JP2004090088A - 鋼管製造用丸ビレットの製造方法及び鋼管製造用丸ビレット - Google Patents
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Abstract
【課題】従来に比べてより低コストになり、穿孔の際に内面疵の発生し難い鋼管製造用丸ビレットの製造方法及び鋼管製造用丸ビレットを提供する。
【解決手段】連続鋳造されたスラブ6を圧延して鋼管製造用丸ビレットを製造するに当たり、前記スラブの連続鋳造過程において二次冷却帯の冷却水量を調節して偏析帯11の生成位置を穿孔予定位置になるスラブ中心位置からスラブ厚さの5%以上偏在させる。また、本発明の丸ビレット12は、その直径の中心から同直径の5%以上偏在した位置に偏析帯13を有する。
【選択図】 図3
【解決手段】連続鋳造されたスラブ6を圧延して鋼管製造用丸ビレットを製造するに当たり、前記スラブの連続鋳造過程において二次冷却帯の冷却水量を調節して偏析帯11の生成位置を穿孔予定位置になるスラブ中心位置からスラブ厚さの5%以上偏在させる。また、本発明の丸ビレット12は、その直径の中心から同直径の5%以上偏在した位置に偏析帯13を有する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管製造用丸ビレットの製造方法及び鋼管製造用丸ビレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に継目無鋼管は、まず丸ビレットに例えば傾斜圧延法によって穿孔を施し、さらにマンドレルミルなどによって所定の直径と肉厚まで圧延することによって製造される。この継目無鋼管の素材となる丸ビレットは、一般に断面が円形或いは正方形のブルームを連続鋳造し、これらを粗圧延して製造される。したがって、その中心部にはいわゆる偏析帯と呼ばれる多くの非金属介在物を含む領域が存在する。
【0003】
このような偏析帯が中心部に存在する丸ビレットを用いて傾斜圧延すると、傾斜圧延の厳しいきりもみ加工によって穿孔部、ひいては鋼管内面に疵が発生する。このような疵の発生を防止するために、例えば製鋼段階でSやPの低減、さらには非金属介在物の原因となるSiO2 やAl2 O3 除去が行われる。また、従来、偏析帯の解消のためには、特許文献1、特許文献2等に示されるように、連続鋳造中に偏析帯が発生する前の段階で鋳片に加工を加えることが行なわれている。
【0004】
【特許文献1】
特公平3−66057号公報
【特許文献2】
特公平6−59538号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の製鋼段階でSやPの低減、さらには非金属介在物の原因となるSiO2 やAl2 O3 除去を行うという手段では、溶銑の予備処理やRH脱ガス槽を用いる真空処理(いわゆる二次精錬)を必要とし、素材製造コストの上昇を伴う。また、その相当の努力には限りがあり、しかも連続鋳造においては中心偏析が避けられないという問題があり、したがって鋼管の内面疵の低減には限界がある。また、前記特許文献1、特許文献2等に示された技術では中心偏析をなくすことができるため、鋼球など偏析が欠陥部となる鋼材には適用されているが、コスト的には高価な材料となり問題があった。
【0006】
本発明はかかる従来技術の有する問題点を解決し、従来に比べてより低コストになり、穿孔の際に内面疵の発生し難い鋼管製造用丸ビレットの製造方法及び鋼管製造用丸ビレットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するためには、丸ビレットの穿孔予定位置になる例えば中心部に偏析帯が存在しないようにすることが重要であることに着目し、本発明では丸ビレット製造に使用する連続鋳造鋳片にスラブを利用するに当たり、スラブを連続鋳造する際にその二次冷却水量をスラブの表裏面側で違えるように調節することによりスラブの偏析帯の位置を調整できることに着目し本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、連続鋳造されたスラブを圧延して鋼管製造用丸ビレットを製造するに当たり、前記スラブの連続鋳造過程において二次冷却帯の冷却水量を調節して偏析帯の生成位置を穿孔予定位置から偏在させることを特徴とする鋼管製造用丸ビレットの製造方法である。
【0009】
本発明では、前記偏析帯の生成位置を前記穿孔予定位置になるスラブ中心位置からスラブ厚さの5%以上偏在させることが好ましい。
【0010】
また、このようにして製造される本発明の丸ビレットは、その直径の中心から同直径の5%以上偏在した位置に偏析帯を有する鋼管製造用丸ビレットである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の丸ビレットを製造するためには連続鋳造されたスラブを用いる。その幅と厚さは特に制限されるものではないが、後のユニバーサルミルによる圧延によって所定の丸ビレットを製造できるものでなければならない。また、連続鋳造の際の表裏面からの冷却の程度を調整することによって偏析帯の位置をスラブ厚さ方向に調整できるものでなければならない。そのような要求を満たすためには、幅900〜1300mm、厚さ150〜320mmとするのがよい。
【0012】
上記のスラブを製造するに当たっては、その製造工程中二次冷却帯で冷却水量を調節して偏析帯の生成位置を穿孔予定位置から偏在させる。好ましくは、前記偏析帯を前記穿孔予定位置になるスラブ中心位置からスラブ厚さの5%以上偏在させる。具体的には、例えば、図1に示す湾曲型の連続鋳造装置を用いる場合には、タンディッシュ1、連鋳鋳型2をとおして鋳込まれた溶鋼が凝固して、連続鋳造鋳片スラブの表層に十分な凝固シェルが発達した後、すなわち、連続鋳造装置の専用帯3を通過後の、二次冷却帯4を構成するNo.3冷却帯以降のスラブ上面側と下面側の冷却水量を、例えば表1に示すように上面側の冷却水量が下面側のそれよりも大となるように調節し、冷却を調整する。このようにすることにより、下面側での冷却が上面側に比べて弱くなり、スラブに生ずる偏析帯11が、図3に示すように下面側に移動して偏在するようになる。
【0013】
また、下面側の冷却水量を下げ、上面側の冷却水量を上げることを併用してスラブ上面側と下面側の冷却差を拡大することにより、スラブに生じる偏析帯の位置を中心から大きく下面側へ偏らすことができる。
【0014】
【表1】
【0015】
図2は連続鋳造装置の二次冷却帯の概略を示す。ここに示すようにスラブ6は、一群のガイドロール7で構成されるパスラインを通過中に二次冷却スプレー8による散水で冷却される。ガイドロール7は別途ロール冷却スプレー9により冷却される。本発明において、上面側に冷却の強化面を置いたのは、二次冷却スプレー8によりスラブ6の上面側にかかった冷却水は湾曲型連続鋳造装置では、スラブ上面に滞留しやすく、スラブ6下面と比べ冷却強化が容易なためである。一方、スラブ6下面側の冷却のために二次冷却スプレー8によりスラブ6に散水された冷却水は、スラブ6と接すると落下する形となるため、スラブ6の上面に比べ冷却強化が行いにくいためである。
【0016】
なお、スラブ上面側の冷却の強化は、二次冷却スプレーの冷却水量の増加を図ることで可能であるが、スラブ下面側の上面側に対しての緩冷却操作は、二次冷却スプレーの冷却水量を減少させて行うほか、スラブ鋳片の下面冷却として、ブレークアウトを起こさない範囲で、二次冷却スプレーから間欠的に冷却水を噴射して冷却を行ういわゆる間欠冷却を行って、スラブ下面側と上面側の冷却差をより大きく採ることを行ってもよい。
【0017】
この例では、冷却帯が湾曲する型の連続鋳造装置によって本発明を実施する場合について示したが、本発明はいわゆる垂直型の連続鋳造装置を用いても実施することができる。この場合には、水量の調節は鋳片の一方の面にかかる水量を基準として他方の面にかかる水量を調節して偏析帯が所望の位置に来るようにすればよい。
【0018】
偏析帯の生ずる位置は、スラブを、例えばユニバーサルミルで圧延して丸ビレットとするとき、穿孔される部分の位置(すなわち穿孔予定位置)から十分離間させる必要がある。その距離は、丸ビレットのサイズ、マンドレルミル等による加工の程度にもよるが、一般には傾斜圧延による激しいきりもみ加工を受ける部分に当たらないようにすれば十分である。それには、偏析帯をスラブ中心からスラブ厚さの5%以上、より好ましくは10%以上、偏在させるようにするのがよい。
【0019】
図3は、本発明によって得られたスラブに現れた偏析帯の一例を示す断面スケッチ図である。図示のように、本例のスラブ6の偏析帯11はスラブ6中心から15mm(スラブ厚さの7%)離間した。
【0020】
このようにして得られた、偏析帯の偏ったスラブは角型に成形され、次いで丸ビレットに加工される。その手段は公知のいかなる手段でもよいが、例えば丸ビレットへの加工にはユニバーサルミルを用いるのが一般的である。また、圧延等の加工の際、スラブは角型に加工されるが、偏析帯の偏りがそのまま加工後にも残り、偏析帯が偏った状態の丸ビレットが得られる。
【0021】
図4は、本発明によって製造された丸ビレットに現れた偏析帯の一例を示す断面スケッチ図である。図示のように、本例の丸ビレット12の偏析帯13は丸ビレット12の中心から大きく偏っており(本例では15mm、丸ビレット直径の7%)、したがって鋼管製造のための穿孔工程に供しても、穿孔部、さらには製品鋼管の内面に偏析による加工疵を生ずることがない。
【0022】
【実施例】
実施例として、C:0.25mass%、Si:0.25mass%、Mn:1.30mass%の組成になる溶鋼を幅1000mm、厚さ220mmのスラブに連続鋳造した。連続鋳造するに当たっては、湾曲型連続鋳造装置で表1にしたがう冷却条件で鋳造した。その結果、得られたスラブの偏析帯の生成位置は中心位置から15mm(スラブ厚さの7%)離間していた。
【0023】
このスラブをユニバーサルミルによって直径190mmの丸ビレットに圧延し、その断面マクロ組織を調査したところ、偏析帯の位置は丸ビレットの中心から13mm(丸ビレットの直径の7%)離間していた。この丸ビレットをピアシングミルで穿孔後、マンドレルミルで外径300mm、肉厚10mmの鋼管に仕上げた。その内面疵の発生状況を調査した結果、本発明を適用しない場合に比べ95%減少していた。なお、本発明を適用しない場合とは、上記実施例と同一サイズのスラブを用い、また同一プロセスで鋼管とするが、連続鋳造時にスラブの上・下面の冷却水量の調節を行わず、偏析帯をスラブ厚さ中心部に発生させたものをいう。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、上述のように偏析帯をスラブ厚さ中心部から離間した位置に生成させ、そのスラブを用いて丸ビレットとするので、継目無鋼管製造時の穿孔工程における疵の発生を効果的に抑制することができる。特に本発明では、穿孔部が本質的に偏析帯から外れることになるので、従来に比べて溶鋼の精錬段階において非金属介在物の低減に極度にコストをかける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】連続鋳造装置の冷却帯の概念図である。
【図3】本発明によって得られたスラブに現れた偏析帯の一例を示す断面スケッチ図である。
【図4】本発明によって製造された丸ビレットに現れた偏析帯の一例を示す断面スケッチ図である。
【符号の説明】
1 タンディッシュ
2 連鋳鋳型
3 専用帯
4 二次冷却帯
6 スラブ
7 ガイドロール
8 二次冷却スプレー
9 ロール冷却スプレー
11 (スラブの)偏析帯
12 丸ビレット
13 (丸ビレットの)偏析帯
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管製造用丸ビレットの製造方法及び鋼管製造用丸ビレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に継目無鋼管は、まず丸ビレットに例えば傾斜圧延法によって穿孔を施し、さらにマンドレルミルなどによって所定の直径と肉厚まで圧延することによって製造される。この継目無鋼管の素材となる丸ビレットは、一般に断面が円形或いは正方形のブルームを連続鋳造し、これらを粗圧延して製造される。したがって、その中心部にはいわゆる偏析帯と呼ばれる多くの非金属介在物を含む領域が存在する。
【0003】
このような偏析帯が中心部に存在する丸ビレットを用いて傾斜圧延すると、傾斜圧延の厳しいきりもみ加工によって穿孔部、ひいては鋼管内面に疵が発生する。このような疵の発生を防止するために、例えば製鋼段階でSやPの低減、さらには非金属介在物の原因となるSiO2 やAl2 O3 除去が行われる。また、従来、偏析帯の解消のためには、特許文献1、特許文献2等に示されるように、連続鋳造中に偏析帯が発生する前の段階で鋳片に加工を加えることが行なわれている。
【0004】
【特許文献1】
特公平3−66057号公報
【特許文献2】
特公平6−59538号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の製鋼段階でSやPの低減、さらには非金属介在物の原因となるSiO2 やAl2 O3 除去を行うという手段では、溶銑の予備処理やRH脱ガス槽を用いる真空処理(いわゆる二次精錬)を必要とし、素材製造コストの上昇を伴う。また、その相当の努力には限りがあり、しかも連続鋳造においては中心偏析が避けられないという問題があり、したがって鋼管の内面疵の低減には限界がある。また、前記特許文献1、特許文献2等に示された技術では中心偏析をなくすことができるため、鋼球など偏析が欠陥部となる鋼材には適用されているが、コスト的には高価な材料となり問題があった。
【0006】
本発明はかかる従来技術の有する問題点を解決し、従来に比べてより低コストになり、穿孔の際に内面疵の発生し難い鋼管製造用丸ビレットの製造方法及び鋼管製造用丸ビレットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するためには、丸ビレットの穿孔予定位置になる例えば中心部に偏析帯が存在しないようにすることが重要であることに着目し、本発明では丸ビレット製造に使用する連続鋳造鋳片にスラブを利用するに当たり、スラブを連続鋳造する際にその二次冷却水量をスラブの表裏面側で違えるように調節することによりスラブの偏析帯の位置を調整できることに着目し本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、連続鋳造されたスラブを圧延して鋼管製造用丸ビレットを製造するに当たり、前記スラブの連続鋳造過程において二次冷却帯の冷却水量を調節して偏析帯の生成位置を穿孔予定位置から偏在させることを特徴とする鋼管製造用丸ビレットの製造方法である。
【0009】
本発明では、前記偏析帯の生成位置を前記穿孔予定位置になるスラブ中心位置からスラブ厚さの5%以上偏在させることが好ましい。
【0010】
また、このようにして製造される本発明の丸ビレットは、その直径の中心から同直径の5%以上偏在した位置に偏析帯を有する鋼管製造用丸ビレットである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の丸ビレットを製造するためには連続鋳造されたスラブを用いる。その幅と厚さは特に制限されるものではないが、後のユニバーサルミルによる圧延によって所定の丸ビレットを製造できるものでなければならない。また、連続鋳造の際の表裏面からの冷却の程度を調整することによって偏析帯の位置をスラブ厚さ方向に調整できるものでなければならない。そのような要求を満たすためには、幅900〜1300mm、厚さ150〜320mmとするのがよい。
【0012】
上記のスラブを製造するに当たっては、その製造工程中二次冷却帯で冷却水量を調節して偏析帯の生成位置を穿孔予定位置から偏在させる。好ましくは、前記偏析帯を前記穿孔予定位置になるスラブ中心位置からスラブ厚さの5%以上偏在させる。具体的には、例えば、図1に示す湾曲型の連続鋳造装置を用いる場合には、タンディッシュ1、連鋳鋳型2をとおして鋳込まれた溶鋼が凝固して、連続鋳造鋳片スラブの表層に十分な凝固シェルが発達した後、すなわち、連続鋳造装置の専用帯3を通過後の、二次冷却帯4を構成するNo.3冷却帯以降のスラブ上面側と下面側の冷却水量を、例えば表1に示すように上面側の冷却水量が下面側のそれよりも大となるように調節し、冷却を調整する。このようにすることにより、下面側での冷却が上面側に比べて弱くなり、スラブに生ずる偏析帯11が、図3に示すように下面側に移動して偏在するようになる。
【0013】
また、下面側の冷却水量を下げ、上面側の冷却水量を上げることを併用してスラブ上面側と下面側の冷却差を拡大することにより、スラブに生じる偏析帯の位置を中心から大きく下面側へ偏らすことができる。
【0014】
【表1】
【0015】
図2は連続鋳造装置の二次冷却帯の概略を示す。ここに示すようにスラブ6は、一群のガイドロール7で構成されるパスラインを通過中に二次冷却スプレー8による散水で冷却される。ガイドロール7は別途ロール冷却スプレー9により冷却される。本発明において、上面側に冷却の強化面を置いたのは、二次冷却スプレー8によりスラブ6の上面側にかかった冷却水は湾曲型連続鋳造装置では、スラブ上面に滞留しやすく、スラブ6下面と比べ冷却強化が容易なためである。一方、スラブ6下面側の冷却のために二次冷却スプレー8によりスラブ6に散水された冷却水は、スラブ6と接すると落下する形となるため、スラブ6の上面に比べ冷却強化が行いにくいためである。
【0016】
なお、スラブ上面側の冷却の強化は、二次冷却スプレーの冷却水量の増加を図ることで可能であるが、スラブ下面側の上面側に対しての緩冷却操作は、二次冷却スプレーの冷却水量を減少させて行うほか、スラブ鋳片の下面冷却として、ブレークアウトを起こさない範囲で、二次冷却スプレーから間欠的に冷却水を噴射して冷却を行ういわゆる間欠冷却を行って、スラブ下面側と上面側の冷却差をより大きく採ることを行ってもよい。
【0017】
この例では、冷却帯が湾曲する型の連続鋳造装置によって本発明を実施する場合について示したが、本発明はいわゆる垂直型の連続鋳造装置を用いても実施することができる。この場合には、水量の調節は鋳片の一方の面にかかる水量を基準として他方の面にかかる水量を調節して偏析帯が所望の位置に来るようにすればよい。
【0018】
偏析帯の生ずる位置は、スラブを、例えばユニバーサルミルで圧延して丸ビレットとするとき、穿孔される部分の位置(すなわち穿孔予定位置)から十分離間させる必要がある。その距離は、丸ビレットのサイズ、マンドレルミル等による加工の程度にもよるが、一般には傾斜圧延による激しいきりもみ加工を受ける部分に当たらないようにすれば十分である。それには、偏析帯をスラブ中心からスラブ厚さの5%以上、より好ましくは10%以上、偏在させるようにするのがよい。
【0019】
図3は、本発明によって得られたスラブに現れた偏析帯の一例を示す断面スケッチ図である。図示のように、本例のスラブ6の偏析帯11はスラブ6中心から15mm(スラブ厚さの7%)離間した。
【0020】
このようにして得られた、偏析帯の偏ったスラブは角型に成形され、次いで丸ビレットに加工される。その手段は公知のいかなる手段でもよいが、例えば丸ビレットへの加工にはユニバーサルミルを用いるのが一般的である。また、圧延等の加工の際、スラブは角型に加工されるが、偏析帯の偏りがそのまま加工後にも残り、偏析帯が偏った状態の丸ビレットが得られる。
【0021】
図4は、本発明によって製造された丸ビレットに現れた偏析帯の一例を示す断面スケッチ図である。図示のように、本例の丸ビレット12の偏析帯13は丸ビレット12の中心から大きく偏っており(本例では15mm、丸ビレット直径の7%)、したがって鋼管製造のための穿孔工程に供しても、穿孔部、さらには製品鋼管の内面に偏析による加工疵を生ずることがない。
【0022】
【実施例】
実施例として、C:0.25mass%、Si:0.25mass%、Mn:1.30mass%の組成になる溶鋼を幅1000mm、厚さ220mmのスラブに連続鋳造した。連続鋳造するに当たっては、湾曲型連続鋳造装置で表1にしたがう冷却条件で鋳造した。その結果、得られたスラブの偏析帯の生成位置は中心位置から15mm(スラブ厚さの7%)離間していた。
【0023】
このスラブをユニバーサルミルによって直径190mmの丸ビレットに圧延し、その断面マクロ組織を調査したところ、偏析帯の位置は丸ビレットの中心から13mm(丸ビレットの直径の7%)離間していた。この丸ビレットをピアシングミルで穿孔後、マンドレルミルで外径300mm、肉厚10mmの鋼管に仕上げた。その内面疵の発生状況を調査した結果、本発明を適用しない場合に比べ95%減少していた。なお、本発明を適用しない場合とは、上記実施例と同一サイズのスラブを用い、また同一プロセスで鋼管とするが、連続鋳造時にスラブの上・下面の冷却水量の調節を行わず、偏析帯をスラブ厚さ中心部に発生させたものをいう。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、上述のように偏析帯をスラブ厚さ中心部から離間した位置に生成させ、そのスラブを用いて丸ビレットとするので、継目無鋼管製造時の穿孔工程における疵の発生を効果的に抑制することができる。特に本発明では、穿孔部が本質的に偏析帯から外れることになるので、従来に比べて溶鋼の精錬段階において非金属介在物の低減に極度にコストをかける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】連続鋳造装置の冷却帯の概念図である。
【図3】本発明によって得られたスラブに現れた偏析帯の一例を示す断面スケッチ図である。
【図4】本発明によって製造された丸ビレットに現れた偏析帯の一例を示す断面スケッチ図である。
【符号の説明】
1 タンディッシュ
2 連鋳鋳型
3 専用帯
4 二次冷却帯
6 スラブ
7 ガイドロール
8 二次冷却スプレー
9 ロール冷却スプレー
11 (スラブの)偏析帯
12 丸ビレット
13 (丸ビレットの)偏析帯
Claims (3)
- 連続鋳造されたスラブを圧延して鋼管製造用丸ビレットを製造するに当たり、前記スラブの連続鋳造過程において二次冷却帯の冷却水量を調節して偏析帯の生成位置を穿孔予定位置から偏在させることを特徴とする鋼管製造用丸ビレットの製造方法。
- 前記偏析帯の生成位置を前記穿孔予定位置になるスラブ中心位置からスラブ厚さの5%以上偏在させることを特徴とする請求項1記載の鋼管製造用丸ビレットの製造方法。
- 丸ビレット直径の中心から同直径の5%以上偏在した位置に偏析帯を有することを特徴とする鋼管製造用丸ビレット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003188116A JP2004090088A (ja) | 2002-07-11 | 2003-06-30 | 鋼管製造用丸ビレットの製造方法及び鋼管製造用丸ビレット |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002202369 | 2002-07-11 | ||
| JP2003188116A JP2004090088A (ja) | 2002-07-11 | 2003-06-30 | 鋼管製造用丸ビレットの製造方法及び鋼管製造用丸ビレット |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004090088A true JP2004090088A (ja) | 2004-03-25 |
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ID=32072183
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003188116A Pending JP2004090088A (ja) | 2002-07-11 | 2003-06-30 | 鋼管製造用丸ビレットの製造方法及び鋼管製造用丸ビレット |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004090088A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006110590A (ja) * | 2004-10-14 | 2006-04-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 継目無鋼管の製造方法 |
| CN102019389A (zh) * | 2010-11-30 | 2011-04-20 | 攀钢集团钢铁钒钛股份有限公司 | P91钢圆坯连铸方法 |
| JP2018501962A (ja) * | 2015-09-24 | 2018-01-25 | ポスコPosco | 鋳片の連続鋳造方法 |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003188116A patent/JP2004090088A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006110590A (ja) * | 2004-10-14 | 2006-04-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 継目無鋼管の製造方法 |
| CN102019389A (zh) * | 2010-11-30 | 2011-04-20 | 攀钢集团钢铁钒钛股份有限公司 | P91钢圆坯连铸方法 |
| JP2018501962A (ja) * | 2015-09-24 | 2018-01-25 | ポスコPosco | 鋳片の連続鋳造方法 |
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