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JP2004081948A - 植栽筏および該植栽筏を用いる水の浄化方法 - Google Patents

植栽筏および該植栽筏を用いる水の浄化方法 Download PDF

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JP2004081948A
JP2004081948A JP2002244482A JP2002244482A JP2004081948A JP 2004081948 A JP2004081948 A JP 2004081948A JP 2002244482 A JP2002244482 A JP 2002244482A JP 2002244482 A JP2002244482 A JP 2002244482A JP 2004081948 A JP2004081948 A JP 2004081948A
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water
planting
carbon fiber
raft
microorganisms
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JP2002244482A
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English (en)
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Mikiko Suzuki
鈴木 三貴子
Hidenori Nishida
西田 秀紀
Norihiko Kaneko
金子 範彦
Kozo Hagitani
萩谷 宏三
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nishimatsu Construction Co Ltd
Original Assignee
Nishimatsu Construction Co Ltd
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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
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Abstract

【課題】多くの微生物を生息させて効率的に水を浄化することを可能にする植栽筏および該植栽筏を用いる水の浄化方法を提供する。
【解決手段】本発明の植栽筏1は、植物を植えるための植栽基盤2と、植栽基盤2に離間して設けられ、微生物を生息させるためのメッシュ状とされた炭素繊維3と、植栽基盤2を水面上に配置し、炭素繊維3を水中の所定位置に浸漬させて配置することを可能にする支持浮体4とを含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物を植えて水質汚濁の要因にもなっている過剰な燐や窒素を吸収し、微生物を付着、生息させて燐や窒素のほか、有機物質といった汚染物質を分解、除去することを可能にする植栽筏および該植栽筏を使用して上記汚染物質により汚染された水を浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
湖沼における水質は、ここ十数年、ほとんど改善されることがない状態が続いている。特に、水中の燐や窒素といった水中養分は、多すぎる場合、透明度が低下し、水質の汚染が著しい。従来から、この湖沼などの水質浄化のために、数多くの方法が提案されている。その中の1つに、植物を使用した水質浄化法がある。この水質浄化法は、人工的に浮島を作り、その中に植生基盤を設置し、植栽を行うことにより、植生されたアシやヨシといった水生植物の根を生育させ、燐や窒素などの水中養分を吸収することで水質浄化を行う方法である。また、水質浄化法は、生物の生育空間を提供し、美しい景観創造も実現することが可能である。これら浮島の形成には、コンクリート製のもの、発泡スチロール製のもの、FRP(繊維強化プラスチック)製のものが使用されている。
【0003】
特開平10−113693号公報には、単子葉植物を使用した下水処理における水質浄化方法および水質浄化装置が開示されている。この水質浄化方法は、下水処理場からの二次処理水を、水上栽培する単子葉植物の培養水とし、単子葉植物の根に二次処理水を所定時間接触させて無機養分を吸収除去した後、湖沼や河川に放出する方法である。また、水質浄化には、二次処理水を一端から導入して他端に排出するように構成した溝状を呈する長状体の溝型処理槽と、溝型処理槽を流動する処理水の水面に位置して水上栽培植物植栽保持構造を構成し、水上栽培植物保持構造にイネ科植物、カヤツリグサ科植物、アヤメ科植物などの単子葉植物を植栽した構造になることを特徴としている。
【0004】
しかしながら、上述した水質浄化法は、アシやヨシといった水生植物の定期的な刈り取りなどのメンテナンスが必要であり、また刈り取り後のそれらの処分も問題となっている。また、水生植物の根を生育させることによって燐や窒素を除去する方法であるため、水中における燐や窒素の除去には時間がかかるといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題に鑑み、多くの微生物を付着させ、かつ燐や窒素、有機物質といった汚染物質を捕捉して分解、除去を行うとともに、植栽基盤に植栽した植物により水中の燐や窒素を吸収してさらに水質浄化を向上させることを可能にする植栽筏および該植栽筏を用いる水の浄化方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上述した課題は、本発明の植栽筏および該植栽筏を用いる水の浄化方法を提供することにより解決される。
【0007】
本発明の請求項1の発明によれば、水に浮かべて設置し、前記水を浄化するために用いられる植栽筏であって、
植物を植えるための植栽基盤と、
前記植栽基盤に離間して設けられ、微生物を生息させるためのメッシュ状とされた炭素繊維と、
前記植栽基盤を水面上に配置し、前記炭素繊維を水中の所定位置に浸漬させて配置することを可能にする支持浮体とを含む、植栽筏が提供される。
【0008】
本発明の請求項2の発明によれば、前記炭素繊維は、前記メッシュ状とされた面が水面および水底に向くように配置され、所定間隔で離間して複数設けられる植栽筏が提供される。
【0009】
本発明の請求項3の発明によれば、前記炭素繊維は、外力が作用することにより揺らぐことを特徴とする植栽筏が提供される。
【0010】
本発明の請求項4の発明によれば、前記支持浮体は、前記植栽基盤を載置して前記水に浮かべることを可能にし、かつ前記植物の根を前記水中に浸漬させるための複数の穴が設けられた載置板と、前記載置板から水底に向けて配設される複数の脚部材とを含み、前記複数の脚部材に前記炭素繊維が配設される植栽筏が提供される。
【0011】
本発明の請求項5の発明によれば、前記脚部材には、嵌合部材が設けられ、前記炭素繊維を前記嵌合部材に嵌合させることで取り外しを可能とする植栽筏が提供される。
【0012】
本発明の請求項6の発明によれば、植物を植えるための植栽基盤と、前記植栽基盤に離間して設けられ、微生物を生息させるためのメッシュ状とされた炭素繊維と、前記植栽基盤を水面上に配置し、前記炭素繊維を水中の所定位置に浸漬させて配置することを可能にする支持浮体とを含む植栽筏を用いる水の浄化方法であって、
前記植物を前記植栽基盤に植え、前記植栽筏を水に浮かべて設置する段階と、
前記植物が根から前記水中の燐および窒素を養分として吸収する段階と、
前記炭素繊維に微生物を付着させる段階と、
前記炭素繊維に前記微生物を生息させて該微生物により水を浄化する段階とを含む、水の浄化方法が提供される。
【0013】
本発明の請求項7の発明によれば、前記付着させる段階は、前記植栽筏に外力が作用することにより前記炭素繊維が揺らぐ段階を含む水の浄化方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施の形態に限定されるものではない。図1は、本発明の植栽筏を例示した図である。図1に示す植栽筏1は、植物を植えるための矩形の植栽基盤2と、植栽基盤2に離間して設けられ、微生物を生息させるためのメッシュ状とされた複数の炭素繊維3と、植栽基盤2を水面上に配置し、炭素繊維3を水中の所定位置に浸漬させて配置することを可能にする支持浮体4とを含んで構成されている。複数の炭素繊維3は、所定間隔で離間し、植栽筏1を水に浮かべて設置した場合にメッシュ状とされた面が水面および水底に向くように設けられ、水の流れの抵抗にならないようにされている。図1に示す実施の形態では、植栽基盤2には水質汚濁の要因となっている過剰な燐や窒素などの汚染物質を吸収する植物5が植えられており、植栽基盤2に最も近い位置に配設された炭素繊維3に植物5の根6が接触している。また、図1に示す実施の形態では、支持浮体4は、植栽基盤2と複数の炭素繊維3とを連結する脚部材7のみとされている。脚部材7は、植栽基盤2の4つの角部、複数の炭素繊維3それぞれの4つの角部を接着または溶着するなどして連結されている。
【0015】
河川や湖沼、海などにおいて汚染された水域や植栽筏1を設置する水域に生息する微生物は、植栽筏1の設置によって炭素繊維3に付着する。本発明において炭素繊維3は、一度付着した微生物を剥離しにくくするといった特徴を有している。また、メッシュ状とされた炭素繊維3の表面には、凹凸があり、川や海のように水の流れがある場所においては、表面の凹凸が流れの抵抗となり、炭素繊維3の表面においては、流速が遅くなり、微生物にとって生息し易い環境を与える。さらに、炭素繊維3は、炭素繊糸と炭素繊糸とが交わってメッシュを形成しており、炭素繊糸と炭素繊糸との隙間部分は流速が遅く、微生物にとって生息し易い環境となっている。上記表面や隙間部分に微生物を生息させて増殖することで、炭素繊維3の表面を流れる汚染水は、炭素繊維3によって汚染水中に含まれる汚染物質が捕捉され、微生物による分解が行われることにより浄化される。ここで、汚染物質とは、植物の水中養分であり、水質汚濁の要因ともなっている燐や窒素、浮遊物質(SS)などの有機物質を挙げることができる。
【0016】
また、炭素繊維3には、付着した微生物が出す粘性の強い分泌液や微生物が集合して形成される膜状となっている部分に、汚染水に含まれる汚染物質が捕捉され、微生物により膜状部分に捕捉された汚染物質も分解、除去される。一般に、繊維などに付着した微生物が出す粘性の強い分泌液や微生物が集合して形成される微生物膜は、微生物が増殖するにつれて肥大化し、繊維から剥離しやすくなり、水底などに堆積して汚泥となる。しかしながら、炭素繊維3は、付着した微生物の嫌気性および好気性のバランスが良いことから、微生物膜の肥大化が抑制される。したがって、炭素繊維3を用いることで、上記微生物膜といった汚泥が水底に堆積することがなく、汚泥を除去するためのメンテナンスを減少させることができる。また、本発明では、付着させたい微生物を予め繁殖させた炭素繊維3を用いることもできる。炭素繊維3に付着した微生物は、微生物が集合して形成される微生物膜の肥大化が抑制されることにより剥離しにくくなり、炭素繊維3に付着したまま留まり、栄養分を吸収して増殖して、炭素繊維3の表面を流れる汚染水を効果的に分解して水を浄化することができる。
【0017】
また、本発明の植栽筏1には、植栽基盤2に植物5を植えることにより、水質悪化の要因となっている燐や窒素などを除去することができる。燐や窒素などは、植物5の根6から吸収され、植物5の成長のために使用される。本発明においては、炭素繊維3に付着した微生物によって分解された窒素や燐を、炭素繊維3にまで伸び、炭素繊維3に接触した根6から吸収して水を浄化することもできる。
【0018】
本発明に用いることができる植栽基盤2としては、木製、コンクリート製、繊維状マット、不織布、前記マットの内部に軽量土壌を充填したものなど植物5を植えることができる基盤であれば、いかなる材質の基盤であっても良い。また、植栽基盤2は、いかなる形状、大きさのものであっても良い。本発明においては、単にヤシガラ繊糸などから形成されたネットのみを植栽基盤2として用いることができる。この場合、繊糸と繊糸との間に植物5の根6を通して配置し、植物5の水耕栽培を行うことができる。根6の一部が、繊糸にからまることにより、植栽基盤2に固定することができる。本発明においては、水に接する部分の植栽基盤2にも微生物が付着させることができ、植栽基盤2が水に接する部分においても汚染物質の分解および除去が行われ、水の浄化を行うことができる。
【0019】
本発明に用いることができる炭素繊維3としては、炭素繊糸によってメッシュ状とされたものを用いることができる。また、本発明に用いることができる炭素繊維3としては、メッシュ状とされた面が大きくされ、厚さが薄くされた形状とすることができる。炭素繊維3をメッシュ状に形成することで、炭素繊糸と炭素繊糸とを固定するために使用される接着剤などによる付着部分、すなわち接着剤などによって炭素繊維3が被覆される部分を減少させることができる。これにより、微生物の住み家となる接着剤などによって被覆されていない炭素繊維3の表面積を大きくすることができ、高い浄化能力を得ることが可能になる。本発明においては、複数の炭素繊糸を1組として使用し、炭素繊維3をメッシュ状に形成することで、炭素繊維3の表面積をさらに大きくすることができる。この場合、1組の炭素繊糸同士が接着剤などによって付着される部分を除き、水中に浸漬すると、各炭素繊糸の間に隙間を生じた状態となり、微生物により多くの住み家を与えることが可能となる。本発明において炭素繊維3は、水の流れ方向に長くされた形状とすることにより、水の流れによって炭素繊維3のからまりを防止することができる。また、炭素繊維3は、浄化を行う場所によって水深が異なるため、水深に応じて複数の炭素繊維3を設けることができる。
【0020】
さらに、本発明に用いることができる炭素繊維3は、水中の微生物を適切に捕捉することができれば、いかなる大きさのメッシュ、すなわち、炭素繊糸と炭素繊糸との間隔をいかなる間隔にすることもできる。例えば、炭素繊維3は、複数の炭素繊糸を1組にした0.005m幅のものを、0.07m間隔でメッシュ状に形成することができる。また、炭素繊維3は、厚さを薄くすることで水の流れによってゆらぎを生じ、このゆらぎによって、水の流れる方向に対して炭素繊維3の面に角度が形成されるとともに、炭素繊維3が水に接触する範囲が拡大することで、より多くの微生物を付着することができる。炭素繊維3のメッシュ状とされた面を水の流れに対向するように設けた場合、炭素繊維3が流れの抵抗となるため、支持浮体4を強固な材質とする必要があり、付着した微生物が流れてくる水によって剥離する可能性があり、また炭素繊維3同士のからまりを生じる。したがって、本発明においては、炭素繊維3のメッシュ状とされた面が水面および水底に向くように配置し、水の流れによる抵抗を無くすことで、炭素繊維3同士のからまりを防止することができる。炭素繊維3の厚さは、上述したように外力によってゆらぎを生じる厚さであればいかなる厚さであっても良い。また、本発明においては、炭素繊維3以外にも、アラミド繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維、ポリプロピレン繊維などを用いることもできるが、高い比表面積をもち、かつ微生物との親和性の高い炭素繊維3が好ましい。また、炭素繊維3は、弾性率が高く、かつ微生物が剥離しにくいことから、微生物が増殖しやすい性質を有するので好ましい。さらに、炭素繊維3は、水中に浮遊する有機物質なども捕捉することができ、捕捉された有機物質は、炭素繊維3に生息する微生物によって分解、除去される。
【0021】
本発明に用いることができる支持浮体4は、植栽基盤2を水面上に配置し、炭素繊維3を水中の所定位置に配置するために使用される。図1に示す実施の形態では、植栽基盤2がネットのみであり、また炭素繊維3も軽量であるため、支持浮体4として脚部材7のみが用いられ、脚部材7のみで充分に水に浮くことができるが、培土などを含む植栽基盤2を水面上に配置する場合には、脚部材7以外に別の浮体を設けて水に浮かせることができる。また、本発明では、植栽基盤2を載置するため、支持浮体4に載置板などを設けることもできる。図1に示す実施の形態では、植栽基盤2が矩形のネットから形成され、ネットの4つの角部が脚部材7に固定され、ネットの下部に複数の炭素繊維3がネットと同様に、それぞれの4つの角部が脚部材7に固定されている。それぞれの角部を固定する方法としては、エポキシ樹脂といった耐水性の接着剤を使用する方法や溶着する方法などを用いることができる。また、支持浮体4として使用される脚部材7の材質は、いかなるものであっても良いが、本発明の植栽筏1が浮くために浮く材質のもので、かつ腐食しない材質が好ましい。具体的には、発泡スチロール、繊維強化プラスチック(FRP)などのプラスチック材料を用いることができる。また、脚部材7の径および長さは、水の流れに対して折れ曲がらず、かつ水の流れなどの外力によって炭素繊維3にゆらぎを与えることができる径および長さとすることができる。したがって、水底に接しない長さが好ましい。脚部材7の長さは、配置する場所の水深や、炭素繊維3の数および配置間隔に応じて決定することができる。本発明においては、脚部材7が長いほうが好ましく、これにより、水の流れなどの外的要因による小さな力が作用することで、炭素繊維3をゆらぐようにすることができる。炭素繊維3のゆらぎは、水中に含まれる酸素を付着させて、炭素繊維3に付着している微生物膜内の微生物の生息環境を好気的に保ち、微生物膜の肥大化を抑制するように作用する。微生物膜の肥大化を抑制することで、微生物膜の剥離が生じにくくなり、炭素繊維3の取り換えや洗浄といったメンテナンスを軽減することができる。
【0022】
本発明に用いることができる植物5としては、野菜や観葉植物などいかなる植物5であっても良く、例えば、トチカガミ、アサザ、ガガブタ、コウホネ、マコモ、マリンゴールド、サルビア、ホテイアオイ、ケナフ、パピルス、ヒメスイレン、ウォータークローバー、オモダカ、カキツバタ、ガマ、コガマ、ツルヨシ、ヒメガマ、クワイ、ショウブ、セリ、センニンモ、フトイ、ミクリ、ミズバショウ、ミソハギ、アシカキ、イヌホタルイ、イボクサ、アオウキクサ、ウキアゼナ、ウキクサ、エビモ、オオカナダモ、オモダカ、アシ、ヨシ、水蓮、蓮、空心菜といった水生植物、トマト、きゅうり、ほうれんそう、サラダ菜、バラ、チューリップなどを挙げることができる。本発明において用いることができる植物5は、燐や窒素などを吸収して成長し、刈り取りが必要となる。従来において刈り取った植物5は、処分されており、この処分においてもコストがかかるなどの問題を要している。したがって、本発明では、刈り取り後において食用とすることができる空心菜を植栽することが好ましい。空心菜は、水を好み、茎が中空のため、水に浮くことができ、上述したネットを植栽基盤2に用いることができる。本発明において用いられる植物5は、燐や窒素を吸収するものとされているが、汚染水の汚染成分に応じて燐や窒素以外の汚染物質を吸収することができる植物を用いることもできる。
【0023】
本発明の植栽筏1は、植物5による水中の燐や窒素などの吸収と、炭素繊維3による微生物および汚染物質の捕捉、微生物による汚染物質の分解および除去のほか、コイ、フナ、モツゴ、ヌマチチブ、テナガエビ、ヤゴ、ザリガニ、タニシ、ミズスマシといった水生動物の産卵の場所、捕食場所、避難場所として利用することもできる。また、水の流れなどの外力により、設置した植栽筏1が移動しないようにアンカーおよびワイヤーなどの係留部材を使用して所定位置に係留することができる。
【0024】
図2は、本発明の植栽筏1に用いる炭素繊維3を例示した図である。図2に示す炭素繊維3は、一方向に長くされた長方形で、厚さが薄くされたものとされている。したがって、水の流れなどの外力によって炭素繊維3が容易に揺らぐことができる。また、図2に示す炭素繊維3は、複数の炭素繊糸を1組としたものを、接着剤を使用して互いの交差する部分を接着し、メッシュ状に形成されている。本発明においては、炭素繊維3をメッシュ状に形成することで、接着剤などによって炭素繊維3が被覆される部分を減少させ、微生物の住み家となる接着剤などによって被覆されていない炭素繊維3の表面積を広く保つことができる。これにより、より多くの微生物を生息させて、高い浄化能力を得ることが可能になる。本発明において炭素繊維3は、上述したように一方向に長くされた形状とすることにより、水の流れによる炭素繊維3のからまりを防止することができる。本発明において炭素繊維3の形状は、メッシュ状とされており、厚さが薄いものであればいかなる大きさのものであっても良い。図2に示す実施の形態では、炭素繊糸同士が垂直に交わるようにメッシュが形成されているが、本発明においては、任意の角度で交わるようにメッシュが形成された構造となっていても良い。
【0025】
図3は、本発明の植栽筏1に用いる支持浮体4を例示した第1の実施の形態を示した図である。図3に示す支持浮体4は、上部に図1に示したネットなどの植栽基盤2が配設され、植栽基盤2の下部に複数の炭素繊維3が所定間隔で配設されるように脚部材7のみから構成されている。図3に示す実施の形態では、支持浮体4が4つの脚部材7から構成され、4つの脚部材7に、矩形の植栽基盤2の4つの角部、複数の炭素繊維3のそれぞれの角部が接着または溶着されている。図3に示す支持浮体4として用いられる4つの脚部材7は、水に浮くように発泡スチロールやFRPなどの材料から作製することができる。また、本発明においては、植栽基盤2に植物5を植えて水面に設置し、支持浮体4が上記脚部材7のみでは浮かない場合には、植栽基盤2が水面上に配置されるように脚部材7に浮体を別に設けることができる。この場合に浮体としては、水に浮くものであればいかなるものであっても良い。
【0026】
図4は、本発明の植栽筏1に用いる支持浮体4を例示した第2の実施の形態を示した図である。図4に示す支持浮体4は、植栽基盤2を支持する載置板8と、脚部材7とから構成されている。図4に示す載置板8は、植栽基盤2を設置して水面上に支持するために設けられており、水に浮かぶ材質から作製されている。載置板8には、複数の穴9が設けられており、図1に示す植栽基盤2に植えられた植物5の根6を水中に浸漬することができるようになっている。脚部材7は、載置板8の4つの角部にそれぞれ接着または溶着することにより固定されている。図4に示す支持浮体4には、炭素繊維3を嵌合させて取り付け、取り外しができるように嵌合部材が設けられている。図4では、嵌合部材としてカートリッジ取り付け部材10が脚部材7の所定位置に配設されている。図4に示すカートリッジ取り付け部材10は、炭素繊維3を差し込むだけで取り付けることができるように差し込み口が設けられた構造とされている。また、図4には示されていないが、炭素繊維3を差し込んで取り付けた後、容易に外れないようにボルトなどの固定部材を用いてカートリッジ取り付け部材10に固定することができる。この場合、カートリッジ取り付け部材10に接する炭素繊維3の部分には適切に嵌合する形状とすることもでき、容易に外れないようにすることができる。図4に示すカートリッジ取り付け部材10は、脚部材7の所定位置に接着または溶着するなどして取り付けることができる。本発明においては、炭素繊維3を取り外し可能とする構造であれば、図4に示す構造以外にいかなる構造のものであっても良い。本発明においてカートリッジ取り付け部材10は、上述した発泡スチロールやFRPなどの水に浮かぶ材質のもので作製することができる。
【0027】
図5は、本発明の植栽筏1を湖沼に設置して湖沼の浄化を行っているところを示した図である。湖沼は、水の流れがほとんどなく、燐や窒素といった植物5の養分が蓄積した状態となっている。また、燐や窒素といった養分が過剰になると透明度が低下し、水質を悪化させる。本発明においては、植栽筏1を水に浮かべて設置し、植栽基盤2に植えた植物5によって水中の燐や窒素などを養分として吸収し、燐や窒素、水中を浮遊する有機物質は、植栽筏1の炭素繊維3に付着し、微生物によって分解される。これにより、湖沼の燐や窒素などを減少させることができ、浮遊する有機物質も減少させることができる。
【0028】
図5に示す実施の形態では、所定の大きさ、形状の植栽基盤2と、メッシュ状とされた複数の炭素繊維3と、植栽基盤2を水面上に配置するとともに、複数の炭素繊維3を水中の所定位置に配置するための支持浮体4とから構成される植栽筏1が水面に浮かぶように設置されている。植栽基盤2には、空心菜といった植物5が植えられている。また、図5に示す実施の形態では、湖沼を浄化するために適切な微生物が予め炭素繊維3に付着されており、炭素繊維3が湖沼の水中に浸漬されることにより浄化が開始される。浄化は、水中の燐や窒素などが植物5の根6から吸収され、微生物が炭素繊維3に付着される。炭素繊維3に付着された微生物は、燐や窒素、その他有機物質を分解する。また、植栽基盤2に植えられた植物5は、根6が成長し、炭素繊維3に到達して接することにより、炭素繊維3に付着した微生物によって分解された燐や窒素などを吸収することもできる。こうすることにより、湖沼中の燐や窒素などを減少させ、湖沼の水質汚濁を抑制することができる。また、上述した植物5は、燐や窒素などの吸収により成長した場合、定期的に刈り取って処分することができる。本発明においては、植物5として空心菜を植えることにより、刈り取った後、食用とすることができ、処分コストを抑制することができる。また、本発明において炭素繊維3は、酸素を付着させておくことができ、湖沼といった水の流れのない場所で、かつ水底の貧酸素状態の場所においても微生物を生息させて、水底の浄化を行うこともできる。本発明においては、炭素繊維3をカートリッジ式として複数の炭素繊維3のうち一部のみを交換可能なようにすることもできる。
【0029】
図6は、図5に示した植栽筏1がゆらいでいるところを示した図である。図6に示す植栽筏1は、図5に示したものと同様の構造とされており、また図示しない係留部材を用いて係留している。図6に示す実施の形態では、水面に吹きつける風などによって波を生じ、植栽筏1に外力が作用している。このように、植栽筏1に外力が作用することにより、ゆらぎが生じる。ゆらぎは、図6に示すように植栽筏1が揺動する状態であり、水面に生じた揺動は、支持浮体4によって水底にも伝えられ、湖沼水を移動させることができる。これによって、水中に滞留する汚染物質や微生物が移動することとなり、植栽筏1の炭素繊維3に微生物を付着させて、微生物が汚染物質を捕捉し、分解、除去することができる。また、水の移動は、貧酸素状態の水底に滞留する湖沼水を移動させ、酸素を含有する水面付近の湖沼水と混合させて、湖沼全体に酸素を行きわたらせることもできる。したがって、植栽筏1の水底付近に設置された炭素繊維3に付着した微生物の好気性も保つことができる。また、植栽筏1の揺動により、炭素繊維3と水との接触範囲が拡大することで、より多くの微生物を付着することもできる。
【0030】
図7は、本発明の植栽筏1を排水路などに複数設置して浄化を行っているところを示した図である。図7に示す排水路11は、使用された農業用水や工業用水を河川に排水するために構築されている。これら排水路11を流れる水は、流速が遅く、燐や窒素、有機物質といった水質を悪化させる汚染物質を含んでいる。また、流速が遅いため、これら汚染物質が蓄積しやすく、さらに水質を悪化させている。図7に示す実施の形態では、本発明の植栽筏1を複数浮かべて設置し、それぞれの植栽筏1は、図示しない係留部材を用いて係留している。植栽基盤2と炭素繊維3との間、炭素繊維と炭素繊維3との間を排水が流れることで、水中の微生物や汚染物質は、炭素繊維3の表面などに付着し、炭素繊維3に付着した微生物によって燐や窒素、有機物質などの汚染物質が分解、除去される。また、植栽基盤2に植えられた植物5によって水中の燐や窒素などが吸収される。さらに、植物5は成長し、炭素繊維3に付着した微生物によって分解された燐や窒素などを、炭素繊維3に接触した根6から吸収することもできる。このようにすることで、植物5は効率的に燐や窒素を得ることができ、微生物を増殖させて効率的に燐や窒素、有機物質を分解、除去してこれらを減少させ、水を浄化することができる。さらに、図7に示す植栽筏1は、ゆらぎを生じ、上述したようにより多くの微生物を炭素繊維3に付着させ、より多くの燐や窒素、有機物質を分解、除去することで、より効率的に水の浄化を行うことができる。
【0031】
【発明の効果】
従って、本発明の植栽筏および該植栽筏を用いる水の浄化方法を提供することにより、汚染水に設置しておくだけで、多くの微生物を付着させ、増殖させるとともに汚染物質も付着させて効率的に分解、除去して水を浄化することが可能となる。また、植物を植えることができ、燐や窒素などの水質汚濁の要因となる汚染物質を減少させることもできる。さらに、汚泥の堆積が少なく、メンテナンスの頻度を低減することができ、カートリッジ式にすることで汚染の著しい炭素繊維のみを交換することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の植栽筏を例示した図。
【図2】本発明の植栽筏に用いる炭素繊維を例示した図。
【図3】本発明の植栽筏に用いる支持浮体の第1の実施の形態を例示した図。
【図4】本発明の植栽筏に用いる支持浮体の第2の実施の形態を例示した図。
【図5】本発明の植栽筏を湖沼に設置し、湖沼の水の浄化を行っているところを示した図。
【図6】図5に示した植栽筏がゆらいでいるところを示した図。
【図7】本発明の植栽筏を排水路に設置し、排水路の水の浄化を行っているところを示した図。
【符号の説明】
1…植栽筏
2…植栽基盤
3…炭素繊維
4…支持浮体
5…植物
6…根
7…脚部材
8…載置板
9…穴
10…カートリッジ取り付け部材
11…排水路

Claims (7)

  1. 水に浮かべて設置し、前記水を浄化するために用いられる植栽筏であって、
    植物を植えるための植栽基盤と、
    前記植栽基盤に離間して設けられ、微生物を生息させるためのメッシュ状とされた炭素繊維と、
    前記植栽基盤を水面上に配置し、前記炭素繊維を水中の所定位置に浸漬させて配置することを可能にする支持浮体とを含む、植栽筏。
  2. 前記炭素繊維は、前記メッシュ状とされた面が水面および水底に向くように配置され、所定間隔で離間して複数設けられる、請求項1に記載の植栽筏。
  3. 前記炭素繊維は、外力が作用することにより揺らぐことを特徴とする、請求項1または2に記載の植栽筏。
  4. 前記支持浮体は、前記植栽基盤を載置して前記水に浮かべることを可能に載置板と、前記載置板から水底に向けて配設される複数の脚部材とを含み、前記複数の脚部材に前記炭素繊維が配設される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の植栽筏。
  5. 前記脚部材には、嵌合部材が設けられ、前記炭素繊維を前記嵌合部材に嵌合させることで取り外しを可能とする、請求項4に記載の植栽筏。
  6. 植物を植えるための植栽基盤と、前記植栽基盤に離間して設けられ、微生物を生息させるためのメッシュ状とされた炭素繊維と、前記植栽基盤を水面上に配置し、前記炭素繊維を水中の所定位置に浸漬させて配置することを可能にする支持浮体とを含む植栽筏を用いる水の浄化方法であって、
    前記植物を前記植栽基盤に植え、前記植栽筏を水に浮かべて設置する段階と、
    前記植物が根から前記水中の燐および窒素を養分として吸収する段階と、
    前記炭素繊維に微生物を付着させる段階と、
    前記炭素繊維に前記微生物を生息させて該微生物により水を浄化する段階とを含む、水の浄化方法。
  7. 前記付着させる段階は、前記植栽筏に外力が作用することにより前記炭素繊維が揺らぐ段階を含む、請求項6に記載の水の浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013062323A1 (ko) * 2011-10-25 2013-05-02 주식회사 세기종합환경 수질 정화 장치
CN109250822A (zh) * 2018-11-05 2019-01-22 河海大学 一种水体中总氮自动高效净化系统及其方法
CN117623502A (zh) * 2023-10-17 2024-03-01 湖北省水利水电规划勘测设计院有限公司 河湖沟渠水质净化方法及装置

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