JP2004014323A - イオンビーム照射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このイオンビーム照射装置は、ホルダ6に保持された基板4に電子を供給してイオンビーム照射に伴う基板4のチャージアップを抑制する電子供給源の一例として、プラズマ発生装置14を備えている。更に、ホルダ6の近傍であってプラズマ発生装置14から放出されたプラズマ16中の電子が到達する位置に設けられた測定電極20と、測定電極20に正のバイアス電圧VBを印加する直流のバイアス電源24と、測定電極20に流れる電流を計測する電流計26とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板にイオンビームを照射してイオン注入等の処理を施す装置であって、イオンビーム照射に伴う基板表面のチャージアップ(帯電)を抑制する電子供給源を備えるイオンビーム照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のイオンビーム照射装置の従来例を図2に示す。このイオンビーム照射装置は、ホルダ6に保持された基板(例えば半導体ウェーハ)4にイオンビーム2を照射して、当該基板4にイオン注入等の処理を施す装置である。
【0003】
基板4の全面にイオンビーム2を照射するために、この例では、イオンビーム2は、X方向(例えば水平方向)に電界または磁界によって往復走査され、ホルダ6および基板4は、ホルダ駆動機構10によって、その軸12を介して、Y方向(例えば垂直方向)に機械的に往復駆動される。
【0004】
このようなイオンビーム照射装置において、基板4にイオンビーム2を照射すると、イオンビーム2中のイオンの正電荷で基板4の表面がチャージアップし、やがて放電が起きて基板4の表面が損傷を受ける。例えば、基板4の表面に形成されている半導体デバイス(例えばMOS−FET等)が破壊される。
【0005】
このチャージアップを抑制(緩和)するために、従来から、イオンビーム照射と同時に、電子供給源から、電子や、電子を含んだプラズマ(換言すればプラズマ中の電子)を基板に供給して、イオンの正電荷を電子の負電荷で中和することが行われている(例えば特開平3−93141号公報参照)。
【0006】
図2のイオンビーム照射装置も、電子供給源の一例として、ホルダ6の上流側近傍に設けられたプラズマ発生装置14を備えている。このプラズマ発生装置14は、プラズマ(当然、電子を含む)16を発生させてそれをイオンビーム2の経路に供給して、プラズマ16中の電子をイオンビーム2と共に基板4に供給して基板表面のチャージアップを抑制するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなプラズマ発生装置14(電子供給源)を設けていても、それから基板近傍への電子供給量が適切でないと、基板4のチャージアップを十分に抑制することはできず、基板4は正または負に大きくチャージアップし、前述した損傷を惹き起こす。
【0008】
そこで従来は、プラズマ発生装置14によるチャージアップ抑制の程度を事前に(即ち本来の基板4の処理前に)把握するために、テストウェーハによる測定を行っていた。即ち、表面に多数のTEG(テグ。Test Element Groupの略)を有するテストウェーハを基板4の代わりに装着してそれに実際にイオンビーム照射を行い、その後このテストウェーハを測定器にかけてTEGの破壊状況を調べて、チャージアップ状態を判定していた。
【0009】
しかしこの方法だと、テストウェーハの製作または購入に多くの費用がかかるだけでなく、測定に多くの時間がかかるためにイオンビーム照射装置の実質的なスループットを低下させることになる。また、テストウェーハに対するイオンビーム照射と実際の基板4に対するイオンビーム照射との間に大きな時間差が生じるため、テストウェーハでの測定結果が、実際の基板4の処理の際の状態を反映していない恐れがあった。
【0010】
基板4における大きなチャージアップ発生を未然に防止するためには、電子供給源から基板近傍への電子供給量を測定することが好ましい。この測定によって、テストウェーハを用いなくても、基板に大きなチャージアップが発生する可能性があるか否かを予測することができる。
【0011】
そこでこの発明は、電子供給源から基板近傍への電子供給量を簡単にかつ短時間で測定することができるようにしたイオンビーム照射装置を提供することを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明のイオンビーム照射装置は、前記ホルダの近傍であって前記電子供給源からの電子が到達する位置に他から電気的に絶縁して設けられた測定電極と、この測定電極に少なくとも正のバイアス電圧を印加することのできる直流のバイアス電源と、前記測定電極に流れる電流を計測する電流計とを備えることを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、ホルダの近傍、即ち基板の近傍に設けられた測定電極に、バイアス電源から正のバイアス電圧を印加して、この正のバイアス電圧が印加された測定電極によって、イオンビーム照射に伴って正にチャージアップした基板を模擬することができる。このとき、測定電極にイオンビームは入射させない。その状態で、電子供給源を動作させると、電子供給源から放出された電子は、測定電極の近傍に達して当該測定電極にその正のバイアス電圧によって引き込まれる。このようにして測定電極に引き込まれる電子の量は、正にチャージアップした基板に引き込まれる電子の量に対応している。この測定電極に引き込まれる電子の量は、電流計によって計測することができる。
【0014】
このようにして、電子供給源から基板近傍への電子供給量を、複雑な手段を用いることなく簡単にかつ短時間で測定することができる。しかも、正のバイアス電圧が印加された測定電極は、上記のように正にチャージアップした基板を模擬しているので、バイアス電源を設けていない等の場合に比べて、上記電子供給量の測定を正確に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係るイオンビーム照射装置の一例を示す概略図である。図2に示した従来例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明する。
【0016】
このイオンビーム照射装置は、前記ホルダ6の近傍であって前記プラズマ発生装置14から放出されたプラズマ16中の電子が到達する位置に、他から電気的に絶縁して設けられた測定電極20を備えている。測定電極20は、例えばカーボン製である。測定電極20は、この例では、前記ホルダ駆動機構10の軸12に、絶縁物22を介して取り付けられている。ホルダ6に基板4が保持されるので、測定電極20は基板4の近傍に設けられていると言うことができる。
【0017】
このイオンビーム照射装置は、更に、測定電極20に少なくとも正のバイアス電圧VBを印加することのできる直流のバイアス電源24と、測定電極20に流れる電流を計測する電流計26とを備えている。バイアス電源24は、測定電極20と大地電位部との間に接続されており、その間に直列に電流計26が挿入されている。従って電流計26は、バイアス電源24の出力電流を測定するものであると言うこともできる。
【0018】
バイアス電源24は、例えば、測定電極20に正のバイアス電圧VBを印加する直流電源である。その出力電圧は固定でも良いけれども、この例のように出力電圧可変にしておくのが好ましい。そのようにすれば、正にチャージアップした基板4を、より自由にかつより正確に模擬することができる。また、バイアス電源24は、出力電圧可変だけでなく、出力するバイアス電圧VBを負のある値から正のある値まで変化させることができるもの(即ち、出力電圧可変の両極性直流電源)にしても良い。その場合の使い方は後述する。
【0019】
このイオンビーム照射装置によれば、ホルダ6の近傍、即ち基板4の近傍に設けられた測定電極20に、バイアス電源24から正のバイアス電圧VBを印加して、この正のバイアス電圧VBが印加された測定電極20によって、イオンビーム照射に伴って正にチャージアップした基板を模擬することができる。バイアス電圧VBの大きさは、基板4にイオンビーム2だけを照射して中和用の電子を供給しなかった場合に予想される基板4の帯電電圧程度にするのが好ましい。例えば、+10V程度にする。
【0020】
このとき、測定電極20にイオンビーム2は入射させない。その意味で、イオンビーム2は図1中では2点鎖線で示している。測定電極20にイオンビーム2を入射させないようにするためには、例えば、イオンビーム2の走査を測定電極20以外の位置で止めておいても良いし、イオンビーム2の発生自体を止めても良い。
【0021】
測定電極20は、測定時は、図1に示す例のように、基板4にイオンビーム2が照射される場所またはその近傍に位置させるのがより好ましい。この例では、ホルダ駆動機構10によってホルダ6および測定電極20をY方向に上昇させてそれを実現している。このようにすれば、基板4にイオンビーム2が照射される場所と測定電極20とがほぼ同じ位置になるので、正にチャージアップした基板4を測定電極20によってより正確に模擬することができる。
【0022】
上記状態で、プラズマ発生装置14(電子供給源)を動作させると、プラズマ発生装置14から放出されたプラズマ16中の電子は、測定電極20の近傍に達して当該測定電極20にその正のバイアス電圧VBによって引き込まれる。このようにして測定電極20に引き込まれる電子の量は、正にチャージアップした基板に引き込まれる電子の量に対応している。即ち、両者の量は互いに一致しているか、一定の関係にあるので、前者の量によって後者の量を知ることができる。この測定電極20に引き込まれる電子の量は、電流計26によって計測することができる。
【0023】
このようにして、プラズマ発生装置14から基板近傍への電子供給量を、複雑な手段を用いることなく、測定電極20、バイアス電源24および電流計26という簡単な手段によって、簡単にかつ短時間で測定することができる。しかも、正のバイアス電圧VBが印加された測定電極20は、上記のように正にチャージアップした基板を模擬しているので、バイアス電源26を設けていない等の場合に比べて、上記電子供給量の測定を正確に行うことができる。
【0024】
このようにして測定した電子供給量は、例えば、当該イオンビーム照射装置の運転パラメータ(例えばイオンビーム2のビーム電流、プラズマ発生装置14で生成するプラズマ16の密度等)へのフィードバックや、実際の基板4に対するイオンビーム照射処理前の運転条件の良否判定等に用いることができる。
【0025】
このようにして、テストウェーハを用いなくても、基板4に大きなチャージアップが発生する可能性があるか否かを予測することができる。その結果、基板4がチャージアップによって損傷を受ける可能性を、例えば基板表面に形成されたデバイスがチャージアップ破壊を起こす可能性を、未然に低下させることができる。
【0026】
また、上記構成によれば、テストウェーハを用いる場合と違って、上記電子供給量の測定を、基板4を処理する場所で(即ち、その場で)行うことができ、かつ即座に測定結果を出すことができるので、電子供給量の測定を基板4の処理(例えばイオン注入)の直前に行って、イオンビーム2やプラズマ発生装置14の最適化を基板4の処理ごとに行うこともできる。
【0027】
また、電子供給源がこの例のようにプラズマ発生装置14の場合は、バイアス電源24から測定電極20に印加するバイアス電圧VBの少なくとも大きさ、あるいは大きさおよび極性の両方を変化させて(例えば−50V〜+50Vの範囲で変化させて)、その際に測定電極20に流入する電流を電流計26で測定することによって、一般にプラズマ診断に用いられているラングミュア・プローブ法によって、プラズマ発生装置14から放出されるプラズマ16中の電子密度や電子温度を測定して、その測定結果をプラズマ発生装置14への運転条件のフィードバックや、基板4の処理前の運転条件の良否判定等に用いることもできる。
【0028】
但し、チャージアップ抑制用の電子供給源には、上記のような電子を含むプラズマ16を発生させるプラズマ発生装置14の代わりに、電子だけを発生させてそれを基板4やイオンビーム2に供給する電子発生装置を用いても良い。
【0029】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、正のバイアス電圧が印加された測定電極によって、イオンビーム照射に伴って正にチャージアップした基板を模擬して、電子供給源から基板近傍への電子供給量を測定することができる。しかもこの測定を、複雑な手段を用いることなく簡単にかつ短時間で行うことができる。しかも、正のバイアス電圧が印加された測定電極は、正にチャージアップした基板を模擬しているので、上記電子供給量の測定を正確に行うことができる。これによって、テストウェーハを用いなくても、基板に大きなチャージアップが発生する可能性があるか否かを予測することができ、基板がチャージアップによって損傷を受ける可能性を未然に低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るイオンビーム照射装置の一例を示す概略図である。
【図2】従来のイオンビーム照射装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
2 イオンビーム
4 基板
6 ホルダ
14 プラズマ発生装置(電子供給源)
16 プラズマ
20 測定電極
24 バイアス電源
26 電流計
Claims (1)
- ホルダに保持された基板にイオンビームを照射する装置であって、当該ホルダの上流側に設けられていて基板に電子を供給してイオンビーム照射に伴う基板表面のチャージアップを抑制する電子供給源を備えるイオンビーム照射装置において、前記ホルダの近傍であって前記電子供給源からの電子が到達する位置に他から電気的に絶縁して設けられた測定電極と、この測定電極に少なくとも正のバイアス電圧を印加することのできる直流のバイアス電源と、前記測定電極に流れる電流を計測する電流計とを備えることを特徴とするイオンビーム照射装置。
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