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JP2004076031A - 電解めっき用めっき浴及び複合めっき用めっき浴並びにこれらの製造方法 - Google Patents

電解めっき用めっき浴及び複合めっき用めっき浴並びにこれらの製造方法 Download PDF

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Tetsuji Hirafuji
平藤 哲司
Akihiro Sato
佐藤 彰洋
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IHI Corp
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Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd
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Abstract

【課題】還元電位の低い金属であってもめっき皮膜を形成でき且つナノオーダーの不活性微粒子であっても均一に分散させて複合めっきを行えるようにする。
【解決手段】ジメチルスルホン(ステップS1)に金属無水塩を混合し(ステップS2)た後、該混合液を昇温して金属無水塩を溶融させて電解浴を形成させ(ステップS3)、該電解浴にナノオーダーの不活性微粒子を添加して混合、撹拌(ステップS4)して複合めっき用めっき浴とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はめっき対象物をカソードとして電解することによりめっき対象物表面にめっき皮膜を形成させるために用いる電解めっき用めっき浴及び複合めっき用めっき浴並びにこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電解めっき(電気めっき)は、従来一般に、めっき皮膜を形成させるべき金属イオン、たとえば、NiイオンやZnイオン等を含む水溶液(電解浴)をめっき浴として調製し、該めっき浴中にて、電気伝導性を有するめっき対象物をカソードとして外部より直流電流を流して電解を行わせることにより、上記めっき対象物の表面に、めっき浴中の金属イオンを還元析出させてめっき皮膜を形成させるようにしている。
【0003】
又、近年では、めっき皮膜に耐磨耗性、耐熱性、自己潤滑性やその他の機能性を付加したり、あるいは、これらの機能性を有する複合材料を皮膜として製造することを目的として、上記と同様な金属イオンを含む水溶液に、上記各種機能をを付与するための繊維状や粒子状の所要の不活性微粒子(電解浴と反応しない微粒子)を加えて均一なサスペンションを形成させた後、該サスペンションをめっき浴として電解めっきを実施することにより、金属表面に吸着する上記不活性微粒子を、析出する金属によりめっき皮膜中に埋め込ませ、これにより上記共析した不活性微粒子を、金属マトリックス内に取り込ませて分散相を形成させてなる複合材料によるめっき皮膜を形成させるようにした複合めっき(分散めっき)の技術が開発されてきており、たとえば、金属イオンを含む水溶液に、マイクロメートルオーダーの不活性微粒子を分散させためっき浴を用いた複合めっきは、既に工業的に利用されてきており、エンジンシリンダ内の耐摩耗性向上等に用いられている。
【0004】
ところで、上記複合めっきでは、優れた特性を有し、且つ品質のばらつきをなくすために、めっき皮膜中に均質に不活性微粒子が分散していることが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、還元電位が低い(イオン化傾向が大きい)AlやMg等の金属では、これらの金属イオンを含む水溶液に直流電流を流すと、上記還元電位が低い金属がカソードにて還元析出される以前に水の電気分解が行われてしまい、カソードでは水素が発生して、めっき皮膜が形成されないため、従来の金属イオンを含む水溶液をめっき浴とする手法では、上記還元電位が低い金属によるめっき処理を行うことができないという問題がある。
【0006】
又、金属イオンを含む水溶液に、不活性微粒子を分散させてなるめっき浴を用いて行う上記従来の複合めっきでは、ナノ(ナノメートル)オーダーの粒子、ウィスカ、繊維、カーボンナノチューブ、フラーレン等の不活性微粒子を金属イオンを含む電解浴に分散させると、水溶液中では、高いイオン強度により拡散二重層が圧縮されるため、上記ナノオーダーの不活性粒子等は凝集し易く、又、凝集した粒子に働く剪断応力は、粒径が小さくなればなるほど小さくなることから、粒子が凝集したままめっき皮膜中に埋め込まれてしまい、均質な複合材料が形成されなくなるため、安定した機械的、化学的、物理的性質は達成されないという問題がある。
【0007】
更に、粒子径が小さくなるほど不活性微粒子の複合めっき皮膜中に含有される粒子数は減少し、たとえば、マイクロオーダーの粒子では5〜15vol%含有する条件であっても、ナノオーダーの粒子では0.1vol%以下に減少してしまうという問題があり、この原因としては、親水性である不活性微粒子の表面に吸着した水分子と、析出する金属の表面に吸着した水分子との間に働く斥力の影響が指摘されている。
【0008】
因みに、従来、還元電位の低い金属によるめっき皮膜を形成させるためのめっき方法としては、たとえば、Alでは高温溶融塩系の条件を用いることによりめっきする方法も提案されているが、この場合、蒸気圧の高いAlClの揮発と共に、形成されるめっき皮膜組織がデンドライト状となり、特性がよくないという問題がある。
【0009】
又、水溶液系以外のめっき浴を使用するめっき方法としては、非水溶媒として有機溶媒、たとえば、トリアルキルアルミニウム等を使用する方法も提案されているが、この場合には、上記トリアルキルアルミニウム等の有機溶媒は、空気と触れると爆発の虞があるため、取扱いが難しいという問題があり、更に、非水溶媒を用いた室温溶融塩系のめっき浴では、イオンの溶解度が小さいため、成膜速度が小さいという問題もある。
【0010】
そこで、本発明は、還元電位の低い金属であっても比較的穏やかな条件の下でめっき皮膜を形成できるようにする電解めっき用めっき浴の製造方法、及び、分散相を形成させるべき不活性微粒子がナノオーダーのサイズであっても均質に分散相を分散してなる複合めっき皮膜を形成できるようにする複合めっき用めっき浴の製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、ジメチルスルホンにめっき皮膜を形成させるべき金属の無水塩を混合した後、該混合液を加熱して上記金属無水塩を溶融させてなる電解めっき用めっき浴とその製造方法とする。
【0012】
金属無水塩をジメチルスルホンに混合した後、徐々に加熱すると、110℃程度で上記金属無水塩は溶融されて、めっき浴中には、ジメチルスルホンを配位した金属錯イオンが生成される。したがって、該めっき浴を用いて電解めっきを行うと、カソードのめっき対象物の表面にて、上記金属錯イオンに含まれる金属が還元析出させられ、これによりめっき対象物表面にめっき皮膜を形成できる。
【0013】
又、ジメチルスルホンにめっき皮膜を形成させるべき金属の無水塩を混合した後、該混合液を加熱し上記金属無水塩を溶融させて電解浴とし、該電解浴中に、めっき金属と共析させてめっき皮膜内に分散相を形成させるための不活性微粒子を添加し撹拌混合して、該不活性微粒子を分散してなる複合めっき用めっき浴とその製造方法とすると、ジメチルスルホンは水素統合性が低いため、めっき皮膜の金属マトリックス中に分散相を形成させるべく添加するための不活性微粒子がナノオーダーのサイズであっても、該不活性微粒子を凝集させることなく電解浴中に均一に分散させることができ、且つ水を用いないことにより、めっき皮膜形成時に、不活性微粒子の表面に吸着した水分子と、めっき金属表面に吸着した水分子との間に働く斥力の影響が生じる虞をなくすことができることから、めっき皮膜となる金属マトリックス中に、均質に且つ多くの不活性微粒子を共析させて埋め込ませて、上記不活性微粒子による分散相を備えた均質な複合めっき皮膜を得ることができる。よって、複合めっき皮膜の品質のばらつきをなくすことができると共に、該複合めっき皮膜に、めっき金属及び分散相となる不活性微粒子の特性に基づく機能性を、安定して発揮させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の一形態として、複合めっき用めっき浴とその製造方法の手順のフローを示すもので、先ず、所要の容器、たとえば、めっき槽内に非水溶媒であるジメチルスルホン(DMSO)を用意し(ステップ1)(S1)、該ジメチルスルホン中に、めっき皮膜を形成させるべき金属無水塩の粉末或いは粒子を加えて室温で混合(ステップ2)(S2)した後、該混合物を、徐々に温度を上昇させて、たとえば、110℃まで昇温させ、これにより、上記金属無水塩を溶融させて電解浴を形成させる(ステップ3)(S3)。次いで、該電解浴中に、めっき皮膜内にて分散相を形成させるための不活性微粒子を添加して撹拌混合(ステップ4)(S4)して、本発明の複合めっき用めっき浴とする。
【0016】
上記金属無水塩としては、Ni、Zn等の通常のめっきで用いられている金属元素に加えて、Al、Mg等の還元電位の低い金属元素の塩化物を使用できる。又、これらの金属無水塩は、単独で用いてもよく、あるいは、複数の金属元素を共析させることにより、これら複数の金属元素からなる合金によるめっき皮膜を形成できるように、複数の金属元素の塩を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
又、上記不活性微粒子としては、従来の分散めっきに使用されている微粒子を使用でき、たとえば、SiO、SiC、Al、TiB、TiO、BN、ZrO、C、AlN、TiN、TiC、Si、WC、MgO、金属、合金の粒子、繊維ウィスカ、カーボンナノチューブ、フラーレン等を用いることができる。又、そのサイズは、直径あるいは長さ寸法が数nm〜20μm程度となるようにする。
【0018】
上記ステップ2(S2)において作成したジメチルスルホンを溶媒とする金属無水塩の混合液を、上記ステップ3(S3)にて徐々に昇温させると、該混合液中においては、上記金属無水塩に由来する金属元素に、ジメチルスルホンが配位してなる金属錯イオンを含む電解浴が形成される。すなわち、たとえば、金属無水塩として塩化アルミニウム(AlCl)を用いた場合には、
4AlCl+3DMSO=3AlCl +[Al(DMSO3+
となり、ジメチルスルホンを配位したAlの錯イオンを含んだ電解浴が形成される。
【0019】
その後、ステップ4(S4)にて、上記電解浴中に、不活性微粒子を添加すると、上記電解浴の溶媒として用いられているジメチルスルホンは、水素統合性が弱いため、混合撹拌することにより上記不活性微粒子は、ナノオーダーのサイズであっても凝集されることなく電解浴中に均一に分散させられる。
【0020】
したがって、上記製造方法により調製した複合めっき用めっき浴をめっき槽内で撹拌しながら、めっき対象物をカソードとして定電流電解を行わせると、上記金属錯イオンがめっき対象物の表面にて還元され、該金属錯イオン中の金属が析出されてめっき対象物の表面にめっき皮膜が形成される。この際、上記電解浴中には水分子が存在しないため、水溶液を電解液とした場合の如き不活性微粒子の凝集や不活性微粒子の表面に吸着した水分子と、めっき金属表面に吸着した水分子との間に斥力の影響が生じる虞はないため、上記金属無水塩に由来する金属によるめっき皮膜の形成と同時に、金属表面に吸着する不活性微粒子が、還元析出する金属に均一に分散した状態で埋め込まれ、これにより、不活性微粒子による分散相を均質に分散してなる複合材料によるめっき皮膜が形成されるようになる。
【0021】
このように、上記本発明の複合めっき用めっき浴とその製造方法によれば、製造されるめっき浴中には水が存在しないことから、カソードにおける水の電気分解が生じる虞はなく、したがって、還元電位の低い金属、たとえば、AlやMgであってもめっき皮膜を形成させることができる。又、ジメチルスルホン中においては、金属無水塩は、ジメチルスルホン金属錯イオンを形成するため、AlClの揮発が問題となった従来の高温溶融塩系を用いためっき方法に比して、穏やかな反応条件の下で、複合めっきを実施することができる。
【0022】
又、上記ジメチルスルホンは、空気との接触により爆発する虞はないため、従来、非水溶媒としてトリアルキルアルミニウム等を使用した場合に比して、溶媒及びめっき浴の取扱いを容易にすることができる。更に、ジメチルスルホンは、他の非水溶媒に比してイオンの溶解度が大きいため、めっき皮膜の成膜速度を大とすることができる。
【0023】
更に、後述する実施例における図3(イ)(ロ)乃至図6(イ)(ロ)に示す結果からも明らかなように、本発明の複合めっき用めっき浴を用いて複合めっきを行えば、不活性微粒子のサイズがナノオーダーであっても、該不活性微粒子を金属マトリックス中に分散相として均質に分散させてなる複合材料のめっき皮膜を形成できて、該複合めっき皮膜の品質のばらつきをなくすことができると共に、めっき皮膜に、めっき金属の特性、及び、複合された不活性微粒子の特性に基づく機能性を、安定して発揮させることができる。したがって、得られた複合材料によるめっき皮膜や、該めっき皮膜から形成する電鋳品は、ヒートシンクや配線等のエレクトロニクス分野、マイクロマシン等の用途へ利用することも可能となる。
【0024】
次に、図2は本発明の実施の他の形態として、電解めっき用めっき浴とその製造方法の手順のフローを示すもので、図1に示したフローと同様に、ステップ1(S1)で用意したジメチルスルホン中に、金属無水塩を混合し(ステップ2)(S2)、該混合液を昇温させて金属錯イオンを含む浴を形成(ステップ3)(S3)させて、該浴を電解めっきに用いるためのめっき浴としたものである。
【0025】
本実施の形態によれば、ステップ3(S3)にて、ジメチルスルホンを溶媒とする金属無水塩の混合液を昇温させると、先に述べた如く、上記金属無水塩に由来する金属元素にジメチルスルホンが配位してなる錯イオンを含む浴が形成されるため、上記製造されるめっき浴を用いて電解めっきを行うことにより、たとえば、AlやMgのように還元電位の低い金属であってもめっき皮膜を形成させることができると共に、従来提案されている他の非水溶媒を用いた手法に比して成膜速度を高めることが可能になる。
【0026】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、塩化物やヨウ化物、硝酸塩、硝酸塩等の各種の無水塩を形成でき且つ該金属無水塩を、ジメチルスルホンを溶媒とした混合液中で昇温させることにより、ジメチルスルホンを配位してなる金属錯イオンを形成させることができれば、金属元素としては、Ni、Zn、Al、Mgに限定されることなくいかなるものを用いてもよいこと、上記混合液を昇温させるときの温度は、上記金属錯イオンが形成できれば、110℃程度以外の温度として自在に設定してもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0027】
【実施例】
以下、本発明者等の行った実験結果について説明する。
【0028】
(1)実施例1
ジメチルスルホンを溶媒として、金属無水塩としてのAlClを、2.1mol/kgの濃度となるように混合し、該混合物を110℃まで昇温させて電解浴を形成させ、該電解浴に、不活性微粒子として平均粒径約200nmのSiO粒子を、30g/Lとなるように添加して混合、撹拌して複合めっき用めっき浴を製造した。
【0029】
上記複合めっき用めっき浴を用いて、電流密度130mA/cmで定電流電解による電解めっきを行わせて、得られためっき皮膜の表面及び断面を、SEMにより観察した。めっき皮膜表面のSEM像は図3(イ)(ロ)に示すとおりであった。なお、図3(イ)では倍率を1000倍、図3(ロ)では倍率を14000倍としてある。
【0030】
図3(イ)(ロ)から明らかなように、本発明の複合めっき用めっき浴の製造方法によって製造されためっき浴を用いて複合めっきを行うことにより、Alのめっき皮膜表面に、SiO粒子が凝集することなく均一に分散された状態の複合めっき皮膜が得られることがわかる。
【0031】
(2)実施例2
上記と同様にして複合めっき用めっき浴を製造し、該めっき浴を用いて定電流電解の電流密度を80mA/cmとして電解めっきを行わせ、その結果得られためっき皮膜の断面をSEMにより観察した。倍率を7000倍としたときの像を図4に示す。
【0032】
図4から明らかなように、上記めっき浴を用いた複合めっきにより、Alの金属マトリックス中に、SiO粒子を、凝集させることなく均質に分散させて分散相を形成してなる複合めっき皮膜が得られることが判明した。
【0033】
(3)実施例3
実施例(1)と同様にして複合めっき用めっき浴を製造し、該めっき浴を用いて定電流電解を行わせるときの電流密度を、80mA/cmと130mA/cmに変化させてそれぞれ電解めっきを行わせた。得られためっき皮膜表面のSEM像を図5(イ)(ロ)にそれぞれ示す。
【0034】
図5(イ)(ロ)より明らかなように、上記のように電流密度を変化させてもSiO粒子を凝集させることなく複合めっき皮膜を形成でき、更に、図5(イ)に示す如く、電流密度を80mA/cmとしたときよりも、図5(ロ)に示す如く、130mA/cmとしたときの方が、Alの金属マトリックス中により多くのSiO粒子を付着させ、埋め込ませてなる複合めっき皮膜を形成できることがわかる。したがって、電流密度が高いほど共析するのSiO粒子の共析量は多くなることが推定される。
【0035】
(4)実施例4
実施例(1)と同様の複合めっき用めっき浴の製造方法において、電解浴に添加するSiO粒子の量を、15g/Lと53g/Lに変化させてそれぞれ複合めっき用めっき浴を製造した。それぞれ得られためっき浴を用いて電流密度130mA/cmにて複合めっきを行った結果得られためっき皮膜表面のSEM像を図6(イ)(ロ)に示す。
【0036】
図6(イ)(ロ)より明らかなように、上記の如く電解浴に添加するSiO粒子の量を変化させて製造したいずれの複合めっき用めっき浴であっても、SiO粒子を凝集させることなく複合めっき皮膜を形成できることが判明した。更に、図6(イ)に示す如きSiO粒子の添加量を15g/Lとしたときよりも、図6(ロ)に示す如き添加量を53g/Lとしたときの方が、Alの金属マトリックス中により多くのSiO粒子を付着、埋め込ませてなる複合めっき皮膜を形成できることがわかる。したがって、SiO粒子の添加量が多いほど共析するSiO粒子の共析量は多くなると推定される。
【0037】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)ジメチルスルホンにめっき皮膜を形成させるべき金属の無水塩を混合した後、該混合物を加熱して上記金属無水塩を溶融させてめっき浴を製造する電解めっき用めっき浴とその製造方法としてあるので、還元電位の低い金属であっても穏やかな条件の下でめっきを行うことが可能なめっき浴を得ることできる。
(2)溶媒としてジメチルスルホンを用いていることから、従来のめっきに用いられている他の非水溶媒に比して溶媒自体及びめっき浴の取扱いを容易なものとすることができる。
(3)溶媒としてのジメチルスルホンは、従来用いられている他の非水溶媒に比してイオンの溶解度が大きいため、電解めっき時における成膜速度を大とすることができる。
(4)ジメチルスルホンにめっき皮膜を形成させるべき金属の無水塩を混合した後、該混合液を加熱し上記金属無水塩を溶融させて電解浴とし、該電解浴中に、めっき金属と共析させてめっき皮膜内に分散相を形成させるための不活性微粒子を添加し撹拌混合して、該不活性微粒子を分散してなるめっき浴を製造する複合めっき用めっき浴とその製造方法とすると、ジメチルスルホンは水素統合性が低いため、めっき皮膜の金属マトリックス中に分散相を形成させるべく添加するための不活性微粒子がナノオーダーのサイズであっても、該不活性微粒子を凝集させることなく電解浴中に均一に分散させることができ、且つ水を用いないことにより、めっき皮膜形成時に、不活性微粒子の表面に吸着した水分子と、めっき金属表面に吸着した水分子との間に働く斥力の影響が生じる虞をなくすことができることから、めっき皮膜となる金属マトリックス中に、均質に且つ多くの不活性微粒子を共析させて埋め込ませて、上記不活性微粒子による分散相を備えた均質な複合めっき皮膜を得ることができる。よって、複合めっき皮膜の品質のばらつきをなくすことができると共に、該複合めっき皮膜に、めっき金属及び分散相となる不活性微粒子の特性に基づく機能性を、安定して発揮させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態として、複合めっき用めっき浴の製造方法の手順のフローを示す図である。
【図2】本発明の他の実施の形態として、電解めっき用めっき浴の製造方法の手順のフローを示す図である。
【図3】(イ)(ロ)はいずれも実施例(1)にて製造した複合めっき用めっき浴を用いて形成させた複合めっき皮膜表面のSEM像である。
【図4】実施例(2)にて形成させた複合めっき皮膜の断面を示すSEM像である。
【図5】実施例(3)にて、定電流電解により複合めっきを行わせるときに用いる電流密度を変えてめっき皮膜を形成させたもので、(イ)は電流密度を80mA/cm2とした場合、(ロ)は電流密度を130mA/cm2とした場合に得られた複合めっき皮膜表面のSEM像である。
【図6】実施例(4)にて、電解浴に添加するSiO粒子の添加量を変えて製造した複合めっき用めっき浴をそれぞれ用いて複合めっきを行うことにより得られた複合めっき皮膜の表面のSEM像で、(イ)はSiOの添加量を15g/Lとした場合、(ロ)は添加量を53g/Lとした場合をそれぞれ示す図である。
【符号の説明】
S1 ステップ1
S2 ステップ2
S3 ステップ3
S4 ステップ4

Claims (4)

  1. ジメチルスルホンにめっき皮膜を形成させるべき金属の無水の塩を混合した後、該混合物を加熱して上記金属無水塩を溶融させてなることを特徴とする電解めっき用めっき浴。
  2. ジメチルスルホンにめっき皮膜を形成させるべき金属の無水塩を混合した後、該混合物を加熱し上記金属無水塩を溶融させて電解浴とし、該電解浴中に、めっき金属と共析させてめっき皮膜内に分散相を形成させるための不活性微粒子を添加し撹拌混合して、該不活性微粒子を分散してなることを特徴とする複合めっき用めっき浴。
  3. ジメチルスルホンにめっき皮膜を形成させるべき金属の無水の塩を混合した後、該混合物を加熱して上記金属無水塩を溶融させてめっき浴を製造することを特徴とする電解めっき用めっき浴の製造方法。
  4. ジメチルスルホンにめっき皮膜を形成させるべき金属の無水塩を混合した後、該混合物を加熱し上記金属無水塩を溶融させて電解浴とし、該電解浴中に、めっき金属と共析させてめっき皮膜内に分散相を形成させるための不活性微粒子を添加し撹拌混合して、該不活性微粒子を分散してなるめっき浴を製造することを特徴とする複合めっき用めっき浴の製造方法。
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