JP2004094008A - ポリアミド酸溶液および半導電性ポリイミドベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】長期保存後でも所望の電気抵抗値を発現するとともにポリイミドに由来する機械的強度を損なわない半導電性ベルトを作製可能なポリアミド酸溶液および当該ポリアミド酸溶液を用いて得られる半導電性ベルトを提供する。
【解決手段】導電性フィラーを含有し、当該導電性フィラーの安定化処理をしてなるポリアミド酸溶液であって、20℃、60%RHの雰囲気下で100日間保存後の前記導電性フィラーの平均粒子径は、安定化処理直後の平均粒子径に対して95〜105%であるポリアミド酸溶液、および前記ポリアミド酸溶液を用いて得られる半導電性ポリイミドベルト。
【選択図】 図1
【解決手段】導電性フィラーを含有し、当該導電性フィラーの安定化処理をしてなるポリアミド酸溶液であって、20℃、60%RHの雰囲気下で100日間保存後の前記導電性フィラーの平均粒子径は、安定化処理直後の平均粒子径に対して95〜105%であるポリアミド酸溶液、および前記ポリアミド酸溶液を用いて得られる半導電性ポリイミドベルト。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド酸溶液および半導電性ポリイミドベルトに関する。詳しくは、長期間の保存安定性に優れる導電性フィラー含有ポリアミド酸溶液およびそれを用いて得られた半導電性ポリイミドベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、導電性フィラーを含有するポリアミド酸溶液をイミド化させて得られる半導電性ベルトは、複写機やレーザープリンタ、ビデオプリンタやファクシミリ、それらの複合機等の電子写真方式で像を形成記録する電子写真記録装置内の中間転写ベルトとしての利用が知られている。このような半導電性ベルトは、特開昭63−311263号公報に提案されているように、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等で溶解したポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液に、導電性フィラーとしてカーボンブラックを分散させ、その溶液を金属ドラムやエンドレスの金属ベルトなどの支持体上でキャストし、その後、乾燥あるいはイミド化反応を促進させて得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の半導電性ベルトの成形過程で、ポリアミド酸溶液を調製した後にこれを常温、常圧下で保存すると、時間の経過とともにカーボンブラックの平均粒子径が変化する。この平均粒子径の変化は、カーボンブラックの種類によって大きくなることもあれば小さくなることもあるが、生成するベルトの電気抵抗特性に大きな影響を与える。したがって、一定期間保存した後の導電性フィラー含有ポリアミド酸溶液を用いて半導電性ベルトを成形した場合、目的とする電気抵抗値が得られ難い。つまり、目的とする電気抵抗を付与した半導電性ベルトを得るためには、ベルトの成形毎にポリアミド酸溶液を調製し、直ちにベルトに成形しなければならず、量産体制での生産には不向きである。
【0004】
そこで、本発明の目的は、長期保存後でも所望の電気抵抗値を発現するとともにポリイミドに由来する機械的強度を損なわない半導電性ベルトを作製可能なポリアミド酸溶液および当該ポリアミド酸溶液を用いて得られる半導電性ベルトを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、導電性フィラーの平均粒子径の経時変化について鋭意研究したところ、以下の構成により所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明のポリアミド酸溶液は、導電性フィラーを含有し、当該導電性フィラーの安定化処理をしたものであって、20℃、60%RHの雰囲気下で100日間保存後の前記導電性フィラーの平均粒子径は、安定化処理直後の平均粒子径に対して95〜105%であることを特徴とする。
【0007】
前記安定化処理は、導電性フィラーを含有するポリアミド酸溶液を30〜60℃に設定した乾燥機中で6〜24hr放置することによる無撹拌状態での加温処理であることが好ましい。
【0008】
前記導電性フィラーは、カーボンブラックであることが好ましい。
【0009】
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、前記ポリアミド酸溶液を用いて得られることを特徴とする。
【0010】
[作用効果]
本発明のポリアミド酸溶液によると、導電性フィラーの安定化処理により、常温、常圧で100日以上の保存期間でも当該フィラーの平均粒子径の変動が少なく、一度に大量のポリアミド酸溶液を調製して長期にわたり半導電性ベルトを作製し続けても、電気特性の変動が少なく、かつポリイミド樹脂に由来する機械的特性に優れたベルトが得られる。導電性フィラーがカーボンブラックで、安定化処理が無撹拌状態での加温処理の場合、電気特性の変動がより少ない半導電性ポリイミドベルトが得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリアミド酸溶液は、導電性フィラーを含有し、当該導電性フィラーの安定化処理をしてなる半導電性ポリアミド酸溶液であって、20℃、60%RHの雰囲気下で100日間保存後の前記導電性フィラーの平均粒子径は、安定化処理直後の平均粒子径に対して95〜105%であることを特徴とする。
【0012】
本発明における導電性フィラーとは、ポリイミド樹脂に半導電性を付与するものである。一般に、中間転写ベルト等に適した電気抵抗特性としては、表面抵抗率が108 〜1016Ω/□、体積抵抗率が108 〜1016Ω・cmの範囲である。
【0013】
前記の電気抵抗特性を得るために用いる導電性フィラーとしては、例えばケッチェンブラックやアセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック、アルミニウムやニッケルなどの金属、アルミナ、チタン酸カリウム、酸化チタンなどの酸化金属化合物などの導電性ないし半導電性の粉末、あるいはポリアニリンやポリアセチレンなどの導電ポリマーなどの適宜なものの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、電気抵抗の制御の良さからカーボンブラックが好ましい。
【0014】
用いる導電性フィラーの一次粒子径については、偏在による電気抵抗のバラツキを抑制する点から粒子径の小さいものが好ましく用いうる。一般には、5μm以下、就中3μm以下、特に0.01μm〜1μmの一次粒子径のものが好ましく用いうる。
【0015】
本発明において安定化処理とは、ポリアミド酸溶液に含まれる導電性フィラーの平均粒子径を一定期間中、一定の変動幅内に納めることをいう。
【0016】
前記安定化処理は、簡便な操作で効果が長期間持続するという観点から、導電性フィラーを含有するポリアミド酸溶液を30〜60℃に設定した乾燥機中で6〜24hr放置することによる無撹拌状態での加温処理であることが好ましい。前記処理温度及び時間は、45〜55℃で12〜18hrがより好ましい。
【0017】
100日間保存後の導電性フィラーの平均粒子径は、安定化処理直後の平均粒子径に対して95〜105%であり、96〜100%がより好ましい。かかる範囲内であれば、長期保存したポリアミド酸溶液であっても所望の電気抵抗値を発現するポリイミドベルトが得られる。
【0018】
前記平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置により粒径分布を求め、そのメジアン径で表す。前記平均粒子径の変動幅は、安定化処理後20℃、60%RHの雰囲気下で100日間保存後のメジアン径を求め、安定化処理直後のメジアン径に対する割合で示した値である。
【0019】
以下、本発明のポリアミド酸溶液および半導電性ポリイミドベルトの製造方法について説明する。
【0020】
本発明のポリアミド酸溶液は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒中にポリイミド前駆体であるポリアミド酸を溶解し、導電性フィラーを分散させたものである。
【0021】
ポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物あるいはその誘導体とジアミンの略等モルを有機溶媒中で重合反応させることにより得られる。
【0022】
前記テトラカルボン酸二無水物は、下記一般式:
【化1】
{式中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族とを組み合わせたもの、またはそれらの置換された基である。}で表される。
【0023】
前記テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3 ,4 −ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
【0024】
一方ジアミンの例としては、4 ,4 ’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3 ,3 ’−ジクロロベンジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3 ,3 ’−ジメチルベンジジン、3 ,3 ’−ジメトキシベンジジン、4 ,4 ’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン,2,4−ビス(β−アミノ−第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン,オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルへプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルへプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロへキサン、1,10ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピベラジン
H2 N(CH2 )3 O(CH2 )2 O(CH2 )NH2 、
H2 N(CH2 )3 S(CH2 )3 HN2 、
H2 N(CH2 )3 N(CH3 )2 (CH2 )3 NH2 、
等があげられる。
【0025】
上記したテトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としても適宜なものを用いうるが、溶解性などの点により有機極性溶媒が好ましく用いうる。ちなみにその極性溶媒の例としては、N,N−ジアルキルアミド類が有用で有り、例えばこれの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等があげられる。これらは、蒸発、置換または拡散によりポリアミド酸およびポリアミド酸成形品から容易に除去することができる。また、上記以外の有機極性溶媒として、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等があげられる。これらは単独で使用してもよいし、併せて用いても差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、へキサン、ベンゼン、トルエン等を単独でもしくは併せて混合することもできるが、水の添加は好ましくない。すなわち、水の存在によってポリアミド酸が加水分解して低分子量化するため、ポリアミド酸の合成は実質上無水条件下で行う必要がある。
【0026】
上記のテトラカルボン酸二無水物(a)とジアミン(b)とを有機極性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸が得られる。その際のモノマー濃度「溶媒中における(a)+(b)の濃度」は、種々の条件に応じて設定されるが、通常、5〜30重量%程度である。また、反応温度は、イミド化反応が起こらない低温下(80℃以下)に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50℃である。反応時間は、約0.5〜10時間である。
【0027】
反応の進行に伴い、溶液粘度が上昇する。本発明においては、導電性フィラ−を含有するポリアミド酸溶液のB型粘度計における25℃の粘度は、1〜1000Pa・sに調整し用いうる。
【0028】
導電性フィラーの使用量は、導電性フィラーの種類により適宜設定することができる。カーボンブラックを用いた場合、ポリイミド樹脂(固形分)100重量部に対して、電気特性の達成性などの点により15重量部以上は必要であり、機械強度等の機械特性維持などの点より30重量部未満が適当であるので、通常15〜30重量部であり、好ましくは20〜25重量部である。
【0029】
導電性フィラーの配合は、例えば上記したポリアミド酸を調製する際にその溶液にプラネタリミキサ−やビーズミルや3本ロール等の適宜な分散機にて導電性フィラーを混合分散すればよい。なお、均一分散による電気特性のバラツキ防止などの点により、まず溶媒にボールミルや超音波等の適宜な方式で導電性フィラーを分散させた後、その分散液にテトラカルボン酸二無水物やその誘導体とジアミンを溶解させて、重合処理に供する方法が好ましい。
【0030】
このようにして得られたポリアミド酸溶液は、30〜60℃に設定された乾燥機に6〜24hr放置することにより、無撹拌状態で加温処理を行う。この加温処理法により、経時による導電性フィラーの平均粒子径の変化に相当する変化を、処理期間中に急激に与えて導電性フィラーの平均粒子径を安定化させ、経時による影響を減らすことができる。
【0031】
このような安定化処理を行ったポリアミド酸溶液は、直ちにポリイミドベルトを作製するために供してもよく、20℃、60%RHの雰囲気下で少なくとも100日間保存することもできる。保存中のポリアミド酸溶液は、その保存期間中のいずれの時点でも、初期と同等のポリイミドベルトを作製することができる。
【0032】
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、前記ポリアミド酸溶液を用いて製膜することにより製造することができる。製膜法については特に制限はなく、金型の内周面、あるいは外周面に前記ポリアミド酸を浸漬法、遠心成型法、コーティング法等により塗布して塗膜を形成した後、この塗膜を加熱・乾燥により溶媒除去し、さらに高温で加熱してイミド転化し、その後、金型より剥離することにより得ることができる。その際、イミド転化の加熱温度は、ポリイミド樹脂の種類にもよるが、例えば300〜450℃で行われ、イミド転化が十分完了するまで行うのが好ましい。また、必要に応じて、金型を離型処理してもよく、また、脱泡工程を行ってもよい。
【0033】
以上のようにして得られる本発明の半導電性ポリイミドベルトの厚さは、その使用目的などに応じて適宜決定しうるが、一般には強度や柔軟性等の機械特性などの点により、5〜500μmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。
【0034】
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、前記のような電気特性および機械特性により、電子写真記録装置の中間転写ベルトや転写搬送べルト等として有用である。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
【0036】
(実施例1)
カーボンブラック(MA100、三菱化学社製、ファーネスブラック、一次粒子に基づく平均粒子径22nm)200gを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1800g中に添加し、ボールミルで12時間室温で撹拌することにより分散した後、#400ステンレスメッシュでろ過し、濃度10%のカーボン分散液を得た。このカーボンブラック分散NMP液1327.46gを5000mLの4つ口フラスコに移し、N−メチル−2−ピロリドン1197.18gとp−フェニレンジアミン(PDA)162.3g(1.5モル)を仕込み、常温で撹拌させながら溶解した。ついで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)441.33g(1.5モル)を添加し、温度20℃で1時間反応させた後、75℃で20時間加熱しながら撹拌することにより、B型粘度計による溶液粘度が150Pa・sのポリアミド酸溶液(固形分20wt%)を得た。上記ポリアミド酸溶液は#800のステンレスメッシュを用いてろ過して使用した。このポリアミド酸溶液を60℃の乾燥機内に12時間放置し、サンプル1(安定化処理有り)とした。
【0037】
前記サンプル1を、20℃、65%RHに調整されている場所に保存して、100日間にわたってカーボンブラックのメジアン径の経日変化をみた。また、同時に半導電性シームレスベルトを作製し、表面抵抗率を測定した。
【0038】
カーボンブラックのメジアン径については、20日間ごとに前記サンプル1からサンプリングして測定し、100日間にわたる経日変化を調べた。
【0039】
前記サンプル1を直径200mm、長さ500mmの円筒状シリンダーの内周面に厚みが600μmになるように塗布し、回転成形機にて1500rpmで20分間回転させて均一厚みの塗膜を形成した。次に、250rpmで回転させながら該円筒状シリンダーの外側より130℃の熱風を30分間吹き付け、次いで2℃/分の速度で370℃に昇温し、その温度で30分間加熱キュアーした後、冷却、剥離して、75μmの半導電性シームレスベルトを作製した。このベルトは、安定化処理後の初期(0日目)と100日目に作製し、表面抵抗率を印加電圧250Vで測定した。
【0040】
(比較例1)
実施例1に準じて調製したカーボンブラック含有ポリアミド酸溶液を乾燥機内で放置しないこと以外は実施例1と同様にして、150Pa・sのポリアミド酸溶液(安定化処理無し)を得た。得られたポリアミド酸溶液中のカーボンブラックのメジアン径を、実施例1と同様に測定した。また、実施例1と同様にして、75μmの半導電性シームレスベルトを作製した。
【0041】
[評価試験]
実施例および比較例で得たポリアミド酸溶液及び半導電性シームレスベルトについて下記の特性を調べた。
【0042】
(1)メジアン径
ポリアミド酸溶液中のカーボンブラック粒子径の測定には、株式会社堀場製作所製の「LB−500/動的光散乱式粒経分布測定装置」にてメジアン径を測定した。測定試料は、ポリアミド酸溶液をNMPで100倍に希釈した液を用いた。
【0043】
(2)表面抵抗率
半導電性シームレスベルトは、ハイレスタUP(三菱油化社製)を用いて、プローブUR−100、印加電圧250V、10秒値の測定条件により表面抵抗率を測定した。
【0044】
以上の結果を図1と表1に示す。
【0045】
【表1】
図1より、実施例1のポリアミド酸溶液は、少なくとも100日間の保存期間中はメジアン径の変動幅が小さく(100%〜約97%)、保存安定性に優れたものであった。一方、比較例1のポリアミド酸溶液は、メジアン径の変動幅が大きく(100%〜約75%)、保存安定性に劣るものであった。
【0046】
表1より、実施例1のポリアミド酸溶液は、100日保存後でも表面抵抗率が初期値と同程度の値を発現するベルトを生成することができ、保存安定性に優れたものであった。比較例1のポリアミド酸溶液を用いた場合、100日保存後では表面抵抗率が3桁以上も変動したベルトが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で得られたポリアミド酸溶液中のカーボンブラックのメジアン径の経日変化を示すグラフ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド酸溶液および半導電性ポリイミドベルトに関する。詳しくは、長期間の保存安定性に優れる導電性フィラー含有ポリアミド酸溶液およびそれを用いて得られた半導電性ポリイミドベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、導電性フィラーを含有するポリアミド酸溶液をイミド化させて得られる半導電性ベルトは、複写機やレーザープリンタ、ビデオプリンタやファクシミリ、それらの複合機等の電子写真方式で像を形成記録する電子写真記録装置内の中間転写ベルトとしての利用が知られている。このような半導電性ベルトは、特開昭63−311263号公報に提案されているように、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等で溶解したポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液に、導電性フィラーとしてカーボンブラックを分散させ、その溶液を金属ドラムやエンドレスの金属ベルトなどの支持体上でキャストし、その後、乾燥あるいはイミド化反応を促進させて得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の半導電性ベルトの成形過程で、ポリアミド酸溶液を調製した後にこれを常温、常圧下で保存すると、時間の経過とともにカーボンブラックの平均粒子径が変化する。この平均粒子径の変化は、カーボンブラックの種類によって大きくなることもあれば小さくなることもあるが、生成するベルトの電気抵抗特性に大きな影響を与える。したがって、一定期間保存した後の導電性フィラー含有ポリアミド酸溶液を用いて半導電性ベルトを成形した場合、目的とする電気抵抗値が得られ難い。つまり、目的とする電気抵抗を付与した半導電性ベルトを得るためには、ベルトの成形毎にポリアミド酸溶液を調製し、直ちにベルトに成形しなければならず、量産体制での生産には不向きである。
【0004】
そこで、本発明の目的は、長期保存後でも所望の電気抵抗値を発現するとともにポリイミドに由来する機械的強度を損なわない半導電性ベルトを作製可能なポリアミド酸溶液および当該ポリアミド酸溶液を用いて得られる半導電性ベルトを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、導電性フィラーの平均粒子径の経時変化について鋭意研究したところ、以下の構成により所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明のポリアミド酸溶液は、導電性フィラーを含有し、当該導電性フィラーの安定化処理をしたものであって、20℃、60%RHの雰囲気下で100日間保存後の前記導電性フィラーの平均粒子径は、安定化処理直後の平均粒子径に対して95〜105%であることを特徴とする。
【0007】
前記安定化処理は、導電性フィラーを含有するポリアミド酸溶液を30〜60℃に設定した乾燥機中で6〜24hr放置することによる無撹拌状態での加温処理であることが好ましい。
【0008】
前記導電性フィラーは、カーボンブラックであることが好ましい。
【0009】
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、前記ポリアミド酸溶液を用いて得られることを特徴とする。
【0010】
[作用効果]
本発明のポリアミド酸溶液によると、導電性フィラーの安定化処理により、常温、常圧で100日以上の保存期間でも当該フィラーの平均粒子径の変動が少なく、一度に大量のポリアミド酸溶液を調製して長期にわたり半導電性ベルトを作製し続けても、電気特性の変動が少なく、かつポリイミド樹脂に由来する機械的特性に優れたベルトが得られる。導電性フィラーがカーボンブラックで、安定化処理が無撹拌状態での加温処理の場合、電気特性の変動がより少ない半導電性ポリイミドベルトが得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリアミド酸溶液は、導電性フィラーを含有し、当該導電性フィラーの安定化処理をしてなる半導電性ポリアミド酸溶液であって、20℃、60%RHの雰囲気下で100日間保存後の前記導電性フィラーの平均粒子径は、安定化処理直後の平均粒子径に対して95〜105%であることを特徴とする。
【0012】
本発明における導電性フィラーとは、ポリイミド樹脂に半導電性を付与するものである。一般に、中間転写ベルト等に適した電気抵抗特性としては、表面抵抗率が108 〜1016Ω/□、体積抵抗率が108 〜1016Ω・cmの範囲である。
【0013】
前記の電気抵抗特性を得るために用いる導電性フィラーとしては、例えばケッチェンブラックやアセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック、アルミニウムやニッケルなどの金属、アルミナ、チタン酸カリウム、酸化チタンなどの酸化金属化合物などの導電性ないし半導電性の粉末、あるいはポリアニリンやポリアセチレンなどの導電ポリマーなどの適宜なものの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、電気抵抗の制御の良さからカーボンブラックが好ましい。
【0014】
用いる導電性フィラーの一次粒子径については、偏在による電気抵抗のバラツキを抑制する点から粒子径の小さいものが好ましく用いうる。一般には、5μm以下、就中3μm以下、特に0.01μm〜1μmの一次粒子径のものが好ましく用いうる。
【0015】
本発明において安定化処理とは、ポリアミド酸溶液に含まれる導電性フィラーの平均粒子径を一定期間中、一定の変動幅内に納めることをいう。
【0016】
前記安定化処理は、簡便な操作で効果が長期間持続するという観点から、導電性フィラーを含有するポリアミド酸溶液を30〜60℃に設定した乾燥機中で6〜24hr放置することによる無撹拌状態での加温処理であることが好ましい。前記処理温度及び時間は、45〜55℃で12〜18hrがより好ましい。
【0017】
100日間保存後の導電性フィラーの平均粒子径は、安定化処理直後の平均粒子径に対して95〜105%であり、96〜100%がより好ましい。かかる範囲内であれば、長期保存したポリアミド酸溶液であっても所望の電気抵抗値を発現するポリイミドベルトが得られる。
【0018】
前記平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置により粒径分布を求め、そのメジアン径で表す。前記平均粒子径の変動幅は、安定化処理後20℃、60%RHの雰囲気下で100日間保存後のメジアン径を求め、安定化処理直後のメジアン径に対する割合で示した値である。
【0019】
以下、本発明のポリアミド酸溶液および半導電性ポリイミドベルトの製造方法について説明する。
【0020】
本発明のポリアミド酸溶液は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒中にポリイミド前駆体であるポリアミド酸を溶解し、導電性フィラーを分散させたものである。
【0021】
ポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物あるいはその誘導体とジアミンの略等モルを有機溶媒中で重合反応させることにより得られる。
【0022】
前記テトラカルボン酸二無水物は、下記一般式:
【化1】
{式中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族とを組み合わせたもの、またはそれらの置換された基である。}で表される。
【0023】
前記テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3 ,4 −ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
【0024】
一方ジアミンの例としては、4 ,4 ’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3 ,3 ’−ジクロロベンジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3 ,3 ’−ジメチルベンジジン、3 ,3 ’−ジメトキシベンジジン、4 ,4 ’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン,2,4−ビス(β−アミノ−第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン,オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルへプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルへプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロへキサン、1,10ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピベラジン
H2 N(CH2 )3 O(CH2 )2 O(CH2 )NH2 、
H2 N(CH2 )3 S(CH2 )3 HN2 、
H2 N(CH2 )3 N(CH3 )2 (CH2 )3 NH2 、
等があげられる。
【0025】
上記したテトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としても適宜なものを用いうるが、溶解性などの点により有機極性溶媒が好ましく用いうる。ちなみにその極性溶媒の例としては、N,N−ジアルキルアミド類が有用で有り、例えばこれの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等があげられる。これらは、蒸発、置換または拡散によりポリアミド酸およびポリアミド酸成形品から容易に除去することができる。また、上記以外の有機極性溶媒として、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等があげられる。これらは単独で使用してもよいし、併せて用いても差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、へキサン、ベンゼン、トルエン等を単独でもしくは併せて混合することもできるが、水の添加は好ましくない。すなわち、水の存在によってポリアミド酸が加水分解して低分子量化するため、ポリアミド酸の合成は実質上無水条件下で行う必要がある。
【0026】
上記のテトラカルボン酸二無水物(a)とジアミン(b)とを有機極性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸が得られる。その際のモノマー濃度「溶媒中における(a)+(b)の濃度」は、種々の条件に応じて設定されるが、通常、5〜30重量%程度である。また、反応温度は、イミド化反応が起こらない低温下(80℃以下)に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50℃である。反応時間は、約0.5〜10時間である。
【0027】
反応の進行に伴い、溶液粘度が上昇する。本発明においては、導電性フィラ−を含有するポリアミド酸溶液のB型粘度計における25℃の粘度は、1〜1000Pa・sに調整し用いうる。
【0028】
導電性フィラーの使用量は、導電性フィラーの種類により適宜設定することができる。カーボンブラックを用いた場合、ポリイミド樹脂(固形分)100重量部に対して、電気特性の達成性などの点により15重量部以上は必要であり、機械強度等の機械特性維持などの点より30重量部未満が適当であるので、通常15〜30重量部であり、好ましくは20〜25重量部である。
【0029】
導電性フィラーの配合は、例えば上記したポリアミド酸を調製する際にその溶液にプラネタリミキサ−やビーズミルや3本ロール等の適宜な分散機にて導電性フィラーを混合分散すればよい。なお、均一分散による電気特性のバラツキ防止などの点により、まず溶媒にボールミルや超音波等の適宜な方式で導電性フィラーを分散させた後、その分散液にテトラカルボン酸二無水物やその誘導体とジアミンを溶解させて、重合処理に供する方法が好ましい。
【0030】
このようにして得られたポリアミド酸溶液は、30〜60℃に設定された乾燥機に6〜24hr放置することにより、無撹拌状態で加温処理を行う。この加温処理法により、経時による導電性フィラーの平均粒子径の変化に相当する変化を、処理期間中に急激に与えて導電性フィラーの平均粒子径を安定化させ、経時による影響を減らすことができる。
【0031】
このような安定化処理を行ったポリアミド酸溶液は、直ちにポリイミドベルトを作製するために供してもよく、20℃、60%RHの雰囲気下で少なくとも100日間保存することもできる。保存中のポリアミド酸溶液は、その保存期間中のいずれの時点でも、初期と同等のポリイミドベルトを作製することができる。
【0032】
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、前記ポリアミド酸溶液を用いて製膜することにより製造することができる。製膜法については特に制限はなく、金型の内周面、あるいは外周面に前記ポリアミド酸を浸漬法、遠心成型法、コーティング法等により塗布して塗膜を形成した後、この塗膜を加熱・乾燥により溶媒除去し、さらに高温で加熱してイミド転化し、その後、金型より剥離することにより得ることができる。その際、イミド転化の加熱温度は、ポリイミド樹脂の種類にもよるが、例えば300〜450℃で行われ、イミド転化が十分完了するまで行うのが好ましい。また、必要に応じて、金型を離型処理してもよく、また、脱泡工程を行ってもよい。
【0033】
以上のようにして得られる本発明の半導電性ポリイミドベルトの厚さは、その使用目的などに応じて適宜決定しうるが、一般には強度や柔軟性等の機械特性などの点により、5〜500μmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。
【0034】
本発明の半導電性ポリイミドベルトは、前記のような電気特性および機械特性により、電子写真記録装置の中間転写ベルトや転写搬送べルト等として有用である。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
【0036】
(実施例1)
カーボンブラック(MA100、三菱化学社製、ファーネスブラック、一次粒子に基づく平均粒子径22nm)200gを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1800g中に添加し、ボールミルで12時間室温で撹拌することにより分散した後、#400ステンレスメッシュでろ過し、濃度10%のカーボン分散液を得た。このカーボンブラック分散NMP液1327.46gを5000mLの4つ口フラスコに移し、N−メチル−2−ピロリドン1197.18gとp−フェニレンジアミン(PDA)162.3g(1.5モル)を仕込み、常温で撹拌させながら溶解した。ついで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)441.33g(1.5モル)を添加し、温度20℃で1時間反応させた後、75℃で20時間加熱しながら撹拌することにより、B型粘度計による溶液粘度が150Pa・sのポリアミド酸溶液(固形分20wt%)を得た。上記ポリアミド酸溶液は#800のステンレスメッシュを用いてろ過して使用した。このポリアミド酸溶液を60℃の乾燥機内に12時間放置し、サンプル1(安定化処理有り)とした。
【0037】
前記サンプル1を、20℃、65%RHに調整されている場所に保存して、100日間にわたってカーボンブラックのメジアン径の経日変化をみた。また、同時に半導電性シームレスベルトを作製し、表面抵抗率を測定した。
【0038】
カーボンブラックのメジアン径については、20日間ごとに前記サンプル1からサンプリングして測定し、100日間にわたる経日変化を調べた。
【0039】
前記サンプル1を直径200mm、長さ500mmの円筒状シリンダーの内周面に厚みが600μmになるように塗布し、回転成形機にて1500rpmで20分間回転させて均一厚みの塗膜を形成した。次に、250rpmで回転させながら該円筒状シリンダーの外側より130℃の熱風を30分間吹き付け、次いで2℃/分の速度で370℃に昇温し、その温度で30分間加熱キュアーした後、冷却、剥離して、75μmの半導電性シームレスベルトを作製した。このベルトは、安定化処理後の初期(0日目)と100日目に作製し、表面抵抗率を印加電圧250Vで測定した。
【0040】
(比較例1)
実施例1に準じて調製したカーボンブラック含有ポリアミド酸溶液を乾燥機内で放置しないこと以外は実施例1と同様にして、150Pa・sのポリアミド酸溶液(安定化処理無し)を得た。得られたポリアミド酸溶液中のカーボンブラックのメジアン径を、実施例1と同様に測定した。また、実施例1と同様にして、75μmの半導電性シームレスベルトを作製した。
【0041】
[評価試験]
実施例および比較例で得たポリアミド酸溶液及び半導電性シームレスベルトについて下記の特性を調べた。
【0042】
(1)メジアン径
ポリアミド酸溶液中のカーボンブラック粒子径の測定には、株式会社堀場製作所製の「LB−500/動的光散乱式粒経分布測定装置」にてメジアン径を測定した。測定試料は、ポリアミド酸溶液をNMPで100倍に希釈した液を用いた。
【0043】
(2)表面抵抗率
半導電性シームレスベルトは、ハイレスタUP(三菱油化社製)を用いて、プローブUR−100、印加電圧250V、10秒値の測定条件により表面抵抗率を測定した。
【0044】
以上の結果を図1と表1に示す。
【0045】
【表1】
図1より、実施例1のポリアミド酸溶液は、少なくとも100日間の保存期間中はメジアン径の変動幅が小さく(100%〜約97%)、保存安定性に優れたものであった。一方、比較例1のポリアミド酸溶液は、メジアン径の変動幅が大きく(100%〜約75%)、保存安定性に劣るものであった。
【0046】
表1より、実施例1のポリアミド酸溶液は、100日保存後でも表面抵抗率が初期値と同程度の値を発現するベルトを生成することができ、保存安定性に優れたものであった。比較例1のポリアミド酸溶液を用いた場合、100日保存後では表面抵抗率が3桁以上も変動したベルトが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で得られたポリアミド酸溶液中のカーボンブラックのメジアン径の経日変化を示すグラフ
Claims (4)
- 導電性フィラーを含有し、当該導電性フィラーの安定化処理をしてなるポリアミド酸溶液であって、20℃、60%RHの雰囲気下で100日間保存後の前記導電性フィラーの平均粒子径は、安定化処理直後の平均粒子径に対して95〜105%であるポリアミド酸溶液。
- 前記安定化処理が、導電性フィラーを含有するポリアミド酸溶液を30〜60℃に設定した乾燥機中で6〜24hr放置することによる無撹拌状態での加温処理である請求項1に記載のポリアミド酸溶液。
- 前記導電性フィラーがカーボンブラックである請求項1または2に記載のポリアミド酸溶液。
- 請求項1〜3いずれかに記載のポリアミド酸溶液を用いて得られる半導電性ポリイミドベルト。
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