JP2004011162A - 木造門型フレーム、多層木造門型フレーム及びそれらを用いた木造建築物 - Google Patents
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Abstract
【目的】間口が狭い敷地であっても前面道路に向けた大きな開口を設ける。
【構成】本発明に係る木造門型フレーム1の組立柱2は、二本の柱4,4を並列に立設して構成するとともに、該柱の柱脚を連結部材5を介して基礎6の天端に接合してある。組立梁3は、上段梁14及び下段梁15の二本の梁を並列に配置してなり、該上段梁の下面が柱4の上面にそれぞれ当接するように、かつ下段梁15の端面が柱4,4のうち、内方側の柱4の側面に当接するように組立柱2,2に架け渡してある。ここで、上段梁14と柱4は、柱4の頂部に突設されたほぞを上段梁14の下面に形成されたほぞ穴に嵌め込んだ上、引寄せ金物16で相互に引き寄せて接合してある。また、二本の柱4,4の間には、下段梁15の高さ位置と柱脚位置に水平補剛材17,18をそれぞれ挿入し、組立柱2,2及び組立梁3の正面及び背面には補強合板21a〜21iを張り付けてある。
【選択図】 図1
【構成】本発明に係る木造門型フレーム1の組立柱2は、二本の柱4,4を並列に立設して構成するとともに、該柱の柱脚を連結部材5を介して基礎6の天端に接合してある。組立梁3は、上段梁14及び下段梁15の二本の梁を並列に配置してなり、該上段梁の下面が柱4の上面にそれぞれ当接するように、かつ下段梁15の端面が柱4,4のうち、内方側の柱4の側面に当接するように組立柱2,2に架け渡してある。ここで、上段梁14と柱4は、柱4の頂部に突設されたほぞを上段梁14の下面に形成されたほぞ穴に嵌め込んだ上、引寄せ金物16で相互に引き寄せて接合してある。また、二本の柱4,4の間には、下段梁15の高さ位置と柱脚位置に水平補剛材17,18をそれぞれ挿入し、組立柱2,2及び組立梁3の正面及び背面には補強合板21a〜21iを張り付けてある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として狭小敷地に建築される住宅等に用いられる木造門型フレーム、多層木造門型フレーム及びそれらを用いた木造建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
接道距離、すなわち間口が狭い敷地に住宅等の建物を建築するにあたって、ビルドインガレージや店舗部分を前面道路に向けて設けようとする場合、自動車の出入りや客の出入りの便宜のため、比較的大きめの開口が必要となるが、かかる開口の幅は、敷地形状との関係から、建物の短手方向幅に対して相対的に大きくなりがちである。
【0003】
一方、建築基準法は、地震時等に対する安全性の観点から所要の壁量を確保することを規定しており、建物の設計を行うにあたっては、かかる規定に沿って壁量を確保しなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、上述したような間口が狭い敷地に前面道路に向けて大きな開口が形成された建物を設計しようとすると、建築基準法に規定されている壁量の制限を受け、設計を行う際に開口幅に関する制約を受けてしまい、その結果、用途に応じた十分な大きさの開口を設けることができないという問題を生じていた。
【0005】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、間口が狭い敷地であっても前面道路に向けた大きな開口を設けることが可能な木造門型フレーム、多層木造門型フレーム及びそれらを用いた木造建築物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る木造門型フレームは請求項1に記載したように、二本の柱を並列に立設してそれぞれ構成した一対の組立柱を所定幅だけ離間させて対向配置するとともに二本の梁が並列に配置されてなる組立梁を前記一対の組立柱に架け渡してなる木造門型フレームであって、前記柱の柱脚を所定の連結部材を介して基礎の天端又は所定の梁の上面に接合し、前記組立梁のうち、上段梁の下面が前記柱の上面にそれぞれ当接するようにかつ下段梁の端面が前記柱のうち、内方側の柱の側面に当接するように前記組立梁を前記組立柱に架け渡し、前記組立柱を構成する前記二本の柱の間に前記下段梁の高さ位置及び柱脚位置にて水平補剛材をそれぞれ挿入し、前記組立柱及び前記組立梁の正面及び背面の少なくともいずれかに補強合板を張り付けたものである。
【0007】
また、本発明に係る多層木造門型フレームは、請求項1記載の木造門型フレームを積層してなるものである。
【0008】
また、本発明に係る多層木造門型フレームは、前記木造門型フレームのうち、上層の組立柱と下層の組立柱の水平位置を所定水平距離だけずらしたものである。
【0009】
また、本発明に係る木造建築物は、請求項1記載の木造門型フレーム又は請求項2記載の多層木造門型フレームを用いて建築されたものである。
【0010】
また、本発明に係る木造建築物は、請求項1記載の木造門型フレーム又は請求項2記載の多層木造門型フレームで外壁を構成したものである。
【0011】
本発明に係る木造門型フレームにおいては、一対の組立柱は、二本の柱を構面内に並列に立設してそれぞれ構成してある。そのため、鉛直荷重に対する強度が高い柱となる。
【0012】
また、一対の組立柱を構成する二本の柱の間に下段梁の高さ位置及び柱脚位置にて水平補剛材をそれぞれ挿入するとともに、これら一対の組立柱に架け渡された組立梁を、やはり構面内に並列配置された二本の梁、すなわち上段梁及び下段梁から構成してあるため、上述した組立柱及び組立梁は、構面内における曲げ剛性がそれぞれ十分に確保される。
【0013】
さらには、上述した各柱の柱脚を所定の連結部材を介して基礎の天端又は所定の梁の上面に連結するとともに、組立梁のうち、上段梁の下面が各柱の上面にそれぞれ当接するようにかつ下段梁の端面が柱のうち、内方側の柱の側面に当接するように、組立梁を組立柱に架け渡してあるため、組立柱と組立梁との接合箇所及び組立柱と基礎あるいは梁との接合箇所においても、十分な剛性が確保される。
【0014】
これらに加えて、組立柱及び組立梁の正面及び背面の少なくともいずれかに補強合板を張り付けてあるため、本発明に係る木造門型フレームは、上述した組立柱や組立梁自体の曲げ剛性向上や上述した接合箇所における剛性向上と相まって、構面全体に作用する曲げやせん断に対する面内剛性がきわめて大きくなる。
【0015】
かくして、本発明に係る木造門型フレームによれば、一対の組立柱の離間距離、言い換えれば木造門型フレームの開口幅を大きくとっても、鉛直荷重を支持しつつ、なおかつ地震時水平力に対する変形量をわずかに抑えることが可能となる。
【0016】
かかる木造門型フレームは、間口が狭い敷地にビルトインガレージや店舗部分等が前面道路に向けられた建物を建てる際、車の出入りや客の出入りという用途を満たすだけの大きな開口を確保しつつ、地震時水平力にも対応することができるという大きな作用効果を発揮するが、その使用形態や場所は任意である。
【0017】
例えば、建物の外壁をすべて本発明に係る木造門型フレームで構成してもよい。
【0018】
かかる構成においては、建物の二方向において十分な水平剛性を確保することができるとともに、車庫や玄関の出入り口のみならず、窓を用途とした開口を建物の周囲に十分に確保することが可能となる。そして、このような構成は、耐震性が向上するという点で在来軸組工法よりも優れ、開口に関する制約が大幅に緩和されるという点でツーバイフォー工法よりも優れた構造となる。
【0019】
また、上述した木造門型フレームを積層することで多層木造門型フレームを構成してもよい。
【0020】
かかる構成においては、例えば下階に車庫を上階に居室を設けた二階建て木造住宅に適用することが可能であり、下階では車の出入りのための開口として、上階では居室の窓開口としてそれぞれ十分な開口幅、あるいは開口面積を確保することが可能となる。
【0021】
ここで、上述した木造門型フレームを積層するにあたり、下階の木造門型フレームにおいては、柱の柱脚を基礎の天端に連結するが、上階の木造門型フレームにおいては、柱の柱脚を下階の木造門型フレームの上段梁の上面に連結する、いわゆる梁勝ち構造となる。
【0022】
そのため、上層の組立柱と下層の組立柱の水平位置を所定水平距離だけずらした構成をとることが可能となり、上階の木造門型フレームを設置する位置は、下階の木造門型フレームを設置した位置に拘束されない。
【0023】
したがって、上階の間取りを下階の間取りに拘束されることなく自由に設計することができるとともに、建築基準法上の斜線制限をクリアするための手段として利用することも可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る木造門型フレーム、多層木造門型フレーム及びそれらを用いた木造建築物の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0025】
図1は、本実施形態に係る木造門型フレームを示した正面図、図2は、その全体斜視図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る木造門型フレーム1は、所定幅だけ離間させて対向配置された一対の組立柱2,2と、該組立柱に架け渡された組立梁3とから概ね構成してある。
【0026】
組立柱2は、二本の柱4,4を並列に立設して構成してあるとともに、該柱の柱脚を連結部材5を介して基礎6の天端に接合してある。柱4は、例えば105mm×180mmの扁平断面柱を使用することが考えられる。
【0027】
連結部材5は、基板7と該基板の中央に溶接等により立設された差込板8とからなる断面が逆T字状の部材であり、基板7には、基礎6に埋設されたアンカーボルト9が挿通されるボルト孔10を穿設してある。
【0028】
一方、柱4の脚部には下方に開口を有するスリット11を形成してあり、該スリットに差込板8を差し込むことができるようになっているとともに、柱4の脚部正面及び背面には、ドリフトピン(図示せず)を挿通するためのピン孔12を穿孔してあり、連結部材5が基礎6に固定された状態にてスリット11に連結部材5の差込板8を差し込み、ピン孔12から打ち込まれたドリフトピンを差込板8に穿孔されたピン孔13に嵌入することにより、柱4、ひいては組立柱2を連結部材5を介して基礎6にしっかりと立設できるようになっている。
【0029】
組立梁3は、上段梁14及び下段梁15の二本の梁を並列に配置してなり、該上段梁の下面が柱4の上面にそれぞれ当接するように、かつ下段梁15の端面が柱4,4のうち、内方側の柱4の側面に当接するように組立柱2,2に架け渡してある。
【0030】
ここで、上段梁14と柱4は、柱4の頂部に突設されたほぞを上段梁14の下面に形成されたほぞ穴に嵌め込んだ上、引寄せ金物16で相互に引き寄せて接合してある。同様に、下段梁15と柱4は、下段梁15の端部に突設されたほぞを柱4の側面に形成されたほぞ穴に嵌め込んだ上、引寄せ金物16で相互に引き寄せて接合してある。
【0031】
また、二本の柱4,4の間には、下段梁15の高さ位置と柱脚位置に水平補剛材17、水平補剛材18をそれぞれ挿入してある。なお、図2では水平補剛材18を便宜上省略した。
【0032】
さらに、組立柱2,2及び組立梁3の正面及び背面には、組立柱2にそれぞれ2枚、組立梁3に5枚、合計9枚の補強合板21a〜21iを張り付けてある。ここで、補強合板21a〜21iを固定するため、柱2,2の間に合板受け22を、上段梁14と下段梁15の間に合板受け23をそれぞれ挿入してある。
【0033】
補強合板21a〜21iは、例えば厚さ12mmの合板で構成することができる。
【0034】
なお、参考のため、補強合板21a〜21i及び合板受け22,23を取り付ける前の状態を図3に示す。
【0035】
本実施形態に係る木造門型フレーム1を組み立てるには、まず、基礎6から突出しているアンカーボルト9を連結部材5の基板7に穿設されたボルト孔10に通し、次いでアンカーボルト9にナットをねじ込むことで連結部材5を基礎6の天端に固定する。
【0036】
次に、連結部材5の差込板8が柱4の脚部に形成されたスリット11に差し込まれるようにして柱4を立設し、次いで、これを必要に応じて仮保持しながら、ドリフトピンをピン孔12に打ち込み、さらに差込板8に穿孔されたピン孔13に嵌入することにより、柱4を連結部材5を介して基礎6にしっかりと立設する。
【0037】
次に、各柱4の頂部に突設されたほぞを上段梁14の下面に形成されたほぞ穴に嵌め込んだ上、引寄せ金物16で相互に引き寄せて接合するとともに、下段梁15の端部に突設されたほぞを柱4の側面に形成されたほぞ穴に嵌め込んだ上、引寄せ金物16で相互に引き寄せて接合する。なお、組立梁3の架設作業と相前後して、適当な時期に水平補剛材17、水平補剛材18を柱4,4の間に挿入し、又は打ち込み、さらにこれらを柱4に釘止めする。
【0038】
次に、柱2,2の間に合板受け22を、上段梁14と下段梁15の間に合板受け23をそれぞれ挿入して固定し、次いで、組立柱2,2の正面にそれぞれ2枚、組立梁3の正面に5枚、合計9枚の補強合板21a〜21iを張り付ける。組立柱2,2及び組立梁3の背面についても、同様に9枚の補強合板21a〜21iを張り付ける。
【0039】
図4〜図9は、本実施形態に係る木造門型フレーム1又はその変形例に係る木造門型フレーム及び多層木造門型フレーム並びにそれらを用いた木造建築物の例を示した斜視図である。木造門型フレームは、本来、間口が狭い敷地にビルトインガレージや店舗部分等が前面道路に面するような建物の正面に用いることを主な用途としているが、これらの図でわかるように、その使用形態や場所は任意である。なお、理解の便宜上、補強合板についてはこれを図面から省略してある。
【0040】
まず、図4(a)は、建物の短手方向に平行となるように3つの木造門型フレーム1を立設してなる木造建築物31を示したものであり、一般的には短手方向で不足することが多い水平剛性を本実施形態に係る木造門型フレーム1で補うことができる。もちろん、木造門型フレーム1の本来の作用である大開口が実現できるので、木造建築物31内では余分な柱が不要となり、大空間を実現できる。
【0041】
図4(b)では、さらに長手方向にも木造門型フレーム1を立設してなる木造建築物32を示したものであり、木造建築物31と同様の効果が得られるのに加えて、外壁がすべて木造門型フレーム1で構成してあるため、いずれの方向にも高い水平剛性を確保することが可能となり、耐震性に優れしかも車の出入りなどの開口のみならず、居室の窓開口についても十分な開口面積あるいは開口幅を実現することが可能となる。
【0042】
図5は、建物の短手方向に平行となるように6つの木造門型フレーム1を立設してなる木造建築物33を示したものであり、木造建築物31とほぼ同様であるが、木造門型フレーム1,1を連設してあるため、大型の木造建築物に適する。
【0043】
図6は、建物の短手方向に平行となるように6つの木造門型フレーム1a,1bを立設してなる木造建築物34を示したものであるが、木造建築物31とは異なり、木造門型フレーム1aの上に別の木造門型フレーム1bを積層して構成した多層木造門型フレーム35を使用している。
【0044】
多層木造門型フレーム35においては、木造門型フレーム1aは、図7に示すように一階の組立柱2を構成する柱4の柱頭と上段梁14とを連結部材5を介して相互に接合してある。すなわち、柱4の頭部には上方に開口を有するスリット11aを形成してあり、該スリットに連結部材5の差込板8を差し込むことができるようになっているとともに、柱4の頭部正面及び背面には、ドリフトピン(図示せず)を挿通するためのピン孔12aを穿孔してあり、連結部材5が上段梁14の下面に逆向きに固定された状態にてスリット11aに連結部材5の差込板8を差し込み、ピン孔12aから打ち込まれたドリフトピンを差込板8に穿孔されたピン孔13に嵌入することにより、柱4ひいては組立柱2の頭部を上段梁14にしっかりと接合できるようになっている。
【0045】
ここで、上段梁14の下面に連結部材5を取り付けるにあたっては、該上段梁に穿孔されたボルト孔36にボルト(図示せず)を挿通するとともに該ボルトを上段梁14の上下面に配置された連結部材5,5の基板7に穿設されたボルト孔10にそれぞれ通し、ボルト締めを行うことによって、連結部材5,5を共通のボルトを利用して上段梁14に固定することができる。なお、木造門型フレーム1aは、以上述べた点を除き、木造門型フレーム1と実質的に同一の構成であるので、ここではその他の説明を省略する。また、上階の木造門型フレーム1bは、基礎6の天端ではなく、上段梁14の上面に接合される点を除き、木造門型フレーム1と実質的に同一の構成であるので、ここではその説明を同様に省略する。
【0046】
図8は、木造門型フレームの上に別の木造門型フレームを積層してなる多層木造門型フレーム37,38で構成した木造建築物41,42を示したものであるが、木造建築物34の多層木造門型フレーム35とは異なり、上階の木造門型フレームと下階の木造門型フレームとの間で組立柱の水平位置を所定水平距離だけずらしてある。
【0047】
多層木造門型フレーム37,38においては、上階と下階で木造門型フレームの全体幅あるいは開口幅が異なっており、木造門型フレーム1bは図9に示すように、少なくとも一方の組立柱2の脚部を下階の木造門型フレーム1.1cの上段梁14の上面に接合してある。
【0048】
木造門型フレーム1bの組立柱2を下階の木造門型フレーム1,1cの上段梁14の上面に接合するには、所定のボルトを用いて連結部材5を上段梁14に固定し、以下、上述したと同様に木造門型フレーム1bを組み立てればよい。
【0049】
なお、木造門型フレーム1cは、組立柱2と組立梁3との接合構造において、一対の組立柱2,2のうちの一方が木造門型フレーム1と同じ接合構造で、他方が木造門型フレーム1aと同じ接合構造であるので、その説明は省略するとともに、その他の点については、木造門型フレーム1と同じ構造であるのでその説明を省略する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る木造門型フレームによれば、一対の組立柱2,2が鉛直荷重に対する高い強度を有するとともに、組立柱2や組立梁3それ自体はもとより、各接合箇所においても高い曲げ剛性を有するのみならず、組立柱2,2及び組立梁3の正面及び背面に補強合板を張り付けてある。
【0051】
そのため、木造門型フレーム1,1a,1b,1cは、組立柱2や組立梁3自体の剛性向上や各接合箇所における剛性向上と相まって、構面内における曲げやせん断に対する面内剛性がきわめて大きくなり、かくして、一対の組立柱2,2の離間距離、言い換えれば木造門型フレーム1,1a,1b,1cの開口幅を大きくとっても、鉛直荷重を支持しつつ、なおかつ地震時水平力に対する変形量をわずかに抑えることが可能となる。
【0052】
また、本実施形態に係る木造建築物によれば、建物の外壁をすべて木造門型フレーム1で構成したので、建物の二方向において十分な水平剛性を確保することができるとともに、車庫や玄関の出入り口のみならず、窓を用途とした開口を建物の周囲に十分に確保することが可能となる。そして、このような構成は、耐震性が向上するという点で在来軸組工法よりも優れ、開口に関する制約が大幅に緩和されるという点でツーバイフォー工法よりも優れた構造となる。
【0053】
また、本実施形態に係る多層木造門型フレームによれば、木造門型フレームを積層することで多層木造門型フレーム34,41,42を構成するようにしたので、例えば下階に車庫を、上階に居室を設けた二階建て木造住宅に適用することが可能となり、下階では車の出入りのための開口として、上階では居室の窓開口としてそれぞれ十分な開口幅、あるいは開口面積を確保することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る木造門型フレームがいわゆる梁勝ち構造であるため、上層の組立柱と下層の組立柱の水平位置を所定水平距離だけずらした構成をとることが可能となり、上階の木造門型フレームを設置する位置は、下階の木造門型フレームを設置した位置に拘束されない。
【0055】
したがって、上階の間取りを下階の間取りに拘束されることなく自由に設計することができるとともに、建築基準法上の斜線制限をクリアするための手段として利用することが可能となる。
【0056】
本実施形態では、多層木造門型フレームとして、二層木造門型フレームを例に挙げて説明したが、三層以上に積層する場合にも本発明を適用することができることは言うまでもない。
【0057】
また、本実施形態では、補強合板を組立柱及び組立梁の正面及び背面の両方に張り付けるようにしたが、十分な面内剛性が確保できるのであれば、いずれか一方にのみ張り付けるようにしてもよい。
【0058】
また、本実施形態では特に言及しなかったが、本実施形態に係る木造門型フレームは梁勝ち構造であるため、組立梁の任意の上に組立柱を立設することができる。そのため、既存の建物であっても、二階の柱を組立梁で受け代えればよい。したがって、本発明に係る木造門型フレームは、既存建物の一階部分を改修する場合にも適用することが可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る木造門型フレームによれば、一対の組立柱が鉛直荷重に対する高い強度を有するとともに、組立柱や組立梁それ自体はもとより、それらの接合箇所においても高い曲げ剛性を有するのみならず、組立柱及び組立梁の正面及び背面の少なくともいずれかに補強合板を張り付けたので、木造門型フレームは、組立柱や組立梁自体の剛性向上やそれらの接合箇所における剛性向上と相まって、構面内における曲げやせん断に対する面内剛性がきわめて大きくなり、かくして、一対の組立柱の離間距離、言い換えれば木造門型フレームの開口幅を大きくとっても、鉛直荷重を支持しつつ、なおかつ地震時水平力に対する変形量をわずかに抑えることが可能となる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る木造門型フレームの正面図。
【図2】本実施形態に係る木造門型フレームの全体斜視図。
【図3】本実施形態に係る木造門型フレームの正面図であって、補強合板及び合板受けを取り付ける前の状態を示した正面図。
【図4】本実施形態に係る木造門型フレームを用いた木造建築物の全体斜視図。
【図5】同じく本実施形態に係る木造門型フレームを用いた木造建築物の全体斜視図。
【図6】本実施形態に係る多層木造門型フレームを用いた木造建築物の全体斜視図。
【図7】そのときの組立柱の接合構造を示した詳細斜視図。
【図8】本実施形態に係る多層木造門型フレームを用いた木造建築物の全体斜視図。
【図9】そのときの組立柱の接合構造を示した詳細斜視図。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 木造門型フレーム
2 組立柱
3 組立梁
4 柱
5 連結部材
6 基礎
14 上段梁
15 下段梁
17 水平補剛材
21a〜21i 補強合板
35,36,37 多層木造門型フレーム
31〜34,41,42 木造建築物
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として狭小敷地に建築される住宅等に用いられる木造門型フレーム、多層木造門型フレーム及びそれらを用いた木造建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
接道距離、すなわち間口が狭い敷地に住宅等の建物を建築するにあたって、ビルドインガレージや店舗部分を前面道路に向けて設けようとする場合、自動車の出入りや客の出入りの便宜のため、比較的大きめの開口が必要となるが、かかる開口の幅は、敷地形状との関係から、建物の短手方向幅に対して相対的に大きくなりがちである。
【0003】
一方、建築基準法は、地震時等に対する安全性の観点から所要の壁量を確保することを規定しており、建物の設計を行うにあたっては、かかる規定に沿って壁量を確保しなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、上述したような間口が狭い敷地に前面道路に向けて大きな開口が形成された建物を設計しようとすると、建築基準法に規定されている壁量の制限を受け、設計を行う際に開口幅に関する制約を受けてしまい、その結果、用途に応じた十分な大きさの開口を設けることができないという問題を生じていた。
【0005】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、間口が狭い敷地であっても前面道路に向けた大きな開口を設けることが可能な木造門型フレーム、多層木造門型フレーム及びそれらを用いた木造建築物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る木造門型フレームは請求項1に記載したように、二本の柱を並列に立設してそれぞれ構成した一対の組立柱を所定幅だけ離間させて対向配置するとともに二本の梁が並列に配置されてなる組立梁を前記一対の組立柱に架け渡してなる木造門型フレームであって、前記柱の柱脚を所定の連結部材を介して基礎の天端又は所定の梁の上面に接合し、前記組立梁のうち、上段梁の下面が前記柱の上面にそれぞれ当接するようにかつ下段梁の端面が前記柱のうち、内方側の柱の側面に当接するように前記組立梁を前記組立柱に架け渡し、前記組立柱を構成する前記二本の柱の間に前記下段梁の高さ位置及び柱脚位置にて水平補剛材をそれぞれ挿入し、前記組立柱及び前記組立梁の正面及び背面の少なくともいずれかに補強合板を張り付けたものである。
【0007】
また、本発明に係る多層木造門型フレームは、請求項1記載の木造門型フレームを積層してなるものである。
【0008】
また、本発明に係る多層木造門型フレームは、前記木造門型フレームのうち、上層の組立柱と下層の組立柱の水平位置を所定水平距離だけずらしたものである。
【0009】
また、本発明に係る木造建築物は、請求項1記載の木造門型フレーム又は請求項2記載の多層木造門型フレームを用いて建築されたものである。
【0010】
また、本発明に係る木造建築物は、請求項1記載の木造門型フレーム又は請求項2記載の多層木造門型フレームで外壁を構成したものである。
【0011】
本発明に係る木造門型フレームにおいては、一対の組立柱は、二本の柱を構面内に並列に立設してそれぞれ構成してある。そのため、鉛直荷重に対する強度が高い柱となる。
【0012】
また、一対の組立柱を構成する二本の柱の間に下段梁の高さ位置及び柱脚位置にて水平補剛材をそれぞれ挿入するとともに、これら一対の組立柱に架け渡された組立梁を、やはり構面内に並列配置された二本の梁、すなわち上段梁及び下段梁から構成してあるため、上述した組立柱及び組立梁は、構面内における曲げ剛性がそれぞれ十分に確保される。
【0013】
さらには、上述した各柱の柱脚を所定の連結部材を介して基礎の天端又は所定の梁の上面に連結するとともに、組立梁のうち、上段梁の下面が各柱の上面にそれぞれ当接するようにかつ下段梁の端面が柱のうち、内方側の柱の側面に当接するように、組立梁を組立柱に架け渡してあるため、組立柱と組立梁との接合箇所及び組立柱と基礎あるいは梁との接合箇所においても、十分な剛性が確保される。
【0014】
これらに加えて、組立柱及び組立梁の正面及び背面の少なくともいずれかに補強合板を張り付けてあるため、本発明に係る木造門型フレームは、上述した組立柱や組立梁自体の曲げ剛性向上や上述した接合箇所における剛性向上と相まって、構面全体に作用する曲げやせん断に対する面内剛性がきわめて大きくなる。
【0015】
かくして、本発明に係る木造門型フレームによれば、一対の組立柱の離間距離、言い換えれば木造門型フレームの開口幅を大きくとっても、鉛直荷重を支持しつつ、なおかつ地震時水平力に対する変形量をわずかに抑えることが可能となる。
【0016】
かかる木造門型フレームは、間口が狭い敷地にビルトインガレージや店舗部分等が前面道路に向けられた建物を建てる際、車の出入りや客の出入りという用途を満たすだけの大きな開口を確保しつつ、地震時水平力にも対応することができるという大きな作用効果を発揮するが、その使用形態や場所は任意である。
【0017】
例えば、建物の外壁をすべて本発明に係る木造門型フレームで構成してもよい。
【0018】
かかる構成においては、建物の二方向において十分な水平剛性を確保することができるとともに、車庫や玄関の出入り口のみならず、窓を用途とした開口を建物の周囲に十分に確保することが可能となる。そして、このような構成は、耐震性が向上するという点で在来軸組工法よりも優れ、開口に関する制約が大幅に緩和されるという点でツーバイフォー工法よりも優れた構造となる。
【0019】
また、上述した木造門型フレームを積層することで多層木造門型フレームを構成してもよい。
【0020】
かかる構成においては、例えば下階に車庫を上階に居室を設けた二階建て木造住宅に適用することが可能であり、下階では車の出入りのための開口として、上階では居室の窓開口としてそれぞれ十分な開口幅、あるいは開口面積を確保することが可能となる。
【0021】
ここで、上述した木造門型フレームを積層するにあたり、下階の木造門型フレームにおいては、柱の柱脚を基礎の天端に連結するが、上階の木造門型フレームにおいては、柱の柱脚を下階の木造門型フレームの上段梁の上面に連結する、いわゆる梁勝ち構造となる。
【0022】
そのため、上層の組立柱と下層の組立柱の水平位置を所定水平距離だけずらした構成をとることが可能となり、上階の木造門型フレームを設置する位置は、下階の木造門型フレームを設置した位置に拘束されない。
【0023】
したがって、上階の間取りを下階の間取りに拘束されることなく自由に設計することができるとともに、建築基準法上の斜線制限をクリアするための手段として利用することも可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る木造門型フレーム、多層木造門型フレーム及びそれらを用いた木造建築物の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0025】
図1は、本実施形態に係る木造門型フレームを示した正面図、図2は、その全体斜視図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る木造門型フレーム1は、所定幅だけ離間させて対向配置された一対の組立柱2,2と、該組立柱に架け渡された組立梁3とから概ね構成してある。
【0026】
組立柱2は、二本の柱4,4を並列に立設して構成してあるとともに、該柱の柱脚を連結部材5を介して基礎6の天端に接合してある。柱4は、例えば105mm×180mmの扁平断面柱を使用することが考えられる。
【0027】
連結部材5は、基板7と該基板の中央に溶接等により立設された差込板8とからなる断面が逆T字状の部材であり、基板7には、基礎6に埋設されたアンカーボルト9が挿通されるボルト孔10を穿設してある。
【0028】
一方、柱4の脚部には下方に開口を有するスリット11を形成してあり、該スリットに差込板8を差し込むことができるようになっているとともに、柱4の脚部正面及び背面には、ドリフトピン(図示せず)を挿通するためのピン孔12を穿孔してあり、連結部材5が基礎6に固定された状態にてスリット11に連結部材5の差込板8を差し込み、ピン孔12から打ち込まれたドリフトピンを差込板8に穿孔されたピン孔13に嵌入することにより、柱4、ひいては組立柱2を連結部材5を介して基礎6にしっかりと立設できるようになっている。
【0029】
組立梁3は、上段梁14及び下段梁15の二本の梁を並列に配置してなり、該上段梁の下面が柱4の上面にそれぞれ当接するように、かつ下段梁15の端面が柱4,4のうち、内方側の柱4の側面に当接するように組立柱2,2に架け渡してある。
【0030】
ここで、上段梁14と柱4は、柱4の頂部に突設されたほぞを上段梁14の下面に形成されたほぞ穴に嵌め込んだ上、引寄せ金物16で相互に引き寄せて接合してある。同様に、下段梁15と柱4は、下段梁15の端部に突設されたほぞを柱4の側面に形成されたほぞ穴に嵌め込んだ上、引寄せ金物16で相互に引き寄せて接合してある。
【0031】
また、二本の柱4,4の間には、下段梁15の高さ位置と柱脚位置に水平補剛材17、水平補剛材18をそれぞれ挿入してある。なお、図2では水平補剛材18を便宜上省略した。
【0032】
さらに、組立柱2,2及び組立梁3の正面及び背面には、組立柱2にそれぞれ2枚、組立梁3に5枚、合計9枚の補強合板21a〜21iを張り付けてある。ここで、補強合板21a〜21iを固定するため、柱2,2の間に合板受け22を、上段梁14と下段梁15の間に合板受け23をそれぞれ挿入してある。
【0033】
補強合板21a〜21iは、例えば厚さ12mmの合板で構成することができる。
【0034】
なお、参考のため、補強合板21a〜21i及び合板受け22,23を取り付ける前の状態を図3に示す。
【0035】
本実施形態に係る木造門型フレーム1を組み立てるには、まず、基礎6から突出しているアンカーボルト9を連結部材5の基板7に穿設されたボルト孔10に通し、次いでアンカーボルト9にナットをねじ込むことで連結部材5を基礎6の天端に固定する。
【0036】
次に、連結部材5の差込板8が柱4の脚部に形成されたスリット11に差し込まれるようにして柱4を立設し、次いで、これを必要に応じて仮保持しながら、ドリフトピンをピン孔12に打ち込み、さらに差込板8に穿孔されたピン孔13に嵌入することにより、柱4を連結部材5を介して基礎6にしっかりと立設する。
【0037】
次に、各柱4の頂部に突設されたほぞを上段梁14の下面に形成されたほぞ穴に嵌め込んだ上、引寄せ金物16で相互に引き寄せて接合するとともに、下段梁15の端部に突設されたほぞを柱4の側面に形成されたほぞ穴に嵌め込んだ上、引寄せ金物16で相互に引き寄せて接合する。なお、組立梁3の架設作業と相前後して、適当な時期に水平補剛材17、水平補剛材18を柱4,4の間に挿入し、又は打ち込み、さらにこれらを柱4に釘止めする。
【0038】
次に、柱2,2の間に合板受け22を、上段梁14と下段梁15の間に合板受け23をそれぞれ挿入して固定し、次いで、組立柱2,2の正面にそれぞれ2枚、組立梁3の正面に5枚、合計9枚の補強合板21a〜21iを張り付ける。組立柱2,2及び組立梁3の背面についても、同様に9枚の補強合板21a〜21iを張り付ける。
【0039】
図4〜図9は、本実施形態に係る木造門型フレーム1又はその変形例に係る木造門型フレーム及び多層木造門型フレーム並びにそれらを用いた木造建築物の例を示した斜視図である。木造門型フレームは、本来、間口が狭い敷地にビルトインガレージや店舗部分等が前面道路に面するような建物の正面に用いることを主な用途としているが、これらの図でわかるように、その使用形態や場所は任意である。なお、理解の便宜上、補強合板についてはこれを図面から省略してある。
【0040】
まず、図4(a)は、建物の短手方向に平行となるように3つの木造門型フレーム1を立設してなる木造建築物31を示したものであり、一般的には短手方向で不足することが多い水平剛性を本実施形態に係る木造門型フレーム1で補うことができる。もちろん、木造門型フレーム1の本来の作用である大開口が実現できるので、木造建築物31内では余分な柱が不要となり、大空間を実現できる。
【0041】
図4(b)では、さらに長手方向にも木造門型フレーム1を立設してなる木造建築物32を示したものであり、木造建築物31と同様の効果が得られるのに加えて、外壁がすべて木造門型フレーム1で構成してあるため、いずれの方向にも高い水平剛性を確保することが可能となり、耐震性に優れしかも車の出入りなどの開口のみならず、居室の窓開口についても十分な開口面積あるいは開口幅を実現することが可能となる。
【0042】
図5は、建物の短手方向に平行となるように6つの木造門型フレーム1を立設してなる木造建築物33を示したものであり、木造建築物31とほぼ同様であるが、木造門型フレーム1,1を連設してあるため、大型の木造建築物に適する。
【0043】
図6は、建物の短手方向に平行となるように6つの木造門型フレーム1a,1bを立設してなる木造建築物34を示したものであるが、木造建築物31とは異なり、木造門型フレーム1aの上に別の木造門型フレーム1bを積層して構成した多層木造門型フレーム35を使用している。
【0044】
多層木造門型フレーム35においては、木造門型フレーム1aは、図7に示すように一階の組立柱2を構成する柱4の柱頭と上段梁14とを連結部材5を介して相互に接合してある。すなわち、柱4の頭部には上方に開口を有するスリット11aを形成してあり、該スリットに連結部材5の差込板8を差し込むことができるようになっているとともに、柱4の頭部正面及び背面には、ドリフトピン(図示せず)を挿通するためのピン孔12aを穿孔してあり、連結部材5が上段梁14の下面に逆向きに固定された状態にてスリット11aに連結部材5の差込板8を差し込み、ピン孔12aから打ち込まれたドリフトピンを差込板8に穿孔されたピン孔13に嵌入することにより、柱4ひいては組立柱2の頭部を上段梁14にしっかりと接合できるようになっている。
【0045】
ここで、上段梁14の下面に連結部材5を取り付けるにあたっては、該上段梁に穿孔されたボルト孔36にボルト(図示せず)を挿通するとともに該ボルトを上段梁14の上下面に配置された連結部材5,5の基板7に穿設されたボルト孔10にそれぞれ通し、ボルト締めを行うことによって、連結部材5,5を共通のボルトを利用して上段梁14に固定することができる。なお、木造門型フレーム1aは、以上述べた点を除き、木造門型フレーム1と実質的に同一の構成であるので、ここではその他の説明を省略する。また、上階の木造門型フレーム1bは、基礎6の天端ではなく、上段梁14の上面に接合される点を除き、木造門型フレーム1と実質的に同一の構成であるので、ここではその説明を同様に省略する。
【0046】
図8は、木造門型フレームの上に別の木造門型フレームを積層してなる多層木造門型フレーム37,38で構成した木造建築物41,42を示したものであるが、木造建築物34の多層木造門型フレーム35とは異なり、上階の木造門型フレームと下階の木造門型フレームとの間で組立柱の水平位置を所定水平距離だけずらしてある。
【0047】
多層木造門型フレーム37,38においては、上階と下階で木造門型フレームの全体幅あるいは開口幅が異なっており、木造門型フレーム1bは図9に示すように、少なくとも一方の組立柱2の脚部を下階の木造門型フレーム1.1cの上段梁14の上面に接合してある。
【0048】
木造門型フレーム1bの組立柱2を下階の木造門型フレーム1,1cの上段梁14の上面に接合するには、所定のボルトを用いて連結部材5を上段梁14に固定し、以下、上述したと同様に木造門型フレーム1bを組み立てればよい。
【0049】
なお、木造門型フレーム1cは、組立柱2と組立梁3との接合構造において、一対の組立柱2,2のうちの一方が木造門型フレーム1と同じ接合構造で、他方が木造門型フレーム1aと同じ接合構造であるので、その説明は省略するとともに、その他の点については、木造門型フレーム1と同じ構造であるのでその説明を省略する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る木造門型フレームによれば、一対の組立柱2,2が鉛直荷重に対する高い強度を有するとともに、組立柱2や組立梁3それ自体はもとより、各接合箇所においても高い曲げ剛性を有するのみならず、組立柱2,2及び組立梁3の正面及び背面に補強合板を張り付けてある。
【0051】
そのため、木造門型フレーム1,1a,1b,1cは、組立柱2や組立梁3自体の剛性向上や各接合箇所における剛性向上と相まって、構面内における曲げやせん断に対する面内剛性がきわめて大きくなり、かくして、一対の組立柱2,2の離間距離、言い換えれば木造門型フレーム1,1a,1b,1cの開口幅を大きくとっても、鉛直荷重を支持しつつ、なおかつ地震時水平力に対する変形量をわずかに抑えることが可能となる。
【0052】
また、本実施形態に係る木造建築物によれば、建物の外壁をすべて木造門型フレーム1で構成したので、建物の二方向において十分な水平剛性を確保することができるとともに、車庫や玄関の出入り口のみならず、窓を用途とした開口を建物の周囲に十分に確保することが可能となる。そして、このような構成は、耐震性が向上するという点で在来軸組工法よりも優れ、開口に関する制約が大幅に緩和されるという点でツーバイフォー工法よりも優れた構造となる。
【0053】
また、本実施形態に係る多層木造門型フレームによれば、木造門型フレームを積層することで多層木造門型フレーム34,41,42を構成するようにしたので、例えば下階に車庫を、上階に居室を設けた二階建て木造住宅に適用することが可能となり、下階では車の出入りのための開口として、上階では居室の窓開口としてそれぞれ十分な開口幅、あるいは開口面積を確保することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る木造門型フレームがいわゆる梁勝ち構造であるため、上層の組立柱と下層の組立柱の水平位置を所定水平距離だけずらした構成をとることが可能となり、上階の木造門型フレームを設置する位置は、下階の木造門型フレームを設置した位置に拘束されない。
【0055】
したがって、上階の間取りを下階の間取りに拘束されることなく自由に設計することができるとともに、建築基準法上の斜線制限をクリアするための手段として利用することが可能となる。
【0056】
本実施形態では、多層木造門型フレームとして、二層木造門型フレームを例に挙げて説明したが、三層以上に積層する場合にも本発明を適用することができることは言うまでもない。
【0057】
また、本実施形態では、補強合板を組立柱及び組立梁の正面及び背面の両方に張り付けるようにしたが、十分な面内剛性が確保できるのであれば、いずれか一方にのみ張り付けるようにしてもよい。
【0058】
また、本実施形態では特に言及しなかったが、本実施形態に係る木造門型フレームは梁勝ち構造であるため、組立梁の任意の上に組立柱を立設することができる。そのため、既存の建物であっても、二階の柱を組立梁で受け代えればよい。したがって、本発明に係る木造門型フレームは、既存建物の一階部分を改修する場合にも適用することが可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る木造門型フレームによれば、一対の組立柱が鉛直荷重に対する高い強度を有するとともに、組立柱や組立梁それ自体はもとより、それらの接合箇所においても高い曲げ剛性を有するのみならず、組立柱及び組立梁の正面及び背面の少なくともいずれかに補強合板を張り付けたので、木造門型フレームは、組立柱や組立梁自体の剛性向上やそれらの接合箇所における剛性向上と相まって、構面内における曲げやせん断に対する面内剛性がきわめて大きくなり、かくして、一対の組立柱の離間距離、言い換えれば木造門型フレームの開口幅を大きくとっても、鉛直荷重を支持しつつ、なおかつ地震時水平力に対する変形量をわずかに抑えることが可能となる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る木造門型フレームの正面図。
【図2】本実施形態に係る木造門型フレームの全体斜視図。
【図3】本実施形態に係る木造門型フレームの正面図であって、補強合板及び合板受けを取り付ける前の状態を示した正面図。
【図4】本実施形態に係る木造門型フレームを用いた木造建築物の全体斜視図。
【図5】同じく本実施形態に係る木造門型フレームを用いた木造建築物の全体斜視図。
【図6】本実施形態に係る多層木造門型フレームを用いた木造建築物の全体斜視図。
【図7】そのときの組立柱の接合構造を示した詳細斜視図。
【図8】本実施形態に係る多層木造門型フレームを用いた木造建築物の全体斜視図。
【図9】そのときの組立柱の接合構造を示した詳細斜視図。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 木造門型フレーム
2 組立柱
3 組立梁
4 柱
5 連結部材
6 基礎
14 上段梁
15 下段梁
17 水平補剛材
21a〜21i 補強合板
35,36,37 多層木造門型フレーム
31〜34,41,42 木造建築物
Claims (5)
- 二本の柱を並列に立設してそれぞれ構成した一対の組立柱を所定幅だけ離間させて対向配置するとともに二本の梁が並列に配置されてなる組立梁を前記一対の組立柱に架け渡してなる木造門型フレームであって、前記柱の柱脚を所定の連結部材を介して基礎の天端又は所定の梁の上面に接合し、前記組立梁のうち、上段梁の下面が前記柱の上面にそれぞれ当接するようにかつ下段梁の端面が前記柱のうち、内方側の柱の側面に当接するように前記組立梁を前記組立柱に架け渡し、前記組立柱を構成する前記二本の柱の間に前記下段梁の高さ位置及び柱脚位置にて水平補剛材をそれぞれ挿入し、前記組立柱及び前記組立梁の正面及び背面の少なくともいずれかに補強合板を張り付けたことを特徴とする木造門型フレーム。
- 請求項1記載の木造門型フレームを積層してなる多層木造門型フレーム。
- 前記木造門型フレームのうち、上層の組立柱と下層の組立柱の水平位置を所定水平距離だけずらした請求項2記載の多層木造門型フレーム。
- 請求項1記載の木造門型フレーム又は請求項2記載の多層木造門型フレームを用いて建築された木造建築物。
- 請求項1記載の木造門型フレーム又は請求項2記載の多層木造門型フレームで外壁を構成した木造建築物。
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