JP2004080939A - 冗長系を有する操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータ制御装置の電子的駆動制御系統等で故障が発生したとしても、手動操舵力のアシストを中断せず、システムダウンを防ぎ、システム動作を継続できる冗長系を有する操舵装置を提供する。
【解決手段】この操舵装置は、操舵トルクを検出するトルク検出部20と、このトルク検出部から出力される操舵トルクに応じてモータ電流を決定する目標電流決定部31と、この目標電流決定部が決定したモータ電流に応じてモータ19に電流を供給する駆動回路部(制御装置22内に設けられる)を備え、当該駆動回路部は2経路の同一のモータドライブ回路44a,44bを有している。
【選択図】 図3
【解決手段】この操舵装置は、操舵トルクを検出するトルク検出部20と、このトルク検出部から出力される操舵トルクに応じてモータ電流を決定する目標電流決定部31と、この目標電流決定部が決定したモータ電流に応じてモータ19に電流を供給する駆動回路部(制御装置22内に設けられる)を備え、当該駆動回路部は2経路の同一のモータドライブ回路44a,44bを有している。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冗長系を有する操舵装置に関し、特にモータを動作させる電子的駆動制御系統を二重にして当該系統の故障に対するシステム耐力を高めシステム信頼性を向上した電動パワーステアリング装置等の操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵装置として電動パワーステアリング装置やステアバイワイヤシステムなどがある。操舵装置の一例としての電動パワーステアリング装置は、自動車を運転中、運転者がステアリングホイール(操舵ハンドル)を操作するとき、モータを連動させて操舵力を補助する支援装置である。電動パワーステアリング装置では、運転者のハンドル操作によりステアリング軸に生じる操舵トルクを検出する操舵トルク検出部からの操舵トルク信号、および、車速を検出する車速検出部からの車速信号を利用し、モータの制御装置(ECU(Electical Control Unit):電子制御ユニット)の制御動作に基づいて補助操舵力を出力する支援用モータを駆動制御し、運転者の手動による操舵力を軽減している。モータ制御装置による制御動作では、上記の操舵トルク信号と車速信号に基づきモータに通電するモータ電流の目標電流値を設定し、この目標電流値に係る信号(目標電流信号)と、モータに実際に流れるモータ電流を検出するモータ電流検出部からフィードバックされるモータ電流信号との差を求め、この偏差信号に対して比例・積分の補償処理(PI制御)を行い、モータを駆動制御する信号を発生させている。
【0003】
上記のECUによって駆動された支援用モータは、その回転出力を、動力伝達機構(減速機)を介して、ステアリング軸につながるラック・ピニオン機構を含むギヤボックスに伝達する。これによって、操舵ハンドルを操作する運転者の操舵力をアシストする。
【0004】
以上のごとく電動パワーステアリング装置では、操舵トルク検出部等のセンサ系、CPUや駆動回路系等を含むECU、このECUから支援用モータへモータ電流を供給する電流通電系から成る電子的駆動制御系統を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電動パワーステアリング装置では、ECUおよびこれに関連する部分に設けられたモータ駆動のための電子的駆動制御系統で故障が生じた場合、フェールセーフ制御に基づき、運転席表示パネル等で警告灯を点灯させると共に、操舵力アシスト制御が完全に行えないときには通常の手動操作によるステアリング系の構成に戻すようにしていた。
【0006】
近年では、上記のような故障が生じた場合であっても、電動パワーステアリング装置の作動状態が継続して維持され、運転者の手動操舵力のアシストを行えることが望まれている。
【0007】
上記では電動パワーステアリング装置の例を説明したが、上記の課題はモータを利用してこれを駆動制御する操舵装置に一般的に要求される課題である。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、モータ制御装置の電子的駆動制御系統等で故障が発生したとしても、手動操舵力のアシストを中断せず、継続できるようにした冗長系を有する操舵装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る冗長系を有する操舵装置は、上記目的を達成するために、次の通り構成される。
【0010】
第1の操舵装置(請求項1に対応)は、操舵トルクを検出するトルク検出部と、このトルク検出部から出力される操舵トルクに応じてモータ電流を決定する目標電流決定部と、この目標電流決定部が決定したモータ電流に応じてモータに電流を供給する駆動回路部を備える操舵装置であり、当該駆動回路部は2経路の同一の駆動回路(モータドライブ回路)を有している。
【0011】
上記の操舵装置では、モータにモータ電流を供給する駆動回路を2経路で設けるようにしたため、いずれか一方に故障が生じた場合にも、残りの駆動回路でモータ電流を供給でき、システムダウンの状態を防ぎ、システムを保全し、高いシステム信頼性の維持が可能である。
【0012】
第2の操舵装置(請求項2に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、モータは少なくとも2組のブラシ対を有するブラシ付きモータであり、2経路の駆動回路は少なくとも2組のブラシ対のそれぞれに接続されるように構成される。この構成では、ブラシ付きモータのブラシ対を2組を設け、2経路の駆動回路のそれぞれに対応するように接続関係を作るようにしている。
【0013】
第3の操舵装置(請求項3に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、モータはブラシレスモータであり、このブラシレスモータでは別々の電気回路を形成するコイル(巻線)が二重に巻かれており、2経路の駆動回路は、別々の電気回路を形成するコイルのそれぞれに別々に電流を供給することで特徴づけられる。この構成では、ブラシレスモータのステータ用巻線を2組を設け、2経路の駆動回路のそれぞれに対応するように接続関係を作るようにしている。
【0014】
第4の操舵装置(請求項4に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、モータは1つであり、この1つのモータに対して2経路の駆動回路は並列に設けられ、モータは2経路の駆動回路によって並列に駆動されるように構成される。
【0015】
第5の操舵装置(請求項5に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、目標電流決定部は2つ設けられ、トルク検出部からの検出信号の伝送は2経路に分けられ、2つの目標電流決定部のそれぞれに供給される。
【0016】
第6の操舵装置(請求項6に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、駆動回路部とモータ電流を与える電源との間の接続関係が2経路で形成されることで特徴づけられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
実施形態で説明される構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、以下に説明される実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0019】
この実施形態では、操舵装置の一例として電動パワーステアリング装置の例を説明する。
【0020】
図1を参照して基本的な電動パワーステアリング装置の全体構成を説明する。電動パワーステアリング装置10は例えば乗用車両に装備される。電動パワーステアリング装置10は、ステアリングホイール11に連結されるステアリング軸12等に対して補助用の操舵トルクを与えるように構成されている。ステアリング軸12の上端はステアリングホイール11に連結され、下端にはピニオンギヤ13が取り付けられている。なおステアリング軸12の下側部分はピニオン軸と呼ばれ、上側部分とは自在継手で連結されているが、図1では図示を省略している。ピニオンギヤ13に対して、これに噛み合うラックギヤ14aを設けたラック軸14が配置されている。ピニオンギヤ13とラックギヤ14aによってラック・ピニオン機構15が形成される。ラック軸14の両端にはタイロッド16が設けられ、各タイロッド16の外側端には前輪17が取り付けられる。上記ステアリング軸12に対し動力伝達機構(減速機)18を介して例えばブラシ付きモータまたはブラシレスモータのモータ19が設けられている。モータ19は、操舵トルクを補助する回転力(トルク)を出力し、この回転力を、動力伝達機構18を経由して、ステアリング軸12に与える。
【0021】
またステアリング軸12には操舵トルク検出部20が設けられている。操舵トルク検出部20は、例えば運転者がステアリングホイール11を操作することによって生じる操舵トルクをステアリング軸12に加えたとき、ステアリング軸12に加わる当該操舵トルクを検出する。また21は車両の車速を検出する車速検出部であり、22はコンピュータ(マイクロコンピュータ等)で構成される制御装置(ECU)である。制御装置22は、操舵トルク検出部20から出力される操舵トルク信号Tと車速検出部21から出力される車速信号Vを取り入れ、操舵トルクに係る情報と車速に係る情報に基づいて、モータ19の回転動作を制御する駆動制御信号SG1を出力する。またモータ19にはモータ回転角検出部23が付設されている。モータ回転角検出部23の回転角(電気角)に係る信号SG2は制御装置22に入力されている。上記のラック・ピニオン機構15等は図1中で図示しないギヤボックス24に収納されている。
【0022】
上記において電動パワーステアリング装置10は、通常のステアリング系の装置構成に対し、操舵トルク検出部20、車速検出部21、制御装置22、モータ19、動力伝達機構18を付加することによって構成されている。
【0023】
上記構成において、運転者がステアリングホイール11を操作して自動車の走行運転中に走行方向の操舵を行うとき、ステアリング軸12に加えられた操舵トルクに基づく回転力はラック・ピニオン機構15を介してラック軸14の軸方向の直線運動に変換され、さらにタイロッド16を介して前輪17の走行方向を変化させようとする。このときにおいて、同時に、ステアリング軸12に付設された操舵トルク検出部20は、ステアリングホイール11での運転者による操舵に応じた操舵トルクを検出して電気的な操舵トルク信号Tに変換し、この操舵トルク信号Tを制御装置22へ出力する。また車速検出部21は、車両の車速を検出して車速信号Vに変換し、この車速信号Vを制御装置22へ出力する。制御装置22は、操舵トルク信号Tおよび車速信号Vに基づいてモータ19を駆動するためのモータ電流を発生する。このモータ電流によって駆動されるモータ19は、動力伝達機構18を介して補助の操舵トルクをステアリング軸12に作用させる。以上のごとくモータ19を駆動することにより、ステアリングホイール11に加えられる運転者による操舵力が軽減される。
【0024】
上記制御装置22は、図2に示されるごとく、目標電流決定部31と制御部32を備える。目標電流決定部31は、主に操舵トルク信号Tに基づいて目標補助トルクを決定し、この目標補助トルクをモータ19から供給させるために必要となる目標電流値に係る信号(目標電流信号)ITを出力する。
【0025】
上記の制御部32の一般的な構成を概説する。制御部32は、ソフト的に実現される機能要素または電気回路要素として、偏差演算部と、モータ制御部と、モータ駆動部と、電流値検出部を備える。モータ制御部は偏差電流制御部とPWM信号生成部を含む。偏差電流制御部は、偏差演算部から与えられる電流信号に基づきモータ電流を制御するための駆動電流信号を生成し出力する。PWM信号生成部は、偏差電流制御部から与えられる駆動電流信号に基づいてモータ19をPWM運転するPWM(パルス幅変調)信号を生成する。モータ駆動部は、ゲート駆動回路部とモータドライブ(駆動)回路(4つのFETで形成されるH型ブリッジ回路)から成る。ゲート駆動回路部は、上記駆動制御信号(PWM信号)に基づいて上記モータドライブ回路をスイッチング動作させる。以上により、制御装置22は、操舵トルク検出部20によって検出された操舵トルクに基づいて車載バッテリ(直流電源)からモータ19へ供給されるモータ電流をモータドライブ回路でPWM制御し、モータ19が出力する動力(補助操舵トルク)を制御する。
【0026】
次に、図2で示した制御装置(ECU)22の具体的構成について、図3を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0027】
操舵トルク検出部20の検出信号出力端子は両側端子20a,20bと中央端子20cを有する。両側端子20a,20bと中央端子20cの各端子は2つずつ設けられている。操舵トルク検出部20の両側端子20a,20bと中央端子20cと制御装置22との間には2経路の電気接続部41a,41bが設けられる。この電機接続部はハーネスやコイル接続部を含む部分である。制御装置22の入力側には、電気接続部41a,41bに対応してトルク信号入力部42a,42bが設けられている。
【0028】
制御装置22の内部には3つのCPU(1〜3)43a,43b,43cが備えられる。上記の2つのトルク信号入力部42a,42bのそれぞれは3つの出力端子を有し、2つのトルク信号入力部42a,42bの間で対応する出力端子は同じ信号(SG11,SG12,SG13)を出力する。3つのCPU43a〜43cのそれぞれには、2つのトルク信号入力部42a,42bのそれぞれから同じ信号が2経路で入力される。また3つのCPU43a〜43cは任意の組合せで2つずつ結線されており、3つのCPUで多数決が行えるように構成されている。従って、例えば操舵トルク検出部20からの電機接続部41a,41b等で故障が生じた場合には多数決の判断手法で当該故障に対する判定を行うように構成されている。また上記のCPU43a〜43cによって前述した各種の機能要素がソフト的に実現されている。上記目標電流決定部31は好ましくは2つ形成され、2つの目標電流決定部で上記の2経路からの操舵トルク信号のそれぞれが入力され、各目標電流決定部が目標電流を決定するようになっている。
【0029】
制御装置22の後段側には、2つのモータドライブ(駆動)回路(1,2)44a,44bと、2つの昇圧回路(1,2)45a,45bと、2つのF/Sリレー(1,2)46a,46bと、2つのパワーリレー(1,2)47a,47bが設けられている。これらの2つの要素は同一の構成および作用を有している。モータドライブ回路44aはCPU43aに対応して両者の間には禁止回路(1)48aが接続され、モータドライブ回路44bはCPU43cに対応して両者の間には禁止回路(3)48cが接続される。これにより、モータ19の駆動制御について、制御装置22内で、CPU43aと禁止回路48aとモータドライブ回路44aによって第1のモータ駆動回路部(第1経路)が作られ、CPU43cと禁止回路48bとモータドライブ回路44bによって第2のモータ駆動回路部(第2経路)が作られる。
【0030】
CPU43bから出力される信号は禁止回路(2)48cに与えられ、さらに禁止回路48cの出力信号は上記禁止回路48cに与えられる。またCPU43aから出力される信号によって禁止回路48bに与えられる。
【0031】
モータ(M)19はブラシ付きモータである。このモータ19では、一対のブラシが2組(49a,49b)設けられている。上記の第1のモータ駆動回路部(第1経路)のモータドライブ回路44aから出力されるモータ電流IM1はブラシ49aを通してモータ19に供給される。上記の第2のモータ駆動回路部(第2経路)のモータドライブ回路44bから出力されるモータ電流IM2はブラシ49bを通してモータ19に供給される。従って、第1と第2のモータ駆動回路に応じて、ブラシ付きモータ10においても2組のブラシ対が設けられる。また上記モータ電流IM1,IM2のそれぞれを供給するできるように、モータハーネス等の電気接続部は2経路で形成されている。
【0032】
バッテリ50は制御装置22に電力を供給するものである。バッテリ50からの給電経路は2つの経路51a,51bが形成される。第1の給電経路51aでは、第1の通電路としてはパワーリレー47aおよび昇圧回路45aを経由して、第2の通電路としては直接に、第3の通電路としてはパワーリレー47aを経由して、それぞれ、モータドライブ回路44aに電力が供給される。また第2の給電経路51bでも同様に、第1の通電路としてはパワーリレー47bおよび昇圧回路45bを経由して、第2の通電路としては直接に、第3の通電路としてはパワーリレー47bを経由して、それぞれ、モータドライブ回路44bに電力が供給される。
【0033】
モータドライブ回路44aから出力されたモータ電流IM1は電流センサ52aで検出され、CPU43a〜43cのそれぞれにフィードバックされる。またモータドライブ回路44bから出力されたモータ電流IM2は電流センサ52bで検出され、CPU43a〜43cのそれぞれにフィードバックされる。
【0034】
上記の第1実施形態に係る制御装置22の構成では、操舵トルク検出部20から制御装置22への電気接続部、モータドライブ回路44a,44bを含むモータ駆動回路部、バッテリ50からモータドライブ回路44a,44bへの電力供給路、モータ19のブラシ対(49a,49b)のそれぞれを並列的な接続関係に基づいて2経路(二重)にしたため、いずれかの箇所で故障が起きたとしても残りの経路で電動パワーステアリング装置を作動させることができ、冗長系を備えることにより電動パワーステアリング装置のシステムダウンを防ぐことができる。
【0035】
通常、並列に接続関係で設けられた2経路のモータドライブ回路44a,44bはいずれか一方を動作状態にモータ駆動制御を行い、故障が生じたときに他方のモータドライブ回路を動作させるようにする。また2経路のモータドライブ回路44a,44bを同時に動作させて両方でモータ駆動制御を行い、一方で故障が生じたときには、残りのモータドライブ回路でモータ駆動制御を行うように構成することもできる。前述した禁止回路48a,48b,48cは、制御装置22の内部において、モータ駆動制御に使用する回路系統を選択するための手段である。
【0036】
前述の実施形態では、電動パワーステアリング装置のシステム構成において二重の構成で冗長性を持たせたが、これに限定されず、三重以上の構成にすることができるのは勿論である。
【0037】
次に図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る制御装置22の具体的構成を説明する。図4において、図3で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。第2実施形態に係る特徴的構成として上記モータ19はブラシレスモータである点である。そこで図示されたブラシレスモータ19はステータコイルとして三相用の巻線19x,19y,19zを備えている。図示された例では、巻線19x,19y,19zはY結線として構成されている。
【0038】
上記のブラシレスモータ19に対して、制御装置22におけるモータドライブ回路44a,44bは三相交流発生用の回路として構成されている。従ってモータドライブ回路44a,44bは三相交流出力用の3つの出力端子を有する。第1のモータ駆動回路部(第1経路)であるモータドライブ回路44aの3つの出力端子の任意の2つの組合せに基づき、ブラシレスモータ19における巻線(19x,19y),(19y,19z),(19z,19x)の通電ルートにモータ電流が供給される。同様にして第2のモータ駆動回路部(第2経路)であるモータドライブ回路44bの3つの出力端子の任意の2つの組合せに基づき、ブラシレスモータ19における巻線(19x,19y),(19y,19z),(19z,19x)の通電ルートにモータ電流が供給される。モータドライブ回路44aとモータドライブ回路44bの各動作の選択については、第1実施形態で説明した通り、適宜に設定される。
【0039】
上記のブラシレスモータ19および三相交流出力用のモータドライブ回路44a,44bの変更に応じて、モータ電流を検出する電流センサ(52a−1〜52a−3,52b−1〜52b−3)およびF/Sリレー(46a−1〜46a−3,46b−1〜46b−3)も3つずつ設けられることになる。
【0040】
上記の第2実施形態に係る制御装置22の構成では、アシストモータがブラシレスモータ19である場合において、操舵トルク検出部20から制御装置22への電気接続部、三相のモータ電流出力用のモータドライブ回路44a,44bを含むモータ駆動回路部、バッテリ50からモータドライブ回路44a,44bへの電力供給路のそれぞれを並列的な接続関係に基づいて2経路(二重)にしたため、いずれかの箇所で故障が起きたとしても残りの経路で電動パワーステアリング装置を作動させることができ、冗長系を備えることにより電動パワーステアリング装置のシステムダウンを防ぐことができる。
【0041】
次に図5を参照して、本発明の第3実施形態に係る制御装置22の具体的構成を説明する。図5において、図3または図4で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この第3実施形態は第2実施形態の変形例である。第3実施形態に係る特徴的構成として上記モータ19はブラシレスモータであって、さらにY結線の三相用の巻線が二重に設けられている点である。
【0042】
図5においてブラシレスモータ19はステータとして2つの三相用巻線(19x−1,19y−1,19z−1),(19x−2,19y−2,19z−2)を備えている。第1経路のモータドライブ回路44aから出力される三相のモータ電流は巻線19x−1,19y−1,19z−1に供給され、他方、第2経路のモータドライブ回路44bから出力される三相のモータ電流は巻線19x−2,19y−2,19z−2に供給される。2つのモータドライブ回路44a,44bのそれぞれからブラシレスモータ19へのモータ電流の供給は好ましくは同時に行われる。その他の構成については第2実施形態の構成と同じである。
【0043】
上記の第3実施形態に係る制御装置22の構成では、アシストモータがブラシレスモータ19である場合において、操舵トルク検出部20から制御装置22への電気接続部、三相のモータ電流出力用のモータドライブ回路44a,44bを含むモータ駆動回路部、ブラシレスモータ19の三相用巻線、バッテリ50からモータドライブ回路44a,44bへの電力供給路のそれぞれを並列的な接続関係に基づいて2経路(二重)にしたため、いずれかの箇所で故障が起きたとしても残りの経路で電動パワーステアリング装置を作動させることができ、冗長系を備えることにより電動パワーステアリング装置のシステムダウンを防ぐことができる。
【0044】
前述の実施形態では操舵装置として電動パワーステアリング装置の例を説明したが、本発明の技術的思想はステアバイワイヤシステムなど他の操舵装置に適用することができるのは勿論である。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、電動パワーステアリング装置等の操舵装置において制御装置内のモータ電流を生成する駆動回路を2経路で設けるようにしたため、電気的接続部で故障が生じたとしても残りの経路の駆動回路でモータの駆動制御を行うことにより、システムダウンを防ぎ、システムを保全し、システム信頼性を高く維持することができる。操舵装置が電動パワーステアリング装置である場合、手動操舵力のアシストを常に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される操舵装置の一例としての電動パワーステアリング装置の全体構成を模式的に示す図である。
【図2】制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る操舵装置の制御装置の第1実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明に係る操舵装置の制御装置の第2実施形態を示す構成図である。
【図5】本発明に係る操舵装置の制御装置の第3実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリング軸
15 ラック・ピニオン機構
19 モータ
20 操舵トルク検出部
22 制御装置
31 目標電流決定部
41a,41b 電気接続部
44a,44b モータドライブ回路
【発明の属する技術分野】
本発明は冗長系を有する操舵装置に関し、特にモータを動作させる電子的駆動制御系統を二重にして当該系統の故障に対するシステム耐力を高めシステム信頼性を向上した電動パワーステアリング装置等の操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵装置として電動パワーステアリング装置やステアバイワイヤシステムなどがある。操舵装置の一例としての電動パワーステアリング装置は、自動車を運転中、運転者がステアリングホイール(操舵ハンドル)を操作するとき、モータを連動させて操舵力を補助する支援装置である。電動パワーステアリング装置では、運転者のハンドル操作によりステアリング軸に生じる操舵トルクを検出する操舵トルク検出部からの操舵トルク信号、および、車速を検出する車速検出部からの車速信号を利用し、モータの制御装置(ECU(Electical Control Unit):電子制御ユニット)の制御動作に基づいて補助操舵力を出力する支援用モータを駆動制御し、運転者の手動による操舵力を軽減している。モータ制御装置による制御動作では、上記の操舵トルク信号と車速信号に基づきモータに通電するモータ電流の目標電流値を設定し、この目標電流値に係る信号(目標電流信号)と、モータに実際に流れるモータ電流を検出するモータ電流検出部からフィードバックされるモータ電流信号との差を求め、この偏差信号に対して比例・積分の補償処理(PI制御)を行い、モータを駆動制御する信号を発生させている。
【0003】
上記のECUによって駆動された支援用モータは、その回転出力を、動力伝達機構(減速機)を介して、ステアリング軸につながるラック・ピニオン機構を含むギヤボックスに伝達する。これによって、操舵ハンドルを操作する運転者の操舵力をアシストする。
【0004】
以上のごとく電動パワーステアリング装置では、操舵トルク検出部等のセンサ系、CPUや駆動回路系等を含むECU、このECUから支援用モータへモータ電流を供給する電流通電系から成る電子的駆動制御系統を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電動パワーステアリング装置では、ECUおよびこれに関連する部分に設けられたモータ駆動のための電子的駆動制御系統で故障が生じた場合、フェールセーフ制御に基づき、運転席表示パネル等で警告灯を点灯させると共に、操舵力アシスト制御が完全に行えないときには通常の手動操作によるステアリング系の構成に戻すようにしていた。
【0006】
近年では、上記のような故障が生じた場合であっても、電動パワーステアリング装置の作動状態が継続して維持され、運転者の手動操舵力のアシストを行えることが望まれている。
【0007】
上記では電動パワーステアリング装置の例を説明したが、上記の課題はモータを利用してこれを駆動制御する操舵装置に一般的に要求される課題である。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、モータ制御装置の電子的駆動制御系統等で故障が発生したとしても、手動操舵力のアシストを中断せず、継続できるようにした冗長系を有する操舵装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る冗長系を有する操舵装置は、上記目的を達成するために、次の通り構成される。
【0010】
第1の操舵装置(請求項1に対応)は、操舵トルクを検出するトルク検出部と、このトルク検出部から出力される操舵トルクに応じてモータ電流を決定する目標電流決定部と、この目標電流決定部が決定したモータ電流に応じてモータに電流を供給する駆動回路部を備える操舵装置であり、当該駆動回路部は2経路の同一の駆動回路(モータドライブ回路)を有している。
【0011】
上記の操舵装置では、モータにモータ電流を供給する駆動回路を2経路で設けるようにしたため、いずれか一方に故障が生じた場合にも、残りの駆動回路でモータ電流を供給でき、システムダウンの状態を防ぎ、システムを保全し、高いシステム信頼性の維持が可能である。
【0012】
第2の操舵装置(請求項2に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、モータは少なくとも2組のブラシ対を有するブラシ付きモータであり、2経路の駆動回路は少なくとも2組のブラシ対のそれぞれに接続されるように構成される。この構成では、ブラシ付きモータのブラシ対を2組を設け、2経路の駆動回路のそれぞれに対応するように接続関係を作るようにしている。
【0013】
第3の操舵装置(請求項3に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、モータはブラシレスモータであり、このブラシレスモータでは別々の電気回路を形成するコイル(巻線)が二重に巻かれており、2経路の駆動回路は、別々の電気回路を形成するコイルのそれぞれに別々に電流を供給することで特徴づけられる。この構成では、ブラシレスモータのステータ用巻線を2組を設け、2経路の駆動回路のそれぞれに対応するように接続関係を作るようにしている。
【0014】
第4の操舵装置(請求項4に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、モータは1つであり、この1つのモータに対して2経路の駆動回路は並列に設けられ、モータは2経路の駆動回路によって並列に駆動されるように構成される。
【0015】
第5の操舵装置(請求項5に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、目標電流決定部は2つ設けられ、トルク検出部からの検出信号の伝送は2経路に分けられ、2つの目標電流決定部のそれぞれに供給される。
【0016】
第6の操舵装置(請求項6に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、駆動回路部とモータ電流を与える電源との間の接続関係が2経路で形成されることで特徴づけられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
実施形態で説明される構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、以下に説明される実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0019】
この実施形態では、操舵装置の一例として電動パワーステアリング装置の例を説明する。
【0020】
図1を参照して基本的な電動パワーステアリング装置の全体構成を説明する。電動パワーステアリング装置10は例えば乗用車両に装備される。電動パワーステアリング装置10は、ステアリングホイール11に連結されるステアリング軸12等に対して補助用の操舵トルクを与えるように構成されている。ステアリング軸12の上端はステアリングホイール11に連結され、下端にはピニオンギヤ13が取り付けられている。なおステアリング軸12の下側部分はピニオン軸と呼ばれ、上側部分とは自在継手で連結されているが、図1では図示を省略している。ピニオンギヤ13に対して、これに噛み合うラックギヤ14aを設けたラック軸14が配置されている。ピニオンギヤ13とラックギヤ14aによってラック・ピニオン機構15が形成される。ラック軸14の両端にはタイロッド16が設けられ、各タイロッド16の外側端には前輪17が取り付けられる。上記ステアリング軸12に対し動力伝達機構(減速機)18を介して例えばブラシ付きモータまたはブラシレスモータのモータ19が設けられている。モータ19は、操舵トルクを補助する回転力(トルク)を出力し、この回転力を、動力伝達機構18を経由して、ステアリング軸12に与える。
【0021】
またステアリング軸12には操舵トルク検出部20が設けられている。操舵トルク検出部20は、例えば運転者がステアリングホイール11を操作することによって生じる操舵トルクをステアリング軸12に加えたとき、ステアリング軸12に加わる当該操舵トルクを検出する。また21は車両の車速を検出する車速検出部であり、22はコンピュータ(マイクロコンピュータ等)で構成される制御装置(ECU)である。制御装置22は、操舵トルク検出部20から出力される操舵トルク信号Tと車速検出部21から出力される車速信号Vを取り入れ、操舵トルクに係る情報と車速に係る情報に基づいて、モータ19の回転動作を制御する駆動制御信号SG1を出力する。またモータ19にはモータ回転角検出部23が付設されている。モータ回転角検出部23の回転角(電気角)に係る信号SG2は制御装置22に入力されている。上記のラック・ピニオン機構15等は図1中で図示しないギヤボックス24に収納されている。
【0022】
上記において電動パワーステアリング装置10は、通常のステアリング系の装置構成に対し、操舵トルク検出部20、車速検出部21、制御装置22、モータ19、動力伝達機構18を付加することによって構成されている。
【0023】
上記構成において、運転者がステアリングホイール11を操作して自動車の走行運転中に走行方向の操舵を行うとき、ステアリング軸12に加えられた操舵トルクに基づく回転力はラック・ピニオン機構15を介してラック軸14の軸方向の直線運動に変換され、さらにタイロッド16を介して前輪17の走行方向を変化させようとする。このときにおいて、同時に、ステアリング軸12に付設された操舵トルク検出部20は、ステアリングホイール11での運転者による操舵に応じた操舵トルクを検出して電気的な操舵トルク信号Tに変換し、この操舵トルク信号Tを制御装置22へ出力する。また車速検出部21は、車両の車速を検出して車速信号Vに変換し、この車速信号Vを制御装置22へ出力する。制御装置22は、操舵トルク信号Tおよび車速信号Vに基づいてモータ19を駆動するためのモータ電流を発生する。このモータ電流によって駆動されるモータ19は、動力伝達機構18を介して補助の操舵トルクをステアリング軸12に作用させる。以上のごとくモータ19を駆動することにより、ステアリングホイール11に加えられる運転者による操舵力が軽減される。
【0024】
上記制御装置22は、図2に示されるごとく、目標電流決定部31と制御部32を備える。目標電流決定部31は、主に操舵トルク信号Tに基づいて目標補助トルクを決定し、この目標補助トルクをモータ19から供給させるために必要となる目標電流値に係る信号(目標電流信号)ITを出力する。
【0025】
上記の制御部32の一般的な構成を概説する。制御部32は、ソフト的に実現される機能要素または電気回路要素として、偏差演算部と、モータ制御部と、モータ駆動部と、電流値検出部を備える。モータ制御部は偏差電流制御部とPWM信号生成部を含む。偏差電流制御部は、偏差演算部から与えられる電流信号に基づきモータ電流を制御するための駆動電流信号を生成し出力する。PWM信号生成部は、偏差電流制御部から与えられる駆動電流信号に基づいてモータ19をPWM運転するPWM(パルス幅変調)信号を生成する。モータ駆動部は、ゲート駆動回路部とモータドライブ(駆動)回路(4つのFETで形成されるH型ブリッジ回路)から成る。ゲート駆動回路部は、上記駆動制御信号(PWM信号)に基づいて上記モータドライブ回路をスイッチング動作させる。以上により、制御装置22は、操舵トルク検出部20によって検出された操舵トルクに基づいて車載バッテリ(直流電源)からモータ19へ供給されるモータ電流をモータドライブ回路でPWM制御し、モータ19が出力する動力(補助操舵トルク)を制御する。
【0026】
次に、図2で示した制御装置(ECU)22の具体的構成について、図3を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0027】
操舵トルク検出部20の検出信号出力端子は両側端子20a,20bと中央端子20cを有する。両側端子20a,20bと中央端子20cの各端子は2つずつ設けられている。操舵トルク検出部20の両側端子20a,20bと中央端子20cと制御装置22との間には2経路の電気接続部41a,41bが設けられる。この電機接続部はハーネスやコイル接続部を含む部分である。制御装置22の入力側には、電気接続部41a,41bに対応してトルク信号入力部42a,42bが設けられている。
【0028】
制御装置22の内部には3つのCPU(1〜3)43a,43b,43cが備えられる。上記の2つのトルク信号入力部42a,42bのそれぞれは3つの出力端子を有し、2つのトルク信号入力部42a,42bの間で対応する出力端子は同じ信号(SG11,SG12,SG13)を出力する。3つのCPU43a〜43cのそれぞれには、2つのトルク信号入力部42a,42bのそれぞれから同じ信号が2経路で入力される。また3つのCPU43a〜43cは任意の組合せで2つずつ結線されており、3つのCPUで多数決が行えるように構成されている。従って、例えば操舵トルク検出部20からの電機接続部41a,41b等で故障が生じた場合には多数決の判断手法で当該故障に対する判定を行うように構成されている。また上記のCPU43a〜43cによって前述した各種の機能要素がソフト的に実現されている。上記目標電流決定部31は好ましくは2つ形成され、2つの目標電流決定部で上記の2経路からの操舵トルク信号のそれぞれが入力され、各目標電流決定部が目標電流を決定するようになっている。
【0029】
制御装置22の後段側には、2つのモータドライブ(駆動)回路(1,2)44a,44bと、2つの昇圧回路(1,2)45a,45bと、2つのF/Sリレー(1,2)46a,46bと、2つのパワーリレー(1,2)47a,47bが設けられている。これらの2つの要素は同一の構成および作用を有している。モータドライブ回路44aはCPU43aに対応して両者の間には禁止回路(1)48aが接続され、モータドライブ回路44bはCPU43cに対応して両者の間には禁止回路(3)48cが接続される。これにより、モータ19の駆動制御について、制御装置22内で、CPU43aと禁止回路48aとモータドライブ回路44aによって第1のモータ駆動回路部(第1経路)が作られ、CPU43cと禁止回路48bとモータドライブ回路44bによって第2のモータ駆動回路部(第2経路)が作られる。
【0030】
CPU43bから出力される信号は禁止回路(2)48cに与えられ、さらに禁止回路48cの出力信号は上記禁止回路48cに与えられる。またCPU43aから出力される信号によって禁止回路48bに与えられる。
【0031】
モータ(M)19はブラシ付きモータである。このモータ19では、一対のブラシが2組(49a,49b)設けられている。上記の第1のモータ駆動回路部(第1経路)のモータドライブ回路44aから出力されるモータ電流IM1はブラシ49aを通してモータ19に供給される。上記の第2のモータ駆動回路部(第2経路)のモータドライブ回路44bから出力されるモータ電流IM2はブラシ49bを通してモータ19に供給される。従って、第1と第2のモータ駆動回路に応じて、ブラシ付きモータ10においても2組のブラシ対が設けられる。また上記モータ電流IM1,IM2のそれぞれを供給するできるように、モータハーネス等の電気接続部は2経路で形成されている。
【0032】
バッテリ50は制御装置22に電力を供給するものである。バッテリ50からの給電経路は2つの経路51a,51bが形成される。第1の給電経路51aでは、第1の通電路としてはパワーリレー47aおよび昇圧回路45aを経由して、第2の通電路としては直接に、第3の通電路としてはパワーリレー47aを経由して、それぞれ、モータドライブ回路44aに電力が供給される。また第2の給電経路51bでも同様に、第1の通電路としてはパワーリレー47bおよび昇圧回路45bを経由して、第2の通電路としては直接に、第3の通電路としてはパワーリレー47bを経由して、それぞれ、モータドライブ回路44bに電力が供給される。
【0033】
モータドライブ回路44aから出力されたモータ電流IM1は電流センサ52aで検出され、CPU43a〜43cのそれぞれにフィードバックされる。またモータドライブ回路44bから出力されたモータ電流IM2は電流センサ52bで検出され、CPU43a〜43cのそれぞれにフィードバックされる。
【0034】
上記の第1実施形態に係る制御装置22の構成では、操舵トルク検出部20から制御装置22への電気接続部、モータドライブ回路44a,44bを含むモータ駆動回路部、バッテリ50からモータドライブ回路44a,44bへの電力供給路、モータ19のブラシ対(49a,49b)のそれぞれを並列的な接続関係に基づいて2経路(二重)にしたため、いずれかの箇所で故障が起きたとしても残りの経路で電動パワーステアリング装置を作動させることができ、冗長系を備えることにより電動パワーステアリング装置のシステムダウンを防ぐことができる。
【0035】
通常、並列に接続関係で設けられた2経路のモータドライブ回路44a,44bはいずれか一方を動作状態にモータ駆動制御を行い、故障が生じたときに他方のモータドライブ回路を動作させるようにする。また2経路のモータドライブ回路44a,44bを同時に動作させて両方でモータ駆動制御を行い、一方で故障が生じたときには、残りのモータドライブ回路でモータ駆動制御を行うように構成することもできる。前述した禁止回路48a,48b,48cは、制御装置22の内部において、モータ駆動制御に使用する回路系統を選択するための手段である。
【0036】
前述の実施形態では、電動パワーステアリング装置のシステム構成において二重の構成で冗長性を持たせたが、これに限定されず、三重以上の構成にすることができるのは勿論である。
【0037】
次に図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る制御装置22の具体的構成を説明する。図4において、図3で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。第2実施形態に係る特徴的構成として上記モータ19はブラシレスモータである点である。そこで図示されたブラシレスモータ19はステータコイルとして三相用の巻線19x,19y,19zを備えている。図示された例では、巻線19x,19y,19zはY結線として構成されている。
【0038】
上記のブラシレスモータ19に対して、制御装置22におけるモータドライブ回路44a,44bは三相交流発生用の回路として構成されている。従ってモータドライブ回路44a,44bは三相交流出力用の3つの出力端子を有する。第1のモータ駆動回路部(第1経路)であるモータドライブ回路44aの3つの出力端子の任意の2つの組合せに基づき、ブラシレスモータ19における巻線(19x,19y),(19y,19z),(19z,19x)の通電ルートにモータ電流が供給される。同様にして第2のモータ駆動回路部(第2経路)であるモータドライブ回路44bの3つの出力端子の任意の2つの組合せに基づき、ブラシレスモータ19における巻線(19x,19y),(19y,19z),(19z,19x)の通電ルートにモータ電流が供給される。モータドライブ回路44aとモータドライブ回路44bの各動作の選択については、第1実施形態で説明した通り、適宜に設定される。
【0039】
上記のブラシレスモータ19および三相交流出力用のモータドライブ回路44a,44bの変更に応じて、モータ電流を検出する電流センサ(52a−1〜52a−3,52b−1〜52b−3)およびF/Sリレー(46a−1〜46a−3,46b−1〜46b−3)も3つずつ設けられることになる。
【0040】
上記の第2実施形態に係る制御装置22の構成では、アシストモータがブラシレスモータ19である場合において、操舵トルク検出部20から制御装置22への電気接続部、三相のモータ電流出力用のモータドライブ回路44a,44bを含むモータ駆動回路部、バッテリ50からモータドライブ回路44a,44bへの電力供給路のそれぞれを並列的な接続関係に基づいて2経路(二重)にしたため、いずれかの箇所で故障が起きたとしても残りの経路で電動パワーステアリング装置を作動させることができ、冗長系を備えることにより電動パワーステアリング装置のシステムダウンを防ぐことができる。
【0041】
次に図5を参照して、本発明の第3実施形態に係る制御装置22の具体的構成を説明する。図5において、図3または図4で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この第3実施形態は第2実施形態の変形例である。第3実施形態に係る特徴的構成として上記モータ19はブラシレスモータであって、さらにY結線の三相用の巻線が二重に設けられている点である。
【0042】
図5においてブラシレスモータ19はステータとして2つの三相用巻線(19x−1,19y−1,19z−1),(19x−2,19y−2,19z−2)を備えている。第1経路のモータドライブ回路44aから出力される三相のモータ電流は巻線19x−1,19y−1,19z−1に供給され、他方、第2経路のモータドライブ回路44bから出力される三相のモータ電流は巻線19x−2,19y−2,19z−2に供給される。2つのモータドライブ回路44a,44bのそれぞれからブラシレスモータ19へのモータ電流の供給は好ましくは同時に行われる。その他の構成については第2実施形態の構成と同じである。
【0043】
上記の第3実施形態に係る制御装置22の構成では、アシストモータがブラシレスモータ19である場合において、操舵トルク検出部20から制御装置22への電気接続部、三相のモータ電流出力用のモータドライブ回路44a,44bを含むモータ駆動回路部、ブラシレスモータ19の三相用巻線、バッテリ50からモータドライブ回路44a,44bへの電力供給路のそれぞれを並列的な接続関係に基づいて2経路(二重)にしたため、いずれかの箇所で故障が起きたとしても残りの経路で電動パワーステアリング装置を作動させることができ、冗長系を備えることにより電動パワーステアリング装置のシステムダウンを防ぐことができる。
【0044】
前述の実施形態では操舵装置として電動パワーステアリング装置の例を説明したが、本発明の技術的思想はステアバイワイヤシステムなど他の操舵装置に適用することができるのは勿論である。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、電動パワーステアリング装置等の操舵装置において制御装置内のモータ電流を生成する駆動回路を2経路で設けるようにしたため、電気的接続部で故障が生じたとしても残りの経路の駆動回路でモータの駆動制御を行うことにより、システムダウンを防ぎ、システムを保全し、システム信頼性を高く維持することができる。操舵装置が電動パワーステアリング装置である場合、手動操舵力のアシストを常に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される操舵装置の一例としての電動パワーステアリング装置の全体構成を模式的に示す図である。
【図2】制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る操舵装置の制御装置の第1実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明に係る操舵装置の制御装置の第2実施形態を示す構成図である。
【図5】本発明に係る操舵装置の制御装置の第3実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリング軸
15 ラック・ピニオン機構
19 モータ
20 操舵トルク検出部
22 制御装置
31 目標電流決定部
41a,41b 電気接続部
44a,44b モータドライブ回路
Claims (6)
- 操舵トルクを検出するトルク検出手段と、このトルク検出手段から出力される前記操舵トルクに応じてモータ電流を決定する目標電流決定手段と、この目標電流決定手段が決定した前記モータ電流に応じてモータに電流を供給する駆動回路部を備える操舵装置において、前記駆動回路部は2経路の同一の駆動回路を有することを特徴とする冗長系を有する操舵装置。
- 前記モータは少なくとも2組のブラシ対を有するブラシ付きモータであり、2経路の前記駆動回路は少なくとも2組の前記ブラシ対のそれぞれに接続されることを特徴とする請求項1記載の冗長系を有する操舵装置。
- 前記モータはブラシレスモータであり、このブラシレスモータでは別々の電気回路を形成するコイルが二重に巻かれており、2経路の前記駆動回路は、別々の電気回路を形成するコイルのそれぞれに別々に電流を供給することを特徴とする請求項1記載の冗長系の操舵装置。
- 前記モータは1つであり、この1つのモータに対して2経路の前記駆動回路は並列に設けられ、前記モータは2経路の前記駆動回路によって並列に駆動されることを特徴とする請求項1記載の冗長系を有する操舵装置。
- 前記目標電流決定手段は2つ設けられ、前記トルク検出手段からの検出信号の伝送は2経路に分けられ、前記2つの目標電流決定手段のそれぞれに供給されることを特徴とする請求項1記載の冗長系を有する操舵装置。
- 前記駆動回路部と前記モータ電流を与える電源との間の接続関係が2経路で形成されることを特徴とする請求項1記載の冗長系を有する操舵装置。
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