JP2004091462A - 糖質吸収阻害剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】糖尿病の予防・緩和および肥満の防止にきわめて有効な黒米由来の糖質吸収阻害剤およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の糖質吸収阻害剤は、黒米の含水アルコール抽出物を有効成分とすることを特徴とする。黒米は、脱脂した後、含水エタノールで抽出する。本発明の糖質吸収阻害剤は、糖尿病予防組成物またはダイエット用飲食品に配合するとよい。
【解決手段】本発明の糖質吸収阻害剤は、黒米の含水アルコール抽出物を有効成分とすることを特徴とする。黒米は、脱脂した後、含水エタノールで抽出する。本発明の糖質吸収阻害剤は、糖尿病予防組成物またはダイエット用飲食品に配合するとよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、黒米由来のα−グルコシダーゼ阻害剤、α−アミラーゼ阻害剤、糖質吸収阻害剤等を用いることにより、糖尿病の予防、ダイエット、痩身等に有効な食品、医薬品、健康食品、医薬部外品、を提供する。
【0002】
【従来の技術】
食品中に含まれる多糖類(デンプン、グリコーゲン等)は、唾液および膵液中のα−アミラーゼによって加水分解され、マルトースやイソマルトースなどのオリゴ糖に分解される。次いで、小腸にてα−グルコシダーゼ等の二糖類分解酵素によってグルコースにまで分解され、吸収される。
このようにα−アミラーゼおよびα−グルコシダーゼは、体内で糖質の消化酵素として重要な役割を果たしており、これらの酵素活性が血糖値に影響を与える。よって、糖尿病や肥満の予防および治療において、これらの酵素活性を制御することは重要である。
糖尿病には、インスリン依存型糖尿病(I型糖尿病)とインスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)の2タイプがあるが、全体の90%は後者のタイプである。インスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)は、過栄養によるインスリンの作用不足(例えば組織におけるインスリン感受性低下、膵臓のインシュリン分泌不足等)による糖−脂質代謝の異常が原因といわれている。
インスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)は、薬物による治療により、まずは食事療法、運動療法でコントロールすることが基本とされるが、そのように自己管理がなされていても必ずしも代謝異常が是正されるとは限らず、薬に依存しがちである。
ところが、薬剤には、投与による副作用や使用量、使用制限に問題がある。また、これらは単一化された物質の混合によるものがほとんどであるため、単一物質の副作用、さらには長期に亘る服用により起こる安全性の面からも問題になっている。
従来このような糖質の代謝異常を是正する植物由来の物質としては、ギムネマ、グアバ、バナバ、桑などの葉や、月見草の種子などから得られる抽出物が知られている。これらの植物由来抽出物は、安全性の面から食品、医薬品等に応用しやすくするため、有効成分等について研究が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景の下、本発明者らは、種々の植物エキスの中から、黒米エキスにα−アミラーゼに対する阻害効果と、α−グルコシダーゼに対する強い阻害効果があることを見出した。
本発明の目的は、糖尿病の予防・緩和および肥満の防止にきわめて有効な黒米由来の糖質吸収阻害剤およびその製造方法を提供することにある。
【0004】
【発明が解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決するための本発明の糖質吸収阻害剤は、黒米由来の成分を含有することを特徴とし、特に黒米由来ポリフェノール、黒米由来アントシアニンを含有することを特徴とする。
また、本発明の糖尿病予防組成物は、前期糖質吸収阻害剤を含有してなることを特徴とする。
さらに、本発明のダイエット用飲食品は、糖質吸収阻害剤を含有してなることを特徴とする。
本発明の糖質吸収阻害剤の製造方法は、ヘキサン等の極性の少ない溶媒を用いて脱脂操作を行なうことを特徴とする、この脱脂物に対して10〜50%のエタノール溶液を用いて抽出し、得られた抽出物をこの発明の糖質吸収阻害剤として用いる。
だだし、本発明の抽出方法において行なう脱脂操作は、脂質成分をすべて取り除くものではなく、この発明で用いる糖質吸収阻害剤の不快な臭い成分を取り除き、水溶性を良くし、粉末化しやすくするためのものであり、有用な脂質成分は含まれている。
前期糖尿病予防組成物は、インスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)の予防に適する。例えば、糖尿病予防剤として軟・硬カプセル剤または錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤の形態で経口投与することが出来る。また、経口投与する場合は、局所組織内投与、皮内、皮下、筋肉内および静脈内注射などによることが出来る。
前期ダイエット用飲食品としては、例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に、黒米由来の有用エキスを配合する。
また、インスタント食品に添加してもよい。黒米エキスを粉末セルロースと共にスプレードライまたは凍結乾燥したものを、粉末、顆粒、打錠、溶液等にすることで容易に飲食品に含有させることができる。
【0005】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、α−アミラーゼおよびα−グルコシダーゼの酵素活性を阻害し、糖質の吸収を効果的に抑制することが出来る。
また、本発明によれば、糖質の吸収による血糖値の上昇を緩やかにするため、糖尿病や肥満の予防・治療に極めて有効である。
さらに、本発明は、日本人の主食である米であり、安全性が高く、副作用の心配がない。
【0006】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す黒米エキスの製法は、効果の確認のために説明するもので、これらに限定される物ではない。
(1)黒米をヘキサンで脱脂し、脱脂黒米に含水エタノールを加えて抽出し、抽出液をろ過乾燥し、黒米エキスを得た。
(2)黒米胚芽をヘキサンで脱脂し、脱脂黒米胚芽に含水エタノールを加えて抽出し、抽出液をろ過乾燥し、黒米エキスを得た。
(3)黒米糠をヘキサンで脱脂し、脱脂黒米糠に含水エタノールを加えて抽出し、抽出液をろ過乾燥し、黒米エキスを得た。
(4)黒米玄米をヘキサンで脱脂し、脱脂黒米玄米に含水エタノールを加えて抽出し、抽出液をろ過乾燥し、黒米エキスを得た。
上記で得た黒米エキスをポリフェノール含量約30%、アントシアニン含量約10%となるように精製し、効果確認用の黒米エキスを得た。
【0007】
α−アミラーゼの阻害作用
実施例1(黒米エキス)について、市販のアミラーゼ活性測定キット(和光純薬工業(株)社製アミラーゼテストワコー)を用いて、α−アミラーゼの阻害活性(%)を求めた。α−アミラーゼは、ブタ膵臓由来のものを使用した。測定方法を以下に示す。
酵素液0.02mlに試料溶液を0.01ml加え、37℃にて5分間インキュベートした後、基質緩衝液1mlを添加し、37℃にて60分間インキュベートした。その後、沸騰水中で、10分間インキュベートして反応を止め、発色試薬を1ml加えて所定の色素の吸光度(660nm)を測定した。
この測定値に基づいて酵素活性(%)を算出し、下記計算式により、阻害活性(%)を求めた。なお、酵素活性は、サンプル非共存下で測定した吸光度を基準(100%)として算出した。
阻害活性(%)=100−酵素活性(%)
黒米エキス:濃度3.0mg/ml:阻害活性100%
黒米エキス:濃度1.0mg/ml:阻害活性74.7%
黒米エキス:濃度0.3mg/ml:阻害活性30.5%
黒米エキス:濃度0.1mg/ml:阻害活性8.0%
上記のようにα−アミラーゼの阻害活性が強く見られた。実施例1(黒米エキス)について、α−アミラーゼに対するIC50(50%阻害濃度)を求めたところ、0.5mg/mlであった。
【0008】
α−グルコシダーゼ阻害作用
次に、実施例1(黒米エキス)について、下記の測定方法により、α−グルコシダーゼの阻害活性(%)を求めた。α−グルコシダーゼ酵素液は、市販のラット腸管アセトン粉末(SIGMA社製)に9倍量の0.1Mマレイン酸緩衝液(pH6.0)を加え、氷中にてガラスホモゲナイザーで均質化した後、遠心分離した上清を20倍希釈したものを使用した。測定方法を以下に示す。
酵素液0.05mlに試料溶液0.01ml加え、0.1Mマレイン酸緩衝液を0.64ml、さらに0.33mMの4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシドを0.3ml加え、37℃で30分間インキュベートした。
その後、3mlのグリシン緩衝液(pH10.3)で反応を止め、遊離した4−メチルウンベリフェリルを蛍光光度計(励起波長366nm、蛍光波長450nm)を用いて定量した。この定量値に基づいて酵素活性を算出し、下記計算式により、阻害活性(%)を求めた。なお、酵素活性は、サンプル非共存下で測定した4−メチルウンベリフェリルの定量値を基準(100%)として算出した。
阻害活性(%)=100−酵素活性(%)
黒米エキス:濃度3.0mg/ml:阻害活性90.59%
黒米エキス:濃度1.0mg/ml:阻害活性70.66%
黒米エキス:濃度0.1mg/ml:阻害活性57.78%
黒米エキス:濃度0.03mg/ml:阻害活性5.42%
上記のようにα−グルコシダーゼの阻害活性が非常に強く見られた。実施例1(黒米エキス)について、α−グルコシダーゼに対するIC50(50%阻害濃度)を求めたところ、0.08mg/mlであった。
【0009】
以上の酵素阻害活性の結果から、実施例1(黒米エキス)は、α−アミラーゼおよびα−グルコシダーゼの双方に阻害活性を示し、糖質の分解を効果的に抑制することが判る。
【0010】
正常ラットへの糖負荷試験
次に、実施例1(黒米エキス)について、動物体内における糖質の吸収阻害作用を以下の条件で試験した。
5週令のwister系雄ラット(日本クレア)を1週間予備飼育した後、6週令〜8週令のものを実験に用いた。24時間絶食させ、試料0.5g/kg(体重)を蒸留水で溶解し、さらに糖質(デンプン、スクロース)を2g/kg(体重)を蒸留水で溶解し、同時に胃内ゾンデにて投与した。
試料投与後の血糖値の変化を調べるため、試料投与前、投与30分後、投与60分後、投与120分後、投与180分後に尾静脈より採血を行なった。なお、コントロールとして、試料と同量の蒸留水と糖質(デンプン、スクロース)を2g/kg(体重)を投与したラットについても、同様な条件で採血を行なった。
採取した血液を遠心分離し、この上清の血糖値を測定した。血糖値の測定には、市販のグルコース測定キット(和光純薬工業(株)社製グルコースB−テストワコー)を使用した。結果を図1および図2に示す。
図1および図2に示すように、コントロールでは、60分経過までに血糖値が急に上昇するのに対し実施例1(黒米エキス)を投与したものは、血糖値の上昇が緩やかになった。これは、実施例1(黒米エキス)がα−アミラーゼおよびα−グルコシダーゼの酵素活性を阻害し、糖質の分解反応を遅らせるためと考えられる。
【0011】
応用例
本発明の糖質吸収阻害剤は、経口投与で用いる薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)に含有させることができる。例えば、軟・硬カプセル剤または錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤等の製品形態にすることができる。
インスタント食品に本発明の糖質吸収阻害剤を添加しても良い。例えば、糖質吸収阻害剤を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥したものを、粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品に含有させることができる。
また、本発明の糖質吸収阻害剤は、つぎの飲食品に含有させることができる。例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック菓子、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)などが上げられる。
また、本発明による糖質吸収阻害剤は、つぎの処方により飲食品に配合することができる。本発明はこれらの製造例に限定されるものではない。
【0012】
製造例:飲食品への適用
例えば、次の処方により糖質吸収阻害剤に有効な飲食品を製造することができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の効果】
以上詳しく示したように今回の特許で初めて、黒米にきわめて有用な作用を発見した。黒米エキスを糖質吸収阻害剤として食品、医薬品に配合する場合、α−グルコシダーゼ阻害剤、α−アミラーゼ阻害剤、糖質吸収阻害剤等を用いることにより、糖尿病の予防、ダイエット、痩身等に有効な飲食品または薬品として有用であることを見出すことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】正常ラットに黒米エキスおよびデンプンを投与した後の血糖値の変化を示すグラフである。
【図2】正常ラットに黒米エキスおよびスクロースを投与した後の血糖値の変化を示すグラフである。
【産業上の利用分野】
本発明は、黒米由来のα−グルコシダーゼ阻害剤、α−アミラーゼ阻害剤、糖質吸収阻害剤等を用いることにより、糖尿病の予防、ダイエット、痩身等に有効な食品、医薬品、健康食品、医薬部外品、を提供する。
【0002】
【従来の技術】
食品中に含まれる多糖類(デンプン、グリコーゲン等)は、唾液および膵液中のα−アミラーゼによって加水分解され、マルトースやイソマルトースなどのオリゴ糖に分解される。次いで、小腸にてα−グルコシダーゼ等の二糖類分解酵素によってグルコースにまで分解され、吸収される。
このようにα−アミラーゼおよびα−グルコシダーゼは、体内で糖質の消化酵素として重要な役割を果たしており、これらの酵素活性が血糖値に影響を与える。よって、糖尿病や肥満の予防および治療において、これらの酵素活性を制御することは重要である。
糖尿病には、インスリン依存型糖尿病(I型糖尿病)とインスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)の2タイプがあるが、全体の90%は後者のタイプである。インスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)は、過栄養によるインスリンの作用不足(例えば組織におけるインスリン感受性低下、膵臓のインシュリン分泌不足等)による糖−脂質代謝の異常が原因といわれている。
インスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)は、薬物による治療により、まずは食事療法、運動療法でコントロールすることが基本とされるが、そのように自己管理がなされていても必ずしも代謝異常が是正されるとは限らず、薬に依存しがちである。
ところが、薬剤には、投与による副作用や使用量、使用制限に問題がある。また、これらは単一化された物質の混合によるものがほとんどであるため、単一物質の副作用、さらには長期に亘る服用により起こる安全性の面からも問題になっている。
従来このような糖質の代謝異常を是正する植物由来の物質としては、ギムネマ、グアバ、バナバ、桑などの葉や、月見草の種子などから得られる抽出物が知られている。これらの植物由来抽出物は、安全性の面から食品、医薬品等に応用しやすくするため、有効成分等について研究が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景の下、本発明者らは、種々の植物エキスの中から、黒米エキスにα−アミラーゼに対する阻害効果と、α−グルコシダーゼに対する強い阻害効果があることを見出した。
本発明の目的は、糖尿病の予防・緩和および肥満の防止にきわめて有効な黒米由来の糖質吸収阻害剤およびその製造方法を提供することにある。
【0004】
【発明が解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決するための本発明の糖質吸収阻害剤は、黒米由来の成分を含有することを特徴とし、特に黒米由来ポリフェノール、黒米由来アントシアニンを含有することを特徴とする。
また、本発明の糖尿病予防組成物は、前期糖質吸収阻害剤を含有してなることを特徴とする。
さらに、本発明のダイエット用飲食品は、糖質吸収阻害剤を含有してなることを特徴とする。
本発明の糖質吸収阻害剤の製造方法は、ヘキサン等の極性の少ない溶媒を用いて脱脂操作を行なうことを特徴とする、この脱脂物に対して10〜50%のエタノール溶液を用いて抽出し、得られた抽出物をこの発明の糖質吸収阻害剤として用いる。
だだし、本発明の抽出方法において行なう脱脂操作は、脂質成分をすべて取り除くものではなく、この発明で用いる糖質吸収阻害剤の不快な臭い成分を取り除き、水溶性を良くし、粉末化しやすくするためのものであり、有用な脂質成分は含まれている。
前期糖尿病予防組成物は、インスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)の予防に適する。例えば、糖尿病予防剤として軟・硬カプセル剤または錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤の形態で経口投与することが出来る。また、経口投与する場合は、局所組織内投与、皮内、皮下、筋肉内および静脈内注射などによることが出来る。
前期ダイエット用飲食品としては、例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に、黒米由来の有用エキスを配合する。
また、インスタント食品に添加してもよい。黒米エキスを粉末セルロースと共にスプレードライまたは凍結乾燥したものを、粉末、顆粒、打錠、溶液等にすることで容易に飲食品に含有させることができる。
【0005】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、α−アミラーゼおよびα−グルコシダーゼの酵素活性を阻害し、糖質の吸収を効果的に抑制することが出来る。
また、本発明によれば、糖質の吸収による血糖値の上昇を緩やかにするため、糖尿病や肥満の予防・治療に極めて有効である。
さらに、本発明は、日本人の主食である米であり、安全性が高く、副作用の心配がない。
【0006】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す黒米エキスの製法は、効果の確認のために説明するもので、これらに限定される物ではない。
(1)黒米をヘキサンで脱脂し、脱脂黒米に含水エタノールを加えて抽出し、抽出液をろ過乾燥し、黒米エキスを得た。
(2)黒米胚芽をヘキサンで脱脂し、脱脂黒米胚芽に含水エタノールを加えて抽出し、抽出液をろ過乾燥し、黒米エキスを得た。
(3)黒米糠をヘキサンで脱脂し、脱脂黒米糠に含水エタノールを加えて抽出し、抽出液をろ過乾燥し、黒米エキスを得た。
(4)黒米玄米をヘキサンで脱脂し、脱脂黒米玄米に含水エタノールを加えて抽出し、抽出液をろ過乾燥し、黒米エキスを得た。
上記で得た黒米エキスをポリフェノール含量約30%、アントシアニン含量約10%となるように精製し、効果確認用の黒米エキスを得た。
【0007】
α−アミラーゼの阻害作用
実施例1(黒米エキス)について、市販のアミラーゼ活性測定キット(和光純薬工業(株)社製アミラーゼテストワコー)を用いて、α−アミラーゼの阻害活性(%)を求めた。α−アミラーゼは、ブタ膵臓由来のものを使用した。測定方法を以下に示す。
酵素液0.02mlに試料溶液を0.01ml加え、37℃にて5分間インキュベートした後、基質緩衝液1mlを添加し、37℃にて60分間インキュベートした。その後、沸騰水中で、10分間インキュベートして反応を止め、発色試薬を1ml加えて所定の色素の吸光度(660nm)を測定した。
この測定値に基づいて酵素活性(%)を算出し、下記計算式により、阻害活性(%)を求めた。なお、酵素活性は、サンプル非共存下で測定した吸光度を基準(100%)として算出した。
阻害活性(%)=100−酵素活性(%)
黒米エキス:濃度3.0mg/ml:阻害活性100%
黒米エキス:濃度1.0mg/ml:阻害活性74.7%
黒米エキス:濃度0.3mg/ml:阻害活性30.5%
黒米エキス:濃度0.1mg/ml:阻害活性8.0%
上記のようにα−アミラーゼの阻害活性が強く見られた。実施例1(黒米エキス)について、α−アミラーゼに対するIC50(50%阻害濃度)を求めたところ、0.5mg/mlであった。
【0008】
α−グルコシダーゼ阻害作用
次に、実施例1(黒米エキス)について、下記の測定方法により、α−グルコシダーゼの阻害活性(%)を求めた。α−グルコシダーゼ酵素液は、市販のラット腸管アセトン粉末(SIGMA社製)に9倍量の0.1Mマレイン酸緩衝液(pH6.0)を加え、氷中にてガラスホモゲナイザーで均質化した後、遠心分離した上清を20倍希釈したものを使用した。測定方法を以下に示す。
酵素液0.05mlに試料溶液0.01ml加え、0.1Mマレイン酸緩衝液を0.64ml、さらに0.33mMの4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシドを0.3ml加え、37℃で30分間インキュベートした。
その後、3mlのグリシン緩衝液(pH10.3)で反応を止め、遊離した4−メチルウンベリフェリルを蛍光光度計(励起波長366nm、蛍光波長450nm)を用いて定量した。この定量値に基づいて酵素活性を算出し、下記計算式により、阻害活性(%)を求めた。なお、酵素活性は、サンプル非共存下で測定した4−メチルウンベリフェリルの定量値を基準(100%)として算出した。
阻害活性(%)=100−酵素活性(%)
黒米エキス:濃度3.0mg/ml:阻害活性90.59%
黒米エキス:濃度1.0mg/ml:阻害活性70.66%
黒米エキス:濃度0.1mg/ml:阻害活性57.78%
黒米エキス:濃度0.03mg/ml:阻害活性5.42%
上記のようにα−グルコシダーゼの阻害活性が非常に強く見られた。実施例1(黒米エキス)について、α−グルコシダーゼに対するIC50(50%阻害濃度)を求めたところ、0.08mg/mlであった。
【0009】
以上の酵素阻害活性の結果から、実施例1(黒米エキス)は、α−アミラーゼおよびα−グルコシダーゼの双方に阻害活性を示し、糖質の分解を効果的に抑制することが判る。
【0010】
正常ラットへの糖負荷試験
次に、実施例1(黒米エキス)について、動物体内における糖質の吸収阻害作用を以下の条件で試験した。
5週令のwister系雄ラット(日本クレア)を1週間予備飼育した後、6週令〜8週令のものを実験に用いた。24時間絶食させ、試料0.5g/kg(体重)を蒸留水で溶解し、さらに糖質(デンプン、スクロース)を2g/kg(体重)を蒸留水で溶解し、同時に胃内ゾンデにて投与した。
試料投与後の血糖値の変化を調べるため、試料投与前、投与30分後、投与60分後、投与120分後、投与180分後に尾静脈より採血を行なった。なお、コントロールとして、試料と同量の蒸留水と糖質(デンプン、スクロース)を2g/kg(体重)を投与したラットについても、同様な条件で採血を行なった。
採取した血液を遠心分離し、この上清の血糖値を測定した。血糖値の測定には、市販のグルコース測定キット(和光純薬工業(株)社製グルコースB−テストワコー)を使用した。結果を図1および図2に示す。
図1および図2に示すように、コントロールでは、60分経過までに血糖値が急に上昇するのに対し実施例1(黒米エキス)を投与したものは、血糖値の上昇が緩やかになった。これは、実施例1(黒米エキス)がα−アミラーゼおよびα−グルコシダーゼの酵素活性を阻害し、糖質の分解反応を遅らせるためと考えられる。
【0011】
応用例
本発明の糖質吸収阻害剤は、経口投与で用いる薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)に含有させることができる。例えば、軟・硬カプセル剤または錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤等の製品形態にすることができる。
インスタント食品に本発明の糖質吸収阻害剤を添加しても良い。例えば、糖質吸収阻害剤を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥したものを、粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品に含有させることができる。
また、本発明の糖質吸収阻害剤は、つぎの飲食品に含有させることができる。例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック菓子、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)などが上げられる。
また、本発明による糖質吸収阻害剤は、つぎの処方により飲食品に配合することができる。本発明はこれらの製造例に限定されるものではない。
【0012】
製造例:飲食品への適用
例えば、次の処方により糖質吸収阻害剤に有効な飲食品を製造することができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の効果】
以上詳しく示したように今回の特許で初めて、黒米にきわめて有用な作用を発見した。黒米エキスを糖質吸収阻害剤として食品、医薬品に配合する場合、α−グルコシダーゼ阻害剤、α−アミラーゼ阻害剤、糖質吸収阻害剤等を用いることにより、糖尿病の予防、ダイエット、痩身等に有効な飲食品または薬品として有用であることを見出すことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】正常ラットに黒米エキスおよびデンプンを投与した後の血糖値の変化を示すグラフである。
【図2】正常ラットに黒米エキスおよびスクロースを投与した後の血糖値の変化を示すグラフである。
Claims (12)
- 黒米由来のポリフェノールを有効成分とする糖質吸収阻害剤。
- 黒米由来のアントシアニンを有効成分とする糖質吸収阻害剤。
- 黒米由来のα−グルコシダーゼ阻害剤を有効成分とする糖質吸収阻害剤。
- 黒米由来のα−アミラーゼ阻害剤を有効成分とする糖質吸収阻害剤。
- 黒米由来のショ糖吸収阻害剤を有効成分とする糖質吸収阻害剤。
- 黒米由来のでんぷん吸収阻害剤を有効成分とする糖質吸収阻害剤。
- 黒米の含水アルコール抽出物を有効成分とする糖質吸収阻害剤。
- 前期含水アルコール抽出物の抽出溶媒が10〜70%エタノール/水である請求項1〜7記載の糖質吸収阻害剤
- 黒米および黒米エキスを含有する糖尿病予防組成物。
- 黒米および黒米エキスを含有するダイエット用飲食品。
- 黒米由来のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有する糖尿病予防組成物。
- 黒米由来のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有するダイエット用飲食品。
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Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006013750A1 (ja) * | 2004-08-04 | 2006-02-09 | Tokyo University Of Marine Science And Technology | 脂質代謝調節作用を有する食品素材、健康食品、動物用飼料及び動物の飼育方法 |
| JP2013151459A (ja) * | 2012-01-25 | 2013-08-08 | Oriza Yuka Kk | 小胞体ストレス軽減剤 |
| JP2015086151A (ja) * | 2013-10-29 | 2015-05-07 | 株式会社ファンケル | 米糠抽出物 |
| WO2016042517A1 (en) * | 2014-09-19 | 2016-03-24 | Nestec Sa | Methods and formulations for reducing absorption of carbohydrates in a companion animal |
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-
2002
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