[go: up one dir, main page]

JP2004014611A - 支持体付き絶縁フィルム、多層配線板およびその製造方法 - Google Patents

支持体付き絶縁フィルム、多層配線板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004014611A
JP2004014611A JP2002162826A JP2002162826A JP2004014611A JP 2004014611 A JP2004014611 A JP 2004014611A JP 2002162826 A JP2002162826 A JP 2002162826A JP 2002162826 A JP2002162826 A JP 2002162826A JP 2004014611 A JP2004014611 A JP 2004014611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
insulating resin
insulating
wiring board
multilayer wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002162826A
Other languages
English (en)
Inventor
Shin Takanezawa
高根沢 伸
Takashi Morita
森田 高示
Takako Watanabe
渡▲辺▼ 貴子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2002162826A priority Critical patent/JP2004014611A/ja
Publication of JP2004014611A publication Critical patent/JP2004014611A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

【課題】環境に悪影響を与える可能性があるブロム化合物を使用しないで難燃性を有し、鉛フリー化に対応可能な高いはんだ耐熱性と機械的や熱的な応力集中に耐えられるような絶縁樹脂塗膜の高引っ張り伸び率を実現させ、さらに粗化後の表面粗さRzを1〜3μmにして微細配線化に対応可能な特性に優れた多層配線板を提供する。
【解決手段】内層回路を有する基板の片面または両面に絶縁層及び外層回路層が逐次積層されている多層配線板であって、
絶縁層が、(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂と、(B)アクリロニトリルブタジエンの共重合物の粒子状物と線状ポリマの混合物と、(C)リン含有フェノール樹脂と、(D)熱硬化剤と、(E)無機フィラーとを含む絶縁樹脂組成物が硬化してなる絶縁樹脂層を含む多層配線板。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持体付き絶縁フィルム、多層配線板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多層配線板を製造するには、片面または両面に内層回路を形成した絶縁基板上に、プリプレグと呼ばれるガラス布にエポキシ樹脂を含浸し半硬化状態にした材料を銅箔と重ねて熱プレスにより積層一体化した後、ドリルで層間接続用のスルーホールと呼ばれる穴をあけ、スルーホール内壁と銅箔表面上に無電解めっきを行って、必要ならば更に電解めっきを行って回路導体として必要な厚さとした後、不要な銅を除去して多層配線板を製造するのが一般的であった。
ところで、近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化が一段と進み、これに伴い、LSIやチップ部品等の高集積化が進みその形態も多ピン化、小型化へと急速に変化している。この為、多層配線板は、電子部品の実装密度を向上するために、微細配線化の開発が進められている。これらの要求に合致する多層配線板の製造手法として、ガラスクロスを含まない絶縁樹脂をプリプレグの代わりに絶縁層として用い、必要な部分のみビアホールで接続しながら配線層を形成するビルドアップ方式の多層配線板があり、軽量化や小型化、微細化に適した手法として主流になりつつある。
【0003】
また、環境意識の高まりから燃焼時に有害な物質を発生する可能性がある材料は電子部品も含めて規制する動きが活発になっている。従来の多層配線板には、燃焼時に有害な物質を発生する可能性があるブロム化合物が難燃化のために使用されてきたが近い将来使用が困難になると予想される。
さらに、電子部品を多層配線板に接続するために一般的に用いられるはんだも鉛を有さない鉛フリーはんだが実用化されつつある。この鉛フリーはんだは、従来の共晶はんだよりも使用温度が約20〜30℃高くなることから従来にもまして材料には高いはんだ耐熱性が必要になっている。
【0004】
このように、多層配線板に要求される項目は年々厳しくなり、特に基板と回路を接続する重要な役割をもつ絶縁層は更なる高性能化が必要になる。
しかしながら、多層配線板の薄型化のためにガラスクロスを含まない絶縁樹脂層は、ガラスクロスを含まないために絶縁樹脂の機械的物性の善し悪しが多層配線板の特性に大きく影響する。具体的には、絶縁樹脂が硬くて伸びが小さく脆い性質の場合、多層配線板の製品サイズへの打ち抜き加工時の機械的なストレスにより絶縁樹脂にクラックや欠けが生じ導通あるいは絶縁信頼性に大きな支障を与えることになる。また、機器の小型化や多機能化を達成するために電子部品が面実装型へ移行することで絶縁樹脂と電子部品の距離が狭小化し、絶縁樹脂には電子部品の熱的な応力が集中しやすくなってきた。すなわち、絶縁樹脂が硬くて伸びが小さく脆い性質の場合は、電子部品やそれを多層配線板と接続させるはんだや銅の熱的な応力集中により絶縁樹脂内部やはんだや銅にクラックを発生しやすくさせてしまう。
このようなことから、絶縁樹脂には機械的や熱的な応力集中に耐えられるような変形すなわち引っ張り伸び率が大きい性質が要求されるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、引っ張り伸び率を大きくする手法としては一般に熱可塑性の高分子量成分を導入する手法がとられるが高分子量成分を導入するとガラス転移点の低下は避けられないのが通例であった。
また、環境に影響しないようにブロム化合物を使用せずに、高いはんだ耐熱性を有する絶縁樹脂は現段階で開発されていないのが実状である。その理由としては、難燃剤を用いると絶縁樹脂全体の分解温度が低下しやすくなりはんだ付け温度での分解が進行してはんだ耐熱性が低下するからである。
さらに、電子機器の小型化、高機能化が進み配線板の微細化が進んでいる。この微細配線化には回路導体のエッチング精度の点から絶縁樹脂と回路導体を接着する界面の粗さをできるだけ小さく必要がある。このため、最近では銅箔メーカから銅箔の粗化後の表面粗さRzが従来の7〜8μmから3〜4μmのような低粗化箔が実用化されてきた。しかしながら、絶縁樹脂と回路導体を接着する界面の粗さは絶縁樹脂と回路導体との接着強度に重要な影響を与えており、界面の粗さが小さくなるほど接着強度は低下してしまう。このため、低粗さでも高い接着強度を発現できる絶縁樹脂が必要になっている。
【0006】
本発明は、環境に悪影響を与える可能性があるブロム化合物を一切使用せずに難燃性を有し、鉛フリー化に対応可能な高いはんだ耐熱性と機械的や熱的な応力集中に耐えられるような絶縁樹脂の塗膜の高引っ張り伸び率を実現させ、かつ微細配線化に対応可能なように塗膜の接着強度を維持しつつ粗化後の粗さが低い絶縁樹脂を半硬化状態とした支持体付き絶縁フィルム、このフィルムを絶縁層に用いた多層配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような問題を解決するために研究を進めた結果、多層配線板における絶縁層として、ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂とアクリロニトリルブタジエンの共重合物とリン含有フェノール樹脂と熱硬化剤と無機フィラーを必須として含んだ絶縁樹脂を用いれば、環境に悪影響を与える可能性があるブロム化合物を一切使用しないで難燃性を有し、鉛フリー化に対応可能な高いはんだ耐熱性と機械的や熱的な応力集中に耐えられるような絶縁樹脂塗膜の高引っ張り伸び率を実現させ、さらに多層配線板の微細配線化に対応可能なように粗化後の表面粗さをRzで1〜3μmの範囲内にできることを見出した。
【0008】
すなわち、(1)本発明の支持体付き絶縁フィルムは、(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂と、(B)アクリロニトリルブタジエンの共重合物の粒子状物と線状ポリマの混合物と、(C)リン含有フェノール樹脂と、(D)熱硬化剤と、(E)無機フィラーとを含む絶縁樹脂組成物の半硬化状態のフィルムが支持体表面に形成されてなることを特徴とする支持体付き絶縁フィルムを要旨とする。
【0009】
(2)本発明の第一の多層配線板は、内層回路を有する基板の片面または両面に絶縁層及び外層回路層が逐次積層されている多層配線板であって、
絶縁層が、(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂と(B)アクリロニトリルブタジエンの共重合物の粒子状物と線状ポリマの混合物と(C)リン含有フェノール樹脂と(D)熱硬化剤と(E)無機フィラーとを含む絶縁樹脂組成物が硬化してなる絶縁樹脂層を含む多層配線板を要旨とする。
【0010】
(3)本発明の第二の多層配線板は、内層回路を有する基板の片面または両面に絶縁層及び外層回路層が逐次積層されている多層配線板であって、絶縁層が、上記(1)の支持体付き絶縁フィルムのフィルムが硬化してなる絶縁樹脂層を含む多層配線板を要旨とする。
【0011】
(4)前記(2)または(3)記載の多層配線板において、絶縁樹脂層の引っ張り伸び率が4%以上であることが好ましい。
(5)前記(2)〜(4)いずれか記載の多層配線板において、絶縁樹脂層の外層回路層との界面の表面粗さが、Rzで1〜3であることが好ましい。
(6)前記(2)〜(5)いずれか記載の多層配線板において、前記(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂が絶縁樹脂組成物の全固形分中の割合で35〜60重量%であり、かつ前記(A)エポキシ樹脂と、(B)アクリロニトリルブタジエンの共重合物の粒子状物と線状ポリマの混合物との固形分配合比が重量比で80/20〜95/5であることが好ましい。
(7) 前記(2)〜(6)のいずれか記載の多層配線板において、(C)リン含有フェノール樹脂中のリン含有量が(E)無機フィラーを除く前記絶縁樹脂組成物の固形分中で0.7〜3.0重量%であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の多層配線板の製造方法は(8)前記(2)〜(7)のいずれか記載の多層配線板を製造する方法であって、
(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂と(B)アクリロニトリルブタジエンの共重合物の粒子状物と線状ポリマの混合物と(C)リン含有フェノール樹脂と(D)熱硬化剤と(E)無機フィラーとを含む絶縁樹脂組成物層を含む層を、内層回路を有する基板に積層する工程(イ)、
絶縁樹脂組成物を硬化して絶縁樹脂層を得る工程(ロ)、
絶縁樹脂層表面に外層回路層を形成する工程(ハ)、
を含む多層配線板の製造方法を要旨とする。
【0013】
(9) 前記(8)記載の多層配線板の製造方法において、前記工程(ロ)では、絶縁樹脂層を得た後に絶縁樹脂層表面を酸化性粗化液で粗化処理する工程を含むことが好ましい。
(10) 前記(8)または(9)記載の多層配線板の製造方法において、前記工程(ハ)では、銅めっきにより外層回路を形成することが好ましい。
(11) 前記(8)〜(10)のいずれか記載の多層配線板の製造方法において、前記工程(イ)では、絶縁樹脂組成物のワニスを支持体に塗布、乾燥して支持体付き絶縁層を作製し、この支持体付き絶縁フィルムを、内層回路を有する基板上に積層することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明における絶縁樹脂組成物およびそれを硬化させた絶縁樹脂の組成に付いて説明する。
(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂とは、分子中にビフェニル誘導体の芳香族環を含有したノボラック構造のエポキシ樹脂であり、日本化薬株式会社製のNC−3000S(商品名)やNC−3000S−H(商品名)が使用できる。
【0015】
(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂の配合量は、溶剤を除いた絶縁樹脂組成物の全固形分中の割合で35〜60重量%であるのが好ましく、かつ(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂と(B)アクリロニトリルブタジエン共重合物の粒子状物と線状ポリマの混合物との固形分配合比(重量比、以下同じ。)が80/20〜95/5であるのが好ましい。前記(A)成分の配合量が、35重量%未満でははんだ耐熱性が低下し、60重量%を超えると回路導体との接着強度が低下する傾向がある。また、(A)成分と(B)成分との前記固形分配合比において、80/20よりも(A)成分が減るとはんだ耐熱性が悪化し、逆に95/5よりも(B)成分が増えると塗膜の引っ張り伸び率が低下する傾向がある。
【0016】
(B)アクリロニトリルブタジエンの共重合物の粒子状物と線状ポリマとの混合物は、アクリロニトリルブタジエンの共重合物として、アクリロニトリルとブタジエンとを共重合したNBRが挙げられ、アクリロニトリルとブタジエンとアクリル酸などのカルボン酸とを共重合したものも使用可能である。これらは、共重合する段階で架橋しないで得られる線状NBRと、部分的に架橋した粒子状NBRとの2種の混合物である。この混合物の配合割合は、固形分比で同量付近が全ての特性面で良好であるが、例えば前記アクリロニトリルとブタジエンとカルボン酸を共重合した混合物の場合、線状NBRと粒子状NBRとの配合比が3/7〜8/2までが好適に使用可能である。この場合、線状NBRが配合比で3/7よりも減ると絶縁樹脂を塗布、乾燥後の塗膜に凹凸が生じ、逆に8/2よりも増えると粗化後の粗さが大きくなり微細粗化形状に適さなくなる傾向がある。
【0017】
(C)リン含有フェノール樹脂は、2官能フェノール樹脂と有機リン化合物を反応して得られたものであり、例えば、三光株式会社製のHCA−HQ(商品名)等が使用できる。その含有量は、リン含有%が無機フィラーを除く絶縁樹脂組成物の固形分中で0.7〜3重量%の範囲になるようにするのが難燃性を発現するために好ましい。リン含有%が0.7%未満では難燃性の発現に不十分であり、リン含有%が3%を超えるとはんだ耐熱性が低下するためである。
【0018】
(D)熱硬化剤は、ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂中のエポキシ基とリン含有フェノール樹脂との反応促進のために使用される。熱硬化剤は、各種フェノール樹脂類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジット類などが使用できる。フェノール樹脂類としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが使用でき、酸無水物類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等が使用でき、アミン類として、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が使用できる。回路導体との接着性からジシアンジアミドが好ましく、耐熱性や絶縁性も考慮するとジシアンジアミドとノボラックフェノールを併用することがさらに好ましい。
これらの熱硬化剤は、エポキシ基に対して0.5〜1.5当量であるのが好ましい。熱硬化剤がエポキシ基に対して0.5当量未満の場合は外層銅との接着性が低下し、1.5当量を超えるとTgや絶縁性が低下する場合がある。
【0019】
また、熱硬化剤の他に、必要に応じて反応促進剤を使用することができる。反応促進剤としては潜在性の熱硬化剤である各種イミダゾール類やBFアミン錯体が使用できる。さらに好ましくは、絶縁樹脂組成物の保存安定性やBステージ状(半硬化状)の絶縁樹脂組成物の取り扱い性及びはんだ耐熱性の点から2−フェニルイミダゾールや2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましく、その配合量はビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂の配合量に対して0.2〜0.6重量%が最適である。0.2重量%未満では、はんだ耐熱性が十分ではなく、0.6重量%を超えると絶縁樹脂組成物の保存安定性やBステージ状の絶縁樹脂組成物の取り扱い性が低下するためである。
【0020】
(E)無機フィラーは、例えばシリカ、溶融シリカ、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、エーロジル、炭酸カルシウムの中から選ばれるものが使用可能であり、これらは単独でもあるいは混合して用いても良い。なお、難燃性や低熱膨張の点から水酸化アルミニウムとシリカとを単独あるいは併用して用いるのが良い。またその配合量は、溶剤を除く絶縁樹脂組成物全体の固形分中で5〜30vol%にするのが好ましい。さらに好ましくは、10〜20vol%であり、5vol%未満では外層回路導体との接着力が劣り、また30vol%を超えると粗化後の表面粗さが大きくなることがあり、微細粗化形状に不適になる。
これらの無機フィラーは、分散性を高める目的でカップリング剤で処理しても良く、ニーダー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール等既知の混練方法により分散しても良い。
【0021】
本発明における絶縁樹脂組成物は、前記(A)〜(E)の必須成分を配合して得られる他、通常の樹脂組成物に使用されるチキソ性付与剤、界面活性剤、カップリング剤等の各種添加剤を適宜配合できる。これらを充分に撹拌した後、泡がなくなるまで静置して絶縁樹脂組成物を得ることができる。
【0022】
本発明における絶縁樹脂組成物は溶剤中で混合して希釈または分散させてワニスの形態とするのが作業性の点で好ましい。この溶剤には、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチルエトキシプロピオネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を使用できる。これらの溶剤は、単独あるいは混合系でも良い。この溶剤の前記樹脂組成物に対する割合は、従来使用している割合でよく、絶縁樹脂組成物の塗膜形成の設備にあわせてその使用量を調整する。
絶縁樹脂組成物をコンマコータでキャリアフィルムや銅箔に塗工する場合は、溶剤を除く樹脂組成物の固形分がワニス中30〜60重量%となるように溶剤の使用量を調節することが好ましい。
【0023】
本発明の支持体付き絶縁フィルムは、上述の絶縁樹脂組成物の半硬化状態のフィルムが支持体表面に形成されてなることを特徴とする。
支持体付き絶縁フィルムを得るには、例えば、絶縁樹脂組成物のワニスを前記のように作製し、このワニスを支持体上に塗布し、乾燥する方法が挙げられる。また、ワニスを支持体上に塗布する場合はコンマコータ、バーコータ、キスコータ、ロールコーター等が利用でき、絶縁フィルムの厚みによって適宜使用される。塗布厚、塗布後の乾燥条件等は使用目的に合わせて適宜選択されるため特に制限するものではないが、一般にワニスに使用した溶剤が80重量%以上揮発していることが好ましい。
絶縁フィルムが表面に形成される支持体としては、PET等のプラスチックフィルムや金属箔等が挙げられ、絶縁フィルム硬化後に支持体を剥離除去する場合は離型性のプラスチックフィルム等が好ましい。
【0024】
本発明の多層配線板は、内層回路を有する基板の片面または両面に絶縁層及び外層回路層が逐次積層されている。そして、絶縁層には、前記絶縁樹脂組成物が硬化してなる絶縁樹脂層が含まれることを特徴とする。前記絶縁樹脂組成物は多層配線板作製時の熱履歴により硬化される。
また、絶縁樹脂層が、前記本発明の支持体付き絶縁フィルムのフィルムが硬化してなる絶縁樹脂層であってもよい。
【0025】
本発明における絶縁樹脂層の、引っ張り伸び率は4%以上が好ましい。なお、上限は、他の特性に支障が生じない限り、特に制限するものではない。4%よりも低いと機械的または熱的な応力集中に耐えられるような変形が少なくなるため、電子部品やそれを多層配線板と接続させるはんだや銅の熱的な応力集中により絶縁樹脂内部にクラックを発生しやすくなる傾向がある。
本発明における絶縁樹脂層の粗化処理後の表面粗さは、Rzが1〜3の範囲内であるのが好ましい。
なお、本発明における引っ張り伸び率とは、引張り試験機によって膜状の試料を一定速度で引張ったときに試料が伸びる割合、すなわち、例えば厚さ50μmの試料を10mm×100mmの短冊状に切断し、長尺方向の両端10mmを固定して5mm/分の速度で引張った場合に、試料が切断されるまでに試料が伸びる割合を示す。
また、Rzは、表面粗さの内、十点平均粗さ、すなわち対象物表面の抜き取り部分中で、最高から五番目までの山頂の平均線からの絶対値の平均値と、最低から五番目までの谷底の平均線からの絶対値の平均値との和を示すパラメータである(JIS B0601)。本発明では抜き取り部分149μmからRz(μm)を得た。
【0026】
本発明の多層配線板は、次のような本発明の多層配線板の製造方法により製造することができる。
図1を参照して、前記の絶縁樹脂組成物を用いて多層配線板を製造する工程を説明する。図1の(a)〜(i)は多層配線板を製造する工程の一例を説明する断面図である。
まず、絶縁基板2上に第一の回路層1aを形成した回路板3を用意する[図1(a)参照]。
回路板は、例えば、第一の回路層(内層配線)が表面に形成された内層基板であり、内層基板として、通常の配線板において用いられている公知の積層板、例えば、ガラス布−エポキシ樹脂、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス紙−エポキシ樹脂等が使用でき特に制限はない。また、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を含浸させたBT基板、さらにはポリイミドフィルムを基材として用いたポリイミドフィルム基板等も用いることができる。
【0027】
また、回路層1aを形成するための方法についても特に制限はなく、銅箔と前記絶縁基板を張り合わせた銅張り積層板を用い、銅箔の不要な部分をエッチング除去するサブトラクティブ法や、前記絶縁基板の必要な個所に無電解めっきによって回路を形成するアディティブ法等、公知の配線板の製造方法を用いることができる。
【0028】
また、図1(a)には絶縁基板2の片面に回路層1aを形成した例を示すが、両面銅張積層板を用いて回路層1aを絶縁基板2の両面に形成することもできる。
【0029】
次に、必要に応じて回路層1aの表面を接着性に適した状態に表面処理する。この手法も、特に制限はなく、例えば、次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ水溶液により回路層1aの表面に酸化銅の針状結晶を形成し、形成した酸化銅の針状結晶をジメチルアミンボラン水溶液に浸漬して還元するなど公知の製造方法を用いることができる。
【0030】
(イ)そして、回路層1aを有する回路板3の片面若しくは両面に絶縁樹脂組成物層4bを形成する[図1(b)参照]。図1(b)では、回路層1aは回路板3の片面に形成されているが、両面に形成されていても良く、この場合は絶縁樹脂組成物層4bを回路板3の両面に形成できる。また、この形成方法に特に制限はない。例えば、前記本発明の支持体付き絶縁フィルムを回路板3に積層して形成する方法が挙げられる。また、直接回路層1aを有する回路板3の片面若しくは両面にカーテンコートやロールコーターを用いて塗工して層を形成する方法が挙げられる。
【0031】
ワニスを回路板上に塗布する場合はバーコート、スピンコート、スクリーン印刷など一般の塗布方法が使用できる。何れの場合も塗布厚、塗布後の乾燥条件等は特に制限するものではないが、ワニスに使用した溶剤が80重量%以上揮発していることが好ましい。
支持体付き絶縁フィルムを用いる場合、ワニスが塗布される支持体としては、PET等のプラスチックフィルムや金属箔等が挙げられ、ワニス硬化後に支持体を剥離除去する場合は離型性のプラスチックフィルム等が好ましい。また、支持体が銅箔等金属箔の場合は、剥離せずに後述する第二の回路層として引き続き用いることができる。支持体付き絶縁フィルムは、絶縁樹脂組成物層を回路板の回路層と接する面側に向け、ラミネート法やプレス装置を用いて回路板3に積層される。
【0032】
(ロ)その後、絶縁樹脂組成物層を加熱硬化させて絶縁樹脂層である第一の絶縁層6cとするが[図1(c)参照]、その硬化温度は後のめっき処理や銅のアニール処理などを考慮した温度や時間で行う。すなわち、あまり硬化を進めると後のめっき処理時に銅との接着性が低下したり、反面硬化が足りないとめっき処理時のアルカリ処理液に浸食されめっき液に溶解するような現象が生じたりする。これらのことを考慮すると、150〜190℃で30〜90分間の熱処理を与えて硬化するのが望ましい。
前記支持体付き絶縁フィルムを使用した場合は、加圧積層工程と加熱硬化工程とは同時でも別でもよい。加圧積層条件は、半硬化状態の絶縁樹脂組成物に回路層1aの凹凸が埋め込まれれば良く、通常0.5〜20MPaが好ましい。
【0033】
さらに、内層回路である第一の回路層1aと外層回路を層間接続するために第一の絶縁層6cにビアホール5cを形成することもできる[図1(c)参照]。このビアホールの形成手法として特に制限はなく、レーザ法やサンドブラスト法などを用いることができる。
【0034】
(ハ)次に、以下のような回路加工を施すことにより第二の回路層1dを形成し、さらに第一の回路層1aと第二の回路層1dとの層間接続を形成する[図1(d)参照]。
まず、外層回路である第二の回路層1dを第一の絶縁層6c上にめっき法で形成する場合は、第一の絶縁層6cを粗化処理するのが好ましい。粗化液としては、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液、ホウフッ酸粗化液などの酸化性粗化液を用いることができる。粗化処理としては、例えば、先ず膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとNaOHとの水溶液を70℃に加温して第一の絶縁層6cを5分間浸漬処理する。次に、粗化液として、KMnOとNaOHとの水溶液を80℃に加温して10分間浸漬処理する。引き続き、中和液、例えば塩化第一錫(SnCl)の塩酸水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和する。
【0035】
粗化処理後、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行う。めっき触媒処理は、塩化パラジウム系のめっき触媒液に浸漬して行われる。
次に、無電解めっき液に浸漬して第一の絶縁層6c表面全面(ビアホールを形成した場合はビアホール内面を含む)に厚さが0.3〜1.5μmの無電解めっき層(導体層)を析出させる。必要により、更に電気めっきを行って必要な厚さとする。無電解めっきに使用する無電解めっき液は、公知の無電解めっき液を使用することができ、特に制限はない。また、電気めっきについても公知の方法によることができ特に制限はない。これらのメッキは銅メッキであることが好ましい。
さらに不要な箇所をエッチング除去して第二の回路層1dと第一の回路層1a及び第二の回路層1dの層間接続とを形成することができる。
【0036】
また、絶縁樹脂組成物層の形成に銅箔付絶縁フィルムを用いた場合は、外層回路(第二の回路層1d)をエッチング法を用いて形成する。このエッチング法を用いる手法に特に制限はなく、厚み3μm程度の極薄銅箔を用いてパターンめっき法も用いることができる。この銅箔付絶縁フィルムを用いた場合の層間接続は、レーザ法等の方法でビアホールを設けた後、メッキ等により形成できる。
なお、第二の回路層1dを形成するための手法としては、前記の粗化した絶縁層表面に無電解めっき用の触媒を付与して全面に無電解めっき銅を析出させ、必要な場合には電気めっきによって回路導体を必要な厚さにして、不要な箇所をエッチング除去して形成する方法の他に、めっき触媒を含有した絶縁層を用いて、めっきレジストを形成して必要な箇所のみ無電解めっきにより回路形成する方法、及びめっき触媒を含有しない絶縁層を粗化し、めっき触媒を付与した後めっきレジストを形成して必要な箇所のみ無電解めっきにより回路形成する方法等を用いることができる。
【0037】
さらに、第一の回路層1aの表面処理と同様にして第二の回路層1dの表面処理を行い、前記絶縁樹脂組成物層4bの形成と同様にして絶縁樹脂組成物層4eを形成する[図1(e)参照]。次いで、絶縁樹脂組成物層4eを硬化させて第二の絶縁層6fとし、また、ビアホール5fを形成する[図1(f)参照]。さらに、同様にして第三の回路層1gを形成する[図1(g)参照]。
以下、更に同様の工程を繰り返して層数の多い多層配線板を製造できる。
【0038】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.8mmt、両面粗化箔を両面に有する日立化成工業株式会社製MCL−E−67(商品名)]の片面にエッチングを施して片面に回路層(以下、第一の回路層とする。)を有する回路板を作製した。
【0039】
(2)下記組成の絶縁樹脂組成物のワニスを作製した。この時のエポキシに対する熱硬化剤の当量は1.0当量とした。この絶縁樹脂組成物のワニスをPETフィルム上に塗工し、100℃−10分乾燥して膜厚50±3μmの支持体付絶縁フィルムのロールを作製した。さらに、この支持体付絶縁フィルムと前記回路板を、絶縁樹脂組成物層を回路板の第一の回路層と接する面側にしてバッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(名機株式会社製、商品名)を用いて積層した。
【0040】
[組成]
・(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂:NC3000S−H
(日本化薬株式会社社製、商品名)       82重量部
・(B)カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム(線状NBR)のPNR−1H (JSR株式会社製、商品名)と粒子状NBRのXER−91 (JSR株式会社、商品名)を固形分比で1対1で混合した混合物    12重量部
・(C)リン含有フェノール樹脂:HCA−HQ
(三光株式会社製、商品名)         28重量部
・(D)熱硬化剤:ジシアンジアミド (日本カーバイド株式会社製)
1重量部
・(D)熱硬化剤:ノボラックフェノール樹脂(HP−850)
(日立化成工業株式会社製、商品名)      5重量部
・反応促進剤:2−フェニルイミダゾール
(四国化成工業株式会社製、商品名2PZ)   0.3重量部
・(E)無機フィラー:水酸化アルミニウム(ハイジライトH−42M)
(昭和電工株式会社製、商品名)       22重量部
・(E)無機フィラー:球状シリカ(アドマファインSO−25R)
(株式会社アドマテックス社製、商品名)   20重量部
・溶剤:メチルエチルケトン          40重量部
・溶剤:ジメチルホルムアミド         26重量部
【0041】
(3)次に、PETフィルムを剥がした後、180℃―60分の硬化条件で前記絶縁樹脂組成物層を硬化して第一の絶縁層を得た。
(4)この第一の絶縁層に層間接続用のビアホールを日立ビアメカニクス製COレーザ加工機(LCO−1B21型)を使用し、ビーム径80μm、周波数500Hzでパルス幅5μsec、ショット数7の条件で加工して作製した。
【0042】
(5)第一の絶縁層を化学粗化するために、膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:200ml/L、NaOH:5g/Lの水溶液を作製し、70℃に加温して5分間浸漬処理した。次に、粗化液として、KMnO:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液を作製し、80℃に加温して10分間浸漬処理した。引き続き、中和液(SnCl:30g/L、HCl:300ml/L)の水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和した。
【0043】
(6)第一の絶縁層表面に第二の回路層を形成するために、まず、PdClを含む無電解めっき用触媒であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に、室温−10分間浸漬処理し、水洗し、無電解銅めっき用であるめっき液CUST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)に室温−15分間浸漬し、さらに硫酸銅電解めっきを行った。その後、アニールを180℃−30分間行い第一の絶縁層表面およびビアホール内に厚さ20μmの導体層を形成した。
次に、めっき導体の不要な箇所をエッチング除去するために、まず銅表面の酸化皮膜を#600のバフロール研磨で除去した後、エッチングレジストを形成し、次いでエッチングし、その後エッチングレジストを除去して、第一の回路層と接続したバイアホールを含む第二の回路形成を行った。
【0044】
(7)さらに、多層化するために、第二の回路導体表面を、亜塩素酸ナトリウム:50g/l、NaOH:20g/l、リン酸三ナトリウム:10g/lの水溶液に85℃−20分間浸漬し、水洗して、80℃−20分間乾燥して第二の回路導体表面上に酸化銅の凹凸を形成した。
(8)前記(2)〜(7)の工程を繰り返して三層の多層配線板を作製した。
【0045】
(実施例2)
実施例1において、無機フィラーを水酸化アルミニウムを用いずに球状シリカ(アドマファインSO−25R)単独とし、配合量を32重量部とした。その他は実施例1と同様にして行った。
【0046】
(実施例3)
実施例1において、支持体付絶縁フィルムを作製して該フィルムを第一の回路層に積層する代わりに、絶縁樹脂組成物のワニスを直接、回路板の第一の回路層を有する面側にロールコーターにより塗布し、110℃で10分間乾燥して膜厚50±3μmの絶縁樹脂組成物層を形成した。その他は、実施例1と同様にして行った。
【0047】
(実施例4)
実施例1において、配合量は同じのままカルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム(線状NBR)のPNR−1H (JSR株式会社、商品名)をアクリロニトリルブタジエンゴム(線状NBR)のN−220S (JSR株式会社、商品名)に置き換えた。その他は実施例1と同様にして行った。
【0048】
(比較例1)
実施例1において、エポキシ樹脂を配合量は同じ82重量部のままオルソクレゾールノボラック樹脂のYDCN−702(東都化成株式会社商品名)に置き換え、熱硬化剤の当量を実施例1に近いものとするため、ジシアンジアミドの配合量を2.9重量部、ノボラックフェノール樹脂の配合量を7重量部とした。その他は実施例1と同様にして行った。
【0049】
(比較例2)
実施例1において、粒子状NBRのXER−91 (JSR株式会社、商品名)を用いずに、カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム(線状NBR)のPNR−1Hを12重量部とした。その他は、実施例1と同様にして行った。
【0050】
以上のようにして作製した樹脂組成物のワニス及び多層配線板について、▲1▼難燃性、▲2▼絶縁樹脂塗膜の引っ張り伸び率、▲3▼絶縁樹脂の粗化後の表面粗さ、▲4▼外層回路との接着強度、▲5▼絶縁樹脂の冷熱サイクル試験下でのクラック発生率、▲6▼不飽和雰囲気下での絶縁信頼性加速試験、▲7▼288℃はんだ耐熱性試験を実施した。その結果を表1に示す。
[難燃性]
各実施例及び比較例において内層の回路板として用いた、前記ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板にエッチングを施して銅箔を完全に剥離した基板を作製し、この基板の両面に、片側の絶縁樹脂厚150μmとなるように前記ワニスを塗布して絶縁樹脂組成物層を形成した。そして、180℃−1時間後加熱を行うことにより、難燃性の試験片を作製した。試験法は、UL−94法に従い試験した。
【0051】
[塗膜の引っ張り伸び率]
各実施例及び比較例におけるワニスを銅箔に塗工し、配線板作製と同様の180℃―60分の熱処理を加えて硬化した。そして、銅をエッチング除去して硬化した絶縁樹脂塗膜を得た。この絶縁樹脂塗膜を厚さ50μm、幅10mm、長さ100mmに切断し、引張り速度約5mm/分でオートグラフ引っ張り試験(チャック間距離50mm)により、絶縁樹脂塗膜を引っ張り、破断するまでの引っ張り伸び率を求めた。
【0052】
[粗化後の表面粗さ:Rz]
各実施例及び比較例で得た多層配線板の外層回路をエッチングにより銅を除去した試験片を作製した。この試験片を2mm角程度に切断した。キーエンス社製超深度形状測定顕微鏡製品名VK−8500を用いて、試験片表面から測定長さ149μmを選択し、倍率2000倍、分解能0.05μmの条件で観察し、149μm中の十点平均粗さ(Rz)を算出した。
【0053】
[外層回路との接着強度]
各実施例及び比較例で得た多層配線板のL1回路層(第三の回路層)の一部に幅10mm、長さ100mmの部分を形成し、この一端を回路層/樹脂界面で剥がしてつかみ具でつかみ、垂直方向に引張り速度約50mm/分で室温中で引き剥がした時の荷重を測定した。
【0054】
[絶縁樹脂の冷熱サイクル試験下でのクラック発生率]
内層の回路板に用いた日立化成工業株式会社製MCL−E−67(基板厚み0.8mmt、商品名)の銅箔を完全にエッチングにより溶解、除去した。この片面上に各実施例及び比較例で得たワニスを、厚み50±5μmで塗膜成形した。この絶縁樹脂付き基板を実施例と同様に処理し、絶縁樹脂上に外層回路を形成した。そして外層回路が2mm角に残るパターンを形成するために銅面上にエッチングレジスト(H−K425、日立化成工業株式会社製、商品名)を100℃、0.5m/分、圧力0.5MPa・sの条件でラミネートした。その後、露光量80mJ/cmで外層回路が2mm角に残るように作製されたフォトマスクを介して露光した。次いで、炭酸ナトリウム1.0%水溶液の現像液を用いて、30℃、圧力0.1MPa・s、現像時間60秒で現像し、さらに水酸化ナトリウム水溶液でレジストを剥離し、乾燥した。そして、塩化第二鉄水溶液で銅をエッチングして外層回路が2mm角となる耐クラック性評価パターンを作製した。
この試料を、−55℃〜125℃(各15分)の冷熱サイクル試験を実施し、顕微鏡で外層回路の2mm角コーナー部に発生しやすい絶縁樹脂中のクラックを観察し、クラックが入るまでのサイクル試験回数で表した。
【0055】
[不飽和雰囲気下での絶縁信頼性加速試験]
各実施例及び比較例で作製した多層配線板において、絶縁樹脂の層間方向に電圧印加できるように端子部にリード線をはんだ付けで固定した。そして、絶縁樹脂の層間方向の絶縁抵抗を室温中で50V、1分印加して測定した。さらに、これを試料とし、130℃、85%RHの不飽和雰囲気下で直流電圧6Vを印加しながら所定時間で試料を取り出し、室温中で50V、1分印加して測定した時の10Ω以上を示す時間を絶縁信頼性の時間として表した。
【0056】
[288℃はんだ耐熱性]
各実施例及び比較例で作製した多層配線板を25mm角に切断し、288℃±2℃に調整したはんだ浴に浮かべ、ふくれが発生するまでの時間を調べた。
【0057】
【表1】
Figure 2004014611
【0058】
表1から、本発明の絶縁樹脂組成を用いた多層配線板の特性は、実施例1〜4に示したように、難燃性に優れ、また塗膜の引っ張り伸び率が大きいために耐クラック性に良好な結果を示す。さらに、粗化後の表面粗さが小さいながら外層銅との接着強度が良好であり微細配線化に適しており、絶縁信頼性、288℃はんだ耐熱性にも優れており環境に配慮した多層配線板を製造することが可能である。一方、本発明の絶縁樹脂組成物を必須に含んでいない比較例1〜2に示す多層配線板は、難燃性や耐クラック性及び粗化後の表面粗さ、絶縁信頼性が悪化する傾向が確認できた。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、環境に悪影響を与える可能性があるブロム化合物を一切使用しないで難燃性を有し、鉛フリー化に対応可能な高いはんだ耐熱性と機械的や熱的な応力集中に耐えられるような絶縁樹脂塗膜の高引っ張り伸び率を実現させ、さらに接着強度を維持して粗化後の表面粗さRzを1〜3μmにして微細配線化に対応可能な特性に優れた多層配線板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(i)は多層配線板を製造する工程の一例を説明する断面図である。
【符号の説明】
1a  第一の回路層
1d  第二の回路層
1g  第三の回路層
2         絶縁基板
3         回路板
4b、4e     絶縁材料組成物層
5c、5f     ビアホール
6c     第一の絶縁層
6f     第二の絶縁層

Claims (11)

  1. (A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂と、(B)アクリロニトリルブタジエンの共重合物の粒子状物と線状ポリマの混合物と、(C)リン含有フェノール樹脂と、(D)熱硬化剤と、(E)無機フィラーとを含む絶縁樹脂組成物の半硬化状態のフィルムが支持体表面に形成されてなることを特徴とする支持体付き絶縁フィルム。
  2. 内層回路を有する基板の片面または両面に絶縁層及び外層回路層が逐次積層されている多層配線板であって、絶縁層が、
    (A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂と、(B)アクリロニトリルブタジエンの共重合物の粒子状物と線状ポリマの混合物と、(C)リン含有フェノール樹脂と、(D)熱硬化剤と、(E)無機フィラーとを含む絶縁樹脂組成物が硬化してなる絶縁樹脂層
    を含むことを特徴とする多層配線板。
  3. 内層回路を有する基板の片面または両面に絶縁層及び外層回路層が逐次積層されている多層配線板であって、
    絶縁層が、請求項1記載の支持体付き絶縁フィルムのフィルムが硬化してなる絶縁樹脂層を含むことを特徴とする多層配線板。
  4. 絶縁樹脂層の引っ張り伸び率が4%以上である請求項2または3記載の多層配線板。
  5. 絶縁樹脂層の外層回路層との界面の表面粗さが、Rzで1〜3である請求項2〜4のいずれか記載の多層配線板。
  6. 前記(A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂が絶縁樹脂組成物の全固形分中の割合で35〜60重量%であり、かつ前記(A)エポキシ樹脂と、(B)アクリロニトリルブタジエンの共重合物の粒子状物と線状ポリマの混合物との固形分配合比が重量比で80/20〜95/5である請求項2〜5のいずれか記載の多層配線板。
  7. (C)リン含有フェノール樹脂中のリン含有量が(E)無機フィラーを除く前記絶縁樹脂組成物の固形分中で0.7〜3.0重量%である請求項2〜6のいずれか記載の多層配線板。
  8. 請求項2〜7のいずれか記載の多層配線板を製造する方法であって、
    (A)ビフェニル構造及びノボラック構造を有したエポキシ樹脂と、
    (B)アクリロニトリルブタジエンの共重合物の粒子状物と線状ポリマの混合物と、(C)リン含有フェノール樹脂と、(D)熱硬化剤と、(E)無機フィラーとを含む絶縁樹脂組成物層を含む層を、内層回路を有する基板に積層する工程(イ)、
    絶縁樹脂組成物を硬化して絶縁樹脂層を得る工程(ロ)、
    絶縁樹脂層表面に外層回路層を形成する工程(ハ)、
    を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。
  9. 前記工程(ロ)では、絶縁樹脂層を得た後に絶縁樹脂層表面を酸化性粗化液で粗化処理する工程を含む請求項8記載の多層配線板の製造方法。
  10. 前記工程(ハ)では、銅めっきにより外層回路を形成する請求項8または9記載の多層配線板の製造方法。
  11. 前記工程(イ)では、絶縁樹脂組成物のワニスを支持体に塗布、乾燥して支持体付き絶縁フィルムを作製し、この支持体付き絶縁フィルムを内層回路を有する基板上に積層する請求項8〜10のいずれか記載の多層配線板の製造方法。
JP2002162826A 2002-06-04 2002-06-04 支持体付き絶縁フィルム、多層配線板およびその製造方法 Pending JP2004014611A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002162826A JP2004014611A (ja) 2002-06-04 2002-06-04 支持体付き絶縁フィルム、多層配線板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002162826A JP2004014611A (ja) 2002-06-04 2002-06-04 支持体付き絶縁フィルム、多層配線板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004014611A true JP2004014611A (ja) 2004-01-15

Family

ID=30431467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002162826A Pending JP2004014611A (ja) 2002-06-04 2002-06-04 支持体付き絶縁フィルム、多層配線板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004014611A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006108174A (ja) * 2004-09-30 2006-04-20 Ajinomoto Co Inc 回路基板用金属付きポリアミドイミドフィルム及びその製造方法
JP2006108175A (ja) * 2004-09-30 2006-04-20 Ajinomoto Co Inc 回路基板用金属付きポリイミドフィルム及びその製造方法
JP2006148062A (ja) * 2004-10-18 2006-06-08 Fujitsu Ltd めっき方法、半導体装置の製造方法及び回路基板の製造方法
JP2006315391A (ja) * 2005-04-12 2006-11-24 Hitachi Chem Co Ltd 積層板およびこれを用いたプリント配線板
US7629045B2 (en) 2004-01-30 2009-12-08 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesion assisting agent-bearing metal foil, printed wiring board, and production method of printed wiring board
US8092900B2 (en) 2004-08-05 2012-01-10 Kaneka Corporation Solution, component for plating, insulating sheet, laminate, and printed circuit board
KR101203400B1 (ko) 2004-09-30 2012-11-21 아지노모토 가부시키가이샤 회로 기판용 금속 부착 중합체 필름 및 이의 제조방법
US8889250B2 (en) 2004-10-14 2014-11-18 Kaneka Corporation Plating target material, polyamic solution and polyimide resin solution which are used to form the plating target material, and printed-wiring board using them

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7629045B2 (en) 2004-01-30 2009-12-08 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesion assisting agent-bearing metal foil, printed wiring board, and production method of printed wiring board
US7862889B2 (en) 2004-01-30 2011-01-04 Hitachi Chemical Co., Ltd. Adhesion assisting agent-bearing metal foil, printed wiring board, and production method of printed wiring board
US8815334B2 (en) 2004-01-30 2014-08-26 Hitachi Chemical Co., Ltd. Adhesion assisting agent-bearing metal foil, printed wiring board, and production method of printed wiring board
US8092900B2 (en) 2004-08-05 2012-01-10 Kaneka Corporation Solution, component for plating, insulating sheet, laminate, and printed circuit board
JP2006108174A (ja) * 2004-09-30 2006-04-20 Ajinomoto Co Inc 回路基板用金属付きポリアミドイミドフィルム及びその製造方法
JP2006108175A (ja) * 2004-09-30 2006-04-20 Ajinomoto Co Inc 回路基板用金属付きポリイミドフィルム及びその製造方法
KR101203400B1 (ko) 2004-09-30 2012-11-21 아지노모토 가부시키가이샤 회로 기판용 금속 부착 중합체 필름 및 이의 제조방법
US8889250B2 (en) 2004-10-14 2014-11-18 Kaneka Corporation Plating target material, polyamic solution and polyimide resin solution which are used to form the plating target material, and printed-wiring board using them
JP2006148062A (ja) * 2004-10-18 2006-06-08 Fujitsu Ltd めっき方法、半導体装置の製造方法及び回路基板の製造方法
US7927998B2 (en) 2004-10-18 2011-04-19 Fujitsu Limited Plating method, semiconductor device fabrication method and circuit board fabrication method
US8058110B2 (en) 2004-10-18 2011-11-15 Fujitsu Limited Plating method, semiconductor device fabrication method and circuit board fabrication method
JP2006315391A (ja) * 2005-04-12 2006-11-24 Hitachi Chem Co Ltd 積層板およびこれを用いたプリント配線板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4576794B2 (ja) 絶縁樹脂組成物及びその使用
TWI618726B (zh) 帶有支撐體的絕緣樹脂層以及配線板的製造方法
JP5251464B2 (ja) 配線板用絶縁樹脂材料、多層配線板及び多層配線板の製造方法
TWI714616B (zh) 多層印刷線路板的製造方法、附有黏著層之金屬箔、覆金屬積層板、多層印刷線路板
JP5772314B2 (ja) 多層プリント配線板用接着フィルム
JP5023732B2 (ja) 積層板
JP2009176889A (ja) 多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、支持体付き絶縁フィルム、多層プリント配線板及びその製造方法
JP2004014611A (ja) 支持体付き絶縁フィルム、多層配線板およびその製造方法
JP5728998B2 (ja) 配線板用絶縁樹脂材料、多層配線板及び多層配線板の製造方法
JP4760932B2 (ja) 多層配線板用の絶縁樹脂フィルム、多層配線板用の銅箔付絶縁樹脂フィルム、及びこれらを用いた多層配線板
JP2009188163A (ja) 多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルム、多層プリント配線板およびその製造方法
JP4300890B2 (ja) 多層配線板の製造方法
JP5728997B2 (ja) 配線板用絶縁樹脂材料、多層配線板及び多層配線板の製造方法
JP2013045858A (ja) コアレス構造多層配線板及びその製造方法
JP4019800B2 (ja) 絶縁樹脂組成物の製造方法、絶縁樹脂組成物、多層配線板およびその製造方法
JP4400060B2 (ja) 絶縁樹脂組成物及びその使用
JP6303257B2 (ja) セミアディティブプロセス対応可能なプリプレグおよび、これを用いた金属張積層板
JP2005175265A (ja) 多層配線板用接着シート及び多層配線板の製造方法
JP6302164B2 (ja) 積層構造体の製造方法
JP2009272533A (ja) 多層プリント配線板用支持体付き絶縁フィルム、多層プリント配線板およびその製造方法
JP2009070921A (ja) ガラス繊維織布入り絶縁樹脂シート、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置
JP2004196983A (ja) ハロゲンフリーの絶縁樹脂組成物を用いた接着シート及びプリント配線板の製造方法
JP6065354B2 (ja) コアレス多層配線板及びその製造方法
JP2003309377A (ja) 多層配線板の製造方法
JP2005023117A (ja) 多層配線板用接着シート、多層配線板およびこれを用いた電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050105

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070228

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070313

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070717