JP2004081120A - マイナスイオン発生源付き孵卵器 - Google Patents
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Abstract
【課題】受精卵の孵化及び胚の成長を再現性良く向上させるとともに、孵卵器における孵化時の衛生管理水準を向上させること。
【解決手段】庫体102内を卵の孵化に適した雰囲気に保つ孵卵器100において、該孵卵器100は、マイナスイオンを発生させ前記雰囲気中に放出するマイナスイオン発生源130を前記庫体102内に連通する通風口近傍、及び/又は、前記庫体102内に設けた構造とすることにより、受精卵の孵化及び胚の成長を再現性良く向上させるとともに、孵卵器における孵化時の衛生管理水準を向上させる。
【選択図】 図1
【解決手段】庫体102内を卵の孵化に適した雰囲気に保つ孵卵器100において、該孵卵器100は、マイナスイオンを発生させ前記雰囲気中に放出するマイナスイオン発生源130を前記庫体102内に連通する通風口近傍、及び/又は、前記庫体102内に設けた構造とすることにより、受精卵の孵化及び胚の成長を再現性良く向上させるとともに、孵卵器における孵化時の衛生管理水準を向上させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として鶏等の鳥類の卵を人工的に孵化させる孵卵器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
卵を孵化させるには、卵を孵化に適した環境で生育させることが必要である。その環境を規定する重要な条件は、温度、湿度、換気、転卵などである。そのため、卵を人工的に孵化させる孵卵器には、一般に、換気のための通風口を有し、且つ、内部の温度及び湿度を一定に調整することが可能な庫体を有する発生専用機や、さらに、そのような庫体内に転卵を可能にする構造を有するものなどがある。
【0003】
このような孵卵器は、健常な雛を高率で発生させるために、温度調整・湿度調整の精度や、庫体内の温度分布、転卵時間、転卵角度、換気量など物理的な条件について、長年にわたって研究・改良され、現在に至っている。また、孵化に対する衛生管理については、入卵前の卵の消毒、発生後の雛の微細な羽毛・胎便・胎盤・卵殻の破片などの除去、庫体内の水洗・薬剤噴霧・ホルマリン薫蒸が行われており、孵卵器内の汚染や細菌の繁殖及び雛への感染を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の孵卵器においては、上述したような長年にわたる研究・改良にも関わらず、健常な雛を高率で得るという点においては必ずしも十分なものではなく、更に、近年においては、ユーザーのローコストオペレーションに対する要請が強まっており、安価な方法で、且つ、再現性良く健常な雛を発生させることが求められている。
【0005】
さらに、消費者の食品全般に対する信頼性に関する要求が厳しくなっており、孵卵器についても、衛生管理水準の高度化が常に求められている。
【0006】
そこで、本発明の目的は、孵卵器で健常な雛を再現性良く高率で得るとともに、孵卵器における孵化時の衛生管理水準を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、庫体内を卵の孵化に適した環境に保つ孵卵器において、マイナスイオンを発生させ、孵卵器の庫体内に放出するマイナスイオン発生源を有する構造とする。このマイナスイオン発生源は、マイナスイオンを効率よく発生することができるものであれば、その発生方式は特に限定されるものではない。例えば、高電圧を用い人工的に電離状態を形成するコロナ放電方式や電子放射方式、水分子を粉砕することによりマイナスイオンを発生させるレナード方式、天然鉱石素材を用いる方式等、公知の発生方式によるマイナスイオン発生源を使用することが可能である。また、その設置場所は、孵卵器の庫体内に効率よく導入できる場所であれば、庫体の内外いずれでも構わない。
【0008】
【作用】
本発明は、マイナスイオンを発生させ孵卵器の庫体内に放出するマイナスイオン発生源を孵卵器の庫体内に連通する通風口近傍、及び/又は、孵卵器の庫体内に設けたことにより、マイナスイオンが卵殻より受精卵中に取り込まれ、胚の成長を促進させる。
【0009】
また、マイナスイオンが、胚の発育中および孵化時に発生する臭気成分を除去し、庫体内の空気を浄化する。これは、マイナスイオンが、庫体内に正(プラス)の電荷を帯びて浮遊している臭気成分等と結合して、電気的に中和・凝集し、重力により落下することによるものである。
【0010】
マイナスイオンが、胚の成長を促進させる分子機構については定かではないが、マイナスイオンが有する「細胞の活性化・抗酸化作用」及び「代謝促進作用」により、孵卵器内で発育中の胚の代謝機能が高められたり、内分泌の働きが向上するものと推察される。さらに、上述のようにマイナスイオンにより、庫体内の空気が浄化されることも、胚の成長の促進に寄与しているものと推察される。いずれにしろ、マイナスイオンが、このように孵化中の受精卵において、胚の成長を促進させるように作用することは、本発明の発明者による不断の研究活動により、初めて定量的に確認されたことであり、本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器は、このような新規な知見に基づき完成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器100を示す斜視図である。なお、この図では、正面に開閉自在に設けられている扉は、記載を省略している。
【0012】
本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器100は、図1に示すように、庫体102の内部が、受精卵を所定期間、孵化に適した環境下で生育させるための転卵部(上段)と、孵化の3日前となった卵を転卵部から移し、卵の発生を待機する発生部(下段)に分かれている。上段の転卵部には、卵を支持する転卵枠104が、下段の発生部には、雛の飛び出し防止用の金網106を有する発生枠108が、それぞれ、前後に出し入れ可能に収容されている。転卵枠104は、庫体外側壁に設置された転卵調整ボックス114により、所定のタイミングで所定時間、自動的に稼働し、所望の転卵が行われる。
【0013】
また、庫体内の天井部には、庫体内を暖めるヒーター板116が設置されるとともに、庫体内の温度を測定するため、温度センサ118が天井部より延びている。そして、庫体外の上部側壁に設置された温度コントローラ120により、庫体内が所定の温度に維持されるように調整される。
【0014】
庫体内床面には、水を張った水盤122が設置してあり、庫体内に適当な湿度を与えている。124は、庫体内の湿度を計測する湿度センサであり、126は、庫体内を照らす室内灯である。また、図示はされていないが、庫体天井壁には、庫体内に外気を取り入れるための通風口が設けられており、庫体側壁の少なくとも1カ所に、庫体内の空気を排気する排気口が設けられている。そして、庫体内天井部に設けられたファン128を回転することにより、通風口から新鮮な外気が導入され、庫体内の空気が排気口から外部へ排出される一方向の換気を行うことができる。
【0015】
さらに、本発明の孵卵器は、庫体内の天井部にマイナスイオン発生源130を設置している。このマイナスイオン発生源は、電子放射(単電極放電)方式で約200万個/ccのマイナスイオン発生能力を持つものを使用した。図1に示した例では、マイナスイオン発生源130をヒーター板116近傍に一個のみ設置しているが、もちろん、複数のマイナスイオン発生源を設置しても構わない。また、設置場所も特に限定されず、庫体内の任意の場所に設置可能である。さらに、庫体外の通風口近傍に設置して、通風口を介して庫体内にマイナスイオンを導入することも可能である。
【0016】
次に、本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器を用いて、さまざまな条件で実際に孵化を行った実験結果を実施例として示す。
【0017】
(実施例1)
マイナスイオン処理の有無が、発育中の鶏胚の孵化率および孵化日数の長短に、どのような影響を及ぼすかについて、いろいろな孵化温度の下で試験を行った。
【0018】
はじめに、37.5℃から37.6℃の間に温度調節されたマイナスイオン発生源を設置していない通常の孵卵器において、150から200個の鶏胚を7日間確実に発育させた。ここで、7日目の胚発生を透視検卵によって確認し、正常に発育中の鶏受精卵84個を選別し、別の通常の孵卵器と、マイナスイオン発生源を設置した本発明による孵卵器に、それぞれ42個ずつ収容した。そして、37.5℃、37.0℃、36.5℃を中心温度とし上下0.1℃の範囲内に制御された同一の温湿度環境の下で、孵化までの様子を観察した。その結果を図2に示す。この図において、第1日目とは、卵を孵卵器に入れて21日(鶏の標準的な孵化日数)目を意味している。この図から明らかなように、胚発育卵をマイナスイオンが存在する環境下に置くことにより、孵化率が孵化率対比で20〜40%向上することが確認できた。
【0019】
(実施例2)
次に、最適な孵化温度(37.5〜37.6℃)により胚を発育させ胚発育卵だけを選別する胚発生前処理を行わず、初日から、通常の孵化温度よりも低い温度(36.5℃)で孵化を行った時のマイナスイオンの存在の有無がその孵化率および孵化日数の長短に及ぼす影響を調べるために以下の試験を行った。
【0020】
試験方法としては、正常に産卵され外見的に異常が認められない鶏受精卵84個を選別し、マイナスイオン発生源を設置していない通常の孵卵器と、マイナスイオン発生源を設置した本発明による孵卵器に、それぞれ42個ずつ収容し、初日から36.5℃を中心とし上下0.1℃の範囲内に制御された同一の温湿度環境の下で、孵化までの様子を観察した。その結果、図3に示すように、マイナスイオン処理により、受精卵が、孵化初日から、通常の孵化温度よりも低い温度に置かれた場合であっても、孵化率対比で30%以上向上することが確認できた。しかも、マイナスイオンが存在しない場合、第2日目での孵化数が、全孵化数の67%程度であるのに対して、マイナスイオンが存在する場合、第2日目までに全孵化数の92%が孵化しており、マイナスイオンの存在により、受精卵の発育が促進されていることが確認できた。
【0021】
(実施例3)
産卵後室温において、いろいろな期間保存された受精卵において、孵化中におけるマイナスイオンの存在の有無が、その孵化率および孵化日数の長短にどのような影響を及ぼすかを調べるために以下の試験を行った。
【0022】
試験方法としては、正常に産卵され外見的に異常が認められない鶏受精卵を15日、10日および6日間同一場所で室温にて保存し、おのおの30、30、24個の鶏受精卵合計84個を選別した。そして、マイナスイオン発生源を設置していない通常の孵卵器と、マイナスイオン発生源を設置した本発明による孵卵器とに、それぞれ42個ずつ、すなわち、15日、10日および6日間同一場所で室温にて保存されたものを、おのおの15、15、12個収容した。そして、37.5℃を中心温度とし上下0.1℃の範囲内に制御された同一の温湿度環境の下で、孵化を行った。
【0023】
その結果、図4に示すように、マイナスイオン処理により、産卵後、6日間室温で保存された受精卵であっても20%以上の孵化率が得られた。これは、マイナスイオンが存在しない場合に比べて、孵化率対比で50%以上向上したことを意味している。一方、10日間以上室温で保存した受精卵は、マイナスイオン処理の有無に関わらず、孵化しなかった。これは、高い室温での保管日数が10日を越えると、受精卵が孵化できないほどに劣化したためと考えられる。
【0024】
【発明の効果】
以上の実験結果から明らかなように、受精卵の孵化に対するマイナスイオン処理の効果は明らかであり、特に、受精卵の孵化条件が相対的に悪いときに、鶏胚の代謝や成長に及ぼすマイナスイオン処理の効果が顕著であった。
【0025】
本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器によれば、マイナスイオンを発生させ孵卵器の庫体内に放出するマイナスイオン発生源を孵卵器の庫体内に連通する通風口近傍、及び/又は、孵卵器の庫体内に設けたことにより、マイナスイオンが卵殻より受精卵中に取り込まれ、胚の成長が促進され、受精卵の孵化率が著しく向上する。
【0026】
また、マイナスイオンが、胚の発育中および孵化時に発生する臭気成分を除去し、庫体内の空気を浄化するため、細菌の繁殖が抑制され、衛生管理面の信頼性が向上する。
【0027】
しかも、本発明は、既存の孵卵器に簡単な改良を施すだけで実施でき、また、操作方法も簡単であり、産業上の利用価値はきわめて高い。
【0028】
なお、本実施例においては、鶏卵についての結果のみを示しているが、本発明の利用分野は、鶏卵の孵化に限られることはなく、ダチョウやエミュー等の他の鳥類や、カメやトカゲ等の爬虫類の卵の孵化にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器の斜視図
【図2】いろいろな孵化温度における胚発育卵に対するマイナスイオンの影響を示す実験結果。
【図3】孵化初日から低い孵化温度で孵化させた場合のマイナスイオンの影響を示す実験結果。
【図4】室内において、いろいろな期間保存した受精卵に対するマイナスイオンの影響を示す実験結果。
【符号の説明】
100 ・・・ マイナスイオン発生源付き孵卵器
102 ・・・ 庫体
104 ・・・ 転卵枠
106 ・・・ 金網
108 ・・・ 発生枠
114 ・・・ 転卵調整ボックス
116 ・・・ ヒーター板
118 ・・・ 温度センサ
120 ・・・ 温度コントローラ
122 ・・・ 水盤
124 ・・・ 湿度センサ
126 ・・・ 室内灯
128 ・・・ ファン
130 ・・・ マイナスイオン発生源
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として鶏等の鳥類の卵を人工的に孵化させる孵卵器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
卵を孵化させるには、卵を孵化に適した環境で生育させることが必要である。その環境を規定する重要な条件は、温度、湿度、換気、転卵などである。そのため、卵を人工的に孵化させる孵卵器には、一般に、換気のための通風口を有し、且つ、内部の温度及び湿度を一定に調整することが可能な庫体を有する発生専用機や、さらに、そのような庫体内に転卵を可能にする構造を有するものなどがある。
【0003】
このような孵卵器は、健常な雛を高率で発生させるために、温度調整・湿度調整の精度や、庫体内の温度分布、転卵時間、転卵角度、換気量など物理的な条件について、長年にわたって研究・改良され、現在に至っている。また、孵化に対する衛生管理については、入卵前の卵の消毒、発生後の雛の微細な羽毛・胎便・胎盤・卵殻の破片などの除去、庫体内の水洗・薬剤噴霧・ホルマリン薫蒸が行われており、孵卵器内の汚染や細菌の繁殖及び雛への感染を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の孵卵器においては、上述したような長年にわたる研究・改良にも関わらず、健常な雛を高率で得るという点においては必ずしも十分なものではなく、更に、近年においては、ユーザーのローコストオペレーションに対する要請が強まっており、安価な方法で、且つ、再現性良く健常な雛を発生させることが求められている。
【0005】
さらに、消費者の食品全般に対する信頼性に関する要求が厳しくなっており、孵卵器についても、衛生管理水準の高度化が常に求められている。
【0006】
そこで、本発明の目的は、孵卵器で健常な雛を再現性良く高率で得るとともに、孵卵器における孵化時の衛生管理水準を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、庫体内を卵の孵化に適した環境に保つ孵卵器において、マイナスイオンを発生させ、孵卵器の庫体内に放出するマイナスイオン発生源を有する構造とする。このマイナスイオン発生源は、マイナスイオンを効率よく発生することができるものであれば、その発生方式は特に限定されるものではない。例えば、高電圧を用い人工的に電離状態を形成するコロナ放電方式や電子放射方式、水分子を粉砕することによりマイナスイオンを発生させるレナード方式、天然鉱石素材を用いる方式等、公知の発生方式によるマイナスイオン発生源を使用することが可能である。また、その設置場所は、孵卵器の庫体内に効率よく導入できる場所であれば、庫体の内外いずれでも構わない。
【0008】
【作用】
本発明は、マイナスイオンを発生させ孵卵器の庫体内に放出するマイナスイオン発生源を孵卵器の庫体内に連通する通風口近傍、及び/又は、孵卵器の庫体内に設けたことにより、マイナスイオンが卵殻より受精卵中に取り込まれ、胚の成長を促進させる。
【0009】
また、マイナスイオンが、胚の発育中および孵化時に発生する臭気成分を除去し、庫体内の空気を浄化する。これは、マイナスイオンが、庫体内に正(プラス)の電荷を帯びて浮遊している臭気成分等と結合して、電気的に中和・凝集し、重力により落下することによるものである。
【0010】
マイナスイオンが、胚の成長を促進させる分子機構については定かではないが、マイナスイオンが有する「細胞の活性化・抗酸化作用」及び「代謝促進作用」により、孵卵器内で発育中の胚の代謝機能が高められたり、内分泌の働きが向上するものと推察される。さらに、上述のようにマイナスイオンにより、庫体内の空気が浄化されることも、胚の成長の促進に寄与しているものと推察される。いずれにしろ、マイナスイオンが、このように孵化中の受精卵において、胚の成長を促進させるように作用することは、本発明の発明者による不断の研究活動により、初めて定量的に確認されたことであり、本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器は、このような新規な知見に基づき完成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器100を示す斜視図である。なお、この図では、正面に開閉自在に設けられている扉は、記載を省略している。
【0012】
本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器100は、図1に示すように、庫体102の内部が、受精卵を所定期間、孵化に適した環境下で生育させるための転卵部(上段)と、孵化の3日前となった卵を転卵部から移し、卵の発生を待機する発生部(下段)に分かれている。上段の転卵部には、卵を支持する転卵枠104が、下段の発生部には、雛の飛び出し防止用の金網106を有する発生枠108が、それぞれ、前後に出し入れ可能に収容されている。転卵枠104は、庫体外側壁に設置された転卵調整ボックス114により、所定のタイミングで所定時間、自動的に稼働し、所望の転卵が行われる。
【0013】
また、庫体内の天井部には、庫体内を暖めるヒーター板116が設置されるとともに、庫体内の温度を測定するため、温度センサ118が天井部より延びている。そして、庫体外の上部側壁に設置された温度コントローラ120により、庫体内が所定の温度に維持されるように調整される。
【0014】
庫体内床面には、水を張った水盤122が設置してあり、庫体内に適当な湿度を与えている。124は、庫体内の湿度を計測する湿度センサであり、126は、庫体内を照らす室内灯である。また、図示はされていないが、庫体天井壁には、庫体内に外気を取り入れるための通風口が設けられており、庫体側壁の少なくとも1カ所に、庫体内の空気を排気する排気口が設けられている。そして、庫体内天井部に設けられたファン128を回転することにより、通風口から新鮮な外気が導入され、庫体内の空気が排気口から外部へ排出される一方向の換気を行うことができる。
【0015】
さらに、本発明の孵卵器は、庫体内の天井部にマイナスイオン発生源130を設置している。このマイナスイオン発生源は、電子放射(単電極放電)方式で約200万個/ccのマイナスイオン発生能力を持つものを使用した。図1に示した例では、マイナスイオン発生源130をヒーター板116近傍に一個のみ設置しているが、もちろん、複数のマイナスイオン発生源を設置しても構わない。また、設置場所も特に限定されず、庫体内の任意の場所に設置可能である。さらに、庫体外の通風口近傍に設置して、通風口を介して庫体内にマイナスイオンを導入することも可能である。
【0016】
次に、本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器を用いて、さまざまな条件で実際に孵化を行った実験結果を実施例として示す。
【0017】
(実施例1)
マイナスイオン処理の有無が、発育中の鶏胚の孵化率および孵化日数の長短に、どのような影響を及ぼすかについて、いろいろな孵化温度の下で試験を行った。
【0018】
はじめに、37.5℃から37.6℃の間に温度調節されたマイナスイオン発生源を設置していない通常の孵卵器において、150から200個の鶏胚を7日間確実に発育させた。ここで、7日目の胚発生を透視検卵によって確認し、正常に発育中の鶏受精卵84個を選別し、別の通常の孵卵器と、マイナスイオン発生源を設置した本発明による孵卵器に、それぞれ42個ずつ収容した。そして、37.5℃、37.0℃、36.5℃を中心温度とし上下0.1℃の範囲内に制御された同一の温湿度環境の下で、孵化までの様子を観察した。その結果を図2に示す。この図において、第1日目とは、卵を孵卵器に入れて21日(鶏の標準的な孵化日数)目を意味している。この図から明らかなように、胚発育卵をマイナスイオンが存在する環境下に置くことにより、孵化率が孵化率対比で20〜40%向上することが確認できた。
【0019】
(実施例2)
次に、最適な孵化温度(37.5〜37.6℃)により胚を発育させ胚発育卵だけを選別する胚発生前処理を行わず、初日から、通常の孵化温度よりも低い温度(36.5℃)で孵化を行った時のマイナスイオンの存在の有無がその孵化率および孵化日数の長短に及ぼす影響を調べるために以下の試験を行った。
【0020】
試験方法としては、正常に産卵され外見的に異常が認められない鶏受精卵84個を選別し、マイナスイオン発生源を設置していない通常の孵卵器と、マイナスイオン発生源を設置した本発明による孵卵器に、それぞれ42個ずつ収容し、初日から36.5℃を中心とし上下0.1℃の範囲内に制御された同一の温湿度環境の下で、孵化までの様子を観察した。その結果、図3に示すように、マイナスイオン処理により、受精卵が、孵化初日から、通常の孵化温度よりも低い温度に置かれた場合であっても、孵化率対比で30%以上向上することが確認できた。しかも、マイナスイオンが存在しない場合、第2日目での孵化数が、全孵化数の67%程度であるのに対して、マイナスイオンが存在する場合、第2日目までに全孵化数の92%が孵化しており、マイナスイオンの存在により、受精卵の発育が促進されていることが確認できた。
【0021】
(実施例3)
産卵後室温において、いろいろな期間保存された受精卵において、孵化中におけるマイナスイオンの存在の有無が、その孵化率および孵化日数の長短にどのような影響を及ぼすかを調べるために以下の試験を行った。
【0022】
試験方法としては、正常に産卵され外見的に異常が認められない鶏受精卵を15日、10日および6日間同一場所で室温にて保存し、おのおの30、30、24個の鶏受精卵合計84個を選別した。そして、マイナスイオン発生源を設置していない通常の孵卵器と、マイナスイオン発生源を設置した本発明による孵卵器とに、それぞれ42個ずつ、すなわち、15日、10日および6日間同一場所で室温にて保存されたものを、おのおの15、15、12個収容した。そして、37.5℃を中心温度とし上下0.1℃の範囲内に制御された同一の温湿度環境の下で、孵化を行った。
【0023】
その結果、図4に示すように、マイナスイオン処理により、産卵後、6日間室温で保存された受精卵であっても20%以上の孵化率が得られた。これは、マイナスイオンが存在しない場合に比べて、孵化率対比で50%以上向上したことを意味している。一方、10日間以上室温で保存した受精卵は、マイナスイオン処理の有無に関わらず、孵化しなかった。これは、高い室温での保管日数が10日を越えると、受精卵が孵化できないほどに劣化したためと考えられる。
【0024】
【発明の効果】
以上の実験結果から明らかなように、受精卵の孵化に対するマイナスイオン処理の効果は明らかであり、特に、受精卵の孵化条件が相対的に悪いときに、鶏胚の代謝や成長に及ぼすマイナスイオン処理の効果が顕著であった。
【0025】
本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器によれば、マイナスイオンを発生させ孵卵器の庫体内に放出するマイナスイオン発生源を孵卵器の庫体内に連通する通風口近傍、及び/又は、孵卵器の庫体内に設けたことにより、マイナスイオンが卵殻より受精卵中に取り込まれ、胚の成長が促進され、受精卵の孵化率が著しく向上する。
【0026】
また、マイナスイオンが、胚の発育中および孵化時に発生する臭気成分を除去し、庫体内の空気を浄化するため、細菌の繁殖が抑制され、衛生管理面の信頼性が向上する。
【0027】
しかも、本発明は、既存の孵卵器に簡単な改良を施すだけで実施でき、また、操作方法も簡単であり、産業上の利用価値はきわめて高い。
【0028】
なお、本実施例においては、鶏卵についての結果のみを示しているが、本発明の利用分野は、鶏卵の孵化に限られることはなく、ダチョウやエミュー等の他の鳥類や、カメやトカゲ等の爬虫類の卵の孵化にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイナスイオン発生源付き孵卵器の斜視図
【図2】いろいろな孵化温度における胚発育卵に対するマイナスイオンの影響を示す実験結果。
【図3】孵化初日から低い孵化温度で孵化させた場合のマイナスイオンの影響を示す実験結果。
【図4】室内において、いろいろな期間保存した受精卵に対するマイナスイオンの影響を示す実験結果。
【符号の説明】
100 ・・・ マイナスイオン発生源付き孵卵器
102 ・・・ 庫体
104 ・・・ 転卵枠
106 ・・・ 金網
108 ・・・ 発生枠
114 ・・・ 転卵調整ボックス
116 ・・・ ヒーター板
118 ・・・ 温度センサ
120 ・・・ 温度コントローラ
122 ・・・ 水盤
124 ・・・ 湿度センサ
126 ・・・ 室内灯
128 ・・・ ファン
130 ・・・ マイナスイオン発生源
Claims (1)
- 庫体内を卵の孵化に適した雰囲気に保つ孵卵器において、
該孵卵器は、マイナスイオンを発生させ前記雰囲気中に放出するマイナスイオン発生源を前記庫体内に連通する通風口近傍、及び/又は、前記庫体内に設けたことを特徴とするマイナスイオン発生源付き孵卵器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002247572A JP2004081120A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | マイナスイオン発生源付き孵卵器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002247572A JP2004081120A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | マイナスイオン発生源付き孵卵器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004081120A true JP2004081120A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32055180
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002247572A Pending JP2004081120A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | マイナスイオン発生源付き孵卵器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004081120A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102986590A (zh) * | 2012-11-02 | 2013-03-27 | 浙江万里学院 | 一种中华鳖胚胎孵化装置及方法 |
| CN104396877A (zh) * | 2014-12-09 | 2015-03-11 | 南宁市水产畜牧兽医技术推广站 | 一种金钱龟雄龟的孵化方法 |
| CN104488817A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-04-08 | 郑里 | 养龟用人工孵化装置 |
| CN105028290A (zh) * | 2014-10-24 | 2015-11-11 | 屏东科技大学 | 甲鱼受精卵孵化装置及其方法 |
| CN105075901A (zh) * | 2015-08-27 | 2015-11-25 | 蚌埠天球电子科技有限公司 | 一种孵化机的孵化出雏两用车 |
| CN108522423A (zh) * | 2018-06-30 | 2018-09-14 | 芜湖市三山区绿色食品产业协会 | 一种龟鳖孵化房 |
| CN109452199A (zh) * | 2018-11-09 | 2019-03-12 | 台山市河东禽业有限公司 | 一种可以控制温度的孵化设备 |
-
2002
- 2002-08-27 JP JP2002247572A patent/JP2004081120A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| CN105028290A (zh) * | 2014-10-24 | 2015-11-11 | 屏东科技大学 | 甲鱼受精卵孵化装置及其方法 |
| CN104396877A (zh) * | 2014-12-09 | 2015-03-11 | 南宁市水产畜牧兽医技术推广站 | 一种金钱龟雄龟的孵化方法 |
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| CN108522423A (zh) * | 2018-06-30 | 2018-09-14 | 芜湖市三山区绿色食品产业协会 | 一种龟鳖孵化房 |
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