JP2004010724A - エポキシ樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物および硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属基材との密着性に優れるとともに、難燃性等にも優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、その製造方法、このエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関するものであり、プリント配線板、半導体封止等の電気電子分野の絶縁材料等に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体封止材料には、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物が広く用いられてきているが、近年、プリント基板への部品の実装の方法として、従来の挿入方式から表面実装方式への移行が進展している。表面実装方式においては、パッケージ全体が半田温度まで加熱され、吸湿した水分の急激な体積膨張により引き起こされるパッケージクラックが大きな問題点となってきている。さらに、近年、半導体素子の高集積化、素子サイズの大型化、配線幅の微細化が急速に進展しており、パッケージクラックの問題が一層深刻化してきている。パッケージクラックを防止する方法として樹脂構造の強靱化、無機フィラーの高充填化による高強度化、低吸水率化等の方法がある。
【0003】
なかでも無機フィラーの高充填化が強く指向されており、そのためには低吸湿性、高耐熱性に優れ、かつ低粘度であるエポキシ樹脂が望まれている。低粘度エポキシ樹脂としては、従来よりビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が一般に広く用いられているが、これらのエポキシ樹脂において低粘度のものは常温で液状であり、トランスファー成形用の樹脂組成物とすることは困難である。さらに、これらのエポキシ樹脂は耐熱性、機械的強度、耐湿性の点で十分ではない。
【0004】
上記背景から低吸湿性、高耐熱性に優れたものとして、ビフェニル系エポキシ樹脂(特開昭58−39677号公報)、ビスフェノール系エポキシ樹脂(特開平6−345850号公報)が提案されているが、金属基材との密着性の点で十分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、難燃性、金属基材との密着性に優れる新規エポキシ樹脂及びその組成物を提供することにある。他の目的は、流動性、低吸湿性、半田耐熱性等にも優れた硬化物を与える半導体素子の電子部品封止用に好適に使用されるエポキシ樹脂及びその組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂である。
【化3】
(但し、R1、R2は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1から7の炭化水素基を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0から50の整数を示す)
【0007】
また、本発明は、下記一般式(2)で表されるビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンを反応させることを特徴とする前記のエポキシ樹脂の製造方法である。
【化4】
(但し、R1、R2は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1から7の炭化水素基を示す)
【0008】
更に、本発明は、エポキシ樹脂および硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂成分の少なくとも一部として前記のエポキシ樹脂を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。また、本発明は、前記のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のエポキシ樹脂は、上記一般式(1)で表されるが、ここで、R1、R2は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜7の炭化水素基を示す。ここで、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が例示され、炭化水素基としてはメチル基、エチル基、ビニル基、エチン基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、プロパルギル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、sec−アミル基、tert−アミル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられるが、好ましくは、水素原子またはメチル基である。
【0010】
nは、0から50の整数を表し、好ましいnの値は、適用する用途に応じて異なる。例えば、フィラーの高充填率化が要求される半導体封止材の用途には、低粘度であるものが望ましく、nの値は、0〜5、好ましくは0.1〜2、さらに好ましくはnが0のものが50wt%以上含まれるものである。本発明のエポキシ樹脂がnの値が異なる混合物である場合は、nの数平均値として0〜5、好ましくは0.1〜2、さらに好ましくは、nが0のものが50wt%以上含まれるものであり、nの数平均値が0.1〜1のものである。これらの低分子量のエポキシ樹脂は、場合により結晶化され、常温で固体として使用される。また、プリント配線板等の用途には、高分子量のエポキシ樹脂が好適に使用され、この場合のnの値は、10〜50、好ましくは15〜40、さらに好ましくは20〜40である。nの値が異なる混合物である場合は、nの数平均値としても、上記の範囲がよい。この場合、数平均値が50以下となれば、nの値が50以上の整数となる分子が含まれてもよい。
【0011】
本発明のエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンを反応させることにより製造される。ビスフェノール化合物は、上記一般式(2)で表されるが、ここで、R1、R2は、上記一般式(1)の置換基、R1、R2と同じものであり、好ましくは、水素原子またはメチル基である。一般式(2)において、水酸基の置換位置は、ジフェニルジスルフィド骨格に対して、4,4’−位、3,4’−位、3,3’−位、2,3’−位、2,2’−位のものがあるが、好ましくは、4,4’−位のものである。また、エポキシ樹脂の原料に用いる場合、これら異性体の混合物であってもよい。
【0012】
ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応には、ビスフェノール化合物中の水酸基1モルに対して0.80から1.20倍当量、好ましくは0.85から1.05倍当量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が用いられる。これより少ないと残存加水分解性塩素の量が多くなり好ましくない。金属水酸化物としては、水溶液または固体の状態で使用される。
【0013】
反応に際しては、ビスフェノール化合物に対しては過剰量のエピクロルヒドリンが使用される。通常、ビスフェノール化合物中の水酸基1モルに対して、1.5から15倍モルのエピクロルヒドリンが使用されるが、好ましくは2から8倍モルの範囲である。これより多いと生産効率が低下し、これより少ないとエポキシ樹脂の高分子量体の生成量が増え、粘度が高くなる。
【0014】
反応は、通常、120℃以下の温度で行われる。反応の際、温度が高いと、いわゆる難加水分解性塩素量が多くなり高純度化が困難になる。好ましくは100℃以下であり、さらに好ましくは85℃以下の温度である。
【0015】
反応の際、四級アンモニウム塩あるいはジメチルスルホキシド、ジグライム等の極性溶媒を用いてもよい。四級アンモニウム塩としては、たとえばテトラメチルアンモニウムクロライド、テチラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、等があり、その添加量としては、ビスフェノール化合物に対して、0.1〜2.0wt%の範囲が好ましい。これより少ないと四級アンモニウム塩添加の効果が小さく、これより多いと難加水分解性性塩素の生成量が多くなり、高純度化が困難になる。また、極性溶媒の添加量としては、ビスフェノール化合物に対して、10〜200wt%の範囲が好ましい。これより少ないと添加の効果が小さく、これより多いと容積効率が低下し、経済上好ましくない。
【0016】
反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンや溶媒を留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩や残存溶媒を除去し、次いで溶剤を留去することによりエポキシ樹脂とすることができる。
【0017】
有利には、得られたエポキシ樹脂をさらに、残存する加水分解性塩素に対して、1〜30倍量の水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を加え、再閉環反応が行われる。この際の反応温度は、通常、100℃以下であり、好ましくは90℃以下である。
【0018】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂と硬化剤を必須成分とする。本発明のエポキシ樹脂組成物に配合する硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、ジシアンジアミド、多価フェノール類、酸無水物類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。
【0019】
具体的に例示すれば、多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類がある。更には、フェノール類、ナフトール類等の1価のフェノール類や、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物等がある。
【0020】
酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
【0021】
また、アミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
【0022】
本発明の樹脂組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、エポキシ樹脂成分として、一般式(1)で表される本発明のエポキシ樹脂以外に別種のエポキシ樹脂を配合してもよい。この場合のエポキシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂はすべて使用できる。例を挙げれば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類、又はテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグルシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。そして、本発明のエポキシ樹脂を必須成分とする組成物の場合、本発明に関わる一般式(1)で表されるエポキシ樹脂の配合量はエポキシ樹脂全体中、5〜100wt%、好ましくは60〜100wt%の範囲であることがよい。
【0024】
必要に応じて、本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填材が配合され得る。無機充填材としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末等が挙げられる。半導体封止材に応用する場合、無機充填材の使用量は、通常、75wt%以上であるが、低吸湿性、高半田耐熱性の点からは、80wt%以上であることが好ましい。
【0025】
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、インデンクマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー又は高分子化合物を適宜配合してもよいし、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤、等の添加剤を配合してもよい。顔料としては、有機系又は無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。また更に必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
【0026】
更に必要に応じて本発明の樹脂組成物には、公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等がある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2から5重量部の範囲である。また、硬化剤の添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲である。
【0027】
本発明の樹脂組成物を硬化させて得られる本発明の硬化物は、上記エポキシ樹脂組成物を注型、圧縮成形、トランスファー成形等の方法により、成形加工し得ることができる。この際の温度は通常、120〜220℃の範囲である。
【0028】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0029】
合成例1(ビスフェノール体の合成)
3Lの4口セパラブルフラスコに、4−ヒドロキシチオフェノール202g、エタノール1600gおよび純水400gを量り採り、攪拌しながら溶解した後、20℃にて31%過酸化水素203.6gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間反応を継続した。その後、純水8Lにより再沈殿させ、さらに水洗を行った後、減圧乾燥を行い、薄淡黄色の4,4’−ジヒドロキシジフェニルジスルフィド187gを得た。得られたビスフェノール化合物の融点は145から149℃であった。
【0030】
実施例1
1Lの4口セパラブルフラスコに、合成例1で合成したビスフェノール化合物100g、エピクロルヒドリン444gおよびジグライム88.8gを量り採り、攪拌しながら溶解した後、減圧下(約100mmHg)、60℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液64.7gを4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。その後、エピクロルヒドリンおよびジグライムを減圧留去し、メチルイソブチルケトン434gに溶解した後、濾過により生成した塩を除いた。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液11.8gを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒であるメチルイソブチルケトンを減圧留去し、淡黄色結晶状のエポキシ樹脂A135gを得た。
【0031】
このエポキシ樹脂Aのエポキシ当量は199であり、加水分解性塩素は2700ppm、融点は54から62℃、150℃での溶融粘度は7.6MPa・sであった。
ここで、加水分解性塩素とは、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N−KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加えたものを、0.002N−AgNO3水溶液で電位差滴定を行うことにより測定された値である。また、融点とはキャピラリー法により昇温速度2℃/分で得られる値であり、粘度はコントラバス社製レオマット115を用いて測定した。
【0032】
GPCチャートから読み取った式(1)における各ピークの割合は、式(1)におけるn=0の化合物が85.2%、n=1の化合物が8.6%であった。GPCチャートを図1、赤外吸収スペクトルを図2、H−NMRスペクトルを図3に示す。
GPC測定条件は、装置;HLC−802A(東ソー(株)製)、カラム;TSK−GEL2000×3本およびTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1ml/min、温度;38℃、検出器;RIの条件で行った。赤外吸収スペクトルはKBr錠剤成形法により求め、H−NMRスペクトルは、装置;JNM−LA400(日本電子社製)を用い、テトラヒドロフラン−d8中で測定した。
【0033】
実施例2
0.3Lの4口セパラブルフラスコに、実施例1で合成したエポキシ樹脂100gおよび合成例1で合成したビスフェノール化合物20.9gを量り採り、窒素気流下、攪拌しながら120℃に昇温して2時間反応させ、エポキシ樹脂B112gを得た。
エポキシ樹脂Bのエポキシ当量は519g/eq、軟化点73.5℃、150℃での溶融粘度は0.77Pa・sであった。GPCチャートを図4に示す。
【0034】
実施例3〜11および比較例1〜2
エポキシ樹脂成分として、実施例1、2で合成したエポキシ樹脂A及びB、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂C;エポキシ当量200、軟化点70℃)、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂D;ジャパンエポキシレジン製、YX−4000H、エポキシ当量195、融点105℃)、硬化剤としてフェノールノボラック(硬化剤A;OH当量103、軟化点82℃)、フェノールアラルキル樹脂(硬化剤B;三井化学製、XL−225−LL、OH当量172、軟化点74℃)、1−ナフトールアラルキル樹脂(硬化剤C;新日鐵化学製、SN−475、OH当量210、軟化点74℃、溶融粘度(150℃)0.06Pa・s)を用い、充填剤としてシリカ(平均粒径、22μm)を用い、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを用いて、表1に示す配合で混練してエポキシ樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃にて成形し、175℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。なお、表1に示す配合量は重量部である。
【0035】
ガラス転移点(Tg)は、熱機械測定装置により、昇温速度10℃/分の条件で求めた。吸水率は、本エポキシ樹脂組成物を用いて、直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後、85℃、相対湿度85%の条件で100時間吸湿させたときのものである。接着性の評価は、エポキシ樹脂組成物を用いて、銅箔上に175℃にて圧縮成形後、175℃にて12時間ポストキュアを行い、ピール強度を測定した。難燃性は、厚さ1/16インチの試験片を成形し、UL94V−0規格によって評価し、5本の試験片での合計の燃焼時間で表した。結果をまとめて表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物に応用した場合、優れた難燃性および異種材料との高密着性に優れた硬化物を与え、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等の用途に好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エポキシ樹脂AのGPCチャート
【図2】エポキシ樹脂Aの赤外吸収スペクトル
【図3】エポキシ樹脂AのH−NMRスペクトル
【図4】エポキシ樹脂BのGPCチャート
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属基材との密着性に優れるとともに、難燃性等にも優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、その製造方法、このエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関するものであり、プリント配線板、半導体封止等の電気電子分野の絶縁材料等に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体封止材料には、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物が広く用いられてきているが、近年、プリント基板への部品の実装の方法として、従来の挿入方式から表面実装方式への移行が進展している。表面実装方式においては、パッケージ全体が半田温度まで加熱され、吸湿した水分の急激な体積膨張により引き起こされるパッケージクラックが大きな問題点となってきている。さらに、近年、半導体素子の高集積化、素子サイズの大型化、配線幅の微細化が急速に進展しており、パッケージクラックの問題が一層深刻化してきている。パッケージクラックを防止する方法として樹脂構造の強靱化、無機フィラーの高充填化による高強度化、低吸水率化等の方法がある。
【0003】
なかでも無機フィラーの高充填化が強く指向されており、そのためには低吸湿性、高耐熱性に優れ、かつ低粘度であるエポキシ樹脂が望まれている。低粘度エポキシ樹脂としては、従来よりビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が一般に広く用いられているが、これらのエポキシ樹脂において低粘度のものは常温で液状であり、トランスファー成形用の樹脂組成物とすることは困難である。さらに、これらのエポキシ樹脂は耐熱性、機械的強度、耐湿性の点で十分ではない。
【0004】
上記背景から低吸湿性、高耐熱性に優れたものとして、ビフェニル系エポキシ樹脂(特開昭58−39677号公報)、ビスフェノール系エポキシ樹脂(特開平6−345850号公報)が提案されているが、金属基材との密着性の点で十分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、難燃性、金属基材との密着性に優れる新規エポキシ樹脂及びその組成物を提供することにある。他の目的は、流動性、低吸湿性、半田耐熱性等にも優れた硬化物を与える半導体素子の電子部品封止用に好適に使用されるエポキシ樹脂及びその組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂である。
【化3】
(但し、R1、R2は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1から7の炭化水素基を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0から50の整数を示す)
【0007】
また、本発明は、下記一般式(2)で表されるビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンを反応させることを特徴とする前記のエポキシ樹脂の製造方法である。
【化4】
(但し、R1、R2は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1から7の炭化水素基を示す)
【0008】
更に、本発明は、エポキシ樹脂および硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂成分の少なくとも一部として前記のエポキシ樹脂を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。また、本発明は、前記のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のエポキシ樹脂は、上記一般式(1)で表されるが、ここで、R1、R2は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜7の炭化水素基を示す。ここで、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が例示され、炭化水素基としてはメチル基、エチル基、ビニル基、エチン基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、プロパルギル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、sec−アミル基、tert−アミル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられるが、好ましくは、水素原子またはメチル基である。
【0010】
nは、0から50の整数を表し、好ましいnの値は、適用する用途に応じて異なる。例えば、フィラーの高充填率化が要求される半導体封止材の用途には、低粘度であるものが望ましく、nの値は、0〜5、好ましくは0.1〜2、さらに好ましくはnが0のものが50wt%以上含まれるものである。本発明のエポキシ樹脂がnの値が異なる混合物である場合は、nの数平均値として0〜5、好ましくは0.1〜2、さらに好ましくは、nが0のものが50wt%以上含まれるものであり、nの数平均値が0.1〜1のものである。これらの低分子量のエポキシ樹脂は、場合により結晶化され、常温で固体として使用される。また、プリント配線板等の用途には、高分子量のエポキシ樹脂が好適に使用され、この場合のnの値は、10〜50、好ましくは15〜40、さらに好ましくは20〜40である。nの値が異なる混合物である場合は、nの数平均値としても、上記の範囲がよい。この場合、数平均値が50以下となれば、nの値が50以上の整数となる分子が含まれてもよい。
【0011】
本発明のエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンを反応させることにより製造される。ビスフェノール化合物は、上記一般式(2)で表されるが、ここで、R1、R2は、上記一般式(1)の置換基、R1、R2と同じものであり、好ましくは、水素原子またはメチル基である。一般式(2)において、水酸基の置換位置は、ジフェニルジスルフィド骨格に対して、4,4’−位、3,4’−位、3,3’−位、2,3’−位、2,2’−位のものがあるが、好ましくは、4,4’−位のものである。また、エポキシ樹脂の原料に用いる場合、これら異性体の混合物であってもよい。
【0012】
ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応には、ビスフェノール化合物中の水酸基1モルに対して0.80から1.20倍当量、好ましくは0.85から1.05倍当量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が用いられる。これより少ないと残存加水分解性塩素の量が多くなり好ましくない。金属水酸化物としては、水溶液または固体の状態で使用される。
【0013】
反応に際しては、ビスフェノール化合物に対しては過剰量のエピクロルヒドリンが使用される。通常、ビスフェノール化合物中の水酸基1モルに対して、1.5から15倍モルのエピクロルヒドリンが使用されるが、好ましくは2から8倍モルの範囲である。これより多いと生産効率が低下し、これより少ないとエポキシ樹脂の高分子量体の生成量が増え、粘度が高くなる。
【0014】
反応は、通常、120℃以下の温度で行われる。反応の際、温度が高いと、いわゆる難加水分解性塩素量が多くなり高純度化が困難になる。好ましくは100℃以下であり、さらに好ましくは85℃以下の温度である。
【0015】
反応の際、四級アンモニウム塩あるいはジメチルスルホキシド、ジグライム等の極性溶媒を用いてもよい。四級アンモニウム塩としては、たとえばテトラメチルアンモニウムクロライド、テチラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、等があり、その添加量としては、ビスフェノール化合物に対して、0.1〜2.0wt%の範囲が好ましい。これより少ないと四級アンモニウム塩添加の効果が小さく、これより多いと難加水分解性性塩素の生成量が多くなり、高純度化が困難になる。また、極性溶媒の添加量としては、ビスフェノール化合物に対して、10〜200wt%の範囲が好ましい。これより少ないと添加の効果が小さく、これより多いと容積効率が低下し、経済上好ましくない。
【0016】
反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンや溶媒を留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩や残存溶媒を除去し、次いで溶剤を留去することによりエポキシ樹脂とすることができる。
【0017】
有利には、得られたエポキシ樹脂をさらに、残存する加水分解性塩素に対して、1〜30倍量の水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を加え、再閉環反応が行われる。この際の反応温度は、通常、100℃以下であり、好ましくは90℃以下である。
【0018】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂と硬化剤を必須成分とする。本発明のエポキシ樹脂組成物に配合する硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、ジシアンジアミド、多価フェノール類、酸無水物類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。
【0019】
具体的に例示すれば、多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類がある。更には、フェノール類、ナフトール類等の1価のフェノール類や、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物等がある。
【0020】
酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
【0021】
また、アミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
【0022】
本発明の樹脂組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、エポキシ樹脂成分として、一般式(1)で表される本発明のエポキシ樹脂以外に別種のエポキシ樹脂を配合してもよい。この場合のエポキシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂はすべて使用できる。例を挙げれば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類、又はテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグルシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。そして、本発明のエポキシ樹脂を必須成分とする組成物の場合、本発明に関わる一般式(1)で表されるエポキシ樹脂の配合量はエポキシ樹脂全体中、5〜100wt%、好ましくは60〜100wt%の範囲であることがよい。
【0024】
必要に応じて、本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填材が配合され得る。無機充填材としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末等が挙げられる。半導体封止材に応用する場合、無機充填材の使用量は、通常、75wt%以上であるが、低吸湿性、高半田耐熱性の点からは、80wt%以上であることが好ましい。
【0025】
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、インデンクマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー又は高分子化合物を適宜配合してもよいし、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤、等の添加剤を配合してもよい。顔料としては、有機系又は無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。また更に必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
【0026】
更に必要に応じて本発明の樹脂組成物には、公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等がある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2から5重量部の範囲である。また、硬化剤の添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲である。
【0027】
本発明の樹脂組成物を硬化させて得られる本発明の硬化物は、上記エポキシ樹脂組成物を注型、圧縮成形、トランスファー成形等の方法により、成形加工し得ることができる。この際の温度は通常、120〜220℃の範囲である。
【0028】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0029】
合成例1(ビスフェノール体の合成)
3Lの4口セパラブルフラスコに、4−ヒドロキシチオフェノール202g、エタノール1600gおよび純水400gを量り採り、攪拌しながら溶解した後、20℃にて31%過酸化水素203.6gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間反応を継続した。その後、純水8Lにより再沈殿させ、さらに水洗を行った後、減圧乾燥を行い、薄淡黄色の4,4’−ジヒドロキシジフェニルジスルフィド187gを得た。得られたビスフェノール化合物の融点は145から149℃であった。
【0030】
実施例1
1Lの4口セパラブルフラスコに、合成例1で合成したビスフェノール化合物100g、エピクロルヒドリン444gおよびジグライム88.8gを量り採り、攪拌しながら溶解した後、減圧下(約100mmHg)、60℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液64.7gを4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。その後、エピクロルヒドリンおよびジグライムを減圧留去し、メチルイソブチルケトン434gに溶解した後、濾過により生成した塩を除いた。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液11.8gを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒であるメチルイソブチルケトンを減圧留去し、淡黄色結晶状のエポキシ樹脂A135gを得た。
【0031】
このエポキシ樹脂Aのエポキシ当量は199であり、加水分解性塩素は2700ppm、融点は54から62℃、150℃での溶融粘度は7.6MPa・sであった。
ここで、加水分解性塩素とは、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N−KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加えたものを、0.002N−AgNO3水溶液で電位差滴定を行うことにより測定された値である。また、融点とはキャピラリー法により昇温速度2℃/分で得られる値であり、粘度はコントラバス社製レオマット115を用いて測定した。
【0032】
GPCチャートから読み取った式(1)における各ピークの割合は、式(1)におけるn=0の化合物が85.2%、n=1の化合物が8.6%であった。GPCチャートを図1、赤外吸収スペクトルを図2、H−NMRスペクトルを図3に示す。
GPC測定条件は、装置;HLC−802A(東ソー(株)製)、カラム;TSK−GEL2000×3本およびTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1ml/min、温度;38℃、検出器;RIの条件で行った。赤外吸収スペクトルはKBr錠剤成形法により求め、H−NMRスペクトルは、装置;JNM−LA400(日本電子社製)を用い、テトラヒドロフラン−d8中で測定した。
【0033】
実施例2
0.3Lの4口セパラブルフラスコに、実施例1で合成したエポキシ樹脂100gおよび合成例1で合成したビスフェノール化合物20.9gを量り採り、窒素気流下、攪拌しながら120℃に昇温して2時間反応させ、エポキシ樹脂B112gを得た。
エポキシ樹脂Bのエポキシ当量は519g/eq、軟化点73.5℃、150℃での溶融粘度は0.77Pa・sであった。GPCチャートを図4に示す。
【0034】
実施例3〜11および比較例1〜2
エポキシ樹脂成分として、実施例1、2で合成したエポキシ樹脂A及びB、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂C;エポキシ当量200、軟化点70℃)、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂D;ジャパンエポキシレジン製、YX−4000H、エポキシ当量195、融点105℃)、硬化剤としてフェノールノボラック(硬化剤A;OH当量103、軟化点82℃)、フェノールアラルキル樹脂(硬化剤B;三井化学製、XL−225−LL、OH当量172、軟化点74℃)、1−ナフトールアラルキル樹脂(硬化剤C;新日鐵化学製、SN−475、OH当量210、軟化点74℃、溶融粘度(150℃)0.06Pa・s)を用い、充填剤としてシリカ(平均粒径、22μm)を用い、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを用いて、表1に示す配合で混練してエポキシ樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃にて成形し、175℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。なお、表1に示す配合量は重量部である。
【0035】
ガラス転移点(Tg)は、熱機械測定装置により、昇温速度10℃/分の条件で求めた。吸水率は、本エポキシ樹脂組成物を用いて、直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後、85℃、相対湿度85%の条件で100時間吸湿させたときのものである。接着性の評価は、エポキシ樹脂組成物を用いて、銅箔上に175℃にて圧縮成形後、175℃にて12時間ポストキュアを行い、ピール強度を測定した。難燃性は、厚さ1/16インチの試験片を成形し、UL94V−0規格によって評価し、5本の試験片での合計の燃焼時間で表した。結果をまとめて表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物に応用した場合、優れた難燃性および異種材料との高密着性に優れた硬化物を与え、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等の用途に好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エポキシ樹脂AのGPCチャート
【図2】エポキシ樹脂Aの赤外吸収スペクトル
【図3】エポキシ樹脂AのH−NMRスペクトル
【図4】エポキシ樹脂BのGPCチャート
Claims (4)
- エポキシ樹脂および硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂成分として請求項1に記載のエポキシ樹脂を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
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| JP2002164695A JP2004010724A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | エポキシ樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物および硬化物 |
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-
2002
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