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JP2004099380A - C60の単離方法 - Google Patents

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JP2004099380A
JP2004099380A JP2002264614A JP2002264614A JP2004099380A JP 2004099380 A JP2004099380 A JP 2004099380A JP 2002264614 A JP2002264614 A JP 2002264614A JP 2002264614 A JP2002264614 A JP 2002264614A JP 2004099380 A JP2004099380 A JP 2004099380A
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JP
Japan
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fullerenes
activated carbon
isolating
carbon
soot
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Application number
JP2002264614A
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English (en)
Inventor
Soichiro Saida
齊田 壮一郎
Tomohiro Kawai
川井 友博
Yasuharu Kikuchi
菊地 康晴
Haruo Asatani
浅谷 治生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】C60を大量に且つ高純度で製造する方法を提供する。
【解決手段】少なくともC60及びC70を含むフラーレン類の混合物からC60を分離する方法において、直径2nm以下の細孔の積算ポアボリュームが0.3cm/g以上の活性炭を用いることを特徴とするC60の単離方法。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新しい炭素材料であるフラーレン類、中でもC60の分子構造を有するフラーレンの単離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1990年に炭素数60、70、84等の閉殻構造型のカーボンクラスター(球状の巨大分子)という新しいタイプの分子状炭素物質が合成され、注目されている。この特殊な分子構造を有するカーボンクラスターは、フラーレン類とも称され、その分子骨格を構成する炭素数によって、フラーレンC60、同C70、同C84などと呼ばれている(単に、C60、C70、C84等とも呼ばれる)。これらのフラーレン類は、新しい炭素材料であり、また特殊な分子構造から特異な物性を示すことが期待されるので、その性質及び用途開発についての研究が盛んに進められている。フラーレン類は例えば、ダイヤモンドコーティング、電池材料、塗料、断熱材、潤滑材、化粧品などの分野への利用が期待されている。
【0003】
フラーレン類の製造方法としては、(1)グラファイトなど炭素質材料から成る電極を原料としてこの電極間にアーク放電によって原料を蒸発させる方法(アーク放電法)、(2)炭素質原料に高電流を流して原料を蒸発させる方法(抵抗加熱法)、(3)高エネルギー密度のパルスレーザー照射によって炭素質原料を蒸発させる方法(レーザー蒸発法)、(4)ベンゼンなどの有機物を不完全燃焼させる方法(燃焼法)などが知られている。しかし、現状いずれの製造方法でも目的の単一フラーレン、あるいは有益なC60〜C84フラーレン類だけを製造することはできず、C60及びC70を主とする複数のフラーレンとその他多数の炭素化合物との混合物(この燃焼生成物は「煤」と呼ばれることがある)として生成する。煤中のフラーレン類の含有量は、効率的といわれるアーク放電法でも10〜30%程度で、C70:C60の生成比は約1:10である。したがって、高純度のフラーレンを得るためには煤からまずフラーレン類のみを分離する必要がある。
【0004】
燃焼生成物「煤」からのフラーレン類の分離方法として、(1)フラーレン類はベンゼン、トルエン、二硫化炭素等の有機溶媒に溶解し、その他の不純物成分は溶解しにくいという性質を利用して、このような有機溶媒を用いて煤からフラーレン類を抽出する方法(溶媒抽出法)、(2)高真空下で煤を加熱し、フラーレン類を昇華させる方法(昇華法)が知られている。このうち昇華法は、たとえば400℃以上の高温、圧力0.133Pa(10−3Torr)以下の高真空条件を必要とする特殊な分離方法であり、それに比べ溶媒抽出法は操作が容易なため広く用いられている。さらに抽出で得られたフラーレン類(主としてC60とC70の混合物)を含む溶液からの単一フラーレンの分離には、カラムクロマト分離、分別再結晶、フラーレンの包接化などの方法が適用されている。
【0005】
燃焼法によりフラーレンを製造する場合、制御された条件下でトルエン等の有機物を不完全燃焼させると、C60とC70を主とする複数のフラーレン類を含んだ煤状物質が生成する(例えば特許文献1参照)。典型的には煤状物質中には、通常10〜30重量%程度のフラーレン類と、10ppm〜5重量%の多環状芳香族炭化水素が含まれている。また、残分はグラファイト構造を持つ炭素及びグラファイト構造を骨格として若干の水素原子を有する高分子の炭化水素やカーボンブラック等(以下、「炭素系高分子成分」と称することがある)である。
【0006】
フラーレン類と多環状芳香族炭化水素の溶媒への溶解度を比較すると、通常10倍以上多環状芳香族炭化水素の溶解度が高い。その為、煤状物質から溶媒で抽出すると、フラーレン類のみを選択的に抽出することは困難で、煤状物質中の多環状芳香族炭化水素もほとんど抽出液側へ同時に抽出される。その為、抽出後の液を、濃縮・乾燥もしくは、濃縮して析出した固形分を濾別して乾燥して得られた固体中は、通常0.01〜10%程度多環状芳香族炭化水素を含んだフラーレン類を得ることになる。
【0007】
多数の炭化物として、ベンゾピレンに代表される多環状芳香族炭化水素がある。多環状芳香族炭化水素は、構造的に炭化水素の中でも水素原子の割合が少なく、構造的にもフラーレン類と類似しており、従って、フラーレン類に混在している場合にはフラーレンの反応性を阻害したり、フラーレンの固有の性質を遮蔽したりする可能性もある。また、安全上からもこれら多環状芳香族炭化水素は極力減少させる必要があると考えられている。
【0008】
更に、フラーレン類は炭素数の異なる数種類の混合物であるが、炭素数によりその性質が異なるため、純度の高い単独の化合物種を提供することが望まれている。しかしながら、従来の製造方法では、大量に純度の高いフラーレン種を製造することは困難であった。また、活性炭を用いてフラーレンを分離する合法も従来より知られているが(例えば特許文献2、3参照)、C60をさらに効率よく単離する方法が、求められていた。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第5273729号公報
【特許文献2】
米国特許第5310532号公報
【特許文献3】
米国特許第5662876号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、フラーレン類及び多環状芳香族炭化水素を含有する煤状物質から高純度かつ大量に効率よくC60を製造できる製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述したような事情に鑑みて鋭意検討した。その結果、特定の活性炭を用いることにより、フラーレン類の混合物から純度の高いC60を効率的に単離できることを見出し本発明に到達した。
【0012】
即ち、本発明の要旨は、少なくともC60及びC70を含むフラーレン類の混合物からC60を分離する方法において、直径2nm以下の細孔の積算ポアボリュームが0.3cm/g以上の活性炭を用いることを特徴とするC60の単離方法に存する。
【0013】
本発明の別の要旨は、(工程A)フラーレン類、多環状芳香族炭化水素、及び炭素系高分子物質を含有する煤状物質を不活性ガスの下で加熱して多環状芳香族炭化水素を昇華して煤状物質から分離する工程、(工程B)フラーレン類及び炭素系高分子物質を含有する煤状物質と抽出溶媒とを混合してフラーレン類が溶解した抽出液を得る工程、(工程C)前記C60の単離工程、を有するC60の単離方法に存する。
【0014】
また、本発明の別の要旨は、フラーレン類、多環状芳香族炭化水素及び炭素系高分子物質を含有する煤状物質が、炭化水素化合物の燃焼及び/又は熱分解によって得られたものである前記C60の単離方法に存する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のC60の単離方法に適用される少なくともC60及びC70を含むフラーレン類の混合物(以下、単に「フラーレン類の混合物」と称することがある)は、いかなる方法によって得られたものであっても良い。フラーレン類を大量に生産するには、炭化水素原料を不完全燃焼させる燃焼法によるもの、または高熱下に炭化水素原料を分解させる熱分解法によるものが好ましく、なかでも燃焼法が好ましい。
【0016】
燃焼法によりフラーレンを製造する場合、圧力条件として1330 〜13300Pa(10〜100Torr)が好ましく、3990〜6650Pa(30〜50Torr)が更に好ましい。温度条件としては800〜2500℃が好ましく、1000〜2000℃が更に好ましい。
フラーレンの原料としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の炭素数6〜15の芳香族炭化水素が好適に用いられる。また、原料としては、これらの芳香族炭化水素に併用してヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素を用いても良い。
【0017】
燃焼法においては、フラーレンの原料は、同時に熱源としても作用する。即ち、原料炭化水素は酸素と反応して発熱してフラーレンの生成が可能となる温度に上昇させるとともに、原料炭化水素が脱水素されることにより、フラーレン骨格を形成するための炭素ユニットを生成するものと考えられている。炭素ユニットは一定の圧力、温度条件で集合してフラーレン類を形成する。
【0018】
酸素の使用量としては、原料炭化水素の種類によっても若干異なるが、例えば原料炭化水素としてトルエンを用いた場合には、トルエンに対して0.5〜9倍モルが好ましく、1〜5倍モルが更に好ましい。
燃焼法における反応系には、酸素以外に、フラーレンに対して不活性な気体を存在させていても良い。これら不活性気体としては例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。
【0019】
燃焼法により得られた煤状物質中には、フラーレン類及び多環状芳香族炭化水素及びが含まれ、それ以外の残部は通常炭素グラファイト構造を骨格として若干の水素原子を有する高分子の炭化水素やカーボンブラック等の炭素系高分子成分である。
煤状物質には、フラーレン類が5重量%以上含まれていることが好ましく、10%以上含まれていることが更に好ましく、15%以上含まれていることが特に好ましい。
また、本発明により製造されるフラーレン類は、フラーレン構造を有していれば炭素数に制限はないが、通常は炭素数60〜84のフラーレンであり、中でもC60とC70の割合が全フラーレン中好ましくは50%以上であり、更に好ましくは70%以上であり、特に好ましくは80%以上である。
【0020】
本発明のC60の単離方法に適用するために、フラーレン類の混合物を燃焼法または熱分解法によって製造した場合には、燃焼法又は熱分解法により生成する、フラーレン類、多環状芳香族炭化水素及び炭素系高分子成分を含有する煤状物質を、まず不活性ガスの下で加熱して、多環状芳香族炭化水素を昇華して煤状物質から分離する工程(工程A)を実施する。
【0021】
(工程A)
多環状芳香族化合物を昇華する際の条件としては、圧力は100〜2×10Paが好ましく、1000〜1.4×10Paが更に好ましい。常圧では装置が簡単になるメリットがあり、減圧下では多環状芳香族炭化水素の昇華温度が低くなるメリットがある。経済性を考えて、最適な条件で実施すればよい。また温度は、好ましくは100℃以上800℃以下である。昇華温度は圧力によって変化するので適宜選択すればよいが、常圧の場合には、更に200℃以上700℃以下が好ましく、特に300℃以上600℃以下が好ましい。温度が低すぎると多環状芳香族炭化水素の昇華が不十分となり、温度が高すぎるとフラーレン類も昇華し、フラーレン類の回収率が低下する。
【0022】
昇華に用いる装置は、上述の温度/圧力となる昇華条件に耐えうるものであれば、バッチ式、固定床型、流動層型、連続型等特に限定はしない。昇華装置に用いられる材質としては、石英ガラス、ステンレス等の金属類、セラミックス、ガラス等が挙げられる。
昇華に際しては、不活性ガスの存在下に行うが、本発明において不活性ガスとは、昇華の温度/圧力条件でフラーレン類と実質的に反応しない気体を意味する。不活性ガスの種類としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素及びこれらの混合物が挙げられる。フラーレン類の反応を避けるためには、昇華に際して昇華装置中を実質的に不活性ガスにより置換し、昇華装置内の気体中の酸素の含有量として10体積%以下とするのが好ましく、5体積%以下とするのが好ましく、1体積%とするのが特に好ましい。酸素の含有量が多い場合には、フラーレン類の酸化物が生成する場合がある。
【0023】
また、多環状芳香族炭化水素の昇華は、不活性ガス流通下に行うのが好ましい。不活性ガスの流通下に行う方法としては、例えば昇華装置に不活性ガスの流入口及び排出口を設けておき、連続的に不活性ガスを流入及び排出させながら、所定の温度に昇温する。不活性ガスは昇華装置に流入させるに際し余熱しておくこともできる。
【0024】
不活性ガスの流通下に昇華を行う場合の不活性ガスの流通量としては、煤状物質1gに対して好ましくは1〜10000ml/minであり、更に好ましくは5〜5000ml/minである。不活性ガスの流通は連続的であっても間欠的であってもよい。
【0025】
昇華装置から昇華した多環状芳香族炭化水素は不活性ガスに同伴され、析出装置にて温度が下げられることによって多環状芳香族炭化水素を析出させることが出来る。析出装置は、昇華装置と同一装置内に設けても分離して設けてもも構わないし、バッチ式、または連続式でも構わない。析出した多環状芳香族炭化水素の回収には、機械的に集めて回収しても、溶媒に溶解して回収しても構わない。多環状芳香族炭化水素を析出して回収した後の不活性ガスは、大気に放出するかリサイクル使用する。操作時間は、温度、圧力、ガス流通量によって異なるが、通常10分〜12時間程度である。
【0026】
(工程B)
次に、多環状芳香族炭化水素が分離されたフラーレン類及び炭素系高分子成分を含有する煤状物質は、抽出溶媒と混合し、フラーレン類を溶解した抽出液を得る工程を実施する。炭素系高分子成分は抽出溶媒には実質的に溶解しない。抽出溶媒としては、好ましくは芳香族炭化水素を含む溶媒が用いられる。
抽出溶媒として用いられる芳香族炭化水素としては、分子内に少なくとも1つのベンゼン核を有する炭化水素化合物であり、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、シメン等のアルキルベンゼン類、1−メチルナフタレン等のアルキルナフタレン類、テトラリン等が挙げられる。これらの内1,2,4−トリメチルベンゼン及びテトラリンが好ましい。
【0027】
抽出溶媒には、芳香族炭化水素の他に、更に脂肪族炭化水素や塩素化炭化水素等の有機溶媒を、単独又はこれらのうち2種以上を任意の割合で用いてもよい。脂肪族炭化水素としては、環式、非環式等、任意の脂肪族炭化水素が使用できる。環式脂肪族炭化水素の例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの単環式脂肪族炭化水素、その誘導体であるメチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、n−プロピルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、イソブチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン,1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、多環式としてデカリンなどが挙げられる。非環式脂肪族炭化水素の例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−テトラデカンなどが挙げられる。
【0028】
塩素化炭化水素としては、ジクロロメタン、クロロフォルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
その他、炭素数6以上のケトン、炭素数6以上のエステル類、炭素数6以上のエーテル類、二硫化炭素等が挙げられる。
【0029】
抽出溶媒としてはフラーレンの溶解度が低すぎると、抽出効率が低下するので、フラーレンの溶解度としては好ましくは5g/L以上、更に好ましくは10g/L以上、特に好ましくは15g/L以上である。また、工業的観点から、これらの抽出溶媒の中でも常温液体で沸点が100〜300℃、中でも120〜250℃のものが好適である。
【0030】
抽出溶媒は、フラーレン類を十分に抽出できるだけの量を用いる必要がある。通常、煤状物質中のフラーレン類の量に対し、5〜400重量倍量、経済性を考えると、40〜200重量倍量程度使用するのが好ましい。抽出は、バッチ式、セミ連続式、連続式、又はそれらの組み合わせ等、形式、装置は特に限定されない。
なお、煤状物質には通常5〜30重量%のフラーレン類が含まれているが、抽出効率の観点から、フラーレン類に対して用いる抽出溶媒の量を上記範囲とするのが好ましいことから、抽出操作に先立って、煤状物質の一部を分析して、煤状物質中のフラーレン含有量を測定しておくのが好ましい。
【0031】
なお、煤状物質には通常5〜30重量%のフラーレン類が含まれているが、抽出効率の観点から、フラーレン類に対して用いる抽出溶媒の量を上記範囲とするのが好ましいことから、抽出操作に先立って、煤状物質の一部を分析して、煤状物質中のフラーレン含有量を測定しておくのが好ましい。
【0032】
(工程C)
こうして得られた抽出液にはC60、C70、及びそれ以上の炭素数を有する高次フラーレンが含まれているので、次に活性炭で処理することにより、フラーレン混合物からC60を単離する。
フラーレン類を活性炭で処理する際には、芳香族炭化水素化合物を含む溶離液が用いることが好ましいが、抽出液の溶媒をそのまま溶離液として用いても良いし、抽出液の一部又は全部を留去し、別の溶離液と置換してもよい。
【0033】
本発明に用いられる活性炭は、直径2nm以下の細孔の積算ポアボリュームが0.3cm/g以上のものである。この活性炭はC60に対するの吸着力が比較的小さく、C70以上の高次フラーレン類に対する吸着力が比較的高いので、C60とC70以上の高次フラーレンを分離する能力に優れ、その結果、純度の高いC60を単離する事が出来る。
直径2nm以下の細孔の積算ポアボリュームが0.3cm/g以下であると、フラーレン類に対する吸着能力が低く、C60とC70以上の高次フラーレンとが分離困難となる。直径20Å以下の細孔の積算ポアボリュームは、好ましくは0.4cm/g以上であり、更に好ましくは0.5cm/g以上である。上限は特に規定されないが、通常10cm/g以下である。
【0034】
また、活性炭の比表面積が1600m/g以上であることが好ましく、2000m/g以上であることが好ましく、2500m以上であることが特に好ましい。比表面積が上記範囲であれば、1回当たりのフラーレン類の処理能力が大きくなる。
更にまた、活性炭は30μm以下の粒径を持つ粒子の割合が40%以下であるものが好ましく、30%以下であるものが好ましく、25%以下であるものが特に好ましい。30μm以下の小粒径の活性炭の割合が上記範囲であれば、フラーレン類の混合物を処理する操作が容易となる。
【0035】
フラーレン類を活性炭で処理する際には、芳香族炭化水素化合物を含む溶離液を用いることが好ましい。芳香族炭化水素化合物としては、工程Bで用いられるものと同様なものが用いられる。大量に効率よくC60を分離するためにはフラーレンの溶解度が高いものを使用して、なるべく濃厚な溶液を処理するのが好ましく、フラーレンの溶解度が5g/L以上、更に好ましくは10g/L以上、特に好ましくは15g/L以上のものを用いるのが良い。中でも1,2,4−トリメチルベンゼン及びテトラリンが好ましい。
【0036】
活性炭で処理する方法としては、具体的には、(a)活性炭にフラーレン類の混合物を吸着させ、これに溶離液を混合した後濾過して溶離液中にC60を溶離させる方法、あるいは、(b)カラムに活性炭を充填材として充填し、これにフラーレン類をカラム上部に載せた後、溶離液を流す等の方法が挙げられる。これらの処理方法は、活性炭の吸着力に応じて適宜選択できる。
【0037】
活性炭処理に付されたフラーレン類は、展開溶媒中にC60の化合物種が優先的に溶解するので、展開溶媒を加熱、減圧等の方法で留去することによって、高純度のC60を単離する事が出来る。C60の純度は通常95%以上であり、好ましくは97%以上であり、更に好ましくは98%以上である。
【0038】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
燃焼法で製造した煤状物質75gと1,2,4−トリメチルベンゼン(TMB)1500mLを室温で2L三角フラスコで混合し、超音波洗浄機に30分浸した。上記スラリーを、ADVANTEC社製 直径142mm、PTFE製、0.5μmのメンブランフィルターを用い、同社製、加圧濾過装置を用い、窒素にて圧力2kgGで加圧濾過した。その濾液のうち、118gを30gまでBuich社製エバポレーターを用いて、90℃、20Torrで濃縮した。上記液を500ccセパラブルフラスコに入れ、回転翼にて攪拌した。50℃に昇温した後、温度を保ちながらTHF125gをポンプで60分かけて添加した。添加後10分間保持した。溶液はスラリー状態になっていた。このスラリーを、ADVANTEC社製 直径47mm、PTFE製、0.5μmのメンブランフィルターを用い減圧濾過し、濾過終了後、THF50mLをさらに振りかけ洗浄した。濾別した固形分を、減圧乾燥機を用い、100℃、5Torr以下の条件下で乾燥した。こうして得られたフラーレン類は、フラーレン類の純度が91.9重量%であり、多環状芳香族化合物が289重量ppm含まれていた。
なお、フラーレン類の分析は、液体クロマトグラフィーを用い、多環状芳香族炭化水素の分析は、ガスクロマトグラフィーを用いて実施した。
【0039】
(活性炭カラムの作成)
関西熱化学社製粉末状活性炭MAXSORB MSC30(直径20Å以下の細孔の積算ポアボリューム;0.55cm/g、比表面積3,250平方メートル/g;水酸化カリウム賦活)をヤマト科学社製篩いNo.286の上に95.1g量りとり、筒井理化学機械株式会社製篩震とう機VSS―50及び目の開き26マイクロメートルの篩いを使用して、目盛り50の強度で空気中5分間篩ったところ、49.5gが篩い上に残存したので1Lガラス製ビーカーに移し取った。篩いの上に量りとる量を変えながら同様の操作をさらに2回繰り返し、篩い上に残存したMAXSORB MSC30を合計177.6g得た。市販品であるMAXSORB MSC30及び篩いの上に残存したMAXSORB MSC30をそれぞれ0.2g量りとり水に分散させ、株式会社島津製作所製レーザーディフラクションパーティクルアナライザーSALD−2000Jで分析したところ、市販品及び篩い残存物の平均粒径がそれぞれ82μm及び94μmであった。篩い残存物の内、30μm以下の粒径を持つ粒子の割合は13%であった。
【0040】
市販品であるMAXSORB MSC30及び篩いの上に残存したMAXSORB MSC30の比表面積を相対圧0.002〜0.2の範囲でBET多点法により算出したところそれぞれ2994平方メートル毎グラム、2990平方メートル毎グラムであった。細孔容積を相対圧が0.93における窒素の吸着量より算出したところ、市販品は1.60mL毎グラム、篩い残存物は1.59mL毎グラムであった。篩い残存物のうち130gを別の1Lビーカーに移し取り、22℃の水浴中で除熱しながら丸善石油化学株式会社製1,2,4トリメチルベンゼン(別名プソイドクメン)0.6Lを撹拌しながら5分間かけてゆっくりと添加して活性炭スラリーを作成した。
【0041】
SUS304製カラム(カラム内部の内径68mm、高さ100mm)の底部フランジ部に目皿を入れ、目皿の上に直径68mm、孔径0.2ミクロンのPTFE製メンブランフィルターを置き、カラム本体に取り付けてネジで固定した。上部フランジ部を取り外し、上記活性炭スラリー0.049Lをカラム本体の中にそそぎ込み底部抜き出し口から減圧吸引し、スラリー中のトリメチルベンゼンを抜き出しながら活性炭ベッドを作成した。活性炭ベッドの上部が液面より上に出る直前までトリメチルベンゼンを抜き、スラリーを追加する操作を繰り返しながら層高98mmの活性炭ベッドを作成し、目皿とメンブランフィルターを入れた上部フランジを取り付けてネジで固定した。活性炭ベッドの体積は363cmであった。カラムを送液ラインに装着した。
【0042】
(原料液の作成)
上記の燃焼法によって得られたフラーレン(C60;61%、C70;24%、多環状芳香族炭化水素微量含む)を原料タンクに量り入れ、トリメチルベンゼン5Lを投入し、撹拌翼付きスリーワンモーターを取り付けて強度5にて1時間撹拌しよく熔解させ、原料液を得た。トリメチルベンゼン6L原料タンクを送液ラインに装着した。続いてトリメチルベンゼン15Lを溶離液タンクに投入し、送液ラインに装着した。トリメチルベンゼンは残量が減っていくので随時補給した。
【0043】
(原料液の送液)
カラム上部と送液ラインの結合部を一時的に切り離した後にポンプを駆動し、原料液を送液しながら送液ライン中の空気を除去した。ポンプを停止して即座にカラム上部と送液ラインを結合した。
カラム底部の抜き出し口に2Lのポリタンクを設置して流出液を採取出来るようにしてからポンプを駆動し原料液の送液を開始すると抜き出し口から無色透明な液体が流出した。流出速度を毎分0.15Lにしたところ、圧力計の表示は0.2MPaであった。
流出液量が2Lになる毎にフラクションを変えながら5Lの原料液を送液したところ18分後、原料液の送液を開始してから2.7L程流出したところでC60成分の流出が始まり液色が紫色に着色しているのが確認できた。
【0044】
(溶離液の送液)
原料液5Lの送液が終了した時点即ち3番目のフラクションを採取している途中でポンプを停止し、次のフラクション用のポリタンクに取り替えてからバルブを切り替えて溶離液の送液を開始した。ここで原料液5Lは活性炭ベッドの体積VBの13.8倍量であった。この、活性炭ベッドの体積VBに対する原料液及び溶離液の総量V即ちV/VBを流出液量の指標として取り扱う場合がある。
流出液量が2Lになる毎にフラクションを変えながら4番目以降のフラクションを採取し、合計22Lの溶離液を送液し、14番目のフラクションの採取が終了した時点でポンプを停止した
【0045】
(分析及び結果)
各フラクションのLC分析の結果から、含有されているC60酸化物、C60、C70の濃度を計算しクロマトグラムを得た。C70よりも分子量の大きいフラーレン類は流出してこなかった。各成分のクロマトグラムを図2に示した。また、各フラクションに含まれるC60の重量の総和に対する原料溶液5L中に含まれるC60の重量比からC60の回収率を計算したところ85.6%であった。また、各フラクションに含まれるC60酸化物、C70およびその他の成分の各総和を求め、すべてのフラクションを同一にした場合のC60の純度を計算すると97.7%であった。
【0046】
(比較例1)
活性炭に、武田薬品工業株式会社製活性炭特製白鷺(直径20Å以下の細孔の積算ポアボリューム;0.27cm/g、比表面積1,430平方メートル/g;塩化亜鉛賦活、篩い後の30μm以下の粒径を持つ粒子の割合が15%)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作で燃焼法により得られたフラーレンの単離精製を試みたところ、原料液の送液を開始してから2.5L程無色透明な液が流出した後に赤茶色の液が流出してきた。この流出液をLC分析したところ、C60とC70が混在していることが確認され、活性炭カラムによる単離は出来なかった。
【0047】
(比較例2)
活性炭に、武田薬品工業株式会社製特製白鷺を篩わず(30μm以下の粒径を持つ粒子の割合が46%)にそのまま使用したこと以外は実施例1と同様の操作で燃焼法により得られたフラーレンの単離精製を試みたところ、原料液の送液を開始後1分後、液の流出はないまま圧力が20気圧以上に達したのでそれ以上継続することが出来なかった。
【0048】
(比較例3)
上述と同様のフラーレン類(C60;61%、C70;24%、多環状芳香族炭化水素微量含む)をナカライテスク株式会社製フラーレン分取専用カラム、コスモシールバッキープレップパックドカラム(内部の内径4.6mm、長さ250mm)を用いて実施例1で用いた原料液18mL及びトリメチルベンゼン80mLを使用してカラム分離を試みたところ、無色透明の液の流出に続き、濃い茶色の液が流出してきた。C60とC70を分離回収することはできなかった。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、C60を大量に且つ高純度で製造する方法を提供することが出来る。

Claims (10)

  1. 少なくともC60及びC70を含むフラーレン類の混合物からC60を単離する方法において、直径2nm以下の細孔の積算ポアボリュームが0.3cm/g以上の活性炭を用いることを特徴とするC60の単離方法。
  2. フラーレン類の混合物を前記活性炭に吸着させ、芳香族炭化水素化合物を含む溶離液でC60を溶離させることを特徴とする請求項1に記載のC60の単離方法。
  3. 前記活性炭を充填材として用いたカラムを使用し、芳香族炭化水素化合物を含む溶離液を用いることを特徴とする請求項1に記載のC60の単離方法。
  4. 活性炭の比表面積が1600m/g以上である請求項1乃至3のいずれかに記載のC60の単離方法。
  5. 活性炭が、30μm以下の粒径を持つ粒子の割合が40%以下である請求項1乃至4のいずれかに記載のC60の単離方法。
  6. 活性炭が、水酸化カリウムにより賦活処理されたものである請求項1乃至5の何れかに記載のC60の単離方法。
  7. 溶離液が1,2,4−トリメチルベンゼン又はテトラリンを含む請求項2乃至6の何れかに記載のC60の単離方法。
  8. (工程A)フラーレン類、多環状芳香族炭化水素、及び炭素系高分子物質を含有する煤状物質を不活性ガスの下で加熱して多環状芳香族炭化水素を昇華して煤状物質から分離する工程、(工程B)フラーレン類及び炭素系高分子物質を含有する煤状物質と抽出溶媒とを混合してフラーレン類が溶解した抽出液を得る工程、(工程C)請求項1乃至6のいずれかに記載のC60の単離工程、を有するC60の単離方法。
  9. 工程Bにおいて、抽出溶媒が、1,2,4−トリメチルベンゼン又はテトラリンを含む請求項8に記載のC60の単離方法。
  10. フラーレン類、多環状芳香族炭化水素及び炭素系高分子物質を含有する煤状物質が、炭化水素化合物の燃焼及び/又は熱分解によって得られたものである請求項8又は9に記載のC60の単離方法。
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