JP2004012768A - コンバイナ光学系 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンバイナ光学系(所定の表示画像から射出する表示用光束を外界光束に重畳して使用者の眼の方向に導く反射光学素子を備えた光学系)の視野角の拡大を容易にする。
【解決手段】観察眼の光軸に交差するよう配置され、かつその観察眼の瞳位置に入射する外界光を透過する複数の基板(15M,15S)と、前記複数の基板に個別に設けられ、かつ、所定の画像上の互いに異なる領域を示す複数の表示用光束を、前記外界光に重畳して前記観察眼の瞳位置に個別に導く複数の反射光学素子(17M,17S)とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】観察眼の光軸に交差するよう配置され、かつその観察眼の瞳位置に入射する外界光を透過する複数の基板(15M,15S)と、前記複数の基板に個別に設けられ、かつ、所定の画像上の互いに異なる領域を示す複数の表示用光束を、前記外界光に重畳して前記観察眼の瞳位置に個別に導く複数の反射光学素子(17M,17S)とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラム素子など、所定の画像から射出する表示用光束を外界光に重畳して使用者の眼の方向に導く反射光学素子を備えたコンバイナ光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
アイグラスディスプレイ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、ウエラブルパソコンなどの情報表示装置に、コンバイナ光学系が使用される。
コンバイナ光学系には、所定の表示画像から射出する表示用光束を外界光に重畳して使用者の眼の方向に導く反射光学素子が備えられる。コンバイナ光学系は、表示用光束の波面を変換してから使用者の眼に入射させるので、使用者からはその表示画像が遠方にあるように見える。
【0003】
因みに、反射光学素子としては、HOE(ホログラム素子;Holographic Optical Element)やハーフミラーなどが使用されるが、回折により光の進行方向を支配するHOEは、偏向作用だけでなく波面変換作用を単一の回折面(ホログラム面)で得ることができるので、コンバイナ光学系の小型化を可能とする。
HOEを使用したコンバイナ光学系(ホログラムコンバイナ光学系)は、外界光を透過させる平行平板(基板)内に、使用者の眼に対向する位置にHOEを形成してなる。
【0004】
このホログラムコンバイナ光学系においては、基板の外側に設けられた画像表示素子からの光束は、基板に入射した後、その基板の内部で複数回反射してからHOEに導かれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、コンバイナ光学系には、その視野角(使用者からみた画像の張る大きさ)を広く採ることが要求される。
【0006】
しかしながら、光学設計上、コンバイナ光学系は、全体のサイズ、明るさなどの各スペックを満たす必要があり、それらを満たしつつ収差を悪化させずに視野角を拡げることは、非常に難しい。
そこで本発明は、視野角の拡大が容易な構成のコンバイナ光学系を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のコンバイナ光学系は、観察眼の光軸に交差するよう配置され、かつその観察眼の瞳位置に入射する外界光を透過する複数の基板と、前記複数の基板に個別に設けられ、かつ、所定の画像上の互いに異なる領域を示す複数の表示用光束を、前記外界光に重畳して前記観察眼の瞳位置に個別に導く複数の反射光学素子とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載のコンバイナ光学系は、請求項1に記載のコンバイナ光学系において、前記複数の基板は、前記光軸の方向に間隙を置いて配置されることを特徴とする。
請求項3に記載のコンバイナ光学系は、請求項1又は請求項2に記載のコンバイナ光学系において、前記複数の反射光学素子のうち少なくとも2つの反射光学素子は、前記表示用光束の射出光路が重複する重複領域を有し、前記2つの反射光学素子のうち前記瞳位置に近い側の反射光学素子の前記重複領域は、反射部と透過部とが混在した反射面になっていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載のコンバイナ光学系は、請求項1又は請求項2に記載のコンバイナ光学系において、前記複数の反射光学素子のうち少なくとも2つの反射光学素子は、前記表示用光束の射出光路が重複する重複領域を有し、前記2つの反射光学素子は、互いに異なる波長選択性に設定されていることを特徴とする。
請求項5に記載のコンバイナ光学系は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のコンバイナ光学系において、前記反射光学素子は、ホログラム素子であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1、図2、図3に基づいて本発明の実施形態について説明する。
本実施形態では、本発明のコンバイナ光学系の構成を説明する。
なお、ここでは、コンバイナ光学系の一例として、アイグラスディスプレイに適用されるホログラムコンバイナ光学系を説明する。
【0011】
図1は、アイグラスディスプレイの外観図であり、図2は、本実施形態のコンバイナ光学系1の構成及び光路を示す図である。なお、ホログラムコンバイナ光学系1は、図2の紙面に関し対称な形状をしている。
図1に示すように、アイグラスディスプレイは、眼鏡と似た外観をしている。アイグラスディスプレイにおいて眼鏡フレームと略同様の形状をした支持部材2に、ホログラムコンバイナ光学系1、光源ユニット3が固定されている。本実施形態では、光源ユニットとして2つの光源ユニット3M、3Sが固定されている。また、これら光源ユニット3M、3S内には、それぞれホログラムコンバイナ光学系1の一部を成す補正用光学系18M、18Sが配置される(図2参照)。
【0012】
ホログラムコンバイナ光学系1は、使用者の一方の眼の前方に配置される。
以下、ホログラムコンバイナ光学系1は左眼用であり、左目の前方に配置されるとする。そこで、以下では、左眼の瞳Pの中心に原点を有したXYZ直交座標系を定義する。図示したように、この座標の+Z方向は使用者の前方であり、+Y方向は使用者の左方であり、+X方向は使用者の下方である。
【0013】
先ず、本実施形態のホログラムコンバイナ光学系1には、主コンバイナ1Mが備えられる。
主コンバイナ1Mは、HOE17Mの形成された基板15M、及び補正用光学系18Mからなる(補正用光学系18Mは、光源ユニット3Mの内部に配置されているので図1では不図示。)。
【0014】
基板15Mは、外界光を使用者の左眼に導くために、XY平面と平行に配置された透過性の硝子やプラスチックなどの平行平板などからなる(基板15Mは、一方又は双方の表面が光学的パワーを有していてもよいが、簡単のため平行平板とする。)。
HOE17Mは、基板15M内のZ軸上に配置され、かつX軸に平行な軸の周りに傾斜した状態で設けられている。
【0015】
なお、基板15Mに対するHOE17Mの形成は、例えば、HOE17Mを配置すべき面に沿って基板15Mの原型を一旦2要素に切断し、2要素の切断部にHOE17Mを挟み込んでからその2要素を接着剤(その屈折率は基板15Mと実質的に同じである。)で接合すればよい。
HOE17Mは、反射型ホログラム素子であり、例えば体積型である。HOE17Mは、入射した表示用光束(後述)の波面の形状を平行光束に近い波面に変換するパワーを有する。
【0016】
そして、この基板15Mには、図1に示すように、光源ユニット3Mから出射された表示用光束が、例えば+Yかつ−Zの方向から入射する。
なお、光源ユニット3M内には、透過型LCDなどからなる画像表示素子(静止画及び/又は動画を表示可能)や、補正光学系18M(主コンバイナ1Mの一部である)などが配置されている。図2において、符号DMで示すのは、画像表示素子の表示面である。
【0017】
また、HOE17Mの波長選択性(回折効率のピーク波長)とこの光源ユニット3M内の光源波長とは互いに最適化されており、HOE17Mは、光源ユニット3Mからの表示用光束に作用する。
また、主コンバイナ1Mの各光学面の配置及び形状は、表示面DMの配置位置や配置角度が考慮された上で最適化される。
【0018】
したがって、光源ユニット3M内の表示面DMから射出した表示用光束は、図2に示すように補正用光学系18Mを介して基板15Mに入射した後、その基板15Mの+Z側の面及び−Z側の面において順次反射を繰り返しつつYZ平面内を這うようにして基板15M内を進行し、その後HOE17Mに入射して平行光束に近づき、−Zの方向に進み使用者の左眼の瞳Pに入射する。
【0019】
さらに、本実施形態のホログラムコンバイナ光学系1には、主コンバイナ1Mに加え、副コンバイナ1Sが備えられる。
副コンバイナ1Sは、HOE17Sの形成された基板15S、及び補正用光学系18Sからなる(補正用光学系18Sは、光源ユニット3Sの内部に配置されているので、図1では不図示。)。
【0020】
この副コンバイナ1Sの基板15Sは、主コンバイナ1Mの基板15Mに対しZ方向に重ねて配置される(以下、基板15Sは、基板15Mの+Z側に配置されるとする。)。
基板15Sについても、基板15Mと同様、XY平面と平行に配置された透過性の硝子やプラスチックなどの平行平板などからなる(基板15Sは、一方又は双方の表面が光学的パワーを有していてもよいが、簡単のため平行平板とする。)。
【0021】
また、HOE17Sについても、HOE17Mが基板15Mに設けられるのと同様、基板15S内のZ軸上に配置され、かつX軸に平行な軸の周りに傾斜した状態で設けられている。
また、基板15Sに対するHOE17Sの形成も、基板15Mに対するHOE17Mの形成と同様、例えば、HOE17Sを配置すべき面に沿って基板15Sの原型を一旦2要素に切断し、2要素の切断部にHOE17Sを挟み込んでからその2要素を接着剤(その屈折率は基板15Sと実質的に同じである。)で接合すればよい。
【0022】
また、HOE17Sは、HOE17Mと同様、反射型ホログラム素子であり、例えば体積型である。HOE17Sは、入射した表示用光束(後述)の波面の形状を平行光束に近い波面に変換するパワーを有する。
そして、この基板15Sには、図1に示すように、光源ユニット3Sから出射された表示用光束が、例えば+Yかつ+Zの方向から入射する。
【0023】
なお、光源ユニット3S内には、透過型LCDなどからなる画像表示素子(静止画及び/又は動画を表示可能)や、補正光学系18S(副コンバイナ1Sの一部である。)などが配置されている。図2において、符号DSで示すのは、画像表示素子の表示面である。
また、HOE17Sの波長選択性(回折効率のピーク波長)とこの光源ユニット3S内の光源波長とは互いに最適化されており、HOE17Sは、光源ユニット3Sからの表示用光束に作用する。
【0024】
また、副コンバイナ1Sの各光学面の配置及び形状は、表示面DSの配置位置や配置角度が考慮された上で最適化される。因みに、図2では、最適化の結果、主コンバイナ1Mの各光学面の形状及び配置と副コンバイナ1Sの各光学面の形状及び配置とが若干異なった場合を示した。
したがって、光源ユニット3S内の表示面DSから射出した表示用光束は、図2に示すように補正用光学系18Sを介して基板15Sに入射した後、その基板15Sの+Z側の面及び−Z側の面において順次反射を繰り返しつつYZ平面内を這うようにして基板15S内を進行し、その後HOE17Sに入射して平行光束に近づき、−Zの方向に進み使用者の左眼の瞳Pに入射する。
【0025】
なお、この副コンバイナ1Sは、上記した主コンバイナ1Mに対し固定されている。なお、副コンバイナ1Sを着脱可能とすれば、使用者が視野拡大を望まない場合にはこれを離脱し、アイグラスディスプレイを軽量に保つことができる。
また、主コンバイナ1M及び副コンバイナ1Sの内部でのそれぞれの反射作用を確保するために、副コンバイナ1Sの基板15Sは、主コンバイナ1Mの基板15Mに対し若干の空気間隙を置いて配置される。
【0026】
さらに、副コンバイナ1Sの基板15Sの大きさについては、軽量化のため、表示用光束を適正に通過させるだけの領域が確保されてさえいれば、なるべく小型化されていることが好ましい(例えば、X方向の長さを短くする。)。但し、使用者の左眼に入射する外界光を不適正な方向に屈折することのないよう、基板15Sの端面(XY平面と非平行な面)はXY平面に対し垂直であることが望ましい。
【0027】
次に、本実施形態のアイグラスディスプレイでは、光源ユニット3S内の表示面DSに表示される部分画像と、光源ユニット3M内の表示面DMに表示される部分画像とは、単一の画像(大画像)の一部及び他の一部となるよう制御される。
図3は、主コンバイナ1MのHOE17Mと副コンバイナ1SのHOE17Sとの関係を説明する図である。
【0028】
図3(a)は、HOE17MとHOE17Sとの近傍をYZ平面と平行な平面で切断した断面の光路(表示面DM、表示面DSの中心に向かう光線の光路)の概略図、図3(b)は、HOE17MとHOE17Sとを図3(a)中矢印の方向から見た図である。図3(c)は、使用者の左眼からみた表示面DM、DSの像(虚像)DM’、DS’である。なお、この虚像DM’、DS’は、HOE17M、HOE17Sの実際に配置される位置よりも遠方(+Z方向)に形成される。
【0029】
本実施形態では、主コンバイナ1M、副コンバイナ1Sは、図3(c)に示すように虚像DM’、DS’を、Y方向にずらして形成するよう設計される。但し、虚像DM’、DS’の形成位置のZ座標は、互いに同じとされる。
上述したように表示面DSの画像と表示面DMの画像とは単一の画像(大画像)の一部及び他の一部なので、虚像DM’と虚像DS’の全体は、単一の画像を示す。
【0030】
したがって、使用者からは、単一の大画像が表示されているかのごとく見える。
このとき、主コンバイナ1Mの単体での視野角、副コンバイナ1Sの単体での視野角がそれぞれ従来と同じであったとしても、本実施形態の主コンバイナ1Mの視野角は、拡大する。
しかも、主コンバイナ1Mの収差、副コンバイナ1Sの収差を従来と同等に抑えれば、本実施形態のホログラムコンバイナ光学系1は、視野角が拡大したにも拘わらず、その収差は良好に保たれる。
【0031】
すなわち、主コンバイナ1Mと副コンバイナ1Sとからなる本実施形態のホログラムコンバイナ光学系1の構成は、視野角の拡大を容易にする。
なお、本実施形態のホログラムコンバイナ光学系1が形成する虚像DM’とDS’とは、図3(c)に示すようにオーバーラップしている必要は無く、互いに間隔を空けていてもよい。それら虚像DM’、DS’が単一の画像を示している場合には、人間の脳は、その間隔を自動的に補間して認識できるからである。
【0032】
ここで、虚像DM’、虚像DS’をY方向に並べて形成するためには、図3(a)(b)に示すように、HOE17M、HOE17Sも、Y方向にこの順で配置されることが望ましい。
この順で配置されれば、HOE17Mが表示用光束に付与すべき偏向角度θM、及びHOE17Sが表示用光束に付与すべき偏向角度θSをそれぞれ小さくすることができるので、HOE17M、HOE17Sに起因する収差が小さく抑えられるからである。
【0033】
また、虚像DM’と虚像DS’との境界については、使用者の眼(ここでは左目)の中央(Y=0)に存在すると目立つので、敢えて中央(Y=0)でなく左右(+Y又は−Y)のどちらかにずらすことが好ましい。図3(c)に示した例では、左(+Y)にずれている。よって、この場合、使用者からみて虚像DM’が主な画像、虚像DS’が副次的な画像となる。
【0034】
また、HOE17MとHOE17Sとの実際の位置ズレ量は、虚像DM’の形成位置と虚像DS’の形成位置とのズレ量と同じである必要はない。
ところで、図3(a)(b)に示すように、HOE17MとHOE17Sとが使用者の左眼からみてオーバーラップする(左眼に向かう表示用光束の射出光路が一部重複する)場合、使用者の左目からみて手前側(−Z側)のHOE17Mが、後ろ側(+Z側)のHOE17Sにおける反射光束にも作用してしまう虞がある。
【0035】
よって、手前側(−Z側)のHOE17Mのホログラムパターンについては、そのオーバーラップする領域E(図3(b)参照)を、反射部と透過部が混在した反射面(但し、反射部と透過部との存在する密度は共に一様である。)とすることが好ましい。これは、例えば、HOE17Mのホログラムパターンを焼き付ける際、領域Eに相当する領域にストライプ状のマスクを形成すればよい。なお、領域EだけでなくHOE17Mの全体をこのような反射面としてもよい。
【0036】
或いは、光源ユニット3Mの光源波長と光源ユニット3Sの光源波長とをずらすと共に、主コンバイナ1Mの波長選択性(特に、HOE17Mの波長選択性)、副コンバイナ1Sとの波長選択性(特に、HOE17Sの波長選択性)をそれぞれ光源ユニット3Mの光源波長のみ、光源ユニット3Sの光源波長のみに感応するよう設定しておけば、たとえオーバーラップしても上述した虞は無くなる。
【0037】
なお、本実施形態において、HOE17M、HOE17Sの何れか一方又は双方は、表示用光束の主光線の入射角度aoiと反射角度aorとが(aoi−aor=0)になるべく近くなるよう設定されていることが望ましい。このようにすれば、HOEに起因して発生する色収差を小さく抑えることができるからである。
【0038】
また、本実施形態のコンバイナ光学系の主コンバイナ1Mと副コンバイナ1Sとは、互いに異なる表示面DM、DSからの表示用光束をそれぞれ導くものであったが、同一の表示面の互いに異なる領域からの表示用光束をそれぞれ導くよう設計されてもよい。その場合、本実施形態のアイグラスディスプレイの表示素子を、単一化できる。
【0039】
また、本実施形態のコンバイナ光学系は、コンバイナを2つ(主コンバイナ1Mと副コンバイナ1Sとの2つ)設けたが、3つ以上設け、例えばY方向だけでなくX方向の視野角を拡大してもよい。
なお、本実施形態では、アイグラスディスプレイを説明したが、HMD、ウエアラブルパソコンなどにも本実施形態のコンバイナ光学系は適用し得る。
【0040】
また、本実施形態では、反射光学素子としてホログラム素子を用いたホログラムコンバイナ光学系を説明したが、HOEの代わりにハーフミラー、基板及び補正用光学系の代わりにレンズを使用したコンバイナ光学系にも本発明は適用し得る。
【0041】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0042】
本実施例は、上記実施形態のホログラムコンバイナ光学系の具体例である。
表1、表2、表3、表4、表5、表6、表7、表8は、本実施例の主コンバイナ1Mのレンズデータである。
なお、各表中の数値の単位は、個別の指定のないものは、長さは[mm]、角度は[°]である(表9以降も同様。)。
【0043】
また、各表中の面番号の順序は、瞳Pから表示面DMの方向とした。また、各面番号に対応する括弧内の符号は、図中各面に付与した符号である(表9以降も同様。)。
表1は、仕様、使用材料、各面の形状及び材料を示す表である。
表2は、第3面(HOE17M)の諸値を示す表である。
【0044】
表3は、各面の位置と傾きを示す表である。
表4、表5、表6、表7、表8は、第3面(HOE17M)の入反射特性を示す表である。各表中、w1〜w5は、光線の波長を示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
また、表9、表10、表11、表12、表13、表14は、本実施例の副コンバイナ1Sのレンズデータである。
【0045】
表9は、仕様、使用材料、各面の形状及び材料を示す表である。
表10は、第5面(HOE17S)の諸値を示す表である。
表11は、各面の位置と傾きを示す表である。
表12、表13、表14、表15、表16は、第5面(HOE17S)の入反射特性を示す表である。各表中、w1〜w5は、光線の波長を示す。
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
ここで、HOEのホログラムパターンを示す位相関数は、XY平面上の位置と指定した点に入射する光線の受ける光路差を、使用波長で規格化して表すものであり、式(1)で表される。
【数1】
この位相関数の係数は、65個あって、順にC1,C2,・・・,C65とおき、係数の順番を整数j(j=1,2,・・・,65)で表すと(整数jと整数m,nとの関係は式(2)である。)、式(3)で表される。
【数2】
【数3】
よって、表中の位相係数C1,C2,・・・,C65により規定されるHOEの位相関数は、式(3)のとおりである。
【0046】
図4、図5は、本実施例の主コンバイナ1Mの収差図(横収差図)である。
図6、図7は、本実施例の副コンバイナ1Sの収差図(横収差図)である。
各図において、Y−FANは、Y方向の収差、X−FANは、X方向の収差である。
図4は、上から順に、画角(0°,5.000°)、(0°,2.500°)、(0°,0.00°)、(0°,−2.50°)、(0°,−5.00°)における収差を示し、図5は、上から順に、画角(6.65°,5.00°)、(6.65°,2.50°)、(6.65°,0.00°)、(6.65°,−2.50°)、(6.65°,−5.00°)における収差を示す。
【0047】
図6は、上から順に、画角(0°,13.00°)、(0°,11.00°)、(0°,9.00°)、(0°,7.000°)、(0°,5.000°)における収差を示し、図7は、上から順に、(6.66°,13.00°)、(6.66°,11.00°)、(6.66°,9.00°)、(6.66°,7.000°)、(6.66°,5.000°)における収差を示す。
【0048】
以上、本実施例によれば、射出瞳径が3mm程度に大きく、かつ視野角が10度以上あるホログラムコンバイナ光学系が実現した。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、視野角の拡大が容易な構成のコンバイナ光学系が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アイグラスディスプレイの外観図である。
【図2】本実施形態のコンバイナ光学系1の構成及び光路を示す図である。
【図3】主コンバイナ1MのHOE17Mと副コンバイナ1SのHOE17Sとの関係を説明する図である。
【図4】本実施例の主コンバイナ1Mの収差図(横収差図)である。
【図5】本実施例の主コンバイナ1Mの収差図(横収差図)である。
【図6】本実施例の副コンバイナ1Sの収差図(横収差図)である。
【図7】本実施例の副コンバイナ1Sの収差図(横収差図)である。
【符号の説明】
1 ホログラムコンバイナ光学系
1M 主コンバイナ
1S 副コンバイナ
2 支持部材
3M,3S 光源ユニット
15M,15S 基板
17M,17S HOE(ホログラム素子)
18M,18S 補正用光学系
P 瞳
DM,DS 表示面
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラム素子など、所定の画像から射出する表示用光束を外界光に重畳して使用者の眼の方向に導く反射光学素子を備えたコンバイナ光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
アイグラスディスプレイ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、ウエラブルパソコンなどの情報表示装置に、コンバイナ光学系が使用される。
コンバイナ光学系には、所定の表示画像から射出する表示用光束を外界光に重畳して使用者の眼の方向に導く反射光学素子が備えられる。コンバイナ光学系は、表示用光束の波面を変換してから使用者の眼に入射させるので、使用者からはその表示画像が遠方にあるように見える。
【0003】
因みに、反射光学素子としては、HOE(ホログラム素子;Holographic Optical Element)やハーフミラーなどが使用されるが、回折により光の進行方向を支配するHOEは、偏向作用だけでなく波面変換作用を単一の回折面(ホログラム面)で得ることができるので、コンバイナ光学系の小型化を可能とする。
HOEを使用したコンバイナ光学系(ホログラムコンバイナ光学系)は、外界光を透過させる平行平板(基板)内に、使用者の眼に対向する位置にHOEを形成してなる。
【0004】
このホログラムコンバイナ光学系においては、基板の外側に設けられた画像表示素子からの光束は、基板に入射した後、その基板の内部で複数回反射してからHOEに導かれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、コンバイナ光学系には、その視野角(使用者からみた画像の張る大きさ)を広く採ることが要求される。
【0006】
しかしながら、光学設計上、コンバイナ光学系は、全体のサイズ、明るさなどの各スペックを満たす必要があり、それらを満たしつつ収差を悪化させずに視野角を拡げることは、非常に難しい。
そこで本発明は、視野角の拡大が容易な構成のコンバイナ光学系を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のコンバイナ光学系は、観察眼の光軸に交差するよう配置され、かつその観察眼の瞳位置に入射する外界光を透過する複数の基板と、前記複数の基板に個別に設けられ、かつ、所定の画像上の互いに異なる領域を示す複数の表示用光束を、前記外界光に重畳して前記観察眼の瞳位置に個別に導く複数の反射光学素子とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載のコンバイナ光学系は、請求項1に記載のコンバイナ光学系において、前記複数の基板は、前記光軸の方向に間隙を置いて配置されることを特徴とする。
請求項3に記載のコンバイナ光学系は、請求項1又は請求項2に記載のコンバイナ光学系において、前記複数の反射光学素子のうち少なくとも2つの反射光学素子は、前記表示用光束の射出光路が重複する重複領域を有し、前記2つの反射光学素子のうち前記瞳位置に近い側の反射光学素子の前記重複領域は、反射部と透過部とが混在した反射面になっていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載のコンバイナ光学系は、請求項1又は請求項2に記載のコンバイナ光学系において、前記複数の反射光学素子のうち少なくとも2つの反射光学素子は、前記表示用光束の射出光路が重複する重複領域を有し、前記2つの反射光学素子は、互いに異なる波長選択性に設定されていることを特徴とする。
請求項5に記載のコンバイナ光学系は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のコンバイナ光学系において、前記反射光学素子は、ホログラム素子であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1、図2、図3に基づいて本発明の実施形態について説明する。
本実施形態では、本発明のコンバイナ光学系の構成を説明する。
なお、ここでは、コンバイナ光学系の一例として、アイグラスディスプレイに適用されるホログラムコンバイナ光学系を説明する。
【0011】
図1は、アイグラスディスプレイの外観図であり、図2は、本実施形態のコンバイナ光学系1の構成及び光路を示す図である。なお、ホログラムコンバイナ光学系1は、図2の紙面に関し対称な形状をしている。
図1に示すように、アイグラスディスプレイは、眼鏡と似た外観をしている。アイグラスディスプレイにおいて眼鏡フレームと略同様の形状をした支持部材2に、ホログラムコンバイナ光学系1、光源ユニット3が固定されている。本実施形態では、光源ユニットとして2つの光源ユニット3M、3Sが固定されている。また、これら光源ユニット3M、3S内には、それぞれホログラムコンバイナ光学系1の一部を成す補正用光学系18M、18Sが配置される(図2参照)。
【0012】
ホログラムコンバイナ光学系1は、使用者の一方の眼の前方に配置される。
以下、ホログラムコンバイナ光学系1は左眼用であり、左目の前方に配置されるとする。そこで、以下では、左眼の瞳Pの中心に原点を有したXYZ直交座標系を定義する。図示したように、この座標の+Z方向は使用者の前方であり、+Y方向は使用者の左方であり、+X方向は使用者の下方である。
【0013】
先ず、本実施形態のホログラムコンバイナ光学系1には、主コンバイナ1Mが備えられる。
主コンバイナ1Mは、HOE17Mの形成された基板15M、及び補正用光学系18Mからなる(補正用光学系18Mは、光源ユニット3Mの内部に配置されているので図1では不図示。)。
【0014】
基板15Mは、外界光を使用者の左眼に導くために、XY平面と平行に配置された透過性の硝子やプラスチックなどの平行平板などからなる(基板15Mは、一方又は双方の表面が光学的パワーを有していてもよいが、簡単のため平行平板とする。)。
HOE17Mは、基板15M内のZ軸上に配置され、かつX軸に平行な軸の周りに傾斜した状態で設けられている。
【0015】
なお、基板15Mに対するHOE17Mの形成は、例えば、HOE17Mを配置すべき面に沿って基板15Mの原型を一旦2要素に切断し、2要素の切断部にHOE17Mを挟み込んでからその2要素を接着剤(その屈折率は基板15Mと実質的に同じである。)で接合すればよい。
HOE17Mは、反射型ホログラム素子であり、例えば体積型である。HOE17Mは、入射した表示用光束(後述)の波面の形状を平行光束に近い波面に変換するパワーを有する。
【0016】
そして、この基板15Mには、図1に示すように、光源ユニット3Mから出射された表示用光束が、例えば+Yかつ−Zの方向から入射する。
なお、光源ユニット3M内には、透過型LCDなどからなる画像表示素子(静止画及び/又は動画を表示可能)や、補正光学系18M(主コンバイナ1Mの一部である)などが配置されている。図2において、符号DMで示すのは、画像表示素子の表示面である。
【0017】
また、HOE17Mの波長選択性(回折効率のピーク波長)とこの光源ユニット3M内の光源波長とは互いに最適化されており、HOE17Mは、光源ユニット3Mからの表示用光束に作用する。
また、主コンバイナ1Mの各光学面の配置及び形状は、表示面DMの配置位置や配置角度が考慮された上で最適化される。
【0018】
したがって、光源ユニット3M内の表示面DMから射出した表示用光束は、図2に示すように補正用光学系18Mを介して基板15Mに入射した後、その基板15Mの+Z側の面及び−Z側の面において順次反射を繰り返しつつYZ平面内を這うようにして基板15M内を進行し、その後HOE17Mに入射して平行光束に近づき、−Zの方向に進み使用者の左眼の瞳Pに入射する。
【0019】
さらに、本実施形態のホログラムコンバイナ光学系1には、主コンバイナ1Mに加え、副コンバイナ1Sが備えられる。
副コンバイナ1Sは、HOE17Sの形成された基板15S、及び補正用光学系18Sからなる(補正用光学系18Sは、光源ユニット3Sの内部に配置されているので、図1では不図示。)。
【0020】
この副コンバイナ1Sの基板15Sは、主コンバイナ1Mの基板15Mに対しZ方向に重ねて配置される(以下、基板15Sは、基板15Mの+Z側に配置されるとする。)。
基板15Sについても、基板15Mと同様、XY平面と平行に配置された透過性の硝子やプラスチックなどの平行平板などからなる(基板15Sは、一方又は双方の表面が光学的パワーを有していてもよいが、簡単のため平行平板とする。)。
【0021】
また、HOE17Sについても、HOE17Mが基板15Mに設けられるのと同様、基板15S内のZ軸上に配置され、かつX軸に平行な軸の周りに傾斜した状態で設けられている。
また、基板15Sに対するHOE17Sの形成も、基板15Mに対するHOE17Mの形成と同様、例えば、HOE17Sを配置すべき面に沿って基板15Sの原型を一旦2要素に切断し、2要素の切断部にHOE17Sを挟み込んでからその2要素を接着剤(その屈折率は基板15Sと実質的に同じである。)で接合すればよい。
【0022】
また、HOE17Sは、HOE17Mと同様、反射型ホログラム素子であり、例えば体積型である。HOE17Sは、入射した表示用光束(後述)の波面の形状を平行光束に近い波面に変換するパワーを有する。
そして、この基板15Sには、図1に示すように、光源ユニット3Sから出射された表示用光束が、例えば+Yかつ+Zの方向から入射する。
【0023】
なお、光源ユニット3S内には、透過型LCDなどからなる画像表示素子(静止画及び/又は動画を表示可能)や、補正光学系18S(副コンバイナ1Sの一部である。)などが配置されている。図2において、符号DSで示すのは、画像表示素子の表示面である。
また、HOE17Sの波長選択性(回折効率のピーク波長)とこの光源ユニット3S内の光源波長とは互いに最適化されており、HOE17Sは、光源ユニット3Sからの表示用光束に作用する。
【0024】
また、副コンバイナ1Sの各光学面の配置及び形状は、表示面DSの配置位置や配置角度が考慮された上で最適化される。因みに、図2では、最適化の結果、主コンバイナ1Mの各光学面の形状及び配置と副コンバイナ1Sの各光学面の形状及び配置とが若干異なった場合を示した。
したがって、光源ユニット3S内の表示面DSから射出した表示用光束は、図2に示すように補正用光学系18Sを介して基板15Sに入射した後、その基板15Sの+Z側の面及び−Z側の面において順次反射を繰り返しつつYZ平面内を這うようにして基板15S内を進行し、その後HOE17Sに入射して平行光束に近づき、−Zの方向に進み使用者の左眼の瞳Pに入射する。
【0025】
なお、この副コンバイナ1Sは、上記した主コンバイナ1Mに対し固定されている。なお、副コンバイナ1Sを着脱可能とすれば、使用者が視野拡大を望まない場合にはこれを離脱し、アイグラスディスプレイを軽量に保つことができる。
また、主コンバイナ1M及び副コンバイナ1Sの内部でのそれぞれの反射作用を確保するために、副コンバイナ1Sの基板15Sは、主コンバイナ1Mの基板15Mに対し若干の空気間隙を置いて配置される。
【0026】
さらに、副コンバイナ1Sの基板15Sの大きさについては、軽量化のため、表示用光束を適正に通過させるだけの領域が確保されてさえいれば、なるべく小型化されていることが好ましい(例えば、X方向の長さを短くする。)。但し、使用者の左眼に入射する外界光を不適正な方向に屈折することのないよう、基板15Sの端面(XY平面と非平行な面)はXY平面に対し垂直であることが望ましい。
【0027】
次に、本実施形態のアイグラスディスプレイでは、光源ユニット3S内の表示面DSに表示される部分画像と、光源ユニット3M内の表示面DMに表示される部分画像とは、単一の画像(大画像)の一部及び他の一部となるよう制御される。
図3は、主コンバイナ1MのHOE17Mと副コンバイナ1SのHOE17Sとの関係を説明する図である。
【0028】
図3(a)は、HOE17MとHOE17Sとの近傍をYZ平面と平行な平面で切断した断面の光路(表示面DM、表示面DSの中心に向かう光線の光路)の概略図、図3(b)は、HOE17MとHOE17Sとを図3(a)中矢印の方向から見た図である。図3(c)は、使用者の左眼からみた表示面DM、DSの像(虚像)DM’、DS’である。なお、この虚像DM’、DS’は、HOE17M、HOE17Sの実際に配置される位置よりも遠方(+Z方向)に形成される。
【0029】
本実施形態では、主コンバイナ1M、副コンバイナ1Sは、図3(c)に示すように虚像DM’、DS’を、Y方向にずらして形成するよう設計される。但し、虚像DM’、DS’の形成位置のZ座標は、互いに同じとされる。
上述したように表示面DSの画像と表示面DMの画像とは単一の画像(大画像)の一部及び他の一部なので、虚像DM’と虚像DS’の全体は、単一の画像を示す。
【0030】
したがって、使用者からは、単一の大画像が表示されているかのごとく見える。
このとき、主コンバイナ1Mの単体での視野角、副コンバイナ1Sの単体での視野角がそれぞれ従来と同じであったとしても、本実施形態の主コンバイナ1Mの視野角は、拡大する。
しかも、主コンバイナ1Mの収差、副コンバイナ1Sの収差を従来と同等に抑えれば、本実施形態のホログラムコンバイナ光学系1は、視野角が拡大したにも拘わらず、その収差は良好に保たれる。
【0031】
すなわち、主コンバイナ1Mと副コンバイナ1Sとからなる本実施形態のホログラムコンバイナ光学系1の構成は、視野角の拡大を容易にする。
なお、本実施形態のホログラムコンバイナ光学系1が形成する虚像DM’とDS’とは、図3(c)に示すようにオーバーラップしている必要は無く、互いに間隔を空けていてもよい。それら虚像DM’、DS’が単一の画像を示している場合には、人間の脳は、その間隔を自動的に補間して認識できるからである。
【0032】
ここで、虚像DM’、虚像DS’をY方向に並べて形成するためには、図3(a)(b)に示すように、HOE17M、HOE17Sも、Y方向にこの順で配置されることが望ましい。
この順で配置されれば、HOE17Mが表示用光束に付与すべき偏向角度θM、及びHOE17Sが表示用光束に付与すべき偏向角度θSをそれぞれ小さくすることができるので、HOE17M、HOE17Sに起因する収差が小さく抑えられるからである。
【0033】
また、虚像DM’と虚像DS’との境界については、使用者の眼(ここでは左目)の中央(Y=0)に存在すると目立つので、敢えて中央(Y=0)でなく左右(+Y又は−Y)のどちらかにずらすことが好ましい。図3(c)に示した例では、左(+Y)にずれている。よって、この場合、使用者からみて虚像DM’が主な画像、虚像DS’が副次的な画像となる。
【0034】
また、HOE17MとHOE17Sとの実際の位置ズレ量は、虚像DM’の形成位置と虚像DS’の形成位置とのズレ量と同じである必要はない。
ところで、図3(a)(b)に示すように、HOE17MとHOE17Sとが使用者の左眼からみてオーバーラップする(左眼に向かう表示用光束の射出光路が一部重複する)場合、使用者の左目からみて手前側(−Z側)のHOE17Mが、後ろ側(+Z側)のHOE17Sにおける反射光束にも作用してしまう虞がある。
【0035】
よって、手前側(−Z側)のHOE17Mのホログラムパターンについては、そのオーバーラップする領域E(図3(b)参照)を、反射部と透過部が混在した反射面(但し、反射部と透過部との存在する密度は共に一様である。)とすることが好ましい。これは、例えば、HOE17Mのホログラムパターンを焼き付ける際、領域Eに相当する領域にストライプ状のマスクを形成すればよい。なお、領域EだけでなくHOE17Mの全体をこのような反射面としてもよい。
【0036】
或いは、光源ユニット3Mの光源波長と光源ユニット3Sの光源波長とをずらすと共に、主コンバイナ1Mの波長選択性(特に、HOE17Mの波長選択性)、副コンバイナ1Sとの波長選択性(特に、HOE17Sの波長選択性)をそれぞれ光源ユニット3Mの光源波長のみ、光源ユニット3Sの光源波長のみに感応するよう設定しておけば、たとえオーバーラップしても上述した虞は無くなる。
【0037】
なお、本実施形態において、HOE17M、HOE17Sの何れか一方又は双方は、表示用光束の主光線の入射角度aoiと反射角度aorとが(aoi−aor=0)になるべく近くなるよう設定されていることが望ましい。このようにすれば、HOEに起因して発生する色収差を小さく抑えることができるからである。
【0038】
また、本実施形態のコンバイナ光学系の主コンバイナ1Mと副コンバイナ1Sとは、互いに異なる表示面DM、DSからの表示用光束をそれぞれ導くものであったが、同一の表示面の互いに異なる領域からの表示用光束をそれぞれ導くよう設計されてもよい。その場合、本実施形態のアイグラスディスプレイの表示素子を、単一化できる。
【0039】
また、本実施形態のコンバイナ光学系は、コンバイナを2つ(主コンバイナ1Mと副コンバイナ1Sとの2つ)設けたが、3つ以上設け、例えばY方向だけでなくX方向の視野角を拡大してもよい。
なお、本実施形態では、アイグラスディスプレイを説明したが、HMD、ウエアラブルパソコンなどにも本実施形態のコンバイナ光学系は適用し得る。
【0040】
また、本実施形態では、反射光学素子としてホログラム素子を用いたホログラムコンバイナ光学系を説明したが、HOEの代わりにハーフミラー、基板及び補正用光学系の代わりにレンズを使用したコンバイナ光学系にも本発明は適用し得る。
【0041】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0042】
本実施例は、上記実施形態のホログラムコンバイナ光学系の具体例である。
表1、表2、表3、表4、表5、表6、表7、表8は、本実施例の主コンバイナ1Mのレンズデータである。
なお、各表中の数値の単位は、個別の指定のないものは、長さは[mm]、角度は[°]である(表9以降も同様。)。
【0043】
また、各表中の面番号の順序は、瞳Pから表示面DMの方向とした。また、各面番号に対応する括弧内の符号は、図中各面に付与した符号である(表9以降も同様。)。
表1は、仕様、使用材料、各面の形状及び材料を示す表である。
表2は、第3面(HOE17M)の諸値を示す表である。
【0044】
表3は、各面の位置と傾きを示す表である。
表4、表5、表6、表7、表8は、第3面(HOE17M)の入反射特性を示す表である。各表中、w1〜w5は、光線の波長を示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
また、表9、表10、表11、表12、表13、表14は、本実施例の副コンバイナ1Sのレンズデータである。
【0045】
表9は、仕様、使用材料、各面の形状及び材料を示す表である。
表10は、第5面(HOE17S)の諸値を示す表である。
表11は、各面の位置と傾きを示す表である。
表12、表13、表14、表15、表16は、第5面(HOE17S)の入反射特性を示す表である。各表中、w1〜w5は、光線の波長を示す。
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
ここで、HOEのホログラムパターンを示す位相関数は、XY平面上の位置と指定した点に入射する光線の受ける光路差を、使用波長で規格化して表すものであり、式(1)で表される。
【数1】
この位相関数の係数は、65個あって、順にC1,C2,・・・,C65とおき、係数の順番を整数j(j=1,2,・・・,65)で表すと(整数jと整数m,nとの関係は式(2)である。)、式(3)で表される。
【数2】
【数3】
よって、表中の位相係数C1,C2,・・・,C65により規定されるHOEの位相関数は、式(3)のとおりである。
【0046】
図4、図5は、本実施例の主コンバイナ1Mの収差図(横収差図)である。
図6、図7は、本実施例の副コンバイナ1Sの収差図(横収差図)である。
各図において、Y−FANは、Y方向の収差、X−FANは、X方向の収差である。
図4は、上から順に、画角(0°,5.000°)、(0°,2.500°)、(0°,0.00°)、(0°,−2.50°)、(0°,−5.00°)における収差を示し、図5は、上から順に、画角(6.65°,5.00°)、(6.65°,2.50°)、(6.65°,0.00°)、(6.65°,−2.50°)、(6.65°,−5.00°)における収差を示す。
【0047】
図6は、上から順に、画角(0°,13.00°)、(0°,11.00°)、(0°,9.00°)、(0°,7.000°)、(0°,5.000°)における収差を示し、図7は、上から順に、(6.66°,13.00°)、(6.66°,11.00°)、(6.66°,9.00°)、(6.66°,7.000°)、(6.66°,5.000°)における収差を示す。
【0048】
以上、本実施例によれば、射出瞳径が3mm程度に大きく、かつ視野角が10度以上あるホログラムコンバイナ光学系が実現した。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、視野角の拡大が容易な構成のコンバイナ光学系が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アイグラスディスプレイの外観図である。
【図2】本実施形態のコンバイナ光学系1の構成及び光路を示す図である。
【図3】主コンバイナ1MのHOE17Mと副コンバイナ1SのHOE17Sとの関係を説明する図である。
【図4】本実施例の主コンバイナ1Mの収差図(横収差図)である。
【図5】本実施例の主コンバイナ1Mの収差図(横収差図)である。
【図6】本実施例の副コンバイナ1Sの収差図(横収差図)である。
【図7】本実施例の副コンバイナ1Sの収差図(横収差図)である。
【符号の説明】
1 ホログラムコンバイナ光学系
1M 主コンバイナ
1S 副コンバイナ
2 支持部材
3M,3S 光源ユニット
15M,15S 基板
17M,17S HOE(ホログラム素子)
18M,18S 補正用光学系
P 瞳
DM,DS 表示面
Claims (5)
- 観察眼の光軸に交差するよう配置され、かつその観察眼の瞳位置に入射する外界光を透過する複数の基板と、
前記複数の基板に個別に設けられ、かつ、所定の画像上の互いに異なる領域を示す複数の表示用光束を、前記外界光に重畳して前記観察眼の瞳位置に個別に導く複数の反射光学素子と
を備えたことを特徴とするコンバイナ光学系。 - 請求項1に記載のコンバイナ光学系において、
前記複数の基板は、前記光軸の方向に間隙を置いて配置される
ことを特徴とするコンバイナ光学系。 - 請求項1又は請求項2に記載のコンバイナ光学系において、
前記複数の反射光学素子のうち少なくとも2つの反射光学素子は、前記表示用光束の射出光路が重複する重複領域を有し、
前記2つの反射光学素子のうち前記瞳位置に近い側の反射光学素子の前記重複領域は、反射部と透過部とが混在した反射面になっている
ことを特徴とするコンバイナ光学系。 - 請求項1又は請求項2に記載のコンバイナ光学系において、
前記複数の反射光学素子のうち少なくとも2つの反射光学素子は、前記表示用光束の射出光路が重複する重複領域を有し、
前記2つの反射光学素子は、互いに異なる波長選択性に設定されている
ことを特徴とするコンバイナ光学系。 - 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のコンバイナ光学系において、
前記反射光学素子は、ホログラム素子である
ことを特徴とするコンバイナ光学系。
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