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JP2004081057A - 蛍光rnaプローブ - Google Patents

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JP2004081057A
JP2004081057A JP2002244724A JP2002244724A JP2004081057A JP 2004081057 A JP2004081057 A JP 2004081057A JP 2002244724 A JP2002244724 A JP 2002244724A JP 2002244724 A JP2002244724 A JP 2002244724A JP 2004081057 A JP2004081057 A JP 2004081057A
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Japan
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polynucleotide
rna
present
pyrene
fluorescence
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JP2002244724A
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Akira Murakami
村上 章
Reiko Iwase
岩瀬 礼子
Atsushi Umahara
馬原 淳
Takashi Sakamoto
坂本 隆
Kazunari Yamana
山名 一成
Tetsuji Yamaoka
山岡 哲二
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Kansai Technology Licensing Organization Co Ltd
Original Assignee
Kansai Technology Licensing Organization Co Ltd
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Abstract

【課題】細胞内で目的とするRNAにハイブリダイズし、蛍光発色するRNAプローブを提供すること。
【解決手段】複数の多環式芳香族化合物が導入されたホスホロチオエート化ポリヌクレオチド。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、目的のRNAにハイブリダイズし、蛍光発色するRNAプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、疾患の原因を解明するために、また、効果の高い新薬を開発するために、遺伝子の機能解析が盛んに行われている。
【0003】
本発明者は、以前、目的のRNAを検出するための1つのピレンを導入したオリゴヌクレオチドを開発した(特開2000−32999号公報)。しかし、このオリゴヌクレオチドは、細胞の中にほとんど入らないために、RNAの抽出等の操作によるRNAの構造変化等により、検出感度が非常に低かった。しかも、検出する目的とするRNAと結合することができたとしても、発色強度が満足のいくものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主な目的は、細胞内で目的とするRNAにハイブリダイズし、強い蛍光を発色するRNAプローブを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ホスホロチオエート化されたポリヌクレオチドに少なくとも2つの多環式芳香族化合物を導入することにより、細胞内においても目的のRNAとハイブリダイズし、しかも可視領域において強い蛍光を発することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は以下の項1〜6に関する。
【0007】
1.少なくとも2つの多環式芳香族化合物が導入されたホスホロチオエート化ポリヌクレオチド。
【0008】
2.多環式芳香族化合物が、ピレン、ペリレン、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルフォネート及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記項1に記載のポリヌクレオチド。
【0009】
3.細胞内において、上記項1又は2に記載のポリヌクレオチドを目的とするRNAにハイブリダイズさせ、ハイブリダイズにより生ずる蛍光に基いてRNAを検出する方法。
【0010】
4.上記項1又は2に記載のポリヌクレオチドを用いたスクリーニング方法であって、
該ポリヌクレオチド存在下に目的の化合物を作用させ、RNAの発現量又は該化合物とRNAとの結合強度を、蛍光発色の強度の変化により確認する方法。
【0011】
5.上記項1又は2に記載のポリヌクレオチドを用いたスクリーニング方法であって、
該ポリヌクレオチド存在下に目的のアンチセンスを作用させ、該ポリヌクレオチドと該アンチセンスとの結合強度を、蛍光発色の強度の変化により確認する方法。
【0012】
6.チップ表面に上記項1又は2に記載のポリヌクレオチドが結合させてある、目的のRNAを検出するためのチップ。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の少なくとも2つの多環式芳香族化合物が導入されたホスホロチオエート化ポリヌクレオチドは、目的とするRNAにハイブリダイズし、可視領域において強い蛍光を発することができる。
【0014】
目的とするRNAとは、本発明のプローブにより検出するRNAのことをいい、スプライシングを受けたmRNAのみならず、スプライシングを受けていないRNA、rRNA、RNAウイルスのゲノムRNA等あらゆるRNAを含むものとする。
【0015】
本発明の多環式芳香族化合物が導入されたホスホロチオエート化ポリヌクレオチドの長さは、目的とするRNAにハイブリダイズする限り限定されず、目的、用途等に応じて適宜選択することができる。
【0016】
本発明のポリヌクレオチドに導入される多環式芳香族化合物としては、蛍光を発する限り限定されない。その中でも、少なくとも2つの多環式芳香族化合物の相互作用によって、発する蛍光が増強されるものが好適に使用できる。
【0017】
例えば、多環式芳香族化合物としては、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、ピレン、フルオランテン、クリセン、ベンゾ[a]ピレン、ペリレン、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルフォネート、それらの化合物等が例示できる。好ましくは、ピレン、ペリレン、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルフォネート及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【0018】
また、該多環式芳香族化合物は、置換基を有していてもよく、例えば、炭素数1〜4で表される炭化水素基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エステル、カルボニル、ニトリル、アミド、ハロゲン元素等が例示できる。該化合物は、上記置換基を1又は2以上有していてもよく、2以上有する場合は、同じ置換基を有していても異なる置換基を有していてもよい。
【0019】
これらの多環式芳香族化合物が導入されるヌクレオチドの種類については特に限定されないが、例えば、連続するヌクレオチドにそれぞれ導入されるのが好ましく、更には、連続して存在する2以上のウリジンにそれぞれ多環式芳香族化合物が導入されるのが好ましい。
【0020】
多環式芳香族化合物が導入される位置は、ヌクレオチドの2’位が好ましい。また、多環式芳香族化合物が導入されたヌクレオチド以外の全てのヌクレオチドの2’位を全てメチル化するのが好ましい。ヌクレアーゼに対して耐性を示し、また、目的とするRNAとより安定にハイブリダイズすることができるからである。
【0021】
本発明の2以上の多環式芳香族化合物が導入されたホスホロチオエート化ポリヌクレオチドは、公知の方法によって製造できる。
【0022】
まず、多環式芳香族化合物が導入されたヌクレオチドの製造方法であるが、これも特に限定されず、公知の方法により製造することができる(Tetrahedron Lett. Vol.32, No.44, 6374−6350, 1991、特開2000−32999)。以下にその一例を挙げる。
【0023】
例えば、ヌクレオチド1当量に対して水酸基を保護するための保護基を約1.5〜80(好ましくは約2〜5当量)、ピリジン等の有機溶媒中で約1〜20時間、好ましくは約2〜6時間還流条件下(約70〜150℃、好ましくは約80〜120℃)で反応させ、ヌクレオチドの3’位及び5’位の水酸基を保護する。
【0024】
保護基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等の非置換アリール低級アルキル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、マロニル基、アクリロイル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基、トリチル基、2−シアノエチル基等の保護基が挙げられ、トリチル基等が特に好ましい。
【0025】
1.5〜3.0N程度の水酸化カリウムのようなアルカリ性化合物存在下で、上記保護基で保護されたヌクレオチド1当量に対して、約1〜5当量、好ましくは1.5〜3当量のベンゼン等の有機溶媒に溶解させた多環式芳香族化合物を、還流条件下(約70〜150℃、好ましくは約80〜120℃)に、1分〜5時間程度、好ましくは3分〜2時間程度反応させることにより、多環式芳香族化合物が導入されたヌクレオチドを得ることができる。
【0026】
その後、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ギ酸等の酸を添加し、1〜10時間程度、好ましくは2〜6時間程度反応させ、脱保護を行うことにより2’−O−(多環式芳香族化合物)ヌクレオチドを得ることができる。
【0027】
次いで、好ましくは氷浴中で冷却しながら、上記化合物1当量に対し、硝酸銀、ジメチルアミノピリジンを作用させ、4,4’−ジメトキシトリチル等の保護基を1〜10当量程度、好ましくは3〜8当量程度、ベンゼン−ジオキサン等の有機溶媒中で反応させることにより、再度5’位の水酸基を保護することができる。
【0028】
得られた化合物1当量に対して、テトラゾール等を0.5〜5当量程度、好ましくは1〜3当量程度、次いで、2−シアノエチルN,N,N,N−テトライソプロピルホスホジアミド等の亜リン酸化剤0.5〜5当量程度、好ましくは1〜2当量程度添加し、1分〜10時間程度、好ましくは0.5〜3時間程度反応させることにより、多環式芳香族化合物が導入されたヌクレオチドのホスホロアミダイト体が得られる。
【0029】
また、ヌクレオチド又は2’−O−メチルヌクレオチドは、公知の方法で製造でき、又は市販のものを使用できる。
【0030】
ヌクレオチド、2’−O−メチルヌクレオチド、上記の多環式芳香族化合物が導入されたヌクレオチドを用いて、例えば、生物学的な方法、化学的な方法等の公知の方法により、本発明のポリヌクレオチドを作ることができる。好ましくは、市販されているDNA自動合成機等を使用すればよい。また、例えば、DNA自動合成機の酸化剤であるヨウ素溶液を取り付ける部分に、15%TETD(テトラエチルチウラムジスルフィド)等を取り付けることにより、ホスホロチオエート化ポリヌクレオチドを得ることができる。
【0031】
本発明のポリヌクレオチドは、ホスホロチオエート化しており、ヌクレアーゼ等の酵素に分解されにくく、細胞内に取り込まれやすい。更に、2’位がメチル化されている場合は、更にヌクレアーゼに分解されにくくなる。本発明のポリヌクレオチドは、細胞内に入って目的とするRNAとハイブリダイズできるので、セルフリーのシステムを調製しなくても使用でき、非常に便利である。
【0032】
更に、複数の多環式芳香族化合物をポリヌクレオチド中に有しているので、1つの多環式芳香族化合物を有している場合よりも高波長側で蛍光発色し、しかも蛍光強度も非常に強いので、目的のRNAとハイブリダイズしたことが肉眼でも確認できる。
【0033】
本発明のポリヌクレオチドは、RNAを中心とする様々な遺伝子の機能解析に用いられるだけでなく、新規化合物のスクリーニング等にも用いることもできる。例えば、スクリーニング等の目的とする化合物を細胞に作用させ、その化合物によるRNAの発現の増減又はRNAと該化合物との結合強度を、本発明のポリヌクレオチドとRNAとのハイブリダイズによる蛍光発色の強度の変化により、確認できる。
【0034】
スクリーニングを行う場合、本発明のポリヌクレオチドと目的とする化合物のどちらを先に作用させても、又は両者を同時に細胞に作用させてもかまわないが、本発明のポリヌクレオチドを細胞に作用させ、次いで、該ポリヌクレオチド存在下に目的の化合物を作用させるのが好ましい。
【0035】
また、上記目的とする化合物には、アンチセンスも含まれる。アンチセンスの場合も上記の化合物と同様に、本発明のポリヌクレオチド及びアンチセンス等を細胞に作用させ(作用させる順序は限定されない)、RNAと本発明のポリヌクレオチドとのハイブリダイズによる蛍光発色の強度等を確認する。
【0036】
例えば、成長因子等による細胞の刺激等、種々の要因によって発現するRNAがアンチセンスと結合することにより、本発明のポリヌクレオチドが該RNAと結合できなくなり、蛍光発色が弱くなる。そのような方法に基いて実験、疾患の治療等で用いるためのアンチセンスの最適の配列、長さ等を決定することができる。
【0037】
更に、公知の方法により、本発明のポリヌクレオチドをチップの表面に結合させたり、RNAとハイブリダイズした複合体をチップの表面に結合できるようにしたりして、本発明ポリヌクレオチドをRNA検出用チップにも使用することができる。
【0038】
例えば、タンパク質等の過剰発現により引き起こされる疾患の場合は、そのタンパク質をコードするRNAと該RNAとハイブリダイズする本発明のポリヌクレオチドとのハイブリダイズにより、強く蛍光発色することができる。このような疾患としては、例えば、癌、AIDS等が挙げられる。
【0039】
また、タンパク質等の発現が欠損又は不足しているために引き起こされる疾患の場合、そのタンパク質等をコードしているRNA等の発現レベルが低いため、本発明のポリヌクレオチドとのハイブリダイズによる蛍光発色が弱いため、発色の減弱により確認できる。このような疾患としては、例えば、ADA欠損症等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するために実施例を挙げるが、いうまでもなく本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
実施例1( c−fos に対するプローブの合成)
c−fos mRNAに対するプローブを配列を決定するために、コンピュータにより、c−fos mRNAの配列に基いてRNAの二次構造予測を行った。この予測に基いて、
【0042】
【化1】
5’−GAUGUGUUpyUpyCUCCUC−3’
をc−fos mRNAに対するプローブと配列して採用した(「py」はピレンを示す。)。以下に合成法を示す。
【0043】
ビスピレン修飾2’−メチルポリヌクレオチドは、まずピレンを導入したウリジンを合成し、これをポリヌクレオチドの合成に用いることで得た。
【0044】
3.0gのウリジンに対して3当量のトリチルクロライド10.3g(アルドリッチ社製)を20mlのdryピリジン溶媒中、4時間還流条件下で反応させ、ウリジンの水酸基の3’位と5’位をトリチル基(以下、「Tr基」という。)で保護した。
【0045】
60mlのベンゼン溶媒中に2.7gの1−ピレンメタノール(アルドリッチ社製)を溶解させ、塩化チオニルを2.5当量を添加し、還流条件下で10分反応させることによって、ピレニルメチルクロライドを得た。
【0046】
次に、Tr基で保護されたウリジン3.3mmolを、20mlのベンゼン−ジオキサン溶媒中、1.8N水酸化カリウム存在下に、ピレニルメチルクロライド0.33M(Tr基で保護されたウリジンに対して2当量)とリフラックス条件(90〜100℃)で3時間反応させた。続いて、得られた反応物を、30mlの80%酢酸で4時間処理することによりTr基の脱保護を行い、2’−O−(1−ピレニルメチル)ウリジンを得た。
【0047】
2’−O−(1−ピレニルメチル)ウリジン235mgにテトラヒドロフラン及びピリジンを共に7ml加え、アイスバス中で冷却を行いながら、硝酸銀(427mg)及びジメトキシトリチルクロライド(844mg)を共に5当量添加し、1時間反応させて、5’位がジメトキシトリチル化された2’−O−(1−ピレニルメチル)ウリジンを得た。
【0048】
5’位がジメトキシトリチル化された2’−O−(1−ピレニルメチル)ウリジン105mg(0.13mmol)を塩化メチレン1ml、アセトニトリル1mlに溶解させ、テトラゾール(東京化成社製)30mg(0.28mmol, 2当量)を添加した。次いで、亜リン酸化剤(2−シアノエチルN, N, N’, N’,−テトライソプロピルホスホジアミド、アルドリッチ社製)65μl(0.21mmol, 1.5当量)添加して、1時間反応させることでピレンが導入されたウリジンのホスホロアミダイト体を得た。
【0049】
DMTr−U(pyr)アミダイトの確認は31P−NMRで行い、その他の合成中間体の確認はH−NMRで行った。
【0050】
得られたホスホロジアミダイト体及び2’−O−メチルヌクレオチド(グレンリサーチ社製)を用いてABI DNA自動合成機により、1.0μmolの合成スケールで行い、U(pyr)アミダイトユニット導入時以外は、通常の合成サイクル(縮合時間:15分、投入アミダイト量:100μl)により合成し、U(pyr)アミダイトユニット導入時は、縮合時間を30分に延長し投入アミダイト量を120μlにすることにより合成した。なお、ABI DNA合成機に、酸化剤であるヨウ素溶液を取り付ける部分に、15%TETDを取り付けて合成することにより、ホスホロチオエート化を行った。
【0051】
実施例 (スクランブルプローブの合成)
実施例1と同様にして、細胞内のmRNAに結合しないようなプローブ配列(スクランブルプローブ);
【0052】
【化2】
5’−CUUCAACGUpyUpyCAUUC−3’
を合成した(「py」はピレンを示す。)。
【0053】
U(py)アミダイトユニット導入時の縮合効率は98%以上に達し、通常の未修飾のアミダイト試薬の縮合効率とほとんど変わらない結果が得られた。
【0054】
試験例
2.0×10個のC4II細胞を3.5cmのガラスボトムディッシュに播種し、10%FBSが入ったDMEM培地で3日間細胞を培養し、その後、0.2%FBSが入ったDMEM培地で4日間培養した。
【0055】
その後、5μMのプローブが入った0.2%FBS入りDMEM培地を添加し、3時間、37℃で培養した。この段階でプローブは細胞の中に取り込まれる。37℃でインキュベートを行った後、細胞を0.2%FBSが入ったDMEM培地1mlで10回洗浄後、10%FBSが入ったDMEM培地を添加し(これで細胞が刺激され、種々のmRNAを産生し始め、結果としてタンパク質が産生される)、10分後に細胞を観察した(図1)。
【0056】
図1のA及びCより、プローブを作用させても細胞の形態は変化しない(即ち、細胞毒性はない)ことがわかる。また、c−fos mRNAとハイブリダイズする本発明のプローブを作用させた細胞の場合において青い蛍光発光が観察された(図D)。一方、スクランブル配列をもつ本発明のオリゴマーを添加したした場合(図B)では図Dに示されるような青い蛍光発光は観察されなかった。この結果より、c−fos mRNAとハイブリダイズする本発明のプローブは細胞内で標的mRNAと結合し、青い蛍光発光を示したことがわかる。
【0057】
試験例
合成したビスピレン修飾2’−O−メチルポリヌクレオチドと、その相補的な塩基配列をもつDNAあるいはRNAとの相互作用を観察した。
【0058】
本発明のビスピレン修飾2’−O−メチルポリヌクレオチド(5’−GUpyUpyCGGCAUG−3’)と、その相補的な塩基配列をもつDNAおよびRNAとの結合状態を観察するため、2本鎖の温度変化に対する260nmおよび、342nmにおける吸光度変化を測定した。
【0059】
0.1M NaClを含む10mMリン酸緩衝液(pH 7.0)中で、本発明のポリヌクレオチドと相補鎖RNAポリヌクレオチドとを1:1で混合し核酸の濃度を6.0μMに調製後、これを75℃まで加温後に室温まで徐冷してアニールさせたものをサンプルとした。
【0060】
昇温速度1.0℃/min.で80℃まで繰り返しUV吸光度を測定した。相補鎖RNAに関して得られた吸光度を測定温度に対してプロットしたものを図2(B)に、相補鎖DNAのに関する結果を図2(A)に示した。本発明のポリヌクレオチドに相補鎖RNAポリヌクレオチド及びDNAポリヌクレオチドを添加した場合の260nmにおけるUV融解曲線は、典型的シグモイドカーブを示した。
【0061】
これらの結果より、RNAポリヌクレオチド及びDNAポリヌクレオチドは、低温においては本発明のオリゴマーと2本鎖を形成し、温度の上昇に伴って一本鎖に解離することが示された。
【0062】
また、342nmにおけるUV融解曲線は、本発明のポリヌクレオチドと相補鎖DNAポリヌクレオチドを混合した場合、温度増加に伴って典型的シグモイドカーブ様に吸光度が増加する結果となった。342nmにピレンの吸収スペクトルが存在することから、この変化はオリゴマー中のピレンの挙動を反映しているものと考えられる。
【0063】
更に、この変化は260nmのUV融解曲線と同様のプロファイルを示していることから、温度増加に伴ってピレンと核酸塩基とのスタッキングが融解したため342nmの吸光度は増加を示したものと考察される。
【0064】
一方、本発明のオリゴマーと相補鎖DNAオリゴマーを混合した場合では温度増加に伴って342nmの吸光度は減少しているが、55℃付近を境にして吸光度の増加が観察された。
【0065】
この結果より、低温ではピレンは核酸塩基とスタッキングしていないが、温度増加による二重鎖の融解に伴ってピレンと核酸塩基とのスタッキングする割合が増加したものと考えられる。その後の温度増加による吸光度の増加は、ピレンと核酸塩基とが温度により再びスタッキング環境から解放されたことを示しているものと考察する。
【0066】
以上の結果より、本発明のオリゴマーは中性水溶液と同様に相補鎖DNA又はRNAポリヌクレオチドと2本鎖を形成できることが確認できた。また、本発明のオリゴマー中に導入したピレンは、相補鎖RNAオリゴマーと二重鎖形成した場合にのみ核酸とスタッキングしない環境に存在していることが示された。
【0067】
次に、本発明のオリゴマーが相補鎖RNAオリゴマーと二重鎖を形成したときに示す480nm付近のブロードな蛍光発光が、ピレンのエキサイマー形成由来であるのか、あるいは基底状態の2量化に由来する発光であるのかを検討するため、励起スペクトル(試験例3)、UV吸収スペクトル(試験例4)、及び時間分解蛍光減衰曲線(試験例5)の測定を行った。
【0068】
試験例
2分子のピレンが、エキサイマー形成由来の蛍光発光を480nmに示す場合、480nm付近でモニターした励起スペクトルとピレンのモノマー発光である375nm付近でモニターした励起スペクトルとが一致することが報告されている(Francoise M.Winnik, Chem. Rev., 1993, 93, 587−614)。
【0069】
そこで、480nm及び375nmでモニターした場合の励起スペクトル測定した結果を図3に示す。本発明のポリヌクレオチドと相補鎖RNAポリヌクレオチドとが二重鎖形成した条件下で、342nmでモニターした場合と480nmでモニターした場合の励起スペクトルを比較すると、長波長側に存在するピークトップが3nm程度ずれている結果が観測された。
【0070】
試験例
基底状態における2分子のピレンの相互作用について評価するため、ピレンを1分子導入したポリヌクレオチド及び本発明のピレンを2分子導入したポリヌクレオチドのそれぞれが、相補鎖RNAポリヌクレオチドと二重鎖を形成した場合のピレンの吸収スペクトルを測定した結果を図4に示す。
【0071】
この結果より、1分子のピレンをオリゴマーに導入した場合のピレンのスペクトル形状と、2分子のピレンを導入したオリゴマーの場合のスペクトル形状が異なっていることが示された。
【0072】
従って、2分子のピレンが導入されたポリヌクレオチドが相補鎖RNAポリヌクレオチドと二重鎖を形成した場合、導入されている2分子のピレン同士は基底状態で相互作用していることが示された。
【0073】
試験例
2分子のピレンがエキサイマー形成により480nmに蛍光発光を示している場合、480nmの蛍光減衰曲線の立ち上がりは、励起光源の減衰曲線の立ち上がりと比較して数ナノ秒程度ずれることが知られている。
【0074】
そこで、本発明のポリヌクレオチドが相補鎖RNAポリヌクレオチドと二重鎖形成した場合の480nmにおける蛍光減衰曲線と、ピレンエキサイマー発光を示すことが知られているシクロヘキサン溶媒に存在する5mMピレン溶液の蛍光減衰曲線の測定を行った。結果を図5に示す。
【0075】
シクロヘキサン中におけるピレンの減衰曲線の立ち上がりは、励起光源の減衰曲線の立ち上がりと比較して3ナノ秒程度遅れていることが確認された。
【0076】
これに対し、本発明のポリヌクレオチドと相補鎖RNAポリヌクレオチドが二重鎖形成した場合の蛍光減衰曲線の立ち上がりは、励起光源の減衰曲線の立ち上がり時間に大きな差は確認されなかった。
【0077】
また、ピレンエキサイマー形成に由来する480nmの蛍光減衰曲線の立ち上がりの遅れは、本発明のオリゴマーと相補鎖RNAオリゴマーが二重鎖を形成した場合に示す480nmの蛍光減衰曲線においては観察されなかった。
【0078】
以上の結果より、本発明のオリゴマーが相補鎖RNAオリゴマーと二重鎖を形成した場合に示す480nmの蛍光発光は、本発明のオリゴマーに導入した2分子のピレンが基底状態で二量体を形成することに由来していることがわかった。
【0079】
【発明の効果】
本発明のポリヌクレオチドは、細胞内に入り、目的とするRNAにハイブリダイズすることによって強い蛍光を発色することができるので、目的とするRNAを容易に検出でき、しかも高感度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1により得られた結果(細胞の写真)を示す。図A及びBはスクランブル配列をもつ本発明のオリゴマーを、図C及びDはc−fos mRNAとハイブリダイズする本発明のプローブを作用させた結果を示す。また、図A及びCは、位相差顕微鏡写真による結果を、図B及びDは、波長330−350nmの紫外線を照射した際の蛍光顕微鏡写真を示す。
【図2】本発明によるビスピレン修飾2’−O−メチルRNAポリヌクレオチドと、相補鎖DNAポリヌクレオチド(図A)又は相補鎖RNAポリヌクレオチド(図B)による2本鎖の、260nmおよび342nmにおけるUV融解曲線を示す。縦軸は相対吸光度を示し、横軸は温度を示す。
【図3】11℃における、本発明のビスピレン修飾2’−O−メチルRNAポリヌクレオチドと相補鎖RNAポリヌクレオチドとの2重鎖形成による蛍光励起スペクトルを示す。縦軸は蛍光強度、横軸は測定波長(nm)を示す。
【図4】11℃における、本発明のビスピレン修飾2’−O−メチルRNAポリヌクレオチドと相補鎖RNAポリヌクレオチドが二重鎖形成したときのUV吸収スペクトルを実線で示す。また、ピレン修飾2’−O−メチルRNAポリヌクレオチドと相補鎖RNAポリヌクレオチドが二重鎖形成したときのUV吸収スペクトルを破線で示す。縦軸は吸光度を、横軸は測定波長(nm)を示す。
【図5】図Aは、11℃における、本発明のビスピレン修飾2’−O−メチルRNAポリヌクレオチドと相補鎖RNAオリゴマーが二重鎖形成したときの時間変化に対する蛍光強度変化(時間分解蛍光減衰曲線)を点線で示す。図Bは、11℃における、シクロヘキサン溶媒中に存在する5mMピレンの時間変化に対する蛍光強度変化を点線で示す。なお、両図とも、実線は励起光源の時間変化に対する蛍光強度変化を示し、縦軸は光子のカウント数、横軸は時間(ナノ秒)を示す。

Claims (6)

  1. 少なくとも2つの多環式芳香族化合物が導入されたホスホロチオエート化ポリヌクレオチド。
  2. 多環式芳香族化合物が、ピレン、ペリレン、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルフォネート及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  3. 細胞内において、請求項1又は2に記載のポリヌクレオチドを目的とするRNAにハイブリダイズさせ、ハイブリダイズにより生ずる蛍光に基いてRNAを検出する方法。
  4. 請求項1又は2に記載のポリヌクレオチドを用いたスクリーニング方法であって、
    該ポリヌクレオチド存在下に目的の化合物を作用させ、RNAの発現量又は該化合物とRNAとの結合強度を、蛍光発色の強度の変化により確認する方法。
  5. 請求項1又は2に記載のポリヌクレオチドを用いたスクリーニング方法であって、
    該ポリヌクレオチド存在下に目的のアンチセンスを作用させ、該ポリヌクレオチドと該アンチセンスとの結合強度を、蛍光発色の強度の変化により確認する方法。
  6. チップ表面に請求項1又は2に記載のポリヌクレオチドが結合させてある、目的のRNAを検出するためのチップ。
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JP2007215477A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Kyoto Institute Of Technology 蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ
JP2009171935A (ja) * 2007-03-09 2009-08-06 Institute Of Physical & Chemical Research プライマー、プライマーセット、それを用いた核酸増幅方法および変異検出方法
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