JP2004001109A - 内径加工用工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平板状基部2の周面から小径棒状部3を一体的に突出させ、この小径棒状部3の先端に切刃部8を設けたスローアウェイチップ1の前記平板状基部2をホルダー22に設けたチップ固定用のチップポケット24内に固定する内径加工用工具21において、前記チップポケット24の壁面24aにネガテーパー状部(壁面24a)を備え、このネガテーパー状部(壁面24a)は、その上縁辺側領域24bのみで前記スローアウェイチップ1を当接支持する構成とする。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、OA機器用部品、電子部品、小径ベアリング等小型品を対象とする極小な内径加工に適した内径加工用工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記内径加工用工具として、平板状基部の周面から小径棒状部を一体的に突出させ、この小径棒状部の先端に切刃部を設け、前記平板状基部をホルダーに設けたチップ固定用のポケット内に固定する内径加工用工具が用いられている。
このような内径加工用工具のなかに、図3に示すようなネガテーパー状の壁面101がホルダー201のチップポケット202に部分的に形成され、このネガテーパー状の壁面101をスローアウェイチップ301の当接支持に供するものがあった。
【0003】
ここで、ネガテーパー状とは、当該壁面101において、下側(チップポケット202のチップ座面203側)が、上側よりも奥方となるようなテーパーを意味する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の内径加工用工具は、ネガテーパー状に形成されたチップポケット202の壁面101と、これに対向するスローアウェイチップ301の周面とが、略全面当接或いは、チップ座面203に近い側でのみ当接するものであった。
【0005】
そのため、チップポケット202におけるネガテーパー状の壁面101の下端(チップ座面203側端部)隅部に図3に示すようなアンダーカット部204を設けて、この部分に応力集中するのを防止する必要があった。
【0006】
チップポケット202にこのようなアンダーカット部204を設けることは、加工が難しく、且つ、製作コストの面で不利であった。
【0007】
また、多くの場合、テーパー角度の誤差から、ネガテーパー状に形成されたチップポケット202の壁面101と、これに対向するスローアウェイチップ301の周面とが、略全面当接よりも、図3に示すようなチップ座面204に近い側でのみ当接することが多かった。この場合、スローアウェイチップ301の浮き上がりを防止する、拘束力が小さかった。
【0008】
以上のような従来技術の問題点に鑑み、本発明は、スローアウェイチップの浮き上がりを防止する拘束力が大きい内径加工用工具を提供すること、並びに、ネガテーパー状の壁面を備えたチップポケットの作製が面倒でなく、且つ、コスト的に有利な内径加工用工具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の内径加工用工具は、平板状基部の周面から小径棒状部を一体的に突出させ、この小径棒状部の先端に切刃部を設けたスローアウェイチップの前記平板状基部をホルダーに設けたチップ固定用のポケット内に固定する内径加工用工具において、前記チップポケットの壁面にネガテーパー状部を備え、このネガテーパー状部は、その上縁辺側領域のみで前記スローアウェイチップを当接支持することを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、チップポケットにおけるネガテーパー状部がチップの浮き上がりを抑制する効果があるところ、チップポケットの壁面とチップとの当接位置が確実にチップポケットの上縁辺側領域となるので、前記チップ浮き上がり抑制作用が非常に大きい。
【0011】
さらに、チップポケットにおけるネガテーパー状部の着座面側領域が、スローアウェイチップに対して逃げているので、この部分に応力分散のためのアンダーカット部を形成する必要がなく、ネガテーパー状の壁面の下側終端部分を緩やかな湾曲面を形成しておけばよく、チップポケットの作製が容易、且つ、低コストで行なえる。
【0012】
また、請求項2の内径加工用工具は、前記ネガテーパー状部における前記スローアウェイチップを当接支持する上縁辺側領域が、前記壁面の全高の半分よりも上側であることを特徴とする。
【0013】
かかる構成によれば、前記チップ浮き上がり抑制作用をより確実に発揮させることができる。
【0014】
また、請求項3の内径加工用工具は、前記平板状基部において、前記小径棒状部の長軸方向の後方側に該長軸方向と交叉する傾斜面を形成するとともに、この傾斜面に対向する部分のチップポケットの壁面に前記ネガテーパー状部を備えたたことを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、小径棒状部が最も離れた部分で前記チップ浮き上がり抑制の作用を発生させることができ、そのためその効果が非常に大きく、さらに、傾斜面に対向する部分のチップポケットの壁面にネガテーパー状部を設けたことにより、小径棒状部の径方向に対しても効果的にチップ浮き上がりを抑制する作用がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0017】
図1及び図2は本発明の内径加工用工具21を示し、図2は図1のA−A線断面図である。
【0018】
図1に示すように、前記スローアウェイチップ(以下、チップと略称する。)1は、平板状基部2の周面から小径棒状部3を一体的に突出させ、この小径棒状部3の先端に切刃部8を設け、前記平板状基部2の中央部分にボルト固定用貫通孔4を設けたものである。なお、上記小径棒状部3は横逃げ面3aを備え、また、その切刃部8にはすくい面9が形成されている。
【0019】
また、前記平板状基部2における、前記小径棒状部3の長軸方向の後方側に該長軸方向と交叉する後端面としての傾斜面6を形成するとともに、この傾斜面6を前記長軸方向において前記ボルト固定用貫通孔4よりも後方側に形成した。
【0020】
前記平板状基部2は、前記小径棒状部3の長軸方向前方側に前端面5、後方が側に傾斜面6、これら前端面5と傾斜面6とに交叉する拘束側面7aと非拘束側面7bを有する。
【0021】
この平板板状基部2は、前記長軸方向に長い細長形状を有している。本実施形態において、前記傾斜面6の長さに対し前記拘束側面7aは約2.5倍である。そして、本実施形態においては、前記傾斜面6は拘束側面7aと55°〜80°の角度で鋭角に交叉し、他方の側面7bと鈍角に交叉している。
【0022】
図1に上記チップ1をホルダーに装着した内径加工用工具21を示すように、長尺状のホルダー22における上面23の先端部には前記チップ1の平板状基部2と嵌合する切り欠いたチップポケット24を備える。
【0023】
このチップポケット24のチップ座面25にチップ1の平板状基部2に備える着座面を載置し、この状態のもと、ボルト26を平板状基部2の上方から平板状基部2のボルト固定用貫通孔4に挿通し、さらにホルダー22のチップ座面25(図2参照)に形成したボルト固定穴(不図示)に螺着する。
【0024】
このように前記チップ1をホルダー22に固定することにより、チップ1の小径棒状部3をホルダー22の長手方向に突出させた状態となる。そして、小径棒状部3をワーク(不図示)の孔内に挿入し、耳掻きのようにして極小径の孔内を加工することができる。
【0025】
図2に示すように、前記傾斜面6は前記チップポケット24の壁面24aに当接支持されている。この部分の壁面24aはネガテーパー状に形成されている。これに対して、チップ1の傾斜面6は上縁辺側領域6aのみが逆テーパーで、それに対する下側領域6bがポジ状となっている。その結果、チップポケット24のネガテーパー状の壁面24aは、その上縁辺側領域24bのみでチップ1を当接支持している。
【0026】
このような構成の利点としては、チップポケット24におけるネガテーパー状の壁面がチップ1の浮き上がりを抑制する効果があるところ、チップポケット24の壁面24aとチップ1との当接位置が確実にチップポケット24の上縁辺側領域24aとなるので、前記チップ浮き上がり抑制作用が非常に大きい。
【0027】
また、チップポケット24におけるネガテーパー状の壁面24aの着座面側領域24cが、チップ1に対して逃げているので、この部分に図3に示すような、応力分散のためのアンダーカット部204を形成する必要がなく、ネガテーパー状の壁面24aの下側終端部分を緩やかな湾曲面を形成しておけばよく、チップポケット24の作製が容易、且つ、低コストで行なえる。
【0028】
また、前記ネガテーパー状の壁面24aにおける前記チップ1を当接支持する上縁辺側領域24bは、前記壁面24aの全高Hの半分よりも上側であることが好ましい。すなわち、図2における高さh2<h1であることが好ましい。上記範囲外である場合、チップ浮き上がり防止の効果が不充分となる恐れがある。
【0029】
なお、本実施形態において、後端面(傾斜面6)に対向する部分に前記ネガテーパー状の壁面24aを形成しているが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、チップポケット24の任意の箇所(少なくとも一部分)に前記ネガテーパー状の壁24aを設ければよい。そして、前記内径加工用工具21の構成において重要な点として、前記ネガテーパー状の壁面24aが、その上縁辺側領域24bのみで前記チップ1を当接支持するようにすればよい。
【0030】
そのうえで、本実施形態のように、小径棒状部3の長手方向に対して交叉する後端面(傾斜面6)と、これに対向するチップポケット24の壁面24aを前述のように構成することによって、小径棒状部3が最も離れた部分で前記チップ浮き上がり抑制の作用を発生させることができ、そのためその効果が非常に大きい。
【0031】
また、上記後端面が傾斜面6であることにより、チップ浮き上がりを小径棒状部3の長手方向のみでなく、小径棒状部3の径方向に対しても効果的に抑制する作用がある。
【0032】
なお、前記ネガテーパー状の壁面のテーパーの角度としては、5°〜30°の範囲であることが好ましい。
【0033】
前記範囲未満の場合、チップ浮き上がりを充分防止できない恐れがあり、他方、
前記範囲を超える場合、ホルダーの強度が著しく低下する恐れがある。
【0034】
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、発明の目的を逸脱しない限り任意の形態とすることができることは云うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明の内径加工用工具は、平板状基部の周面から小径棒状部を一体的に突出させ、この小径棒状部の先端に切刃部を設けたスローアウェイチップの前記平板状基部をホルダーに設けたチップ固定用のポケット内に固定する内径加工用工具において、前記チップポケットの壁面にネガテーパー状部を備え、このネガテーパー状部は、その上縁辺側領域のみで前記スローアウェイチップを当接支持する構成としたことにより、チップポケットにおけるネガテーパー状部がチップの浮き上がりを抑制する効果があるところ、チップポケットの壁面とチップとの当接位置が確実にチップポケットの上縁辺側領域となるので、前記チップ浮き上がり抑制作用が非常に大きい。
【0036】
さらに、チップポケットにおけるネガテーパー状部の着座面側領域が、スローアウェイチップに対して逃げているので、この部分に応力分散のためのアンダーカット部を形成する必要がなく、ネガテーパー状部の下側終端部分を緩やかな湾曲面を形成しておけばよく、チップポケットの作製が容易、且つ、低コストで行なえる。
【0037】
また、前記ネガテーパー状部における前記スローアウェイチップを当接支持する上縁辺側領域が、前記壁面の全高の半分よりも上側とすることで、前記チップ浮き上がり抑制作用をより確実に発揮させることができる。
【0038】
また、前記平板状基部において、前記小径棒状部の長軸方向の後方側に該長軸方向と交叉する傾斜面を形成するとともに、この傾斜面に対向する部分のチップポケットの壁面に前記ネガテーパー状部を備えることで、小径棒状部が最も離れた部分で前記チップ浮き上がり抑制の作用を発生させることができ、そのためその効果が非常に大きく、さらに、傾斜面に対向する部分のチップポケットの壁面を、前記ネガテーパー状部としたことにより、小径棒状部の径方向に対しても効果的にチップ浮き上がりを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内径加工用工具の平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】従来例を示す内径加工用工具の部分断面図である。
【符号の説明】
1:スローアウェイチップ
2:平板状基部
3:小径棒状部
3a:横逃げ面
4:ボルト固定用貫通孔
5:前端面
6:傾斜面
7a:拘束側面
7b:非拘束側面
8:切刃部
9:すくい面
21:内径加工用工具
22:ホルダー
23:ホルダー上面
24:チップポケット
24a:ネガテーパー状の壁面
24b:上縁辺側領域
25:チップ座面
26:ボルト
Claims (3)
- 平板状基部の周面から小径棒状部を一体的に突出させ、この小径棒状部の先端に切刃部を設けたスローアウェイチップの前記平板状基部をホルダーに設けたチップ固定用のチップポケット内に固定する内径加工用工具において、前記チップポケットの壁面にネガテーパー状部を備え、このネガテーパー状部は、その上縁辺側領域のみで前記スローアウェイチップを当接支持することを特徴とする内径加工用工具。
- 前記ネガテーパー状部における前記スローアウェイチップを当接支持する上縁辺側領域が、前記壁面の全高の半分よりも上側であることを特徴とする請求項1記載の内径加工用工具。
- 前記平板状基部において、前記小径棒状部の長軸方向の後方側に該長軸方向と交叉する傾斜面を形成するとともに、この傾斜面に対向する部分のチップポケットの壁面に前記ネガテーパー状部を備えたことを特徴とする請求項1記載の内径加工用工具。
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