検出手段として感圧センサ91を用いると、感圧センサ91の部品単価が高額であるが故に、結果として、安全装置全体のコストが嵩んでしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、この問題点を解決する一方式として、モータ102の負荷電流(Im(以下、便宜上、「モータ電流」と称する))を計測し、図7に示すように、このモータ電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)に達した場合に、挟込みとして検知する方式がある。
【0006】
しかしながら、スライドドア106により挟み込まれた物体が例えばクッション等の柔らかいものである場合には、モータ電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)に達するまでに時間がかかる(Imの傾きが小さい)、即ち、挟込み検知の応答性が悪いという問題点があった。
【0007】
以上の問題点を鑑みて案出されたのが本発明であって、本発明は、電動スライドドアによる挟込み発生を高レスポンスに検知することができ、且つ安価な電動スライドドアの安全装置に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の車両用電動スライドドアの安全装置は、車両用の電動スライドドアの開閉に伴う挟込みを検知する挟込検知手段と、該挟込検知手段の検知に応じて前記電動スライドドアの開閉の停止のための開閉停止手段とを備えており、前記挟込検知手段は、前記電動スライドドアの開閉のための車両本体側に固定されるモータの負荷電流を検出する電流検出手段と、前記電動スライドドアの位置を前記モータの回転角に対応させて検出する位置検出手段と、前記電流検出手段及び位置検出手段の両検出手段の検出値に応じて挟込検知信号を出力する信号出力手段とを備えている。
【0009】
請求項2記載の車両用電動スライドドアの安全装置は、請求項1記載の車両用電動スライドドアの安全装置において、信号出力手段は、電流検出手段の検出値が第1のしきい値よりも大きくなった場合、又は位置検出手段の検出値の単位時間当たりの変位量が第2のしきい値よりも小さい場合の少なくとも何れかの場合に、挟込検知信号を出力するようにされている。
【0010】
請求項3記載の車両用電動スライドドアの安全装置は、請求項1又は2に記載の車両用電動スライドドアの安全装置において、位置検出手段は、モータの回転角を減速機出力軸の回転角として検出するポテンショメータ型の回転角検出手段である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次ぎに、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例について説明する。勿論、下記実施例は、本発明の好ましい実施例を説明するに過ぎず、本発明の技術的範囲は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の一実施例である車両用電動スライドドアの安全装置(以下、便宜上、単に「安全装置」と称する)1を車両100に搭載した状態における概略図である。
【0013】
まず、図1を参照して、車両用電動スライドドアシステムの概略について説明する。車両100の乗車者により所定のスイッチ操作が為されると、ECU12よりモータ102のドライバ部(図示せず)に対して信号が送信され、車両本体101側に搭載されたモータ102が回転する。このモータ102の回転(駆動力)は、該モータ102に連設される減速機103、巻取ドラム104及びワイヤー(巻取ドラム104に一端の結着される一方、他端が車両本体101側面に配設されるスライドドア106に結合されている伝達手段の一種。勿論、ワイヤー以外のチェーン、ベルト等であっても良い。)105を介して、スライドドア106へ伝達される。そして、このようにモータ102の回転がスライドドア106へ伝達されることにより、スライドドア106は、矢印A方向又は矢印B方向へ摺動(スライド)される、即ち、開放(矢印B方向)又は閉塞(矢印A方向)させられるのである。ここで、モータ102の回転角とスライドドア106の開閉位置とは、対応しており、このスライドドア106の開閉速度は、モータ電流(Im)に比例する。
【0014】
安全装置1は、このスライドドア106と車両本体101との間の挟込みを防止するためのものであり、ポテンショメータ11と、ECU12とによって構成されている。
【0015】
ポテンショメータ11は、スライドドア106の位置検出のための一方式(一手段)であり、減速機103を介したモータ102の回転角(量)を測定するために、減速機103の回転軸(図示せず)に対して同軸状に取付け固定されている。ポテンショメータ11により、モータ102の回転角(本実施例においては、モータ102の回転角を減速機103の回転角として検出)に応じた大きさの電圧が出力され、このポテンショメータ11により出力される電圧(以下、便宜上、「ポテンショ出力電圧」と称する)(Vp)。ポテンショ出力電圧(Vp)は、後述するECU12によりデジタル変換されて、スライドドア106の開閉制御に使用される。なお、勿論、減速機103を介することなくモータ102の回転角を直接に測定するようにしてもよいが、減速機103を介した方がポテンショメータ11の大きさを小さくすることができ、又は制御の煩雑さを解消することができる。
【0016】
ECU12は、車両100を走行させるために必要な制御や、カーナビ等の種々のアクセサリーを稼働させるために必要な制御等を行うためのものであり、図示しない、演算装置(CPU等)や、記憶装置(RAM、ROM等)、変換器(A/D変換器、D/A変換器)等によって構成されている。
【0017】
図2を参照して、ECU12により実行される具体的な制御の一例を示す。図2に示すように、ECU12は、ポテンショ出力電圧(Vp)およびモータ電流(Im)を所定時間毎(例えば、1ms毎)に検知(▲1▼,▲2▼)するとともに、ポテンショ出力電圧(Vp)の単位(1sに限られず、例えば、2msであってもよい。)時間当たりの変位量を演算する(具体例としては、ポテンショ出力電圧(Vp)を時間(t)で微分する演算をする)。そして、モータ電流(Im)の大きさが第1のしきい値(挟込電流しきい値)以上となった場合は勿論のこと、モータ電流(Im)の大きさが第1のしきい値以上でなくても、ポテンショ出力電圧(Vp)の単位時間当たりの変位量が第2しきい値(電圧変位しきい値)以下である場合、即ち、図2におけるポテンショ出力電圧(Vp)の傾きが正常値よりも小さくなった場合(図2中におけるXの時点)には、スライドドア106により挟込みが発生したと検知(判定)し、モータ102に対して回転の停止信号を送信するのである(▲3▼)。勿論、回転停止信号の送信後、更に、回転反転信号を送信するようにしても良い。この回転反転信号の送信に伴い、スライドドア106の停止後に、スライドドア106を所定量分、停止前と逆向きにスライドするようにされている。
【0018】
ここで、モータ負荷電流(Imt)は、正常時においても、種々の要因により一定値とならず、若干の変動する。このため、挟込電流しきい値(Imt)をシビアに設定してしまうと(低い値に設定すると)、誤動作を生ずる恐れがある。このため、挟込電流しきい値(Imt)を大きめの値に設定する必要が生じる。しかしながら、スライドドア106により挟み込まれた物体が例えばクッション等の柔らかいものである場合には、負荷電流(Im)が挟込電流しきい値Imtに達するまでに時間がかかる(Imの傾きが小さい)、即ち、挟込み検知の応答速度が遅くなる。このため、本発明においては、挟込み検知の更なる応答速度の向上(レスポンス性(応答性)の向上)のために、モータ電流(Imt)に基づいてのみ挟込みを検知するのではなく、ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)にも基づいて挟込みを検知する方式とされている。これは、モータ102の回転角の変位が少ない場合には、スライドドア106が予定通り(制御通り)スライドしていることを意味することに起因している。
【0019】
上記のように、本発明は、モータ電流(Imt)に基づいてのみ挟込みを検知するのではなく、ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)にも基づいて挟込みを検知する方式とされている。従って、「従来の技術」及び「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したような、感圧センサ91,92を用いなくても、高レスポンスな挟込み検出をすることができるとともに、製造コストを安価とすることができるのである。
【0020】
また、「従来の技術」の欄等において説明した、感圧センサ91は固定体である車両本体101側に設けられるものではなく、移動体であるスライドドア106側に設けられる方が好ましい。なぜなら、挟込みの検知に加え、一の感圧センサ91により、スライドドア106の衝突検知をも可能であるからである。この場合、感圧センサ91より延出するケーブル(図示せず)を車両本体101側に引き込まなければならないが、スライドドア106が移動体であるため、その移動量分を考慮して配線したり、ケーブルがスライドドア106の開閉動作と干渉しないように配線しなければならず、非常に煩雑な配線作業を要するという問題点があった。
【0021】
更には、挟込の検出手段として感圧センサを用いる場合、図6に示すように、スライドドア106の端部のみならず、スライドドア106に配設される車窓106aの窓枠にも、同様に感圧センサ92を設ける方が好ましい。これにより、スライドドア106の車窓106aより顔や手などが出されている場合に、スライドドア106が開放した(矢印B方向へスライドする)ときにおいても、感圧センサ92よりECU12に対して信号が送信され(▲5▼)、挟込みの発生が検知される。即ち、図9に示すように、顔や手が車窓106aの窓枠と車両本体との間に挟まれてしまうことをも防止することができるのである。しかしながら、この場合においても、スライドドア106端部に感圧センサ91を設けたときと同じ問題点を有している。勿論、スライドドア106に設けられた車窓106aが開閉しない場合や、かかる車窓106aが閉塞している状態でのみスライドドア106の開閉ができない場合には、要しない。
【0022】
しかしながら、本発明によれば、モータ102及びそのモータ102に連設される減速機103に取付固定されるポテンショメータ11、並びに、ECU12は、何れも、車両本体101側に配設されている。言い換えれば、本安全装置1の構成要素は、何れも、スライドドア106側に設けられている。これが故に、本発明によれば、煩雑な配線作業を解消することができるのである。更には、スライドドア106の挟込のみならず、衝突をも検知することが可能である。
【0023】
次ぎに、図4を参照して、上記のように構成された安全装置1の動作について、具体的には、挟込防止処理(S1)について説明する。まず、モータ電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)以上であるか否かを判断する(S11)。モータ電流(Im)が挟込電流しきい値Imt以上である場合には(S11:Yes)、その異常状態の継続が電流用挟込判定時間(Tjm)を経過したか否かを判断する(S15)。このように電流用挟込判定時間(Tjm)を設け、このTjmを適宜の値に設定することにより、誤動作を防止することができるのである。電流用挟込判定時間(Tjm)を経過していない場合には(S15:No)、次にポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が電圧変位しきい値(ΔVp)以下であるか否かを判断する(S13)。
【0024】
一方、S11の処理においてモータ負荷電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)より小さい場合には(S11:No)、モータ負荷電流(Im)がもともと正常であったか、或いは正常に戻ったのであるから、挟込判定時間Tjmをリセットし(S12)、次にポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が電圧変位しきい値(ΔVp)以下であるか否かを判断する(S13)。
【0025】
ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が電圧変位しきい値(ΔVp)以下である場合には(S13:Yes)、その異常状態の継続が電圧変位用挟込判定時間(Tjp)を経過したか否かを判断し(S17)、電圧変位用挟込判定時間(Tjp)を経過していなければ(S17:No)、処理をS11へ移行して、再度、モータ電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)以上であるか否かを判断する(S11)。
【0026】
一方、S13の処理においてポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が電圧変位しきい値(ΔVp)より大きい場合には(S13:No)、ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)がもともと正常であったか、或いは正常に戻ったのであるから、電圧変位用挟込判定時間(Tjp)をリセット(S14)し、処理をS11へ移行する。
【0027】
ここで、S15の処理又はS17の処理においてモータ負荷電流(Im)又はポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)の少なくとも何れか一方の異常状態の継続が挟込判定時間(Tjm,Tjp)を経過した場合には(S15:Yes,S17:Yes)、スライドドア106による挟込みが発生していると検知して、モータ102のドライブ部に対してモータ電流回転停止信号を出力し(S16)、挟込防止処理(S1)を終了する。
【0028】
次に、図5を参照して、安全装置1において実施される第2の好適な挟込防止処理について説明する。図5は、第2挟込防止処理(S2)を示すフローチャートである。この第2挟込防止処理(S2)は、挟込防止処理(S1)に対し、スライドドア106の始動時、全開直前時、全閉直前時など、意図的にスピードを遅くする制御の最中においては電圧変位しきい値を変化させる点において相違する。以下、挟込防止処理(S1)と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0029】
S11の処理においてモータ電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)より小さい場合(S11:No)、又は、S15の処理において異常状態の継続が電流用挟込判定時間(Tjm)を経過していない場合には、S21の処理に移行されるが、このS21の処理においては、ポテンショ出力電圧(Vp)が高側出力電圧しきい値(Vph)以上であるか否か、又は、低側出力電圧しきい値(Vpl)以下であるか否かが判断される(S21)。ポテンショ出力電圧(Vp)が低側出力電圧しきい値(Vpl)と高側出力電圧しきい値(Vph)との間にある場合には(S21:Yes)、通常制御時であるから、処理をS13へ移行するとともに、挟込防止処理(S1)と同様の処理を実行する。
【0030】
S21の処理においてポテンショ出力電圧(Vp)が低側出力電圧しきい値(Vpl)と高側出力電圧しきい値(Vph)との間にない場合には(S21:No)、低速制御時であるから、ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が第2電圧変位しきい値(ΔVp2)以下であるか否かを判断する(S22)。この第2電圧変位しきい値(ΔVp2)は、電圧変位しきい値(ΔVp)よりも小さい適宜の値である。ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が第2電圧変位しきい値(ΔVp2)以下である場合には(S22:Yes)、異常状態の継続が第2電圧変位用挟込判定時間(Tjp2)を経過したか否かを判断し(S23)、経過していなければ(S23:No)、処理をS11へ移行する。同様に、ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が第2電圧変位しきい値(ΔVp2)より大きい場合には(S22:Yes)、Tjp2をリセットして(S24)、処理をS11へ移行する。
【0031】
一方、S23の処理においてポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)の異常状態の継続がTjp2を経過した場合には(S23:Yes)、低速制御時であるにも拘わらず、更に、スライドドア106の移動速度が遅いであるから、モータ回転停止信号を出力して(S16)、第2挟込防止処理を終了する。
【0032】
このように、スライドドア106の始動時、全開直前時、全閉直前時など、意図的にスピード(開閉速度)を遅くする制御の最中においては電圧変位しきい値を変化させることにより(通常時とは別のしきい値を用いることにより)、意図的にスピードを遅くしている場合に、誤動作してしまうことを防止することができる。なお、特別時のしきい値は、一つに限られず、特別なケース毎に夫々のしきい値を設けてもよい。
【0033】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、上記の実施例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察することができるものであり、本発明の技術的範囲には、この種々の改良変形をも含まれる。
【0034】
例えば、本実施例によれば、挟込みを検知した場合には、ECU12によりモータ102のドライバ部に対して回転停止信号が送信されるようにされている。そして、この回転停止信号の送信によりスライドドア106の開閉動作が停止されるのであるが、スライドドア106の開閉停止方式は、モータ102のドライバ部に対する回転停止信号の送信に限られるものではなく、例えば、減速機103と巻取ドラム104との間にクラッチ機構が設けられている場合には、このクラッチ機構により減速機103と巻取ドラム104との接続を切断するようにしても良い。この場合、スライドドア106自体を直接に停止させる方式(例えば、モータ102の停止、ブレーキパッドのスライドドア106への当接など)が好ましい。
【0035】
また、本実施例によれば、スライドドア106の位置検出方式として、ポテンショメータ11による減速機103を介したモータ102の回転角(量)を検出する方式が用いられているが、スライドドア106の位置検出方式は、ポテンショメータ11によるモータ102の回転角の検出方式に限られず、他の手段(機構)によりモータ102の回転角を検出する方式としても良いし、光電スイッチ等を使用してスライドドア106の移動量を直接に検出する方式としても良い。
【0036】
ここで、上記実施例において、S1の処理(即ち、S11からS17までの各処理)、並びにS2の処理(S11からS13まで及びS21からS24までの各処理)は、請求項に記載の信号出力手段により実行される処理に該当する。
【0037】
なお、特許請求の範囲に記載された用語の解釈について疑義が生じないように念のために説明すれば、「請求項2記載の信号出力手段」には、電流検出手段の検出値が第1のしきい値よりも大きくなった場合にのみ挟込検知信号を出力するものが含まれることは勿論のこと、電流検出手段の検出値が第1のしきい値よりも大きくなった場合に挟込検知信号を出力するのであれば、電流検出手段の検出値が第1のしきい値と同一値であるときにも挟込検知信号を出力するもの、をも包含する。位置検出手段についても電流検出手段と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載の車両用電動スライドドアの安全装置によれば、信号出力手段により、モータの負荷電流値に応じた電流検出手段の検出値、及びモータの回転角に対応するスライドドアの開閉位置に応じた位置検出手段の検出値の両検出値の比較結果に基づいて、挟込検知信号が出力され、開閉停止手段により、挟込検知信号の出力に応じて電動スライドドアの開閉が停止される。従って、高価な感圧センサを用いなくても、挟込みを検知することができ、ひいては、製造コストを低減することができるという効果がある。
【0039】
請求項2記載の車両用電動スライドドアの安全装置によれば、請求項1記載の車両用電動スライドドアの安全装置の奏する効果に加え、更に、電流検出手段の検出値の単位時間当たりの変位量が第1のしきい値より大きく、位置検出手段の検出値の単位時間当たりの変位量が第2のしきい値よりも小さい場合に、信号出力手段による挟込検知信号の出力が為されるので、挟み込まれた物が柔らかい場合にも、挟込み検知のレスポンス性が損なわれてしまうことを防止することができるという効果がある。
【0040】
請求項3記載の車両用電動スライドドアの安全装置によれば、請求項1又は2に記載の車両用電動スライドドアの安全装置の奏する効果に加え、更に、電動スライドドアの位置を検出する位置検出手段がモータの回転角を減速機出力軸の回転角として検出するポテンショメータ型の回転角検出手段により構成されているので、スライドドアの位置をドア側スイッチ等により直接的に検知する方式に比べて、簡素な機構で電動スライドドアの位置を検出することができると共に、煩雑な配線作業を解消することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用電動スライドドアの安全装置を搭載した車両の側面図である。
【図2】挟込み発生時におけるモータの負荷電流およびポテンショメータの出力電圧の変移を示す図である。
【図3】対比例の車両用電動スライドドアの安全装置を搭載した車両の側面図である。
【図4】本安全装置より実行される挟込防止処理を示すフローチャートである。
【図5】本安全装置より実行される第2挟込防止処理を示すフローチャートである。
【図6】従来技術の車両用電動スライドドアの安全装置を搭載する車両の側面図である。
【図7】別の従来技術の車両用電動スライドドアの安全装置における挟込検知のタイミングを説明する図である。
【図8】仮に電動スライドドアにより人が挟まれた状態を示した図である。
【図9】仮に電動スライドドアにより人が挟まれた状態を示した図である。
【符号の説明】
1 車両用電動スライドドアの安全装置(安全装置)
11 ポテンショメータ(位置検出手段および回転角検出手段の一手段の構成部)
12 ECU(位置検出手段および回転角検出手段の一手段の構成部、並びに、信号出力手段および電流検出手段)
100 車両
101 車両本体
102 モータ
103 減速機
104 巻取ドラム
105 ワイヤー
106 スライドドア
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用電動スライドドアの安全装置に関し、特に、電動スライドドアによる挟込み発生を高レスポンスに検知することができ、且つ安価な電動スライドドアの安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、電送スライドドアシステムの配設された車両が市販されている。ここで、電送スライドドアシステムを車両に配設するに当たっては、スライドドアと車両本体(ボディ)との間に腕や物等が挟込まれてしまうことを防止するための安全装置を設ける必要がある。
【0003】
図6は、従来技術の安全装置を搭載した車両100の側面図であるが、この図6に示すように、従来の車両100には、スライドドア106の挟込検知手段として、スライドドア106端部の弾性体(図示せず)内部に設けられた感圧センサ91が用いられていた。この感圧センサ91は、スライドドア106が人物などを挟み込んで弾性体を圧縮した場合に、内部の電極同士が接触し、電気信号を出力する。これにより、スライドドア106による挟込みの発生を検知することができるのである。かかる電気信号はECU(Electric Control Unit)12へ送信され(▲4▼)、ECU12よりモータ102のドライバ部に対して回転停止信号が送信されることにより、図8に示すように、スライドドア106の閉塞時(矢印A方向へのスライド(摺動)時)における挟込みが防止される。感圧センサ91を車両本体101側に設けた場合にも同様であるので、その説明を省略する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、挟込検出手段として感圧センサ91を用いると、感圧センサ91の部品単価が高額であるが故に、結果として、安全装置全体のコストが嵩んでしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、この問題点を解決する一方式として、モータ102の負荷電流(Im(以下、便宜上、「モータ電流」と称する))を計測し、図7に示すように、このモータ電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)に達した場合に、挟込みとして検知する方式がある。
【0006】
しかしながら、スライドドア106により挟み込まれた物体が例えばクッション等の柔らかいものである場合には、モータ電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)に達するまでに時間がかかる(Imの傾きが小さい)、即ち、挟込み検知の応答性が悪いという問題点があった。
【0007】
以上の問題点を鑑みて案出されたのが本発明であって、本発明は、電動スライドドアによる挟込み発生を高レスポンスに検知することができ、且つ安価な電動スライドドアの安全装置に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の車両用電動スライドドアの安全装置は、車両用の電動スライドドアの開閉に伴う挟込みを検知する挟込検知手段と、該挟込検知手段の検知に応じて前記電動スライドドアの開閉の停止のための開閉停止手段とを備えており、前記挟込検知手段は、前記電動スライドドアの開閉のための車両本体側に固定されるモータの負荷電流を検出する電流検出手段と、前記電動スライドドアの位置を前記モータの回転角に対応させて検出する位置検出手段と、前記電流検出手段及び位置検出手段の両検出手段の検出値に応じて挟込検知信号を出力する信号出力手段とを備えている。
【0009】
請求項2記載の車両用電動スライドドアの安全装置は、請求項1記載の車両用電動スライドドアの安全装置において、信号出力手段は、電流検出手段の検出値が第1のしきい値よりも大きくなった場合、又は位置検出手段の検出値の単位時間当たりの変位量が第2のしきい値よりも小さい場合の少なくとも何れかの場合に、挟込検知信号を出力するようにされている。
【0010】
請求項3記載の車両用電動スライドドアの安全装置は、請求項1又は2に記載の車両用電動スライドドアの安全装置において、位置検出手段は、モータの回転角を減速機出力軸の回転角として検出するポテンショメータ型の回転角検出手段である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次ぎに、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例について説明する。勿論、下記実施例は、本発明の好ましい実施例を説明するに過ぎず、本発明の技術的範囲は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の一実施例である車両用電動スライドドアの安全装置(以下、便宜上、単に「安全装置」と称する)1を車両100に搭載した状態における概略図である。
【0013】
まず、図1を参照して、車両用電動スライドドアシステムの概略について説明する。車両100の乗車者により所定のスイッチ操作が為されると、ECU12よりモータ102のドライバ部(図示せず)に対して信号が送信され、車両本体101側に搭載されたモータ102が回転する。このモータ102の回転(駆動力)は、該モータ102に連設される減速機103、巻取ドラム104及びワイヤー(巻取ドラム104に一端の結着される一方、他端が車両本体101側面に配設されるスライドドア106に結合されている伝達手段の一種。勿論、ワイヤー以外のチェーン、ベルト等であっても良い。)105を介して、スライドドア106へ伝達される。そして、このようにモータ102の回転がスライドドア106へ伝達されることにより、スライドドア106は、矢印A方向又は矢印B方向へ摺動(スライド)される、即ち、開放(矢印B方向)又は閉塞(矢印A方向)させられるのである。ここで、モータ102の回転角とスライドドア106の開閉位置とは、対応しており、このスライドドア106の開閉速度は、モータ電流(Im)に比例する。
【0014】
安全装置1は、このスライドドア106と車両本体101との間の挟込みを防止するためのものであり、ポテンショメータ11と、ECU12とによって構成されている。
【0015】
ポテンショメータ11は、スライドドア106の位置検出のための一方式(一手段)であり、減速機103を介したモータ102の回転角(量)を測定するために、減速機103の回転軸(図示せず)に対して同軸状に取付け固定されている。ポテンショメータ11により、モータ102の回転角(本実施例においては、モータ102の回転角を減速機103の回転角として検出)に応じた大きさの電圧が出力され、このポテンショメータ11により出力される電圧(以下、便宜上、「ポテンショ出力電圧」と称する)(Vp)。ポテンショ出力電圧(Vp)は、後述するECU12によりデジタル変換されて、スライドドア106の開閉制御に使用される。なお、勿論、減速機103を介することなくモータ102の回転角を直接に測定するようにしてもよいが、減速機103を介した方がポテンショメータ11の大きさを小さくすることができ、又は制御の煩雑さを解消することができる。
【0016】
ECU12は、車両100を走行させるために必要な制御や、カーナビ等の種々のアクセサリーを稼働させるために必要な制御等を行うためのものであり、図示しない、演算装置(CPU等)や、記憶装置(RAM、ROM等)、変換器(A/D変換器、D/A変換器)等によって構成されている。
【0017】
図2を参照して、ECU12により実行される具体的な制御の一例を示す。図2に示すように、ECU12は、ポテンショ出力電圧(Vp)およびモータ電流(Im)を所定時間毎(例えば、1ms毎)に検知(▲1▼,▲2▼)するとともに、ポテンショ出力電圧(Vp)の単位(1sに限られず、例えば、2msであってもよい。)時間当たりの変位量を演算する(具体例としては、ポテンショ出力電圧(Vp)を時間(t)で微分する演算をする)。そして、モータ電流(Im)の大きさが第1のしきい値(挟込電流しきい値)以上となった場合は勿論のこと、モータ電流(Im)の大きさが第1のしきい値以上でなくても、ポテンショ出力電圧(Vp)の単位時間当たりの変位量が第2しきい値(電圧変位しきい値)以下である場合、即ち、図2におけるポテンショ出力電圧(Vp)の傾きが正常値よりも小さくなった場合(図2中におけるXの時点)には、スライドドア106により挟込みが発生したと検知(判定)し、モータ102に対して回転の停止信号を送信するのである(▲3▼)。勿論、回転停止信号の送信後、更に、回転反転信号を送信するようにしても良い。この回転反転信号の送信に伴い、スライドドア106の停止後に、スライドドア106を所定量分、停止前と逆向きにスライドするようにされている。
【0018】
ここで、モータ負荷電流(Imt)は、正常時においても、種々の要因により一定値とならず、若干の変動する。このため、挟込電流しきい値(Imt)をシビアに設定してしまうと(低い値に設定すると)、誤動作を生ずる恐れがある。このため、挟込電流しきい値(Imt)を大きめの値に設定する必要が生じる。しかしながら、スライドドア106により挟み込まれた物体が例えばクッション等の柔らかいものである場合には、負荷電流(Im)が挟込電流しきい値Imtに達するまでに時間がかかる(Imの傾きが小さい)、即ち、挟込み検知の応答速度が遅くなる。このため、本発明においては、挟込み検知の更なる応答速度の向上(レスポンス性(応答性)の向上)のために、モータ電流(Imt)に基づいてのみ挟込みを検知するのではなく、ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)にも基づいて挟込みを検知する方式とされている。これは、モータ102の回転角の変位が少ない場合には、スライドドア106が予定通り(制御通り)スライドしていることを意味することに起因している。
【0019】
上記のように、本発明は、モータ電流(Imt)に基づいてのみ挟込みを検知するのではなく、ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)にも基づいて挟込みを検知する方式とされている。従って、「従来の技術」及び「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したような、感圧センサ91,92を用いなくても、高レスポンスな挟込み検出をすることができるとともに、製造コストを安価とすることができるのである。
【0020】
また、「従来の技術」の欄等において説明した、感圧センサ91は固定体である車両本体101側に設けられるものではなく、移動体であるスライドドア106側に設けられる方が好ましい。なぜなら、挟込みの検知に加え、一の感圧センサ91により、スライドドア106の衝突検知をも可能であるからである。この場合、感圧センサ91より延出するケーブル(図示せず)を車両本体101側に引き込まなければならないが、スライドドア106が移動体であるため、その移動量分を考慮して配線したり、ケーブルがスライドドア106の開閉動作と干渉しないように配線しなければならず、非常に煩雑な配線作業を要するという問題点があった。
【0021】
更には、挟込の検出手段として感圧センサを用いる場合、図6に示すように、スライドドア106の端部のみならず、スライドドア106に配設される車窓106aの窓枠にも、同様に感圧センサ92を設ける方が好ましい。これにより、スライドドア106の車窓106aより顔や手などが出されている場合に、スライドドア106が開放した(矢印B方向へスライドする)ときにおいても、感圧センサ92よりECU12に対して信号が送信され(▲5▼)、挟込みの発生が検知される。即ち、図9に示すように、顔や手が車窓106aの窓枠と車両本体との間に挟まれてしまうことをも防止することができるのである。しかしながら、この場合においても、スライドドア106端部に感圧センサ91を設けたときと同じ問題点を有している。勿論、スライドドア106に設けられた車窓106aが開閉しない場合や、かかる車窓106aが閉塞している状態でのみスライドドア106の開閉ができない場合には、要しない。
【0022】
しかしながら、本発明によれば、モータ102及びそのモータ102に連設される減速機103に取付固定されるポテンショメータ11、並びに、ECU12は、何れも、車両本体101側に配設されている。言い換えれば、本安全装置1の構成要素は、何れも、スライドドア106側に設けられている。これが故に、本発明によれば、煩雑な配線作業を解消することができるのである。更には、スライドドア106の挟込のみならず、衝突をも検知することが可能である。
【0023】
次ぎに、図4を参照して、上記のように構成された安全装置1の動作について、具体的には、挟込防止処理(S1)について説明する。まず、モータ電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)以上であるか否かを判断する(S11)。モータ電流(Im)が挟込電流しきい値Imt以上である場合には(S11:Yes)、その異常状態の継続が電流用挟込判定時間(Tjm)を経過したか否かを判断する(S15)。このように電流用挟込判定時間(Tjm)を設け、このTjmを適宜の値に設定することにより、誤動作を防止することができるのである。電流用挟込判定時間(Tjm)を経過していない場合には(S15:No)、次にポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が電圧変位しきい値(ΔVp)以下であるか否かを判断する(S13)。
【0024】
一方、S11の処理においてモータ負荷電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)より小さい場合には(S11:No)、モータ負荷電流(Im)がもともと正常であったか、或いは正常に戻ったのであるから、挟込判定時間Tjmをリセットし(S12)、次にポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が電圧変位しきい値(ΔVp)以下であるか否かを判断する(S13)。
【0025】
ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が電圧変位しきい値(ΔVp)以下である場合には(S13:Yes)、その異常状態の継続が電圧変位用挟込判定時間(Tjp)を経過したか否かを判断し(S17)、電圧変位用挟込判定時間(Tjp)を経過していなければ(S17:No)、処理をS11へ移行して、再度、モータ電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)以上であるか否かを判断する(S11)。
【0026】
一方、S13の処理においてポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が電圧変位しきい値(ΔVp)より大きい場合には(S13:No)、ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)がもともと正常であったか、或いは正常に戻ったのであるから、電圧変位用挟込判定時間(Tjp)をリセット(S14)し、処理をS11へ移行する。
【0027】
ここで、S15の処理又はS17の処理においてモータ負荷電流(Im)又はポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)の少なくとも何れか一方の異常状態の継続が挟込判定時間(Tjm,Tjp)を経過した場合には(S15:Yes,S17:Yes)、スライドドア106による挟込みが発生していると検知して、モータ102のドライブ部に対してモータ電流回転停止信号を出力し(S16)、挟込防止処理(S1)を終了する。
【0028】
次に、図5を参照して、安全装置1において実施される第2の好適な挟込防止処理について説明する。図5は、第2挟込防止処理(S2)を示すフローチャートである。この第2挟込防止処理(S2)は、挟込防止処理(S1)に対し、スライドドア106の始動時、全開直前時、全閉直前時など、意図的にスピードを遅くする制御の最中においては電圧変位しきい値を変化させる点において相違する。以下、挟込防止処理(S1)と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0029】
S11の処理においてモータ電流(Im)が挟込電流しきい値(Imt)より小さい場合(S11:No)、又は、S15の処理において異常状態の継続が電流用挟込判定時間(Tjm)を経過していない場合には、S21の処理に移行されるが、このS21の処理においては、ポテンショ出力電圧(Vp)が高側出力電圧しきい値(Vph)以上であるか否か、又は、低側出力電圧しきい値(Vpl)以下であるか否かが判断される(S21)。ポテンショ出力電圧(Vp)が低側出力電圧しきい値(Vpl)と高側出力電圧しきい値(Vph)との間にある場合には(S21:Yes)、通常制御時であるから、処理をS13へ移行するとともに、挟込防止処理(S1)と同様の処理を実行する。
【0030】
S21の処理においてポテンショ出力電圧(Vp)が低側出力電圧しきい値(Vpl)と高側出力電圧しきい値(Vph)との間にない場合には(S21:No)、低速制御時であるから、ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が第2電圧変位しきい値(ΔVp2)以下であるか否かを判断する(S22)。この第2電圧変位しきい値(ΔVp2)は、電圧変位しきい値(ΔVp)よりも小さい適宜の値である。ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が第2電圧変位しきい値(ΔVp2)以下である場合には(S22:Yes)、異常状態の継続が第2電圧変位用挟込判定時間(Tjp2)を経過したか否かを判断し(S23)、経過していなければ(S23:No)、処理をS11へ移行する。同様に、ポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)が第2電圧変位しきい値(ΔVp2)より大きい場合には(S22:Yes)、Tjp2をリセットして(S24)、処理をS11へ移行する。
【0031】
一方、S23の処理においてポテンショ出力電圧変位(dVp/dt)の異常状態の継続がTjp2を経過した場合には(S23:Yes)、低速制御時であるにも拘わらず、更に、スライドドア106の移動速度が遅いであるから、モータ回転停止信号を出力して(S16)、第2挟込防止処理を終了する。
【0032】
このように、スライドドア106の始動時、全開直前時、全閉直前時など、意図的にスピード(開閉速度)を遅くする制御の最中においては電圧変位しきい値を変化させることにより(通常時とは別のしきい値を用いることにより)、意図的にスピードを遅くしている場合に、誤動作してしまうことを防止することができる。なお、特別時のしきい値は、一つに限られず、特別なケース毎に夫々のしきい値を設けてもよい。
【0033】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、上記の実施例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察することができるものであり、本発明の技術的範囲には、この種々の改良変形をも含まれる。
【0034】
例えば、本実施例によれば、挟込みを検知した場合には、ECU12によりモータ102のドライバ部に対して回転停止信号が送信されるようにされている。そして、この回転停止信号の送信によりスライドドア106の開閉動作が停止されるのであるが、スライドドア106の開閉停止方式は、モータ102のドライバ部に対する回転停止信号の送信に限られるものではなく、例えば、減速機103と巻取ドラム104との間にクラッチ機構が設けられている場合には、このクラッチ機構により減速機103と巻取ドラム104との接続を切断するようにしても良い。この場合、スライドドア106自体を直接に停止させる方式(例えば、モータ102の停止、ブレーキパッドのスライドドア106への当接など)が好ましい。
【0035】
また、本実施例によれば、スライドドア106の位置検出方式として、ポテンショメータ11による減速機103を介したモータ102の回転角(量)を検出する方式が用いられているが、スライドドア106の位置検出方式は、ポテンショメータ11によるモータ102の回転角の検出方式に限られず、他の手段(機構)によりモータ102の回転角を検出する方式としても良いし、光電スイッチ等を使用してスライドドア106の移動量を直接に検出する方式としても良い。
【0036】
ここで、上記実施例において、S1の処理(即ち、S11からS17までの各処理)、並びにS2の処理(S11からS13まで及びS21からS24までの各処理)は、請求項に記載の信号出力手段により実行される処理に該当する。
【0037】
なお、特許請求の範囲に記載された用語の解釈について疑義が生じないように念のために説明すれば、「請求項2記載の信号出力手段」には、電流検出手段の検出値が第1のしきい値よりも大きくなった場合にのみ挟込検知信号を出力するものが含まれることは勿論のこと、電流検出手段の検出値が第1のしきい値よりも大きくなった場合に挟込検知信号を出力するのであれば、電流検出手段の検出値が第1のしきい値と同一値であるときにも挟込検知信号を出力するもの、をも包含する。位置検出手段についても電流検出手段と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載の車両用電動スライドドアの安全装置によれば、信号出力手段により、モータの負荷電流値に応じた電流検出手段の検出値、及びモータの回転角に対応するスライドドアの開閉位置に応じた位置検出手段の検出値の両検出値の比較結果に基づいて、挟込検知信号が出力され、開閉停止手段により、挟込検知信号の出力に応じて電動スライドドアの開閉が停止される。従って、高価な感圧センサを用いなくても、挟込みを検知することができ、ひいては、製造コストを低減することができるという効果がある。
【0039】
請求項2記載の車両用電動スライドドアの安全装置によれば、請求項1記載の車両用電動スライドドアの安全装置の奏する効果に加え、更に、電流検出手段の検出値の単位時間当たりの変位量が第1のしきい値より大きく、位置検出手段の検出値の単位時間当たりの変位量が第2のしきい値よりも小さい場合に、信号出力手段による挟込検知信号の出力が為されるので、挟み込まれた物が柔らかい場合にも、挟込み検知のレスポンス性が損なわれてしまうことを防止することができるという効果がある。
【0040】
請求項3記載の車両用電動スライドドアの安全装置によれば、請求項1又は2に記載の車両用電動スライドドアの安全装置の奏する効果に加え、更に、電動スライドドアの位置を検出する位置検出手段がモータの回転角を減速機出力軸の回転角として検出するポテンショメータ型の回転角検出手段により構成されているので、スライドドアの位置をドア側スイッチ等により直接的に検知する方式に比べて、簡素な機構で電動スライドドアの位置を検出することができると共に、煩雑な配線作業を解消することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用電動スライドドアの安全装置を搭載した車両の側面図である。
【図2】挟込み発生時におけるモータの負荷電流およびポテンショメータの出力電圧の変移を示す図である。
【図3】対比例の車両用電動スライドドアの安全装置を搭載した車両の側面図である。
【図4】本安全装置より実行される挟込防止処理を示すフローチャートである。
【図5】本安全装置より実行される第2挟込防止処理を示すフローチャートである。
【図6】従来技術の車両用電動スライドドアの安全装置を搭載する車両の側面図である。
【図7】別の従来技術の車両用電動スライドドアの安全装置における挟込検知のタイミングを説明する図である。
【図8】仮に電動スライドドアにより人が挟まれた状態を示した図である。
【図9】仮に電動スライドドアにより人が挟まれた状態を示した図である。
【符号の説明】
1 車両用電動スライドドアの安全装置(安全装置)
11 ポテンショメータ(位置検出手段および回転角検出手段の一手段の構成部)
12 ECU(位置検出手段および回転角検出手段の一手段の構成部、並びに、信号出力手段および電流検出手段)
100 車両
101 車両本体
102 モータ
103 減速機
104 巻取ドラム
105 ワイヤー
106 スライドドア
Claims (3)
- 車両用の電動スライドドアの開閉に伴う挟込みを検知する挟込検知手段と、該挟込検知手段の検知に応じて前記電動スライドドアの開閉の停止のための開閉停止手段とを備えた車両用電動スライドドアの安全装置において、前記挟込検知手段は、前記電動スライドドアの開閉のためのモータの負荷電流を検出する電流検出手段と、前記電動スライドドアの位置を前記モータの回転角に対応させて検出する位置検出手段と、前記電流検出手段及び位置検出手段の両検出手段の検出値に応じて挟込検知信号を出力する信号出力手段とを備えていることを特徴とする車両用電動スライドドアの安全装置。
- 信号出力手段は、電流検出手段の検出値が第1のしきい値よりも大きくなった場合、又は位置検出手段の検出値の単位時間当たりの変位量が第2のしきい値よりも小さい場合の少なくとも何れかの場合に、挟込検知信号を出力するようにされていることを特徴とする請求項1記載の車両用電動スライドドアの安全装置。
- 位置検出手段は、モータの回転角を減速機出力軸の回転角として検出するポテンショメータ型の回転角検出手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用電動スライドドアの安全装置。
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Cited By (3)
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|---|---|---|---|---|
| JP2006207214A (ja) * | 2005-01-27 | 2006-08-10 | Aisin Seiki Co Ltd | 開閉体制御装置 |
| CN103802643A (zh) * | 2012-11-15 | 2014-05-21 | 简式国际汽车设计(北京)有限公司 | 车辆侧滑门智能控制系统 |
| JP2022049522A (ja) * | 2020-09-16 | 2022-03-29 | ナブテスコ株式会社 | 戸挟み検出装置、鉄道用ドア装置及びプログラム |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002174074A patent/JP2004019199A/ja active Pending
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