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JP2004016929A - 内部熱交換型蒸留塔及びその製造方法 - Google Patents

内部熱交換型蒸留塔及びその製造方法 Download PDF

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JP2004016929A
JP2004016929A JP2002175696A JP2002175696A JP2004016929A JP 2004016929 A JP2004016929 A JP 2004016929A JP 2002175696 A JP2002175696 A JP 2002175696A JP 2002175696 A JP2002175696 A JP 2002175696A JP 2004016929 A JP2004016929 A JP 2004016929A
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阿曽 一正
Toshinari Nakanishi
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Abstract

【課題】蒸留部における気液接触状態に偏りが少なく、目標とする蒸留性能を発揮させることが可能な内部熱交換型蒸留塔及び該内部熱交換型蒸留塔を効率よく製造することが可能な内部熱交換型蒸留塔の製造方法を提供する。
【解決手段】管25の外周面に配設された充填物層5aと、充填物層5aを被覆する金属薄板15を備えた複数の単一管ユニット30を本体胴1の内部に配設して、各管25の管内4と管外5が隔離され、各管25の周囲に充填物層5aが配設されているとともに、金属薄板15により囲まれた領域(管周囲領域)16の水平断面形状がそれぞれ同一の形状を有するた熱交換構造体を形成する。
複数の単一管ユニットを用意しておき、下側管板を含む本体胴を所定位置に据え付けた後、複数の単一管ユニットを下側管板と係合するように本体胴内に配設し、その後に上側管板を取り付けて、複数の管と本体胴とを連結させる。
【選択図】     図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、低圧塔と高圧塔を備え、高圧塔(濃縮部)側から、低圧塔(回収部)側に熱移動させることにより両者の間で熱交換を行う内部熱交換型蒸留塔及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
省エネルギー性に優れた蒸留塔として、低圧塔と高圧塔とを備え、両者の間で熱交換を行うように構成され、他との熱の授受を必要としない内部熱交換型の蒸留塔が知られている。この内部熱交換型蒸留塔は、蒸留操作の省エネルギー化を進める見地からすれば、省エネルギーに最も忠実な理論であることは、原理的にも当然であり、また、学問上からも認められているところである。
【0003】
また、内部熱交換型蒸留塔として、複数の管を両端管板によって本体胴と連結させることにより、本体胴の内部において、各管の管内と管外が隔離された構造とし、管内及び管外のそれぞれに気液の出入口を設け、管内側と管外側の操作圧力に差をつけることにより操作温度を異ならせ、各管の管壁を伝熱面として、高圧側から低圧側に熱移動させることにより、高圧側を濃縮部、低圧側を回収部として一つの蒸留塔を構成するようにした構造が提案されている(特開平8−66601号(特許第2694425号))。
【0004】
この内部熱交換型蒸留塔は、図5に示すように、本体胴1と、本体胴1内に挿入された複数の管25を両端管板(上側管板(塔頂側管板)3a及び下側管板(塔底側管板)3b)によって本体胴1と連結させることにより形成されている。そして、各管25の管内4と管外5は互いに隔離された構造を有しており、管内4が高圧側の濃縮部となり、管外5が低圧側の回収部となるように構成されている。
【0005】
また、本体胴1の上部には、管外(回収部)5に液を供給するための回収部液入口6、管外(回収部)5からの蒸気を抜き出す回収部蒸気出口7が配設されており、上側管板3aより上側の、管内(濃縮部)4と連通する端室14aには、管内(濃縮部)4に液を供給するための濃縮部液入口8が配設され、また、管内(濃縮部)4からの蒸気を抜き出す濃縮部蒸気出口9が配設されている。
【0006】
一方、本体胴1の下部には、管外(回収部)5に蒸気を供給するための回収部蒸気入口10、管外(回収部)5からの液を抜き出す回収部液出口11が配設されており、下側管板3bより下側の、管内(濃縮部)4と連通する端室14bには、管内(濃縮部)4に蒸気を供給するための濃縮部蒸気入口12が配設され、また、管内(濃縮部)4からの液を抜き出す濃縮部液出口13が配設されている。
【0007】
ところで、このような内部熱交換型蒸留塔においては、濃縮部あるいは回収部を構成する、管内側及び管外側の蒸留部における気液接触の状態が、蒸留作用に大きな影響を与えるため、例えば、図5の内部熱交換型蒸留塔のように、管外に充填物を充填して回収部(充填塔)としているような場合において、気液の流れに偏りがあると、目標とするような蒸留効果を得ることができなくなる。
すなわち、充填塔の塔頂で充填層上面に表面積当たり均等に散布された液は、引力により充填物表面を流下し、塔底に供給された蒸気は、塔頂・塔底間の圧力差を推進力として充填物間の隙間を上昇し、充填塔内で液と蒸気が接触することによって蒸留が行われるが、充填塔における気液の流れについてみると、通常、上昇蒸気は下降液量の少ないところに流れ、下降液は上昇蒸気量の少ないところに流れる傾向があるため、少しの偏流が加速度的に大きな偏流を引き起こすことになる。したがって、下降液量と上昇蒸気量の割合の位置的な偏りが、塔頂から塔底にむかって増大し、結果として、設計どおりの気液接触効果、すなわち蒸留性能を得ることができなくなる。
【0008】
そこで、従来の充填塔では、必ず所定の充填層高さ毎に(塔径にもよるが、一般的には2〜5m毎に)、充填層を区切り、この区切り部分に充填層受け、集液具、液体分散具などを配設し、設計どおりの気液接触効果が得られるようにしている。しかしながら、このような構成とした場合、設備構造が複雑になるだけでなく、充填層受け、集液具、液体分散具などの配設されるスペースは、蒸留作用を行う蒸留部としては機能しないことから、蒸留塔の高さがその分だけ高くなり、設備の大型化及びコストの増大を招くという問題点がある。
【0009】
また、管外に充填物を充填して充填塔とした場合、管外の水平断面形状は複雑で、気液接触状態の偏りが生じやすく、上述の充填塔の問題(気液接触状態の偏りによる問題)はより顕著となり、水平断面上の単位面積当たりの気液接触状態を均一にすることはますます困難になる傾向がある。
【0010】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、コストの増大を招くことなく、蒸留部における気液接触状態に偏りが少なく、目標とする蒸留性能を発揮させることが可能な内部熱交換型蒸留塔及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)の内部熱交換型蒸留塔は、複数の管を両端管板によって本体胴と連結することにより、本体胴の内部において各管の管内と管外が隔離され、かつ、管内及び管外のそれぞれが気液の出入口を備えた構造とするとともに、
管内側と管外側の操作圧力に差をつけることにより操作温度を異ならせ、各管の管壁を伝熱面として、高圧側から低圧側に熱移動させることにより、高圧側が濃縮部、低圧側が回収部として機能するように構成された内部熱交換型蒸留塔であって、
前記複数の管を構成する管の外周面を包囲するように充填物層が配設され、かつ、管の外周面に配設された前記充填物層が金属薄板により被覆された構造を有する複数の単一管ユニットが、所定のピッチで本体胴の内部に配設されることにより、本体胴の内部において各管の管内と管外が隔離され、かつ、少なくとも各管の周囲に充填物層が配設されているとともに、各単一管ユニットの金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状がそれぞれ同一である熱交換構造体が形成されていること
を特徴としている。
【0012】
管の外周面を包囲するように充填物層(充填物が充填された層)が配設され、かつ、管の外周面に配設された充填物層が金属薄板により被覆された構造を有する複数の単一管ユニットを、所定のピッチで本体胴の内部に配設して、本体胴の内部において各管の管内と管外が隔離され、かつ、少なくとも各管の周囲に充填物層が配設されているとともに、各単一管ユニットの金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状がそれぞれ同一の形状を有する熱交換構造体を形成することにより、下降液及び上昇蒸気の水平方向の流れを充填物層を囲む金属薄板により遮断して、管外を流下する液の流れる範囲を金属薄板により囲まれた領域(管周囲領域)に限定することが可能になるとともに、上昇蒸気を、該管周囲領域を流下する均一な液量の下降液を抵抗として、各管周囲領域毎に上昇させることが可能になる。
したがって、充填物が充填された管外の下部より、各管1本当たりについて均一な量の蒸気を、各管1本毎の管周囲領域に供給して各管周囲領域を通過する気液量を一定とし、目標とする設計通りの気液接触を充填物層が配設された管周囲領域で行わせて、所望の蒸留性能を発揮させることが可能になる。
【0013】
また、各管周囲領域の水平断面積は十分に小さくすることができるので、塔頂・塔底間の途中で集液・再分布を行うことを不要にして、装置の複雑化を招くことを回避することができる。
なお、本願発明の内部熱交換型蒸留塔において、管外に配設される好適な充填物としては、層状構造を有し、各層状部材が略縦向きになるように配設される規則充填物などが例示されるが、その他の種々の充填物を用いることが可能である。
また、本願発明の内部熱交換型蒸留塔においては、管内に充填物を充填した構造とすることも可能であり、また、充填物を充填しない構造とすることも可能である。また、管内に充填物を充填する場合の好適な充填物としては、層状構造を有し、各層状部材が略縦向きになるように配設される規則充填物などが例示されるが、これ以外の充填物を用いることも可能である。
【0014】
また、請求項2の内部熱交換型蒸留塔は、前記金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状が、正六角形、十二角形、及び円形のいずれかであることを特徴としている。
【0015】
金属薄板により囲まれた領域(管周囲領域)の水平断面形状を正六角形、十二角形、及び円形のいずれかとすることにより、気液接触状態に偏りが生じにくい平面形状を有する管外領域(管周囲領域)を形成することが可能になるとともに、管外のスペースを有効に利用することが可能になり、本願発明を実効あらしめることが可能になる。
【0016】
また、請求項3の内部熱交換型蒸留塔は、前記複数の管の内部にも充填物が充填されていることを特徴としている。
【0017】
複数の管の内部にも充填物が充填された構造とすることにより、管内において、目標とする設計通りの気液接触を行わせて、さらに優れた蒸留性能を発揮させることが可能になる。
【0018】
また、請求項4の内部熱交換型蒸留塔は、前記金属薄板により囲まれた領域の外側の空間を蒸留部としないことを特徴としている。
【0019】
金属薄板により囲まれた領域の外側の空間(すなわち、各単一管ユニットの間の隙間や、単一管ユニットと本体胴の内壁の間に形成される空間など)を蒸留部としないようにすることにより、気液接触状態に偏りが生じにくい水平断面形状(例えば、正六角形、十二角形、円形など)を有する管外領域を容易に形成することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
なお、この場合、本体胴の内部に、蒸留部とならない領域が形成されることになり、設備がいくらか大型化することになるが、蒸留部とならない領域の水平断面積の、本体胴の水平断面積に対する割合はそれほど大きくならないようにすることが可能であり、実用上問題となるほどの設備の大型化を招くことはない。
【0020】
また、本願発明(請求項5)の内部熱交換型蒸留塔の製造方法は、
複数の管を上側管板及び下側管板によって本体胴と連結することにより、本体胴の内部において各管の管内と管外が隔離され、かつ、管内及び管外のそれぞれが気液の出入口を備えた構造とするとともに、
管内側と管外側の操作圧力に差をつけることにより操作温度を異ならせ、各管の管壁を伝熱面として、高圧側から低圧側に熱移動させることにより、高圧側が濃縮部、低圧側が回収部として機能するように構成された内部熱交換型蒸留塔の製造方法であって、
管の外周面を包囲するように充填物層が配設され、かつ、管の外周面に配設された前記充填物層が金属薄板により被覆され、金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状がそれぞれ同一である複数の単一管ユニットを予め用意する工程と、
下側管板を含む本体胴を所定位置に据え付ける工程と、
前記複数の単一管ユニットを、前記下側管板と係合するように本体胴内に配設する工程と、
上側管板を取り付けることにより、前記複数の管と本体胴とを連結させる工程と
を具備することを特徴としている。
【0021】
管の外周側に充填物が充填された層(充填物層)が配設され、かつ、管の外周面に配設された充填物層が金属薄板により被覆され、金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状がそれぞれ同一である複数の単一管ユニットを用意しておき、下側管板を含む本体胴を所定位置に据え付けた後、複数の単一管ユニットを、下側管板と係合するように本体胴内に配設し、その後に上側管板を取り付けて、複数の管と本体胴とを連結させることにより、製造工程を簡略化して、効率よく内部熱交換型蒸留塔を製造することが可能になる。
また、本願発明の内部熱交換型蒸留塔では、管の外周面と充填物層の接触部の組み立て具合の良否が、熱交換性能を支配する大きな要因となるが、例えばメーカー工場内などにおいて、この部分を単一管ユニットとして予め組み立てておくようにした場合、管の外周面と充填物層の接触状態を良好なものとして、十分な熱交換性能を確保することが可能になり、本願発明を実効あらしめることが可能になる。
【0022】
また、請求項6の内部熱交換型蒸留塔の製造方法は、前記単一管ユニットとして、前記管の内部に充填物が充填された構造を有する単一管ユニットを用いることを特徴としている。
【0023】
単一管ユニットとして、管の内部に充填物が充填された構造を有する単一管ユニットを用いることにより、管内も充填塔として、管内及び管外の両方で、目標とする設計通りの気液接触を行わせることが可能になり、優れた蒸留性能を発揮する内部熱交換型蒸留塔を、複雑な製造工程を必要とすることなく、効率よく製造することが可能になる。
【0024】
また、請求項7の内部熱交換型蒸留塔の製造方法は、前記単一管ユニットとして、金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状が、正六角形、十二角形、及び円形のいずれかである単一管ユニットを用いることを特徴としている。
【0025】
単一管ユニットとして、金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状が、正六角形、十二角形、及び円形のいずれかである単一管ユニットを用いることにより、気液接触状態に偏りが生じにくい平面形状を有する管外領域(管周囲領域)を備えた内部熱交換型蒸留塔を効率よく製造することが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示して、その特徴とするところを詳しく説明する。
【0027】
図1は本願発明の一実施形態にかかる内部熱交換型蒸留塔の主要部の構成を模式的に示す正面断面図、図2は平面断面図である。
この内部熱交換型蒸留塔は、本体胴1と、本体胴1内に挿入された複数の管25を上側管板3a及び下側管板3bによって本体胴1と連結させることにより形成されている。そして、各管25の管内4と管外5は互いに隔離された構造を有しており、管内4が高圧側の濃縮部となり、管外5が低圧側の回収部となるように構成されている。
【0028】
また、本体胴1の上部には、管外(回収部)5に液を供給するための回収部液入口6、管外(回収部)5からの蒸気を抜き出す回収部蒸気出口7が配設されており、上側管板3aより上側の、管内(濃縮部)4と連通する端室14aには、管内(濃縮部)4に液を供給するための濃縮部液入口8が配設され、また、管内(濃縮部)4からの蒸気を抜き出す濃縮部蒸気出口9が配設されている。
【0029】
一方、本体胴1の下部には、管外(回収部)5に蒸気を供給するための回収部蒸気入口10、管外(回収部)5からの液を抜き出す回収部液出口11が配設されており、下側管板3bより下側の、管内(濃縮部)4と連通する端室14bには、管内(濃縮部)4に蒸気を供給するための濃縮部蒸気入口12が配設され、また、管内(濃縮部)4からの液を抜き出す濃縮部液出口13が配設されている。また、管内(濃縮部)4及び管外(回収部)5には充填物(規則充填物)4a,5aが充填されている。
【0030】
そして、この実施形態の内部熱交換型蒸留塔においては、図2に示すように、管25の外周面を包み込むように充填物層(規則充填物)5aが配設され、かつ、管25の外周面に配設された充填物層5aが金属薄板15により被覆された構造を有する複数の単一管ユニット30を、所定のピッチで本体胴1の内部に配設することにより、本体胴1の内部において各管25の管内4と管外5が隔離され、各管25の周囲に充填物層5aが配設された構造を有し、かつ、各単一管ユニット30の金属薄板15により囲まれた領域(管周囲領域)16の水平断面形状が、いずれも正六角形でそれぞれ同一の形状を有する熱交換構造体Aが形成されている。なお、ここで管周囲領域16の水平断面形状とは、金属薄板15に囲まれた、管外5(充填物層5a)、管25及び管内4を含む領域の形状をいう。
【0031】
また、この内部熱交換型蒸留塔においては、本体胴1の内壁と最外側の単一管ユニット30(30a)の間に形成される空間(外周領域)17、及び、各単一管ユニット30の間に形成される空間(隙間)18には気液が供給されないように(すなわち、蒸留部として機能しないように)構成されている。
【0032】
上述のように構成されたこの実施形態の内部熱交換型蒸留塔においては、下降液及び上昇蒸気の水平方向の流れが充填物層5aを囲む金属薄板15により遮断され、管外5を流下する液の流れる範囲が金属薄板15により囲まれた領域(管周囲領域)16に限定される。また、上昇蒸気は該管周囲領域16を流下する均一な液量の下降液を抵抗として、各管周囲領域16毎に上昇する。それゆえ、充填物層5aが配設された管外5の下部より、各管1本当たりについて均一な量の蒸気が、各管1本毎の管周囲領域16に供給されることになる。
【0033】
したがって、各管周囲領域16を通過する気液量は同一(一定)となり、充填物層5aが配設された管周囲領域16において、目標とする設計通りの気液接触を行わせて所望の蒸留性能を発揮させることが可能になる。
また、各管周囲領域16の水平断面積は、十分に小さくすることができるので、塔頂・塔底間の途中で集液・再分布を行うことを不要にして、装置の複雑化を招くことを回避することができる。
【0034】
なお、この内部熱交換型蒸留塔は、以下に説明するように、単一管ユニットを用いた製造方法により効率よく製造することができる。
(1)図1,2に示すような内部熱交換型蒸留塔を製造するにあたっては、管25の外周面を包囲するように充填物層5aが配設され、かつ、充填物層5aが金属薄板15により被覆され、金属薄板15により囲まれた領域(管周囲領域)16の水平断面形状がそれぞれ正六角形である複数の単一管ユニット30を予め作製しておく。
(2)それから、下側管板3bを含む本体胴1を、内部熱交換型蒸留塔を設置すべき所定の位置に据え付ける。
(3)次に、複数の単一管ユニット30を、下側管板3bと係合するように本体胴1内に配設する。
(4)その後、上側管板3aを取り付けることにより、複数の管25と本体胴1とを連結させる。
【0035】
上述の各工程を経ることにより、本体胴1の内部において各管25の管内4と管外5が隔離され、かつ、各管25の周囲に充填物層5aが配設されているとともに、各単一管ユニット30の金属薄板15により囲まれた管周囲領域16の水平断面形状がそれぞれ正六角形で同一である熱交換構造体Aを備えた内部熱交換型蒸留塔を効率よく製造することができる。
【0036】
なお、本願発明の内部熱交換型蒸留塔では、管25の外周面と充填物層5aの接触部の組み立て具合の良否が熱交換性能に直接関係するが、例えばメーカー工場内などにおいて、この部分を単一管ユニット30として予め組み立てておくようにした場合、管25の外周面と充填物層5aの接触状態を良好なものとして、十分な熱交換性能を確保することが可能になり、本願発明を実効あらしめることが可能になる。
【0037】
なお、上記実施形態では、金属薄板15により囲まれた領域(管周囲領域)16の水平断面形状がそれぞれ正六角形である単一管ユニット30を用いた場合を例にとって説明したが、図3に示すように、金属薄板15により囲まれた領域(管周囲領域)16の水平断面形状がそれぞれ円形である単一管ユニット30を用いることも可能であり、さらには、図4に示すように、金属薄板15により囲まれた領域(管周囲領域)16の水平断面形状が十二角形であるような単一管ユニット30を用いることも可能である。なお、図3,図4において、図2と同一符号を付した部分は、同一部分又は相当する部分を示す。
【0038】
なお、管周囲領域の形状はこれらに限られるものではなく、管の配設態様などに応じて、さらに他の形状とすることも可能であり、四角形、八角形その他の種々の形状とすることも可能である。
【0039】
また、上記実施形態では、管外が回収部である場合を例にとって説明したが、管内が回収部となるように構成された内部熱交換型蒸留塔にも適用することが可能であり、その場合にも上記実施形態の場合と同様の効果を得ることが可能である。
【0040】
本願発明はさらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0041】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)の内部熱交換型蒸留塔は、管の外周面を包囲するように充填物層(充填物が充填された層)が配設され、かつ、管の外周面に配設された充填物層が金属薄板により被覆された構造を有する複数の単一管ユニットを、所定のピッチで本体胴の内部に配設することにより、本体胴の内部において各管の管内と管外が隔離され、かつ、少なくとも各管の周囲に充填物層が配設されているとともに、各単一管ユニットの金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状がそれぞれ同一の形状を有する熱交換構造体を形成するようにしているので、下降液及び上昇蒸気の水平方向の流れを充填物層を囲む金属薄板により遮断して、管外を流下する液の流れる範囲を金属薄板により囲まれた領域(管周囲領域)に限定することが可能になるとともに、上昇蒸気を、該管周囲領域を流下する均一な液量の下降液を抵抗として、各管周囲領域毎に上昇させることが可能になる。
したがって、充填物が充填された管外の下部より、各管1本当たりについて均一な量の蒸気を、各管1本毎の管周囲領域に供給して各管周囲領域を通過する気液量を一定とし、目標とする設計通りの気液接触を充填物層が配設された管周囲領域で行わせて、所望の蒸留性能を発揮させることが可能になる。
【0042】
また、各管周囲領域の水平断面積は十分に小さくすることができるので、塔頂・塔底間の途中で集液・再分布を行うことを不要にして、装置の複雑化を招くことを回避することができる。
【0043】
また、請求項2の内部熱交換型蒸留塔のように、金属薄板により囲まれた領域(管周囲領域)の水平断面形状を正六角形、十二角形、及び円形のいずれかとした場合、気液接触状態に偏りが生じにくい平面形状を有する管外領域(管周囲領域)を形成することが可能になるとともに、管外のスペースを有効に利用することが可能になり、本願発明を実効あらしめることが可能になる。
【0044】
また、請求項3の内部熱交換型蒸留塔のように、複数の管の内部にも充填物が充填された構造とすることにより、管内において、目標とする設計通りの気液接触を行わせて、さらに優れた蒸留性能を発揮させることが可能になる。
【0045】
また、請求項4の内部熱交換型蒸留塔のように、金属薄板により囲まれた領域の外側の空間を蒸留部としないようにした場合、気液接触状態に偏りが生じにくい水平断面形状(例えば、正六角形、十二角形、円形など)を有する管外領域を容易に形成することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
なお、この場合、本体胴の内部に、蒸留部とならない領域が形成されることになり、設備がいくらか大型化することになるが、蒸留部とならない領域の水平断面積の、本体胴の水平断面積に対する割合はそれほど大きくならないようにすることが可能であり、実用上問題となるほどの設備の大型化を招くことはない。
【0046】
また、本願発明(請求項5)の内部熱交換型蒸留塔の製造方法は、管の外周側に充填物が充填された層(充填物層)が配設され、かつ、管の外周面に配設された充填物層が金属薄板により被覆され、金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状がそれぞれ同一である複数の単一管ユニットを用意しておき、下側管板を含む本体胴を所定位置に据え付けた後、複数の単一管ユニットを、下側管板と係合するように本体胴内に配設し、その後に上側管板を取り付けて、複数の管と本体胴とを連結させるようにしているので、製造工程を簡略化して、効率よく内部熱交換型蒸留塔を製造することが可能になる。
また、本願発明の内部熱交換型蒸留塔では、管の外周面と充填物層の接触部の組み立て具合の良否が、熱交換性能を支配する大きな要因となるが、例えばメーカー工場内などにおいて、この部分を単一管ユニットとして予め組み立てておくようにした場合、管の外周面と充填物層の接触状態を良好なものとして、十分な熱交換性能を確保することが可能になり、本願発明を実効あらしめることが可能になる。
【0047】
また、請求項6の内部熱交換型蒸留塔の製造方法のように、単一管ユニットとして、管の内部に充填物が充填された構造を有する単一管ユニットを用いるようにした場合、管内が充填塔であって、管内において目標とする設計通りの気液接触を行わせることが可能な、優れた蒸留性能を発揮する内部熱交換型蒸留塔を、製造工程を複雑にすることなく、効率よく製造することが可能になる。
【0048】
また、請求項7の内部熱交換型蒸留塔の製造方法のように、単一管ユニットとして、金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状が、正六角形、十二角形、及び円形のいずれかである単一管ユニットを用いることにより、気液接触状態に偏りが生じにくい平面形状を有する管外領域(管周囲領域)を備えた内部熱交換型蒸留塔を効率よく製造することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態にかかる内部熱交換型蒸留塔の主要部の構造を模式的に示す正面断面図である。
【図2】本願発明の一実施形態にかかる内部熱交換型蒸留塔の内部構造を示す平面断面図である。
【図3】本願発明の実施形態にかかる、他の単一管ユニットを用いた内部熱交換型蒸留塔を示す平面断面図である。
【図4】本願発明の内部熱交換型蒸留塔に用いられる単一管ユニットの他の変形例を示す平面断面図である。
【図5】本願発明が関連する従来の内部熱交換型蒸留塔の構成を示す図である。
【符号の説明】
1    本体胴
3a   上側管板
3b   下側管板
4    管内(濃縮部)
4a   管内に配設された充填物(規則充填物)
5    管外(回収部)
5a   管外に配設された充填物(規則充填物)
6    回収部液入口
7    回収部蒸気出口
8    濃縮部液入口
9    濃縮部蒸気出口
10   回収部蒸気入口
11   回収部液出口
12   濃縮部蒸気入口
13   濃縮部液出口
14a,14b  端室
15   金属薄板
16   管周囲領域
17   外周領域
18   管を包囲しない空間
25   管
30   単一管ユニット
30a  最外側の単一管ユニット
A    熱交換構造体

Claims (7)

  1. 複数の管を両端管板によって本体胴と連結することにより、本体胴の内部において各管の管内と管外が隔離され、かつ、管内及び管外のそれぞれが気液の出入口を備えた構造とするとともに、
    管内側と管外側の操作圧力に差をつけることにより操作温度を異ならせ、各管の管壁を伝熱面として、高圧側から低圧側に熱移動させることにより、高圧側が濃縮部、低圧側が回収部として機能するように構成された内部熱交換型蒸留塔であって、
    前記複数の管を構成する管の外周面を包囲するように充填物層が配設され、かつ、管の外周面に配設された前記充填物層が金属薄板により被覆された構造を有する複数の単一管ユニットが、所定のピッチで本体胴の内部に配設されることにより、本体胴の内部において各管の管内と管外が隔離され、かつ、少なくとも各管の周囲に充填物層が配設されているとともに、各単一管ユニットの金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状がそれぞれ同一である熱交換構造体が形成されていること
    を特徴とする内部熱交換型蒸留塔。
  2. 前記金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状が、正六角形、十二角形、及び円形のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の内部熱交換型蒸留塔。
  3. 前記複数の管の内部に充填物が充填されていることを特徴とする請求項1又は2記載の内部熱交換型蒸留塔。
  4. 前記金属薄板により囲まれた領域の外側の空間を蒸留部としないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内部熱交換型蒸留塔。
  5. 複数の管を上側管板及び下側管板によって本体胴と連結することにより、本体胴の内部において各管の管内と管外が隔離され、かつ、管内及び管外のそれぞれが気液の出入口を備えた構造とするとともに、
    管内側と管外側の操作圧力に差をつけることにより操作温度を異ならせ、各管の管壁を伝熱面として、高圧側から低圧側に熱移動させることにより、高圧側が濃縮部、低圧側が回収部として機能するように構成された内部熱交換型蒸留塔の製造方法であって、
    管の外周面を包囲するように充填物層が配設され、かつ、管の外周面に配設された前記充填物層が金属薄板により被覆され、金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状がそれぞれ同一である複数の単一管ユニットを予め用意する工程と、
    下側管板を含む本体胴を所定位置に据え付ける工程と、
    前記複数の単一管ユニットを、前記下側管板と係合するように本体胴内に配設する工程と、
    上側管板を取り付けることにより、前記複数の管と本体胴とを連結させる工程と
    を具備することを特徴とする内部熱交換型蒸留塔の製造方法。
  6. 前記単一管ユニットとして、前記管の内部に充填物が充填された構造を有する単一管ユニットを用いることを特徴とする請求項5記載の内部熱交換型蒸留塔の製造方法。
  7. 前記単一管ユニットとして、金属薄板により囲まれた領域の水平断面形状が、正六角形、十二角形、及び円形のいずれかである単一管ユニットを用いることを特徴とする請求項5又は6記載の内部熱交換型蒸留塔の製造方法。
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