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JP2004002160A - ゼオライト結晶のコーティング方法、ゼオライト結晶がコーティングされた基材、ゼオライト膜の製造方法、ゼオライト膜、およびゼオライト膜を利用した分離方法 - Google Patents

ゼオライト結晶のコーティング方法、ゼオライト結晶がコーティングされた基材、ゼオライト膜の製造方法、ゼオライト膜、およびゼオライト膜を利用した分離方法 Download PDF

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JP2004002160A
JP2004002160A JP2003082594A JP2003082594A JP2004002160A JP 2004002160 A JP2004002160 A JP 2004002160A JP 2003082594 A JP2003082594 A JP 2003082594A JP 2003082594 A JP2003082594 A JP 2003082594A JP 2004002160 A JP2004002160 A JP 2004002160A
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JP
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zeolite
membrane
substrate
crystal
coating
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Application number
JP2003082594A
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English (en)
Inventor
Masahiro Inohara
井ノ原 雅博
Yuji Ozeki
尾関 雄治
Masato Yoshikawa
吉川 正人
Yasutaka Takahashi
高橋 康隆
Takayuki Ban
伴 隆幸
Yutaka Oya
大矢 豊
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

【課題】基材の種類によらず、ゼオライト結晶を配向制御してコーティングできる方法を提供し、配向制御されたゼオライト結晶粒子層を有する基材を提供する。
また、選択性とフラックス性を兼ね備えたゼオライト膜を提供する。
【解決手段】
上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、(1)pH11以上のゼオライト結晶分散液を用いる、(2)30℃以上の環境におく、(3)超音波振動を与える、といった操作により、配向制御されたゼオライト結晶粒子層を有する基材を得ることができ、さらに本基材を用いることによって選択性とフラックス性を併せ持つゼオライト膜を得ることができる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゼオライト結晶のコーティング方法、ゼオライト結晶がコーティングされた基材、ゼオライト膜の製造方法、ゼオライト膜、およびゼオライト膜を利用した物質の分離方法に関するものである。本発明技術を用いることによって、ゼオライト結晶を配向させてコーティングした基材を得ることができる。この基材は、吸着剤や触媒、光学材料として利用できるだけでなく、高性能なゼオライト膜を得るための原料基材となりうる。また、ゼオライト膜は、ゼオライト細孔を利用した高性能分離膜として期待されている。
【0002】
【従来の技術】
ゼオライトは、分子サイズの細孔を有する無機酸化物の結晶である。結晶であるためその細孔分布は、均一である。その性質を利用して、非常に高性能な触媒や吸着剤として広く利用されている。しかし、従来のゼオライトの利用形態は、粒状に成型して利用することがほとんどであった。近年、ゼオライトを繊維やハニカムセラミックスの表面にコーティングして吸着剤や触媒として用いたり、ゼオライトを膜状に合成して分離膜として利用する研究開発が世の中で進められている。
【0003】
セラミックス表面や繊維にゼオライトを薄くコーティングしたものは、物質の拡散の点で粒子状に成型されたものに比べて有利である。それに対し、従来のコーティング方法は、単にゼオライトを含むスラリーと基材を接触させるものであったり、多孔質基材の場合は、圧力差をつけて圧入するなどの方法であった。最近になって、ガラス基板上にゼオライト結晶を配向性を持たせて塗布する方法が、K.Yoonらによって報告された(Tetrahedron、56(2000)6965−6968)。この方法は、ガラス基板表面およびゼオライト粒子表面をアミノ基を含有するシランカップリング剤で処理し、次いで、ガラス基板表面をテレフタルジカルボキシアルデヒドで処理し、その後、ゼオライト粒子表面のアミノ基とガラス基板表面のアルデヒドを反応させることで、ガラス基板表面にゼオライト微粒子をコーティングする方法である。この方法では、ゼオライト微粒子をガラス基板上に塗布する際、トルエン中で超音波をかけることで、ゼオライト微粒子を配向させて塗布することができるというものである。この方法では、ガラス基板上にゼオライト粒子を薄く配向させてコーティングできるものの、用いる試薬が高価であったり、処理工程が煩雑であるといった欠点があり、多孔性の基板表面に適用できるかどうか不明であった。
【0004】
また分離膜として利用するようなゼオライト膜は、ゼオライトを密に敷き詰める程度では、結晶間隙の影響が大きく、ゼオライトの特徴を生かした特異な膜にはなりえない。そこで、従来のゼオライト膜の合成法は、あらかじめゼオライト結晶(種結晶)を多孔質支持体に塗布し、そのゼオライト結晶を結晶成長させるという方法をとってきた。しかし、今までに種結晶を配向制御して敷き詰めた例は無く、製膜の再現性は乏しく、高性能な分離機能を持たせるには非常に分厚く膜を合成する必要があった。分厚いゼオライト膜は透過率が悪く、膜としての実用性に欠ける。これらの原因は、多孔質セラミックス上にゼオライト種結晶を薄く均一にコーティングできなかったためと考えられる。また、合成したゼオライト膜の配向性の制御は種々試みられているものの、MFI型ゼオライト膜は細孔を有しないc軸方向に膜成長しやすい特徴があり、透過に有利なa軸配向、b軸配向膜を効率よく合成する手法は見出されていない。さらに、あらかじめ種結晶を配向させて塗布した後に結晶成長し配向を持ったゼオライト膜を作製した例もなかった。
【0005】
さらに、ゼオライト膜を分離膜として実用化するには、それが高いフラックス性ならびに選択性を有していなければならない。(フラックス性とは透過流量が大きいことである。)そのような膜を得ることは、ゼオライト膜中の欠陥のために、今までは困難であった。これは特に、公知の合成法によるゼオライト膜では、膜の中に不均質な結晶構造を有しており、ピンホールや空孔の原因となり、分離膜としての選択性を阻害していた。このピンホールなどを防ぐためにゼオライト膜の厚さを増大し、選択性を向上することが試みられているが、選択性は向上するものの、今度はフラックス性が激減してしまうという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消しようとするものであり、基材の種類によらず、配向制御されたゼオライト結晶をコーティングできる方法を提供するものである。
【0007】
また上記コーティング方法を用いることにより、配向制御されたゼオライト結晶粒子層を有する基材を提供するものである。
【0008】
さらに、選択性とフラックス性を併せ持つゼオライト膜を提供するものである。
【0009】
本発明の他の目的は、このコーティング方法を利用したゼオライト結晶粒子層を有する基材およびそれを利用して得ることのできるゼオライト膜およびその関連技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、(1)pH11以上の分散液を用いる、(2)30℃以上の環境におく、(3)超音波振動を与える、といった操作により、配向制御されたゼオライト結晶粒子層を有する基材を得ることができ、さらに本基材を用いることによって選択性とフラックス性を併せ持つゼオライト膜を得ることができることを見出し、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は、「基材に、pHが11以上である、ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させることを特徴とするゼオライト結晶のコーティング方法」「基材に、ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させる際に、30℃以上の環境におくことを特徴とするゼオライト結晶のコーティング方法」「基材に、ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させる際に、超音波振動を与えることを特徴とするゼオライト結晶のコーティング方法」および「上記コーティング方法を組み合わせたコーティング方法」に関する。
また、「上記コーティング方法を用いて得られたゼオライト結晶粒子層を有する基材」、「ゼオライト結晶をコーティングした面に対し、X線源にCuKαを用い(波長0.154nm)、入射角を3度に固定し、スキャン速度を2θ4度/分で平行光学系でX線回折測定したときに、その回折パターンにおいて、2θ=7.3〜8.2度内の最大ピークのピーク強度をa、2θ=8.5〜9.1度内の最大ピークのピーク強度をb、2θ=13.0〜14.2度内の最大ピークのピーク強度をcとしたときに、次の(1)と(2)を満たすことを特徴とするMFI型ゼオライト結晶粒子層を有する基材
(1)b/a>3.3
(2)b/c>4.4」
に関する。
【0012】
さらに、「上記基材を使用したゼオライト膜の製造方法および得られたゼオライト膜」、
「20℃で測定した水素ガス透過率が2×10−6mol/msPa以上であり、20℃で測定した六フッ化硫黄ガス透過率が水素ガス透過率の1/20以下であることを特徴とするゼオライト膜」、「20℃で測定した水素ガス透過率と窒素ガス透過率の比(H/N)が2.5以下であり、水素ガス透過率と六フッ化硫黄ガス透過率の比(H/SF)が20以上であることを特徴とするゼオライト膜」、「ゼオライトをコーティングした面に対し、X線源にCuKαを用い(波長0.154nm)、入射角を3度に固定し、スキャン速度を2θ4度/分で平行光学系でX線回折測定したときに、その回折パターンにおいて、2θ=7.3〜8.2度内の最大ピークのピーク強度をa、2θ=8.5〜9.1度内の最大ピークのピーク強度をb、2θ=13.0〜14.2度内の最大ピークのピーク強度をcとしたときに、次の(1)と(2)を満たすことを特徴とするMFI型ゼオライト膜
(1)b/a>8
(2)b/c>4」
に関する。
【0013】
また本発明は、上記ゼオライト膜を用いた物質の分離方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳述する。
【0015】
本発明は、「基材に、pHが11以上である、ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させることを特徴とするゼオライト結晶のコーティング方法」「基材に、ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させる際に、30℃以上の環境におくことを特徴とするゼオライト結晶のコーティング方法」「基材に、ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させる際に、超音波振動を与えることを特徴とするゼオライト結晶のコーティング方法」「上記方法を組み合わせたゼオライト結晶のコーティング方法」および、「上記コーティング方法を用いて得られたゼオライト結晶粒子層を有する基材」、「ゼオライト結晶をコーティングした面に対し、X線源にCuKαを用い(波長0.154nm)、入射角を3度に固定し、スキャン速度を2θ4度/分で平行光学系でX線回折測定したときに、その回折パターンにおいて、2θ=7.3〜8.2度内の最大ピークのピーク強度をa、2θ=8.5〜9.1度内の最大ピークのピーク強度をb、2θ=13.0〜14.2度内の最大ピークのピーク強度をcとしたときに、次の(1)と(2)を満たすことを特徴とするMFI型ゼオライト結晶粒子層を有する基材
(1)b/a>3.3
(2)b/c>4.4」
に関する。
【0016】
本発明におけるゼオライトとは、分子サイズの細孔径を有した結晶性無機酸化物である。分子サイズとは、世の中に存在する分子のサイズの範囲であり、一般的には、0.2から2nm程度の範囲を意味する。言いかえれば、結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、あるいは結晶性メタロアルミノフォスフェート等で構成された結晶性マイクロポーラス物質のことである。
【0017】
結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタロアルミノフォスフェートの種類は特に制限がなく、例えば、アトラス オブ ゼオライト ストラクチュア タイプス(マイヤー、オルソン、バエロチャー、ゼオライツ、17(1/2)、1996)(Atlas of Zeolite Structure types(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlocher, Zeolites, 17(1/2), 1996))に掲載されている構造をもつ結晶性無機多孔性物質が挙げられる。
【0018】
また、ゼオライトの中でMFI型ゼオライトは、0.56nm×0.53nmの僅かに歪んだ楕円状細孔径を有するストレートチャンネルと、0.55nm×0.51nmの僅かに歪んだ楕円状細孔径を有するシヌソイダルチャンネルを持つ。ストレートチャンネルはMFI型ゼオライト結晶のb軸方向に沿って直線状に開口しており、(0 1 0)面に細孔入り口を持つ。一方、シヌソイダルチャンネルはa軸方向に沿ってジグザグに開口しており、(1 0 0)面に細孔入り口を持つ。ストレートチャンネルとシヌソイダルチャンネルは結晶内で繋がり合い、2次元的細孔構造を形成する(図1参照)。MFI型ゼオライトの構成元素は、一般的にはケイ素とアルミニウムと酸素であり、アルミニウム原子近傍にイオン交換サイトを有する。そのイオン交換サイトに各種金属イオンを導入することができる。また、アルミニウム含有量は、シリカ/アルミナ比で20から無限大まで制御でき、特に、シリカ/アルミナ比が無限大のMFI型ゼオライトは疎水的な性質を有し、シリカライト−1構造と言われる。なお、本発明の実施例にあるMFI型ゼオライトは、原料液中にアルミニウムを含まないため、シリカライト−1構造である。
【0019】
ゼオライト結晶の大きさは、ゼオライトの結晶構造さえ有していれば、数nmでもかまわない。また、液中に分散できれば、大きくても良い。本発明の最終目的は、配向性の高いゼオライト結晶粒子層を作ることであるため、平板状であることが好ましい。なかでも、b軸配向性の高いゼオライト結晶粒子層を得るためには、結晶のb軸長がa軸長、c軸長よりも短いことが好ましい。さらに好ましくは、c軸長/b軸長の比率が2倍以上であることが好ましい。特に、本発明におけるコーティング方法を用いて透過分離膜を作成する場合には、コーティングされるMFI型ゼオライト結晶のa軸長が1μm以下、b軸長が500nm以下、c軸長が2μm以下であることが好ましい。各軸長の測定方法は、例えば、電子顕微鏡により結晶形態を観察し、MFI型結晶に特徴的な棺型結晶を観察しやすい倍率とし、撮影した写真上で結晶軸長を実測し、写真の倍率から実際の軸長を導く方法がある。MFI型ゼオライトの場合の結晶の形態と各軸長の関係を図1に示す。各軸において、結晶軸方向に最長の長さとなる直線が軸長である。
【0020】
また、ゼオライトは、既知の方法で得ることができる。例えば、結晶性アルミノシリケートの場合、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、水を混合し加熱する水熱合成法により得ることができる。
【0021】
スラリーとは、溶媒中に結晶または結晶の凝集体である粒子が分散したものであり、時間がたてば結晶または粒子が沈んでくるようなものである。ゾルは、結晶または粒子が長時間沈まないような分散液である。溶液とは、結晶または粒子が可視光を透過するほど小さく、あたかも溶液のように見えるものを言う。
【0022】
本発明におけるゼオライト結晶を含むスラリー、ゾル、および溶液は、アルカリ性でも中性でも良いが、ゼオライト結晶や粒子を分散させるという点でアルカリ性であることが好ましく、pHが11以上であることが好ましい。さらに好ましくはpHが12以上であることが好ましい。該液を得るには、アルカリ性水溶液にゼオライト結晶を添加して撹拌することにより得ることができる。ゼオライトを合成する液は、通常アルカリ性であり、ゼオライト合成直後のスラリー、ゾルまたは溶液をそのまま用いることもでき、その方が工程を少なくでき経済的観点から好ましい。これらの溶液、スラリー、またはゾルのpHを測定する方法としては、一般に知られるいかなる方法も適用することができる。例えば、pH試験紙による測定方法や、緩衝電極を用いたpH測定機を使用する方法がある。
【0023】
また、pHを高めてアルカリ性にするとゼオライト結晶の分散性が高まり、コーティングされたゼオライト結晶の配向性を高める効果が期待できる。理由としては、分散性が良くなることによってゼオライト結晶同士の積み重なりを防ぎ、配向性を高めることが考えられる。
【0024】
本発明におけるゼオライト結晶をコーティングするときの温度は、どのような温度でも良いが、操作の容易さから室温(20℃)以上であることが好ましく、さらに好ましくは30℃以上が好ましい。その理由は、基材にコーティングされたゼオライト含有スラリー、ゾルまたは溶液が蒸発にともなって液厚が薄くなり、その外圧によってゼオライト結晶の配向性が高められる効果があると考えられるからである。
【0025】
また、本発明におけるゼオライト結晶をコーティングする際に、超音波振動を与えることも好ましい。その理由は、ゼオライト結晶同士の積み重なりを防ぎ、ゼオライト結晶の配向性を高める効果があると考えられるからである。
【0026】
なお、超音波振動を与える場合、一般に市販されている超音波洗浄器を用いる程度で充分であり、具体的には30W以上、20kHz以上の出力があれば充分である。また、超音波振動を与える方法についても特に限定されないが、好ましくは超音波洗浄器内の洗浄液面にガラスシャーレを浮かべ、その中に液体を浸したろ紙を敷き、その上に基材を設置して超音波振動を与える方法が好ましい。また、ろ紙を浸す液体は、超音波を伝えることができればどのような液体でも良いが、好ましくは水を含んでいることが好ましい。
【0027】
もちろん、これまでに述べたゼオライト結晶のコーティング方法は、それぞれ単独で活用してもかまわないし、併用してもかまわない。例えば、pH11以上の分散液を用いて30℃以上の環境におく、30℃以上の環境において超音波振動を与える、pH11以上の分散液を用いて超音波振動を与える、といった組み合わせ方を用いてもかまわないし、pH11以上の分散液を用いて30℃以上の環境で超音波振動を与える、といった方法でもかまわない。
【0028】
これら上記コーティング方法を用いることで、ゼオライト結晶の配向性を高める効果が得られるが、その理由は明らかではない。しかし、基材にゼオライト結晶をコーティングする際にゼオライト結晶を含んだスラリー、ゾルまたは溶液中でのゼオライト結晶の分散性を良くし、適度な外圧を加えることにより、ゼオライト結晶の配向性が高くなるものと思われる。
【0029】
ゼオライト結晶をコーティングした後は、基材を焼成することが好ましい。特に、ゼオライト細孔内に有機アミン類が含まれる場合は、その細孔構造を効果的に利用するためには、焼成工程は必須である。なお、後述のゼオライト膜合成に供する場合は、基材に含まれる液がゼオライト合成に影響を及ぼす可能性があるため、焼成することが好ましい。
【0030】
また、本発明のコーティング方法で得られたゼオライト結晶粒子層は、配向しているのが特徴である。配向しているかどうかは、薄膜X線回折により判断できる。具体的には、ゼオライト結晶をコーティングした面に対し、X線源にCuKαを用い(波長0.154nm)、入射角を3度に固定し、スキャン速度を2θ4度/分で平行光学系でX線回折測定する。このようにして測定したX線回折パターンのそれぞれのピーク強度比が同じゼオライト種の粉末X線回折パターンと異なるとき配向していると判断できる。具体的には、MFI型ゼオライトの場合、その回折パターンにおいて、2θ=7.3〜8.2度内の最大ピークのピーク強度をa、2θ=8.5〜9.1度内の最大ピークのピーク強度をb、2θ=13.0〜14.2度内の最大ピークのピーク強度をcとしたときに、b/aのピーク強度比が3.3より大きく、ピーク強度比b/cが4.4より大きいことが必須であるが、より好ましくはピーク強度比b/aが40以上であることが好ましく、さらに好ましくはピーク強度比b/aが100以上であることが好ましい。
【0031】
なお、本発明におけるX線回折測定結果のパラメータに関しては、特願平2000−385059において、a/b=0.3〜1.5と指定した例があるが、本発明におけるb/aに換算すると、0.66〜3.3にあたり、本発明において初めて3.3以上の値を取ることができるようになったものである。
【0032】
このように配向したゼオライト結晶粒子層を有する基材は、配向したゼオライト膜を合成する基材として非常に有用である。配向していない粒子層を、配向して結晶成長させたゼオライト膜は知られているが、配向したゼオライト粒子層を結晶成長させて作製したゼオライト膜は新規なものである。また、基材にガラスなどの透明部材を用いた場合、センサーなどの光学材料として応用できる。
【0033】
また、本発明における基材は、その素材など特に制限されることは無い。有機高分子でもセラミックスでも金属でもかまわなく、基材の形状も特に制限されることは無い。繊維状、粒子状でもかまわなく、また、平板状、チューブ状、ハニカム状、およびモノリス状などの成型体でもかまわないが、好ましくは平板状の基材が好ましい。
【0034】
また、本発明における基材は、多孔質であっても、多孔質でなくてもかまわないが、本基材を利用してゼオライト膜を製造し、分離膜として活用する場合は、多孔質である方が好ましい。
【0035】
本発明における基材を製造するには、基材にゼオライト結晶をコーティングする必要があるが、配向性に関する特徴を満たせばいかなるコーティング方法でもかまわない。具体的には、ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を基材に接触させることで得られる。例えば、単に基材に滴下するだけでも良いし、該液に基材を含浸し引き上げる方法でも良く、さらにはスピンコートやスプレーコート、ブレードコート、ロールコートなど既知のあらゆる方法を使用することができる。なお、好ましくは(1)ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液のpHが11以上である(2)基材にゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させる際に、30℃以上の環境におく(3)基材にゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させる際に、超音波振動を与える、の3つの条件のうち、少なくとも一つ以上を満たすことが好ましく、さらに好ましくは二つ以上の条件を満たすことが好ましく、さらに好ましくは3条件とも満たすことが好ましい。
【0036】
このように配向したゼオライト結晶粒子層を有する基材は、基材にガラスなどの透明部材を用いた場合、センサーなどの光学材料として応用できる。また、配向したゼオライト膜を合成する基材として非常に有用である。さらに、基材にアルミナ、セラミックスなどの多孔性部材を用いて、配向性の高いゼオライト膜を合成した場合、選択性が高く、フラックス性も高い分離膜として応用できる。
【0037】
また、本発明は、(a)先述の方法でゼオライト結晶をコーティングする工程、(b)ゼオライト前駆体と接触させる工程、(c)ゼオライト前駆体を結晶化させる工程を有することを特徴とするゼオライト膜の製造方法である。
【0038】
本発明の第一の工程(a)は先述の通りであるが、ゼオライト膜を脱気膜や分離膜のような透過の目的で使う場合は、基材は多孔質であることが必須である。
【0039】
本発明で用いられる基材は、薄く、強度が弱いあるいは脆いゼオライト層の部分が壊れるのを防止するために用いられるものである。ゼオライト結晶粒子層やゼオライト膜を透過膜として用いる場合は、基材は多孔質であり、また剛直であることが好ましい。
【0040】
簡単にしなるような基材の場合には、ゼオライト膜を破壊から守ることができないことがある。ゼオライト膜やゼオライト結晶粒子層を吸着剤や触媒として用いる場合は、膜が基材から剥がれ落ちない限り、亀裂や欠陥は許されるが、透過膜、特に分離膜として用いる場合は、亀裂や欠陥は極力避ける必要があり、基材そのものが簡単に手で触って壊れるような強度の膜では、工業的な実用に適さない。
【0041】
また、ゼオライト膜を透過膜として用いる場合は、支持する基材としては、ゼオライト膜の透過性を阻害しない程度の多孔性が必要である。
【0042】
基材の材質は、上記のような性質があれば、特に限定されないが、一例として金属、金属酸化物等のセラミックス、カーボンおよび有機ポリマが挙げられる。強度や剛直性の観点から、金属および金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物等のセラミックスが好ましく用いられる。中でも耐熱性と耐薬品性の観点から、セラミックスが好ましく用いられる。ゼオライト層との熱膨張率の差が少ないことと、ゼオライト層との親和性が高いことから、金属酸化物がもっとも好ましく用いられる。金属酸化物の種類は、特に限定されないが、アルミナ、ジルコニア、シリカ、ムライト、コージェライト、チタニア、ゼオライト又はゼオライト類似物等が好ましく用いられる。金属の例としては、ステンレス製の基材(焼結金属)等が挙げられる。耐熱性が必要でない用途においては、有機ポリマの基材も剛直であれば用いることができる。有機ポリマーの基材を用いて、透過膜として使用する場合は、ゼオライト膜部分の破壊を防ぐため、手で曲げようとしたときに、目で見て曲がらない程度の剛直性を有しているものが好ましい。
【0043】
基材の形状も特に限定されることなく、例えば、繊維状、布状、球状、平板状、チューブ状、モノリス状、およびハニカム状等、通常市販されている形状のものが利用できる。分離膜などの透過膜として使用する場合は、多孔質でかつ高い表面積が必要であり、チューブ、モノリス、またはハニカム状の形状であることが好ましい。基材は、市販されているいかなるものも使用できる。
【0044】
多孔質基材の場合は、細孔径が重要である。セラミックス製の多孔質機材の場合は、成型後の焼成や、使用する粒子の大きさ、後処理によって細孔径をコントロールできる。
【0045】
本発明で用いられる多孔質基材の製造方法は、特に限定されないが、通常、セラミックスなどの粉末をそのまま、あるいはセラミックスなどの粉末に成型用の助剤やバインダーを添加して、押し出し成形するか、またはプレス成形を行ない、乾燥と焼成等の工程を経て、製造する方法を採用することができる。
【0046】
基材の最適な焼成温度は、多孔質基材の素材によって異なるが、金属酸化物素材の場合、少し焼結が始まる程度の温度が強度の点で望ましい。好適な焼成温度は、素材や粒子の大きさによって異なるが、一般には600℃〜2,000℃、好ましくは800〜1,500℃、特に好ましくは900〜1,400℃である。焼成前後に、薬液等による洗浄などの処理を施しても構わない。また、成形した多孔質基材に、ディップコーティング等の方法で、細かい粒子でコーティングして多孔質支持体の細孔径を制御したり、ゼオライト結晶粒子層との親和性を制御したり、あるいは表面荒さを制御したりすることも好ましく行なわれる。このようなコーティング等による層を中間層というが、この中間層を1層以上設けることは、好ましく行なわれる。
【0047】
多孔質基材の細孔径が大きすぎると、ゼオライト結晶粒子層やゼオライト膜が膜化せず穴が生じたり、あるいは多孔質支持体の細孔の中にゼオライト結晶を含むスラリー、ゾル、または溶液やゼオライト原料溶液が浸透しすぎて、最終的にゼオライト層によって多孔質支持体の穴が塞がってしまう、つまり、ガスがゼオライト層中を透過する距離が長くなりすぎるため、十分なガス透過量が得られないという欠点が生じることがある。そのため多孔質支持体の平均細孔径は、10μm以下が好ましく、更に好ましくは5μm以下、更に好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μm未満である。このように細孔径を制御する意味でも上記の中間層は好ましく利用される。平均細孔径の下限は、透過させる分子の大きさによって異なり特定できないが、所望分子の透過性の観点からは、0.01μm以上の平均細孔径があった方がよい。先述のコーティング方法、すなわち本発明の第一工程の方法は、支持体の細孔径によらず比較的均一に基材表面にゼオライト結晶をコーティングできるのが特徴である。
【0048】
また、多孔質基材の平均細孔径は通常水銀ポロシメーターを用いて測定することができる。簡便的には、中間層を構成しているセラミックス粒子の大きさが均一であれば、その粒子の大きさを平均細孔径といっても大差はない。
【0049】
本発明のゼオライト膜の製造法において、第一の工程で生成されるゼオライト結晶粒子層は、多孔質支持体のどの部分に形成されても構わない。機能層は、多孔質支持体の片面もしくは両表面、または内部、あるいは表面と内部の両方に形成することができる。ゼオライト層を形成する場合、ゼオライト結晶粒子層の膜厚の制御の点においては、多孔質基材の表面にコーティングすることが好ましく、ゼオライト層の強度の点では多孔質支持体の内部に形成するか表面に薄く、好ましくは1μm以下に、コーティングすることが好ましい。また、チューブ状の多孔質支持体においては、その内側にコーティングしても、外側にコーティングしても構わない。モノリス状やハニカム状の多孔質基材の場合も、何処に機能層を設けても構わないが、これらの場合は、内側にコーティングした方が表面積が大きくできるので好ましい。
【0050】
本発明の第二工程では、基材上にゼオライトの結晶粒子層を設けた後、ゼオライト前駆体と接触させる。ゼオライト前駆体と接触させる前に、ゼオライト結晶粒子が塗布された基材を焼成や洗浄してもかまわない。基材に染み込ませた液の影響を避けるため、ゼオライト膜製造前には焼成することが好ましい。焼成する場合は、昇温速度は遅いほうが好ましい。最適な昇温速度は、ゼオライト結晶粒子層の厚さによって異なり、薄ければ薄いほど高い昇温速度に耐えることができる。1μm以下の薄いゼオライト結晶粒子層であれば、10℃/分程度の速い昇温速度でもゼオライト結晶粒子層に大きな亀裂は生じない。余り高い温度で焼成すると、基材とゼオライト結晶粒子層の膨張率の違いで亀裂が入ることがある。また、ゼオライト構造が破壊されることがある。そのため、好ましくは700℃以下、更に好ましくは600℃以下である。
【0051】
ゼオライト前駆体を接触させる方法は、特に限定されないが、基材をゼオライト前駆体に含浸する方法、ゼオライト前駆体を基材に滴下する方法、スプレーコートする方法、スピンコートする方法、ブレードコートする方法、ロールコートする方法が例として挙げられる。本発明では、ゼオライト前駆体と接触させる前にゼオライト結晶が、密に敷き詰められているのでそれらの結晶を結晶成長させて結晶間の隙間を埋め、緻密化させれば良い。従って、予めコーティングされたゼオライト結晶粒子層の結晶間にゼオライト前駆体がしみこみさえすれば、いかなる方法でも採用できる。ゼオライト前駆体とは、一定時間加熱するなどしてゼオライトになりうる混合物であり、シリカ源、アルカリ源、有機テンプレート、水等が含まれたものである。必要に応じてアルミナ源等も含まれる。ここで必須のものはシリカ源と水でありその他のものは作るゼオライトの種類により異なる。
【0052】
以下に、シリカ源、アルカリ源、有機テンプレート、アルミナ源の例を示すがこれに限定されるものではない。
【0053】
シリカ源としては、テトラエチルオルソシリケート、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、水ガラス、沈降シリカ、シリコンアルコキシド等が使われる。テトラエチルオルソシリケートは、シリコンアルコキシドの一つであり、ゼオライト合成のシリカ源に好んで用いられる。コロイダルシリカは、数nmから数百nmのシリカ粒子がコロイド状に浮遊した液のことをいう。ヒュームドシリカはサーマルシリカとも言われ、粒径数nmから数μmのシリカ粒子のことをいう。アルカリ源は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などである。
【0054】
有機テンプレートは、ゼオライトの孔を構築する有機化合物の型剤であり、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩やクラウンエーテル、アルコールなどが用いられる。
【0055】
アルミナ源は、結晶性アルミノシリケートゼオライトを作るときに必要である。例えば、水和アルミナであるベーマイト、擬ベーマイト、または硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等のアルミニウム塩、または水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムアルコキシド等が使用できる。本発明で用いるアルミニウム源は特に限定されるものではないが、ベーマイト、および擬ベーマイトが好んで用いられる。ここで言うベーマイトとは、AlO(OH)で表される水酸化アルミナのことである。これは水酸化アルミニウム(Al(OH))を150〜375℃で熱水処理することにより得られる。この熱水処理時の水蒸気処理温度や水蒸気濃度により、他の構造を有する水酸化アルミナが混入する。それらを擬ベーマイトという。市販品では、コンデア社のPural等が知られている。
【0056】
本発明の第三工程では、ゼオライト前駆体を結晶化させる。その方法は、前駆体に基材を含浸し水熱処理する方法(水熱処理法)(例:特開平7−109116号公報)、前駆体を基材表面にコーティングしたあと乾燥し、その後水蒸気や有機アミン蒸気で処理する方法(水蒸気法)(例:特開平7−89714号公報)などが挙げられる。水蒸気法は必要な量の前駆体だけを、支持体上に、コーティングできるため廃液が少なくなる長所があり好ましく、水熱処理法は緻密な膜を作るのが容易であるという点で好ましい。結晶化の温度は特に限定されないが、80〜200℃が好ましい。本発明方法は、あらかじめゼオライト結晶が密に敷き詰められており、それを少し結晶成長させて緻密化するため、通常のゼオライトの結晶化より、低温かつ短時間で結晶化できる。いずれの場合も、100℃より温度が高くなる場合は、加圧条件になるので、圧力容器を用いる。
【0057】
本発明のゼオライト膜の製法における3つの工程は何回繰り返しても構わない。2回以上繰り返すとゼオライト膜はより緻密になり好ましい。
【0058】
本発明にあるゼオライト膜とは、ゼオライト結晶が膜状に成長したものであり、実質的に結晶と結晶の粒界が無いものを言う。結晶同士がお互いに結晶内成長した形態を有し、その結晶内成長が支持体上に連続的に繋がっているものである。支持体上に粒界、ピンホールなどが存在すると、透過選択性が低下するため好ましくない。そのため、実質的に粒界が無いとは、例えば、水素と六フッ化硫黄のシングルガス透過率を比較したときに、クヌッセン拡散以上の透過率比を示すものを言う。
【0059】
ゼオライト膜は、生成した後、水洗、乾燥、焼成等の処理を加えても良い。ゼオライト膜が形成したかどうかは、薄膜用のX線回折装置を用いて確認できる。生成したゼオライト膜を焼成する場合は、生成したゼオライト膜に、亀裂を発生させないために、なるべく時間をかけて昇温する。好ましくはその昇温速度は3℃/min以下、更に好ましくは2℃/min以下、特に好ましくは1℃/min以下で昇温する。勿論、降温速度も低い方が良い。好ましくはその降温速度は5℃/min以下、更に好ましくは3℃/min以下、特に好ましくは2℃/min以下で降温する。焼成温度は、一般には150〜600℃程度である。
【0060】
ゼオライトは、イオン交換点を持つことがあるが、イオン交換点に交換されているカチオンに特に制限はない。例えば、H,Li,Na,K,Rb,Cs,Ca2+,Mg2+,Ba2+,Ag,Cu2+,Cu,Ni2+,La3+等あらゆるカチオンを交換することができ、何がイオン交換点に入っていても良い。
【0061】
また、生成したゼオライト膜には、焼成やイオン交換以外にシランカップリング剤やアルコキシシランなど処理を行っても良い。シラン化合物以外にチタン化合物などを用いても良い。
【0062】
また、本発明におけるゼオライトの構造は、いかなるタイプの物でも良いが、コーティングするゼオライト結晶の安定性から、MFI型であるゼオライトが好ましい。構造がMFI型であれば、そのSiO/Al比は特に限定されない。 例えば、親水性物質中から疎水性物質を分離する用途に対しては、SiO/Al比が無限大であるシリカライトが好んで用いられる。また、先述のようにイオン交換点に金属イオンを導入し、分離対象物との親和性を制御する目的のためには、SiO/Al比が20から200程度のイオン交換点を有するZSM−5が好んで用いられる。
【0063】
また本発明におけるゼオライト製造方法によって得られるゼオライト膜は、その結晶成長方法によっては下記の特徴を示す。
【0064】
すなわち本発明は、「20℃で測定した水素ガス透過率が2×10−6mol/msPa以上であり、20℃で測定した六フッ化硫黄ガス透過率が水素ガス透過率の1/20以下であることを特徴とするゼオライト膜」、「20℃で測定した水素ガス透過率と窒素ガス透過率の比(H/N)が2.5以下であり、水素ガス透過率と六フッ化硫黄ガス透過率の比(H/SF)が20以上であることを特徴とするゼオライト膜」、および「ゼオライトをコーティングした面に対し、X線源にCuKαを用い(波長0.154nm)、入射角を3度に固定し、スキャン速度を2θ4度/分で平行光学系でX線回折測定したときに、その回折パターンにおいて、2θ=7.3〜8.2度内の最大ピークのピーク強度をa、2θ=8.5〜9.1度内の最大ピークのピーク強度をb、2θ=13.0〜14.2度内の最大ピークのピーク強度をcとしたときに、次の(1)と(2)を満たすことを特徴とするMFI型ゼオライト膜
(1)b/a>8
(2)b/c>4」に関する。
【0065】
本発明におけるガス透過率F(mol/msPa)とは、20℃でゼオライト膜を透過するシングルガスの透過速度v(mol/s)を測定し、測定時のゼオライト膜前後の差圧P(Pa)とゼオライト膜の面積S(m)より、下式によって求まる。
【0066】
F(mol/msPa)=v(mol/s)/{P(Pa)・S(m)}
ガス透過率測定時の差圧は、透過速度の測定誤差が少なくなるように設定するのが好ましく、具体的には100kPa前後が好ましい。
【0067】
本発明におけるゼオライト膜の基材は、20℃で測定した水素ガス透過率が1×10−5mol/msPa以上であることが好ましく、さらに好ましくは5×10−5mol/msPa以上であることが好ましい。
【0068】
本発明におけるゼオライト膜は、20℃で測定した水素ガス透過率、窒素ガス透過率、六フッ化硫黄ガス透過率およびこれらのガスの選択性に特徴のあるものである。具体的には、水素ガス透過率は2×10−6mol/msPa以上であることが好ましく、さらに好ましくは3×10−6mol/msPa以上であることが好ましい。特に、本発明におけるコーティング方法を用いて透過分離膜を作成する場合には、10×10−6mol/msPa以上であることが好ましい。また、六フッ化硫黄ガス透過率は、水素ガス透過率の20分の1以下であることが好ましく、さらに好ましくは30分の1以下であることが好ましい。
【0069】
また、窒素ガス透過率は水素ガス透過率の5分の2以上であることが好ましく、さらに好ましくは2分の1以上であることが好ましい。
【0070】
また、本発明におけるゼオライト膜は配向しているのが特徴である。配向しているかどうかは、薄膜X線回折により判断できる。具体的には、ゼオライトをコーティングした面に対し、X線源にCuKαを用い(波長0.154nm)、入射角を3度に固定し、スキャン速度を2θ4度/分で平行光学系でX線回折測定する。このようにして測定したX線回折パターンのそれぞれのピーク強度比が同じゼオライト種の粉末X線回折パターンと異なるとき配向していると判断できる。具体的には、MFI型ゼオライトの場合、その回折パターンにおいて、2θ=7.3〜8.2度内の最大ピークのピーク強度をa、2θ=8.5〜9.1度内の最大ピークのピーク強度をb、2θ=13.0〜14.2度内の最大ピークのピーク強度をcとしたときに、b/aのピーク強度比が8より大きく、ピーク強度比b/cが4より大きいことが好ましく、さらに好ましくはピーク強度比b/aが10以上であることが好ましく、さらに好ましくはピーク強度比b/aが20以上であることが好ましい。
【0071】
なお、特表平10−506363号公報、特表平10−502609号公報にc軸配向性のゼオライト膜が開示されているが、本発明の膜はb軸配向性の膜であり、特表平10−502609号公報に示されている方法では、ピーク強度比b/aが8以上のものは得られていない。
【0072】
先述の発明方法で製造されたゼオライト膜は、結晶粒界が非常に少なく、脱気膜や分離膜として非常に有用である。脱気膜とは、容器中で内容物が分解し発生したガスを抜いたり、液中にとけ込んだ気体成分を抜いたりする膜である。ゼオライトは疎水性ゼオライトと親水性ゼオライトが存在する。結晶性アルミノシリケート系ゼオライトの場合、シリカ/アルミナモル比が高いと疎水性細孔を有し、親水性蒸気や、液体の存在下での脱気に適している。疎水性ゼオライトの代表例は、シリカ成分だけでできたシリカライトである。使用例としては、水中の溶存酸素の脱気や、アルミ電解コンデンサーの水素透過膜である。アルミ電解コンデンサーは、使用中に水素が発生するが、水素が蓄積すると内圧上昇によりやがて爆発に至る。電解液成分の透過を抑え水素のみを透過する脱気膜が、この問題を解消する。
【0073】
分離膜は、2成分以上の成分を含む気体又は液体混合物の組成比を膜の透過前後で変える膜である。透過前後で組成比が変わることを利用して2成分を分離することができる。従って、本発明は、先述の製造方法で作製されたゼオライト膜を用いた物質の分離方法も含む。具体的には、酸素と窒素の分離、水素と空気の分離、二酸化炭素と空気の分離、水とエタノールの分離、芳香族炭化水素の異性体分離等が挙げられるがこの限りではない。芳香族炭化水素としては、キシレン、エチルベンゼン、クロロトルエン等が挙げられるがこの限りではない。分離のためには、ゼオライト膜を物質が透過する必要がある。透過の駆動力は、一般的には圧力差、濃度差である。分離の方法は、公知のいかなる方法も利用できるが、液体の場合は、パーベーパレーション法、逆浸透法等の方法が採用できる。気体の場合は、ガス供給側とガス透過側の圧力差を付けることによって分離することができる。通常、分離する場合、表面積を大きくするためにモジュール化する。モジュール化は、通常セラミックス膜に用いられているようなモジュール化の方法が適用できる。
【0074】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を持って説明するが、本発明は、これらによって規定されるものではない。
【0075】
(実施例1)[シリカライト膜合成用種結晶の合成(種結晶1)]
20gのテトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド(TPAOH)の20〜25%水溶液(東京化成社製20〜25%水溶液)に、0.28gの水酸化ナトリウム(片山化学社製試薬1級)を添加して攪拌した。それにさらに、5gのヒュームドシリカ(アルドリッチ)を添加し、80℃に加熱し透明な水溶液を得た。これをポリ4フッ化エチレン・ラインのオートクレーブに入れ、125℃で8時間加熱したところ、MFI型のシリカライトの微粒子(平均粒径約80nm)が分散したゾルが得られた。
【0076】
(実施例2)[MFI型ゼオライト結晶の合成(種結晶2)]
和光純薬工業社製特級のテトラエチルオルソシリケート(TEOS)2.8gと和光純薬工業社製特級のトリエチルアミン2.7gを蒸留水48.8gに加え、室温で3時間攪拌し、透明溶液を得た。ここへ、和光純薬工業社製特級のテトラプロピルアンモニウムブロマイド(TPABr)5.8gを加え、90℃で3時間還流し、透明溶液を得た。得られた透明溶液をオートクレーブに入れ、130℃で12時間水熱合成した。オートクレーブから取り出し、水洗した。X線回折の結果、MFI型ゼオライトに起因するピークのみを示した。また、SEM観察の結果、MFI型ゼオライトに典型的なコフィン型が見られた。(a軸長:1μm、b軸長:500nm、c軸長:2μm)
(実施例3)[MFI型ゼオライト結晶の合成(種結晶3)]
テトラプロピルアンモニウムブロマイド(TPABr)を22.5g用いた他は実施例2と同様の操作を行った。X線回折の結果、MFI型ゼオライトに起因するピークのみを示した。また、SEM観察の結果、MFI型ゼオライトに典型的なコフィン型が見られた。(a軸長:700nm、b軸長:400nm、c軸長:1μm)
(実施例4)[ゼオライト結晶粒子の多孔質支持体へのコーティング(1)]蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを1g加えた。(pH=12.8)ここへ、実施例1で合成したMFI型ゼオライトゾル(種結晶1)をゼオライト重量%濃度が0.05wt%になるように加え、見かけ上均一な溶液を調製した。
【0077】
ノリタケカンパニーリミテド製α−アルミナ円板(直径18.5mm、厚さ3mm、2層構造(粒径700nm:2.95mm厚、粒径60nm:0.05mm厚)を粒径60nmのアルミナがコーティングされた面を上にしてシャーレの中に敷いたろ紙に乗せ、支持体上に水を滴下し、支持体表面から支持体内部に水が染み込み、表面からその液滴が消失するまで放置した。次に、MFI型ゼオライトゾルの均一溶液を数滴滴下した。そのままシャーレを30℃の超音波洗浄器(BRANSON社製 MODEL−B12  100V、40W)上に浮かべ、ろ紙に水を含ませながら超音波振動を与えた。そのまま支持体表面から液滴が消失するまで待ち、風乾した後、空気中で600℃で2時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0078】
得られたゼオライト結晶粒子層の表面を電解放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察したところ、支持体表面はゼオライト結晶で埋められており、支持体は表面から観察できなかった。また、薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=4.0、b/c=13.0であり、粉末シリカライトのX線回折から得られる値(b/a=0.5、b/c=7.1)から外れており、配向していることが分かる。
【0079】
(比較例1)
ノリタケカンパニーリミテド製α−アルミナ円板(直径18.5mm、厚さ3mm、2層構造(粒径700nm:2.95mm厚、粒径60nm:0.05mm厚)を粒径60nmのアルミナがコーティングされた面を上にしてペーパータオルに乗せた。支持体上に水を滴下し、支持体表面から支持体内部に水が染み込み、表面からその液滴が消失するまで放置した。また、実施例1で合成したゾル(種結晶1)に水を加えて0.05wt%溶液とした(pH=8)。支持体上にこのゾル0.24gをなるべく均一に滴下して、放置した。そのまま風乾した後、空気中で600℃で2時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0080】
得られたゼオライト結晶粒子層の表面を電解放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察したところ、支持体表面はゼオライト結晶で埋められており、支持体は表面から観察できなかったが、亀裂も見られた。また、薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=0.5、b/c=8.5であり、粉末シリカライトのX線回折から得られる値とほぼ同様の値を示した。
【0081】
(実施例5)[ゼオライト結晶粒子の多孔質支持体へのコーティング(2)]蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを1g加えた。(pH=12.8)ここへ、実施例2で合成したMFI型ゼオライト結晶(種結晶2)をゼオライト重量%濃度が0.15wt%になるように加え、白色懸濁液を調製した。
【0082】
ノリタケカンパニーリミテド製α−アルミナ円板(直径18.5mm、厚さ3mm、2層構造(粒径700nm:2.95mm厚、粒径60nm:0.05mm厚)を粒径60nmのアルミナがコーティングされた面を上にしてシャーレの中に敷いたろ紙に乗せ、支持体上に水を滴下し、支持体表面から支持体内部に水が染み込み、表面からその液滴が消失するまで放置した。次に、MFI型ゼオライト結晶の懸濁液を数滴滴下した。そのままシャーレを30℃の超音波洗浄器上に浮かべ、ろ紙に水を含ませながら超音波振動を与えた。そのまま支持体表面から液滴が消失するまで待ち、風乾した後、空気中で600℃で2時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0083】
得られたゼオライト結晶粒子層の表面を電解放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した写真を図2に示す。また、薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=328、b/c=530であり、配向していることが分かる。
【0084】
(比較例2)
ノリタケカンパニーリミテド製α−アルミナ円板(直径18.5mm、厚さ3mm、2層構造(粒径700nm:2.95mm厚、粒径60nm:0.05mm厚)を粒径60nmのアルミナがコーティングされた面を上にしてペーパータオルに乗せた。支持体上に水を滴下し、支持体表面から支持体内部に水が染み込み、表面からその液滴が消失するまで放置した。また、実施例2で合成したMFI型ゼオライト結晶(種結晶2)に水を加えて0.15wt%懸濁液とした(pH=8)。支持体上にこの懸濁液を数滴滴下して、放置した。そのまま風乾した後、空気中で600℃で2時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0085】
得られたゼオライト結晶粒子層の表面を電解放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した写真を図3に示す。また、薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=1.1、b/c=8.5であり、配向性が低いことが分かる。
【0086】
(実施例6)[ゼオライト結晶粒子の多孔質支持体へのコーティング(3)]蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを1g加えた。(pH=12.8)ここへ、実施例3で合成したMFI型ゼオライト結晶(種結晶3)をゼオライト重量%濃度が0.15wt%になるように加え、白色懸濁液を調製した。
【0087】
ノリタケカンパニーリミテド製α−アルミナ円板(直径18.5mm、厚さ3mm、2層構造(粒径700nm:2.95mm厚、粒径60nm:0.05mm厚)を粒径60nmのアルミナがコーティングされた面を上にしてシャーレの中に敷いたろ紙に乗せ、支持体上に水を滴下し、支持体表面から支持体内部に水が染み込み、表面からその液滴が消失するまで放置した。次に、MFI型ゼオライト結晶の懸濁液を数滴滴下した。そのままシャーレを30℃の超音波洗浄器上に浮かべ、ろ紙に水を含ませながら超音波振動を与えた。そのまま支持体表面から液滴が消失するまで待ち、風乾した後、空気中で600℃で2時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0088】
得られたゼオライト結晶粒子層の薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=205、b/c=500であり、配向していることが分かる。
【0089】
(実施例7)[ゼオライト結晶粒子の多孔質支持体へのコーティング(4)]蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを1g加えた。(pH=12.8)ここへ、実施例2で合成したMFI型ゼオライト結晶(種結晶2)をゼオライト重量%濃度が0.15wt%になるように加え、白色懸濁液を調製した。
【0090】
ノリタケカンパニーリミテド製α−アルミナ円板(直径18.5mm、厚さ3mm、2層構造(粒径700nm:2.95mm厚、粒径60nm:0.05mm厚)を粒径60nmのアルミナがコーティングされた面を上にしてシャーレの中に敷いたろ紙に乗せ、支持体上に水を滴下し、支持体表面から支持体内部に水が染み込み、表面からその液滴が消失するまで放置した。次に、MFI型ゼオライト結晶の懸濁液を数滴滴下した。そのままシャーレを60℃の乾燥器内に入れ、そのまま支持体表面から液滴が消失するまで待ち、その後、空気中で600℃で2時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0091】
得られたゼオライト結晶粒子層の薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=220、b/c=250であり、配向していることが分かる。
【0092】
(実施例8)[ゼオライト結晶粒子の多孔質支持体へのコーティング(5)]蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを1g加えた。(pH=12.8)ここへ、実施例2で合成したMFI型ゼオライト結晶(種結晶2)をゼオライト重量%濃度が0.15wt%になるように加え、白色懸濁液を調製した。
【0093】
ノリタケカンパニーリミテド製α−アルミナ円板(直径18.5mm、厚さ3mm、2層構造(粒径700nm:2.95mm厚、粒径60nm:0.05mm厚)を粒径60nmのアルミナがコーティングされた面を上にしてペーパータオルに乗せた。次に、MFI型ゼオライト結晶の懸濁液を数滴滴下し、支持体表面から支持体内部に水が染み込み、表面からその液滴が消失するまで待ち、風乾した後、空気中で600℃で2時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0094】
得られたゼオライト結晶粒子層の薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=66、b/c=200であり、配向していることが分かる。
【0095】
(実施例9)[ゼオライト結晶粒子の多孔質支持体へのコーティング(6)]蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを加え、pH=10になるように調整した。ここへ、実施例2で合成したMFI型ゼオライト結晶(種結晶2)をゼオライト重量%濃度が0.15wt%になるように加え、白色懸濁液を調製した。
【0096】
ノリタケカンパニーリミテド製α−アルミナ円板(直径18.5mm、厚さ3mm、2層構造(粒径700nm:2.95mm厚、粒径60nm:0.05mm厚)を粒径60nmのアルミナがコーティングされた面を上にしてシャーレの中に敷いたろ紙に乗せ、支持体上に水を滴下し、支持体表面から支持体内部に水が染み込み、表面からその液滴が消失するまで放置した。次に、MFI型ゼオライト結晶の懸濁液を数滴滴下した。そのままシャーレを30℃の超音波洗浄器上に浮かべ、ろ紙に水を含ませながら超音波振動を与えた。そのまま支持体表面から液滴が消失するまで待ち、風乾した後、空気中で600℃で2時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0097】
得られたゼオライト結晶粒子層の薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=10、b/c=70であり、配向していることが分かる。
【0098】
実施例1〜9,比較例1,2の薄膜X線回折測定の結果を表1にまとめる。
【0099】
【表1】
Figure 2004002160
【0100】
(実施例10)[ゼオライト結晶粒子のガラス支持体へのコーティング]
蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを1g加えた。(pH=12.8)ここへ、実施例2で合成したMFI型ゼオライト結晶(種結晶2)をゼオライト重量%濃度が0.15wt%になるように加え、白色懸濁液を調製した。
【0101】
ガラス支持体(スライドガラスを20mm角に切断したもの)をシャーレの中に敷いたろ紙に乗せ、MFI型ゼオライト結晶の懸濁液を数滴滴下した。そのままシャーレを60℃の乾燥器内に入れ、支持体表面から液滴が消失するまで待ち、風乾した後、空気中で400℃で4時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0102】
得られたゼオライト結晶粒子層の薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=46、b/c=80であり、配向していることが分かる。
【0103】
(実施例11)[ゼオライト結晶粒子の多孔質支持体へのコーティング(7)]
蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを加え、pH=12になるように調整した。ここへ、実施例2で合成したMFI型ゼオライト結晶(種結晶2)をゼオライト重量%濃度が0.15wt%になるように加え、白色懸濁液を調製した。
【0104】
直径18.5mmで厚さ3mmのα−アルミナ円板(日本碍子社製のセラミックス膜(100mmX100mmX3mm)3層構造(粒径50μm:2.87mm厚、粒径1μm:0.08mm厚、粒径200nm:0.05mm厚)をこの大きさに切断したもの:平均細孔径は0.1μm)を微粒子のアルミナがコーティングされた面を上にしてシャーレの中に敷いたろ紙に乗せ、支持体上に水を滴下し、支持体表面から支持体内部に水が染み込み、表面からその液滴が消失するまで放置した。次に、MFI型ゼオライト結晶の懸濁液を数滴滴下した。そのままシャーレを30℃の超音波洗浄器上に浮かべ、ろ紙に水を含ませながら超音波振動を与えた。そのまま支持体表面から液滴が消失するまで待ち、風乾した後、空気中で600℃で2時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0105】
得られたゼオライト結晶粒子層の薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=61、b/c=130であり、配向していることが分かる。
【0106】
(実施例12)[ゼオライト結晶粒子の多孔質支持体へのコーティング(8)]
蒸留水100mlに東京化成製テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを加え、pH=12になるように調整した。ここへ、実施例3で合成したMFI型ゼオライト結晶(種結晶3)をゼオライト重量%濃度が0.15wt%になるように加え、白色懸濁液を調製した。
【0107】
直径18.5mmで厚さ3mmのα−アルミナ円板(日本碍子社製のセラミックス膜(100mmX100mmX3mm)3層構造(粒径50μm:2.87mm厚、粒径1μm:0.08mm厚、粒径200nm:0.05mm厚)をこの大きさに切断したもの:平均細孔径は0.1μm)を微粒子のアルミナがコーティングされた面を上にしてシャーレの中に敷いたろ紙に乗せ、支持体上に水を滴下し、支持体表面から支持体内部に水が染み込み、表面からその液滴が消失するまで放置した。次に、MFI型ゼオライト結晶の懸濁液を数滴滴下した。そのままシャーレを30℃の超音波洗浄器上に浮かべ、ろ紙に水を含ませながら超音波振動を与えた。そのまま支持体表面から液滴が消失するまで待ち、風乾した後、空気中で600℃で2時間焼成し、ゼオライト結晶粒子がコートされた支持体を得た。
【0108】
得られたゼオライト結晶粒子層の薄膜X線回折測定の結果、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=26、b/c=92であり、配向していることが分かる。
【0109】
(実施例13)[水熱合成法によるシリカライト膜の製造(1)]
テフロン(登録商標)ラインされた内容積50ccのオートクレーブに10 SiO : TPAOH(テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド) : 1000HOの組成のゾル約30gを入れた。なお、SiO2源にはLudox HS−40(Du Pont製)を用いた。そのゾル中に実施例5で得られたゼオライト結晶粒子がコートされた多孔質支持体を浸し、オートクレーブを密封した。オートクレーブを120℃のオーブンに入れ、48時間加熱した。オートクレーブ開封後、支持体を取り出し、水洗、乾燥後、450℃で24時間焼成した。なお、焼成時の昇温速度を、0.3℃/min.とし、降温速度を0.6℃/min.とした。X線回折と電子顕微鏡観察の結果、多孔質支持体上に、シリカライトの薄膜が形成していることを確認した。なお、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=28、b/c=420であり、配向していることが分かる。
【0110】
(実施例14)[水蒸気法によるシリカライト膜の製造]
実施例6で得られたゼオライト結晶粒子がコートされた多孔質支持体のシリカライト粒子がコーティングされた面を上側にして、40 SiO2 : 12 TPAOH(テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド) : 430H2Oの組成のゾル約20gの中に20分間浸した。なお、SiO2源にはLudox HS−40(Du Pont製)を用いた。支持体を取り出し、支持体表面に過剰に付着したゾルが下に垂れ落ちるまで待ち、乾燥空気下で24時間放置した。これを120℃で24時間、水蒸気に曝した。乾燥後、550℃で24時間焼成した。なお、焼成時の昇温速度を、0.6℃/min.とし、降温速度を1.2℃/min.とした。X線回折と電子顕微鏡観察の結果、多孔質支持体上に、シリカライトの薄膜が形成していることを確認した。なお、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=43、b/c=113であり、配向していることが分かる。
【0111】
(実施例15)[水熱合成法によるシリカライト膜の製造(2)]
テフロン(登録商標)ラインされた内容積50ccのオートクレーブにSiO :0.03TPAOH(テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド): 200HOの組成のゾル約30gを入れた。なお、SiO2源にはLudox HS−40(Du Pont製)を用いた。そのゾル中に実施例6と同様の方法で得られたゼオライト結晶粒子がコートされた多孔質支持体を浸し、オートクレーブを密封した。オートクレーブを120℃のオーブンに入れ、12時間加熱した。オートクレーブ開封後、支持体を取り出し、水洗、乾燥後、450℃で24時間焼成した。なお、焼成時の昇温速度を、0.3℃/min.とし、降温速度を0.6℃/min.とした。X線回折と電子顕微鏡観察の結果、多孔質支持体上に、シリカライトの薄膜が形成していることを確認した。なお、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=58、b/c=118であり、配向していることが分かる。
【0112】
(実施例16)[水熱合成法によるシリカライト膜の製造(3)]
テフロン(登録商標)ラインされた内容積50ccのオートクレーブにSiO :0.03TPAOH(テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド): 200HOの組成のゾル約30gを入れた。なお、SiO2源にはLudox HS−40(Du Pont製)を用いた。そのゾル中に実施例11で得られたゼオライト結晶粒子がコートされた多孔質支持体を浸し、オートクレーブを密封した。オートクレーブを120℃のオーブンに入れ、7時間加熱した。オートクレーブ開封後、支持体を取り出し、水洗、乾燥後、450℃で24時間焼成した。なお、焼成時の昇温速度を、0.3℃/min.とし、降温速度を0.6℃/min.とした。X線回折と電子顕微鏡観察の結果、多孔質支持体上に、シリカライトの薄膜が形成していることを確認した。なお、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=59、b/c=373であり、配向していることが分かる。
【0113】
(実施例17)[水熱合成法によるシリカライト膜の製造(4)]
テフロン(登録商標)ラインされた内容積50ccのオートクレーブにSiO :0.03TPAOH(テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド): 200HOの組成のゾル約30gを入れた。なお、SiO2源にはLudox HS−40(Du Pont製)を用いた。そのゾル中に実施例12で得られたゼオライト結晶粒子がコートされた多孔質支持体を浸し、オートクレーブを密封した。オートクレーブを120℃のオーブンに入れ、7時間加熱した。オートクレーブ開封後、支持体を取り出し、水洗、乾燥後、450℃で24時間焼成した。なお、焼成時の昇温速度を、0.3℃/min.とし、降温速度を0.6℃/min.とした。X線回折と電子顕微鏡観察の結果、多孔質支持体上に、シリカライトの薄膜が形成していることを確認した。なお、2θ=7.3〜8.2°内の最大ピーク強度:a(cps)、2θ=8.5〜9.1°内の最大ピーク強度:b(cps)、2θ=13.0〜14.2°内の最大ピーク強度:c(cps)の比率は、b/a=23、b/c=73であり、配向していることが分かる。
【0114】
(実施例18)[透過測定用セルの作成]
本装置を図4を用いて説明する。この装置は、ステンレス鋼製で、ガス供給口からガスを供給する。透過膜は、弾性体であるシリコーンゴムを介して固定されており、透過膜のゼオライト層を有する面がガス供給口に示すガス側を向いている。シリコーンゴムと透過膜の隙間からガスが漏れることを防ぐために、透過膜のゼオライト層を有する面とは反対側の面は、ステンレス鋼製の金具で押さえつけられている。また、この金具は、Oリングで固定されているため、透過膜を透過後のガスが、透過ガス出口以外から漏れ出ることがない。
【0115】
(実施例19)[透過測定用セルを用いたシングルガス透過率の測定(1)]
実施例18に示した装置を用いて、実施例13で作製したシリカライト膜の水素ガス、窒素ガス、および六フッ化硫黄ガスの透過速度を測定した。透過装置を20℃の雰囲気下に設置し、装置のガス供給側、および透過下流側を真空ポンプに接続し、約30分間減圧した。真空ポンプを止めた後、ガス供給側に2気圧の水素を供給し、膜を透過した水素ガス量を石鹸膜流量計で測定したところ、水素透過率は3.02×10−6(mol/msPa)であった。次に、再び装置のガス供給側、および透過下流側を真空ポンプに接続し、約30分間減圧した。真空ポンプを止めた後、ガス供給側に2気圧の窒素を供給し、膜を透過した窒素ガス量を石鹸膜流量計で測定したところ、1.89×10−6(mol/msPa)であった。再び装置のガス供給側、および透過下流側を真空ポンプに接続し、約30分間減圧した。真空ポンプを止めた後、ガス供給側に2気圧の六フッ化硫黄を供給し、膜を透過した六フッ化硫黄ガス量を石鹸膜流量計で測定したところ、5.9×10−8(mol/msPa)であった。水素と窒素のシングルガス透過率の比αH2/N2は1.6であり、水素と六フッ化硫黄ガスのシングルガス透過率の比αH2/SF6は51であった。また、基材として用いたα−アルミナ円板の水素透過率を同様に測定したところ、1.1×10−5(mol/msPa)であった。
【0116】
(実施例20)[透過測定用セルを用いたシングルガス透過率の測定(2)]
実施例14で作製したシリカライト膜を用いた他は、実施例19と同様の測定を行った。水素ガス透過率は2.58×10−6(mol/msPa)であり、窒素ガス透過率は1.35×10−6(mol/msPa)、六フッ化硫黄ガス透過率は8.3×10−8(mol/msPa)、であった。水素と窒素のシングルガス透過率の比αH2/N2は1.9であり、水素と六フッ化硫黄ガスのシングルガス透過率の比αH2/SF6は31であった。
【0117】
(実施例21)[透過測定用セルを用いたシングルガス透過率の測定(3)]
実施例15で作製したシリカライト膜を用いた他は、実施例19と同様の測定を行った。水素ガス透過率は5.53×10−6(mol/msPa)であり、窒素ガス透過率は2.52×10−6(mol/msPa)、六フッ化硫黄ガス透過率は2.2×10−7(mol/msPa)、であった。水素と窒素のシングルガス透過率の比αH2/N2は2.2であり、水素と六フッ化硫黄ガスのシングルガス透過率の比αH2/SF6は26であった。
【0118】
(実施例22)[透過測定用セルを用いたシングルガス透過率の測定(4)]
実施例16で作製したシリカライト膜を用いた他は、実施例19と同様の測定を行った。水素ガス透過率は1.65×10−5(mol/msPa)であり、窒素ガス透過率は1.04×10−5(mol/msPa)、六フッ化硫黄ガス透過率は6.23×10−7(mol/msPa)、であった。水素と窒素のシングルガス透過率の比αH2/N2は1.6であり、水素と六フッ化硫黄ガスのシングルガス透過率の比αH2/SF6は27であった。また、基材として用いたα−アルミナ円板の水素透過率を同様に測定したところ、8.5×10−5(mol/msPa)であった。
【0119】
(実施例23)[透過測定用セルを用いたシングルガス透過率の測定(5)]
実施例17で作製したシリカライト膜を用いた他は、実施例19と同様の測定を行った。水素ガス透過率は1.52×10−5(mol/msPa)であり、窒素ガス透過率は1.04×10−5(mol/msPa)、六フッ化硫黄ガス透過率は3.22×10−7(mol/msPa)、であった。水素と窒素のシングルガス透過率の比αH2/N2は1.5であり、水素と六フッ化硫黄ガスのシングルガス透過率の比αH2/SF6は47であった。
【0120】
(実施例24)[分離実験]
本実施例に用いる装置を図5を用いて説明する。この装置は、ステンレス鋼製で、ガス供給口からガスを供給する。透過膜は、弾性体であるシリコーンゴムを介して固定されており、ゼオライト膜のゼオライト層を有する面がガス供給口に示すガス側を向いている。シリコーンゴムとゼオライト膜の隙間からガスが漏れることを防ぐために、透過膜のゼオライト層を有する面とは反対側の面は、ステンレス鋼製の金具で押さえつけられている。また、この金具は、Oリングで固定されているため、透過膜を透過後のガスが、透過ガス出口以外から漏れ出ることがない。また、膜に供給されたガスは、ガスが膜を透過する速度の50倍以上の速さで排気口から排出され、膜に供給されるガスの濃度が著しく変化することを防ぐ。
【0121】
本装置を用いて、実施例13で作製したシリカライト膜の窒素/ネオペンタン(体積比99:1)の透過選択性を測定した。透過装置を20℃の雰囲気下に設置し、装置のガス供給側、および透過下流側を真空ポンプに接続し、約10分間減圧した。真空ポンプを止めた後、ガス供給側、および透過下流側に窒素/ネオペンタン混合ガスを供給した。次にガス供給側を2気圧とし、膜を透過したガスをガスクロマトグラフィーに送りガス組成比を分析した。定常状態に達した後の窒素とネオペンタンの体積比は99.97:0.03であり、選択性(窒素/ネオペンタン)は約33であった。
【0122】
【発明の効果】
本発明方法によると、ゼオライト結晶を配向させてコーティングした基材を得ることができる。また、多孔質基材にゼオライト結晶を配向させてコーティングしたものは、ゼオライト膜製造用の基材として有用である。
【0123】
さらに本基材を用いることで、高性能分離膜として有用な、選択性とフラックス性を兼ね備えたゼオライト膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MFI型ゼオライト結晶の形態と細孔構造を示す図である。
【図2】実施例5で得られた配向性を持つゼオライト結晶コーティング基材のSEM写真である。
【図3】比較例2で得られた配向性の低いゼオライト結晶コーティング基材のSEM写真である。
【図4】透過実験に用いるセルを示す図である。
【図5】分離実験に用いる装置を示す図である。

Claims (18)

  1. 基材に、pHが11以上である、ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させることを特徴とするゼオライト結晶のコーティング方法。
  2. 基材に、ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させる際に、30℃以上の環境におくことを特徴とするゼオライト結晶のコーティング方法。
  3. 基材に、ゼオライト結晶を含むスラリー、ゾルまたは溶液を接触させる際に、超音波振動を与えることを特徴とするゼオライト結晶のコーティング方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載されたゼオライト結晶のコーティング方法のうち、少なくとも二つ以上を併用することを特徴とするゼオライト結晶のコーティング方法。
  5. コーティングされるゼオライト結晶がMFI型であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載されたゼオライト結晶のコーティング方法。
  6. コーティングされるMFI型ゼオライト結晶のa軸長が350nm以上8μm未満、b軸長が200nm以上3μm未満、c軸長が500nm以上20μm未満であり、かつ、a軸長、b軸長、c軸長の比率が以下の関係を満たすことを特徴とする請求項5記載のゼオライト結晶のコーティング方法。
    1.75 < a軸長/b軸長 < 40
    2.5  < c軸長/b軸長 <100
  7. コーティングされるMFI型ゼオライト結晶のa軸長が1μm以下、b軸長が500nm以下、c軸長が2μm以下であることを特徴とする請求項6記載のゼオライト結晶のコーティング方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載されたゼオライト結晶のコーティング方法を用いて作成したゼオライト結晶粒子層を有する基材。
  9. ゼオライト結晶をコーティングした面に対し、X線源にCuKαを用い(波長0.154nm)、入射角を3度に固定し、スキャン速度を2θ4度/分で平行光学系でX線回折測定したときに、その回折パターンにおいて、2θ=7.3〜8.2度内の最大ピークのピーク強度をa、2θ=8.5〜9.1度内の最大ピークのピーク強度をb、2θ=13.0〜14.2度内の最大ピークのピーク強度をcとしたときに、次の(1)と(2)を満たすことを特徴とするMFI型ゼオライト結晶粒子層を有する基材。
    (1)b/a>3.3
    (2)b/c>4.4
  10. 基材が多孔質であることを特徴とする請求項8または9記載のゼオライト結晶粒子層を有する基材。
  11. (a)請求項1〜7のいずれかに記載の方法で基材にゼオライト結晶をコーティングする工程、(b)ゼオライト前駆体と接触させる工程、(c)ゼオライト前駆体を結晶化させる工程を有することを特徴とするゼオライト膜の製造方法。
  12. 20℃で測定した水素ガス透過率が2×10−6mol/msPa以上であり、20℃で測定した六フッ化硫黄ガス透過率が水素ガス透過率の1/20以下であることを特徴とするゼオライト膜。
  13. 20℃で測定した水素ガス透過率と窒素ガス透過率の比(H/N)が2.5以下であり、水素ガス透過率と六フッ化硫黄ガス透過率の比(H/SF)が20以上であることを特徴とするゼオライト膜。
  14. 20℃で測定した水素ガス透過率が1×10−5mol/msPa以上であることを特徴とする請求項12または13記載のゼオライト膜。
  15. ゼオライトがMFI型であることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載のゼオライト膜。
  16. ゼオライトをコーティングした面に対し、X線源にCuKαを用い(波長0.154nm)、入射角を3度に固定し、スキャン速度を2θ4度/分で平行光学系でX線回折測定したときに、その回折パターンにおいて、2θ=7.3〜8.2度内の最大ピークのピーク強度をa、2θ=8.5〜9.1度内の最大ピークのピーク強度をb、2θ=13.0〜14.2度内の最大ピークのピーク強度をcとしたときに、次の(1)と(2)を満たすことを特徴とするMFI型ゼオライト膜。
    (1)b/a>8
    (2)b/c>4
  17. 20℃で測定した水素ガス透過率が5×10−5mol/msPa以上である基材を用いることを特徴とする請求項11記載の方法で得られたゼオライト膜または請求項12〜16のいずれかに記載のゼオライト膜。
  18. 請求項11記載の方法で得られたゼオライト膜または請求項12〜17のいずれかに記載のゼオライト膜を使用することを特徴とする物質の分離方法。
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