JP2004003108A - 硬化体の製造方法及び硬化体の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製紙スラッジから効率的に硬化体を量産できる硬化体の製造方法及び硬化体の製造装置を提供する。
【解決手段】硬化体の製造装置は、製紙スラッジを調整しスラリー14を生成する原料調整機構10と、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cにてスラリー14から抄造された抄造体を転写し、搬送する搬送ベルト23を備える抄造機構20と、反転装置40と、抄造体を加圧して脱水を行うプレス機50と、乾燥機60とからなる。フェルトから成る搬送ベルト23の裏面に吸引ボックス24を設けて、真空ポンプ17で吸引して脱水を行う。このため、効率的に抄造体中の水分を減らすことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】硬化体の製造装置は、製紙スラッジを調整しスラリー14を生成する原料調整機構10と、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cにてスラリー14から抄造された抄造体を転写し、搬送する搬送ベルト23を備える抄造機構20と、反転装置40と、抄造体を加圧して脱水を行うプレス機50と、乾燥機60とからなる。フェルトから成る搬送ベルト23の裏面に吸引ボックス24を設けて、真空ポンプ17で吸引して脱水を行う。このため、効率的に抄造体中の水分を減らすことができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、製紙スラッジを板状に固めてなる明度の高い硬化体を量産できる硬化体、硬化体の製造方法及び硬化体の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の観点から、種々の産業廃棄物の有効利用が検討されている。例えば、これまで森林資源を大量に消費してきた建築産業においては、建築資材を新たに産業廃棄物に求めることにより、森林資源の消費量を抑えることが提案されている。一方、従来使用していた無機ボード、例えば、珪酸カルシウム板、パーライト板、スラグ石膏板、木片セメント板および石膏ボード等について、その低コスト化並びに高機能化を実現が求められている。
【0003】
本発明者らは、紙の製造後に発生する製紙スラッジを脱水プレスした後、乾燥することで硬化させ、建築用パネル等として有効に利用し得る硬化体の製造技術を特願平10−352586号として提案している。
【特許文献1】特開平10−352586号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記特許において、製紙スラッジを硬化させることで硬化体が得られることを示したが、採算に合うよう硬化体を製造し得るものではなかった。実際に硬化体を量産するためには、先ず、得られた水分を大量に含む抄造体から徐々に水分を減らして行くための技術の確立が必要となった。
【0005】
また、製紙スラッジは、インクやパルプ不純物の影響で着色しており、脱水プレス法では、硬化体の中に不純物がそのまま残留し、硬化体の明度が低下してしまい、着色したり装飾できないという問題がみられた。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産できる硬化体の製造方法及び硬化体の製造装置を提供することにある。
【0007】
また、他の目的は、明度の高い硬化体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明の硬化体は、製紙スラッジを抄造し、硬化させてなり、Si、Al、Caのそれぞれの酸化物からなる無機非晶質体中に多糖類からなる有機質繊維状物および炭酸カルシウムを含有してなる硬化体であって、前記硬化体中のCa、Al、Siの量が、それぞれCaO、Al2O3、SiO2に換算してCaO/SiO2の比率0.2から7.9、CaO/Al2O3の比率が0.2から12.5に調整された硬化体である。この硬化体の明度はJIS Z 8721の規定に基づく値でN5以上である。
【0009】
請求項1の硬化体の製造方法は、製紙スラッジを含む原料溶液を網状体からなる回転ドラムを用いて抄造し、該回転ドラム面に製紙スラッジの抄造体を付着させると共に、この抄造体を連続気孔を有する多孔質体の搬送ベルトへ転写し、該搬送ベルトで搬送しながら抄造体から脱水した後、所定の大きさに切断し、抄造体を硬化させて製紙スラッジの硬化体を得る。搬送ベルトで搬送しながら抄造体から脱水するため、効率的に抄造体中の水分を減らすことができ、硬化体を量産することが可能となる。
【0010】
網状体の回転ドラムを利用し抄造して硬化体を製造しており、網目から不純物が脱落するため、不純物を低減させることができ、明度を高くすることが可能である。また、炭酸カルシウムを含有してなる硬化体であって、前記硬化体中のCa、Al、Siの量が、それぞれCaO、Al2O3、SiO2に換算してCaO/SiO2の比率0.2から7.9、CaO/Al2O3の比率が0.2から12.5に調整されてなるため、Ca成分が多くなり、明度が向上する。また、強度、釘打ち性能も高いからである。このため、硬化体の明度としては、JIS Z
8721の規定に基づく値でN5以上にできる。
【0011】
なお、JIS Z 8721は、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明度と白の明度との間でその明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割し、N0からN10の記号で表示したものである。実際の明度の測定は、N0からN10に対応する色票と対比する。この場合の少数点1位は0または5とする。硬化体の明度としては、JIS Z 8721の規定に基づく値でN5以上にできるため、着色や装飾を施すことが可能になる。
【0012】
前記炭酸カルシウムの結晶習癖は、紡錘状、角状、薄卓状、立方体または柱状から選ばれる少なくとも1種以上の形態であることが望ましい。白色度が高く、角を持つため繊維にからまり抜け落ちにくく抄造でも硬化体に取り込めるからである。
【0013】
前記製紙スラッジセメントを添加する場合は、その含有量は30重量%以下であることが望ましい。製紙スラッジセメントの含有量が増えると、明度が低下するからである。また、セメントの添加で強度も低下することが認められるからである。
【0014】
なお、特開昭55−12853号には製紙スラッジをワイヤープレスして、脱水し、ホットプレスする技術が開示されている。しかしながら、この当時のスラッジは、1979年発行の「静岡県製紙工業試験場報告」によれば、CaO換算で2.6重量%程度しかなく、強度が十分ではない。また、抄造ではないため、多量の不純物を含み、結局明度が低い。
【0015】
また、特公昭57−19019号には、製紙スラッジと、モンモリロナイトとの混合物をプレス成形したものであるが、当時の製紙スラッジとしてCa成分が少なく、また、Ca系結晶ではなく、圧縮強度などが劣る。特開昭50−101604号には、製紙スラッジと疎水性繊維とを混合し、結合剤を加えたボードを開示している。しかしながら、当時の製紙スラッジとしては、Ca成分が少なく、また、強度も曲げ強度で2.5kg/cm2であり、複合化して強度の高いものでも、15kg/cm2程度しかなく、本発明の方がはるかに優れている。特開昭52−90585号では、製紙スラッジの表面をパラフィン処理したものが開示されているが、当時の製紙スラッジとしては、Ca成分が少なく、強度に劣ると考えられる。また、いずれにせよ、抄造法ではないため、多量の不純物を含み、結局明度が低い。
【0016】
また、網状体の回転ドラムを利用し抄造して硬化体を製造しており、網目から不純物が脱落するため、不純物を低減させることができ、明度を高くすることが可能である。
なお、特開昭49−114628号では、3%の希釈された製紙スラッジとセメントの混合物を回転ドラムで抄造し、このドラム面から帯状毛布上に転写されて、脱水プレスされ、さらに巻き取りロールで層厚を増大させたあと、切断されてコンベア搬送される技術が開示される。
しかし、この技術ではCaOの比率が小さく、明度が低下する。また、セメントが55%以上含まれており、やはり明度の低下要因となる。
また、特開昭59−156956号では、丸金網を使用した抄造法を開示するが、1枚づつマットを抄造し、多層化するものであり、効率が悪い。
【0017】
請求項2の硬化体の製造方法は、製紙スラッジを含む原料溶液の濃度が、固形分0.5〜25重量%であるため、製紙スラッジからの抄造性を向上させ、効率的に硬化体を量産することができる。即ち、濃度が0.5%未満では、効率的に原料溶液から網状体からなる回転ドラムを用いて抄造することができず、25%を越えると、製品の均一性が低下するからである。
【0018】
請求項3の硬化体の製造方法では、搬送ベルト上の抄造体を切断用回転ドラムに転写させながら多層化し、多層化させた抄造体が所定厚さに達した段階で切断する。このため、均一な厚みの抄造体を連続的に成形することができる。
【0019】
請求項4の硬化体の製造方法では、切断した抄造体をさらに多層化した後、加圧プレスする。このため、必要とする厚みの硬化体を容易に製造することができる。
【0020】
請求項5の硬化体の製造方法では、加圧プレスを10〜250Kg/cm2で行う。加圧プレスを10Kg/cm2未満で行うと、必要とされる強度を得ることができない。一方、250Kg/cm2を越えて加圧プレスしても強度を高めることができず、プレス装置が大型化・高価格化するからである。また、搬送ベルトでも搬送しながら、脱水する際に不純物やインクなども除去できるため、明度を上げるためには最適である。
【0021】
請求項6の硬化体の製造装置は、製紙スラッジを含む原料溶液を抄造し、表面に製紙スラッジの抄造体を付着させる網状体からなる回転ドラムと、回転ドラムの表面に付着した抄造体を転写して、搬送しながら脱水する多孔質体の搬送ベルトと、搬送ベルトを搬送された抄造体を所定の大きさに切断する切断装置と、切断された抄造体を硬化させて製紙スラッジの硬化体を得る硬化装置とを備える。搬送ベルトで搬送しながら抄造体から脱水するため、効率的に抄造体中の水分を減らすことができ、硬化体を量産することが可能となる。また、網状体からなる回転ドラムを用いるため、原料溶液から抄造体を連続して抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。また、網状体の回転ドラムを利用し抄造して硬化体を製造しており、網目から不純物が脱落するため、不純物を低減させることができ、明度を高くすることが可能である。
【0022】
請求項7の硬化体の製造装置は、回転ドラムの回転速度が1〜100回/分であるため、原料溶液から抄造体を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。ここで、回転ドラムが1回転/分よりも低いと、抄造効率が低い。一方、回転数が100回転/分を越えると、均一な厚みで抄造体が出来にくくなる。
【0023】
請求項8の硬化体の製造装置は、回転ドラムを搬送ベルトに沿って複数個併設し、当該搬送ベルトに多層化させながら抄造体を転写する。このため、原料溶液から抄造体を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。
【0024】
請求項9の硬化体の製造装置は、回転ドラムが♯40〜150の網目構造を有する。このため、原料溶液から抄造体を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に密度の高い硬化体を量産することが可能となる。ここで、♯40よりも網目が荒いと、原料溶液から無機非結晶体のみが抜けて硬化体の密度及び強度が低下する。一方、♯150よりも網目が細かいと、水分の抜けが悪くなり、原料溶液から抄造体を高効率で抄造できなくなる。
【0025】
請求項10の硬化体の製造装置は、搬送ベルトの搬送速度が5〜80m/分であるため、原料溶液から適度な厚さの抄造体を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。ここで、搬送速度が5m/分よりも低いと、抄造体を厚く抄造できる反面、抄造効率が低い。一方、搬送速度が80m/分を越えると、抄造体が薄くなり、均一な厚みにし難くなると共に、抄造体が切れることがある。
【0026】
請求項11の硬化体の製造装置は、切断装置が抄造体を転写させながら多層化する切断用回転ドラムから成る。そして、切断用回転ドラム表面の多層化させた抄造体が所定厚さに達した段階で、押出機構を作動させ、溝に対応する位置で抄造体を切断する。このため、均一の厚みの抄造体を効率的に生成することができる。
【0027】
請求項12の硬化体の製造装置は、切断装置が、切断用回転ドラムにて一端の切断された抄造体を一定間隔で切断する刃を備える。このため、効率的に所定長の抄造体を形成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
ここでは先ず、後述するこの発明の複合硬化体の製造方法で製造する複合硬化体の構造について、図1の模式図に基づき説明する。この複合硬化体1は、2種以上の酸化物の系からなる無機非晶質体2を含み、該無機非晶質体2中に有機質繊維状物3が混在してなることを基本とする。ここでいう2種以上の酸化物の系からなる無機非晶質体とは、酸化物(1)−酸化物(2)・・・−酸化物(n)系(但しnは自然数であり、酸化物(1)、酸化物(2)、・・・酸化物(n)は、それぞれ異なる酸化物)の非晶質体である。
【0029】
このような非晶質体は、正確な定義づけが困難であるが、2種以上の酸化物を固溶あるいは水和反応等させることにより生成する、非晶質の化合物であると考えられる。このような無機非晶質の化合物は、蛍光X線分析により、酸化物を構成する元素(Al、Si、Ca、Na、Mg、P、S、K、Ti、Mn、Fe、Znから選ばれる少なくとも2種以上)が確認され、X線回折による分析のチャートでは2θ:10°〜40°の範囲でハローが見られる。このハローは、X線の強度の緩やかな起伏であり、X線チャートでブロードな盛り上がりとして観察される。なお、ハローは半値幅が2θ:2°以上である。
【0030】
上記複合硬化体1は、まず無機非晶質体2が強度発現物質となり、しかも有機質繊維状物3が無機非晶質体2中に分散して破壊靱性値を改善するため、曲げ強度値や耐衝撃性を向上させることができる。また、強度に異方性がなく、均質な硬化体が得られる。さらに、非晶質体であるため、低密度で充分な強度が得られるという利点もある。
【0031】
なお、上記非晶質体が強度発現物質となる理由は定かではないが、結晶質の構造に比べてクラックの進展が阻害されるためではないかと推定される。また、結晶質中に比べて非晶質中の方が繊維状物が均一に分散しやすいことから、破壊靱性値も向上すると考えられる。その結果、釘を打ち込んだり貫通孔を設けても、クラックが生じないために、建築材料などの加工を必要とする材料に最適なものとなる。
【0032】
ここで、酸化物としては、金属および/または非金属の酸化物を使用でき、Al2 O3 、SiO2 、CaO、Na2 O、MgO、P2 O5 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe2 O3 およびZnOから選ばれることが望ましい。とりわけ、Al2 O3 −SiO2 −CaO系またはAl2 O3 −SiO2 −CaO−酸化物系からなる非晶質体、もしくはこれら非晶質体の複合体が最適である。なお、後者の非晶質体における酸化物は、Al2 O3 、SiO2 およびCaOを除く金属および/または非金属の酸化物の1種以上である。
【0033】
まず、Al2 O3 −SiO2 −CaO系からなる非晶質体は、Al2 O3 、SiO2 およびCaOの各成分の全部または一部が互いに固溶あるいは水和反応などにより生成する非晶質構造を有する化合物である。すなわち、Al2 O3 とSiO2 、SiO2 とCaO、Al2 O3 とCaO、そしてAl2 O3 、SiO2 およびCaOの組合せで固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物のいずれかを含むと考えられる。
【0034】
このような無機非晶質の化合物は、蛍光X線分析により、Al、Si、Caが確認され、X線回折による分析のチャートでは2θ:10°〜40°の範囲で上記ハローが見られる。
【0035】
また、Al2 O3 、SiO2 およびCaO以外に少なくとも1種の酸化物を加えた系、つまりAl2 O3 −SiO2 −CaO−酸化物系からなる非晶質体は、上記Al2 O3 −SiO2 −CaO系での組み合わせ以外に、Al2 O3 と酸化物、SiO2 と酸化物、CaOと酸化物、Al2 O3 とSiO2 と酸化物、SiO2 とCaOと酸化物、Al2 O3 とCaOと酸化物、そしてAl2 O3 とSiO2 とCaOと酸化物の組合せで固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物のいずれかを含むと考えられる。
【0036】
なお、前記酸化物が2以上、つまり、Al2 O3 −SiO2 −CaO−酸化物(n)系(nは2以上の自然数)の非晶質体であれば、これらの酸化物、例えば酸化物(1)、酸化物(2)・・・酸化物(n)(nは2以上の自然数で、酸化物(n)は、nの値が異なればそれぞれ異なる酸化物を意味し、かつAl2 O3 、SiO2 、CaOを除いたものである)のそれぞれから選ばれる少なくとも2種の組合せで固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物、Al2 O3 、SiO2 、CaOから選ばれる少なくとも2種の組合せで固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物、さらに酸化物(1)、酸化物(2)・・・酸化物(n)(nは2以上の自然数)のそれぞれから選ばれる少なくとも1種と、Al2 O3 、SiO2 、CaOから選ばれる少なくとも1種との組合せで固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物のいずれかを含むと考えられる。
【0037】
このような無機非晶質の化合物は、蛍光X線分析により、Al、Si、Caに加えて、酸化物を構成する元素(Na、Mg、P、S、K、Ti、Mn、Fe、Znから選ばれる少なくとも2種以上)が確認され、X線回折による分析のチャートでは2θ:10°〜40°の範囲で上記ハローが見られる。
【0038】
ここで、Al2 O3 、SiO2 およびCaOと組み合わせる酸化物は、1種または2種以上であり、Al2 O3 、SiO2 、CaOを除く金属および/または非金属の酸化物を使用でき、例えばNa2 O、MgO、P2 O5 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe2 O3 およびZnOから選ぶことができる。この選択は、複合硬化体に期待する特性を基準に行うことができる。
【0039】
例えば、Na2 OまたはK2 Oは、アルカリなどで除去できるため、めっき処理に先立って除去処理を行えば、複合硬化体表面の被めっき面が粗くなってめっきのアンカーとして作用させることができる。
MgOは、Al2 O3 、SiO2 、CaOと固溶して強度発現に寄与し、曲げ強度や耐衝撃性を大きく改善する。
P2 O5 は、骨との癒着を助けるため生体材料(人工歯根、人工骨)に使用する場合は特に有利である。
SO3 は、殺菌作用があり抗菌建築材料に適している。
TiO2 は、白系着色材であるとともに、光酸化触媒として作用することから、付着した有機汚染物質を強制的に酸化でき、光を照射しただけで洗浄できるという自浄力のある建築材料、あるいは各種フィルター、反応触媒として使用できるという特異な効果を有する。
MnOは暗色系の着色材、Fe2 O3 は明色系の着色材、ZnOは白系の着色材として有用である。
なお、これらの酸化物は非晶質体中にそれぞれ単独で存在していてもよい。
【0040】
上記非晶質体の組成物は、それぞれAl2 O3 、SiO2 およびCaOに換算して、Al2 O3 :複合硬化体の全重量に対して3〜51重量%、SiO2 :複合硬化体の全重量に対して6〜53重量%およびCaO:複合硬化体の全重量に対して6〜63重量%、望ましくは8〜63重量%で、かつそれら合計が100重量%をこえない範囲において、含有することが好ましい。
【0041】
なぜなら、Al2 O3 の含有量が3重量%未満あるいは51重量%をこえると、複合硬化体の強度が低下し、また、SiO2 の含有量が6重量%未満あるいは53重量%をこえても、複合硬化体の強度が低下する。また、CaOの含有量が8重量%未満あるいは63重量%をこえてもやはり複合硬化体の強度が低下するのである。
【0042】
さらに、酸化物に換算してCaO/SiO2 の比率を0.2〜7.9、CaO/Al2 O3 の比率を0.2〜12.5に調整することが、強度の大きい硬化体を得るのに有利である。
【0043】
前記CaO/SiO2の比率は、0.2を超え7.9以下、CaO/Al2O3の比率が0.2を超え12.5以下が最適である。なお、これら、Ca、Al、Siの量(CaO、Al2O3、SiO2 換算量)は、複合硬化体中のCa、Al,Siの全量であり、たとえばCaであれば、炭酸カルシウムおよび無機非晶質体中のすべてのCaの量をいう。
【0044】
また、Al2 O3 、SiO2 およびCaO以外の酸化物として、Na2 O、MgO、P2 O5 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe2 O3 およびZnOのうち1種または2種以上を含有する場合、各成分の好適含有量は次のとおりである。なお、これら酸化物の合計量は、100重量%を越えないことはいうまでもない。
これら酸化物の含有量を上記範囲に限定した理由は、上記範囲を逸脱すると複合硬化体の強度が低下するからである。
【0045】
なお、非晶質構造か否かは、X線回折により確認できる。すなわち、X線回折により2θ:10°〜40°の領域でハローが観察されれば、非晶質構造を有していることを確認できる。なお、この発明では、完全に非晶質構造となっているもの以外に、非晶質構造中にHydrogen Aluminium Silicate 、Kaolinite 、Zeolite 、Gehlenite,syn 、Anorthite 、Melitite、Gehlenite−synthetic 、tobermorite 、xonotlite 、ettringiteや、SiO2 、Al 2 O3 、CaO、Na2 O、MgO、P2 O5 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe2 O3 およびZnOなどの酸化物、そしてCaCO3 (Calcite )などの結晶体が混在していてもよい。
【0046】
これら結晶体は、それ自体が強度発現物質になるとは考えられないが、例えば、硬度および密度を高くして圧縮強度を改善したり、クラックの進展を抑制するなどの効果があると考えられる。なお、結晶体の含有量は、複合硬化体の全重量に対して0.1〜50重量%であることが望ましい。なぜなら、結晶体が0.1重量%未満では、硬度および密度を高くして圧縮強度を改善したり、クラックの進展を抑制するなどの効果が十分得られず、逆に50重量%を超えると、曲げ強度低下を招くからである。
【0047】
ちなみに、上記Al2 O3 −SiO2 系の結晶性化合物がHydrogen Aluminium Silicate 、Kaolinite 、Zeolite 、Al2 O3 −CaO系の結晶性化合物がCalcium Aluminate 、CaO−SiO2 系の結晶性化合物がCalcium Silicate、Al2 O3 −SiO2 −CaO系の結晶性化合物がGehlenite,syn 、Anorthite であり、またAl2 O3 −SiO2 −CaO−MgO系の結晶性化合物がMelitite、Gehlenite−synthetic である。
さらに、上記結晶体としてはCaを含むものが望ましく、Gehlenite,syn (Ca2 Al2 O7 )、Melitite−synthetic(Ca2 (Mg0.5 Al0.5 )(Si1.5 Al0.5 O7 ))、Gehlenite−synthetic (Ca2 (Mg0.25Al0.75)(Si1.25Al0.75O7 ))、Anorthite,ordered(Ca2 Al2 Si2 O8 )、炭酸カルシウム(Calcite )を含有していても良い。
【0048】
またこの発明の製造方法で製造する複合硬化体では、少なくとも2種以上の酸化物の系からなる非晶質体中に、ハロゲンを添加してもよい。このハロゲンは、固溶体、水和物の生成反応の触媒となり、また燃焼抑制物質として作用する。その含有量は、0.1〜1.2重量%が望ましい。なぜなら、0.1重量%未満では強度が低く、1.2重量%を越えると燃焼により有害物質を発生するからである。ハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素が望ましい。
【0049】
同様に、炭酸カルシウム(Calcite )を添加していてもよい。炭酸カルシウムそれ自体は強度発現物質ではないが、炭酸カルシウムの周囲を非晶質体が取り囲むことにより、クラックの進展を阻止するなどの作用により強度向上に寄与すると考えられる。この炭酸カルシウムの含有量は、複合硬化体の全重量に対して48重量%以下が望ましい。この理由は、48重量%を越えると曲げ強度が低下するからである。また、0.1重量%以上が望ましい。0.1重量%未満では、強度向上に寄与しないからである。
【0050】
さらに、結合剤を添加することも、強度のさらなる向上や、耐水性、耐薬品性および耐火性の向上に、有利である。この結合剤としては、熱硬化性樹脂および無機結合剤のいずれか一方または両方からなることが望ましい。熱硬化性樹脂としては,フェノール樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂,ユリア樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂が望ましい。無機結合剤としては,珪酸ソーダ,シリカゲル及びアルミナゾルの群から選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。
【0051】
次に、この発明の複合硬化体の製造方法において無機非晶質体中に混在させる有機繊維状物は、多糖類からなる有機質繊維状物を使用する。なぜなら、多糖類にはOH基が存在し、水素結合によりAl2 O3 、SiO2 またはCaOの各種化合物と結合しやすいからである。
【0052】
この多糖類は、アミノ糖、ウロン酸、デンプン、グリコーゲン、イヌリン、リケニン、セルロース、キチン、キトサン、ヘミセルロースおよびペクチンから選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることが望ましい。これら多糖類からなる有機質繊維状物としては、一般に、パルプや、パルプかす、新聞や雑誌などの故紙の粉砕物が有利に適合する。
【0053】
なお、上記繊維状物の含有率は、2〜75重量%であることが望ましい。この理由は、2重量%未満では複合硬化体の強度が低下し、一方75重量%を越えると防火性能、耐水性、寸法安定性などが低下するおそれがあるからである。
さらに、繊維状物の平均長さは、10〜1000μmが望ましい。平均長さが短すぎると絡み合いが生じず、また長すぎると空隙が生じて複合硬化体の強度が低下しやすいからである。
【0054】
以上の複合硬化体1は、紙スラッジ(スカム)を乾燥させて凝集硬化させたものが最適である。すなわち、製紙スラッジは、無機物を含むパルプかすであり、有機質繊維状物を含んでおり、産業廃棄物を原料として使用するため低コストであり、環境問題の解決に寄与するからである。しかも、この製紙スラッジは、それ自体がバインダーとしての機能を有しており、それ自体のみで、又は、他の産業廃棄物と混練することにより、所望の形状に成形できる利点を有する。
【0055】
また、製紙スラッジ中には、パルプの他に、Al2 O3 、SiO2 、CaO、Na2 O、MgO、P2 O5 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe2 O3 およびZnOの結晶もしくはこれら酸化物の前駆体であるゾル状物、またはそれらの複合物、ハロゲンおよび炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種、そして水を含むのが、一般的である。
【0056】
ここで、図2に示すように、複合硬化体1中に、無機粒子4を混在させることが、防火性を向上させたり、非晶質体と反応して強度発現物質を形成して強度を向上するのに有利であり、この無機粒子量を調整することにより、複合硬化体の比重を調整することもできる。
【0057】
上記無機粒子4としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、シラス、シラスバルーン、パーライト、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、産業廃棄物粉末から選ばれる少なくとも1種以上を使用できる。特に、産業廃棄物粉末としては、製紙スラッジの焼成粉末、ガラスの研磨屑、および珪砂の粉砕屑から選ばれる少なくと1種以上の産業廃棄物粉末を用いることが望ましい。なぜなら、これら産業廃棄物粉末を使用することにより、低コスト化を実現でき、さらに環境問題の解決に寄与できるからである。
【0058】
なお、製紙スラッジを焼成した無機粒子は、製紙スラッジを300〜1500℃で加熱処理することによって得られる。かくして得られる無機粒子は、非晶質であり、強度および靱性に優れ、かつ密度も小さいため、複合硬化体に分散させることにより軽量化を実現できる。また、製紙スラッジを300℃以上800℃未満で焼成した場合および、300〜1500℃で加熱処理後、急冷することによって得られる無機粒子は、確実に非晶質体を含むため有利である。
無機粒子4は、比表面積が、0.8〜100m2 /gであることが望ましい。0.8m2 /g未満では、非晶質体と無機粒子の接触面積が小さくなり強度が低下してしまい、逆に100m2 /gを越えるとクラック進展や硬度の向上といった効果が低下して結果的に強度が低下する。
【0059】
さらに、無機粒子4中には、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、五酸化リンから選ばれる少なくとも1種以上の無機物が含まれるていることが望ましい。これらは化学的に安定で耐候性に優れ、建築材料などの産業材料として望ましい特性をそなえているからである。
【0060】
この無機粒子4は、その平均粒子径が小さすぎても大きすぎても充分な強度が得られないため、1〜100μmの範囲にあることが望ましい。無機粒子の含有量は、10〜90重量%であることが望ましい。すなわち、無機粒子が多すぎると強度が低下し、逆に無機粒子の量が多すぎるともろくなり、いずれにしても強度が低下するからである。
【0061】
この発明の方法で製造した複合硬化体1は、各種産業において利用され、ケイ酸カルシウム板、パーライトボード、合板、石膏ボードなどに代わる新たな建築材料を始めとして、義肢、人工骨、人工歯根用の医療材料、プリント配線板のコア基板、層間樹脂絶縁層などの電子材料に使用することができる。
【0062】
次に、この発明に係る硬化体の製造方法及び硬化体の製造装置の実施例について図3〜図9を参照して説明する。
この発明の製造方法では、複合硬化体の原料に製紙スラッジを他の産業廃棄物と昆練することなく使用する。この発明の製造方法で使用する製紙スラッジとしては、印刷・情報用紙、クラフト紙、チタン紙、ティッシュペーパー、ちり紙、トイレットペーパー、生理用品、タオル用紙、工業用雑種紙または家庭用雑種紙等を製造する際のパルプ製造工程、古紙等の原料処理工程、抄造工程などで排出される製紙スラッジが望ましい。製紙スラッジは、丸東窯材社が取扱っている。
【0063】
図3は、硬化体の製造装置の全体の構成を示している。硬化体の製造装置は、製紙スラッジを調整しスラリー14を生成する原料調整機構10と、スラリー14から抄造体26を抄造する抄造機構20と、抄造体26を反転するための反転装置40と、抄造体26を積層してから加圧し脱水を行うプレス機50と、プレスされた抄造体を乾燥して硬化体1を形成する乾燥機60とからなる。
【0064】
先ず、原料の調整を行う原料調整機構10について、図4(A)を参照して説明する。上記原料11と、水12とを、後述する吸引脱水により濃度を固形分0.5〜25重量%となるように計量して混合器13内に入れ、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドのいずれかから成る凝集剤(フロック剤:添加量0.01〜5%)及びビニロン繊維等の有機繊維(バインダ:添加量0.1〜10重量%)を添加し、混合器13にて混合してスラリー14を調整する。有機繊維(バインダ)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロンなどの合成繊維、パイプ、古紙から回収されるパルプ、その他、繊維状の産業廃棄物などを用いることができる。原料は製紙スラッジに、更に各種無機粉末や樹脂を添加することができる。
【0065】
このスラリー14を、底部にフィルター16が設けられた脱水容器15を使用して吸引脱水する。吸引脱水することにより、濃度が固形分0.5〜25重量%となるようにする。吸引脱水では、製紙スラッジの繊維が配向しないため、得られる複合硬化体に反りやクラックが発生しにくい。
【0066】
この脱水容器15の底部は真空ポンプ17と連結しており、真空ポンプ17の稼働により水分を吸引する。フィルター16は特に限定されないが、焼結金属、多孔金属板(直径1〜5mmの穴があいた金属板)、多孔質セラミックフィルター、多孔質の樹脂、ガラス繊維板などを使用できる。脱水容器15にて水分調整された原料14を、チェストタンク18内に一時貯留する。該チェストタンク18には、攪拌用のプロペラが備えられており、原料中の固形分が沈降しないようになっている。
【0067】
なお、本実施例では、脱水容器15により水分を調整しているが、図4(B)に示すように、脱水容器15を用いることなく、混合器13への水の添加量のみで含水率を調整することも可能である。
【0068】
引き続き、上記水分調整を行った製紙スラッジを含むスラリー14から抄造機構20にて抄造体26を生成する。スラリー(原料溶液)中には、セメントなどの無機バインダーや樹脂などの有機バインダーを添加してもよい。この抄造機構20について、図5を参照して説明する。抄造機構20は、スラリー14を貯留する3連のバット21A、21B、21Cと、バット内に配設され、スラリー14を抄造するワイヤーシリンダ22A、22B、22Cと、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cにて抄造された抄造体26を転写し、搬送する搬送ベルト23と、搬送ベルト23にて搬送された抄造体26を所定の厚みまで巻回し切断する切断用回転ドラム30と、抄造体26を切断するためのカッタ36と、抄造体26を搬送するベルトコンベア38とを備える。
【0069】
ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cは、直径70cmで、幅1mmに形成されている。本実施例では、ろ水(抄造)を行うろ水体が網状体より構成される回転ドラム(ワイヤーシリンダ)から成るため、原料溶液14から抄造体26を連続して抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cを透過した水は、パイプ17a及び真空ポンプ17を介して図4(A)に示す混合器13へ戻される。
【0070】
また、本実施例では、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cを搬送ベルト23に沿って3台併設し、当該搬送ベルト23に多層化させながら抄造体26を転写する。このため、原料溶液14から抄造体26を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。なお、本実施例では、ワイヤーシリンダの回転数が60回転/分に設定されている。この回転数は、1〜100回/分が望ましい。原料溶液14から抄造体26を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となるからである。ここで、回転ドラムが1回転/分よりも低いと、抄造効率が低い。一方、回転数が100回転/分を越えると、均一な厚みで抄造体が出来にくくなる。本実施例では、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cを3台併設したが、1台以上何台でも用いることができる。
【0071】
なお、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cの網目は♯60(1インチ当たりの網目数60)に形成されている。ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cの網目は♯40〜150が望ましい。原料溶液(スラリー)14から抄造体26を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に密度の高い硬化体を量産することが可能となるからである。ここで、♯40よりも網目が荒いと、原料溶液から無機非結晶体のみが抜けて硬化体の密度及び強度が低下する。一方、♯150よりも網目が細かいと、水分の抜けが悪くなり、原料溶液から抄造体を高効率で抄造できなくなる。なお、凝集剤により製紙スラッジ(原料溶液)中にフロックができているので、効率的に抄造を行うことができる。
【0072】
製紙スラッジを含む原料溶液の濃度は、固形分3.5〜25重量%であることが望ましい。製紙スラッジからの抄造性を向上させ、効率的に硬化体を量産することができるからである。即ち、濃度が3.5%未満では、効率的に原料溶液からワイヤーシリンダ(ろ水体)を用いて抄造することができず、25%を越えると、製品の均一性が低下するからである。
【0073】
ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cにて抄造された抄造体を転写し、搬送する搬送ベルト23は、幅1mのフェルトからなり、ローラ34にて懸架されており、裏面に吸引ボックス24を設けて、真空ポンプ17で吸引しながら脱水を行っている。即ち、該ベルト23は、製紙スラッジを含む原料14の水分をフェルトの気孔内へ吸着し、吸着した水分が吸引ボックス24を経て真空ポンプ17側へ吸着され、図4(A)に示す混合器13へ戻される。この第1実施例では、ベルト23をフェルトから構成したが、この代わりに、連続した気孔を有する多孔質の樹脂、多孔質のゴム、無機繊維を結合剤などで固めたもの、焼結金属、多孔金属、多孔金属のブロックをゴム等の可撓性を有するバインダで固めたベルト、などを使用することができる。本実施例は、搬送ベルト23が連続する気孔を有する多孔質体で構成され、搬送ベルト23で搬送しながら脱水するため、効率的に抄造体26中の水分を減らすことができる。
【0074】
また、本実施例では、搬送ベルト23の搬送速度が48m/分に設定されており、これと同期するように、ワイヤーシリンダ22A、22B、22C、切断用回転ドラム30及びベルトコンベア38が図示しないモータにより駆動されている。搬送ベルト23の搬送速度は、5〜80m/分であることが望ましい。原料溶液から適度な厚さの抄造体を高効率で抄造でき、効率的に硬化体を量産することが可能となるからである。ここで、搬送速度が5m/分よりも低いと、抄造体を厚く抄造できる反面、抄造効率が低い。一方、搬送速度が80m/分を越えると、抄造体が薄くなり、均一な厚みにし難くなると共に、抄造体が切れることがある。
【0075】
搬送ベルト23にて搬送された抄造体を所定の厚みまで巻回し切断する切断用回転ドラム30は、直径64cm(外周2m)に形成されており、表面に水を滞留させる貯留溝32と、この溝32の近傍に位置する収容溝33に収容されたピアノ線31とを備える。該切断用回転ドラム30は、表面に搬送ベルト23から搬送された抄造体26を多層化させながら巻回する。
【0076】
そして、抄造体26が所定の厚み(1.5cm)に達し、これが図示しないセンサで検出されると、収容溝33内のピアノ線31が押し出される。貯留溝32に沿った位置で抄造体26は、含水率が高く、ピアノ線31が押し出されると、貯留溝32に沿って切断され、図6(A)に示すように、切断端がベルトコンベア38側に倒れかかる。そして、切断用回転ドラム30の回転及びベルトコンベア38の搬送に伴い、所定の厚みの抄造体26がベルトコンベア38上まで搬送される(図6(B)参照)。ここで、図6(C)に示すように、他方の切断端がカッタ36の対応位置まで搬送されると、カッタ36がベルトコンベア38側へ降ろされ、抄造体26の切断端と搬送ベルト23上を搬送される未積層の抄造体とが分離される。
【0077】
本実施例では、搬送ベルト23上の抄造体を、切断用回転ドラム30に転写させながら多層化し、多層化させた抄造体26が所定厚さに達した段階で所定の大きさに切断する。切断用回転ドラムにより、均一の厚み(1.5cm)及び大きさ(1m×2m)の抄造体26を連続的に成形することができるので、硬化体を効率的に量産することが可能になる。
【0078】
また、本実施例では、切断用回転ドラム30にて一端の切断された抄造体26を一定間隔で切断するカッタ36を備える。このため、効率的に所定長(2m)の抄造体26を形成することができる。なお、本実施例では、抄造体26の厚みを1.5cmとしたが、厚みは2cm以下であることが望ましい。2cm以下の厚みであれば、抄造が容易であり、また、搬送等においても扱い易い。
【0079】
抄造体を反転するための反転装置40について、図7を参照して説明する。本実施例の製造装置では、後述するように抄造体を交互に反転しながら積層するため、1枚おきに抄造体26が反転される。反転装置40は、抄造体を吸着して搬送する搬送装置42と、テーブル44と、反転板46とから成る。
【0080】
図7(A)に示すように、ベルトコンベア38上の抄造体26が、搬送装置42によって反転板46上に載置される。反転板46が駆動され、抄造体46を反転させる(図7(B)参照)。そして、図7(C)に示すように反転された抄造体26が、搬送装置42によって図3中に示すプレス機50へ搬送される。なお、上述したように、本実施例では、スラリー14にバインダを添加することで抄造体26に可撓性を持たせ、切断後の扱いを容易にしてある。
【0081】
抄造体を加圧して脱水を行うプレス機50について、図8及び図9を参照して説明する。図8(A)に示すように、プレス機50は、凹部54Aを備えるメス型54と、該凹部54Aへ嵌入するオス型52とから成り、メス型54及びオス型52には、抄造体を加圧した際に発生する水分を導出するための微細な通孔54a、52aがそれぞれ形成されている。また、該プレス機50には、抄造体26に原料溶液14を塗布するためのカーテンコーター56が備えられている(図8(B)参照)。
【0082】
プレス機50での積層及び加圧について説明する。先ず、図8(A)に示すように、メス型54の凹部54Aに、最下層として、図7(C)を参照して上述した反転装置40にて反転されて上記切断用回転ドラム30との接触面側を下側に向けられた抄造体26が、搬送装置42により搬入される。次に、図8(B)に示すように、カーテンコーター56により、抄造体26の上面、即ち、上層の抄造体との接着面に原料溶液14が塗布される。この原料溶液の量は、抄造体1層当たり、固形分で50g/m2〜500g/m2が好適である。なお、ここでは、カーテンコーター56を用いているが、ロールコーター等の種々の塗布装置を用いることができる。
【0083】
2層目の抄造体として、図8(C)に示すように、ベルトコンベア38上の抄造体26が反転されることなくメス型54の凹部54Aへ搬送装置42により搬入される。その後、図9(A)に示すように、原料溶液14を塗布した後、3層目の反転された抄造体26が載置され、原料溶液14を塗布した後に4層目(最上層)の反転されない抄造体26が載置され積層が完了する。ここでは、4層を積層しているが、2枚以上ならば何枚でも良く、薄い硬化体を製造する際には、1枚でも可能である。
【0084】
その後、オス型52を押し下げ、加圧プレスを60Kg/cm2で行う(図9(B)参照)。この際、抄造体26から染み出る水分を、通孔54a、52aを介して外部へ導出する。その後、オス型52を上げて(図9(C)参照)、加圧により形成した複合硬化体1をメス型から取り出し、乾燥機60へ搬送する。
【0085】
本実施例では、加圧を型枠(凹部54A)中で行うため、高圧で加圧しても抄造体26が千切れなくなり、製紙スラッジから高強度の硬化体1を高い歩留まりで製造することが可能となる。また、オス型52及びメス側54に抄造体26から染み出る水分を抜くための通孔52a、54aを備えるため、加圧の際に脱水を行い、後の乾燥による硬化工程を短時間で完了させれる。また、製紙スラッジの抄造体を原料溶液14を介在させて複数積層せるため、剥離の生じない多層の硬化体を製造することができる。
【0086】
加圧プレスは、10〜250Kg/cm2で行うことが望ましい。加圧プレスを10Kg/cm2未満で行うと、必要とされる強度を得ることができない。一方、250Kg/cm2を越えて加圧プレスしても強度を高めることができず、プレス機が大型化・高価格化するからである。
【0087】
本実施例では、原料溶液をワイヤーシリンダ(ろ水体)を用いて抄造して得られた製紙スラッジの抄造体を、複数積層せしめる。これは、抄造により厚い抄造体を得ることは非効率的であるので、製紙スラッジから薄い抄造体を効率的に抄造し、積層することで必要とする強度及び厚みの硬化体を製造する。これにより、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産する。
【0088】
また、本実施例の製造方法では、抄造体を厚さ20mm以下に形成することで、製紙スラッジを効率的に抄造し、積層することで必要とする強度及び厚みの硬化体を製造する。このため、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能になる。
【0089】
本実施例では、抄造体26の積層面を交互に反転させながら積層する。即ち、反りの発生する方向を反対にしながら抄造体26を積層するため、抄造体26を積層して成る硬化体1に反り、層間剥離を発生させることがない。また、最上層及び最下層の抄造体について、露出面を回転ドラムに接触していた面とし、フェルトからなる搬送ベルト32と接していた凹凸の付いた面を内側にするため、積層してなる硬化体の表面を平滑にすることができる。
【0090】
更に、本実施例では、製紙スラッジを含む原料溶液に凝集剤を添加して凝集させるため、製紙スラッジから均質な比重(1.2〜1.3の範囲)の硬化体1を量産することができる。更に、本実施例では、メス型54内で積層を行うため、積層した抄造体を移送する必要がなく量産に適する。本実施例では、型枠54内で積層したが、積層後に型枠内に移送することも可能である。
【0091】
上記プレス機50にて加圧脱水乾燥して、含水率を下げた後、引き続き、図3に示す乾燥機60にて完全に脱水して硬化反応を進行させる。乾燥機60は、電熱ヒータ62とファン64とを備え、乾燥を温度80〜200℃で行う。乾燥機60は、電熱ヒータ62を備えるが、この代わりに、赤外線ヒータ、蒸気、天日乾燥機などを使用することができる。
【0092】
乾燥工程を経た硬化体1は、さらに搬送されて、図示しない切断機で所定の大きさに切断される。切断は、コンベア上に配設されたカッター、或いは、鋸などで行う。切断された複合硬化体1は、最後に図示しない検査機で反りなどの検査を行う。検査機としては、X線センサ、赤外線センサなどを使用できる。また、画像処理装置などで欠けやクラックの有無を検査してもよい。
【0093】
ここで、抄造体の積層方向(張合向き)と層間剥離の発生との関係について図10及び図11を参照して説明する。
図10(A)の右側に、抄造体26を反転させて、搬送ベルトを構成するフェルト当接面側を張り合わせた場合を示している。ここで、抄造体26は、図3中に示す切断用回転ドラム30にて巻回された際に応力が残り、切断後も巻回方向に沿って反っている。図中の左側は、積層した抄造体26の断面を示し、図中での凹凸は、フェルト当接面を示している。本実施例では、図10(A)の張り合わせ方向が採用されている。
【0094】
図10(B)は、抄造体26を反転させず張り合わせた場合を示している。また、図10(C)は、抄造体26を反転させ、切断用回転ドラム当接面側に張り合わせた場合を示している。
【0095】
図11は、抄造体の張合向きと層間剥離の発生との関係、及び、プレス機での圧力と強度との関係を示す図表である。
図表中で、塗布量とは抄造体と抄造体との間の原料溶液14を塗布量を示し、圧力とはプレス機での圧力を、時間とは加圧時間を示し、密度は乾燥前の硬化体の密度であり、最大荷重は、乾燥後の硬化体の耐え得る荷重、即ち、強度を示している。また、含水率は、加圧後の値である。収縮率厚さとは、厚さ方向の収縮率を、収縮率長さとは長さ方向の収縮率を、収縮率幅とは幅方向の収縮率を示している。ここでは、5枚の抄造体を積層しており、剥離層数とは5枚中の剥離した層の数を、剥離辺数とは4隅の内で剥離の発生した数を、剥離長さは、剥離の生じた部分の総延長を示している。
【0096】
先ず、圧力を高めることにより、最大荷重を高め得ることが分かる。また、張合向きとして図10(A)に示す”A”を採用し、60Kg/cm2の圧力を加えることで層間剥離が完全に防げることが分かる(No.9参照)。本実施例では、製紙スラッジを原料として用いるため、収縮率が大きく、乾燥の際に、切断用回転ドラム30にて巻回された際に残った応力が作用して剥離が発生し易いが、抄造体を反転させて張り合わせることで、剥離を防ぐことができる。なお、本実施例では、1層毎に抄造体を反転したが、2層おき、また、3層おきに反転させて積層することによっても、反り及び層間剥離を防ぐことができる。
【0097】
上述した工程で得られた複合硬化体を、蛍光X線分析装置(Rigaku製 RIX2100 )を用いて分析した一例を下記に示す。
【0098】
実施例1
酸化物に換算して、下記の組成であることが判った。なお、パルプについては、1100℃で焼成して重量減少量から測定した。
【0099】
引き続き、本発明の第2実施例に係る硬化体の製造方法及び硬化体の製造装置について、図14を参照して説明する。
この第2実施例は、抄造体を切断方法及び積層方向を除いて第1実施例とほぼ同様である。このため、切断方向及び積層方向を除いて、説明を省略する。
上述した第1実施例では、抄造体26が1m×2mに切断された。これに対して、第2実施例では、カッタ36により、抄造体26が1m×1mに切断される。また、ベルトコンベア38から搬送装置42にて抄造体26が反転装置40の反転板46に載置させる際に、水平方向に90度捻ってから載置される。即ち、抄造体を積層する際に、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cから搬送ベルト23への転写方向がずれるようにする。抄造体26は、搬送ベルト23への転写方向に沿って強度差が発生する。具体的には、転写方向に沿って曲げを加えた際の強度を1とすると、転写方向と垂直方向の強度が0.8程度になる。第2実施例では、抄造体26を積層する際に、搬送ベルト23への転写方向がずれるように積層することで、均一な強度を有する硬化体を製造する。
【0100】
実施例2
未焼成の製紙スラッジ(丸東窯材社が取り扱う牧製紙株式会社のOA機器用上質紙の製紙スラッジ「生スラッジ」:固形分51重量%、水分49重量%)1500gを用意した。これを実施例1のように抄造した。
また、蛍光X線分析装置(Rigaku株式会社 RIX2000)を用いて組成を分析した。酸化物換算値を以下に示す。パルプの量は1100℃で焼成したときの重量減少量から算出した。X線では炭酸カルシウムのピークが観察された。組成は炭酸カルシウムも含めての量である。
【0101】
炭酸カルシウムの量は、X線回折チャートの2θ=29°付近の最大ピークの高さと炭酸カルシウムの含有量で検量線を作成して、炭酸カルシウムの含有量を測定した。検量線は装置に依存性があるため、異なる装置で回折試験を実施する場合には、検量線を作成しなおす必要がある。本出願では、Rigaku株式会社製 miniFlexを使用した。その結果、約11重量%であった。また、蛍光X線のCaとOのマッピング映像から、炭酸カルシウムの結晶習癖は、紡錘状と推定された。
【0102】
実施例2の製紙スラッジ硬化物の組成
その他 微量
【0103】
実施例3
未焼成の製紙スラッジ(丸東窯材社が取り扱う牧製紙株式会社のOA機器用上質紙の製紙スラッジ「生スラッジ」:固形分51重量%、水分49重量%)1500gに、紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均径2μm、奥多摩工業株式会社 タマパール TP−121)を73g添加した。
これを実施例1のように抄造した。
【0104】
実施例3の製紙スラッジ硬化物の組成
その他 微量
【0105】
実施例4
未焼成の製紙スラッジ(丸東窯材社が取り扱う牧製紙株式会社のOA槻器用の上質紙の製紙スラッジ「生スラッジ」:固形分51重量%、水分49重量%)1500gに、柱状軽質炭酸カルシウム(平均径2μm、奥多摩工業株式会社タマパール TP−123)を219g添加した。
蛍光X線分析装置(Rigaku社製の商品名RIX2100)を用いて組成を分析した。炭酸カルシウムの含有量を測定した。その結果、約30.8重量%であった。
【0106】
実施例4の製紙スラッジ硬化物の組成
【0107】
実施例5
製紙スラッジの焼成物(丸東窯材社 商品名「サイクロン灰」)103重量部と、実施例1の未焼成の製紙スラッジ1209重量部とを混練した。
ついで、実施例1と同様にして複合硬化体を製造した。
なお、焼成スラッジの組成は、蛍光X線分析装置(Rigaku製 RIX2100)を用いて分析を行い、各酸化物に換算して次のとおりであった。比重は0.9であった。
【0108】
(製紙スラッジの焼成物)
【0109】
実施例6
坪量80g/cm2のクラフト紙にフェノール樹脂を含浸させたコア紙の10枚を積層し、140℃、80kg/cm2で加圧し、化粧板とした。この化粧板を実施例1の硬化体の両面に酢酸ビニル系接着剤で接着した。
【0110】
実施例7
実施例2の組成の製紙スラッジにポルトランドセメントを10重量%添加した。
セメントの組成
【0111】
実施例8
未焼成の製紙スラッジ(丸東窯材社の取り扱う中村製紙のOA機器用の低質紙:固形分34重量%、水分66重量%)3020重量部を用意した。次に、2N塩酸水溶液を用いて、酸洗浄し、Ca成分をほぼ完全に除去し、これをAとした。
【0112】
A
【0113】
また、丸東窯材社が取り扱う牧製紙株式会社のインクジェットプリンタ用紙の製紙スラッジ;固形分51重量%、水分49重量%をBとした。
B
炭酸カルシウムの量は、55重量%であった。
【0114】
また、丸東窯材社が取り扱う牧製紙株式会社のインクジェットプリンタ用紙の製紙スラッジ:固形分51重量%、水分49重量%にさらに炭酸カルシウム(立方形状)を10重量%添加してCとした。
C
その他 微量
炭酸カルシウムの量は、65重量%であった。
【0115】
以上A、B、Cを適宜混合して試料を調整して、実施例1と同様に抄造して、硬化体を製造し、曲げ強度、圧縮強度、釘打ち性を測定した。
その結果を図15〜図18のグラフに示した。ここで、図15はCaO/SiO2と圧縮強度との関係を示し、縦軸に圧縮強度(Kg/cm2)を横軸にCaO/SiO2の割合を取ってある。図16はCaO/Al2O3と圧縮強度との関係を示し、縦軸に圧縮強度(Kg/cm2)を横軸にCaO/Al2O3の割合を取ってある。図17は、CaOの含有量と曲げ強度・圧縮強度との関係を示し、縦軸に曲げ強度・圧縮強度(Kg/cm2)を横軸にCaOの含有量(%)を取ってある。図18はCaOの含有量と釘引き抜き強度との関係を示し、縦軸に釘引き抜き強度(Kg/cm2)を横軸にCaOの含有量(%)を取ってある。図15に示すように、硬化体は、Ca、Al、Siの量がそれぞれCaO、Al2O3、SiO2に換算してCaO/SiO2の比率0.2から7.9の際に、高い圧縮強度を発揮する。一方、図16に示すように、硬化体は、CaO/Al2O3の比率が0.2から12.5の際に高い圧縮強度を発揮する。
【0116】
比較例1
未焼成の製紙スラッジ(丸東窯材社 商品名「生スラッジ」:固形分34重量%、水分66重量%)1512gを用意した。次いで、製紙スラッジを、1800mm×1000mmの面積を持つ鋳型に流し込んだ。ついで、ステンレス板、パンチングメタル板、不織布を入れて断面190mm角の押し棒を45本を挿入して、昇圧時間30分で60kgf/cm2の圧力を加えながら、5分間圧締し、厚さ10mmのシート状成形体とした。このシート状成形体を100℃で加熱して板状の複合硬化体とした。比重は、1.2であった。
【0117】
かくして得られた複合硬化体を、蛍光X線分析装置(Rigaku製 RIX2100)を用いて分析したところ、酸化物に換算して下記の組成であることが判った。なお、パルプについては、1100℃で焼成して重量減少量から測定した。
【0118】
記
炭酸カルシウムは、9.8重量%であった。
【0119】
比較例2
実施例1の製紙スラッジを1N塩酸で洗浄し、炭酸カルシウムを除去したあと、球状の炭酸カルシウム(平均径2μm、奥多摩工業株式会社 C−90)を84g添加した。固形分に対して約11重量%である。しかしながら、抄造では、ほとんど硬化体中に炭酸カルシウムを取り込めなかった。
【0120】
比較例3
実施例2の製紙スラッジに55重量%のポルトランドセメントを添加した。
【0121】
比較例4
比較例4では、搬送ベルトで脱水吸引を行わなかった。
【0122】
以上の実施例および比較例で得られた複合硬化体について曲げ強度、圧縮強度、加工性および釘打ち性、破壊靭性、耐磨耗性について試験を行った。その結果を表1に示す。なお、試験方法は、曲げ強度がJIS A 6901に、また圧縮強度がJIS A 5416に規定された方法に、それぞれ準じて測定した。また、加工性は、木工用丸鋸にて切断加工を行い判断した。さらに、釘打ち性については、直径4mm、長さ50mmの釘を打ちつけ、クラックの有無を調べた。破壊靭性値は、ビッカース硬度計(明石製作所 MVK−D)により圧子を圧入して生じたクラックの長さから計算した。ヤング率は、曲げ破壊試験のカーブから計算し、1.4から2.7kgf/cm2であり、この値を用いた。
また、明度はマンセル色票を使用した。
【0123】
【表1】
【0124】
また、実施例1の複合硬化体について、X線回折により結晶構造を確認した。そのX線回折のチャートを図12及び図13に示す。なお、X線回折は、Rigaku製MiniFlexを使用し、Cuをターゲットとした。2θ=15°〜30°の領域にゆるやかな起伏(ハロー)が観察されるとともに、結晶構造を示すピークも観察され、非晶質構造中に結晶構造が混在していることが判る。また、ピークからは、炭酸カルシウムの結晶(Calsite)が同定された。
【0125】
なお、明度は、セメントの量が少ないほど、CaOの量が多いほど高い。また、抄造法の方がプレス法よりも、明度が高い。さらに、角を持つ炭酸カルシウムの方が抄造法で取りこみやすく、明度を高くできる。
【0126】
上記複合硬化体1の一応用例として、複合建築材料について以下に説明する。すなわち、図19に示すように、芯材5の少なくとも片面に、図示例では両面に補強層6が形成された複合建築材料において、該芯材5に、この発明の方法で製造した複合硬化体1を適用する。すなわち、芯材5をこの発明の方法で製造する複合硬化体1とすることによって、この芯材に引っ張り力が加わった場合でも、芯材自体が曲げ強度に優れているため、しかも芯材の表面に補強層が設けられていることも相まって、容易に破壊が起きない構成となっている。また、表面に局所的に圧力が加わっても凹みや窪みが生じることもない。
【0127】
さらに、この複合建築材料は、その使用に当たり、補強層6の上に塗装、化粧板および化粧単板などによる化粧層を設けることになるから、耐衝撃性が向上して、凹みなどのキズが生じにくくなり、化粧面がキズにより歪んで意匠性を低下させることもない。
【0128】
また、補強層6は、樹脂6a中に繊維基材6bを埋設した構造になる。この樹脂6aには、特に熱硬化性樹脂を用いることが望ましい。すなわち、熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と異なり、耐火性に優れ高温下でも軟化しないため、補強層としての機能が失われないからである。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メメラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂などが適合する。そして、補強層に充分な剛性と耐衝撃性、さらに高い耐火性を付与するには、補強層における熱硬化性樹脂の含有量を、10重量%〜65重量%の範囲にすることが望ましい。
【0129】
一方、繊維基材6bには、無機質繊維を用いることが望ましい。なぜなら、補強層6の強度を向上し、かつ熱膨張率を小さくすることができるからである。無機質繊維には、ガラス繊維、ロックウール、セラミックファイバー、ガラス繊維チョップドストランドマット、ガラス繊維ロービングクロス、ガラス繊維コンティニュアスストランドマット、ガラス繊維ペーパーのうち一種以上を用いることが、低価格でかつ耐熱性並びに強度に優れる点で好ましい。この繊維基材は、非連続の繊維をマット状に成形したもの、または連続した長繊維を3〜7cmに切断してマット状にしたもの(いわゆるチョップドストランドマット)、水で分散させてシート状にすきあげたもの、連続した長繊維を渦巻き状に積層しマット状にしたもの、あるいは連続した長繊維を織りあげたものが、適用できる。
【0130】
さらに、補強層の厚さは、0.1mm〜3.5mmとすることが望ましい。この範囲に設定すると、充分な剛性、耐衝撃性などが得られ、かつ高い加工性を維持できるからである。なお、補強層には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの難燃化剤、ならびにシリカゾル、アルミナゾル、水ガラスなど一般に使用される無機質の結合剤を添加してもよい。ここでは、補強層を設けたが、硬化体が水分を吸収しないように、表面を樹脂等でコートすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の複合硬化体の断面模式図である。
【図2】この発明の複合硬化体の断面模式図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る硬化体の製造装置の概念図である。
【図4】(A)、(B)は、原料調整機構の概念図である。
【図5】抄造機構の概念図である。
【図6】(A)、(B)、(C)は、切断用回転ドラムの動作の説明図である。
【図7】(A)、(B)、(C)は、反転装置の動作の説明図である。
【図8】(A)、(B)、(C)は、プレス機の動作の説明図である。
【図9】(A)、(B)、(C)は、プレス機の動作の説明図である。
【図10】(A)、(B)、(C)は、抄造体の張合せ向きの説明図である。
【図11】抄造体の張合向きと層間剥離の発生との関係、及び、プレス機での圧力と強度との関係を示す図表である。
【図12】実施例1に係る複合硬化体のX線回折のチャートである。
【図13】実施例1に係る複合硬化体のX線回折のチャートである。
【図14】本発明の第2実施例に係る硬化体の製造装置の概念図である。
【図15】CaO/SiO2と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図16】CaO/Al2O3と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図17】CaOの含有量と曲げ強度・圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図18】CaOの含有量と釘引き抜き強度との関係を示すグラフである。
【図19】この発明の複合硬化体を用いた複合建築材料の断面模式図である。
【符号の説明】
1 複合硬化体
2 非晶質体
3 繊維状物
4 無機粉末
5 芯材
6 補強層
10 原料調整機構
14 原料溶液(スラリー)
15 脱水容器
16 フィルター
17 真空ポンプ
18 チェストタンク
20 抄造機構
21A、21B、21C バット
22A、22B、22C ワイヤーシリンダ
23 搬送ベルト
24 吸引ボックス
26 抄造体
30 切断用回転ドラム
31 ピアノ線
32 貯留溝
33 収容溝
36 カッタ
38 ベルトコンベア
40 反転装置
42 搬送装置
44 テーブル
46 反転板
50 プレス機
52 オス型
52a 通孔
54 メス型
54A 凹部
54a 通孔
56 カーテンコーター
60 乾燥機
【発明の属する技術分野】
この発明は、製紙スラッジを板状に固めてなる明度の高い硬化体を量産できる硬化体、硬化体の製造方法及び硬化体の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の観点から、種々の産業廃棄物の有効利用が検討されている。例えば、これまで森林資源を大量に消費してきた建築産業においては、建築資材を新たに産業廃棄物に求めることにより、森林資源の消費量を抑えることが提案されている。一方、従来使用していた無機ボード、例えば、珪酸カルシウム板、パーライト板、スラグ石膏板、木片セメント板および石膏ボード等について、その低コスト化並びに高機能化を実現が求められている。
【0003】
本発明者らは、紙の製造後に発生する製紙スラッジを脱水プレスした後、乾燥することで硬化させ、建築用パネル等として有効に利用し得る硬化体の製造技術を特願平10−352586号として提案している。
【特許文献1】特開平10−352586号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記特許において、製紙スラッジを硬化させることで硬化体が得られることを示したが、採算に合うよう硬化体を製造し得るものではなかった。実際に硬化体を量産するためには、先ず、得られた水分を大量に含む抄造体から徐々に水分を減らして行くための技術の確立が必要となった。
【0005】
また、製紙スラッジは、インクやパルプ不純物の影響で着色しており、脱水プレス法では、硬化体の中に不純物がそのまま残留し、硬化体の明度が低下してしまい、着色したり装飾できないという問題がみられた。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産できる硬化体の製造方法及び硬化体の製造装置を提供することにある。
【0007】
また、他の目的は、明度の高い硬化体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明の硬化体は、製紙スラッジを抄造し、硬化させてなり、Si、Al、Caのそれぞれの酸化物からなる無機非晶質体中に多糖類からなる有機質繊維状物および炭酸カルシウムを含有してなる硬化体であって、前記硬化体中のCa、Al、Siの量が、それぞれCaO、Al2O3、SiO2に換算してCaO/SiO2の比率0.2から7.9、CaO/Al2O3の比率が0.2から12.5に調整された硬化体である。この硬化体の明度はJIS Z 8721の規定に基づく値でN5以上である。
【0009】
請求項1の硬化体の製造方法は、製紙スラッジを含む原料溶液を網状体からなる回転ドラムを用いて抄造し、該回転ドラム面に製紙スラッジの抄造体を付着させると共に、この抄造体を連続気孔を有する多孔質体の搬送ベルトへ転写し、該搬送ベルトで搬送しながら抄造体から脱水した後、所定の大きさに切断し、抄造体を硬化させて製紙スラッジの硬化体を得る。搬送ベルトで搬送しながら抄造体から脱水するため、効率的に抄造体中の水分を減らすことができ、硬化体を量産することが可能となる。
【0010】
網状体の回転ドラムを利用し抄造して硬化体を製造しており、網目から不純物が脱落するため、不純物を低減させることができ、明度を高くすることが可能である。また、炭酸カルシウムを含有してなる硬化体であって、前記硬化体中のCa、Al、Siの量が、それぞれCaO、Al2O3、SiO2に換算してCaO/SiO2の比率0.2から7.9、CaO/Al2O3の比率が0.2から12.5に調整されてなるため、Ca成分が多くなり、明度が向上する。また、強度、釘打ち性能も高いからである。このため、硬化体の明度としては、JIS Z
8721の規定に基づく値でN5以上にできる。
【0011】
なお、JIS Z 8721は、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明度と白の明度との間でその明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割し、N0からN10の記号で表示したものである。実際の明度の測定は、N0からN10に対応する色票と対比する。この場合の少数点1位は0または5とする。硬化体の明度としては、JIS Z 8721の規定に基づく値でN5以上にできるため、着色や装飾を施すことが可能になる。
【0012】
前記炭酸カルシウムの結晶習癖は、紡錘状、角状、薄卓状、立方体または柱状から選ばれる少なくとも1種以上の形態であることが望ましい。白色度が高く、角を持つため繊維にからまり抜け落ちにくく抄造でも硬化体に取り込めるからである。
【0013】
前記製紙スラッジセメントを添加する場合は、その含有量は30重量%以下であることが望ましい。製紙スラッジセメントの含有量が増えると、明度が低下するからである。また、セメントの添加で強度も低下することが認められるからである。
【0014】
なお、特開昭55−12853号には製紙スラッジをワイヤープレスして、脱水し、ホットプレスする技術が開示されている。しかしながら、この当時のスラッジは、1979年発行の「静岡県製紙工業試験場報告」によれば、CaO換算で2.6重量%程度しかなく、強度が十分ではない。また、抄造ではないため、多量の不純物を含み、結局明度が低い。
【0015】
また、特公昭57−19019号には、製紙スラッジと、モンモリロナイトとの混合物をプレス成形したものであるが、当時の製紙スラッジとしてCa成分が少なく、また、Ca系結晶ではなく、圧縮強度などが劣る。特開昭50−101604号には、製紙スラッジと疎水性繊維とを混合し、結合剤を加えたボードを開示している。しかしながら、当時の製紙スラッジとしては、Ca成分が少なく、また、強度も曲げ強度で2.5kg/cm2であり、複合化して強度の高いものでも、15kg/cm2程度しかなく、本発明の方がはるかに優れている。特開昭52−90585号では、製紙スラッジの表面をパラフィン処理したものが開示されているが、当時の製紙スラッジとしては、Ca成分が少なく、強度に劣ると考えられる。また、いずれにせよ、抄造法ではないため、多量の不純物を含み、結局明度が低い。
【0016】
また、網状体の回転ドラムを利用し抄造して硬化体を製造しており、網目から不純物が脱落するため、不純物を低減させることができ、明度を高くすることが可能である。
なお、特開昭49−114628号では、3%の希釈された製紙スラッジとセメントの混合物を回転ドラムで抄造し、このドラム面から帯状毛布上に転写されて、脱水プレスされ、さらに巻き取りロールで層厚を増大させたあと、切断されてコンベア搬送される技術が開示される。
しかし、この技術ではCaOの比率が小さく、明度が低下する。また、セメントが55%以上含まれており、やはり明度の低下要因となる。
また、特開昭59−156956号では、丸金網を使用した抄造法を開示するが、1枚づつマットを抄造し、多層化するものであり、効率が悪い。
【0017】
請求項2の硬化体の製造方法は、製紙スラッジを含む原料溶液の濃度が、固形分0.5〜25重量%であるため、製紙スラッジからの抄造性を向上させ、効率的に硬化体を量産することができる。即ち、濃度が0.5%未満では、効率的に原料溶液から網状体からなる回転ドラムを用いて抄造することができず、25%を越えると、製品の均一性が低下するからである。
【0018】
請求項3の硬化体の製造方法では、搬送ベルト上の抄造体を切断用回転ドラムに転写させながら多層化し、多層化させた抄造体が所定厚さに達した段階で切断する。このため、均一な厚みの抄造体を連続的に成形することができる。
【0019】
請求項4の硬化体の製造方法では、切断した抄造体をさらに多層化した後、加圧プレスする。このため、必要とする厚みの硬化体を容易に製造することができる。
【0020】
請求項5の硬化体の製造方法では、加圧プレスを10〜250Kg/cm2で行う。加圧プレスを10Kg/cm2未満で行うと、必要とされる強度を得ることができない。一方、250Kg/cm2を越えて加圧プレスしても強度を高めることができず、プレス装置が大型化・高価格化するからである。また、搬送ベルトでも搬送しながら、脱水する際に不純物やインクなども除去できるため、明度を上げるためには最適である。
【0021】
請求項6の硬化体の製造装置は、製紙スラッジを含む原料溶液を抄造し、表面に製紙スラッジの抄造体を付着させる網状体からなる回転ドラムと、回転ドラムの表面に付着した抄造体を転写して、搬送しながら脱水する多孔質体の搬送ベルトと、搬送ベルトを搬送された抄造体を所定の大きさに切断する切断装置と、切断された抄造体を硬化させて製紙スラッジの硬化体を得る硬化装置とを備える。搬送ベルトで搬送しながら抄造体から脱水するため、効率的に抄造体中の水分を減らすことができ、硬化体を量産することが可能となる。また、網状体からなる回転ドラムを用いるため、原料溶液から抄造体を連続して抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。また、網状体の回転ドラムを利用し抄造して硬化体を製造しており、網目から不純物が脱落するため、不純物を低減させることができ、明度を高くすることが可能である。
【0022】
請求項7の硬化体の製造装置は、回転ドラムの回転速度が1〜100回/分であるため、原料溶液から抄造体を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。ここで、回転ドラムが1回転/分よりも低いと、抄造効率が低い。一方、回転数が100回転/分を越えると、均一な厚みで抄造体が出来にくくなる。
【0023】
請求項8の硬化体の製造装置は、回転ドラムを搬送ベルトに沿って複数個併設し、当該搬送ベルトに多層化させながら抄造体を転写する。このため、原料溶液から抄造体を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。
【0024】
請求項9の硬化体の製造装置は、回転ドラムが♯40〜150の網目構造を有する。このため、原料溶液から抄造体を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に密度の高い硬化体を量産することが可能となる。ここで、♯40よりも網目が荒いと、原料溶液から無機非結晶体のみが抜けて硬化体の密度及び強度が低下する。一方、♯150よりも網目が細かいと、水分の抜けが悪くなり、原料溶液から抄造体を高効率で抄造できなくなる。
【0025】
請求項10の硬化体の製造装置は、搬送ベルトの搬送速度が5〜80m/分であるため、原料溶液から適度な厚さの抄造体を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。ここで、搬送速度が5m/分よりも低いと、抄造体を厚く抄造できる反面、抄造効率が低い。一方、搬送速度が80m/分を越えると、抄造体が薄くなり、均一な厚みにし難くなると共に、抄造体が切れることがある。
【0026】
請求項11の硬化体の製造装置は、切断装置が抄造体を転写させながら多層化する切断用回転ドラムから成る。そして、切断用回転ドラム表面の多層化させた抄造体が所定厚さに達した段階で、押出機構を作動させ、溝に対応する位置で抄造体を切断する。このため、均一の厚みの抄造体を効率的に生成することができる。
【0027】
請求項12の硬化体の製造装置は、切断装置が、切断用回転ドラムにて一端の切断された抄造体を一定間隔で切断する刃を備える。このため、効率的に所定長の抄造体を形成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
ここでは先ず、後述するこの発明の複合硬化体の製造方法で製造する複合硬化体の構造について、図1の模式図に基づき説明する。この複合硬化体1は、2種以上の酸化物の系からなる無機非晶質体2を含み、該無機非晶質体2中に有機質繊維状物3が混在してなることを基本とする。ここでいう2種以上の酸化物の系からなる無機非晶質体とは、酸化物(1)−酸化物(2)・・・−酸化物(n)系(但しnは自然数であり、酸化物(1)、酸化物(2)、・・・酸化物(n)は、それぞれ異なる酸化物)の非晶質体である。
【0029】
このような非晶質体は、正確な定義づけが困難であるが、2種以上の酸化物を固溶あるいは水和反応等させることにより生成する、非晶質の化合物であると考えられる。このような無機非晶質の化合物は、蛍光X線分析により、酸化物を構成する元素(Al、Si、Ca、Na、Mg、P、S、K、Ti、Mn、Fe、Znから選ばれる少なくとも2種以上)が確認され、X線回折による分析のチャートでは2θ:10°〜40°の範囲でハローが見られる。このハローは、X線の強度の緩やかな起伏であり、X線チャートでブロードな盛り上がりとして観察される。なお、ハローは半値幅が2θ:2°以上である。
【0030】
上記複合硬化体1は、まず無機非晶質体2が強度発現物質となり、しかも有機質繊維状物3が無機非晶質体2中に分散して破壊靱性値を改善するため、曲げ強度値や耐衝撃性を向上させることができる。また、強度に異方性がなく、均質な硬化体が得られる。さらに、非晶質体であるため、低密度で充分な強度が得られるという利点もある。
【0031】
なお、上記非晶質体が強度発現物質となる理由は定かではないが、結晶質の構造に比べてクラックの進展が阻害されるためではないかと推定される。また、結晶質中に比べて非晶質中の方が繊維状物が均一に分散しやすいことから、破壊靱性値も向上すると考えられる。その結果、釘を打ち込んだり貫通孔を設けても、クラックが生じないために、建築材料などの加工を必要とする材料に最適なものとなる。
【0032】
ここで、酸化物としては、金属および/または非金属の酸化物を使用でき、Al2 O3 、SiO2 、CaO、Na2 O、MgO、P2 O5 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe2 O3 およびZnOから選ばれることが望ましい。とりわけ、Al2 O3 −SiO2 −CaO系またはAl2 O3 −SiO2 −CaO−酸化物系からなる非晶質体、もしくはこれら非晶質体の複合体が最適である。なお、後者の非晶質体における酸化物は、Al2 O3 、SiO2 およびCaOを除く金属および/または非金属の酸化物の1種以上である。
【0033】
まず、Al2 O3 −SiO2 −CaO系からなる非晶質体は、Al2 O3 、SiO2 およびCaOの各成分の全部または一部が互いに固溶あるいは水和反応などにより生成する非晶質構造を有する化合物である。すなわち、Al2 O3 とSiO2 、SiO2 とCaO、Al2 O3 とCaO、そしてAl2 O3 、SiO2 およびCaOの組合せで固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物のいずれかを含むと考えられる。
【0034】
このような無機非晶質の化合物は、蛍光X線分析により、Al、Si、Caが確認され、X線回折による分析のチャートでは2θ:10°〜40°の範囲で上記ハローが見られる。
【0035】
また、Al2 O3 、SiO2 およびCaO以外に少なくとも1種の酸化物を加えた系、つまりAl2 O3 −SiO2 −CaO−酸化物系からなる非晶質体は、上記Al2 O3 −SiO2 −CaO系での組み合わせ以外に、Al2 O3 と酸化物、SiO2 と酸化物、CaOと酸化物、Al2 O3 とSiO2 と酸化物、SiO2 とCaOと酸化物、Al2 O3 とCaOと酸化物、そしてAl2 O3 とSiO2 とCaOと酸化物の組合せで固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物のいずれかを含むと考えられる。
【0036】
なお、前記酸化物が2以上、つまり、Al2 O3 −SiO2 −CaO−酸化物(n)系(nは2以上の自然数)の非晶質体であれば、これらの酸化物、例えば酸化物(1)、酸化物(2)・・・酸化物(n)(nは2以上の自然数で、酸化物(n)は、nの値が異なればそれぞれ異なる酸化物を意味し、かつAl2 O3 、SiO2 、CaOを除いたものである)のそれぞれから選ばれる少なくとも2種の組合せで固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物、Al2 O3 、SiO2 、CaOから選ばれる少なくとも2種の組合せで固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物、さらに酸化物(1)、酸化物(2)・・・酸化物(n)(nは2以上の自然数)のそれぞれから選ばれる少なくとも1種と、Al2 O3 、SiO2 、CaOから選ばれる少なくとも1種との組合せで固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物のいずれかを含むと考えられる。
【0037】
このような無機非晶質の化合物は、蛍光X線分析により、Al、Si、Caに加えて、酸化物を構成する元素(Na、Mg、P、S、K、Ti、Mn、Fe、Znから選ばれる少なくとも2種以上)が確認され、X線回折による分析のチャートでは2θ:10°〜40°の範囲で上記ハローが見られる。
【0038】
ここで、Al2 O3 、SiO2 およびCaOと組み合わせる酸化物は、1種または2種以上であり、Al2 O3 、SiO2 、CaOを除く金属および/または非金属の酸化物を使用でき、例えばNa2 O、MgO、P2 O5 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe2 O3 およびZnOから選ぶことができる。この選択は、複合硬化体に期待する特性を基準に行うことができる。
【0039】
例えば、Na2 OまたはK2 Oは、アルカリなどで除去できるため、めっき処理に先立って除去処理を行えば、複合硬化体表面の被めっき面が粗くなってめっきのアンカーとして作用させることができる。
MgOは、Al2 O3 、SiO2 、CaOと固溶して強度発現に寄与し、曲げ強度や耐衝撃性を大きく改善する。
P2 O5 は、骨との癒着を助けるため生体材料(人工歯根、人工骨)に使用する場合は特に有利である。
SO3 は、殺菌作用があり抗菌建築材料に適している。
TiO2 は、白系着色材であるとともに、光酸化触媒として作用することから、付着した有機汚染物質を強制的に酸化でき、光を照射しただけで洗浄できるという自浄力のある建築材料、あるいは各種フィルター、反応触媒として使用できるという特異な効果を有する。
MnOは暗色系の着色材、Fe2 O3 は明色系の着色材、ZnOは白系の着色材として有用である。
なお、これらの酸化物は非晶質体中にそれぞれ単独で存在していてもよい。
【0040】
上記非晶質体の組成物は、それぞれAl2 O3 、SiO2 およびCaOに換算して、Al2 O3 :複合硬化体の全重量に対して3〜51重量%、SiO2 :複合硬化体の全重量に対して6〜53重量%およびCaO:複合硬化体の全重量に対して6〜63重量%、望ましくは8〜63重量%で、かつそれら合計が100重量%をこえない範囲において、含有することが好ましい。
【0041】
なぜなら、Al2 O3 の含有量が3重量%未満あるいは51重量%をこえると、複合硬化体の強度が低下し、また、SiO2 の含有量が6重量%未満あるいは53重量%をこえても、複合硬化体の強度が低下する。また、CaOの含有量が8重量%未満あるいは63重量%をこえてもやはり複合硬化体の強度が低下するのである。
【0042】
さらに、酸化物に換算してCaO/SiO2 の比率を0.2〜7.9、CaO/Al2 O3 の比率を0.2〜12.5に調整することが、強度の大きい硬化体を得るのに有利である。
【0043】
前記CaO/SiO2の比率は、0.2を超え7.9以下、CaO/Al2O3の比率が0.2を超え12.5以下が最適である。なお、これら、Ca、Al、Siの量(CaO、Al2O3、SiO2 換算量)は、複合硬化体中のCa、Al,Siの全量であり、たとえばCaであれば、炭酸カルシウムおよび無機非晶質体中のすべてのCaの量をいう。
【0044】
また、Al2 O3 、SiO2 およびCaO以外の酸化物として、Na2 O、MgO、P2 O5 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe2 O3 およびZnOのうち1種または2種以上を含有する場合、各成分の好適含有量は次のとおりである。なお、これら酸化物の合計量は、100重量%を越えないことはいうまでもない。
これら酸化物の含有量を上記範囲に限定した理由は、上記範囲を逸脱すると複合硬化体の強度が低下するからである。
【0045】
なお、非晶質構造か否かは、X線回折により確認できる。すなわち、X線回折により2θ:10°〜40°の領域でハローが観察されれば、非晶質構造を有していることを確認できる。なお、この発明では、完全に非晶質構造となっているもの以外に、非晶質構造中にHydrogen Aluminium Silicate 、Kaolinite 、Zeolite 、Gehlenite,syn 、Anorthite 、Melitite、Gehlenite−synthetic 、tobermorite 、xonotlite 、ettringiteや、SiO2 、Al 2 O3 、CaO、Na2 O、MgO、P2 O5 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe2 O3 およびZnOなどの酸化物、そしてCaCO3 (Calcite )などの結晶体が混在していてもよい。
【0046】
これら結晶体は、それ自体が強度発現物質になるとは考えられないが、例えば、硬度および密度を高くして圧縮強度を改善したり、クラックの進展を抑制するなどの効果があると考えられる。なお、結晶体の含有量は、複合硬化体の全重量に対して0.1〜50重量%であることが望ましい。なぜなら、結晶体が0.1重量%未満では、硬度および密度を高くして圧縮強度を改善したり、クラックの進展を抑制するなどの効果が十分得られず、逆に50重量%を超えると、曲げ強度低下を招くからである。
【0047】
ちなみに、上記Al2 O3 −SiO2 系の結晶性化合物がHydrogen Aluminium Silicate 、Kaolinite 、Zeolite 、Al2 O3 −CaO系の結晶性化合物がCalcium Aluminate 、CaO−SiO2 系の結晶性化合物がCalcium Silicate、Al2 O3 −SiO2 −CaO系の結晶性化合物がGehlenite,syn 、Anorthite であり、またAl2 O3 −SiO2 −CaO−MgO系の結晶性化合物がMelitite、Gehlenite−synthetic である。
さらに、上記結晶体としてはCaを含むものが望ましく、Gehlenite,syn (Ca2 Al2 O7 )、Melitite−synthetic(Ca2 (Mg0.5 Al0.5 )(Si1.5 Al0.5 O7 ))、Gehlenite−synthetic (Ca2 (Mg0.25Al0.75)(Si1.25Al0.75O7 ))、Anorthite,ordered(Ca2 Al2 Si2 O8 )、炭酸カルシウム(Calcite )を含有していても良い。
【0048】
またこの発明の製造方法で製造する複合硬化体では、少なくとも2種以上の酸化物の系からなる非晶質体中に、ハロゲンを添加してもよい。このハロゲンは、固溶体、水和物の生成反応の触媒となり、また燃焼抑制物質として作用する。その含有量は、0.1〜1.2重量%が望ましい。なぜなら、0.1重量%未満では強度が低く、1.2重量%を越えると燃焼により有害物質を発生するからである。ハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素が望ましい。
【0049】
同様に、炭酸カルシウム(Calcite )を添加していてもよい。炭酸カルシウムそれ自体は強度発現物質ではないが、炭酸カルシウムの周囲を非晶質体が取り囲むことにより、クラックの進展を阻止するなどの作用により強度向上に寄与すると考えられる。この炭酸カルシウムの含有量は、複合硬化体の全重量に対して48重量%以下が望ましい。この理由は、48重量%を越えると曲げ強度が低下するからである。また、0.1重量%以上が望ましい。0.1重量%未満では、強度向上に寄与しないからである。
【0050】
さらに、結合剤を添加することも、強度のさらなる向上や、耐水性、耐薬品性および耐火性の向上に、有利である。この結合剤としては、熱硬化性樹脂および無機結合剤のいずれか一方または両方からなることが望ましい。熱硬化性樹脂としては,フェノール樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂,ユリア樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂が望ましい。無機結合剤としては,珪酸ソーダ,シリカゲル及びアルミナゾルの群から選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。
【0051】
次に、この発明の複合硬化体の製造方法において無機非晶質体中に混在させる有機繊維状物は、多糖類からなる有機質繊維状物を使用する。なぜなら、多糖類にはOH基が存在し、水素結合によりAl2 O3 、SiO2 またはCaOの各種化合物と結合しやすいからである。
【0052】
この多糖類は、アミノ糖、ウロン酸、デンプン、グリコーゲン、イヌリン、リケニン、セルロース、キチン、キトサン、ヘミセルロースおよびペクチンから選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることが望ましい。これら多糖類からなる有機質繊維状物としては、一般に、パルプや、パルプかす、新聞や雑誌などの故紙の粉砕物が有利に適合する。
【0053】
なお、上記繊維状物の含有率は、2〜75重量%であることが望ましい。この理由は、2重量%未満では複合硬化体の強度が低下し、一方75重量%を越えると防火性能、耐水性、寸法安定性などが低下するおそれがあるからである。
さらに、繊維状物の平均長さは、10〜1000μmが望ましい。平均長さが短すぎると絡み合いが生じず、また長すぎると空隙が生じて複合硬化体の強度が低下しやすいからである。
【0054】
以上の複合硬化体1は、紙スラッジ(スカム)を乾燥させて凝集硬化させたものが最適である。すなわち、製紙スラッジは、無機物を含むパルプかすであり、有機質繊維状物を含んでおり、産業廃棄物を原料として使用するため低コストであり、環境問題の解決に寄与するからである。しかも、この製紙スラッジは、それ自体がバインダーとしての機能を有しており、それ自体のみで、又は、他の産業廃棄物と混練することにより、所望の形状に成形できる利点を有する。
【0055】
また、製紙スラッジ中には、パルプの他に、Al2 O3 、SiO2 、CaO、Na2 O、MgO、P2 O5 、SO3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe2 O3 およびZnOの結晶もしくはこれら酸化物の前駆体であるゾル状物、またはそれらの複合物、ハロゲンおよび炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種、そして水を含むのが、一般的である。
【0056】
ここで、図2に示すように、複合硬化体1中に、無機粒子4を混在させることが、防火性を向上させたり、非晶質体と反応して強度発現物質を形成して強度を向上するのに有利であり、この無機粒子量を調整することにより、複合硬化体の比重を調整することもできる。
【0057】
上記無機粒子4としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、シラス、シラスバルーン、パーライト、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、産業廃棄物粉末から選ばれる少なくとも1種以上を使用できる。特に、産業廃棄物粉末としては、製紙スラッジの焼成粉末、ガラスの研磨屑、および珪砂の粉砕屑から選ばれる少なくと1種以上の産業廃棄物粉末を用いることが望ましい。なぜなら、これら産業廃棄物粉末を使用することにより、低コスト化を実現でき、さらに環境問題の解決に寄与できるからである。
【0058】
なお、製紙スラッジを焼成した無機粒子は、製紙スラッジを300〜1500℃で加熱処理することによって得られる。かくして得られる無機粒子は、非晶質であり、強度および靱性に優れ、かつ密度も小さいため、複合硬化体に分散させることにより軽量化を実現できる。また、製紙スラッジを300℃以上800℃未満で焼成した場合および、300〜1500℃で加熱処理後、急冷することによって得られる無機粒子は、確実に非晶質体を含むため有利である。
無機粒子4は、比表面積が、0.8〜100m2 /gであることが望ましい。0.8m2 /g未満では、非晶質体と無機粒子の接触面積が小さくなり強度が低下してしまい、逆に100m2 /gを越えるとクラック進展や硬度の向上といった効果が低下して結果的に強度が低下する。
【0059】
さらに、無機粒子4中には、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、五酸化リンから選ばれる少なくとも1種以上の無機物が含まれるていることが望ましい。これらは化学的に安定で耐候性に優れ、建築材料などの産業材料として望ましい特性をそなえているからである。
【0060】
この無機粒子4は、その平均粒子径が小さすぎても大きすぎても充分な強度が得られないため、1〜100μmの範囲にあることが望ましい。無機粒子の含有量は、10〜90重量%であることが望ましい。すなわち、無機粒子が多すぎると強度が低下し、逆に無機粒子の量が多すぎるともろくなり、いずれにしても強度が低下するからである。
【0061】
この発明の方法で製造した複合硬化体1は、各種産業において利用され、ケイ酸カルシウム板、パーライトボード、合板、石膏ボードなどに代わる新たな建築材料を始めとして、義肢、人工骨、人工歯根用の医療材料、プリント配線板のコア基板、層間樹脂絶縁層などの電子材料に使用することができる。
【0062】
次に、この発明に係る硬化体の製造方法及び硬化体の製造装置の実施例について図3〜図9を参照して説明する。
この発明の製造方法では、複合硬化体の原料に製紙スラッジを他の産業廃棄物と昆練することなく使用する。この発明の製造方法で使用する製紙スラッジとしては、印刷・情報用紙、クラフト紙、チタン紙、ティッシュペーパー、ちり紙、トイレットペーパー、生理用品、タオル用紙、工業用雑種紙または家庭用雑種紙等を製造する際のパルプ製造工程、古紙等の原料処理工程、抄造工程などで排出される製紙スラッジが望ましい。製紙スラッジは、丸東窯材社が取扱っている。
【0063】
図3は、硬化体の製造装置の全体の構成を示している。硬化体の製造装置は、製紙スラッジを調整しスラリー14を生成する原料調整機構10と、スラリー14から抄造体26を抄造する抄造機構20と、抄造体26を反転するための反転装置40と、抄造体26を積層してから加圧し脱水を行うプレス機50と、プレスされた抄造体を乾燥して硬化体1を形成する乾燥機60とからなる。
【0064】
先ず、原料の調整を行う原料調整機構10について、図4(A)を参照して説明する。上記原料11と、水12とを、後述する吸引脱水により濃度を固形分0.5〜25重量%となるように計量して混合器13内に入れ、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドのいずれかから成る凝集剤(フロック剤:添加量0.01〜5%)及びビニロン繊維等の有機繊維(バインダ:添加量0.1〜10重量%)を添加し、混合器13にて混合してスラリー14を調整する。有機繊維(バインダ)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロンなどの合成繊維、パイプ、古紙から回収されるパルプ、その他、繊維状の産業廃棄物などを用いることができる。原料は製紙スラッジに、更に各種無機粉末や樹脂を添加することができる。
【0065】
このスラリー14を、底部にフィルター16が設けられた脱水容器15を使用して吸引脱水する。吸引脱水することにより、濃度が固形分0.5〜25重量%となるようにする。吸引脱水では、製紙スラッジの繊維が配向しないため、得られる複合硬化体に反りやクラックが発生しにくい。
【0066】
この脱水容器15の底部は真空ポンプ17と連結しており、真空ポンプ17の稼働により水分を吸引する。フィルター16は特に限定されないが、焼結金属、多孔金属板(直径1〜5mmの穴があいた金属板)、多孔質セラミックフィルター、多孔質の樹脂、ガラス繊維板などを使用できる。脱水容器15にて水分調整された原料14を、チェストタンク18内に一時貯留する。該チェストタンク18には、攪拌用のプロペラが備えられており、原料中の固形分が沈降しないようになっている。
【0067】
なお、本実施例では、脱水容器15により水分を調整しているが、図4(B)に示すように、脱水容器15を用いることなく、混合器13への水の添加量のみで含水率を調整することも可能である。
【0068】
引き続き、上記水分調整を行った製紙スラッジを含むスラリー14から抄造機構20にて抄造体26を生成する。スラリー(原料溶液)中には、セメントなどの無機バインダーや樹脂などの有機バインダーを添加してもよい。この抄造機構20について、図5を参照して説明する。抄造機構20は、スラリー14を貯留する3連のバット21A、21B、21Cと、バット内に配設され、スラリー14を抄造するワイヤーシリンダ22A、22B、22Cと、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cにて抄造された抄造体26を転写し、搬送する搬送ベルト23と、搬送ベルト23にて搬送された抄造体26を所定の厚みまで巻回し切断する切断用回転ドラム30と、抄造体26を切断するためのカッタ36と、抄造体26を搬送するベルトコンベア38とを備える。
【0069】
ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cは、直径70cmで、幅1mmに形成されている。本実施例では、ろ水(抄造)を行うろ水体が網状体より構成される回転ドラム(ワイヤーシリンダ)から成るため、原料溶液14から抄造体26を連続して抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cを透過した水は、パイプ17a及び真空ポンプ17を介して図4(A)に示す混合器13へ戻される。
【0070】
また、本実施例では、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cを搬送ベルト23に沿って3台併設し、当該搬送ベルト23に多層化させながら抄造体26を転写する。このため、原料溶液14から抄造体26を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となる。なお、本実施例では、ワイヤーシリンダの回転数が60回転/分に設定されている。この回転数は、1〜100回/分が望ましい。原料溶液14から抄造体26を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能となるからである。ここで、回転ドラムが1回転/分よりも低いと、抄造効率が低い。一方、回転数が100回転/分を越えると、均一な厚みで抄造体が出来にくくなる。本実施例では、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cを3台併設したが、1台以上何台でも用いることができる。
【0071】
なお、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cの網目は♯60(1インチ当たりの網目数60)に形成されている。ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cの網目は♯40〜150が望ましい。原料溶液(スラリー)14から抄造体26を高効率で抄造でき、製紙スラッジから効率的に密度の高い硬化体を量産することが可能となるからである。ここで、♯40よりも網目が荒いと、原料溶液から無機非結晶体のみが抜けて硬化体の密度及び強度が低下する。一方、♯150よりも網目が細かいと、水分の抜けが悪くなり、原料溶液から抄造体を高効率で抄造できなくなる。なお、凝集剤により製紙スラッジ(原料溶液)中にフロックができているので、効率的に抄造を行うことができる。
【0072】
製紙スラッジを含む原料溶液の濃度は、固形分3.5〜25重量%であることが望ましい。製紙スラッジからの抄造性を向上させ、効率的に硬化体を量産することができるからである。即ち、濃度が3.5%未満では、効率的に原料溶液からワイヤーシリンダ(ろ水体)を用いて抄造することができず、25%を越えると、製品の均一性が低下するからである。
【0073】
ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cにて抄造された抄造体を転写し、搬送する搬送ベルト23は、幅1mのフェルトからなり、ローラ34にて懸架されており、裏面に吸引ボックス24を設けて、真空ポンプ17で吸引しながら脱水を行っている。即ち、該ベルト23は、製紙スラッジを含む原料14の水分をフェルトの気孔内へ吸着し、吸着した水分が吸引ボックス24を経て真空ポンプ17側へ吸着され、図4(A)に示す混合器13へ戻される。この第1実施例では、ベルト23をフェルトから構成したが、この代わりに、連続した気孔を有する多孔質の樹脂、多孔質のゴム、無機繊維を結合剤などで固めたもの、焼結金属、多孔金属、多孔金属のブロックをゴム等の可撓性を有するバインダで固めたベルト、などを使用することができる。本実施例は、搬送ベルト23が連続する気孔を有する多孔質体で構成され、搬送ベルト23で搬送しながら脱水するため、効率的に抄造体26中の水分を減らすことができる。
【0074】
また、本実施例では、搬送ベルト23の搬送速度が48m/分に設定されており、これと同期するように、ワイヤーシリンダ22A、22B、22C、切断用回転ドラム30及びベルトコンベア38が図示しないモータにより駆動されている。搬送ベルト23の搬送速度は、5〜80m/分であることが望ましい。原料溶液から適度な厚さの抄造体を高効率で抄造でき、効率的に硬化体を量産することが可能となるからである。ここで、搬送速度が5m/分よりも低いと、抄造体を厚く抄造できる反面、抄造効率が低い。一方、搬送速度が80m/分を越えると、抄造体が薄くなり、均一な厚みにし難くなると共に、抄造体が切れることがある。
【0075】
搬送ベルト23にて搬送された抄造体を所定の厚みまで巻回し切断する切断用回転ドラム30は、直径64cm(外周2m)に形成されており、表面に水を滞留させる貯留溝32と、この溝32の近傍に位置する収容溝33に収容されたピアノ線31とを備える。該切断用回転ドラム30は、表面に搬送ベルト23から搬送された抄造体26を多層化させながら巻回する。
【0076】
そして、抄造体26が所定の厚み(1.5cm)に達し、これが図示しないセンサで検出されると、収容溝33内のピアノ線31が押し出される。貯留溝32に沿った位置で抄造体26は、含水率が高く、ピアノ線31が押し出されると、貯留溝32に沿って切断され、図6(A)に示すように、切断端がベルトコンベア38側に倒れかかる。そして、切断用回転ドラム30の回転及びベルトコンベア38の搬送に伴い、所定の厚みの抄造体26がベルトコンベア38上まで搬送される(図6(B)参照)。ここで、図6(C)に示すように、他方の切断端がカッタ36の対応位置まで搬送されると、カッタ36がベルトコンベア38側へ降ろされ、抄造体26の切断端と搬送ベルト23上を搬送される未積層の抄造体とが分離される。
【0077】
本実施例では、搬送ベルト23上の抄造体を、切断用回転ドラム30に転写させながら多層化し、多層化させた抄造体26が所定厚さに達した段階で所定の大きさに切断する。切断用回転ドラムにより、均一の厚み(1.5cm)及び大きさ(1m×2m)の抄造体26を連続的に成形することができるので、硬化体を効率的に量産することが可能になる。
【0078】
また、本実施例では、切断用回転ドラム30にて一端の切断された抄造体26を一定間隔で切断するカッタ36を備える。このため、効率的に所定長(2m)の抄造体26を形成することができる。なお、本実施例では、抄造体26の厚みを1.5cmとしたが、厚みは2cm以下であることが望ましい。2cm以下の厚みであれば、抄造が容易であり、また、搬送等においても扱い易い。
【0079】
抄造体を反転するための反転装置40について、図7を参照して説明する。本実施例の製造装置では、後述するように抄造体を交互に反転しながら積層するため、1枚おきに抄造体26が反転される。反転装置40は、抄造体を吸着して搬送する搬送装置42と、テーブル44と、反転板46とから成る。
【0080】
図7(A)に示すように、ベルトコンベア38上の抄造体26が、搬送装置42によって反転板46上に載置される。反転板46が駆動され、抄造体46を反転させる(図7(B)参照)。そして、図7(C)に示すように反転された抄造体26が、搬送装置42によって図3中に示すプレス機50へ搬送される。なお、上述したように、本実施例では、スラリー14にバインダを添加することで抄造体26に可撓性を持たせ、切断後の扱いを容易にしてある。
【0081】
抄造体を加圧して脱水を行うプレス機50について、図8及び図9を参照して説明する。図8(A)に示すように、プレス機50は、凹部54Aを備えるメス型54と、該凹部54Aへ嵌入するオス型52とから成り、メス型54及びオス型52には、抄造体を加圧した際に発生する水分を導出するための微細な通孔54a、52aがそれぞれ形成されている。また、該プレス機50には、抄造体26に原料溶液14を塗布するためのカーテンコーター56が備えられている(図8(B)参照)。
【0082】
プレス機50での積層及び加圧について説明する。先ず、図8(A)に示すように、メス型54の凹部54Aに、最下層として、図7(C)を参照して上述した反転装置40にて反転されて上記切断用回転ドラム30との接触面側を下側に向けられた抄造体26が、搬送装置42により搬入される。次に、図8(B)に示すように、カーテンコーター56により、抄造体26の上面、即ち、上層の抄造体との接着面に原料溶液14が塗布される。この原料溶液の量は、抄造体1層当たり、固形分で50g/m2〜500g/m2が好適である。なお、ここでは、カーテンコーター56を用いているが、ロールコーター等の種々の塗布装置を用いることができる。
【0083】
2層目の抄造体として、図8(C)に示すように、ベルトコンベア38上の抄造体26が反転されることなくメス型54の凹部54Aへ搬送装置42により搬入される。その後、図9(A)に示すように、原料溶液14を塗布した後、3層目の反転された抄造体26が載置され、原料溶液14を塗布した後に4層目(最上層)の反転されない抄造体26が載置され積層が完了する。ここでは、4層を積層しているが、2枚以上ならば何枚でも良く、薄い硬化体を製造する際には、1枚でも可能である。
【0084】
その後、オス型52を押し下げ、加圧プレスを60Kg/cm2で行う(図9(B)参照)。この際、抄造体26から染み出る水分を、通孔54a、52aを介して外部へ導出する。その後、オス型52を上げて(図9(C)参照)、加圧により形成した複合硬化体1をメス型から取り出し、乾燥機60へ搬送する。
【0085】
本実施例では、加圧を型枠(凹部54A)中で行うため、高圧で加圧しても抄造体26が千切れなくなり、製紙スラッジから高強度の硬化体1を高い歩留まりで製造することが可能となる。また、オス型52及びメス側54に抄造体26から染み出る水分を抜くための通孔52a、54aを備えるため、加圧の際に脱水を行い、後の乾燥による硬化工程を短時間で完了させれる。また、製紙スラッジの抄造体を原料溶液14を介在させて複数積層せるため、剥離の生じない多層の硬化体を製造することができる。
【0086】
加圧プレスは、10〜250Kg/cm2で行うことが望ましい。加圧プレスを10Kg/cm2未満で行うと、必要とされる強度を得ることができない。一方、250Kg/cm2を越えて加圧プレスしても強度を高めることができず、プレス機が大型化・高価格化するからである。
【0087】
本実施例では、原料溶液をワイヤーシリンダ(ろ水体)を用いて抄造して得られた製紙スラッジの抄造体を、複数積層せしめる。これは、抄造により厚い抄造体を得ることは非効率的であるので、製紙スラッジから薄い抄造体を効率的に抄造し、積層することで必要とする強度及び厚みの硬化体を製造する。これにより、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産する。
【0088】
また、本実施例の製造方法では、抄造体を厚さ20mm以下に形成することで、製紙スラッジを効率的に抄造し、積層することで必要とする強度及び厚みの硬化体を製造する。このため、製紙スラッジから効率的に硬化体を量産することが可能になる。
【0089】
本実施例では、抄造体26の積層面を交互に反転させながら積層する。即ち、反りの発生する方向を反対にしながら抄造体26を積層するため、抄造体26を積層して成る硬化体1に反り、層間剥離を発生させることがない。また、最上層及び最下層の抄造体について、露出面を回転ドラムに接触していた面とし、フェルトからなる搬送ベルト32と接していた凹凸の付いた面を内側にするため、積層してなる硬化体の表面を平滑にすることができる。
【0090】
更に、本実施例では、製紙スラッジを含む原料溶液に凝集剤を添加して凝集させるため、製紙スラッジから均質な比重(1.2〜1.3の範囲)の硬化体1を量産することができる。更に、本実施例では、メス型54内で積層を行うため、積層した抄造体を移送する必要がなく量産に適する。本実施例では、型枠54内で積層したが、積層後に型枠内に移送することも可能である。
【0091】
上記プレス機50にて加圧脱水乾燥して、含水率を下げた後、引き続き、図3に示す乾燥機60にて完全に脱水して硬化反応を進行させる。乾燥機60は、電熱ヒータ62とファン64とを備え、乾燥を温度80〜200℃で行う。乾燥機60は、電熱ヒータ62を備えるが、この代わりに、赤外線ヒータ、蒸気、天日乾燥機などを使用することができる。
【0092】
乾燥工程を経た硬化体1は、さらに搬送されて、図示しない切断機で所定の大きさに切断される。切断は、コンベア上に配設されたカッター、或いは、鋸などで行う。切断された複合硬化体1は、最後に図示しない検査機で反りなどの検査を行う。検査機としては、X線センサ、赤外線センサなどを使用できる。また、画像処理装置などで欠けやクラックの有無を検査してもよい。
【0093】
ここで、抄造体の積層方向(張合向き)と層間剥離の発生との関係について図10及び図11を参照して説明する。
図10(A)の右側に、抄造体26を反転させて、搬送ベルトを構成するフェルト当接面側を張り合わせた場合を示している。ここで、抄造体26は、図3中に示す切断用回転ドラム30にて巻回された際に応力が残り、切断後も巻回方向に沿って反っている。図中の左側は、積層した抄造体26の断面を示し、図中での凹凸は、フェルト当接面を示している。本実施例では、図10(A)の張り合わせ方向が採用されている。
【0094】
図10(B)は、抄造体26を反転させず張り合わせた場合を示している。また、図10(C)は、抄造体26を反転させ、切断用回転ドラム当接面側に張り合わせた場合を示している。
【0095】
図11は、抄造体の張合向きと層間剥離の発生との関係、及び、プレス機での圧力と強度との関係を示す図表である。
図表中で、塗布量とは抄造体と抄造体との間の原料溶液14を塗布量を示し、圧力とはプレス機での圧力を、時間とは加圧時間を示し、密度は乾燥前の硬化体の密度であり、最大荷重は、乾燥後の硬化体の耐え得る荷重、即ち、強度を示している。また、含水率は、加圧後の値である。収縮率厚さとは、厚さ方向の収縮率を、収縮率長さとは長さ方向の収縮率を、収縮率幅とは幅方向の収縮率を示している。ここでは、5枚の抄造体を積層しており、剥離層数とは5枚中の剥離した層の数を、剥離辺数とは4隅の内で剥離の発生した数を、剥離長さは、剥離の生じた部分の総延長を示している。
【0096】
先ず、圧力を高めることにより、最大荷重を高め得ることが分かる。また、張合向きとして図10(A)に示す”A”を採用し、60Kg/cm2の圧力を加えることで層間剥離が完全に防げることが分かる(No.9参照)。本実施例では、製紙スラッジを原料として用いるため、収縮率が大きく、乾燥の際に、切断用回転ドラム30にて巻回された際に残った応力が作用して剥離が発生し易いが、抄造体を反転させて張り合わせることで、剥離を防ぐことができる。なお、本実施例では、1層毎に抄造体を反転したが、2層おき、また、3層おきに反転させて積層することによっても、反り及び層間剥離を防ぐことができる。
【0097】
上述した工程で得られた複合硬化体を、蛍光X線分析装置(Rigaku製 RIX2100 )を用いて分析した一例を下記に示す。
【0098】
実施例1
酸化物に換算して、下記の組成であることが判った。なお、パルプについては、1100℃で焼成して重量減少量から測定した。
【0099】
引き続き、本発明の第2実施例に係る硬化体の製造方法及び硬化体の製造装置について、図14を参照して説明する。
この第2実施例は、抄造体を切断方法及び積層方向を除いて第1実施例とほぼ同様である。このため、切断方向及び積層方向を除いて、説明を省略する。
上述した第1実施例では、抄造体26が1m×2mに切断された。これに対して、第2実施例では、カッタ36により、抄造体26が1m×1mに切断される。また、ベルトコンベア38から搬送装置42にて抄造体26が反転装置40の反転板46に載置させる際に、水平方向に90度捻ってから載置される。即ち、抄造体を積層する際に、ワイヤーシリンダ22A、22B、22Cから搬送ベルト23への転写方向がずれるようにする。抄造体26は、搬送ベルト23への転写方向に沿って強度差が発生する。具体的には、転写方向に沿って曲げを加えた際の強度を1とすると、転写方向と垂直方向の強度が0.8程度になる。第2実施例では、抄造体26を積層する際に、搬送ベルト23への転写方向がずれるように積層することで、均一な強度を有する硬化体を製造する。
【0100】
実施例2
未焼成の製紙スラッジ(丸東窯材社が取り扱う牧製紙株式会社のOA機器用上質紙の製紙スラッジ「生スラッジ」:固形分51重量%、水分49重量%)1500gを用意した。これを実施例1のように抄造した。
また、蛍光X線分析装置(Rigaku株式会社 RIX2000)を用いて組成を分析した。酸化物換算値を以下に示す。パルプの量は1100℃で焼成したときの重量減少量から算出した。X線では炭酸カルシウムのピークが観察された。組成は炭酸カルシウムも含めての量である。
【0101】
炭酸カルシウムの量は、X線回折チャートの2θ=29°付近の最大ピークの高さと炭酸カルシウムの含有量で検量線を作成して、炭酸カルシウムの含有量を測定した。検量線は装置に依存性があるため、異なる装置で回折試験を実施する場合には、検量線を作成しなおす必要がある。本出願では、Rigaku株式会社製 miniFlexを使用した。その結果、約11重量%であった。また、蛍光X線のCaとOのマッピング映像から、炭酸カルシウムの結晶習癖は、紡錘状と推定された。
【0102】
実施例2の製紙スラッジ硬化物の組成
その他 微量
【0103】
実施例3
未焼成の製紙スラッジ(丸東窯材社が取り扱う牧製紙株式会社のOA機器用上質紙の製紙スラッジ「生スラッジ」:固形分51重量%、水分49重量%)1500gに、紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均径2μm、奥多摩工業株式会社 タマパール TP−121)を73g添加した。
これを実施例1のように抄造した。
【0104】
実施例3の製紙スラッジ硬化物の組成
その他 微量
【0105】
実施例4
未焼成の製紙スラッジ(丸東窯材社が取り扱う牧製紙株式会社のOA槻器用の上質紙の製紙スラッジ「生スラッジ」:固形分51重量%、水分49重量%)1500gに、柱状軽質炭酸カルシウム(平均径2μm、奥多摩工業株式会社タマパール TP−123)を219g添加した。
蛍光X線分析装置(Rigaku社製の商品名RIX2100)を用いて組成を分析した。炭酸カルシウムの含有量を測定した。その結果、約30.8重量%であった。
【0106】
実施例4の製紙スラッジ硬化物の組成
【0107】
実施例5
製紙スラッジの焼成物(丸東窯材社 商品名「サイクロン灰」)103重量部と、実施例1の未焼成の製紙スラッジ1209重量部とを混練した。
ついで、実施例1と同様にして複合硬化体を製造した。
なお、焼成スラッジの組成は、蛍光X線分析装置(Rigaku製 RIX2100)を用いて分析を行い、各酸化物に換算して次のとおりであった。比重は0.9であった。
【0108】
(製紙スラッジの焼成物)
【0109】
実施例6
坪量80g/cm2のクラフト紙にフェノール樹脂を含浸させたコア紙の10枚を積層し、140℃、80kg/cm2で加圧し、化粧板とした。この化粧板を実施例1の硬化体の両面に酢酸ビニル系接着剤で接着した。
【0110】
実施例7
実施例2の組成の製紙スラッジにポルトランドセメントを10重量%添加した。
セメントの組成
【0111】
実施例8
未焼成の製紙スラッジ(丸東窯材社の取り扱う中村製紙のOA機器用の低質紙:固形分34重量%、水分66重量%)3020重量部を用意した。次に、2N塩酸水溶液を用いて、酸洗浄し、Ca成分をほぼ完全に除去し、これをAとした。
【0112】
A
【0113】
また、丸東窯材社が取り扱う牧製紙株式会社のインクジェットプリンタ用紙の製紙スラッジ;固形分51重量%、水分49重量%をBとした。
B
炭酸カルシウムの量は、55重量%であった。
【0114】
また、丸東窯材社が取り扱う牧製紙株式会社のインクジェットプリンタ用紙の製紙スラッジ:固形分51重量%、水分49重量%にさらに炭酸カルシウム(立方形状)を10重量%添加してCとした。
C
その他 微量
炭酸カルシウムの量は、65重量%であった。
【0115】
以上A、B、Cを適宜混合して試料を調整して、実施例1と同様に抄造して、硬化体を製造し、曲げ強度、圧縮強度、釘打ち性を測定した。
その結果を図15〜図18のグラフに示した。ここで、図15はCaO/SiO2と圧縮強度との関係を示し、縦軸に圧縮強度(Kg/cm2)を横軸にCaO/SiO2の割合を取ってある。図16はCaO/Al2O3と圧縮強度との関係を示し、縦軸に圧縮強度(Kg/cm2)を横軸にCaO/Al2O3の割合を取ってある。図17は、CaOの含有量と曲げ強度・圧縮強度との関係を示し、縦軸に曲げ強度・圧縮強度(Kg/cm2)を横軸にCaOの含有量(%)を取ってある。図18はCaOの含有量と釘引き抜き強度との関係を示し、縦軸に釘引き抜き強度(Kg/cm2)を横軸にCaOの含有量(%)を取ってある。図15に示すように、硬化体は、Ca、Al、Siの量がそれぞれCaO、Al2O3、SiO2に換算してCaO/SiO2の比率0.2から7.9の際に、高い圧縮強度を発揮する。一方、図16に示すように、硬化体は、CaO/Al2O3の比率が0.2から12.5の際に高い圧縮強度を発揮する。
【0116】
比較例1
未焼成の製紙スラッジ(丸東窯材社 商品名「生スラッジ」:固形分34重量%、水分66重量%)1512gを用意した。次いで、製紙スラッジを、1800mm×1000mmの面積を持つ鋳型に流し込んだ。ついで、ステンレス板、パンチングメタル板、不織布を入れて断面190mm角の押し棒を45本を挿入して、昇圧時間30分で60kgf/cm2の圧力を加えながら、5分間圧締し、厚さ10mmのシート状成形体とした。このシート状成形体を100℃で加熱して板状の複合硬化体とした。比重は、1.2であった。
【0117】
かくして得られた複合硬化体を、蛍光X線分析装置(Rigaku製 RIX2100)を用いて分析したところ、酸化物に換算して下記の組成であることが判った。なお、パルプについては、1100℃で焼成して重量減少量から測定した。
【0118】
記
炭酸カルシウムは、9.8重量%であった。
【0119】
比較例2
実施例1の製紙スラッジを1N塩酸で洗浄し、炭酸カルシウムを除去したあと、球状の炭酸カルシウム(平均径2μm、奥多摩工業株式会社 C−90)を84g添加した。固形分に対して約11重量%である。しかしながら、抄造では、ほとんど硬化体中に炭酸カルシウムを取り込めなかった。
【0120】
比較例3
実施例2の製紙スラッジに55重量%のポルトランドセメントを添加した。
【0121】
比較例4
比較例4では、搬送ベルトで脱水吸引を行わなかった。
【0122】
以上の実施例および比較例で得られた複合硬化体について曲げ強度、圧縮強度、加工性および釘打ち性、破壊靭性、耐磨耗性について試験を行った。その結果を表1に示す。なお、試験方法は、曲げ強度がJIS A 6901に、また圧縮強度がJIS A 5416に規定された方法に、それぞれ準じて測定した。また、加工性は、木工用丸鋸にて切断加工を行い判断した。さらに、釘打ち性については、直径4mm、長さ50mmの釘を打ちつけ、クラックの有無を調べた。破壊靭性値は、ビッカース硬度計(明石製作所 MVK−D)により圧子を圧入して生じたクラックの長さから計算した。ヤング率は、曲げ破壊試験のカーブから計算し、1.4から2.7kgf/cm2であり、この値を用いた。
また、明度はマンセル色票を使用した。
【0123】
【表1】
【0124】
また、実施例1の複合硬化体について、X線回折により結晶構造を確認した。そのX線回折のチャートを図12及び図13に示す。なお、X線回折は、Rigaku製MiniFlexを使用し、Cuをターゲットとした。2θ=15°〜30°の領域にゆるやかな起伏(ハロー)が観察されるとともに、結晶構造を示すピークも観察され、非晶質構造中に結晶構造が混在していることが判る。また、ピークからは、炭酸カルシウムの結晶(Calsite)が同定された。
【0125】
なお、明度は、セメントの量が少ないほど、CaOの量が多いほど高い。また、抄造法の方がプレス法よりも、明度が高い。さらに、角を持つ炭酸カルシウムの方が抄造法で取りこみやすく、明度を高くできる。
【0126】
上記複合硬化体1の一応用例として、複合建築材料について以下に説明する。すなわち、図19に示すように、芯材5の少なくとも片面に、図示例では両面に補強層6が形成された複合建築材料において、該芯材5に、この発明の方法で製造した複合硬化体1を適用する。すなわち、芯材5をこの発明の方法で製造する複合硬化体1とすることによって、この芯材に引っ張り力が加わった場合でも、芯材自体が曲げ強度に優れているため、しかも芯材の表面に補強層が設けられていることも相まって、容易に破壊が起きない構成となっている。また、表面に局所的に圧力が加わっても凹みや窪みが生じることもない。
【0127】
さらに、この複合建築材料は、その使用に当たり、補強層6の上に塗装、化粧板および化粧単板などによる化粧層を設けることになるから、耐衝撃性が向上して、凹みなどのキズが生じにくくなり、化粧面がキズにより歪んで意匠性を低下させることもない。
【0128】
また、補強層6は、樹脂6a中に繊維基材6bを埋設した構造になる。この樹脂6aには、特に熱硬化性樹脂を用いることが望ましい。すなわち、熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と異なり、耐火性に優れ高温下でも軟化しないため、補強層としての機能が失われないからである。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メメラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂などが適合する。そして、補強層に充分な剛性と耐衝撃性、さらに高い耐火性を付与するには、補強層における熱硬化性樹脂の含有量を、10重量%〜65重量%の範囲にすることが望ましい。
【0129】
一方、繊維基材6bには、無機質繊維を用いることが望ましい。なぜなら、補強層6の強度を向上し、かつ熱膨張率を小さくすることができるからである。無機質繊維には、ガラス繊維、ロックウール、セラミックファイバー、ガラス繊維チョップドストランドマット、ガラス繊維ロービングクロス、ガラス繊維コンティニュアスストランドマット、ガラス繊維ペーパーのうち一種以上を用いることが、低価格でかつ耐熱性並びに強度に優れる点で好ましい。この繊維基材は、非連続の繊維をマット状に成形したもの、または連続した長繊維を3〜7cmに切断してマット状にしたもの(いわゆるチョップドストランドマット)、水で分散させてシート状にすきあげたもの、連続した長繊維を渦巻き状に積層しマット状にしたもの、あるいは連続した長繊維を織りあげたものが、適用できる。
【0130】
さらに、補強層の厚さは、0.1mm〜3.5mmとすることが望ましい。この範囲に設定すると、充分な剛性、耐衝撃性などが得られ、かつ高い加工性を維持できるからである。なお、補強層には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの難燃化剤、ならびにシリカゾル、アルミナゾル、水ガラスなど一般に使用される無機質の結合剤を添加してもよい。ここでは、補強層を設けたが、硬化体が水分を吸収しないように、表面を樹脂等でコートすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の複合硬化体の断面模式図である。
【図2】この発明の複合硬化体の断面模式図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る硬化体の製造装置の概念図である。
【図4】(A)、(B)は、原料調整機構の概念図である。
【図5】抄造機構の概念図である。
【図6】(A)、(B)、(C)は、切断用回転ドラムの動作の説明図である。
【図7】(A)、(B)、(C)は、反転装置の動作の説明図である。
【図8】(A)、(B)、(C)は、プレス機の動作の説明図である。
【図9】(A)、(B)、(C)は、プレス機の動作の説明図である。
【図10】(A)、(B)、(C)は、抄造体の張合せ向きの説明図である。
【図11】抄造体の張合向きと層間剥離の発生との関係、及び、プレス機での圧力と強度との関係を示す図表である。
【図12】実施例1に係る複合硬化体のX線回折のチャートである。
【図13】実施例1に係る複合硬化体のX線回折のチャートである。
【図14】本発明の第2実施例に係る硬化体の製造装置の概念図である。
【図15】CaO/SiO2と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図16】CaO/Al2O3と圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図17】CaOの含有量と曲げ強度・圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図18】CaOの含有量と釘引き抜き強度との関係を示すグラフである。
【図19】この発明の複合硬化体を用いた複合建築材料の断面模式図である。
【符号の説明】
1 複合硬化体
2 非晶質体
3 繊維状物
4 無機粉末
5 芯材
6 補強層
10 原料調整機構
14 原料溶液(スラリー)
15 脱水容器
16 フィルター
17 真空ポンプ
18 チェストタンク
20 抄造機構
21A、21B、21C バット
22A、22B、22C ワイヤーシリンダ
23 搬送ベルト
24 吸引ボックス
26 抄造体
30 切断用回転ドラム
31 ピアノ線
32 貯留溝
33 収容溝
36 カッタ
38 ベルトコンベア
40 反転装置
42 搬送装置
44 テーブル
46 反転板
50 プレス機
52 オス型
52a 通孔
54 メス型
54A 凹部
54a 通孔
56 カーテンコーター
60 乾燥機
Claims (12)
- Ca、Al、Siの量が、それぞれCaO、Al2O3、SiO2に換算してCaO/SiO2の比率0.2から7.9、CaO/Al2O3の比率が0.2から12.5である製紙スラッジを含む原料溶液を網状体からなる回転ドラムを用いて抄造し、該回転ドラム表面に製紙スラッジの抄造体を付着させると共に、この抄造体を連続気孔を有する多孔質体の搬送ベルトへ転写し、該搬送ベルトで搬送しながら抄造体から脱水した後、所定の大きさに切断し、抄造体を硬化させて製紙スラッジの硬化体を得ることを特徴とする硬化体の製造方法。
- 前記製紙スラッジを含む原料溶液の濃度が、固形分3.5〜25重量%であることを特徴とする請求項1の硬化体の製造方法。
- 前記搬送ベルト上の抄造体を、切断用回転ドラムに転写させながら多層化し、多層化させた抄造体が所定厚さに達した段階で切断することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1の硬化体の製造方法。
- 前記切断した抄造体をさらに多層化した後、加圧プレスすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の硬化体の製造方法。
- 前記加圧プレスを10〜250Kg/cm2で行うことを特徴とする請求項4の硬化体の製造方法。
- 製紙スラッジを含む原料溶液を抄造し、表面に製紙スラッジの抄造体を付着させる網状体からなる回転ドラムと、
前記回転ドラムの表面に付着した抄造体を転写して、搬送しながら脱水する多孔質体の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを搬送された抄造体を所定の大きさに切断する切断装置と、
前記切断された抄造体を硬化させて製紙スラッジの硬化体を得る硬化装置とを備えることを特徴とする硬化体の製造装置。 - 前記回転ドラムの回転速度が1〜100回/分であることを特徴とする請求項6の硬化体の製造装置。
- 前記回転ドラムを搬送ベルトに沿って複数個併設し、当該搬送ベルトに多層化させながら抄造体を転写することを特徴とする請求項6〜請求項7のいずれか1の硬化体の製造装置。
- 前記回転ドラムは、♯40〜♯150の網目構造を有することを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1の硬化体の製造装置。
- 前記搬送ベルトの搬送速度が5〜80m/分であることを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれか1の硬化体の製造装置。
- 前記切断装置は、抄造体を転写させながら多層化する切断用回転ドラムから成り、
当該切断用回転ドラムが、表面に水を滞留させる溝と、この溝の近傍に位置し、内部から抄造体を押し出すための押出機構とを備え、
該切断用回転ドラム表面の多層化させた抄造体が所定厚さに達した段階で、前記押出機構を作動させ、前記溝に対応する位置で前記抄造体を切断することを特徴とする請求項6の硬化体の製造装置。 - 前記切断装置が、更に、前記切断用回転ドラムにて一端の切断された抄造体を一定間隔で切断する刃を備えることを特徴とする請求項11の硬化体の製造装置。
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2003
- 2003-07-04 JP JP2003191997A patent/JP2004003108A/ja active Pending
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