JP2004009758A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トレッド部1のカーカス層4の外周側に配置したベルト層7が、補強コードmをタイヤ周方向Tに対して略0°で配列した芯体ベルト層8と、その周囲に補強コードnを芯体ベルト層8の端部8aで折り返しながら螺旋状に巻回したループベルト層9とから構成され、ループベルト層9の補強コードnを構成するフィラメントfの直径dが、補強コードnの折り返し部naの曲率半径Rに対して、d/2R<1/100の関係を満足している。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、補強コードを芯体ベルト層の端部で折り返しながら螺旋状に巻回したループベルト層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、タイヤ耐久性を向上するようにした空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、補強コードをタイヤ周方向に対して略0°で配列した芯体ベルト層の周囲に、補強コードを該芯体ベルト層の端部で折り返しながら螺旋状に巻回したループベルト層を設けたベルト層を有する空気入りラジアルタイヤが提案されている。このような構造のベルト層の採用により、ベルト層の両端に補強コードのエッジが位置するのを回避し、ベルト層の耐エッジセパレーション性を大幅に高めるようにしている。
【0003】
上述したベルト層におけるループベルト層は、例えば、引き揃えた複数の補強コードをゴムストリップ層に埋設した帯状体を芯体ベルト層の周りに螺旋状に連続して巻き回すことで効率よく成形することができる。
【0004】
しかしながら、このような帯状体の補強コードとしてスチールコードなどを用いた際には、ループベルト層成形時にスチールコードの折り返し部を塑性変形させる必要があるため、スチールコードの表面歪みが大幅に増大し、その結果、その折り返し部でコード破断が発生し易くなり、タイヤ耐久性に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、補強コードを芯体ベルト層の端部で折り返しながら螺旋状に巻回したループベルト層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、タイヤ耐久性を改善することが可能な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、トレッド部のカーカス層外周側に、補強コードをタイヤ周方向に対して略0°で配列した芯体ベルト層の周囲に補強コードを該芯体ベルト層の端部で折り返しながら螺旋状に巻回したループベルト層を設けてなるベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ループベルト層の補強コードを構成するフィラメントの直径dを、該補強コードの折り返し部の曲率半径Rに対して、d/2R<1/100となるようにしたことを特徴とする。
【0007】
このように補強コードを構成するフィラメントの直径dとその折り返し部の曲率半径Rとの関係を上記のように特定することにより、芯体ベルト層の端部で折り返す際に折れ曲がり易くすることができるので、折り返しに起因するコード破断を容易に招くことがない。従って、タイヤ耐久性の改善が可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の空気入りラジアルタイヤの要部を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右のビード部3間にカーカス層4が装架され、その両端部4aがビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1のカーカス層4の外周側にはベルト層7が配置されている。
【0010】
ベルト層7は、芯体ベルト層8の周囲にループベルト層9を設けて構成してある。芯体ベルト層8は、図2に示すように、タイヤ周方向Tに対して略0°で配列したスチールコードfをゴム層8Aに埋設した構成になっている。なお、ここで言う略0°とは、タイヤ周方向Tに対して5°以下のことである。
【0011】
ループベルト層9は、芯体ベルト層8の端部8aで折り返しながら螺旋状に巻回したスチールコードnをゴム層9A内に埋設して構成されている。スチールコードnのタイヤ周方向Tに対する傾斜角度θは、15〜60°の範囲である。このような構成のループベルト層9は、図3に示すように、引き揃えた複数のスチールコードnをゴムストリップ層Sに埋設した帯状体Zを螺旋状に巻回して成形することができる。
【0012】
図4に示すように、スチールコードnを構成する各フィラメントfの直径d(mm)は、芯体ベルト層8の端部8aにおけるスチールコードnの折り返し部naの曲率半径Rに対して、d/2R<1/100の関係を満足している。なお、ここで言う曲率半径R(mm)は、3次元的に変化するスチールコードnの折り返し部naの実際の半径である。
【0013】
上述した本発明によれば、スチールコードnのフィラメントfの直径dとその折り返し部naにおける曲率半径Rとの関係を上記のように規定することで、スチールコードnを芯体ベルト層8の端部8aに沿って折れ曲げ易くすることができるため、折り返し部naを塑性変形させることなくループベルト層9を成形することができる。従って、スチールコードnの折り返し部naにおける表面歪みの増大を抑制し、タイヤ耐久性を改善することができる。
【0014】
また、引き揃えた複数のスチールコードnをゴムストリップ層Sに埋設した帯状体Zからループベルト層9を構成することができるので、ループベルト層9を効率よく成形することができる。
【0015】
d/2Rが1/100以上になると、スチールコードnの折り返し部naにおける表面歪みが増大するため、タイヤ耐久性を改善することが難しくなる。d/2Rの下限値は、小さければ小さいほど、スチールコードnのフィラメント径を細くして、折り返し部naの表面歪みをより小さくすることができるので、特に限定されるものではないが、実際に使用可能なコードとの関係から、0.0025以上にすることができる。
【0016】
本発明では、上記実施形態において、ループベルト層9の補強コードとしてスチールコードnを用いた例を示したが、それに代えて、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維コードやアラミド繊維コードなどの高弾性有機繊維コードを用いてもよい。
【0017】
高弾性有機繊維コードを複数本引き揃えてゴムストリップ層に埋設した帯状体を螺旋状に巻き付けた際にも、折り返し部が大きく折り曲げられるため、コード破断が発生し易くなるが、フィラメントの直径dと折り返し部naの曲率半径Rとを上記のようにすることで改善が可能になる。
【0018】
なお、ここで言うベルト層に適した高弾性有機繊維コードとは、フィラメントの弾性率EがE>30GPa、コードの引張剛性ESがES>4500N、コードの曲げ剛性EIが0.1N/mm2<EI<150N/mm2のものである。但し、繊維コードの弾性率は、島津製作所製ストローグラフを用いて測定した。繊維コードを解撚して撚りを実質的に掛けていないいわゆるヤーンの状態にしたものを、掴み間隔250mm,引張速度300m/minにて引張試験を実施する。これより得られる荷重−歪み曲線の直線領域の傾きをフィラメントの断面積の和で割った値を弾性率Eとした。また、引張剛性ES=nEπd2/4、曲げ剛性EI=nEπd2/64であり、nはフィラメントの本数である。
【0019】
また、上述したスチールコードnも上記条件を満足したものが好ましく使用できる。
【0020】
本発明は、タイヤ接地時に高い荷重が負荷される、バスやトラックなどの重荷重車両に使用される重荷重用の空気入りラジアルタイヤに好適に用いることができるが、当然のことながらそれに限定されない。
【0021】
【実施例】
タイヤサイズを11R/22.5で共通にし、d/2Rを表1のように変えた図1に示す構成の本発明タイヤ1〜4と比較タイヤをそれぞれ作製した。各試験タイヤにおいて、補強コードの種類、構造、及び折り返し部の曲率半径R(mm)は、表1に示す通りである。
【0022】
これら各試験タイヤを以下に示す測定条件により、耐久性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
耐久性
リムサイズ22.5×8.25のリムに装着し、空気圧を560kPaに調整した試験タイヤを、ドラム表面が平滑な鋼製でかつ直径が1707mmであるドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、走行速度60km/h、スリップ角0±2°、荷重JATMA最大荷重の80%条件下で、荷重とスリップ角を0.1Hzの矩形波で変動させて20000km走行させた。走行後に各試験タイヤを切開し、ループベルト層の補強コードの破断の有無を調べた。○は破断なし、×は破断ありを示す。
【0023】
【表1】
表1から、本発明タイヤは、ループベルト層のコード破断がなく、タイヤ耐久性を改善できることがわかる。
【0024】
【発明の効果】
上述したように本発明は、ループベルト層の補強コードを構成するフィラメントの直径dと補強コードの折り返し部の曲率半径Rとの関係を上記のように規定することにより、折り返し部でのコード破断の発生を抑制し、タイヤ耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線要部断面図である。
【図2】図1のベルト層の要部を切り欠いて示す要部説明図である。
【図3】ループベルト層を構成する帯状体の一例を拡大して示す要部切欠き斜視図である。
【図4】ループベルト層の補強コードの一例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 サイドウォール部
3 ビード部 4 カーカス層
7 ベルト層 8 芯体ベルト層
8a 端部 9 ループベルト層
R 曲率半径 S ゴムストリップ層
T タイヤ周方向 Z 帯状体
d 直径 f フィラメント
m,n スチールコード(補強コード)
na 折り返し部
Claims (3)
- トレッド部のカーカス層外周側に、補強コードをタイヤ周方向に対して略0°で配列した芯体ベルト層の周囲に補強コードを該芯体ベルト層の端部で折り返しながら螺旋状に巻回したループベルト層を設けたベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ループベルト層の補強コードを構成するフィラメントの直径dを、該補強コードの折り返し部の曲率半径Rに対して、d/2R<1/100となるようにした空気入りラジアルタイヤ。 - 前記フィラメントの弾性率EがE>30GPa、前記補強コードの引張剛性ESと曲げ剛性EIとがそれぞれES>4500N、0.1N/mm2<EI<150N/mm2である請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ループベルト層が複数の補強コードをゴムストリップ層に埋設した帯状体を螺旋状に巻回してなる請求項1または2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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