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JP2004092260A - 受圧板用部材及び受圧板工法 - Google Patents

受圧板用部材及び受圧板工法 Download PDF

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JP2004092260A
JP2004092260A JP2002256963A JP2002256963A JP2004092260A JP 2004092260 A JP2004092260 A JP 2004092260A JP 2002256963 A JP2002256963 A JP 2002256963A JP 2002256963 A JP2002256963 A JP 2002256963A JP 2004092260 A JP2004092260 A JP 2004092260A
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outer shell
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pressure receiving
concrete
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Application number
JP2002256963A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Takenaka
竹中 邦博
Masahiko Sakaguchi
坂口 昌彦
Takeo Sawanobori
澤登 丈夫
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Sango Co Ltd
Sango KK
Nitto Kako Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Sango Co Ltd
Sango KK
Nitto Kako Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Engineering Plastics Corp, Sango Co Ltd, Sango KK, Nitto Kako Co Ltd filed Critical Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

【課題】廃プラスチックを有効に利用することができ、施工現場への運搬及び施工が容易であり、凹凸のある地山表面にも安定して施工することができる受圧板用部材及び受圧板工法を提供する。
【解決手段】斜面安定化のためのアンカー工法に用いる受圧板用部材であって、合成樹脂よりなり、中央部にアンカー挿通孔を有し、内部にセメント系コンクリート又はモルタルを注入する外殻、及び、2か所以上において外殻と結合し外殻内に固定されるコンクリート補強用鉄筋かごからなることを特徴とする受圧板用部材、並びに、該受圧板用部材を、アンカー挿通孔に地山に係止したアンカー部材を挿通して仮固定し、外殻内部にセメント系コンクリート又はモルタルを注入し、硬化させることにより受圧板を形成し、該受圧板をアンカー部材に永久固定することを特徴とする受圧板工法。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受圧板用部材及び受圧板工法に関する。さらに詳しくは、本発明は、廃プラスチックを有効に利用することができ、施工現場への運搬及び施工が容易であり、凹凸のある地山表面にも安定して施工することができる受圧板用部材及び受圧板工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
わが国は、平地が少なく山地が多く、地質は脆弱、複雑で、自然状態でも地滑りや崩壊を起こす危険斜面が多く、人工切り取り斜面あるいは盛り土斜面では、保護工を設置しないと大災害を引き起こすおそれのある斜面が多い。このような斜面を安定化して崩壊や地滑りを防止するために、アンカー工法が行われる。アンカー工法は、地山の想定滑り面を越えた良質な地盤内にアンカー部材の先端部を係止し、アンカー部材の後端部を受圧板のアンカー挿通孔に挿通し、アンカー部材を緊張して後端部を受圧板に固定することにより、土塊を良質な地盤に締め付けて、斜面を安定化させる工法である。
受圧板としては、従来より、工場で生産されるプレキャストコンクリート製品が広く用いられてきた。工場で生産されるコンクリート製の受圧板は、材質的に均一化されているものの重量が重く、大型であるために、工場から施工現場までの輸送に多額の費用を要し、道路の状況などによっては、搬入が不可能な場合もあった。また、現場施工に際しても、受圧板を斜面へ吊り上げて設置するために大型の重機が必要であり、コスト高になるのみならず、作業に危険を伴う場合もあった。このために、アンカー工法に用いる受圧板を軽量化し、作業性を向上する努力がなされてきた。
例えば、特開平6−108465号公報には、軽量小型で、施工性、作業性に優れた受圧板として、繊維補強プラスチックで形成された板体を、表面積が大きいものから順次積層してなる受圧板が提案されている。しかし、プラスチックは、コンクリートに比べて強度が劣り、適用し得る範囲は限られる。特開2001−348878号公報には、従来よりも軽量であり、凹凸や起伏のある地面でも摩擦力を確保して定着できるアンカー工法用受圧板として、接地底板部に堅補強板を備えた金属材料製又は樹脂材料製であり、接地底板部の接地面に法面に食い込み可能な突出部を備えた受圧板が提案されている。しかし、コスト的に実用に供し得る金属材料は腐食の問題が避けられず、合成樹脂は強度が十分ではない。
嵩高重量物の輸送と施工の問題を解決するために、コンクリートの現場打設による受圧板の作製も試みられている。例えば、特開平11−269877号公報には、法面との間に隙間が生ぜず、作業性、経済性、安全性を向上させたアンカー工法における受圧板として、上面と底面に開口部を有する支持型枠を法面にピンで固定し、型枠内に袋体を設置し、袋体内に補強部材を設置したのち、固化材料を充填して固化させた受圧板が提案されている。しかし、この受圧板は、形状が直方体に限られる上に、製造工程が長く、生産性が良好であるとは言えない。特開平9−31993号公報には、施工にあたり大型機械を必要とせず、型枠を容易に設置できる受圧板の施工法として、法面に鉄筋かごを配置したのち、上壁と周壁からなる組立式合成樹脂製型枠を設置し、型枠内にコンクリート又はモルタルを充填して硬化し、型枠を取り外す受圧板の施工法が提案されている。しかし、この方法による受圧板も、形状が直方体に限られ、製造工程が長い。
【特許文献1】
特開平6−108465号公報
【特許文献2】
特開2001−348878号公報
【特許文献3】
特開平11−269877号公報
【特許文献4】
特開平9−31993号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、廃プラスチックを有効に利用することができ、施工現場への運搬及び施工が容易であり、凹凸のある地山表面にも安定して施工することができる受圧板用部材及び受圧板工法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、内部にセメント系コンクリート又はモルタルを注入する合成樹脂製の外殻の内部に、コンクリート補強用鉄筋かごを固定した受圧板用部材を斜面に設置し、コンクリート又はモルタルを注入して硬化させることにより、容易にアンカー工法用の受圧板を作製することができ、しかも、外殻の材料として廃プラスチックを利用し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)斜面安定化のためのアンカー工法に用いる受圧板用部材であって、合成樹脂よりなり、中央部にアンカー挿通孔を有し、内部にセメント系コンクリート又はモルタルを注入する外殻、及び、2か所以上において外殻と結合し外殻内に固定されるコンクリート補強用鉄筋かごからなることを特徴とする受圧板用部材、
(2)外殻が、中央部において高く、周縁部において低い形状を有する第1項記載の受圧板用部材、
(3)合成樹脂が、熱可塑性樹脂である第1項記載の受圧板用部材、
(4)熱可塑性樹脂が、使用済みのペットボトルを回収して得られる再生ポリエチレンテレフタレート樹脂である第3項記載の受圧板用部材、
(5)熱可塑性樹脂が、使用済みのリサイクル材を回収して得られる再生ポリプロピレン樹脂である第3項記載の受圧板用部材、及び、
(6)中央部にアンカー挿通孔を有し、コンクリート補強用鉄筋かごを、合成樹脂よりなる外殻に2か所以上において結合して、外殻内に固定した受圧板用部材を、アンカー挿通孔に地山に係止したアンカー部材を挿通して仮固定し、外殻内部にセメント系コンクリート又はモルタルを注入し、硬化させることにより受圧板を形成し、該受圧板をアンカー部材に永久固定することを特徴とする受圧板工法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(7)外殻が、2つ以上に分割されてなる第1項記載の受圧板用部材、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の受圧板用部材は、斜面安定化のためのアンカー工法に用いる受圧板用部材であって、合成樹脂よりなり、中央部にアンカー挿通孔を有し、内部にセメント系コンクリート又はモルタルを注入する外殻、及び、2か所以上において外殻と結合し外殻内に固定されるコンクリート補強用鉄筋かごからなる部材である。
図1(a)は、本発明の受圧板用部材の外殻の一態様の平面図であり、図1(b)は、その側面図であり、図1(c)は、そのA−A線断面図である。本発明に用いる外殻1は、合成樹脂よりなり、底面2が開放され、側面3及び上面4が覆われ、中央部にアンカー挿通孔5を有する。本発明において、外殻は、図1に示すように、中央部において高く、周縁部において低いアーチ状の形状であることが好ましい。外殻を、中央部において高く、周縁部において低い形状とすることにより、外殻の内部にセメント系コンクリート又はモルタルを注入し、硬化して形成される受圧板の形状が、応力が集中する中央部において厚く、応力が小さい周縁部において薄い形状となり、少ない材料を用いて地山からの地盤反力に耐える受圧板を合理的に作製することができる。上面の形状に特に制限はなく、図1に示すような円錐台形状とすることができ、あるいは、球面又は回転楕円体面の一部とすることもできる。外殻の全体形状にも特に制限はなく、図1に示すような正方形とすることができ、あるいは、長方形、十文字形、六角形、八角形、円形などとすることもできる。本発明に用いる合成樹脂よりなる外殻は、図1(c)に示すように、側面の接地部に厚み6を、アンカー挿通孔の接地部にリブ7を設けることが好ましい。側面の接地部の厚みとアンカー挿通孔の接地部のリブを設けることにより、側面及びアンカー挿通孔の接地部の強度を高めるとともに、接地面積を増して、注入されるセメント系コンクリート又はモルタルの漏出を防止し、外観の優れた受圧板を作製することができる。
【0006】
本発明に用いる外殻は、2つ以上に分割されてなることが好ましく、4つ以上に分割されてなることがより好ましい。図2(a)は、2分割されてなる外殻の一態様の平面図であり、図2(b)は、4分割されてなる外殻の一態様の平面図である。外殻を分割することにより、金型コストを削減することができ、外殻の運搬と取り扱いが容易になり、例えば、分割された外殻を軽トラックに積載して道路の状況がよくない施工現場へ運搬し、体力のない作業者が一人で荷下ろしして施工地点まで運び、分割された外殻を接合して組み立て、外殻を完成することができる。外殻の分割数に特に制限はなく、分割により得られる運搬と取り扱い上の利便と、接合に要する工数などを勘案して、最適の分割数を選定することができる。
本発明において、分割された外殻の接合方法に特に制限はなく、例えば、溝、留め金などにより接合することができる。図3(a)は、溝による接合の説明図である。分割された外殻AとBの接合線に設けた溝8、8’を嵌合し、接合することができる。溝には、嵌合されたときに連通する細孔9を設け、嵌合後に細孔にワイヤ10を挿通することにより、確実に接合することができる。図3(b)は、T溝による接合の説明図である。分割された外殻AとBの接合線に設けたT溝11、11’を嵌合し、接合することができる。溝の形状をT形として嵌合することにより、接合部の引き離しに対する抵抗力を高めることができる。T溝においても、必要に応じて、連通する細孔を設けてワイヤを挿通することができる。外殻を4つに分割し、図3(a)又は図3(b)に示す溝又はT溝により接合すると、全く同じ形状の4個の分割された外殻を用いて受圧板用部材を構成することができるので、経済的に受圧板用部材を作製することができる。図3(c)は、留め金による接合の説明図である。分割された外殻AとBの接合線に設けた留め金12、12’を掛け合わせ、外殻AとBを突き合わせ接合することができる。
【0007】
図4(a)は、本発明の受圧板用部材の鉄筋かごの一態様の平面図であり、図4(b)は、その側面図である。本図においては、鉄筋かご13と外殻の位置関係を示すために、外殻1も概略線により示されている。鉄筋かごを作製するための棒鋼に特に制限はなく、JIS G 3112又はJIS G 3117に規定される鉄筋コンクリート用棒鋼又は鉄筋コンクリート用再生棒鋼から、適宜選択することができる。鉄筋かごの組み立て方法に特に制限はなく、例えば、結束線で結束することができ、あるいは、点溶接することもできる。これらの中で、結束線による結束は、鉄筋母材の欠損や熱による変質を生ずるおそれがないので、好適に用いることができる。本発明において、鉄筋かごは、2か所以上、好ましくは4か所以上、より好ましくは8か所以上で外殻と結合し、外殻内に固定される。鉄筋かごを外殻内に固定して地山に載置することにより、鉄筋かごの接地作業が容易になり、セメント系コンクリート又はモルタルの注入によって鉄筋かごの位置ずれが生ずるおそれがなくなるので、安定して所定の強度を有する受圧板を作製することができる。
本発明において、鉄筋かごを外殻と結合する方法に特に制限はなく、例えば、外殻に設けた穴と鉄筋の嵌合、結束線による結束などを挙げることができる。これらの中で、嵌合は、外殻の成形時に鉄筋の寸法に相当する穴を形成しておくことができ、施工現場において、鉄筋かごの外殻との結合を迅速、確実かつ容易に行うことができるので、好適に用いることができる。図5(a)は、鉄筋かごと外殻との結合方法の一態様を示す説明図である。外殻の側面の接地部の厚み6に、鉄筋かご13の端部の鉄筋14が通過し得る寸法の溝15と、鉄筋を嵌合して固定し得る寸法の穴16が設けられている。鉄筋かごの端部の鉄筋14を溝15を通していったん外殻の内側へ入れたのち、穴16に押し込んで嵌合する。図5(b)は、鉄筋かごと外殻との結合方法の他の態様を示す説明図である。外殻の側面の接地部に、穴16を有する突起17が設けられている。鉄筋かごの端部の鉄筋14を、穴16に押し込んで嵌合する。図5(c)は、鉄筋かごと外殻との結合方法の他の態様を示す説明図である。外殻の側面の接地部に、穴16が設けられている。鉄筋かごの端部の鉄筋14を、穴16に押し込んで嵌合する。
【0008】
本発明に用いる外殻を構成する合成樹脂に特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS、アクリル樹脂、フッ素樹脂、生分解性樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらの中で、熱可塑性樹脂を好適に用いることができ、使用済みのペッボトルを回収して得られる再生ポリエチレンテレフタレート樹脂及び使用済みのリサイクル材を回収して得られる再生ポリプロピレン樹脂を特に好適に用いることができる。
ペッボトルは、インジェクション・ブロー法により成形されるので、高重合度のポリエチレンテレフタレート樹脂が用いられる。したがって、回収したペッボトルを再生して得られる樹脂でも、成形材料として必要な重合度を有し、十分な強度を有する成形品を得ることができる。また、ペッボトルはほとんどが無色なので、再生ポリエチレンテレフタレート樹脂を任意に着色することができる。
ポリプロピレンのリサイクル材としては、例えば、パレット、コンテナ、ケース、フィルム、トレー、テープ、不織布、ボトル、キャップ、家電製品のハウジング、自動車の内装材、バンパーなどを挙げることができる。これらの中で、パレット、コンテナ、ケースなどの再生ポリプロピレン樹脂を好適に用いることができる。ポリプロピレンのパレット、コンテナ、ケースなどは、表面が劣化して、著しく汚れたり、傷ついたりした場合には廃棄される。しかし、パレット、コンテナ、ケースなどは肉厚材で構成されているので、表面が劣化しても内部の大部分の樹脂は成形直後の重合度を保持し、再生ポリプロピレン樹脂として用いても、十分な強度を有する成形品を得ることができる。
【0009】
使用済みのペッボトル又は使用済みのポリプロピレンのリサイクル材を回収して再生樹脂とするためには、回収した成形品を洗浄、乾燥して粉砕する。洗浄と乾燥は、成形品を粉砕したのちに行うこともできる。粉砕された樹脂は、押出機を用いて溶融し、ストランド状に押し出して切断し、樹脂ペレットとすることが好ましい。溶融押出によるペレット化に際しては、樹脂にガラス繊維を配合して、ガラス繊維強化再生樹脂とすることが好ましい。樹脂をガラス繊維で強化することにより、強度と剛性の大きい受圧板用の外殻を得ることができる。再生樹脂のガラス繊維の含有量に特に制限はないが、10〜40重量%であることが好ましく、25〜35重量%であることがより好ましい。ガラス繊維の含有量が10重量%未満であると、強化効果が十分に発現しないおそれがある。ガラス繊維の含有量が40重量%を超えると、成形性が不良となるおそれがある。ガラス繊維に加えて、炭酸カルシウム、タルク、マイカなどの充填材を配合し、受圧板用の外殻の剛性を高めることができる。
溶融押出によるペレット化に際しては、さらに必要に応じて、衝撃向上材その他の添加剤を配合することができる。配合する他の添加剤としては、例えば、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、離型剤などを挙げることができる。着色剤を配合して着色することにより、周辺環境と色彩的に調和した外殻とすることができる。紫外線吸収剤又は酸化防止剤を配合することにより、外殻の劣化を防ぎ、長期間にわたって美麗な状態を維持することができる。
【0010】
本発明の受圧板工法においては、中央部にアンカー挿通孔を有し、コンクリート補強用鉄筋かごを、合成樹脂よりなる外殻に2か所以上において結合して外殻内に固定した受圧板用部材を、アンカー挿通孔に地山に係止したアンカー部材を挿通して仮固定し、外殻内部にセメント系コンクリート又はモルタルを注入し、硬化させることにより受圧板を形成し、該受圧板をアンカー部材に永久固定する。図6(a)は、本発明工法の一態様の説明図である。地山の斜面18に、地中の良好な地盤までアンカー穴19(全部は図示しない。)を掘削し、アンカー部材20を挿入し、アンカー部材の先端を含む定着部にグラウト材(図示しない。)を注入して硬化させることにより、アンカー部材を地山に係止する。一方、外殻が2つ以上に分割されている場合は、外殻を組み立てて完成し、鉄筋かごを外殻と結合して外殻内に固定して、本発明の受圧板用部材とする。本発明の受圧板用部材21のアンカー挿通孔5にアンカー部材を挿通し、受圧板用部材をアンカー部材に仮固定する。次いで、コンクリート又はモルタル注入管22を用いて、外殻に設けたコンクリート又はモルタル注入孔23から外殻内に、コンクリート、モルタル、セメントベーストなどを注入する。コンクリート又はモルタル注入孔は、工場で外殻を生産するときに設けておくことができ、あるいは、施工現場において、ドリルなどを用いて加工することもできる。外殻内に注入されたセメント系コンクリート又はモルタルが硬化したのち、必要に応じてアンカー部材に防錆処理を施し、アンカー部材を緊張して受圧板に永久固定する。受圧板の外側に出ているアンカー部材には、ヘッドキャップを装着して、防錆油を注入するなどの防錆処理を施すことが好ましい。
図6(b)は、本発明工法の他の態様の説明図である。本態様においては、外殻にコンクリート又はモルタル注入孔23を設ける代わりに、地表にコンクリート又はモルタル注入溝24を掘ってセメント系コンクリート又はモルタルを注入する以外は、図6(a)に示す態様と同じ工法を行う。
【0011】
本発明工法によれば、斜面に仮固定した受圧板用部材にセメント系コンクリート又はモルタルを注入するので、斜面に凹凸や起伏があっても、コンクリート又はモルタルは地山の表面どおりの形状に注入され、硬化後に地表との間に隙間を生ずることがないので、地盤反力は均一に分散され、工場で生産された受圧板を搬入して設置するときのような、地表の平坦化工事を行う必要がない。また、注入されたセメント系コンクリート又はモルタルは、外殻の形状どおりに充填され硬化するので、図6に示すような中央部が厚く、周縁部が薄い断面がアーチ状の受圧板を、施工現場で容易に作製することができる。
本発明工法により設置した受圧板の外殻は、必要に応じて塗装することができる。受圧板の外殻に塗装することにより、受圧板に良好な外観を与え、受圧板の外殻の耐候性と耐久性を向上させることができる。
本発明の受圧板用部材及び受圧板工法により、運搬費、施工費などを低減することができる。指定の強度のコンクリート、コンクリートミキサー車、コンクリート打設ポンプ車、作業人数は、いずれの地域でも容易に手配入手できるので、経済的に安価で、性能の優れた受圧板を構築することができる。本発明の受圧板用部材は、外殻を分割して小型にして運搬し、施工現場で容易に組み立てることができ、鉄筋の設置も容易かつ確実に行うことができる。
また、従来のコンクリート製型枠方式(二次製品)と現場打ちコンクリートの品質では、工場と現場コンクリート打設時における養生の差などで、コンクリートそのものの品質は、工場製品が若干優れている。しかし、本発明は、外殻がカバーとなり、気象によるコンクリートの劣化を防止することが可能なために、長期にわたるコンクリートの安定性は、本発明工法による受圧板の方が優れている。
また本実施例で示したように、リサイクルされた熱可塑性樹脂を使用することができ、資源再利用にも役立ちこの意味でも本発明の意義は大である。
【0012】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
使用済みのペットボトルを洗浄、粉砕、乾燥したポリエチレンテレフタレートフレーク70重量部とEガラス繊維のチョップドストランド30重量部を混合し、二軸押出機を用いてストランド状に押し出し、ペレタイザーで切断することにより、ガラス繊維強化再生ポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを得た。
得られたペレットから射出成形により試験片を成形し、物性を測定した。密度1.6g/cm、引張強さ122MPa、曲げ弾性率10.4GPa、荷重撓み温度236℃であり、耐候性とガソリンに対する耐油性は、ともに良好であった。
組立後の形状が図1に示す形状であり、縦横の寸法がともに1,200mm、中央部の高さが370mm、周縁部の高さが150mmであり、図2(b)に示す形状に4分割された外殻を、射出成形によって成形した。4分割された外殻を接合する機構は、図3(a)に示す溝とした。鉄筋かごと外殻とは、分割された外殻1個につき2か所、外殻全体として8か所の側面の接地部の厚みに設けた図5(a)に示す溝と穴によった。直径9.53mmの棒鋼と結束線を用いて、図4に示す構造の鉄筋かごを組み立てた。
分割された外殻と鉄筋かごをアンカー工法の施工現場に運搬し、受圧板を組み立て、地山に係止されていたアンカー部材に仮固定し、ドリルにより外殻にコンクリート注入孔をあけた。コンクリート注入孔からセメント系コンクリートを注入し、21日間硬化させたのち、アンカー部材を緊張して永久固定した。
従来の工場生産されたコンクリート製受圧板を搬入してアンカー部材に固定する工法に比べて、養生日数は要したが、施工作業ははるかに簡単で容易であった。
実施例2
ビール瓶の通い箱として使用されていた黄色のポリプロピレン樹脂製のケースを洗浄、乾燥、粉砕したポリプロピレンフレーク70重量部とEガラス繊維のチョップドストランド30重量部を混合し、二軸押出機を用いてストランド状に押し出し、ペレタイザーで切断することにより、ガラス繊維強化再生ポリプロピレン樹脂ペレットを得た。
得られたペレットから射出成形により試験片を成形し、物性を測定した。密度1.13g/cm、引張強さ83MPa、曲げ弾性率4.7GPa、荷重撓み温度80℃であり、耐候性とガソリンに対する耐油性は、ともにやや不良であった。
【0013】
【発明の効果】
本発明の受圧板用部材は、軽量で施工現場への搬入と現場における取り扱いが容易であり、道路の状況のよくない現場へも容易に搬入して、施工することができる。本発明の受圧板工法によれば、合成樹脂よりなる外殻にセメント系コンクリート又はモルタルを注入し、鉄筋で強化された外殻の形状どおりの受圧板を作製するので、経済的かつ容易な工事により、地山の地滑りや崩壊を効果的に防ぐことができる。
本発明の受圧板用部材は、外殻が合成樹脂よりなるので、歪み率や強度を自由に設計することができ、コンクリートなどの他の素材とのバランスを図ることができる。さらに、コンクリートでは困難なきめ細かい着色が可能であり、あらゆる周辺環境と色彩的な調和を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の受圧板用部材の外殻の一態様の平面図、側面図及び断面図である。
【図2】図2は、分割された外殻の平面図である。
【図3】図3は、分割された外殻の接合の説明図である。
【図4】図4は、本発明の受圧板用部材の鉄筋かごの一態様の平面図及び側面図である。
【図5】図5は、鉄筋かごと外殻との結合方法を示す説明図である。
【図6】図6は、本発明の受圧板工法の説明図である。
【符号の説明】
1 外殻
2 底面
3 側面
4 上面
5 アンカー挿通孔
6 厚み
7 リブ
8、8’ 溝
9 細孔
10 ワイヤ
11、11’ T溝
12、12’ 留め金
13 鉄筋かご
14 鉄筋
15 溝
16 穴
17 突起
18 斜面
19 アンカー穴
20 アンカー部材
21 受圧板用部材
22 コンクリート又はモルタル注入管
23 コンクリート又はモルタル注入孔
24 コンクリート又はモルタル注入溝

Claims (6)

  1. 斜面安定化のためのアンカー工法に用いる受圧板用部材であって、合成樹脂よりなり、中央部にアンカー挿通孔を有し、内部にセメント系コンクリート又はモルタルを注入する外殻、及び、2か所以上において外殻と結合し外殻内に固定されるコンクリート補強用鉄筋かごからなることを特徴とする受圧板用部材。
  2. 外殻が、中央部において高く、周縁部において低い形状を有する請求項1記載の受圧板用部材。
  3. 合成樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項1記載の受圧板用部材。
  4. 熱可塑性樹脂が、使用済みのペットボトルを回収して得られる再生ポリエチレンテレフタレート樹脂である請求項3記載の受圧板用部材。
  5. 熱可塑性樹脂が、使用済みのリサイクル材を回収して得られる再生ポリプロピレン樹脂である請求項3記載の受圧板用部材。
  6. 中央部にアンカー挿通孔を有し、コンクリート補強用鉄筋かごを、合成樹脂よりなる外殻に2か所以上において結合して、外殻内に固定した受圧板用部材を、アンカー挿通孔に地山に係止したアンカー部材を挿通して仮固定し、外殻内部にセメント系コンクリート又はモルタルを注入し、硬化させることにより受圧板を形成し、該受圧板をアンカー部材に永久固定することを特徴とする受圧板工法。
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