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JP2004012343A - 複数検査並行方法および複数検査並行用混合液 - Google Patents

複数検査並行方法および複数検査並行用混合液 Download PDF

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JP2004012343A
JP2004012343A JP2002167394A JP2002167394A JP2004012343A JP 2004012343 A JP2004012343 A JP 2004012343A JP 2002167394 A JP2002167394 A JP 2002167394A JP 2002167394 A JP2002167394 A JP 2002167394A JP 2004012343 A JP2004012343 A JP 2004012343A
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JP2002167394A
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Masayuki Machida
町田 雅之
Hisako Hagiwara
萩原 央子
Mitsuo Itakura
板倉 光夫
Yosuke Takahama
高濱 洋介
Hideji Tajima
田島 秀二
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Precision System Science Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Precision System Science Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

【課題】複数検査並行方法および複数検査並行用混合液に関し、複数種類の検査を並行して行うことにより、厳密に同一条件で時間的、空間的に効率的に処理を行うことができる方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】複数検査種類の検査対象物群を加工する加工工程と、各検査種類ごとに検査対象物と結合しまたは結合しない複数検査種類の既知の所定構造をもち、各検査種類間で相互に識別可能に標識物質と結合することによって標識化された標識化検出体群を生成する生成工程と、検査対象物群、担体および標識化検出体群を液中で混合させて反応を行わしめる反応工程と、検査対象物を介して標識化検出体群と結合した担体を分離し、分離した担体から該標識物質を遊離する遊離工程と、遊離した該標識物質に基づいて、検査種類ごとに、担体による標識化検出体の保持の有無またはその程度を検出する検出工程とを有するように構成する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数検査並行方法および複数検査並行用混合液に関する。本発明は、特に、遺伝子、免疫系、タンパク質、アミノ酸、糖等の生体高分子に関する検査、解析、分析が要求される分野、例えば、工学分野、食品、農産、水産加工等の農学分野、薬学分野、衛生、保健、免疫、疾病、遺伝等の医学分野、化学もしくは生物学等の理学分野等、あらゆる分野に関係するものである。
本発明は、特に、遺伝子の変異解析、多型解析、マッピング、塩基配列解析、発現解析等において適した複数検査並行方法および複数検査並行用混合液に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遺伝子プローブ(標識化された特定のDNAまたはRNA配列)分析を行うために、遺伝子増幅技術(例えばPCR)を用いて目的の遺伝子配列を増幅し、ハイブリダイゼーション・ライゲーション検出法を用いて、ターゲット配列にハイブリダイズされたプローブの配列が分離され且つ検出されるようにすることにより(例えば、プローブは磁性粒子とアクリジニウムエスエルの組み合わせを含有する)特定の配列が存在するか否かを決定するものがあった(特表平9−510878号)。
【0003】
この方法は、詳しくは、ターゲットポリ核酸配列を同定する方法であって、
(a)2種類プローブがライゲーションされたときに、それらのプローブが、前記ターゲットポリ核酸の予想配列の一部または全部に相補的であるようにし、該プローブの一方は、そのプローブが反応混合物から容易に分離され得るようにする部分に結合され、さらに、他方のプローブは、ラベルに結合されるようにし、(b)該プローブをターゲットポリ核酸と混合することにより、それらのプローブが該ターゲットポリ核酸にハイブリダイズするようにし、(c)ライゲーション用試薬を添加し、(d)反応混合物を変性することにより、ターゲットポリ核酸からプローブが分離されるようにし、(e)分離を容易にする前記部分を利用して、プローブを分離し、さらに、(f)分離後のプローブを分析して該プローブに前記ラベルが結合されているか否かを決定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の遺伝子プローブ分析方法にあっては、分析は、常に1種類の塩基配列の検査に限られるものである。そのために、複数の分析を行うには、上記の方法を、各種類ごとに別途行う必要がある。そのために、各種類ごとに、容器や、反応物質や、試薬の多種類を大量に用意する必要や、各検査毎に容器等を洗浄する必要や、恒温装置等の設備が必要になったり、各種類ごとに処理を順次行う必要があり、処理時間を長く必要とし、また、大きな処理空間や処理設備を必要とすることになるという問題点を有していた。
【0005】
また、各種類の検査ごとに種々の手間がかかるため、処理が煩雑になり、使用者に大きな手間がかかるという問題点をも有していた。
【0006】
さらに、各処理ごとに異なる混合液や試薬等を種類間でクロスコンタミネーションが生じないように用意する必要があるので、処理の管理に大きな手間がかかることになるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、第1の目的は、複数種類の検査をまとめて並行して行うことにより、その処理時間のみならず、その作業空間を省き、効率的に処理を行うことができる複数検査並行方法および複数検査並行用混合液を提供することである。
【0008】
第2の目的は、複数種類の検査をまとめて並行して行うことにより、各検査ごとには微小な量であっても、それらをまとめてバルクな量を扱うことによって、より扱いやすく使い勝手の良い複数検査並行方法および複数検査並行用混合液を提供することである。
【0009】
第3の目的は、複数種類の検査をまとめて並行して行うことにより、各検査における共通に必要とする試薬等の物品や、温度等の環境等の設備、人手を節約し、検査コストを低下させることができる複数検査並行方法および複数検査並行用混合液を提供することである。
【0010】
第4の目的は、複数種類の検査をまとめて並行して行うことにより、各種類の検査に厳密に同一の条件を設定することが可能となり、各種類間で同一条件での検査結果の比較を行うことができ、これによって各種類間の本質的な相違点の発見や、信頼性のある精度の高い検査結果を得ることができる複数検査並行方法および複数検査並行用混合液を提供することである。
【0011】
第5の目的は、特に、遺伝物質の塩基配列の決定等のように大量の情報を得る必要があるために、多数の単純な処理を繰り返す必要があるような検査や処理に適した複数検査並行方法および複数検査並行用混合液を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の技術的課題を解決するために、第1の発明は、複数検査種類の検査対象物群を、各検査対象物の所定部位で担体に固定し、または固定可能となるように加工する加工工程と、各検査種類ごとに前記検査対象物と結合しまたは結合しない複数検査種類の既知の所定構造をもち、各検査種類間で相互に識別可能に標識化された標識化検出体群を生成する生成工程と、少なくとも、前記検査対象物群、前記担体および標識化検出体群を液中で混合させて反応を行わしめる反応工程と、前記検査対象物および検出体を介して前記担体に結合した前記担体を分離し、分離した担体から標識物質を遊離する遊離工程と、遊離した該標識物質に基づいて、前記検査種類ごとに、前記担体による前記検査対象物を介しての前記標識化検出体の保持の有無またはその程度を検出する検出工程とを有することによって、複数検査種類の検査を並行して行う複数検査並行方法である。
【0013】
ここで、「検査種類」とは、並行して行おうとする複数の検査の種類をいう。検査種類は、例えば、検査対象物の種類、同一検査対象物における検査部位の種類によって区別することができる。
【0014】
また、「標識化検出体」とは、標識化された検出体であり、「検出体」とは、検出に用いられる固体であって、各検査種類ごとに前記混合液中に多数含まれる。「標識化」は、例えば、標識物質と結合することによって行う。標識物質は、光学物質のみならず、種々の瞬時に定量可能な他の物理量、化学量をもつ物質によって行っても良い。
【0015】
「保持の程度」は、保持量の多少、すなわち検出の際の標識の程度を意味し、標識化が光学的に行われる場合には、例えば光の強度である。「検査対象物を固定する」態様としては、検査対象物が結合し、検査対象物が付着し、もしくは検査対象物を吸着し、検査対象物を担体の表面にコーティングしている場合、または他物質を媒介にして検査対象物を有する場合を含む。「検査対象物」には遺伝物質、免疫系、タンパク質、アミノ酸、糖等の生体高分子、生体低分子を含む。
【0016】
「担体」は、1分子以上の標識化検出体を保持可能であり、好ましくは多数の標識化検出体を保持可能であり、磁力、遠心操作等によって溶液から分離捕集が可能なものである必要がある。該担体の大きさは、検査に用いる容器に収容可能であれば良いが、好ましくは粒径が0.1μm以上、100μm以下の球状である。これにより、適度の分離捕集性能と、十分な標識化検出体の保持量を得ることができる。なお、本発明では、担体が保持する物質の構造を決定する際に、担体上の該物質の結合位置とその物質の構造との間には、対応関係をもたせる必要は全くないか、または、該物質の構造を決定するのに必要な程度に詳細な対応関係はもたせる必要はない。
【0017】
「標識物質の遊離」には、DNA等の遺伝物質、ペプチド、糖質、脂質その他の生体高分子または生体低分子等の切断による場合のみならず、pHや塩濃度の変更による場合、変性剤の添加や加熱等による変性による場合等がある。
【0018】
第2の発明は、前記生成工程は、各検査種類ごとに、多数の検出体と、所定の種類が所定の量比含まれた各検査種類の標識物質とを液中に混合させて結合させる工程を有し、前記種類またはその量比は、各検査種類ごとに相互に識別可能となるように異なる複数検査並行方法である。ここで、「標識物質」には、例えば、蛍光物質等の発光物質、電磁波を発する物質、磁場を発する物質、電荷をもつ物質等がある。
【0019】
第3の発明は、前記生成工程において、各検査種類の標識物質の全体は、各検査種類ごとの前記標識化検出体の略全てに分配され、1個の前記標識化検出体は1種類以上の標識物質と結合する工程を有する複数検査並行方法である。
【0020】
第4の発明は、前記遊離工程における担体の分離は、該担体に磁力を及ぼすことによって行う複数検査並行方法である。ここで、該担体は、磁性体であり、好ましくは、超常磁性体で粒子状であり、さらに好ましくは、粒径が0.1μmから100μmである。
【0021】
第5の発明は、前記加工工程においては、複数検査種類の検査対象物群を、各検査対象物の所定部位で担体に固定可能となるように加工し、前記反応工程においては、前記検査対象物群と標識化検出体群とを液中で混合して反応させた後に、該混合液中に担体を混合して反応させる複数検査並行方法である。
【0022】
ここで、最初に、検査対象物群と標識化検出体群とを液中で混合して反応させた後に、液中に担体を混合して反応させるようにしたのは、検査対象物群と標識化検出体群の間の中の圧倒的に高い確率で生ずる反応の可能性をさらに高め、それ以外の検査対象物群同士または標識化検出対群同士の反応を含む反応の可能性を一層低めるためである。一方、最初に担体と検査対象物群との反応を行うと、一般的に分子生物学的反応や生化学的反応などの生体高分子が関与する反応においては、担体に固定された検査対象物同士の反応確率は低いが0ではないため、その結合の可能性が無視できなくなるからである。例えば、DNA等の遺伝物質においては、ある塩基配列同士のライゲーション反応の確率は、相補的な関係にある塩基配列同士の反応より低いが0ではないからである。特に、突出末端がパリンドロームとなるような場合に生じやすい担体に固定化された分子同士のライゲーション反応を防止することができる。
【0023】
第6の発明は、前記反応工程においては、前記標識化検出体群の各標識化検出体は互いに反応して結合することなく作成され、かつその個数が前記検査対象物の個数を過剰に上回るように標識化検出体群を混合される複数検査並行方法である。
【0024】
前記生成工程において、前記標識化検出体群の各標識化検出体の個数を前記検査対象物の個数よりも過剰に作成して反応に供することによって、反応の確率は低いが0ではないことによって引き起こされる前記標識化検出体同士の結合の存在を、反応の確率の最も高い結合の存在によって統計学的に無視することができる。例えば、突出末端(一本鎖部位)に相補的な配列を含む全ての標識化検出体を過剰に存在させておくことにより、競争的なライゲーション反応を可能にし、2種類以上からなる標識化検出体の中で最も配列の相補性が高い標識化検出体のライゲーションだけが高い確率で起こる。これにより、突出末端の配列が、例えば1塩基の違いだけであって、突出末端部位の非相補性による非特異的ライゲーション反応が起こりやすい条件下においても信頼性の高い測定が可能である。
【0025】
「標識化検出体群の各標識化検出体は互いに反応して結合することのない」ようにするためには、例えば、DNAを検出体とした場合には、連結部位に存在する5’末端のリン酸基を除去しておくようにすれば可能である。
【0026】
第7の発明は、前記加工工程において、遺伝物質の複数検査種類の所定検査部位の構造の当否を検査する場合には、前記担体に一対の特異的結合物質の一方を設け、前記検査対象物として一本鎖の検査部位が1検査種類ずつ含まれ、該検査部位を突出末端とするように切断され、かつ、その各検査対象物の他端に、前記一対の特異的結合物質のうちの他方を設けるように加工し、前記生成工程における複数検査種類の前記標識化検出体は、各検査種類の前記検査対象物が、その構造に応じて、該遺伝物質の前記検査部位と結合しまたは結合しない一本鎖の塩基配列を有する遺伝物質である複数検査並行方法である。
【0027】
第8の発明は、前記加工工程は、複数検査種類の検査部位を持つ二本鎖のDNAと、各検査種類の検査部位ごとに一端に前記特異的結合物質が結合した複数検査種類のプライマー群と、それと対をなし、前記プライマーの3’末端の下流側にある検査部位が突出末端となる切断部位をもち、認識部位と切断部位とが異なる制限酵素の認識部位が挿入されたプライマー群と、を混合してPCRにより二本鎖DNA断片を増幅する増幅工程と、増幅された前記DNA断片を前記制限酵素で処理することによって、他端に、検査部位の突出末端を有するDNA断片を生成する酵素反応工程とを有することによって、前記複数検査種類の検査対象物群を、担体に固定し、または固定可能となるように加工するものであり、前記生成工程は、一端が複数検査種類の前記検査対象物群の各検査部位に相補的な塩基配列となる突出末端をもち、他端が、各検査種類ごとに相互に識別可能となるように標識物質で標識化された標識化検出体としての二本鎖のDNA断片を生成するものであり、加工された検査対象物群、該検査対象物を固定しまたは該検査対象物を固定可能な担体、および前記標識化検出体群を液中に所定順序で混合しライゲーション反応を行うことによって、前記担体による前記検査対象物を介しての前記標識化検出体の保持の有無またはその程度を検出する複数検査並行方法である。
【0028】
ここで、「認識部位と切断部位が異なる制限酵素」は、好ましくはType IIIまたはType IIS制限酵素である。また、「所定順序」とは、例えば、第5の発明で説明した順序である。
【0029】
第9の発明は、前記加工工程における、前記制限酵素は、前記検査対象物の、複数の検査部位をもつ二本鎖のDNAを各検査部位ごとに認識部位と切断部位とにある塩基が、重複せず、PCRプライマーに影響を及ぼさない程度に離れており、該制限酵素の認識部位がプライマーの3’末端の上流側に設けられたものである複数検査並行方法である。
【0030】
第10の発明は、複数検査種類のタンパク質の所定の検査部位についての構造の当否、その存在の有無またはその存在の程度を検査する場合には、前記加工工程における前記検査対象物は、複数種類のタンパク質であって、該タンパク質の前記検査部位以外にある所定部位を前記担体に固定し、または固定可能となるように加工し、前記生成工程における前記標識化検出体は、前記検査部位と特異的に結合しまたは結合しないように選ばれた物質を前記標識物質によって各複数検査種類毎に相互に識別可能となるように標識化したものである複数検査並行方法である。
【0031】
第11の発明は、前記遊離工程において、遺伝物質の複数検査種類の検査を行う場合には、前記標識化検出体群と結合した担体からの標識物質の遊離は、DNAを任意の位置で切断可能な酵素を用いて行う複数検査並行方法である。
該酵素としては、DNase Iが好ましい。
【0032】
第12の発明は、前記遊離工程において、タンパク質の複数検査種類の検査を行う場合には、前記標識化検出体群と結合した担体からの標識物質の遊離は、タンパク質のポリペプチド鎖を任意の位置で切断可能な酵素を用いて行う複数検査並行方法である。
【0033】
第13の発明は、各検査対象物の所定部位で担体に固定し、または固定可能となるように加工された複数検査種類の検査対象物群と、各検査種類ごとに前記検査対象物と結合しまたは結合しない複数検査種類の既知の所定構造をもち、各検査種類間で相互に識別可能に標識化された標識化検出体群と、前記検査対象物群が固定されまたは固定可能な担体とを含む混合液であって、前記検査対象物を介して標識化検出体群と結合した前記担体を分離し、分離した担体から該標識物質を遊離し、遊離した該標識物質に基づいて、前記検査種類ごとに、前記担体による前記標識化検出体の保持の有無またはその程度を検出することによって、複数検査種類の検査が前記混合液を用いて並行して行われる複数検査並行用混合液である。
【0034】
第14の発明は、前記各検査種類の前記標識化検出体は各検査種類の標識物質とのみ結合することによって標識化され、各検査種類ごとの前記標識物質の全体は、所定の種類が所定の量比含まれたものであって、その種類またはその量比は、各検査種類ごとに相互に識別可能となるように異なる複数検査並行用混合液である。
【0035】
第15の発明は、各検査種類ごとの標識物質の全体は、各検査種類ごとに前記標識化検出体の略全てに分配され、1個の標識化検出体は1種類以上の標識物質と結合したものである複数検査並行用混合液である。
【0036】
第16の発明は、前記担体は、磁力によって分離可能である複数検査並行用混合液である。
【0037】
第17の発明は、前記検査対象物群と標識化検出体群とを液中で混合して反応させた後に、前記担体を混合した複数検査並行用混合液である。
【0038】
第18の発明は、前記標識化検出体群の各標識化検出体は互いに反応して結合することなく作成され、かつその個数が前記検査対象物の個数を過剰に上回るように混合されている複数検査並行用混合液である。
【0039】
第19の発明は、遺伝物質の複数検査種類の所定検査部位の構造の当否を検査する場合には、前記検査対象物は、各々、一本鎖の検査部位が1検査種類ずつ含まれるように切断されたDNA断片等の遺伝物質であり、各検査種類の前記標識化検出体は、その構造に応じて、前記遺伝物質の前記検査部位と結合しまたは結合しない一本鎖の塩基配列を有する標識化された遺伝物質である。
【0040】
第20の発明は、複数検査種類のタンパク質の所定の検査部位についての構造の当否、その存在の有無またはその存在の程度を検査する場合には、前記検査対象物は、所定部位で担体に固定し、または固定可能となるように加工されたタンパク質であって、前記標識化検出体は、各検査種類ごとに、前記検査対象物と結合しまたは結合しない複数検査種類の既知の所定構造をもち、各検査種類間で相互に識別可能に標識化された複数検査並行用混合液である。
【0041】
第21の発明は、前記標識化検出体は、複数の検査部位をもつ二本鎖のDNAを、各検査部位ごとに認識部位と切断部位とにある塩基が重複せず、PCRプライマーに影響を及ぼさない程度に離れている認識部位と切断部位とが異なる制限酵素の認識部位をプライマーの3’末端の上流側に設けたプライマー群と、それと対をなす標識化された複数検査種類のプライマー群と、を混合してPCRにより二本鎖DNA断片を増幅し、増幅された前記DNA断片を前記制限酵素で処理することによって、一端が標識化され、他端に検査部位の突出末端を有するDNA断片である。
【0042】
ここで、「各検査部位ごとに認識部位と切断部位とにある塩基が重複せず、PCRプライマーに影響を及ぼさない程度に離れている」とは、好ましくは10塩基以上離れている場合をいう。理想的には、20〜30塩基程度離れているのが良い。しかし、現在知られているType IIS制限酵素等では、最大10〜20塩基程度である。
【0043】
第22の発明は、前記標識化検出体群と結合した担体からの標識物質の遊離を行うために、DNAを任意の位置で切断可能な酵素が混合されている複数検査並行用混合液である。
【0044】
第23の発明は、前記標識化検出体群と結合した担体からの標識物質の遊離を行うために、タンパク質のポリペプチド鎖を任意の位置で切断可能な酵素が混合されている複数検査並行用混合液である。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る複数検査並行方法および複数検査並行用混合液を図面に基づいて以下に説明する。なお、この実施の形態は特に指定のない限り本発明を制限するものと解してはならない。
【0046】
図1は、本発明の実施の形態に係る複数検査並行方法および複数検査並行用混合液を示すものである。
【0047】
図1(a)に示すように、本実施の形態では、一人の患者から抽出した遺伝物質である2種類の特定の二本鎖の検体DNA11および検体DNA12の各々にある検査部位13、14にある塩基または塩基配列をもつ各検査対象の構造に変異があるか否か、すなわち多型の検査を行うものである。このような検体DNA11、12として、例えば、ヒトATase(アミドホスホリボシルトランスフェラーゼ;amidophosphoribosyltranspherase)のエクソン6と、エクソン8を用いる。該ATase遺伝子上の変異が、痛風の原因となるプリン生産過剰を引き起こしていると考えられるものである。
【0048】
前記「検査種類」は、ここでは、検体DNA11における検査部位13と、検体DNA12における検査部位14における2種類の検査である。この例では、説明上簡単のため、2種類の2塩基の場合を示しているが、この種類数およびこの塩基数に限定されるものではない。
【0049】
図1(a)は、前記検体DNA11、12の他に、一端がビオチン15と結合したプライマー16、17を示している。また、このプライマーと対をなし、3’末端の上流側に設けられ前記検査部位13、14に切断部位をもつように、認識部位と切断部位にある塩基とが10塩基以上離れたType IIS制限酵素認識配列18をもつプライマー19を示している。
【0050】
ここでは、前記検査部位13、14は、その塩基配列が各々「AG」および「AC」のタイプAの配列である。その塩基配列が各々「GG」および「AT」となる場合をタイプBの配列とする。前記Type IIS制限酵素として、Bse RIを用いる。該制限酵素の認識部位は、「GAGGAG(N)(10/8)」であり、ここで、「N」は、A、C、GまたはTのいずれかを表す。
【0051】
次に、図1(b)において、前記検体DNA11、12、プライマー16、17、19は混合され、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)が実行される。
すると、図1(b)に示すように、一端にビオチン15を有し、末端近傍にType IIS制限酵素認識部位を有する2種類の二本鎖DNA断片群20、22(タイプA)が並行して増幅される。なお、図1(b)に示した二本鎖DNA断片群21、23は、タイプBの塩基配列の検査部位13、14をもつ場合を示している。
【0052】
次に、図1(c)に示すように、PCR法で増幅された増幅DNA断片20および増幅DNA断片21、ならびに、増幅DNA断片22および増幅DNA断片23を前記Type IIS制限酵素で処理することによって、一端にビオチン15を有し、他端に検査部位13の突出末端25である「AG」、突出末端29である「GG」を各々有する多数のDNA断片24、DNA断片28、および、突出末端27である「AC」、突出末端31である「AT」を各々有する多数のDNA断片26、DNA断片30が生成される。このDNA断片24およびDNA断片28と、DNA断片26およびDNA断片30とが前記2種類の検査対象物に相当する。
【0053】
次に、図1(d)に示すように、一端が標識物質F、F、F、Fのいずれかと結合して標識化され、他端に前記検査部位13、14に相補的な塩基配列の突出末端32、34、36、38を有する4種類の標識化検出体33、35、37、39を生成する。
【0054】
ここで、前記標識物質F、F、F、Fとしては、例えば、それぞれ種類が異なる4種類の蛍光物質である。蛍光物質としては、例えば、IRD700、IRD40、Cy5、Cy3、FITC(フルオレッセイン イソチオシアネート)、ローダミン、イソチオシアネート等の有機物質またはユウロピウム錯体等の無機物質から選ぶ。
【0055】
ここでは、例えば、一端が標識物質Fとして選んだ前記FITCと結合して標識化し、他端に前記検査部位13の塩基配列「AG」に相補的な塩基配列「TC」の突出末端32を有する標識化検出体33、一端が標識物質Fとして選んだ前記Cy3と結合して標識化し、他端に前記検査部位14の塩基配列「AC」に相補的な塩基配列「TG」の突出末端34を有する標識化検出体35、一端が標識物質Fとして選んだ前記Cy5と結合して標識化し、他端に前記検査部位13の塩基配列「GG」に相補的な塩基配列「CC」の突出末端36を有する標識化検出体37、一端が標識物質Fとして選んだ前記IRDと結合して標識化し、他端に前記検査部位14の塩基配列「AT」に相補的な塩基配列「TA」の突出末端38を有する標識化検出体39を生成する。
【0056】
次に、図1(e)に示すように、まず、前記DNA断片群24、26、28、30、前記標識化検出体群33、35、37、39を混合して、ライゲーション反応をさせる。その際、前記標識化検出体群33、35、37、39の各個数は前記DNA断片群24、26、28、30の各個数よりも過剰に上回るように液中に混合させる。すると、前記検体DNA11の前記検査部位13および検体DNA12の前記検査部位14が各々タイプAの塩基配列かタイプBの塩基配列かによって、前記DNA断片群24、26、28、30のいずれかと、標識化検出体群33、35、37、39のいずれかとが結合することになる。
【0057】
次に、この混合液中に、前記担体として、多数の磁性粒子40を混合させる。ここで、磁性粒子40には、予め前記ビオチン15と特異的に結合するアビジンが固定されているので、これらを混合すると、前記DNA断片群24、26、28、30のビオチンと前記磁性粒子40のアビジンが特異的に結合して、前記標識化検出体群33、35、37、39は、前記DNA断片群24、26、28、30を介して磁性粒子40に捕獲されることになる。
【0058】
これらの、磁性粒子40は、図示しない分注機によって分離し、洗浄を行って、磁性粒子40に捕獲されていない標識物質等の夾雑物を除去する。該分注機は、液体を吸引吐出する吸引吐出手段と、該吸引吐出手段のノズルに着脱自在に装着されたピペットチップと、前記ピペットチップの液通過路に磁場を解除可能に及ぼすことができる磁力手段とを有するものである。該分注機の液通過路に磁場を及ぼすことによって前記磁性粒子40を吸着させて分離する。
【0059】
図1(f)で、分離された前記磁性粒子40を、別容器に移送し、該容器内に収容されている液体の吸引吐出を繰り返すことによって再懸濁する。
【0060】
図1(g)で、前記各標識物質F、F、F、Fと前記磁性粒子40との間を遊離する。この遊離は、例えば、DNase Iによって、前記DNA断片を切断することによって行う。切り離された磁性粒子40は、前記分注機の前記液通過路に磁場を及ぼしたまま前記液体の吸引吐出を繰り返すことによって該液通過路の内壁に吸着させて除去する。該磁性粒子40が除去された液体について光学的測定を行うことによって、磁性粒子40の存在による光学的な影響を除去することができるので、明瞭かつ確実な前記標識物質の種類およびその量比の測定を行うことができる。
【0061】
光学的測定は、例えば、蛍光測定装置を用いて、2種類以上の検査部位を同時に検出することが可能である。この蛍光測定装置による検出が、前記検出工程に相当する。
【0062】
このようにして測定された測定結果の例を図2に示す。同図に示すように、前記標識物質F(例えば赤色蛍光)、F(例えば黄色蛍光)を用いて、多数の検体に対して実験を行ったところ、いずれの場合においても、検査部位13における、多型の配列グループ1(A/A)、グループ2(A/G)、グループ3(G/G)は、各々、重複しない、一定の領域内に属し、確実に識別することがわかった。同様にして、別の検査部位14においても、F、Fを用いて、確実に識別することができる。
【0063】
以上の実施の形態の説明では、検査部位13のまたは検査部位14の構造(各々AG、ACに相当する部分)がタイプAかタイプBであるかを調べるのみであった。もし、各検査部位13、検査部位14の構造をも特定しようとするのであれば、前記構造体として予想される全検査部位の構造に対応する塩基配列の組み合わせを、前記標識化検出体群の3’末端またはその近傍に含む標識化検出体群を形成し、相互に識別可能とするように標識化したものを各検査部位(13、14)ごとに全て互いに異なるように標識化したものを用いることによって行うことができる。
【0064】
また、以上の説明で用いられた2塩基突出は、例えばFok I等のType IIS制限酵素による4塩基突出末端など、3塩基以上の突出末端を用いることが可能である。例えば、4塩基突出末端の場合には、異なる配列として認識が可能な場合の数は256種類となり、同時に検出可能な変異部位あるいは変異の検出の種類の数を増加させることができる。
【0065】
以上の実施の形態は、本発明をより良く理解させるために具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。例えば、以上の説明では、説明の便宜上、2検査種類の検査を、2種類の標識化検出体を用いて検査を多並行して行い、2種類の標識物質によって標識化したものについて説明したが、この場合に限られず、3検査種類以上の検査、および3以上の種類の標識物質を用いて検査を行うことができる。
【0066】
以上の例では、標識物質が発光物質の場合について説明したが、標識物質は、この例に限られず、磁場、核スピン状態等、種々の瞬時に定量可能な物理量をもつ物質であっても良い。また、発光物質であっても、発光波長および発光強度のみならず、発光偏光度、発光位相、発光寿命等を検出するようにしても良い。
【0067】
以上の検査は、DNAに関する多型、微生物種類の検査、タンパク質の変異に関する場合について行われているが、これらの例に限られることなく、糖やアミノ酸等に関する検査にも用いることができるのはいうまでもない。
【0068】
また、抗体以外にも、レクチン、その他のタンパク質、低分子物質など、検査物質に特異的に結合する物質を用いることができる。この場合、糖、脂質、その他の低分子量および高分子量からなる、特異的結合が可能な種々の物質の検査を行うことが可能である。
【0069】
また、以上の例では、変異部位は1塩基または2塩基の変異の場合についてのみ説明したが、この例に限られることなく、例えば、3以上の塩基からなる塩基配列をもつ変異の場合、欠失、挿入がある場合についても適用できることはいうまでもない。さらに、変異部位の解析方法は、必ずしも複数検査種類の並行検査を行う場合に限られず、1検査種類の検査のみを行う際にも使用することができる。
【0070】
【発明の効果】
第1の発明または第13の発明によれば、前述した効果の他に、例えば、DNAの塩基配列等の構造について、高い信頼性をもって高い精度で決定することができる。
【0071】
また、各担体ごとに前記検査対象物を介して保持された前記標識化検出体による標識化の状態を検出しまた検出できないことによって、その標識によって識別しようとする検査種類を特定し、その検査種類について種々の情報を容易に得ることができる。
【0072】
また、複数検査種類の検査を多重化することによって並行して実行することができる。したがって、処理時間を短縮化し、かつ効率化することができるとともに、処理に必要な作業面積を省略化し、使用する装置はコンパクトなもので済むことになる。
【0073】
また、各検査ごとには微小な量であっても、それらをまとめてバルクな量を扱うことによって、より扱いやすく使い勝手が良い。さらに、各検査における共通に必要とする試薬等の物品や、温度等の環境等の設備、人手を節約し、検査コストを低下させることができる。
【0074】
さらに、各種類の検査に厳密な同一の条件を設定することが可能となり、各種類間で同一条件での検査結果の比較を行うことができる。これによって各種類間の本質的な相違点の発見や、信頼性のある精度の高い検査結果を得ることができる。また、遺伝物質の塩基配列の決定等のように大量の情報を得る必要があるために、多数の単純な処理を繰り返す必要があるような検査や処理を効率的に行う場合に適している。
【0075】
さらに、本発明によれば、検査対象物を標識化するのではなく、既知の構造をもつ検出体を標識化したものを用いている。構造が未知の検査対象物を標識化する場合に比較して、標識化が容易であり、また、検査対象物の構造を変えないので、より信頼性の高い検査を行うことができる。
【0076】
また、標識物質を担体から遊離することによって、担体の存在による標識物質を測定する上での悪影響を排除して、高精度で、明確な識別を行うことができる。
【0077】
さらに、本発明によれば、標識化検出体の保持の有無またはその程度の検出は、標識化物質のみに基づいて行われるので、前記検出体自体の性状、物理的特性、化学的特性のいずれにも依存しないため、検出が容易である。また、採用可能な検出体の範囲が、特定の性状、特定に限定されないため、検出体として採用可能な物質の選択の幅が広い。
【0078】
第2の発明または第14の発明によれば、所定の種類が所定の量比含まれた標識物質が各検査種類間で識別可能となるように異ならせることによって標識化している。したがって、前述した効果の他に、少数の種類の標識物質を用いて多数の検査種類間(例えば、数百、数千、数万種以上)を識別することができるという効果を奏する。また、各検査種類ごとに多数の関係物質を混合させることによって容易にかつ統計誤差内の正確で精密な標識化を実現することができる。
【0079】
第3の発明または第15の発明によれば、前述した効果の他に、各検出体ごとに1種類以上の標識物質と結合するようにしている。したがって、量比は個々の担体に特異的に結合した標識物質の検出強度になるので、単に存在の有無のみならず、存在の程度をも容易に検出することができる。
【0080】
第4の発明または第16の発明によれば、前記担体の分離を磁力によって行うようにしているので、分離を、容易かつ確実に行うことができる。
【0081】
第5の発明または第17の発明によると、最も高い確率で起きる検査対象物と標識化検出体との間の反応の可能性を一層高め、それ以外の反応の可能性を一層低めることによって、信頼性の高い検査を行うことができる。
【0082】
第6の発明または第18の発明によると、最も高い確率で起きる、検査対象物と標識化検出体との間の反応による結合の存在の割合を一層高め、それ以外の反応による結合の存在の割合を一層低めることによって、より一層信頼性の高い検査を行うことができる。
【0083】
第7の発明または第19の発明によれば、1つのDNA内に、複数の検査部位が含まれる場合であっても、その検査部位が1つずつ含まれ、かつ、該検査部位を突出末端とするように切断することによって、各検査部位についてその構造の当否を多重化して検査することができる。したがって、第1の発明で説明したような効果を奏する。
【0084】
また、第8の発明によれば、Type IIS等の前記制限酵素認識部位を用いることによって、検査部位に悪影響を与えることなく、任意の位置で二本鎖のDNAを切断することができるので、多様性または汎用性のある検査を行うことができる。
【0085】
第9の発明によれば、複数の検査部位をもつ二本鎖のDNAを各検査部位ごとに認識部位と切断部位とにある塩基が、重複せず、PCRプライマーに影響を及ぼさない程度に離れているので、該Type IIS等の前記制限酵素によって、確実に所定箇所で切断を行うことができる。
【0086】
第10の発明または第20の発明によると、前述した効果の他に、標識化検出体として、各検査種類ごとに、タンパク質の構造の当否、その存在の有無、その存在の程度の検査が行われるように、検査部位と結合しまたは結合しないように選ばれた抗体群等の物質を介して標識物質で標識化したものである。これによって、複数種類のタンパク質の検査部位について、タンパク質の変異型の検査を並行して迅速かつ効率的に行うことができる。
【0087】
第11の発明、第12の発明、第22の発明または第23の発明によれば、前記標識物質の遊離をDNAまたはポリペプチド鎖の任意の位置で切断可能な酵素を用いて行うことができる。これは、検出は標識物質に基づいて行われるので、検出体をどこで切断しようが無関係だからである。したがって、特定の部位で切断する制限酵素に限定される必要がないので、酵素の選択の幅が広い。
【0088】
第19の発明によると、前述した効果の他に、検査対象物として、1種類のDNA等の構造の当否の検査が行われる一本鎖の検査部位が含まれるように切断したものを用いている。したがって、DNAの塩基配列にある複数の変異を並行して効率的にかつ正確に特定することができる。
【0089】
第20の発明によると、前述した効果の他に、標識化検出体として、1種類のタンパク質の構造の当否、その存在の有無、その存在の程度の検査が行われるように、検査部位と結合しまたは結合しないように選ばれた抗体群等の物質を介して標識物質で標識化したものである。これによって、複数種類のタンパク質の検査部位について、タンパク質の変異型の検査を並行して迅速かつ効率的に行うことができる。
【0090】
第21の発明によれば、前記制限酵素認識部位を用いることによって、検査部位に悪影響を与えることなく、任意の位置で二本鎖のDNAを切断することができるので、多様性または汎用性のある検査を行うことができる。
【0091】
また、第21の発明によれば、前述した効果の他に、前記検出体として、複数の検査部位をもつ二本鎖のDNAを、各検査部位ごとに認識部位と切断部位とが10塩基対以上離れたType IIS等の認識部位と切断部位とが異なる制限酵素認識部位を用いることによって、所定部位で確実に切断することができるので、信頼性の高い処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る混合液および方法の説明図である。
【図2】本発明の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
11、12…検体DNA
13、14…検査部位
15…ビオチン
16、17、19…プライマー
18…Type IIS制限酵素認識配列
20、21、22、23…増幅DNA断片
24、26、28、30…DNA断片
25、27、29、31…突出末端
33、35、37、39…標識化検出体
32、34、36、38…突出末端
40…磁性粒子(担体)

Claims (23)

  1. 複数検査種類の検査対象物群を、各検査対象物の所定部位で担体に固定し、または固定可能となるように加工する加工工程と、各検査種類ごとに前記検査対象物と結合しまたは結合しない複数検査種類の既知の所定構造をもち、各検査種類間で相互に識別可能に標識化された標識化検出体群を生成する生成工程と、前記検査対象物群、前記担体および標識化検出体群を液中で混合させて反応を行わしめる反応工程と、前記検査対象物を介して標識化検出体群と結合した前記担体を分離し、分離した担体から該標識物質を遊離する遊離工程と、遊離した該標識物質に基づいて、前記検査種類ごとに、前記担体による前記検査対象物を介しての前記標識化検出体の保持の有無またはその程度を検出する検出工程とを有することを特徴とする複数検査並行方法。
  2. 前記生成工程は、各検査種類ごとに、多数の検出体と、所定の種類が所定の量比含まれた各検査種類の標識物質とを液中に混合させて結合させる工程を有し、前記種類またはその量比は、各検査種類ごとに相互に識別可能となるように異なるものであることを特徴とする請求項1に記載の複数検査並行方法。
  3. 前記生成工程において、各検査種類の標識物質の全体は、各検査種類ごとの前記標識化検出体の略全てに分配され、1個の前記標識化検出体は1種類以上の標識物質と結合する工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の複数検査並行方法。
  4. 前記遊離工程における担体の分離は、該担体に磁力を及ぼすことによって行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の複数検査並行方法。
  5. 前記加工工程においては、複数検査種類の検査対象物群を、各検査対象物の所定部位で担体に固定可能となるように加工し、
    前記反応工程においては、前記検査対象物群と標識化検出体群とを液中で混合して反応させた後に、該混合液中に前記担体を混合して反応させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の複数検査並行方法。
  6. 前記反応工程においては、前記標識化検出体群の各標識化検出体は互いに反応して結合することなく作成され、かつその個数が前記検査対象物の個数を過剰に上回るように混合されることを特徴とする請求項5に記載の複数検査並行方法。
  7. 前記加工工程において、遺伝物質の複数検査種類の所定検査部位の構造の当否を検査する場合には、前記担体に一対の特異的結合物質の一方を設け、前記検査対象物として一本鎖の検査部位が1検査種類ずつ含まれ、該検査部位を突出末端とするように切断され、かつ、その各検査対象物の他端に、前記一対の特異的結合物質のうちの他方を設けるように加工し、前記生成工程における複数検査種類の前記標識化検出体は、各検査種類の前記検査対象物が、その構造に応じて、該遺伝物質の前記検査部位と結合しまたは結合しない一本鎖の塩基配列を有する遺伝物質であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の複数検査並行方法。
  8. 前記加工工程は、複数検査種類の検査部位を持つ二本鎖のDNAと、各検査種類の検査部位ごとに一端に前記特異的結合物質が結合した複数検査種類のプライマー群と、それと対をなし、前記プライマーの3’末端の下流側にある検査部位が突出末端となる切断部位をもち、認識部位と切断部位とが異なる制限酵素の認識部位が挿入されたプライマー群と、を混合してPCRにより二本鎖DNA断片を増幅する増幅工程と、増幅された前記DNA断片を前記制限酵素で処理することによって、他端に、検査部位の突出末端を有するDNA断片を生成する酵素反応工程とを有することによって、前記複数検査種類の検査対象物群を、担体に固定し、または固定可能となるように加工するものであり、
    前記生成工程は、一端が複数検査種類の前記検査対象物群の各検査部位に相補的な塩基配列となる突出末端をもち、他端が、各検査種類ごとに相互に識別可能となるように標識物質で標識化された標識化検出体としての二本鎖のDNA断片を生成するものであり、
    加工された該検査対象物群、該検査対象物を固定しまたは該検査対象物を固定可能な担体、および前記標識化検出体群を液中に所定順序で混合しライゲーション反応を行うことによって、前記担体による前記検査対象物を介しての前記標識化検出体の保持の有無またはその程度を検出することを特徴とする請求項7に記載の複数検査並行方法。
  9. 前記加工工程における、前記制限酵素は、前記検査対象物の、複数の検査部位をもつ二本鎖のDNAを各検査部位ごとに認識部位と切断部位とにある塩基が、重複せず、PCRプライマーに影響を及ぼさない程度に離れており、該制限酵素の認識部位がプライマーの3’末端の上流側に設けられたものであることを特徴とする請求項8に記載の複数検査並行方法。
  10. 複数検査種類のタンパク質の所定の検査部位についての構造の当否、その存在の有無またはその存在の程度を検査する場合には、前記加工工程における前記検査対象物は、複数種類のタンパク質であって、該タンパク質の前記検査部位以外にある所定部位を前記担体に固定し、または固定可能となるように加工し、前記生成工程における前記標識化検出体は、前記検査部位と特異的に結合しまたは結合しないように選ばれた物質を前記標識物質によって各複数検査種類毎に相互に識別可能となるように標識化したものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の複数検査並行方法。
  11. 前記遊離工程において、遺伝物質の複数検査種類の検査を行う場合には、前記標識化検出体群と結合した担体からの標識物質の遊離は、DNAを任意の位置で切断可能な酵素を用いて行うことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の複数検査並行方法。
  12. 前記遊離工程において、タンパク質の複数検査種類の検査を行う場合には、前記標識化検出体群と結合した担体からの標識物質の遊離は、タンパク質のポリペプチド鎖を任意の位置で切断可能な酵素を用いて行うことを特徴とする請求項10に記載の複数検査並行方法。
  13. 各検査対象物の所定部位で担体に固定し、または固定可能となるように加工された複数検査種類の検査対象物群と、各検査種類ごとに前記検査対象物と結合しまたは結合しない複数検査種類の既知の所定構造をもち、各検査種類間で相互に識別可能に標識化された標識化検出体群と、前記検査対象物群が固定されまたは固定可能な担体とを含む混合液であって、
    前記検査対象物を介して標識化検出体群と結合した前記担体を分離し、分離した担体から該標識物質を遊離し、遊離した該標識物質に基づいて、前記検査種類ごとに、前記担体による前記標識化検出体の保持の有無またはその程度を検出することによって、複数検査種類の検査が前記混合液を用いて並行して行われることを特徴とする複数検査並行用混合液。
  14. 前記各検査種類の前記標識化検出体は各検査種類の標識物質とのみ結合することによって標識化され、各検査種類ごとの前記標識物質の全体は、所定の種類が所定の量比含まれたものであって、その種類またはその量比は、各検査種類ごとに相互に識別可能となるように異なることを特徴とする請求項13に記載の複数検査並行用混合液。
  15. 各検査種類ごとの標識物質の全体は、各検査種類ごとに前記標識化検出体の略全てに分配され、1個の標識化検出体は1種類以上の標識物質と結合したものであることを特徴とする請求項13または請求項14のいずれかに記載の複数検査並行用混合液。
  16. 前記担体は、磁力を及ぼすことによって分離可能であることを特徴とする請求項13ないし請求項15のいずれかに記載の複数検査並行用混合液。
  17. 前記検査対象物群と標識化検出体群とを液中で混合して反応させた後に、前記担体を混合したものであることを特徴とする請求項12ないし請求項16のいずれかに記載の複数検査並行用混合液。
  18. 前記標識化検出体群の各標識化検出体は互いに反応して結合することなく作成され、かつその個数が前記検査対象物の個数を過剰に上回るように混合されていることを特徴とする請求項13ないし請求項17のいずれかに記載の複数検査並行用混合液。
  19. 遺伝物質の複数検査種類の所定検査部位の構造の当否を検査する場合には、前記検査対象物は、各々、一本鎖の検査部位が1検査種類ずつ含まれるように切断されたDNA断片等の遺伝物質であり、各検査種類の前記標識化検出体は、その構造に応じて、前記遺伝物質の前記検査部位と結合しまたは結合しない一本鎖の塩基配列を有する標識化され遺伝物質であることを特徴とする請求項13ないし請求項18のいずれかに記載の複数検査並行用混合液。
  20. 複数検査種類のタンパク質の所定の検査部位についての構造の当否、その存在の有無またはその存在の程度を検査する場合には、前記検査対象物は、所定部位で担体に固定し、または固定可能となるように加工されたタンパク質であって、
    前記標識化検出体は、各検査種類ごとに、前記検査対象物と結合しまたは結合しない複数検査種類の既知の所定構造をもち、各検査種類間で相互に識別可能に標識化されたものであることを特徴とする請求項13ないし請求項18のいずれかに記載の複数検査並行用混合液。
  21. 前記標識化検出体は、複数の検査部位をもつ二本鎖のDNAを、各検査部位ごとに認識部位と切断部位とにある塩基が重複せず、PCRプライマーに影響を及ぼさない程度に離れている認識部位と切断部位とが異なる制限酵素の認識部位をプライマーの3’末端の上流側に設けたプライマー群と、それと対をなす標識化された複数検査種類のプライマー群と、を混合してPCRにより二本鎖DNA断片を増幅し、増幅された前記DNA断片を前記制限酵素で処理することによって、一端が標識化され、他端に検査部位の突出末端を有するDNA断片であることを特徴とする請求項13ないし請求項19のいずれかに記載の複数検査並行用混合液。
  22. 前記標識化検出体群と結合した担体からの標識物質の遊離を行うために、DNAを任意の位置で切断可能な酵素が混合されていることを特徴とする請求項13ないし請求項19、または請求項21のいずれかに記載の複数検査並行用混合液。
  23. 前記標識化検出体群と結合した担体からの標識物質の遊離を行うために、タンパク質のポリペプチド鎖を任意の位置で切断可能な酵素が混合されていることを特徴とする請求項13ないし請求項18、または請求項20のいずれかに記載の複数検査並行用混合液。
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