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JP2004096299A - 光通信装置 - Google Patents

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JP2004096299A JP2002252865A JP2002252865A JP2004096299A JP 2004096299 A JP2004096299 A JP 2004096299A JP 2002252865 A JP2002252865 A JP 2002252865A JP 2002252865 A JP2002252865 A JP 2002252865A JP 2004096299 A JP2004096299 A JP 2004096299A
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Abstract

【課題】環境変化に左右されることなく高い性能を維持できる光通信装置を提供する。
【解決手段】光通信装置は、信号光を発光するレーザ光源と、レーザ光源からの信号光を光ファイバのコア中心に導くための光偏向手段と、光偏向手段によって偏向される信号光の光ファイバへの入射面内における位置がコア中心に向かうように光偏向手段に対し負帰還制御を行う第一の制御手段と、信号光の光量が所定の光量となるように前記レーザ光源に対しAPC制御を行う第二の制御手段とを備える構成にした。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信装置は、半導体レーザ(以下、LDと記す)で発光し情報による変調を施された光を光ファイバに伝達させる為の装置であり、LD、LDからの光を集光させるレンズ、光ファイバ等の光学部品から構成される。光ファイバー通信を加入者宅内に引き込む回線終端装置(ONU;Optical Network Unit)として使用される光通信モジュールでは、一般的に、送受信を一本の光ファイバで行う双方向型の通信に対応するため、光通信モジュール内にさらに受光素子や、異なる波長の光を分離するためのWDM(Wavelength Division Multiplex)フィルタ等が備えられる。
【0003】
このような光通信モジュールにおいて、LD、レンズ等は、コア径が数μmの光ファイバに対して高精度に位置決めしなければならず、したがって通常、これらの光学部品は溶着あるいは接着剤を用いて堅固に固定される。
【0004】
しかしながら、接着剤を用いて部品の相互位置を高精度に位置決め固定することによって光通信モジュールを構成したとしても、次のような問題点が残される。第1に、このように光通信モジュールを製造した場合、接着後、乾燥した後でなければ製品の良否を判定できない点である。また、このような光通信モジュールで高い歩留まりを達成することは比較的難しいと考えられる。第2に、性能に経時変化があった場合、修正することが不可能であるという点である。
【0005】
さらに光通信モジュールにおいては、LDからの光の光量が経時的に低下すると高精度での光通信が行われなくなるおそれがある。従って、LDからの光の光量を常に一定に保持できるように光量制御する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の諸事情に鑑み、振動等の機械的条件の変化、周囲温度の変化、経時変化等を含む環境変化に左右されることなく、高い性能を維持できる光通信モジュール、すなわち光通信装置の構成が望まれる。すなわち、本発明は、環境変化があっても性能を維持することのできる光通信装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本願発明は、光通信装置に、送信用の信号光が入射する光ファイバの入射面上における信号光の位置が、光ファイバのコア中心に向かうように負帰還制御を行うとともに、該信号光の光量が所定の量に保たれるように光量制御を行う制御手段を付加する。上記制御手段によって、光ファイバの入射面上における信号光の位置がコア中心に向うように負帰還制御され、さらに送信用の信号光が所定の光量となるように光量制御されるので、経時変化等の環境変化による影響を回避して光通信装置の性能を維持することが可能である。
【0008】
上記目的を達成するため、請求項2に記載の光通信装置は、信号光を発光するレーザ光源と、レーザ光源からの信号光を光ファイバのコア中心に導くための光偏向手段と、光偏向手段によって偏向される信号光の光ファイバへの入射面内における位置がコア中心に向かうように光偏向手段に対し負帰還制御を行う第一の制御手段と、信号光の光量が所定の光量となるように前記レーザ光源に対しAPC制御を行う第二の制御手段とを備えることを特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、第一の制御手段によって光ファイバの入射面上における信号光の位置がコア中心に向うように光偏向手段に対する負帰還制御が行われ、第二の制御手段によって送信用の信号光が所定の光量となるようにレーザ光源に対する光量制御、換言すればAPC制御が行われる。このような構成により、環境変化による影響を回避して光通信装置の性能を維持することが可能である。
【0009】
ここで、第二の制御手段は、第一の制御手段による負帰還制御によって信号光が正確にコア中心に導かれている状態にした後に、第二の制御手段によるAPC制御を実行する(請求項3)。これにより、より精度の高いAPC制御が可能となり、情報の送信に最適な所定光量の信号光がレーザ光源から発光されるようにすることができる。
【0010】
請求項4に記載の光通信装置によれば、光ファイバには、該光ファイバ内に導入されたレーザ光の一部を該光ファイバ外部に取り出す手段が設けられ、第一の制御手段および第二の制御手段は、光ファイバから取り出されたレーザ光の一部を用いて負帰還制御およびAPC制御を行うことができる。光ファイバ内に導入された信号光を用いることにより、信号光をより正確にコア中心に導くように負帰還制御をすることが可能となり、かつより精度の高いAPC制御が可能となる
【0011】
請求項5に記載の光通信装置によれば、上記の取り出し手段によって取り出されたレーザ光の一部を受光するように配置され、該レーザ光の一部の光量を検出する光検出手段を備え、第一の制御手段および第二の制御手段は、光検出手段によって検出された光量に基づいて負帰還制御およびAPC制御を行うことが望ましい。第一の制御手段と第二の制御手段とにおいて共通の光検出手段を使用することにより、簡易な構成で負帰還制御およびAPC制御が実現される。
【0012】
第一の制御手段は、光偏向手段を駆動制御することによって、レーザ光の光ファイバへの入射面内における位置を、レーザ光の伝送帯域の周波数よりも低い第一の周波数で所定の方向で周期的に変化させながら光検出手段によってレーザ光の一部の光量の変化を検出し、検出された光量の変化に基づいて負帰還制御を行う構成とすることが適切である(請求項6)。光検出手段で検出される負帰還制御のための光量変化の周波数は、伝送帯域の周波数よりも低く、したがって識別可能となるので、負帰還制御と信号の伝送とを同時に行うことが可能となる。
【0013】
第二の制御手段は、上記第一の周波数よりも低い第二の周波数でAPC制御用の信号を検出することが望ましい(請求項7)。このように構成することにより、該光偏向手段の駆動を止めずにAPC制御が可能となる。つまり、光偏向手段によって偏向される信号光の光ファイバへの入射面内における位置がコア中心に向かうように監視しつつ、レーザ光の光量を所定量に保つことができる。
【0014】
第二の制御手段は、光検出手段によって検出される光量が所定の光量になるようにレーザ光源を駆動制御する。特に光偏向手段を駆動中にAPC制御する場合には、第二の制御手段は、該光偏向手段の駆動により変化する光量の平均値が所定の値になるようにレーザ光源を駆動制御することが好ましい(請求項8)。
【0015】
上記の取り出し手段としては、光ファイバ内に導入されたレーザ光の一部を反射して該光ファイバ外部に導くように該光ファイバ内部にハーフミラーを形成することができる(請求項9)。このように構成することで、制御手段は、ハーフミラーで反射することによって取り出されたレーザ光の一部を用いて負帰還制御を行うことができる。
【0016】
或いは、光ファイバが取り出し手段としてのファイバカプラを有する構成とし、該ファイバカプラによって、光偏向手段で偏向され光ファイバ内に導入されたレーザ光の一部が取り出されるようにする。このように構成することによって、制御手段は、ファイバカプラによって取り出されたレーザ光の一部を用いて負帰還制御を行うことが可能である(請求項10)。
【0017】
光偏向手段は、光源からのレーザ光を光ファイバに向けて集光させるレンズと、レーザ光が光ファイバのコア中心に向かうように該レンズを移動させるためのアクチュエータとを有する構成とすることができる(請求項11)。
【0018】
また本願発明は、光通信用の信号光を用いて上記の負帰還制御およびAPC制御を行う構成にしたことにより、片側の面のみからレーザ光を照射する面発光レーザをレーザ光源として使用する場合に好適な構成といえる(請求項12)。なお面発光レーザは発光角度が数度と小さいので光軸方向部品の配置精度が緩和できる利点がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態としての光通信モジュール10の構成を表す図である。光通信モジュール10は、光ファイバー通信を加入者宅内に引き込むONUとして用いられ、例えば、一本の光ファイバで上り信号として波長1.3μmを送信し、下り信号として1.5μmの信号を受信するように構成された、双方向のWDM伝送に対応した光通信モジュールである。図1において実線の矢印は上り信号光を表し、破線の矢印は下り信号光を表す。
【0020】
送信用の信号光の光源であるレーザLD1は面発光レーザであり、送信用の情報によって変調されるように構成されている。レーザLD1、集光レンズ3、WDMフィルタ5および光ファイバ7は、共通の光軸上に配置され、レーザLD1で発光された波長1.3μmの送信光は、集光レンズ3によって光ファイバ7の入射面7aに向けて集光される。WDMフィルタ5は、レーザLD1から入射した波長1.3μmの送信光については、光ファイバ7に向けて通過させる。
【0021】
一方、光ファイバ7を介して送信されてきた波長1.5μmの受信光は、WDMフィルタ5で反射され、下り信号光を受光する光検出器8に入射する。受信光は、光検出器8によって電気信号に変換された後、情報を復号するため処理される。
【0022】
図1に示すように光ファイバ7にはハーフミラー11が形成されており、入射面7aから入射した送信用の信号光の一部は、ハーフミラー11で反射されて光検出器9に向かう。光通信モジュール10は、光ファイバ7に入射した送信用の信号光を光検出器9で検出する。これにより、信号光の光ファイバ7への入射面内における位置に関する負帰還制御を行い、信号光が正確にコア中心に導かれるようにするとともに、信号光の光量に関する制御(APC制御;Automatic Power Control)を行い、該信号光の光量を所定量に均一に保つ。
【0023】
まず、光ファイバ7の入射面7aに入射する送信用の信号光の位置を負帰還制御するための構成に関して説明する。光検出器9は、コントローラ13と接続されており、コントローラ13は、光検出器9に入射した光、つまりハーフミラー11で反射して光ファイバ7外部に導かれた送信用の信号光の一部の光量を取得する。
【0024】
図2に、光ファイバ内にハーフミラー11を形成するための構成の一例を示す。このように、一方の光ファイバ21にハーフミラー部23を設け、他方の光ファイバ22を接着層24を介して接着させる構成とすることができる。
【0025】
コントローラ13は、図3に詳細を示すように、アクチュエータ15,17を介して集光レンズ3の位置を変化させ、それにより、光ファイバ7の入射面7a上における送信用の信号光の位置を変化させることができる。なお、アクチュエータ15は、集光レンズ3を、その光軸に垂直な面内の一つの軸方向(X方向)で移動させることができ、一方アクチュエータ17は、集光レンズ3をその光軸に垂直な面内でX方向と直交するY方向で移動させることができる。
【0026】
コントローラ13は、集光レンズ3をX方向またはY方向で一定周期、一定振幅で微少振動させることによって、送信用の信号光の光ファイバ7の入射面7a上での位置をX方向またはY方向において微少振動させることができる。このように信号光を微少振動させ、そのときハーフミラー11で反射され光検出器9で検出される送信用の信号光の光量変化を調べることによって、後に詳細に説明するように、送信用の信号光の、光ファイバ7の入射面7aにおけるコア中心に対する位置が把握され、それによって、信号光を光ファイバ7のコア中心に導くことが可能となる。なお、以上のように信号光をX方向またはY方向で一定周期、一定振幅で微少振動させる動作を、本明細書において、以下、「wobbling」と記す。
【0027】
なお、wobblingの周波数は、送信用の信号光の伝送帯域の周波数よりも低い周波数となっており、適当な電気的周波数フィルタを付加することにより2つの信号を分離することができる。したがってコントローラ13は、送信用の信号光で情報の伝送が行われている最中でも、wobblingによる送信用の信号光の光量変化を取り出すことができるようになっている。
【0028】
wobblingによって、送信用の信号光の入射面7a内におけるコア7cの中心(コア中心7d)に対する位置を得るための動作原理は、図4−7を参照して以下詳細に説明される。
【0029】
図4は、コア7cおよびクラッド7bからなる光ファイバ7の入射面7aの断面を示すと共に、送信用の信号光(スポットS)の入射面7a内におけるwobbling動作を両矢印で示している。このようにwobblingでは、集光レンズ3をXまたはY方向において一定周期、一定振幅で振動させる。図4はY方向でwobblingを行う場合を示している。
【0030】
図4(c)は、送信用の信号光の入射面7a内における位置が、コア中心7dである場合、図4(b)は、コア中心7dに対してY方向のプラス側に少しずれている場合、図4(a)は、コア中心7dに対してY方向のプラス側に(b)の場合よりも大きくずれている場合を示す。図4(a),(b),(c)において、記号A(および記号C)は、現在の送信用の信号光の入射面7a内における位置(wobblingによる移動がない場合の位置)、記号Bは、wobblingによってY方向で最もマイナス側に振れた場合の位置、記号Dは、wobblingによってY方向で最もプラス側に振れた場合の位置を示している。つまり、wobblingによって送信用の信号光の入射面7a内における位置は、A→B→C→D→Aの順で移動し、これを一周期としてこの動作を繰り返す。
【0031】
図5は、送信用の信号光の入射面7a内における位置がwobblingによって図4のように変化する場合に、光検出器9で検出される光の光量、つまり光ファイバ7の入射面7aにおいてコア7c入射した送信用の信号光の光量変化を示している。図5(a)は、図4(a)に示す状態でwobblingが行われた場合の送信用の信号光の光量変化を示し、図5(b)は、図4(b)に示す状態でwobblingが行われた場合の送信用の信号光の光量変化を示し、図5(c)は、図4(c)に示す状態でwobblingが行われた場合の送信用の信号光の光量変化を示している。
【0032】
図5(c)に示すように、送信用の信号光の入射面7a内における位置がコア中心7dと同じである場合は、位置Aでは、信号光はコア中心7dにあるので最大の光量となり、位置Bでは、信号光はコア中心7dに対してY軸上でマイナス方向の最も離れた位置となるので最小の光量となる。位置Cでは、信号光はコア中心7dに戻るので再び最大の光量となり、位置Dでは、信号光はコア中心7dに対してY軸上でプラス方向の最も離れた位置となるので再び最小の光量となる。
【0033】
位置A、位置B、位置C、位置Dにおいて光検出器9によって検出された送信用の信号光の光量を、それぞれPa、Pb、Pc、Pdとする。図5(c)からも明らかなように、送信用の信号光の入射面7a内における位置がコア中心7dと同じである場合における、wobblingによる信号光の光量変化は、次の関係(1)によって定義付けることができる。
Pb=Pd , Pa=Pc      ・・・(1)
【0034】
次に、送信用の信号光の入射面7a内における位置がコア中心7dから若干Y軸プラス側にずれている状態でwobblingを行った場合(図4(b))の、送信用の信号光の光量変化は図5(b)のようになる。つまり、位置Aでは、コア中心7dから若干ずれているために最大光量とはならず、位置B方向に移動するまでの間の位置でコア中心7dと一致し最大光量となる(符号81)。ここから位置Bに向かうにしたがって信号光はコア中心7dから離れていくので、信号光の光量は次第に低下する(符号82)。位置Bからは位置Cまでは、位置Aから位置Bまでの光量変化と逆の経路をたどって光量変化することは容易に理解できる。
【0035】
位置Cから位置Dに向うにしたがって、信号光はコア中心7dからますます遠ざかるので、その信号光量はますます低下し位置Dで最小の光量となる。位置Dからは位置Aまでは、位置Cから位置Dまでの光量変化と逆の経路をたどって光量変化することは容易に理解できる。
【0036】
図5(b)に示されるように、信号光の入射面7a内における位置がコア中心から若干Y方向プラス側にずれている場合に、wobblingを行った場合の信号光の光量変化の波形は、図5(c)の場合の波形の形状と比較すると、位置Bにおける光量Pbを上に持ち上げたような形状となっている。したがって、図5(b)における位置A、位置B、位置C、位置Dでの送信用の信号光の光量を、それぞれPa、Pb、Pc、Pdとすると、図5(b)の場合の信号光の光量変化は、次の関係(2)によって定義付けることができる。
Pb>Pd , Pa=Pc      ・・・(2)
【0037】
次に、送信用の信号光の入射面7a内における位置がコア中心7dから図4(b)の場合よりもさらにY軸プラス側にずれている状態でwobblingを行った場合(図4(a))の、送信用の信号光の光量変化は図5(a)のようになる。すなわち、位置Aでは、コア中心7dからずれているために最大光量とはならず、位置Bでコア中心7dとほぼ一致し最大光量となる。位置Bからは位置Cまでは、位置Aから位置Bまでの光量変化と逆の経路をたどる。
【0038】
位置Cから位置Dに向うにしたがって、信号光はコア中心7dからさらに遠ざかるので、その信号光量はさらに低下し、位置Dで最小の光量となる。位置Dからは位置Aまでは、位置Cから位置Dまでの光量変化と逆の経路をたどる。
【0039】
図5(a)において位置Bでの光量Pbは、図5(b)の場合よりも大きな値となっている。図5(a)における位置A、位置B、位置C、位置Dでの送信用の信号光の光量を、それぞれPa、Pb、Pc、Pdとすると、図5(a)の場合の信号光の光量変化は、次の関係(3)によって定義付けることができる。
Pb≫Pd , Pa=Pc      ・・・(3)
【0040】
上記関係(1)、(2)および(3)から、信号光の位置がコア中心7dからY軸プラス方向にずれるにしたがって、PdからPbを減じた値は、次第に小さくなる(Pd−Pbの符号がマイナスなので絶対値は大きくなる)ことが理解できる。したがって、(Pd−Pb)の結果を制御信号として用いることで、信号光の位置をコア中心に向けて負帰還制御することが可能である。
【0041】
ただし、(Pd−Pb)の絶対値は、信号光の位置が図4(a)の状態よりもさらにY軸プラス側にずれていくにしたがって、逆に小さくなることに留意する必要があるが、このような性質が解っていれば、wobblingの中心位置を適宜変化させることによって、コア中心7dの位置を知ることは可能である。
【0042】
図4(a)〜(c)、および、図5(a)〜(c)を参照して以上説明したwobblingによる信号光の光量変化は、信号光の位置がコア中心7dからY軸プラス側にずれている場合のものであった。信号光の位置がコア中心7dからY軸マイナス側にずれる場合については、次のようになる。なお、位置A、B、C、Dに関する定義は上記と同様であるものとし、位置A(および位置C)は、現在の送信用の信号光の入射面7a内における位置、位置Bは、wobblingによってY方向で最もマイナス側に振れた場合の位置、位置Dは、wobblingによってY方向で最もプラス側に振れた場合の位置である。wobblingによって送信用の信号光の入射面7a内における位置は、A→B→C→D→Aの順で移動する。
【0043】
信号光の位置がコア中心7dに対してY軸マイナス側に若干ずれている場合には(コア中心7dを挟んで図4(b)の場合と対向する位置である場合)、信号光が位置Aから位置Bに移動するにしたがってコア中心から離れるので信号光量はしだいに低下し、位置Bで最小光量となる。位置Bから位置Cまでの移動では、信号光量は位置A→位置Bと逆の経路をたどって変化する。位置Cから位置Dに移動する途中で信号光はコア中心に一致するので最大光量となり、そこから位置Dに向うにしたがって信号光量は低下する。位置DからAまでの移動では、信号光量は位置C→位置Dと逆の経路をたどって変化する。
【0044】
つまり、この場合の信号光量の変化は、図5(b)の波形を周期Tの1/2に相当する時間だけ図5(b)の左方向にシフトさせた形状となる。この場合の光量変化の波形を図6(b)に示す。図6(b)における位置A、位置B、位置C、位置Dでの送信用の信号光の光量を、それぞれPa、Pb、Pc、Pdとすると、図6(b)の場合の信号光の光量変化は、次の関係(4)によって定義付けることができる。
Pb<Pd , Pa=Pc      ・・・(4)
【0045】
次に、信号光の位置がコア中心7dに対してY軸マイナス側にさらにずれている場合には(コア中心7dを挟んで図4(a)の場合と対向する位置である場合)、wobblingによる信号光量の変化は次のようになる。信号光が位置Aから位置Bに移動するにしたがってコア中心から離れるので信号光量はしだいに低下し、位置Bで最小光量となる。位置Bから位置Cまでの移動では、信号光量は位置A→位置Bと逆の経路をたどって変化する。位置Cから位置Dに移動するにしたがって信号光はコア中心に近くなり位置Dでコア中心とほぼ一致するので、信号光量は次第に強くなり位置Dで最大光量となる。位置DからAまでの移動では、信号光量は位置C→位置Dと逆の経路をたどって変化する。
【0046】
つまり、この場合の信号光量の変化は、図5(a)の波形を周期Tの1/2に相当する時間だけ図5(a)の左方向にシフトさせた形状となる。この場合の光量変化の波形を図6(a)に示す。図6(a)における位置A、位置B、位置C、位置Dでの送信用の信号光の光量を、それぞれPa、Pb、Pc、Pdとすると、図6(a)の場合の信号光の光量変化は、次の関係(5)によって定義付けることができる。
Pb≪Pd , Pa=Pc      ・・・(5)
【0047】
上記関係(4)および(5)から、信号光の位置がコア中心7dからY軸マイナス側にずれるにしたがって、PdからPbを減じた値は、次第に大きくなることが理解できる。つまり、信号光の位置がコア中心7dからY軸マイナス側にずれる場合には、(Pd−Pb)の値は、信号光の位置がコア中心7dからY軸プラス側にずれる場合の符号を逆にした値となる。
【0048】
このことは、(Pd−Pb)符号を調べることによって、信号光の位置がコア中心に対してY軸(またはX軸)のプラス側とマイナス側のどちらにずれているかを知ることができ、また、(Pd−Pb)の絶対値を調べることによって、信号光の位置がコア中心に対してどのくらいずれているかを知ることができることを意味している。
【0049】
なお、以上の説明はY軸方向に関して信号光の位置をwobblingにより負帰還制御する場合の内容であったが、X軸方向に関する動作も同様の原理で実行することができる。
【0050】
以上の事実から、Y軸方向(またはX軸方向)にwobblingを行って信号光の光量変化を取得し、その結果に基づいて得られる(Pd−Pb)の値と、信号光の位置のコア中心に対するずれとの対応関係は、図7のグラフで表すことができる。図7において横軸は、信号光の位置のコア中心7dを中心とする位置のずれを表し、縦軸は(Pd−Pb)の値である。
【0051】
上述のように、信号光の位置のコア中心に対するずれがY軸(またはX軸)上で、0からプラス方向に大きくなるとき(図7の右方向)、(Pd−Pb)の符号はマイナスとなり、その絶対値は次第に大きくなり最大値となった後、再び減少し0になる。反対に、信号光の位置のコア中心に対するずれが0からマイナス方向に大きくなるとき(図7の左方向)、(Pd−Pb)の符号はプラスとなり、その絶対値は次第に大きくなり最大値となった後、再び減少し0になる。
【0052】
なお、図8のタイミングチャートに示すように、2次元のwobblingを行う場合には、X軸方向でwobblingを行って信号光量の検出(サンプリング)をして、X軸方向における送信用の信号光の位置の帰還制御を行う間は、Y軸方向における信号光の位置に関しては状態をホールドさせ、Y軸方向で信号光量の検出(サンプリング)を行って送信用の信号光の位置の帰還制御を行う間は、X軸方向における信号光の位置に関しては状態をホールドさせるというように、X方向とY方向でのサンプリングとホールドを交互に行う構成とすることが適切である。
【0053】
なお、図8に示すような負帰還制御の動作は、光通信モジュール10が常に振動が与えられるような厳しい環境条件で用いられる場合には常時行うような構成とし、環境条件がゆるやかで経時変化のみ考慮すれば良いような場合には定期的に実行するようにしても良い。負帰還制御動作と負帰還制御動作の間、すなわち負帰還制御動作させない間は、X、Y方向ともにホールド状態に維持する。
【0054】
以上説明したようにwobblingによって得られた信号光の光量変化から(Pd−Pb)を取り出すことによって、信号光のコア中心に対する位置を取得することができ、信号光をコア中心に導くことができる。X方向およびY方向の2次元でwobblingを行うことで、信号光は正確にコア中心に導かれる。
【0055】
続いて、光ファイバ7の入射面7aに入射する送信用の信号光の光量をAPC制御するための構成に関して説明する。信号光に関するAPC制御は、信号光の入射面7aへの入射位置に関する負帰還制御の動作が完了した後、つまり、信号光が正確にコア中心に導かれている状態で行われる。
【0056】
図1に示すように、光検出器9は、コントローラ13に接続されているだけでなく、APC回路14にも接続されている。つまり、光通信モジュール10は、位置に関する負帰還制御を行うための光検出手段とAPC制御を行うための光検出手段とを光検出器9で共通化している。これにより、部品点数を減らして、安価かつ簡素な構成になっている。APC回路14は、光検出器9に入射した光、つまりハーフミラー11で反射した送信用の信号光の光量を取得する。APC回路14は、光検出器9に入射した信号光の光量が所定の光量に保たれるようにレーザLD1のAPC制御を行う。
【0057】
なお本実施形態では、wobblingを止めずにAPC制御を行う。この場合、Wobblingによって変化する光量の平均値をAPC制御用の検出信号として用いる。そしてAPC回路14が該検出信号に基づいてAPC制御する周波数は、Wobbling周波数帯域よりも低い帯域を用いて行う。これは、例えば、光通信モジュール10が厳しい環境条件下で使用される場合に有効な手段である。なお、光通信モジュール10を使用する環境条件が比較的緩やかである場合等においては、APC制御時、コントローラ13によるwobblingを行わず、コア中心に信号光が導かれる状態で集光レンズ3をホールドしてもよい。
【0058】
このように、光通信モジュール10では、光ファイバ7内を通過する信号光を検出してAPC制御を行う構成にしている。しかも、予め入射位置の負帰還制御によって該信号光が正確にコア中心に導かれている状態でAPC制御が行われるため、より精度の高いAPC制御が可能となる。
【0059】
図9は、本発明の第2の実施形態としての光通信モジュール40の構成を示す図である。光通信モジュール40では、図1の光通信モジュール10と比較して、光ファイバ内に導かれた送信用の信号光の一部を取り出すための構成を異ならせた。すなわち、光ファイバ47にはファイバカプラ41が設けられ、レーザLD1を発した送信用の信号光の一部はファイバカプラを介して分岐され、光検出器9によってその光量が検出されるようになっている。なお、図9において、図1の光通信モジュール10と同等の構成部品には同一の符号を用いている。
【0060】
このように、ファイバカプラ41を用いた場合にも、図1においてハーフミラー11を用いた場合と同様に、送信用の信号光の一部を取り出すことができる。したがって、光通信モジュール40によって、光通信モジュール10と同様に信号光の光ファイバ7に対する入射位置に関する負帰還制御および該信号光の光量に関するAPC制御が達成される。
【0061】
図10にファイバカプラ41の構成についての一般的な例を示した。図10(a)に示されるようにファイバカプラ41はコアが隣接して形成され、図のA1方向の断面は、図10(b)に示したような形状となる。レーザLD1からの信号光の一部は、隣接して形成された他方のコアに結合され、それによってレーザLD1からの信号光の一部が光検出器9に導かれる。
【0062】
なお、ファイバ内に一旦導かれた送信用の信号光の一部を取り出すための構成は様々なものがあり得るので、それらの構成によってハーフミラーやファイバカプラを適宜置き換えて光通信モジュールを構成することが可能である。
【0063】
また、位置に関する負帰還制御および光量に関するAPC制御のために用いる信号光としては、一旦ファイバ内に導かれたものを取り出して用いるのが適切であるが、光ファイバへの入射位置と検出される光の光量の対応関係が適切に定められていれば、光ファイバに入射する前の信号光を受光して用いることによっても同様に実施することは可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、送信用の信号光の光ファイバの入射面上での位置がコア中心となるように負帰還制御することが可能となり、かつ信号光の光量が常に一定に保たれるようにAPC制御することが可能になる。このように負帰還制御およびAPC制御を行うように構成された光通信装置は、環境変化に左右されることなく、高い性能を維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態としての光通信モジュールの構成を表す図である。
【図2】光ファイバ内にハーフミラーを形成するための構成の一例を示す図である。
【図3】図1の光通信モジュールにおける集光レンズを移動させるためのアクチュエータの構成を示す図である。
【図4】図4(a)は、送信用の信号光の入射面7a内における位置が、コア中心7dに対してY方向のプラス側にずれている場合のwobblingの動作を示し、図4(b)は、信号光の位置がコア中心7dに対してY方向のプラス側に図4(a)の場合よりも少ない量ずれている場合におけるwobblingの動作を示し、図4(c)は、信号光の位置がコア中心7dである場合のwobblingの動作を示す。
【図5】図5(a),(b),(c)は、それぞれ、wobblingの動作が図4(a),(b),(c)のように行われる場合の信号光の光量変化を示すグラフである。
【図6】図6(a)は、信号光の位置が、図5(a)の場合に位置と比較してコア中心7dの対向する位置にある場合のwobblingによる信号光の光量変化を示すグラフであり、図6(b)は、信号光の位置が、図5(b)の場合と比較してコア中心7dの対向する位置にある場合のwobblingによる信号光の光量変化を示すグラフである。
【図7】wobblingを行って信号光の光量変化を取得し、その結果に基づいて得られる(Pd−Pb)の値と、信号光の位置のコア中心に対するずれとの対応関係を表すグラフである。
【図8】2次元のwobblingを行う場合の動作を表すタイミングチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態としての光通信モジュールの構成を示す図である。
【図10】図9の光通信モジュールにおけるファイバカプラの構成についての一般的な例を示す図である。
【符号の説明】
3 集光レンズ
5 WDMフィルタ
7 光ファイバ
8、9 光検出器
10 光通信モジュール
11 ハーフミラー
13 コントローラ
14 APC回路

Claims (12)

  1. 情報が含められた信号光を伝送するための光通信装置であって、送信用の信号光が入射する光ファイバの入射面上における前記信号光の位置が前記光ファイバのコア中心に向かうように負帰還制御を行うとともに、前記信号光の光量が所定の量に保たれるように光量制御を行う制御手段を備えることを特徴とする光通信装置。
  2. 情報が含められた信号光を伝送するための光通信装置であって、
    前記信号光を発光するレーザ光源と、
    前記レーザ光源からの信号光を光ファイバのコア中心に導くための光偏向手段と、
    前記光偏向手段によって偏向される前記信号光の前記光ファイバへの入射面内における位置が前記コア中心に向かうように前記光偏向手段に対し負帰還制御を行う第一の制御手段と、
    前記信号光の光量が所定の光量となるように前記レーザ光源に対しAPC制御を行う第二の制御手段とを備えることを特徴とする光通信装置。
  3. 請求項2に記載の光通信装置において、
    前記第二の制御手段は、前記負帰還制御により前記信号光が前記コア中心に向かう状態でAPC制御を実行することを特徴とする光通信装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の光通信装置において、
    前記光ファイバには、該光ファイバ内に導入されたレーザ光の一部を該光ファイバ外部に取り出す、取り出し手段が設けられ、
    前記第一の制御手段および前記第二の制御手段は、前記光ファイバから取り出された前記レーザ光の一部を用いて負帰還制御およびAPC制御を行うことを特徴とする光通信装置。
  5. 前記取り出し手段によって取り出されたレーザ光の一部を受光するように配置され、該レーザ光の一部の光量を検出する光検出手段を備え、
    前記第一の制御手段および前記第二の制御手段は、前記光検出手段によって検出された前記光量に基づいて負帰還制御およびAPC制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の光通信装置。
  6. 前記第一の制御手段は、前記光偏向手段を駆動制御することによって、前記レーザ光の前記光ファイバへの入射面内における位置を前記レーザ光の伝送帯域の周波数よりも低い第一の周波数で所定の方向に周期的に変化させながら、前記光検出手段によって検出された前記光量の変化に基づいて前記負帰還制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の光通信装置。
  7. 前記第二の制御手段は、前記第一の周波数よりも低い第二の周波数でAPC制御用の信号を検出することを特徴とする請求項6に記載の光通信装置。
  8. 前記第二の制御手段は、前記光偏向手段が駆動することにより変化する前記光量の平均値が所定の値となるように前記レーザ光源を駆動制御することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の光通信装置。
  9. 前記取り出し手段は、前記光ファイバ内に導入されたレーザ光の一部を反射して該光ファイバ外部に導くように該光ファイバ内部に形成されたハーフミラーであることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の光通信装置。
  10. 前記取り出し手段は、前記光ファイバ内に導入されたレーザ光の一部を分岐して取り出すファイバカプラであることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の光通信装置。
  11. 前記光偏向手段は、前記光源からのレーザ光を前記光ファイバに向けて集光させるレンズと、前記レーザ光が前記光ファイバのコア中心に向かうように該レンズを移動させるためのアクチュエータとを有すること、を特徴とする請求項2から請求項9のいずれかに記載の光通信装置。
  12. 前記レーザ光源は面発光レーザであることを特徴とする請求項2から請求項10のいずれかに記載の光通信装置。
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