JP2004009108A - 熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、圧延材の全長に亘って逆変態による微細組織を有する熱延鋼帯を安定して製造することのできる熱延鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】連続タンデム仕上圧延機により仕上圧延して熱延鋼帯を製造するに際し、仕上圧延機入側に被圧延材を加熱するための加熱装置を設置して、被圧延材の仕上圧延機入側温度を長手方向にAr3以下の略一定温度に制御するとともに、被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定とすることにより、被圧延材の長手方向に略一定の圧延加工に伴う加工発熱を生じさせ、被圧延材の先端から後端まで同一の圧延スタンドでフェライトからオーステナイトに逆変態させることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
【選択図】 図2
【解決手段】連続タンデム仕上圧延機により仕上圧延して熱延鋼帯を製造するに際し、仕上圧延機入側に被圧延材を加熱するための加熱装置を設置して、被圧延材の仕上圧延機入側温度を長手方向にAr3以下の略一定温度に制御するとともに、被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定とすることにより、被圧延材の長手方向に略一定の圧延加工に伴う加工発熱を生じさせ、被圧延材の先端から後端まで同一の圧延スタンドでフェライトからオーステナイトに逆変態させることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平均粒径が3μm以下の微細フェライト組織を有し、強度・靭性に優れた熱延鋼帯の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タンデム圧延中に逆変態を生じさせる圧延方法が従来から多数提案されている。
【0003】
たとえば、特開平11−152522号には、連続熱延の仕上げ圧延における加工発熱、及び、又は、鋼板の復熱による温度上昇を利用して、フェライト(α)をオーステナイト(γ)に逆変態させることを特徴とする深絞り性に優れた薄鋼板の製造方法が示されている。
【0004】
また、特公平7−9033号には、連続鋳造鋳片又はインゴットを熱片又は熱塊状態から冷却し、(a)Ar3点以下の温度域で合計圧下率30%以上の圧延を施す、(b)続いてAc3点〜〔Ac3点+100℃〕の温度域に10℃/秒以上の加熱速度で昇温し、フェライトからオーステナイトへ逆変態を生じさせる、(c)そして、該オーステナイト相温度域で合計圧下率10%以上の圧延を施す、 なる工程で順次加工熱処理し冷却することを特徴とする、超微細組織鋼板の製造方法が示されている。 さらに、連続鋳造鋳片又はインゴットを熱片又は熱塊状態のまま乃至は加熱炉に装入してから再結晶温度域で合計圧下率30%以上の圧延を行った後、これを冷却し、(a)Ar3以下の温度域で合計圧下率30%以上の圧延を施す、 (b)続いてAc3点〜〔Ac3点+100℃〕の温度域に10℃/秒以上の加熱速度で昇温し、フェライトからオーステナイトへ逆変態を生じさせる、(c)そして、該オーステナイト相温度域で合計圧下率10%以上の圧延を施す、なる工程で順次加工熱処理し冷却することを特徴とする、超微細組織鋼板の製造方法が示されている。
【0005】
また、特開平10−8142号には、重量比で C: 0.0005〜0.0150% Si:0.2%以下 Mn:0.05〜0.6% P: 0.02%以下 S: 0.02%以下 Al:0.15%以下 N: 0.02%以下を含み、さらに必要に応じて Nb:0.003〜0.020% Ti:0.003〜0.020% B: 0.0002〜0.0020% Cu:0.5%以下 Ni:0.5%以下 Cr:0.5%以下 Mo:0.2%以下の1種又は2種以上を含み、残部はFeおよび可避不純物よりなる組成の鋼スラブに、 熱間粗圧延を全圧下量80%以上、そのうち、最終パスを20%以上とする条件下で行い、 仕上熱間圧延を、被圧延材の温度が仕上圧延機列のいずれかの圧延スタンド通過の際、圧延加工に伴う発熱により逆変態させ、仕上圧延温度がAr3−50℃以上となるように終了し、 550〜750℃の温度で巻取って熱間圧延鋼帯を得、 該熱間圧延鋼帯に対してスケール除去、冷間圧延、再結晶焼鈍および30%以下の調質圧延を行うことを特徴とする加工性が良好でかつ肌荒れのない製缶用鋼板の製造方法が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術には、いずれもタンデム圧延中に逆変態を生じさせる圧延方法が示されているが、圧下率、温度範囲を規定しているものの、被圧延材の全長に亘って均一な材質の鋼板を製造する具体的な方法が示されていない。
【0007】
一般に被圧延材の仕上圧延機入側における温度は、放射、対流による材料の温度降下により、先端で高く後端に向かうほど低くなる。これを補償するためにタンデム圧延では圧延速度を後端になるほど加速する加速圧延が行われている。
【0008】
逆変態をタンデム仕上圧延機の特定のスタンドで被圧延材の先端から後端まで安定して生じさせるためには、当該スタンドにおける被圧延材の温度と加工発熱量を長手方向にほぼ一定に保つ必要がある。ところが、通常のタンデム圧延では被圧延材の温度は最終スタンドで一定であるものの、それ以外のスタンドでは圧延位置により異なり、前段スタンドほど圧延中の材料温度低下が著しい。また、加速圧延を行えば圧延加工のひずみ速度が徐々に速くなるため、材料の変形抵抗が上昇し、加工発熱量が増加することとなる。
【0009】
これらの現象をすべて考慮に入れ、特定の同一の圧延スタンドで圧延材の先端から後端まで安定して逆変態を生じるよう、圧延条件を設定することは極めて困難であり、従来技術では圧延材の全長に亘って逆変態による微細組織を有する鋼板を製造することはできなかった。
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、圧延材の全長に亘って逆変態による微細組織を有する熱延鋼帯を安定して製造することのできる熱延鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の熱延鋼帯の製造方法は以下のような特徴を有する。
【0012】
(1)連続タンデム仕上圧延機により仕上圧延して熱延鋼帯を製造するに際し、仕上圧延機入側に被圧延材を加熱するための加熱装置を設置して、被圧延材の仕上圧延機入側温度を長手方向にAr3以下の略一定温度に制御するとともに、被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定とすることにより、被圧延材の長手方向に略一定の圧延加工に伴う加工発熱を生じさせ、被圧延材の先端から後端まで同一の圧延スタンドでフェライトからオーステナイトに逆変態させることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
【0013】
(2)仕上圧延の最終圧延パス終了直後の急速冷却を、50℃/秒以上の冷却速度で行うことを特徴とする上記(1)に記載の熱延鋼帯の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施に供される熱延鋼帯の製造設備列の一実施形態を示す説明図である。
【0015】
図1に示す熱延鋼帯の製造ラインは、所定温度に加熱されたスラブを所定の粗さの粗バ−に圧延するための粗圧延機1と、粗圧延機出側直近に設置された中間冷却装置2と、粗バ−を加熱するための加熱装置3と、この加熱装置3により長手方向に温度を一定に制御された粗バ−を所定の厚さの熱延鋼帯に圧延するための仕上圧延機4と、仕上圧延機出側直近に位置し、熱延鋼帯を急速冷却するための急速冷却装置5と、巻取り温度を調整するための冷却装置6と、この熱延鋼帯を巻取るための巻取り機7とを備えている。
【0016】
前記中間冷却装置2は、粗圧延最終圧延スタンドの出側直近に設置し、粗圧延後の粒成長を防止するとともに、被圧延材の仕上圧延機入側温度を長手方向にAr3以下の略一定温度とする前の温度調整冷却を行う冷却装置である。
【0017】
粗圧延での圧下にて生成された再結晶粒オ−ステナイト粒は、通常は粗圧延と仕上圧延の間の数十秒の間に大きな粒成長挙動を示す。オーステナイトから変態して生じるフェライト組織の粒径はオーステナイト粒径が小さいほど小さくなるため、またAr3以下の温度で残留するオーステナイト粒径をできるだけ微細に保つため、粗圧延後は直ちに冷却することが望ましい。
【0018】
前記加熱装置3は、中間冷却装置2で温度調整冷却された被圧延材を加熱して、被圧延材の仕上圧延機入側温度を長手方向にAr3以下の略一定温度に制御するための加熱装置である。このような加熱装置として、誘導加熱装置を使用すれば、制御応答性がよく、仕上圧延機4の入側における粗バーの温度をその長さ方向全長に亘って一定温度に加熱することができる。
【0019】
急速冷却装置5は、圧延直後の急速冷却により粒成長を抑制するとともに、フェライトへの変態核成長速度を速め、より微細な組織を得るための冷却装置である。この仕上圧延の最終圧延パス終了直後の急速冷却を50℃/秒以上の冷却速度で行うことが好ましい。
【0020】
圧延機直後での急速冷却を可能とするため、極力圧延機出側直近に配置することが望ましく、図1の実施形態では仕上圧延機出側直近に急速冷却装置を配置している。
【0021】
また、材質調整の観点からは、巻取り機7に巻取られた後の温度も重要であり、図1の実施形態では、巻取り機7の直前に巻取り温度調整用の冷却装置6を設置している。
【0022】
以下、上記装置構成を用いた本発明法の一実施形態を説明する。また、図2には、上記装置構成における被圧延材の長手方向中央部の断面平均温度の変化を示す。
【0023】
図1に示す熱延鋼帯の製造ラインにおいて、所定温度に加熱されたスラブを粗圧延機1により所定の厚さの粗バ−に減厚して圧延する。次に圧延された粗バーを、粗圧延機出側直近に設置した中間冷却装置2により仕上圧延で目標とする温度付近への温度調整冷却を行う。温度調整冷却を行った粗バ−を、仕上圧延機入側温度が粗バー全長に亘ってAr3以下の略一定温度となるように加熱装置3で加熱する。次に加熱装置3で加熱された粗バーを仕上圧延機4により所定の厚さの熱延鋼帯に減厚して圧延する。このとき被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定とすることにより、被圧延材の長手方向に略一定の圧延加工に伴う加工発熱を生じさせ、被圧延材の先端から後端まで同一の圧延スタンドでフェライトからオーステナイトに逆変態させている。
【0024】
上記の被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定とするとは、仕上圧延機4の全圧延スタンドについての圧延速度をそれぞれ略一定とすることである。
【0025】
ここで、加工発熱での温度上昇は30〜40℃が限界で、かろうじて逆変態を生じさせられる程度である。一方、組織微細化の観点からは、逆変態前の温度をできるだけ低くし、フェライト相の比率を多くしておいた後に逆変態させることが望ましい、つまり、粗圧延後の中間冷却ではより低温にする方が微細化鋼の製造に有利となる。ところが、中間冷却での温度を低くすると逆変態温度までの昇温量が大きくなり、加工発熱だけでは不足する。そこで図1に示すように加熱装置によりある程度の加熱を行い、仕上圧延機のいずれかの圧延スタンド通過の際に、加工発熱で逆変態が生じる温度に仕上圧延機入側温度を制御すればよい。
【0026】
具体的には、例えば、第5スタンドで逆変態を生じさせる場合、仕上圧延機入側から第5スタンド圧延終了までに被圧延材が受ける冷却などによる温度降下ΔTc、加工発熱および摩擦発熱による温度上昇ΔThは計算による予測が可能で、被圧延材の逆変態温度をAc3、加熱装置の入側温度をTとすると、加熱装置での目標昇温温度ΔTは下記の(1)式で表される。
【0027】
ΔT=Ac3−(ΔTh−ΔTc)−T …(1)
さらに、上記の仕上圧延においては、逆変態を生じさせるスタンドにおける被圧延材の温度と加工発熱量を長手方向にほぼ一定に保つ必要があるため、加速圧延は行なわないで被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定として圧延する。
【0028】
その後、熱延鋼帯を急速冷却するための急速冷却装置5により仕上圧延の最終圧延パス終了直後に50℃/秒以上の冷却速度で急速冷却し、巻取り温度を調整するための冷却装置6で温度調整後、巻取り機7で鋼帯を巻取る。
【0029】
図2に示す被圧延材の長手方向中央部の断面平均温度の変化において、粗バーが中間冷却装置を出て、加熱装置に入る間に若干温度が下がる区間を「搬送」と表示する。この他の「粗圧延機」、「冷却装置」、「急速加熱」、「仕上圧延機」、「急速冷却」の表示は、それぞれ図1に示す熱延鋼帯の製造ラインにおいて粗圧延機1、中間冷却装置2、加熱装置3、仕上圧延機4、急速冷却装置5でのプロセスに対応している。
【0030】
【実施例】
図1に示す熱延鋼帯の製造ラインを用いて、板厚250mmの低炭素鋼スラブを加熱炉にて約1100℃に加熱後、該スラブを粗圧延機での5パスの圧延にて50mmまで減厚し、粗バーとした。この粗バーを中間冷却装置により830℃程度まで冷却して、Ar3(860℃)以下の温度とした後、仕上圧延機の入側温度が時間の経過とともに低下する温度降下を誘導加熱装置により補償し、仕上圧延機入側の被圧延材温度を全長に亘ってほぼ一定の850℃に制御して、被圧延材の先端から後端にかけて全圧延スタンドでの圧延速度をそれぞれ一定速度にて7パスの仕上圧延を行った。このときの圧延条件は、仕上板厚4mm、仕上圧延速度1000mpmとした。
【0031】
また、この鋼種の逆変態温度が875℃であったため、逆変態の生じるスタンドを5スタンド目とし、このスタンドでの圧延後の温度が880℃となるよう、3スタンド目から5スタンド目にかけての被圧延材の圧下率を調整した。仕上圧延速度を一定にして圧延を行ったところ、各スタンドの温度は以下に示す値で被圧延材の全長に亘りほぼ一定であった。
【0032】
これに対し、従来の方法による仕上圧延4mmの熱延鋼帯の仕上圧延として、仕上圧延機入側での加熱を行わず、被圧延材先端から後端へ圧延が進行するにつれて最終スタンドの圧延速度を900mpmから1100mpmまで加速する条件での圧延を行った。被圧延材の先端では5スタンド目の圧延温度が880℃となっていたが、後端になるにしたがって温度低下が生じ、被圧延材全長のほぼ半分まで圧延したときに圧延温度が875℃まで低下した。さらに後端付近では5スタンド目における被圧延材の温度は870℃まで低下した。
【0033】
以上の条件で製造した本発明と比較例の熱延鋼帯から、先端、中央、後端の3箇所でサンプルを切り出し、それぞれのフェライト粒径を調査した。その結果、本発明の熱延鋼帯では圧延方向のフェライト粒径がほぼ2μmで一定であったのに対して、比較例の熱延鋼帯ではフェライト粒径が圧延方向で2〜9μmまで変化しており、先端で微細粒、後端では5μm以上のフェライト粒径の組織となっていた。つまり比較例の熱延鋼帯では先端以外は逆変態してなかったと考えられる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、合金元素を添加することなく、粒径3μm以下の極微細なフェライト組織を有する熱延鋼板が製造でき、高強度・高靭性を有する鋼板の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供される熱延鋼帯の製造設備列の一実施形態を示す説明図
【図2】図1に示す装置構成における被圧延材の長手方向中央部の断面平均温度の変化を示すグラフ
【符号の説明】
1 粗圧延機
2 中間冷却装置
3 加熱装置
4 仕上圧延機
5 急速冷却装置
6 冷却装置
7 巻取り機
【発明の属する技術分野】
本発明は、平均粒径が3μm以下の微細フェライト組織を有し、強度・靭性に優れた熱延鋼帯の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タンデム圧延中に逆変態を生じさせる圧延方法が従来から多数提案されている。
【0003】
たとえば、特開平11−152522号には、連続熱延の仕上げ圧延における加工発熱、及び、又は、鋼板の復熱による温度上昇を利用して、フェライト(α)をオーステナイト(γ)に逆変態させることを特徴とする深絞り性に優れた薄鋼板の製造方法が示されている。
【0004】
また、特公平7−9033号には、連続鋳造鋳片又はインゴットを熱片又は熱塊状態から冷却し、(a)Ar3点以下の温度域で合計圧下率30%以上の圧延を施す、(b)続いてAc3点〜〔Ac3点+100℃〕の温度域に10℃/秒以上の加熱速度で昇温し、フェライトからオーステナイトへ逆変態を生じさせる、(c)そして、該オーステナイト相温度域で合計圧下率10%以上の圧延を施す、 なる工程で順次加工熱処理し冷却することを特徴とする、超微細組織鋼板の製造方法が示されている。 さらに、連続鋳造鋳片又はインゴットを熱片又は熱塊状態のまま乃至は加熱炉に装入してから再結晶温度域で合計圧下率30%以上の圧延を行った後、これを冷却し、(a)Ar3以下の温度域で合計圧下率30%以上の圧延を施す、 (b)続いてAc3点〜〔Ac3点+100℃〕の温度域に10℃/秒以上の加熱速度で昇温し、フェライトからオーステナイトへ逆変態を生じさせる、(c)そして、該オーステナイト相温度域で合計圧下率10%以上の圧延を施す、なる工程で順次加工熱処理し冷却することを特徴とする、超微細組織鋼板の製造方法が示されている。
【0005】
また、特開平10−8142号には、重量比で C: 0.0005〜0.0150% Si:0.2%以下 Mn:0.05〜0.6% P: 0.02%以下 S: 0.02%以下 Al:0.15%以下 N: 0.02%以下を含み、さらに必要に応じて Nb:0.003〜0.020% Ti:0.003〜0.020% B: 0.0002〜0.0020% Cu:0.5%以下 Ni:0.5%以下 Cr:0.5%以下 Mo:0.2%以下の1種又は2種以上を含み、残部はFeおよび可避不純物よりなる組成の鋼スラブに、 熱間粗圧延を全圧下量80%以上、そのうち、最終パスを20%以上とする条件下で行い、 仕上熱間圧延を、被圧延材の温度が仕上圧延機列のいずれかの圧延スタンド通過の際、圧延加工に伴う発熱により逆変態させ、仕上圧延温度がAr3−50℃以上となるように終了し、 550〜750℃の温度で巻取って熱間圧延鋼帯を得、 該熱間圧延鋼帯に対してスケール除去、冷間圧延、再結晶焼鈍および30%以下の調質圧延を行うことを特徴とする加工性が良好でかつ肌荒れのない製缶用鋼板の製造方法が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術には、いずれもタンデム圧延中に逆変態を生じさせる圧延方法が示されているが、圧下率、温度範囲を規定しているものの、被圧延材の全長に亘って均一な材質の鋼板を製造する具体的な方法が示されていない。
【0007】
一般に被圧延材の仕上圧延機入側における温度は、放射、対流による材料の温度降下により、先端で高く後端に向かうほど低くなる。これを補償するためにタンデム圧延では圧延速度を後端になるほど加速する加速圧延が行われている。
【0008】
逆変態をタンデム仕上圧延機の特定のスタンドで被圧延材の先端から後端まで安定して生じさせるためには、当該スタンドにおける被圧延材の温度と加工発熱量を長手方向にほぼ一定に保つ必要がある。ところが、通常のタンデム圧延では被圧延材の温度は最終スタンドで一定であるものの、それ以外のスタンドでは圧延位置により異なり、前段スタンドほど圧延中の材料温度低下が著しい。また、加速圧延を行えば圧延加工のひずみ速度が徐々に速くなるため、材料の変形抵抗が上昇し、加工発熱量が増加することとなる。
【0009】
これらの現象をすべて考慮に入れ、特定の同一の圧延スタンドで圧延材の先端から後端まで安定して逆変態を生じるよう、圧延条件を設定することは極めて困難であり、従来技術では圧延材の全長に亘って逆変態による微細組織を有する鋼板を製造することはできなかった。
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、圧延材の全長に亘って逆変態による微細組織を有する熱延鋼帯を安定して製造することのできる熱延鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の熱延鋼帯の製造方法は以下のような特徴を有する。
【0012】
(1)連続タンデム仕上圧延機により仕上圧延して熱延鋼帯を製造するに際し、仕上圧延機入側に被圧延材を加熱するための加熱装置を設置して、被圧延材の仕上圧延機入側温度を長手方向にAr3以下の略一定温度に制御するとともに、被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定とすることにより、被圧延材の長手方向に略一定の圧延加工に伴う加工発熱を生じさせ、被圧延材の先端から後端まで同一の圧延スタンドでフェライトからオーステナイトに逆変態させることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
【0013】
(2)仕上圧延の最終圧延パス終了直後の急速冷却を、50℃/秒以上の冷却速度で行うことを特徴とする上記(1)に記載の熱延鋼帯の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施に供される熱延鋼帯の製造設備列の一実施形態を示す説明図である。
【0015】
図1に示す熱延鋼帯の製造ラインは、所定温度に加熱されたスラブを所定の粗さの粗バ−に圧延するための粗圧延機1と、粗圧延機出側直近に設置された中間冷却装置2と、粗バ−を加熱するための加熱装置3と、この加熱装置3により長手方向に温度を一定に制御された粗バ−を所定の厚さの熱延鋼帯に圧延するための仕上圧延機4と、仕上圧延機出側直近に位置し、熱延鋼帯を急速冷却するための急速冷却装置5と、巻取り温度を調整するための冷却装置6と、この熱延鋼帯を巻取るための巻取り機7とを備えている。
【0016】
前記中間冷却装置2は、粗圧延最終圧延スタンドの出側直近に設置し、粗圧延後の粒成長を防止するとともに、被圧延材の仕上圧延機入側温度を長手方向にAr3以下の略一定温度とする前の温度調整冷却を行う冷却装置である。
【0017】
粗圧延での圧下にて生成された再結晶粒オ−ステナイト粒は、通常は粗圧延と仕上圧延の間の数十秒の間に大きな粒成長挙動を示す。オーステナイトから変態して生じるフェライト組織の粒径はオーステナイト粒径が小さいほど小さくなるため、またAr3以下の温度で残留するオーステナイト粒径をできるだけ微細に保つため、粗圧延後は直ちに冷却することが望ましい。
【0018】
前記加熱装置3は、中間冷却装置2で温度調整冷却された被圧延材を加熱して、被圧延材の仕上圧延機入側温度を長手方向にAr3以下の略一定温度に制御するための加熱装置である。このような加熱装置として、誘導加熱装置を使用すれば、制御応答性がよく、仕上圧延機4の入側における粗バーの温度をその長さ方向全長に亘って一定温度に加熱することができる。
【0019】
急速冷却装置5は、圧延直後の急速冷却により粒成長を抑制するとともに、フェライトへの変態核成長速度を速め、より微細な組織を得るための冷却装置である。この仕上圧延の最終圧延パス終了直後の急速冷却を50℃/秒以上の冷却速度で行うことが好ましい。
【0020】
圧延機直後での急速冷却を可能とするため、極力圧延機出側直近に配置することが望ましく、図1の実施形態では仕上圧延機出側直近に急速冷却装置を配置している。
【0021】
また、材質調整の観点からは、巻取り機7に巻取られた後の温度も重要であり、図1の実施形態では、巻取り機7の直前に巻取り温度調整用の冷却装置6を設置している。
【0022】
以下、上記装置構成を用いた本発明法の一実施形態を説明する。また、図2には、上記装置構成における被圧延材の長手方向中央部の断面平均温度の変化を示す。
【0023】
図1に示す熱延鋼帯の製造ラインにおいて、所定温度に加熱されたスラブを粗圧延機1により所定の厚さの粗バ−に減厚して圧延する。次に圧延された粗バーを、粗圧延機出側直近に設置した中間冷却装置2により仕上圧延で目標とする温度付近への温度調整冷却を行う。温度調整冷却を行った粗バ−を、仕上圧延機入側温度が粗バー全長に亘ってAr3以下の略一定温度となるように加熱装置3で加熱する。次に加熱装置3で加熱された粗バーを仕上圧延機4により所定の厚さの熱延鋼帯に減厚して圧延する。このとき被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定とすることにより、被圧延材の長手方向に略一定の圧延加工に伴う加工発熱を生じさせ、被圧延材の先端から後端まで同一の圧延スタンドでフェライトからオーステナイトに逆変態させている。
【0024】
上記の被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定とするとは、仕上圧延機4の全圧延スタンドについての圧延速度をそれぞれ略一定とすることである。
【0025】
ここで、加工発熱での温度上昇は30〜40℃が限界で、かろうじて逆変態を生じさせられる程度である。一方、組織微細化の観点からは、逆変態前の温度をできるだけ低くし、フェライト相の比率を多くしておいた後に逆変態させることが望ましい、つまり、粗圧延後の中間冷却ではより低温にする方が微細化鋼の製造に有利となる。ところが、中間冷却での温度を低くすると逆変態温度までの昇温量が大きくなり、加工発熱だけでは不足する。そこで図1に示すように加熱装置によりある程度の加熱を行い、仕上圧延機のいずれかの圧延スタンド通過の際に、加工発熱で逆変態が生じる温度に仕上圧延機入側温度を制御すればよい。
【0026】
具体的には、例えば、第5スタンドで逆変態を生じさせる場合、仕上圧延機入側から第5スタンド圧延終了までに被圧延材が受ける冷却などによる温度降下ΔTc、加工発熱および摩擦発熱による温度上昇ΔThは計算による予測が可能で、被圧延材の逆変態温度をAc3、加熱装置の入側温度をTとすると、加熱装置での目標昇温温度ΔTは下記の(1)式で表される。
【0027】
ΔT=Ac3−(ΔTh−ΔTc)−T …(1)
さらに、上記の仕上圧延においては、逆変態を生じさせるスタンドにおける被圧延材の温度と加工発熱量を長手方向にほぼ一定に保つ必要があるため、加速圧延は行なわないで被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定として圧延する。
【0028】
その後、熱延鋼帯を急速冷却するための急速冷却装置5により仕上圧延の最終圧延パス終了直後に50℃/秒以上の冷却速度で急速冷却し、巻取り温度を調整するための冷却装置6で温度調整後、巻取り機7で鋼帯を巻取る。
【0029】
図2に示す被圧延材の長手方向中央部の断面平均温度の変化において、粗バーが中間冷却装置を出て、加熱装置に入る間に若干温度が下がる区間を「搬送」と表示する。この他の「粗圧延機」、「冷却装置」、「急速加熱」、「仕上圧延機」、「急速冷却」の表示は、それぞれ図1に示す熱延鋼帯の製造ラインにおいて粗圧延機1、中間冷却装置2、加熱装置3、仕上圧延機4、急速冷却装置5でのプロセスに対応している。
【0030】
【実施例】
図1に示す熱延鋼帯の製造ラインを用いて、板厚250mmの低炭素鋼スラブを加熱炉にて約1100℃に加熱後、該スラブを粗圧延機での5パスの圧延にて50mmまで減厚し、粗バーとした。この粗バーを中間冷却装置により830℃程度まで冷却して、Ar3(860℃)以下の温度とした後、仕上圧延機の入側温度が時間の経過とともに低下する温度降下を誘導加熱装置により補償し、仕上圧延機入側の被圧延材温度を全長に亘ってほぼ一定の850℃に制御して、被圧延材の先端から後端にかけて全圧延スタンドでの圧延速度をそれぞれ一定速度にて7パスの仕上圧延を行った。このときの圧延条件は、仕上板厚4mm、仕上圧延速度1000mpmとした。
【0031】
また、この鋼種の逆変態温度が875℃であったため、逆変態の生じるスタンドを5スタンド目とし、このスタンドでの圧延後の温度が880℃となるよう、3スタンド目から5スタンド目にかけての被圧延材の圧下率を調整した。仕上圧延速度を一定にして圧延を行ったところ、各スタンドの温度は以下に示す値で被圧延材の全長に亘りほぼ一定であった。
【0032】
これに対し、従来の方法による仕上圧延4mmの熱延鋼帯の仕上圧延として、仕上圧延機入側での加熱を行わず、被圧延材先端から後端へ圧延が進行するにつれて最終スタンドの圧延速度を900mpmから1100mpmまで加速する条件での圧延を行った。被圧延材の先端では5スタンド目の圧延温度が880℃となっていたが、後端になるにしたがって温度低下が生じ、被圧延材全長のほぼ半分まで圧延したときに圧延温度が875℃まで低下した。さらに後端付近では5スタンド目における被圧延材の温度は870℃まで低下した。
【0033】
以上の条件で製造した本発明と比較例の熱延鋼帯から、先端、中央、後端の3箇所でサンプルを切り出し、それぞれのフェライト粒径を調査した。その結果、本発明の熱延鋼帯では圧延方向のフェライト粒径がほぼ2μmで一定であったのに対して、比較例の熱延鋼帯ではフェライト粒径が圧延方向で2〜9μmまで変化しており、先端で微細粒、後端では5μm以上のフェライト粒径の組織となっていた。つまり比較例の熱延鋼帯では先端以外は逆変態してなかったと考えられる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、合金元素を添加することなく、粒径3μm以下の極微細なフェライト組織を有する熱延鋼板が製造でき、高強度・高靭性を有する鋼板の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供される熱延鋼帯の製造設備列の一実施形態を示す説明図
【図2】図1に示す装置構成における被圧延材の長手方向中央部の断面平均温度の変化を示すグラフ
【符号の説明】
1 粗圧延機
2 中間冷却装置
3 加熱装置
4 仕上圧延機
5 急速冷却装置
6 冷却装置
7 巻取り機
Claims (2)
- 連続タンデム仕上圧延機により仕上圧延して熱延鋼帯を製造するに際し、仕上圧延機入側に被圧延材を加熱するための加熱装置を設置して、被圧延材の仕上圧延機入側温度を長手方向にAr3以下の略一定温度に制御するとともに、被圧延材先端から後端までの圧延速度を一定とすることにより、被圧延材の長手方向に略一定の圧延加工に伴う加工発熱を生じさせ、被圧延材の先端から後端まで同一の圧延スタンドでフェライトからオーステナイトに逆変態させることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
- 仕上圧延の最終圧延パス終了直後の急速冷却を、50℃/秒以上の冷却速度で行うことを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼帯の製造方法。
Priority Applications (1)
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| JP2002167297A JP2004009108A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 熱延鋼帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2002167297A JP2004009108A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 熱延鋼帯の製造方法 |
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| JP2004009108A true JP2004009108A (ja) | 2004-01-15 |
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Family Applications (1)
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| JP2002167297A Pending JP2004009108A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 熱延鋼帯の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP2004009108A (ja) |
-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002167297A patent/JP2004009108A/ja active Pending
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