JP2004075666A - 造血器腫瘍の治療薬、免疫抑制剤、およびp53を標的分子とする分子標的治療薬 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カスパーゼを活性化することができる化合物またはその薬理上許容できる塩を含有する、造血器腫瘍の治療薬および免疫抑制剤。カプサイシン、カフェイン、カテキン及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物またはその薬理上許容される塩を含有する、p53を標的分子とする分子標的治療薬。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、造血器腫瘍の治療薬、免疫抑制剤、およびp53を標的分子とする分子標的治療薬に関し、より詳細には、カスパーゼを活性化することができる化合物またはその薬理上許容できる塩を含有する造血器腫瘍の治療薬、免疫抑制剤、およびp53を標的分子とする分子標的治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍に対しては、抗癌剤などによる化学療法や造血幹細胞移植を含め現在さまざまな治療法が行われているが、抗癌剤による重篤な副作用や薬剤耐性の問題・さらに造血幹細胞移植の際の移植片対宿主病等の致命的な合併症などさまざまな問題により、当該疾患患者の、長期生存率は依然として低いのが現状である。そこで、造血幹細胞移植や抗癌剤による治療に変わる新たな、副作用の少ない造血器腫瘍の治療の開発が不可欠な状況である。また、現在まで腫瘍細胞の増殖を抑制する化学物質は多数報告されているが、実際に実用化されたものは極めて少なく、さらにその分子機構はいまだ不明な点が多く、腫瘍細胞の増殖に直接関与する分子のみをターゲットとした新たな分子標的療法の発明も必要とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、副作用の少ない、新たな造血器腫瘍の治療薬を提供することを目的とする。
【0004】
また、本発明は、副作用の少ない、新たな免疫抑制剤を提供することも目的とする。
【0005】
さらに、本発明は、副作用の少ない、新たな造血器腫瘍細胞の増殖に関与する分子を標的とする分子標的治療薬を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、唐辛子成分カプサイシン、食用生姜成分1’−アセトキシチャビコールアセテート、コーヒー成分カフェイン、緑茶成分カテキン及びウコン成分クルクミンが、造血器腫瘍細胞の増殖を抑制することを見出した。そして、これらの化合物が活性酸素を産生すること、カスパーゼを活性化すること、細胞にアポトーシスを誘導することも確認した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0007】
本発明の要旨は以下の通りである。
(1) カスパーゼを活性化することができる化合物またはその薬理上許容できる塩を含有する、造血器腫瘍の治療薬。
(2) カスパーゼを活性化することができる化合物が、カプサイシン、1’−アセトキシチャビコールアセテート、カフェイン、カテキン、クルクミン及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である(1)記載の治療薬。
(3) カスパーゼを活性化することができる化合物またはその薬理上許容できる塩を含有する、免疫抑制剤。
(4) カスパーゼを活性化することができる化合物が、カプサイシン、1’−アセトキシチャビコールアセテート、カフェイン、カテキン、クルクミン及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である(3)記載の免疫抑制剤。
(5) カプサイシン、カフェイン、カテキン及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物またはその薬理上許容される塩を含有する、p53を標的分子とする分子標的治療薬。
【0008】
カスパーゼは種々の刺激により活性化され、細胞の機能を不可逆的な状態に導く、細胞死(アポトーシス)の実行に直接関与するシステインプロテアーゼである。カスパーゼの活性化は、例えば、カスパーゼ活性キット(Pharmigen)を用いて確認することができる。
【0009】
カプサイシンは、唐辛子に含まれる食品成分であり、したがって、カプサイシンおよびその誘導体を用いた造血器腫瘍の治療は従来の抗がん剤による化学療法とは異なり、副作用の少ない安全な治療法と考えられる。カプサイシンの急性経口毒性(LD50)は、ラットについて、60〜70mg/kgである。造血器腫瘍の新たな治療薬としてカプサイシンおよびその誘導体が臨床応用されることにより、造血器腫瘍の長期予後の改善が期待される。同様に、カプサイシンおよびその誘導体は、副作用の少ない、安全な免疫抑制剤、p53を標的分子とする分子標的治療薬としても、利用可能である。
【0010】
1’−アセトキシチャビコールアセテートは、食用生姜に含まれる食品成分であり、したがって、1’−アセトキシチャビコールアセテートおよびその誘導体を用いた造血器腫瘍の治療は従来の抗がん剤による化学療法とは異なり、副作用の少ない安全な治療法と考えられる。1’−アセトキシチャビコールアセテートの急性経口毒性(LD50)は、マウスについて、1g/kgであり、腹腔内投与では50mg/kg以上である。造血器腫瘍の新たな治療薬として1’−アセトキシチャビコールアセテートおよびその誘導体が臨床応用されることにより、造血器腫瘍の長期予後の改善が期待される。同様に、1’−アセトキシチャビコールアセテートおよびその誘導体は、副作用の少ない、安全な免疫抑制剤としても、利用可能である。
【0011】
カフェインは、茶、コーヒーなどに含まれる成分であり、したがって、カフェインおよびその誘導体を用いた造血器腫瘍の治療は従来の抗がん剤による化学療法とは異なり、副作用の少ない安全な治療法と考えられる。カフェインの急性経口毒性(LD50)は、ラットについて、174〜210mg/kgである。造血器腫瘍の新たな治療薬としてカフェインおよびその誘導体が臨床応用されることにより、造血器腫瘍の長期予後の改善が期待される。同様に、カフェインおよびその誘導体は、副作用の少ない、安全な免疫抑制剤、p53を標的分子とする分子標的治療薬としても、利用可能である。
【0012】
カテキンは、緑茶に含まれる成分であり、したがって、カテキンおよびその誘導体を用いた造血器腫瘍の治療は従来の抗がん剤による化学療法とは異なり、副作用の少ない安全な治療法と考えられる。カテキンを含有するチャ乾留物の急性経口毒性(LD50)は、ラットについて、32 g/kg以上とされている。造血器腫瘍の新たな治療薬としてカテキンおよびその誘導体が臨床応用されることにより、造血器腫瘍の長期予後の改善が期待される。同様に、カテキンおよびその誘導体は、副作用の少ない、安全な免疫抑制剤、p53を標的分子とする分子標的治療薬としても、利用可能である。
【0013】
クルクミンは、ウコンに含まれる色素成分であり、したがって、クルクミンおよびその誘導体を用いた造血器腫瘍の治療は従来の抗がん剤による化学療法とは異なり、副作用の少ない安全な治療法と考えられる。ウコンとはショウガ科に属するクルクマ属の仲間で、世界中で約50種が認められている。ウコンは、高温多湿を好み、アジア、アフリカ、インド、中南米の熱帯から亜熱帯にかけて広く自生分布し、又栽培されている。日本では沖縄県、鹿児島県が主な産地となっており、日本で栽培されているウコンには、主に秋ウコン(学名:Curcuma longa L.)(沖縄名うっちん)、春ウコン(学名:Curcuma aromatica Salisb)(キョウオウ)、紫ウコン(ガジュツ)(学名:Curcuma zedoaria Roscoe)の三種類がある。クルクミンの急性経口毒性(LD50)は、ラットについて、5,000 mg/kg、マウスについて、2,000 mg/kg以上である。造血器腫瘍の新たな治療薬としてクルクミンおよびその誘導体が臨床応用されることにより、造血器腫瘍の長期予後の改善が期待される。同様に、クルクミンおよびその誘導体は、副作用の少ない、安全な免疫抑制剤としても、利用可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、カスパーゼを活性化することができる化合物またはその薬理上許容できる塩を含有する造血器腫瘍の治療薬を提供する。
【0015】
また、本発明は、カスパーゼを活性化することができる化合物またはその薬理上許容できる塩を含有する免疫抑制剤を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、カプサイシン、カフェイン、カテキン及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物またはその薬理上許容される塩を含有する、p53を標的分子とする分子標的治療薬を提供する。
【0017】
カスパーゼとしては、カスパーゼ1〜11が知られている。本発明に使用する化合物は、上記カスパーゼのいずれのものを活性化するものであってもよいが、カスパーゼ3、8または9のいずれか1つ又は2つ以上のものを活性化するものであるとよく、好ましくはカスパーゼ3を活性化するものであるとよい。
【0018】
カスパーゼを活性化することができる化合物としては、カプサイシン、1’−アセトキシチャビコールアセテート、カフェイン、カテキン、クルクミン及びそれらの誘導体を例示することができる。
カプサイシンの構造式を以下に示す。
【0019】
【化1】
カプサイシンおよびその誘導体としては、下記の一般式(I)で表される化合物を例示することができる。
【0020】
【化2】
(式中、R1は炭素数6〜11のアルキル基またはアルケニル基であり、R2は炭素数1〜12の炭化水素基である。)
【0021】
R1は、炭素数6〜11のアルキル基またはアルケニル基である。炭素数6〜11のアルキル基またはアルケニル基としては、C6−11直鎖状または分枝状アルキル、C6−11直鎖状または分枝状アルケニル(例えば、−(CH2)nCH=CHCH(CH3)2(nは1〜6の整数)で表される基)を挙げることができる。好ましくは、R1は−(CH2)nCH=CHCH(CH3)2(nは1〜6の整数)で表される基、アルキル基である。
【0022】
R2は炭素数1〜12の炭化水素基(例えば、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基)であり、好ましくは、R2は炭素数1〜12のアルキル基(具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル等の低級アルキル基)である。
【0023】
カプサイシンおよびその誘導体の薬理上許容される塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、リシン塩、アルギニン塩などを例示することができる。
【0024】
カプサイシンおよびその誘導体は、下記の文献に記載の方法に従って、製造することができる。Spath, Darling, Ber. 63, 737 (1930); L. Cromobie et al.,J. Chem. Soc. 1955, 1025; O.P. Vig et al., Indian J. Chem. 17B, 558 (1979)
【0025】
また、カプサイシンおよびその誘導体は、常法により、薬理上許容される酸または塩基との塩に導くことができる。
【0026】
カプサイシンおよびその誘導体ならびに薬理上許容されるそれらの塩は、白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍の治療薬、免疫抑制剤、p53を標的分子とする分子標的治療薬として有効である。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、あるいは他の薬剤(例えば、化学的治療剤)と組み合わせて使用してもよい。
【0027】
1’−アセトキシチャビコールアセテートの構造式を以下に示す。
【0028】
【化3】
【0029】
1’−アセトキシチャビコールアセテートおよびその誘導体としては、下記の一般式(XI)で表される化合物を例示することができる。
【0030】
【化4】
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、低級アルキル基または芳香族環基である。)
【0031】
R11は、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル等のC1−4のアルキル基など)または芳香族環基(例えば、フェニル、ナフチル、アントリル等のC6−14芳香族炭化水素残基、ピリジル、フリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル等の芳香族複素環残基など)である。好ましくは、R11は低級アルキル基である。より好ましくは、R11はメチル基である。
【0032】
R12は低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル等のC1−4のアルキル基など)または芳香族環基(例えば、フェニル、ナフチル、アントリル等のC6−14芳香族炭化水素残基、ピリジル、フリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル等の芳香族複素環残基など)である。好ましくは、R12は低級アルキル基である。より好ましくは、R12はメチル基である。
【0033】
1’−アセトキシチャビコールアセテートおよびその誘導体の薬理上許容される塩としては、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩などが挙げられる。
【0034】
1’−アセトキシチャビコールアセテートおよびその誘導体は、下記の文献に記載の方法に従って、製造することができる。
・Biosci. Biotech. Biochem., 57(8), 1344−1345, 1993
・特開2002−78464
【0035】
また、1’−アセトキシチャビコールアセテートおよびその誘導体は、常法により、薬理上許容される酸または塩基との塩に導くことができる。
【0036】
1’−アセトキシチャビコールアセテートおよびその誘導体ならびに薬理上許容されるそれらの塩は、白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍の治療薬、免疫抑制剤として有効である。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、あるいは他の薬剤(例えば、化学的治療剤)と組み合わせて使用してもよい。
【0037】
カフェインの構造式を以下に示す。
【0038】
【化5】
【0039】
カフェインおよびその誘導体としては、下記の一般式(XXI)で表されるキサンチン誘導体を例示することができる。
【0040】
【化6】
(式中、R21は、メチル基または水素原子であり、R22は水素原子または1〜2個のヒドロキシ基もしくは炭素数2〜10のアルカノイル基が置換してもよい炭素数1〜12のアルキル基である。)
【0041】
一般式(XXI)で表されるキサンチン誘導体としては、カフェインの他、キサンチン、アミノフィリン、テイフィリン、コリンテオフィリン、テオボブロミン、オクストリフィン、ジプロフィン、プロキシフィリンなどを例示することができる。これらの化合物は市販されており、入手可能である。
【0042】
カフェインおよびその誘導体の薬理上許容される塩としては、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩などが挙げられる。
【0043】
カフェインおよびその誘導体は市販されており、入手可能である。
【0044】
また、カフェインおよびその誘導体は、常法により、薬理上許容される酸または塩基との塩に導くことができる。
【0045】
カフェインおよびその誘導体ならびに薬理上許容されるその塩は、白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍の治療薬、免疫抑制剤、p53を標的分子とする分子標的治療薬として有効である。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、あるいは他の薬剤(例えば、化学的治療剤)と組み合わせて使用してもよい。
【0046】
カテキンおよびその誘導体は、一般に、樹木に広く含まれる水溶性の天然多価フェノールを意味するが、本明細書においては、それらの天然多価フェノールのみならず、それらから誘導される化合物も包含する。
。具体的には、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、カテキン、ガロカテキン、エピカテキンジガレート及びエピガロカテキンジガレートなどを例示することができ、(−)−エピカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレート、(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピカテキンジガレート及び(−)−エピガロカテキンジガレートなどの光学異性体が存在する。そのうちのいくつかを以下に示す。
【0047】
【化7】
【0048】
カテキンおよびその誘導体の薬理上許容される塩としては、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩などが挙げられる。
【0049】
カテキンおよびその誘導体は、茶芽に多く含まれることが知られており、茶芽からの抽出により粗カテキンとして得ることができる。より高純度の粗カテキンを得る方法も公知である。
【0050】
また、カテキンおよびその誘導体は、常法により、薬理上許容される酸または塩基との塩に導くことができる。
【0051】
カテキンおよびその誘導体ならびに薬理上許容されるそれらの塩は、白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍の治療薬、免疫抑制剤、p53を標的分子とする分子標的治療薬として有効である。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、あるいは他の薬剤(例えば、化学的治療剤)と組み合わせて使用してもよい。
【0052】
クルクミンの構造式を以下に示す。
【0053】
【化8】
【0054】
クルクミンおよびその誘導体としては、下記の一般式(XXXI)で表される化合物を例示することができる。
【0055】
【化9】
(式中、式中、R31、R32 、R33 およびR34 は、同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ基または低級アルコキシ基である。)
【0056】
R31、R32 、R33 およびR34の低級アルコキシのアルキル部分は、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキルであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等があげられる。具体的なアルコキシ基としては、炭素数1〜2のメトキシ基、エトキシ基が好ましい。式(XXXI)において、R32およびR34 がヒドロキシ基である化合物が好ましい。
【0057】
一般式(XXXI)で表される化合物としては、U1[ジフェルロイルメタン(diferuloylmethane)、(E,E)−1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン、以下単にクルクミンというときもある]、U2[ジメトキシクルクミン(demethoxycurcumin)、ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシシンナモイル)メタン]、U3[ビスデメトキシクルクミン(bisdemethoxycurcumin)、ビス(4−ヒドロキシシンナモイル)メタン]、DMU1[(E,E)−1,7−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン]、DHU1[(E,E)−1,7−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン]等のクルクミン類化合物があげられ、U1、U2、U3およびDHU1が好ましく用いられ、U1が特に好ましく用いられる。
【0058】
クルクミンおよびその誘導体の薬理上許容される塩としては、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩などが挙げられる。
【0059】
クルクミン類は、熱帯性の生姜科植物ターメリック(Curcuma longa L.)に含まれる黄色色素であり、ターメリックの根茎の乾燥粉末およびそれから精製したクルクミンが市販されている。
【0060】
また、クルクミンおよびその誘導体は、常法により、薬理上許容される酸または塩基との塩に導くことができる。
【0061】
クルクミンおよびその誘導体ならびに薬理上許容されるその塩は、白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍の治療薬、免疫抑制剤として有効である。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、あるいは他の薬剤(例えば、化学的治療剤)と組み合わせて使用してもよい。
【0062】
カスパーゼを活性化することができる化合物および薬理上許容されるその塩は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤などの製剤にして、経口投与してもよいし、注射剤、坐剤などの製剤にして、腹腔内や静脈内への注射、直腸投与などにより非経口投与することもできる。
【0063】
カスパーゼを活性化することができる化合物および薬理上許容される塩の製剤化は、賦形剤(乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトールなどの糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシなどのデンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機物、結晶セルロースなど)、結合剤(デンプンのり液、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースなど)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油)、崩壊剤(デンプン、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、CMC・Na、CMC・Ca、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなど)、矯味矯臭剤(乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、芳香性精油類など)、溶剤(注射用水、滅菌精製水、ゴマ油、ダイズ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油など)、安定剤(窒素、二酸化炭素などの不活性ガス、EDTA、チオグリコール酸などのキレート剤、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、ロンガリットなどの還元物質など)、保存剤(パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェノール、塩化ベンザルコニウムなど)、界面活性剤(水素添加ヒマシ油、ポリソルベート80、20など)、緩衝剤(クエン酸、酢酸、リン酸のナトリウム塩、ホウ酸など)、希釈剤などの製剤添加物を用いて、公知の方法で行われる。
【0064】
カスパーゼを活性化することができる化合物および薬理上許容されるその塩のヒトへの投与は、疾病の状態の重篤度や生体の応答性によるが、治療の有効性が認められるまで、あるいは疾病状態の軽減が達成されるまでの期間にわたり、適当な用量、投与方法、頻度で行えばよい。例えば、成人に対して、カプサイシンおよびその誘導体については、1日あたり約0.1〜2000mg/kg(体重)、好ましくは1日あたり約1〜1000mg/kg(体重)の投与量で、1’−アセトキシチャビコールアセテートおよびその誘導体については、1日あたり約0.01〜2000 mg/kg(体重)、好ましくは1日あたり約0.1〜1000 mg/kg(体重)の投与量で、カフェインおよびその誘導体については、1日あたり約0.1〜2000 mg/kg(体重)、好ましくは1日あたり約1〜1000 mg/kg(体重)の投与量で、カテキンおよびその誘導体については、1日あたり約0.01〜2000 mg/kg(体重)、好ましくは1日あたり約0.1〜1000 mg/kg(体重)の投与量で、クルクミン及びそれらの誘導体については、1日あたり約0.01〜2000 mg/kg(体重)、好ましくは1日あたり約0.1〜1000 mg/kg(体重)の投与量で、1回または数回に分けて静脈注射により投与するとよいが、その投与量や投与回数は、症状、年齢、投与方法などにより適宜変更しうる。
【0065】
本発明の分子標的治療薬は、p53が関与する疾患、例えば、造血器腫瘍(例えば、白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫など)、皮膚癌、大腸癌、胃癌、肝癌、肺癌、膵臓癌、甲状腺癌、腎癌、前立腺癌、膀胱癌、脳腫瘍などの治療に利用することができる。
【0066】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0067】
〔実施例1〕
1.材料と方法
(1)材料
・カプサイシン:Wako chemical. Co. (Tokyo, Japan)より入手
・各種造血器腫瘍細胞株:
NB4 Dr.M.Lanotte(St. Louis Hospita., Paris, France)より供与
HL−60:American Type Culture Collection(ATCC;Rockville,MD)より入手
UF−1:我々の研究室にて確立した細胞株
K562、KU812、U266:理研細胞バンクより入手
・各種カスパーゼ阻害剤
Z−VAD、カスハ゜ーセ゛9阻害剤、カスハ゜ーセ゛8阻害剤:MBLより入手
・ワートマニン:Sigma Chemical(St.Louis,MO)より入手
・ピフィスリンα:Sigma Chemical(St.Louis,MO) より入手
・NAC(N−アセチルシステイン):Sigma Chemical(St.Louis,MO) より入手
・BSO(ブチオニンスルフォキシド):Sigma Chemical(St.Louis,MO) より入手・DNAマイクロアレイ:TOYOBO Co.Ltdより入手
・白血病患者サンプル:慶応義塾大学病院入院患者及び外来患者より、文書と同意のもと末梢血または骨髄血を入手
・正常者サンプル:有志より説明と同意のもと入手
PHA(phytohemagglutinin):Sigma Chemical(St.Louis,MO) より入手
【0068】
(2)実験方法
各種造血器腫瘍細胞株に対する増殖抑制効果及びアポトーシスの誘導を調べる実験:カプサイシン100μMの添加培養で、各種造血器腫瘍細胞株(1X104/ml)に対しカプサイシン100μMの添加培養を行い、トリパンブルー染色を用いて細胞数を算定する。
【0069】
細胞周期を調べる実験:カプサイシン100μM添加培養各時間後、1X105の細胞を採取し、PI(最終濃度 0.5μg/ml)をマーカーとしてFACSにて、ModiFIT(登録商標)(Beckman Coulter)を用いて細胞周期を解析する。
【0070】
DNAラダー形成を調べる実験:NB4細胞1X105/mlにCAP100μMを添加して0、24、48、72時間培養後に、DNAを採取し、2% アガロースゲルにて電気泳動しラダー形成の有無につき検討する。
【0071】
細胞形態を調べる実験:NB4細胞1X104 個をサイトスピンにてスライドグラスに遠心し、ギムザ染色し光学顕微鏡にて(1X104倍)観察する。
【0072】
アネキシンV、PI(Propidium Iodide)染色の実験:1X105の細胞を採取し、アネキシンV (Pharmingen)、PI(最終濃度 0.5μg/ml)をマーカーとしてFACSで解析し、アネキシンV陽性細胞の割合を測定する。
【0073】
カスパーゼ3活性を調べる実験:カプサイシン100μM添加培養各時間後、5X105の細胞を採取し、カスハ゜ーセ゛3活性キット(Pharmingen)を用いて、FACSにて活性を測定する。
【0074】
発現解析(Western blot 解析)(プロカスパーゼ3とカスパーゼ3active form、アポトーシス関連蛋白、チトクロームc及びβ−アクチン、細胞周期関連蛋白、p53関連蛋白、Ser 6,9,20,37のリン酸化p53、β−アクチンとp53)カプサイシン100μM添加培養各時間後、蛋白を採取し各レーン 15μgの蛋白を泳動し各種抗体を用いて解析する。
【0075】
ミトコンドリア膜電位の変化を調べる実験:カプサイシン100μM添加培養各時間後、5X105の細胞を採取しローダミン123(最終濃度10μM)を投与し、15分間37℃で静置する。1500gで5分間遠心後上清を捨て、沈殿をPBSに懸濁し、PI(最終濃度 10μM)を加え、FACSにて解析する。
【0076】
活性酸素の解析:カプサイシン100μM添加培養各時間後、5X105の細胞を採取し、ジヒドロエチジウム(最終濃度 10μM)をマーカーとして、FACSにて解析する。
【0077】
MTT アッセイ:カプサイシン100μM添加培養各時間後、培養液100μlを96well plateに移し、「MTT cell proliferation kit (Roche)」の実験方法に従い、MTT labeling reagent(1X) 10μlを加え、37℃4時間静置後、MTT lysis buffer 100μlを加え、37℃にて静置後、OD450値をプレートリーダー(BioRad)にて解析する。
【0078】
2.結果
各種造血器腫瘍細胞株の増殖に対するカプサイシンの効果を図1に示す。カプサイシン(以下、「CAP」という)100μMの添加培養で、各種造血器腫瘍細胞株(1X104/ml)に対し強い増殖抑制効果が認められた。
【0079】
NB4細胞に対し、各種濃度のCAP及び各種培養時間での細胞周期とアポト−シスの検討を行った結果を図2〜5に示す。
【0080】
図2から、CAP 100μM添加培養によりコントロール(base:エタノール0.01%)に対し、優位に細胞の増殖抑制効果を認めることがわかる。
【0081】
図3から、CAPが濃度依存性にアポトーシスを誘導することがわかる。
【0082】
図4から、CAP 100μM添加培養が時間依存性に細胞周期をG1期に止め、アポトーシスに相当する pre−G1期が増加させることがわかる。
【0083】
図5から、CAPが濃度依存性に細胞周期のG1期への停止とアポトーシスを増加させることがわかる。
【0084】
図2〜5の結果から、CAPが濃度依存的 及び時間依存的にアポト−シスを誘導し・G1期に細胞周期を停止させる(G1 arrest)ことが分かった。
【0085】
NB4細胞1X105/mlにCAP100μMを添加して0、24、48、72時間培養後に、DNAラダー形成を調べた結果を図6に示すCAP添加培養後(100μM 24時間)のNB4細胞株はDNAラダー形成を認めた。
【0086】
NB4細胞1X105/mlにCAP100μMを添加して24時間培養して、細胞の形態を観察した結果を図7に示す。CAP添加培養後(100μM 24時間)のNB4細胞株は、アポト−シスに典型的な核の濃縮、断片化を認めた。
【0087】
NB4細胞1X104/mlにCAP100μMを添加して24時間培養して、細胞周期を解析した結果を図8に示す。細胞周期の解析では、G1 arrest・S期の減少とともにCAP 100uM投与24時間後にアポト−シスを示す、Sub G1分画の増加を認めた。
【0088】
さらに、フローサイトメトリー(FACS)を用いたアネキシンV , PI染色による早期アポトーシスの検討結果を図9に示す。CAP投与後、経時的にアネキシンV陽性細胞の増加を認めた。以上の結果からCAPはNB4細胞の細胞周期をG1期に停止させ、アポトーシス誘導を介して増殖を抑制することが示された。
【0089】
次に、CAPによるアポートシス誘導機構に関する解析を行った。まず、FACSを用いてカスパーゼ3の活性化を検討した。結果を図10に示す。CAP 100μM投与3時間後よりカスハ゜ーセ゛3の活性化を認めた。経時的な増加を認めた。
【0090】
種々のカスパーゼ阻害剤(Z−VAD、カスハ゜ーセ゛9阻害剤)を用いて検討した。結果を図11および12に示す。カスハ゜ーセ゛3, 9阻害剤投与にてCAPによるアポトーシスが解除された(図11)。また、48時間後よりWestern blott解析で17kDのカスパーゼ 3のactive formを認めた(図12)。一方、カスパーゼ 3及びpan‐カスパーゼ阻害剤投与時は、細胞増殖抑制は解除されないものの、FACS解析にてアポト−シスの減少を認めた(図38)。以上の結果から、NB4におけるアポト−シスにカスパーゼ‐3,9が関与することが示された。
【0091】
次に、アポト−シス関連蛋白について検討を行った結果を図13に示す。Bcl−2, Bcl−xLは発現変化を認めなかったが、図17に示すように、アポト−シス誘導を促進するBaxの経時的な発現増加を認めた。また、カスパーゼ 3 active formの出現も認めた。(図12)
以上の結果より、カプサイシンがBax 蛋白を介して、カスハ゜ーセ゛9を活性化し、カスハ゜ーセ゛3が活性化されアポトーシスが誘導されることが示された。
【0092】
CAP→Bax→カスパーゼ9→カスパーゼ3→アポト−シス
【0093】
ミトコンドリア膜電位の変化を検討した結果を図14に示す。CAP 100μM投与9時間後よりミトコンドリア膜電位の低下を認め、さらに細胞質分画のチトクロームcの経時的な発現増加を認めた(図15)。以上の結果より、CAPによるアポト−シスはBaxを介するミトコンドリア膜電位の低下、チトクロームcの遊離、カスパーゼ 9、カスパーゼ 3を介すると示唆された。
【0094】
次に、細胞周期関連蛋白について検討を行った結果を図16に示す。CAP 100μM投与時にp21の経時的な増加およびcyclinD1の経時的な減少を認めた。一方、p27、cyclin A,B1,D2,D3,Eには経時的な発現の変化は認められなかった。また、Rb(retinoblastoma)蛋白のリン酸化の低下も認めた。(データは示さず)
以上の結果より、CAPはp21の増加、cyclin D1の減少、Rb蛋白の脱リン酸化を介してG1 arrestを起こす事が示唆された。
【0095】
CAP→p21↑,cyclinD1↓→G1 arrest
【0096】
前記のようにNB4細胞と比較し、APL細胞株であるHL−60,UF−1やCML細胞株であるK562,KU812では、CAPに対する感受性が低い。K562・HL60
では、p53の欠損や機能異常が報告されている(Trepel M, Scheding S, Groscurth P, Horny HP, Mlipiero U, Brugger W, Dichgans J, Weller M. A new look at the role of p53 in leukemia cell sensitivity to chemotherapy. Leukemia 1997;11(11):1842−9. Shimizu T, Pommier Y. Camptotencin−induced apoptosis in p53−null human leukemia HL60 cells and their isolated nuclei: effects of the protease inhibitors Z−VAD−fmk and dichloroisocoumarin suggest an involvement of voth caspases and serine proteases. Leukemia 1997;11(8):1238−44)。そこで、本発明者らは、NB4,UF−1, KU812のp53の発現を解析したところ、KU812ではmRNAの発現が見られなかった(データは示さず)。また、HL−60、UF−1、U266においてp53の蛋白の発現は認められなかった(データは示さず)。また、細胞周期関連蛋白の解析の際に認めたp21の増加及びcyclinD1の経時的な減少とp53の関連性が以前から報告されている(Li Y, Jenkins CW, Nichols MA, Xiong Y. Cell cycle expression and p53 regulation of the cyclin−dependent kinase inhibitor p21. Oncogene 1994;9(8):2261−8))。以上の結果から、我々はCAPにおけるNB4細胞のアポトーシスにおいてp53の関連の可能性につき検討を進めることとした。一方NB4細胞では、野生型のp53のmRNA及び蛋白の発現を認めた(データは示さず)。
【0097】
まず、本発明者らはCAP 100μM投与時のNB4細胞におけるp53及びその関連蛋白の発現解析をWestern blott解析にて行った。結果を図17に示す。CAP 100μM投与にて、p53 蛋白の経時的な増加を認めた。一方MDM2、p73には発現の変化は認められなかった。
【0098】
p53の活性化のメカニズムとして以前よりセリン残基(Ser)のリン酸化が知られている(Banin, S et al. (1998) Enhanced phosphorylation of p53 by ATM in responseto DNA damage. Science, 281, 1674−1677))。DNA damageや放射線照射、各種抗がん剤(hydroxyureaなど)投与時のp53の活性化にセリン残基リン酸化が関与すると報告されている。(Banin, S et al. (1998) Enhanced phosphorylation of p53 by ATM in responseto DNA damage. Science, 281, 1674−1677Canman, et al(1998) Activation of the ATM kinase by ionising radiationand phosphorylation of p53, Science, 281,1677−1679)。そこで、本発明者らは、CAP 100μM投与時のp53のリン酸化につき解析を行った。結果を図18に示す。CAP 100μM投与時Ser 15のリン酸化の経時的な増加を認めた。一方、Ser 6,9,20,37のリン酸化に経時的な変化は認められなかった。
【0099】
以上の結果より、カプサイシン投与により、p53蛋白のセリン15残基がリン酸化され、p53蛋白が増加し、p21の増加・cyclin D1の減少が生じ、G1期に細胞周期が停止することが示唆された。
【0100】
p53の阻害剤として最近ピフィスリンα(PFTα)が報告されている。(Komarov PG. Komarova EA. Kondratov RV. Christov−Tselkov K. Coon JS. Chernov MV. Gudkov AV. A chemical inhibitor of p53 that protects mice from the side effects of cancer thrapy. Science 1999;285(5434):1733−7)PFTαはp53の発現そのものは変化させないものの、その下流の分子であるp21やBaxなどの発現を抑制することにより、p53の作用を阻害するといわれている。そこで、本発明者らは、CAPによるNB4細胞のアポト−シスにおけるp53の関連性を解析するためにPFTαを用いてその抑制ができるかを検討した。結果を図20及び21に示す。P53 阻害剤であるPFTα (100nM 3時間前投与)を投与したところ、CAPによるNB4細胞のアポト−シス及びG1 arrestを抑制した。以上の結果より、CAPによるNB4細胞への影響において、p53が重要な役割を果たしていることが示された。また、PFTα投与時の発現蛋白を調べたところp21, Baxの発現低下および、CAP投与時の、発現増加の抑制を認めた(データは示さず)。
【0101】
さらに、本発明者らは、p53のアンチセンスを用いて、CAPによるNB4細胞のG1 arrest及びアポト−シスが抑制できるかを検討した。p53のアンチセンス, コントロールセンス, ミスマッチセンス(アンチセンスとは60% ミスマッチ)を以下のように作成し、各々1μM 24時間前投与し、アンチセンスの分解を少なくするために、培養液をRPMI+5%FBS+PC/SMとし実験を行った。
1) アンチセンス オリゴヌクレオチド
5’−CGGCTCCTCCATGGCAGT−3’(配列番号1)
2) コントロール オリゴヌクレオチド
5’−CTGAGGCTCTACCGCTGC−3’(配列番号2)
3) ミスマッチ オリゴヌクレオチド
5’−CGGGTCCTCTACGCTAGT−3’(配列番号3)
【0102】
結果を図22及び23に示す。アンチセンスを前投与した細胞では、CAPによるNB4細胞の、G1 arrest及びアポト−シスが抑制することが分かった。以上の結果より、CAPにNB4細胞へのアポト−シス及び細胞周期の停止にp53が重要な役割をしていることが分かった。
【0103】
p53の活性化のメカニズムの一つとして活性酸素の産生が知られている(Shackelford, R.E.,Innes, C.L.,Siever, S.O., Heinloth, A.N., Leadon, S.A., andPaules, R.S.(2001)J.Biol.Chem. 276,21951−21959)。また、抗癌剤、放射線による種々の癌細胞のアポト−シス誘導や亜ヒ酸によるAPLや多発性骨髄腫細胞のアポト−シス誘導に活性酸素が重要な役割を果たしていることが報告されている(Dai J, Weinberg RS, Waxman S, Jing Y. Malignant cells can be sensitized to undergo growth inhibition and apoptosis by arsenic torioxide through modulation of the glutathione redox system.Blood 1999 ;93(1)268−97)。また、NB4細胞はク゛ルタチオンが他の白血病細胞株と比較し、少ないことが知られている((Dai J, Weinberg RS, Waxman S, Jing Y. Malignant cells can be sensitized to undergo growth inhibition and apoptosis by arsenic torioxide through modulation of the glutathione redox system.Blood 1999 ;93(1)268−97)。そこで、本発明者らは、CAPによるNB4細胞のアポト−シス誘導における活性酸素の解析を行った。結果を図24に示す。NB4細胞では、CAP 100μM投与4時間後に、細胞内活性酸素濃度の増加が認められた。一般に細胞内には有害な活性酸素を除去するSOD、ク゛ルタチオン、カタラーセ゛、チオレト゛キシンなどの抗酸化物質が存在する。
本発明者らは、ク゛ルタチオン前駆体であるN−アセチルシステイン(NAC)によりCAPによるアポートシスを抑制することができるか、また、ク゛ルタチオン阻害作用を有するフ゛チオニンスルフォキシト゛(BSO)を用いて(1mM 8時間前投与)アポト−シスが増強されるかを解析することによりク゛ルタチオン(GSH)とCAPによるアポト−シスとの関連を検討した。結果を図25及び26に示す。ク゛ルタチオン前駆体であるNAC(100μM 1時間前投与)を前投与し活性酸素を除去すると、CAPによるNB4細胞のアポト−シス誘導、細胞周期のG1 arrestが抑制されることがわかった。
【0104】
以上の結果より、カプサイシンによる白血病細胞のアポトーシス誘導および細胞周期G1期への停止の機序として、p53セリン15残基のリン酸化において、ATR/ATM等のリン酸化酵素の重要性が示唆された。また、そのリン酸化酵素の活性化に対し活性酸素の産生の関与も示された。
【0105】
以上よりカプサイシン投与により、活性酸素・ATR/ATMなどを介し、p53セリン残基がリン酸化されBax蛋白・ミトコンドリア膜電位の低下・チトクローム c遊離を介し、カスハ゜ーセ゛の系が活性化され、アポトーシスが誘導されることが示唆された。
【0106】
CAP→活性酸素産生→ATR→p53 Ser 15 phosphorylation→p53↑→Bax→ミトコント゛リア膜電位低下→チトクローム c 遊離→カスパーゼ 9→カスパーゼ 3→アポトーシス→p21↑、cyclinD1↓→G1 arrest
【0107】
次に、本発明者らは、実際の患者サンプルでのCAPの効果につき検討を行った。計11検体(急性骨髄性白血病・急性リンパ急性白血病・慢性骨髄性白血病・骨髄腫等含む)につき、MTT アッセイ, アネキシン V−PI解析を含め、CAPの効果につき検討を行った。11検体のうち10検体にCAPの効果を認めた。
【0108】
患者検体のp53の発現につき検討を行った結果を図27に示す。CAPの効果のあった10検体にはp53のmRNAの発現を認めたが、効果の見られなかった1検体にはp53の発現は見られなかった。以上の結果より、実際の患者検体においてもp53とCAPの効果の関連性が示唆された。
【0109】
次に、本発明者らは、実際の患者サンプル(J.U氏)でのCAPの効果につき検討を行った。フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の骨髄を採取後、フィコールで分離し、1X107/mlにRPMI(+20% FBS+PC/SM)で薄め、採取日当日から24時間・48時間後のCAP 10μM、50μM及び100μM 各濃度の効果を検討した。
【0110】
まず、MTT アッセイ及びcell countを用いて細胞増殖抑制につき検討を行ったところ、濃度依存性に細胞増殖が抑制された(図28)。
【0111】
次に、この患者サンプルでのCAPによるアポト−シス及び細胞周期についての検討を行った。結果を図29〜31に示す。CAP 100μM投与24時間後にアネキシンV陽性細胞の著明な増加を認めた。また、CAP投与後、濃度及び時間依存性にアネキシンV(+)の増加を認めた(図29)。培養48時間の条件下での、CAP濃度とアネキシンV−PI染色によるアポトーシスの検討結果を図31に、CAP濃度とアポト−シス(%)の関係を図32に示す。
【0112】
この患者サンプルを用いて、p53の発現の有無につき検討したところ、正常なp53の発現を認めた(データは示さず)。
【0113】
次に、本発明者らは、実際の慢性骨髄性白血病 慢性期の患者サンプルでのCAPの効果につき検討を行った。患者の末梢血を採取後、フィコールで分離し、1X107/mlにRPMI(+20% FBS+PC/SM)で薄め、採取日当日から24時間・48時間・72時間後のCAP 10μM、50μM及び100μM 各濃度の効果を検討した。結果を図33に示す。CAP投与により、濃度依存的・時間依存的にアネキシンV(+)の増加が認められた。
【0114】
次に我々は、急性前骨髄球性白血病の患者の末梢血を採取後、フィコールで分離し、1X107/mlにRPMI(+20% FBS+PC/SM)で薄め、採取日当日から24時間後のCAP 10μM、50μM及び100μM 各濃度の効果を検討した。
【0115】
まず、MTT アッセイ及びアネキシンV−PI 染色法を用いて細胞増殖抑制及びアポト−シス誘導につき検討を行ったところ、細胞増殖抑制およびアポト−シスの誘導は起こらなかった(図34)。
【0116】
本検体のp53の発現につき検討したところ、p53 mRNAの発現を認めなかった(データは示さず)。
【0117】
また、急性骨髄性白血病および急性前骨髄球性白血病患者サンプルへのカプサイシンの効果(アポトーシス誘導)を図39に示す。CAP投与により、濃度依存的にアネキシンV(+)の増加が認められた。
【0118】
さらに、多発性骨髄腫患者サンプルへのカプサイシンの効果を図40に示す。CAP投与により、濃度依存的に細胞増殖が抑制された。
【0119】
次に、正常者末梢血単核球でのCAP10μMおよび100μMによる細胞増殖抑制についての検討を行った。結果を図35に示す。CAP投与による細胞増殖抑制効果は認めなかった。
【0120】
正常のヒト末梢血より単核球を分離し、PHA(phytohemagglutinin)で刺激し、活性化したリンパ球(主にT細胞)1×106/mlにCAP 100μMを添加して24時間培養した時のMTTアッセイの結果を図35に示す。MTTアッセイで細胞増殖が抑制され、また、図36に示すようにアポトーシス分画が増加していることが確認された。このことは、CAPが活性化されたT細胞を抑制することを示している。また、活性化されていない正常リンパ球には影響を与えなかった(データは示さず)。これらのことは、CAPが免疫抑制剤として利用可能であることを示している。
【0121】
以上の結果から、以下の結論が導かれる。
・唐辛子の成分CAPは、NB4細胞をはじめp53を正常発現する種々の白血病、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍細胞の細胞周期の停止を誘導した。
・その誘導には、p53の活性化を介したp21/cyclinD1の経路による細胞周期の停止および、BAX/チトクロームc/カスパーゼ−3によるアポトーシス誘導の経路が重要な働きをしていることが示唆された。
【0122】
以上の結果より、p53はNB4細胞をはじめp53を正常発現する種々の白血病、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍細胞のアポト−シス誘導の標的分子として重要な役割を果たしていることが示唆される。
【0123】
以上の結果から予測される、CAPの作用機序を図37にまとめた。NB4細胞においてCAPは活性酸素を細胞内(あるいはミトコンドリアで)産生し、ATRなどを介してp53のSer15残基のリン酸化を起こすことにより、MDM2との会合を抑制しp53を安定化させる一方で転写を活性化する。そのことにより、一方でp21の発現の上昇・cyclinD1の低下等を開始、細胞周期をG1期で停止させる。また、一方でBAXを介しミトコンドリア膜電位を低下させ、ミトコンドリアから細胞質内にチトクロームC遊離が起こり、その後カスパーゼ9及び3あるいは8を活性化することによりアポト−シスを誘導すると考えられる。
【0124】
〔実施例2〕
1.材料と方法
(1)材料
・1’−アセトキシチャビコールアセテート:京都大学農学部大東先生、村上先生より供与
・各種造血器腫瘍細胞株:
NB4 Dr.M.Lanotte(St. Louis Hospita., Paris, France)より供与
HL−60:American Type Culture Collection(ATCC; Rockville,MD)より入手
UF−1:我々の研究室にて確立した細胞株
K562、HS−sultan、U266:理研細胞バンクより入手
・各種カスパーゼ阻害剤
Z−VAD、カスハ゜ーセ゛9阻害剤、カスハ゜ーセ゛8阻害剤:MBLより入手
・抗Fas抗体、抗Fas−ligand(Fas−L)抗体:MBLより入手
・NAC(N−アセチルシステイン):Sigma Chemical(St.Louis,MO) より入手
・BSO(ブチオニンスルフォキシド):Sigma Chemical(St.Louis,MO) より入手・カスパーゼ8および9活性キット:Pharmingenより入手
・白血病患者サンプル:慶応義塾大学病院入院患者及び外来患者より、文書による同意のもと末梢血または骨髄血を入手
・正常者サンプル:有志より説明と同意のもと入手
・PHA(phytohemagglutinin):Sigma Chemical(St.Louis,MO) より入手
【0125】
(2)実験方法
・各種造血器腫瘍細胞株に対する増殖抑制効果及びアポトーシスの誘導を調べる実験:各種造血器腫瘍細胞株(1X105/ml)に対し1’−アセトキシチャビコールアセテート 10μM(または0−20μM)の添加培養を行い、トリパンブルー染色を用いて細胞数を算定する。
【0126】
・細胞形態を調べる実験:NB4細胞1X104 個をサイトスピンにてスライドグラスに遠心し、ギムザ染色し光学顕微鏡にて(1X104倍)観察する。
・アネキシンV、PI(Propidium Iodide)染色の実験:1X105の細胞を採取し、 アネキシンV (Pharmingen)、PI(最終濃度 0.5μg/ml)をマーカーとしてFACSで解析し、アネキシンV陽性細胞の割合を測定する。
【0127】
・カスパーゼ3活性を調べる実験:1’−アセトキシチャビコールアセテート 10μM添加培養各時間後、5X105の細胞を採取し、カスハ゜ーセ゛3活性キット(Pharmingen)を用いて、FACSにて活性を測定する。
【0128】
・細胞周期を調べる実験:1’−アセトキシチャビコールアセテートを各濃度で添加培養24時間後、1X105の細胞を採取し、PI(最終濃度 0.5μg/ml)をマーカーとしてFACSにて、ModiFIT(登録商標)(Beckman Coulter)を用いて細胞周期を解析する。
【0129】
・発現解析(Western blot 解析)(カスパーゼ3、カスパーゼ8、Bax、チトクロームc、Smac/DIABLO及びβ−アクチン)1’−アセトキシチャビコールアセテート10μM添加培養各時間後、蛋白を採取し各レーン 15μgの蛋白を泳動し各種抗体を用いて解析する。チトクローム c, Smac/DIABRO, Baxでは細胞質分画およびミトコンドリア分画を採取し、同様に泳動し各種抗体を用いて解析する。
【0130】
・ミトコンドリア膜電位の変化を調べる実験:1’−アセトキシチャビコールアセテート 10μM添加培養12時間後、5X105の細胞を採取しローダミン123(最終濃度10μM)を投与し、15分間37℃で静置する。1500gで5分間遠心後上清を捨て、沈殿をPBSに懸濁し、PI(最終濃度 10μM)を加え、FACSにて解析する。
【0131】
・活性酸素の解析:1’−アセトキシチャビコールアセテート 10μM添加培養各時間後、5X105の細胞を採取し、ジヒドロエチジウム(最終濃度 10uM)をマーカーとして、FACSにて解析する。
【0132】
・Fas発現解析:1’−アセトキシチャビコールアセテート 10μM添加培養各時間後、5X105の細胞を採取し、抗Fas/CD95抗体(ZB4 MBL)(最終濃度 10ug/ml)を加え、FACSにて解析する。
【0133】
・MTT アッセイ:1’−アセトキシチャビコールアセテート を各濃度で添加培養各時間後、培養液100μlを96well plateに移し、「MTT cell proliferation kit (Roche)」の実験方法に従い、MTT labeling reagent(1X) 10μlを加え、37℃4時間静置後、MTT lysis buffer 100μlを加え、37℃にて静置後、OD450値をプレートリーダー(BioRad)にて解析する。
【0134】
2.結果
各種造血器腫瘍細胞株の増殖に対する1’−アセトキシチャビコールアセテートの効果を図41に示す。1’−アセトキシチャビコールアセテート(以下、「ACA」という)10μMの添加培養で、各種造血器腫瘍細胞株(1X105/ml)に対し濃度および時間依存性に増殖抑制効果を認めた。
【0135】
NB4細胞1X105/mlにACA 10μMを添加し、HS−sultanでは4時間・NB4では12時間培養して、細胞の形態を観察した結果を図42に示す。ACA添加培養後のHS−sultan細胞株およびNB4細胞株は、アポト−シスに典型的な核の濃縮、断片化を認めた。
【0136】
フローサイトメトリー(FACS)を用いたアネキシンV , PI染色による早期アポトーシスの検討結果を図43に示す。ACA投与後、経時的にアネキシンV陽性細胞の増加を認めた。以上の結果からACAはNB4細胞およびHS−sultan細胞に、アポトーシス誘導を介して増殖を抑制することが示された。
【0137】
次に、種々のカスパーゼ阻害剤(Z−VAD、カスハ゜ーセ゛8、カスハ゜ーセ゛9阻害剤)を用いて検討した。結果を図44に示す。カスハ゜ーセ゛3,8,9阻害剤投与にてACAによるアポトーシスが解除された。また、Western blott解析でカスパーゼ 3および8のactiveformをの出現を確認した(図45)。以上の結果から、NB4におけるアポト−シスにカスパーゼ‐3,8,9が関与することが示された。
【0138】
NB4細胞1X104/mlにACA 1、5または10μM添加して24時間培養して、細胞周期を解析した結果を図54に示す。細胞周期の解析では、G1 arrest・S期の減少とともにACA 5μM投与24時間後にアポト−シスを示す、Sub−G1分画の増加を認めた。
【0139】
ACAによるアポト−シス誘導における活性酸素の産生の解析を行った。結果を図47に示す(図47はHS−sultanにおける結果であるがNB4に関しても同様の結果が得られている。データは示さず)。HS−sultan細胞では、ACA 10μM投与1時間後に、細胞内活性酸素濃度の増加が認められた。一般に細胞内には有害な活性酸素を除去するSOD、ク゛ルタチオン、カタラーセ゛、チオレト゛キシンなどの抗酸化物質が存在する。
本発明者らは、ク゛ルタチオン前駆体であるN−アセチルシステイン(NAC)によりACAによるアポートシスを抑制することができるか、また、ク゛ルタチオン阻害作用を有するフ゛チオニンスルフォキシト゛(BSO)を用いて(1mM 8時間前投与)アポト−シスが増強されるかを解析することによりク゛ルタチオン(GSH)とACAによるアポト−シスとの関連を検討した。結果を図48に示す。ク゛ルタチオン前駆体であるNAC(1mM 1時間前)を前投与し活性酸素を除去すると、ACAによるHS−sultan細胞のアポト−シス誘導が抑制されることがわかった。(NB4細胞においてもNAC 100μM 1時間前投与にてアポトーシスの誘導の抑制が得られた。データは示さず)
【0140】
また、BSO投与にてアポトーシスが促進されること、ACA投与にてGSHが低下することも確認した。(データは示さず)
【0141】
活性酸素の産生によるミトコンドリア膜電位の変化には、Bax蛋白の重要性が多数報告されている。そこで我々は、Bax蛋白の変化につきWestern blot解析を用いて解析を行った。結果を図46に示す。総Bax蛋白には大きな変動は認められなかった。しかし、ミトコンドリア分画、細胞質分画をそれぞれ採取し、Bax蛋白の発現につき検討を行ったところ、時間依存性に細胞質分画での減少とミトコンドリア分画での増加を認めた。以上の結果より、ACAによるアポトーシスの誘導にBax蛋白の関与が考えられた。また、細胞質分画においてチトクローム c,
Smac/DIABLO蛋白の発現の増加も認めた。
以上の結果より、Baxが細胞質からミトコンドリアに転送され、ミトコンドリア膜電位が変化、チトクローム cの遊離が生じ、アポトーシスが誘導されると考えられた。
ACA→ROS→Bax→カスパーゼ 9→カスパーゼ 3→アポト−シス
【0142】
ミトコンドリア膜電位の変化を検討した結果を図55に示す。ACA 10μM投与9時間後よりミトコンドリア膜電位の低下を認めた。以上の結果より、ACAによるアポト−シスはBaxを介するミトコンドリア膜電位の低下、チトクロームcの遊離、カスパーゼ 9、カスパーゼ 3を介することが示された。
【0143】
以上の結果より、ACAによる造血器腫瘍細胞のアポトーシス誘導の機序として、活性酸素の産生、Bax蛋白のミトコンドリアへの移行、ミトコンドリア膜電位の低下、カスハ゜ーセ゛9活性化の重要性が示された。
ACA→活性酸素産生→Bax→ミトコント゛リア膜電位低下→チトクローム c 遊離→カスパーゼ 9→カスパーゼ 3→アポトーシス
【0144】
カスハ゜ーセ゛8の活性化に関しては、以前よりFas(CD95)をはじめとする死受容体(Death receptor)の関与が報告されている。今回我々は、Fas/Fas−Lの関与につき抗Fas 抗体(agonistic and antagonistic 2種類)、蛋白の発現につきFACSを用いて検討を行った。
【0145】
NB4においてagonistic Fas抗体(CH11)にて、アポトーシスの誘導、antagonistic Fas抗体(ZB4)にて、アポトーシスの抑制を認めた(図50)。また、NB4における、ACA 10μM投与時のantagonistic抗体によるアポトーシスの抑制につき検討を行ったところ、ACAによるアポトーシスをほほ完全に抑制した(図50)。また、FACSにてACA投与時のFasおよびFas−Lの発現誘導を認めた(図49)。以上の結果より、ACAによるアポトーシスの誘導には、Fasの系が関与していることが示された。
【0146】
次に、本発明者らは、実際の患者サンプルでのACAの効果につき検討を行った。計2検体(急性骨髄性白血病・骨髄腫)につき、MTT アッセイにてACAの効果につき検討を行った。図51に示したように、2検体ともにACAの濃度依存性の細胞増殖抑制効果を認めた。また、アネキシンVをマーカーとしてアポトーシスの誘導についての検討も行い、ACAにてアポトーシスが誘導されていることを確認した(データは示さず)。また、FACSを用いてFasの誘導についての検討も行い、ACA添加培養にてFasが誘導されていることも確認した。以上の結果より、実際の患者検体においてもFasとACAの効果の関連性が示唆された。
【0147】
正常のヒト末梢血より単核球を分離し、PHA(phytohemagglutinin)で刺激し、活性化したリンパ球(主にT細胞)1×106/mlにACA 10μMを添加して24時間培養した時のMTTアッセイの結果を図52に示す。MTTアッセイで細胞増殖が抑制され、また、アネキシン−Vを用いたアッセイでアポトーシス分画が増加していることを確認した。(データは示さず)このことは、ACAが活性化されたT細胞を抑制することを示している。これらのことは、ACAが免疫抑制剤として利用可能であることを示している。
【0148】
以上の結果から、以下の結論が導かれる。
・食用生姜の成分1’−アセトキシチャビコールアセテートは、NB4およびHS−sultan細胞に対し、アポト−シスと細胞周期の停止を誘導した。
・その誘導には、活性酸素の産生の経路によるカスハ゜ーセ゛9及び3の活性化および、Fasの系を介したカスハ゜ーセ゛8及び3の活性化によるアポトーシス誘導の経路が重要な働きをしていることが示唆された。
【0149】
以上の結果より、Fasおよび活性酸素はNB4およびHS−sultan細胞のアポト−シス誘導の標的分子として重要な役割を果たしていることが示唆される。
【0150】
以上の結果から予測される、ACAの作用機序を図53にまとめた。NB4およびHS−sultan細胞においてACAは活性酸素を細胞内(あるいはミトコンドリアで)産生し、BAXを細胞質からミトコンドリアに移行させることにより、ミトコンドリアの膜電位を低下させる。その後、チトクローム cがミトコンドリアから細胞質に放出され、カスハ゜ーセ゛9を活性化し、カスハ゜ーセ゛3が活性化しアポトーシスが誘導される。
一方で、Fasの系を介し、カスハ゜ーセ゛8を活性化させ、カスハ゜ーセ゛3を活性化し、双方の系を介し非常に早期にアポト−シスを誘導すると考えられる。
【0151】
〔実施例3〕
1.材料と方法
(1)材料
・カフェイン:Sigmaより入手
・各種造血器腫瘍細胞株:
NB4 Dr.M.Lanotte(St. Louis Hospita., Paris, France)より供与
・各種カスパーゼ阻害剤
Z−VAD、カスハ゜ーセ゛9阻害剤、カスハ゜ーセ゛8阻害剤:MBLより入手
【0152】
(2)実験方法
各種造血器腫瘍細胞株に対する増殖抑制効果及びアポトーシスの誘導を調べる実験:造血器腫瘍細胞株NB4(1X104/ml)に対しカフェイン4 mMの添加培養を行い、トリパンブルー染色を用いて細胞数を算定する。
【0153】
細胞周期を調べる実験:カフェイン4 mM添加培養各時間後、1X106の細胞を採取し、PI(最終濃度 0.5μg/ml)をマーカーとしてFACSにて、ModiFIT(登録商標)(Beckman Coulter)を用いて細胞周期を解析する。
【0154】
アネキシンV、PI(Propidium Iodide)染色の実験:1X105の細胞を採取し、アネキシンV (Pharmingen)、PI(最終濃度 0.5μg/ml)をマーカーとしてFACSで解析し、アネキシンV陽性細胞の割合を測定する。
【0155】
カスパーゼ3活性を調べる実験:カフェイン4 mM添加培養各時間後、1X105の細胞を採取し、カスハ゜ーセ゛3活性キット(Pharmingen)を用いて、FACSにて活性を測定する。
【0156】
発現解析(Western blot 解析)(p53、pTyr−cdc 2、cdc 2、cdc 25c、Bax、p21WAF1/CIPI、cyclin B1及びSer 15のリン酸化p53)(pTyr−cdc 2、cdc 2、cdc 25c、p21WAF1/CIPI及びcyclin B1は、細胞周期関連蛋白である)カフェイン4 mM添加培養各時間後、蛋白を採取し各レーン 15μgの蛋白を泳動し各種抗体を用いて解析する。
【0157】
ミトコンドリア膜電位の変化を調べる実験:カフェイン4 mM添加培養各時間後、1X105の細胞を採取しローダミン123(最終濃度10μM)を投与し、15分間37℃で静置する。1500gで5分間遠心後上清を捨て、沈殿をPBSに懸濁し、PI(最終濃度 10μM)を加え、FACSにて解析する。
【0158】
2.結果
結果を図56〜59に示す。
【0159】
カフェインは時間(0−96 時間)(濃度は4 mM)および濃度(0−8 mM)依存性に白血病細胞株NB4の増殖を抑制した(図56A)。さらに、その際の細胞周期を検討すると、G2/M期に細胞周期は停止した(図56B)。
【0160】
カフェインは、カスパーゼ3の活性を増加させ(図57A)、アネキシンVによる検討では、カフェインン 4 mM, 72 時間処理でアネキシンV陽性細胞が56.9%と増加し、アポトーシスが誘導された(図57B)。さらに、カスパーゼ阻害剤Z−VAD(20 μM)により、カフェイン(4 mM)によるアポトーシス誘導は阻害され(図57B)、カフェインによるアポトーシス誘導は、カスパーゼ依存性であった。また、同時にミトコンドリアの膜電位が低下し、チトクロームcが誘導されることより(図57C)、ミトコンドリアを介するアポトーシス誘導であることが明らかになった。
【0161】
アポトーシスおよび細胞周期関連タンパクを検討すると、カフェイン処理にて、p53の増加、リン酸化cdc2の増加、Bax, p21の誘導が認められた(図58A)。
さらに、興味あることにp53のセリン15残基のリン酸化が誘導された(図58B)。
【0162】
カフェインによる白血病細胞の細胞周期停止、アポトーシス誘導におけるp53の意義を検討するために、p53に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)を作製し、細胞内のp53をノックアウトした状態にてカフェインの効果を検討した(図59)。操作手順は実施例1の記載に従った。但しカプサイシン50μMの代わりにカフェイン4mMを用いた。また、NB4細胞にカフェイン及びp53に対するアンチセンスオリゴヌクレオチチドを添加して、24時間培養した時のp53、β−アクチン、pTyr−cdc 2及びcdc 2の発現も調べた。ASによりp53をノックアウトすると、カフェインによる白血病細胞のアポトーシス誘導はキャンセルされた(図59B)。以上より、カフェインは白血病細胞のp53を標的とし、そのセリン15残基をリン酸化することにより、白血病細胞の細胞周期停止およびアポトーシスを誘導すると考えられた。
【0163】
〔実施例4〕
1.材料と方法
(1)材料
・(−)−Epigallocatechin−3−gallate(以下、「EGCG」と記す):和光純薬より入手
・各種造血器腫瘍細胞株:
NB4 Dr.M.Lanotte(St. Louis Hospita., Paris, France)より供与
HL−60:American Type Culture Collection(ATCC; Rockville,MD)より入手
UF−1:我々の研究室にて確立した細胞株
U937:理研細胞バンクより入手
Kasumi−1:広島大学原医研 麻生博也先生より供与
THP−1:理研細胞バンクより入手
・各種抗酸化剤
カタラーゼ:Sigmaより入手
super oxide dismutase(以下、「SOD」と記す):和光純薬より入手
・各種カスパーゼ阻害剤
カスハ゜ーセ゛9阻害剤、カスハ゜ーセ゛8阻害剤:MBLより入手
カスハ゜ーセ゛3阻害剤:Calbiochem (La Jolla, CA)より入手
・DNAマイクロアレイ:TOYOBO Co.Ltdより入手
【0164】
(2)実験方法
各種造血器腫瘍細胞株に対する増殖抑制効果及びアポトーシスの誘導を調べる実験:各種造血器腫瘍細胞株(2X104/ml)に対しEGCGの添加培養を行い、トリパンブルー染色を用いて細胞数を算定する。
【0165】
細胞周期を調べる実験:EGCG 20 μM添加培養各時間後、2X104の細胞を採取し、PI(最終濃度 0.5μg/ml)をマーカーとしてFACSにて、ModiFIT(登録商標)(Beckman Coulter)を用いて細胞周期を解析する。
【0166】
DNAラダー形成を調べる実験:各種造血器腫瘍細胞株2X104/mlにEGCG 20 μMを添加して3時間培養後に、DNAを採取し、2% アガロースゲルにて電気泳動しラダー形成の有無につき検討する。
【0167】
細胞形態を調べる実験:各種造血器腫瘍細胞株2X104 個をサイトスピンにてスライドグラスに遠心し、ギムザ染色し光学顕微鏡にて(1X104倍)観察する。
【0168】
アネキシンV、PI(Propidium Iodide)染色の実験:2X104の細胞を採取し、アネキシンV (Pharmingen)、PI(最終濃度 0.5μg/ml)をマーカーとしてFACSで解析し、アネキシンV陽性細胞の割合を測定する。
【0169】
カスパーゼ3活性を調べる実験:EGCG 20 μM添加培養各時間後、2X104の細胞を採取し、カスハ゜ーセ゛3活性キット(Pharmingen)を用いて、FACSにて活性を測定する。
【0170】
発現解析(Western blot 解析)(p53、pTyr−cdc 2、cdc 2、cdc 25c、Bax、p21WAF1/CIPI、cyclin B1及びSer 15のリン酸化p53)(pTyr−cdc 2、cdc 2、cdc 25c、p21WAF1/CIPI及びcyclin B1は、細胞周期関連蛋白である。)EGCG 20 μM添加培養各時間後、蛋白を採取し各レーン 15μgの蛋白を泳動し各種抗体を用いて解析する。
【0171】
ミトコンドリア膜電位の変化を調べる実験:EGCG 20 μM添加培養各時間後、2X104の細胞を採取しローダミン123(最終濃度10μM)を投与し、15分間37℃で静置する。1500gで5分間遠心後上清を捨て、沈殿をPBSに懸濁し、PI(最終濃度 10μM)を加え、FACSにて解析する。
【0172】
活性酸素の解析:EGCG 20 μM添加培養各時間後、2X104の細胞を採取し、ジヒドロエチジウム(最終濃度 10 μM)をマーカーとして、FACSにて解析する。
【0173】
2.結果
結果を図61〜74に示す。なお、緑茶成分カテキンには種々の誘導体が存在するが、最も活性が高いとされるEGCGを実験に用いた(図60)。
【0174】
EGCGは種々の白血病細胞株(NB4, U937, Kasumi−1, UF−1, HL60, THP−1)の増殖を濃度および時間依存的に抑制した(図61)。特に、NB4細胞への効果が著しかった。
【0175】
EGCG 10, 20 μM、24時間処理にて、種々の白血病細胞株ではアネキシンV陽性細胞が誘導され、EGCGによる白血病細胞のアポトーシス誘導が確認された(図62)。さらに、ギムザ染色により形態学的に検討するとEGCG処理により、白血病細胞は核の濃染、分断化、アポトーシス小体の出現などアポトーシスに特異的な所見が認められた(図63)。同時に、ゲノムDNAを抽出してゲル上で泳動すると、アポトーシスに典型的なラダー形成が認められた(図64)。以上より、種々の方法により、EGCGによる白血病細胞のアポトーシス誘導が確認された。
【0176】
細胞周期はEGCG処理にてG1期に停止した(図65)。
【0177】
EGCGによる白血病細胞のアポトーシス誘導は抗酸化剤、カタラーゼ, SOD (super oxide dismutase)によりキャンセルされた(図66)。また、EGCGによるラダー形成もカタラーゼによりキャンセルされた(図64)。したがって、EGCGによる白血病細胞のアポトーシス誘導は活性酸素(ROS)を介する可能性が示唆された。
【0178】
EGCGによる白血病細胞のアポトーシス誘導では、カスパーゼ 3の活性が誘導された(図67)。また、阻害剤による実験ではカスパーゼ3, カスパーゼ9に特異的な阻害剤でアポトーシス誘導は阻害されたが、カスパーゼ8特異的阻害剤では抑制されなかった(図68)。したがって、EGCGによる白血病細胞のアポトーシス誘導はミトコンドリアを介するものと考えられた。
【0179】
EGCG処理にて種々の白血病細胞ではROSの産生、MMP(ミトコンドリア膜電位)の低下が認められた(図69)。NB4細胞で詳細に検討したところ、EGCG 20 μM処理にて時間依存的にROS産生、ミトコンドリア膜電位の低下が認められた(図70)。
【0180】
EGCG処理した際のアポトーシス、細胞周期関連タンパクについてWestern blotにて発現を検討した。EGCG処理にてアポトーシス誘導に関与するBaxが誘導されたが、抗酸化剤カタラーゼ処理にて発現は抑制された(図71)。p53の誘導も認められたが、やはりカタラーゼで発現は抑制された(図72)。したがって、EGCGによる白血病細胞のアポトーシス誘導の引き金になるROSはBax, p53の誘導に直接関与するものと考えられる。EGCG処理によって、ミトコンドリアの膜電位が低下するが、その際にミトコンドリアから細胞質にチトクロームcが放出されることが明らかになり、またこの放出はカタラーゼで抑制された(図73)。
【0181】
EGCGによる白血病細胞のアポトーシス誘導機構のまとめを図74に示す。EGCGは活性酸素(ROS; reactive oxygen species)を産生し、ROSがBaxを誘導することで、ミトコンドリアの膜電位を低下させ、ミトコンドリアからのチトクロームcの細胞質への放出を促進する。チトクロームcはカスパーゼ9, カスパーゼ3を活性化し、白血病細胞のアポトーシスを誘導する。また、同時にEGCGはp53の発現も誘導するが、このことによっても細胞周期停止、アポトーシス誘導シグナルが入るものと思われるが、直接的な証明はしていない。カプサイシン、カフェインではp53のセリン15残基のリン酸化が証明され、それらの誘導に関与することが明らかとなった。
【0182】
〔実施例5〕
1.材料と方法
(1)材料
・クルクミン:和光純薬より入手
・各種造血器腫瘍細胞株:
U266:理研細胞バンクより入手
HS−Sultan:理研細胞バンクより入手
RPMI1640:理研細胞バンクより入手
IM9:理研細胞バンクより入手
【0183】
(2)実験方法
各種造血器腫瘍細胞株に対する増殖抑制効果及びアポトーシスの誘導を調べる実験:各種造血器腫瘍細胞株(1X105/ml)に対しクルクミン 5、10、20μMの添加培養を行い、トリパンブルー染色を用いて細胞数を算定する。
【0184】
細胞周期を調べる実験:クルクミン 5、10、20μMの添加培養12時間後、1X105の細胞を採取し、アネキシンV(最終濃度 5μg/ml)をマーカーとしてFACSにて、ModiFIT(登録商標)(Beckman Coulter)を用いて細胞周期を解析する。
【0185】
細胞形態を調べる実験:HS−Sultan細胞1X105 個をサイトスピンにてスライドグラスに遠心し、ギムザ染色し光学顕微鏡にて(1X104倍)観察する。
【0186】
アネキシンV、PI(Propidium Iodide)染色の実験:1X105個の細胞を採取し、アネキシンV (Pharmingen)、PI(最終濃度 0.5μg/ml)をマーカーとしてFACSで解析し、アネキシンV陽性細胞の割合を測定する。
【0187】
カスパーゼ3活性を調べる実験:クルクミン10μM添加培養各時間後、1X105個の細胞を採取し、カスハ゜ーセ゛3活性キット(Pharmingen)を用いて、FACSにて活性を測定する。
【0188】
カスパーゼ8活性を調べる実験:クルクミン10μM添加培養各時間後、1X105個の細胞を採取し、カスハ゜ーセ゛8活性キット(Pharmingen)を用いて、FACSにて活性を測定する。
【0189】
MTTアッセイ:各種造血器腫瘍細胞株(1X105/ml)に対しクルクミン 5、10、20μMの添加培養を48時間行い、培養液100μlを96well plateに移し、「MTT cell proliferation kit (Roche)」の実験方法に従い、MTT labeling reagent(1X) 10μlを加え、37℃4時間静置後、MTT lysis buffer 100μlを加え、37℃にて静置後、OD450値をプレートリーダー(BioRad)にて解析する。
【0190】
2.結果
結果を図76〜81に示す。
【0191】
ウコン成分クルクミンの構造式を図75に示す。
【0192】
種々の濃度のクルクミンを骨髄腫細胞(HS−Sultan, RPMI1640, U266, IM9)に添加し、48時間後に細胞増殖をMTT アッセイにて検討すると、クルクミンは濃度依存性に骨髄腫細胞の増殖を抑制した(図76)。
【0193】
HS−Sultan細胞を用いてアネキシンVにより検討したところクルクミンは濃度依存性にアネキシンV陽性細胞を誘導した(図77)。また、ギムザ染色による形態学的観察においても、アポトーシスに特異的な所見が得られた(図78)。
【0194】
クルクミンは時間依存的にカスパーゼ3, カスパーゼ8活性を誘導した(図79,80)。
【0195】
以上の結果から、以下の結論が導かれる。
・クルクミンは各種骨髄腫細胞株のアポトーシスを早期に誘導した。
・クルクミンによるHS−sultanのアポトーシス誘導はカスパーゼ−8/カスパーゼ−3経路を介していると考えられた。
・ミトコンドリア膜電位の低下、カスパーゼ−9活性化を認めず、ミトコンドリア非依存性のアポトーシス経路が考えられた。
・活性酸素濃度の上昇を認めたが、アポトーシス誘導の直接の原因ではないと考えられた。
・カスパーゼ−8の活性化を認めるが、Fas非依存性であり、他のカスパーゼ−8活性化経路の関与が示唆された。
【0196】
以上のことから予測される、クルクミンによる骨髄腫細胞のアポトーシス誘導機構のまとめを図81に示す。
【0197】
【発明の効果】
従来の抗癌剤を主体とした治療法に対し抵抗性の造血器腫瘍患者や、副作用の強い症例に対し、食品成分でもある唐辛子成分カプサイシン、食用生姜成分1’−アセトキシチャビコールアセテート、コーヒー成分カフェイン、緑茶成分カテキン及びウコン成分クルクミンおよびそれらの誘導体は抗腫瘍効果を有し、有効な副作用の少ない治療法となる。また、造血器腫瘍の治療成績の向上が期待できる。さらに、免疫抑制剤としても有用である。また、カプサイシン、カフェイン、カテキンおよびそれらの誘導体は、p53を標的分子とする分子標的治療薬としても有用である。
【0198】
【配列表】
【0199】
【配列表フリーテキスト】
【配列番号1】
配列番号1は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
【0200】
【配列番号2】
配列番号2は、コントロールオリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
【0201】
【配列番号3】
配列番号3は、ミスマッチオリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種造血器腫瘍細胞株の増殖に対するCAPの効果を示す。
【図2】NB4細胞1×104/mlにCAP 100μMを添加して培養した時の培養時間と細胞数を示す。コントロール(CAPの添加なし)の結果も併せて示してある。
【図3】NB4細胞1×105/mlに、それぞれ、CAP 0μM、1μM、10μM、20μM、50μM、100μM及び1000μMを添加して培養した時のCAP濃度とアネキシンV陽性細胞の%を示す。
【図4】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、0時間、12時間、24時間、72時間培養した時の細胞周期解析の結果を示す。
【図5】NB4細胞1×105/mlに、それぞれ、CAP 0μM(コントロール)、1μM、10μM、20μM、50μM、100μM及び1mMを添加して培養した時の細胞周期解析の結果を示す。
【図6】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、0時間、24時間、48時間、72時間培養した時のラダー形成の結果を示す。
【図7】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、24時間培養した時の細胞の形態を観察した結果を示す(右)。コントロール(CAPの添加なし)の結果も併せて示してある(左)。
【図8】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、24時間培養した時の細胞周期の解析結果を示す(右)。コントロール(CAPの添加なし)の結果も併せて示してある(左)。
【図9】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、24時間培養した時のアネキシンVとPI染色による早期アポトーシスの検討結果を示す(右)。コントロール(CAPの添加なし)の結果も併せて示してある(左)。
【図10】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、0時間、3時間、6時間、9時間、12時間、24時間培養した時のカスパーゼ3の活性を示す。
【図11】CAPによるアポトーシスに対する、カスパーゼ阻害剤の効果を示す。
【図12】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、0時間、24時間、48時間培養した時のプロカスパーゼ3と活性型カスパーゼ3の発現解析の結果を示す。
【図13】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、0時間、12時間、24時間、48時間、72時間培養した時のアポトーシス関連タンパク質の発現解析の結果を示す。
【図14】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して9時間培養した時のミトコンドリア膜電位(低膜電位の占有率)を示す(右)。コントロール(CAPの添加なし)の結果も併せて示してある(左)。
【図15】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、24時間、48時間培養した時のチトクロームC及びβ−アクチンの発現解析の結果を示す。コントロール(CAPの添加なし)の結果も併せて示してある。
【図16】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、0時間、12時間、24時間、48時間、72時間培養した時の細胞周期関連タンパク質の発現解析(Western blott解析)の結果を示す。
【図17】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、0時間、12時間、24時間、48時間、72時間培養した時のp53関連タンパク質の発現解析の結果を示す。
【図18】NB4細胞1×105/mlにCAP 100μMを添加して、12時間、24時間、48時間、72時間培養した時の、Ser15がリン酸化されたp53並びにp53の発現解析の結果を示す。
【図19】CAPによるアポトーシスに対する、ワートマニン(p53リン酸化酵素の阻害剤)の効果を示す(右の棒)。コントロール(CAPの添加なし)の結果も併せて示してある(左の棒)。
【図20】CAPによるアポトーシスに対する、ピフィスリンα(p53に対する特異的阻害剤)の効果を示す(右の棒)。コントロール(CAPの添加なし)の結果も併せて示してある(左の棒)。
【図21】CAPによる細胞周期の停止に対する、ピフィスリンα(p53に対する特異的阻害剤)の効果を示す(右下)。コントロール(CAPの添加なし)(左上)、CAP 100μMのみ添加(右上)、ピフィスリンα 100 nMのみ添加(左下)の結果も併せて示してある。
【図22】p53遺伝子のアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果(アポトーシス、細胞周期の停止)をまとめた。
【図23】CAPによるアポトーシスに対する、p53遺伝子のアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果を示す。
【図24】細胞内活性酸素の産生に対する、CAPの効果を示す。
【図25】CAPによるアポトーシスに対する、N−アセチルシステイン(NAC)(グルタチオン前駆体)の効果を示す(右の棒)。コントロール(CAPの添加なし)の結果も併せて示してある(左の棒)。
【図26】CAPによる細胞周期の停止に対する、NACの効果を示す(右下)。コントロール(CAPの添加なし)(左上)、CAP 100μMのみ添加(左下)、NAC 100 μMのみ添加(右上)の結果も併せて示してある。
【図27】白血病および骨髄腫患者の骨髄細胞におけるp53及びβ−アクチンの発現解析の結果を示す。
【図28】白血病患者の骨髄細胞1×107/mlに、それぞれ、CAP 0μM、10μM、50μM、100μMを添加して、48時間培養した時の、CAP濃度とMTT アッセイにおけるOD450値を示す。
【図29】白血病患者の末梢血細胞1×107/mlに、それぞれ、CAP 10μM、50μM及び100μMを添加して培養した時の培養時間とアネキシンV陽性細胞の%を示す。
【図30】白血病患者の骨髄細胞1×107/mlに、CAP 100μMを添加して、24時間培養した時の、アネキシンV陽性の細胞数を示す(灰色の線)。コントロール(CAPの添加なし)の結果も併せて示してある(黒色の線)。
【図31】白血病患者の骨髄細胞1×107/mlに、それぞれ、CAP 0μM(コントロール)、10μM、50μM及び100μMを添加して48時間培養した時の細胞周期解析の結果を示す。
【図32】白血病患者の骨髄細胞1×107/mlに、それぞれ、CAP 0μM(コントロール)、10μM、50μM及び100μMを添加して48時間培養した時のアポトーシス(%)の結果を示す。
【図33】CML CP患者の末梢血細胞1×107/mlに、それぞれ、CAP 10μM、50μM及び100μMを添加して0時間、24時間、48時間、72時間培養した時の培養時間とアネキシンV陽性細胞の%を示す。
【図34】PLL患者の末梢血細胞1×107/mlに、それぞれ、CAP 10μM、50μM及び100μMを添加して0時間、24時間、48時間培養した時の培養時間と細胞生存率(%)を示す。
【図35】正常者の末梢血細胞1×107/mlに、それぞれ、CAP 10μM、100μMを添加して、0時間、24時間、48時間培養した時の、培養時間とMTT アッセイのOD450値を示す。
【図36】PHA(phytohemagglutinin)刺激により活性化したリンパ球 1 x 106/mlにCAP 100 μMを添加し、24時間培養した時のアネキシンVとPI染色による早期アポトーシスの検討結果を示す。コントロール(上)、CAPを添加(上から2段目)、PHAによる活性化リンパ球(上から3段目)、活性化リンパ球にCAP添加(下段)
【図37】CAPの作用機序を説明するスキームである。
【図38】CAPによるアポトーシスに対する、カスパーゼ阻害剤の効果を示す(FACS解析による)。
【図39】急性骨髄性白血病および急性前骨髄球性白血病患者サンプルへのカプサイシンの効果(アポトーシス誘導)を示す。
【図40】多発性骨髄腫患者サンプルへのカプサイシンの効果を示す。
【図41】各種造血器腫瘍細胞株1×105/mlに、それぞれ、ACA 0μM、1μM、5μM、10μM、20μMを添加して培養した時のACA濃度と細胞数を示す(左図)。各種造血器腫瘍細胞株1×105/mlにACA 10μMを添加して、0時間、6時間、12時間、24時間、48時間培養した時の培養時間と細胞数を示す(右図)。
【図42】HS−sultan細胞およびNB4細胞1×105/mlにACA 10μMを添加して、4時間または12時間培養した時の細胞の形態を観察した結果を示す(左 NB4細胞/右 HS−sultan細胞)。コントロール(ACAの添加なし)の結果も併せて示してある(上)。
【図43】HS−sultan細胞1×105/mlにACA 10μMを添加して、各種時間培養した時のアネキシンVとPI染色による早期アポトーシスの検討結果を示す。
【図44】ACAによるアポトーシスに対する、カスパーゼ阻害剤の効果を示す。
【図45】NB4細胞1×105/mlにACA 10μMを添加して、0時間、3時間、6時間、12時間培養した時のカスハ゜ーセ゛3および8タンパクの発現解析の結果を示す。
【図46】HS−sultan細胞1×105/mlにACA 10μMを添加して、0時間、1時間、3時間培養した時の総Bax、ミトコンドリア分画及び細胞質分画のBax、細胞質分画のチトクローム cおよびSmac/DIABLOの発現解析の結果を示す。
【図47】細胞内活性酸素の産生に対する、ACAの効果を示す。
【図48】ACAによるアポトーシスに対する、N−アセチルシステイン(NAC)(グルタチオン前駆体)の効果を示す(右の棒)。コントロール(ACAの添加なし)の結果も併せて示してある(左の棒)。
【図49】NB4における、ACAによるFas発現に対する効果を示す(左図)。また、HS−sultanにおける、ACAによるFas発現に対する効果を示す(右図)。
【図50】NB4における、抗Fas抗体(アゴニストおよびアンタゴニスト)のアポトーシスの誘導/抑制効果を示す。
【図51】多発性骨髄腫患者の末梢血細胞(左図)および白血病患者の骨髄細胞(右図)1×107/mlに、それぞれ、ACA 0μM、1μM、5μM、10μMを添加して、24時間培養した時の、ACA濃度とMTT アッセイにおけるOD450値を示す。(左図)
【図52】PHA(phytohemagglutinin)刺激により活性化したリンパ球1×106/mlに、ACA 10μMを添加して、24時間培養した時のMTT アッセイにおけるOD450値を示す(右の棒)。コントロール(ACAの添加なし)の結果も併せて示してある(左の棒)。
【図53】ACAの作用機序を説明するスキームである。
【図54】NB4細胞1×105/mlに、それぞれ、ACA 0μM(control)、1μM、5μMおよび10μMを添加して培養した時の細胞周期解析の結果を示す。
【図55】NB4細胞1×105/mlにACA 10μMを添加して12時間培養した時のミトコンドリア膜電位(低膜電位の占有率)を示す(右)。コントロール(ACAの添加なし)の結果も併せて示してある(左)。
【図56】カフェインがNB4細胞の増殖能(図56のA)、細胞周期(図56のB)に及ぼす影響を示す。図56のBは、NB4細胞1×106/mlにカフェイン 4 mMを添加して、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間培養した時の細胞周期解析の結果を示す。コントロール(カフェインの添加なし)の結果も併せて示してある。
【図57】カフェインによるNB4細胞のアポトーシス誘導がミトコンドリア依存性であることを示す。図57のAは、NB4細胞1×105/mlにカフェイン 4 mMを添加して、72時間培養した時のカスパーゼ3の活性を示す。図57のBは、NB4細胞1×105/mlにカフェイン 4 mMを添加して、72時間培養した時のアネキシンVとPI染色による早期アポトーシスの検討結果を示す。コントロール(カフェインの添加なし)の結果も併せて示してある。図57のCは、NB4細胞1×105/mlにカフェイン 4 mMを添加して、72時間培養した時のミトコンドリア膜電位を示す。コントロール(カフェインの添加なし)の結果も併せて示してある。また、チトクロームcの発現解析結果を枠で囲って上部に示した。
【図58】カフェイン処理NB4細胞におけるアポトーシス、細胞周期関連タンパクの発現解析の結果を示す。
【図59】カフェインによるNB4細胞のアポトーシス誘導におけるp53の意義を示す。図59のAは、NB4細胞1×105/mlにカフェイン 4 mM及びp53に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド1 μMを添加して、24時間培養した時のp53及びβ−アクチンの発現解析(Western blott解析)の結果を示す(MS)。カフェインの添加なし(コントロール)、p53に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドのみ添加(AS)、カフェインのみ添加(CS)の結果も併せて示してある。図59のBは、NB4細胞1×105/mlにカフェイン 4 mM及びp53に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド1 μMを添加して、24時間培養した時のアネキシンVとPI染色による早期アポトーシスの検討結果を示す(AS+カフェイン)。カフェインの添加なし(コントロール)、p53に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドのみ添加(AS)、カフェインのみ添加(カフェイン)の結果も併せて示してある。図59のCは、NB4細胞1×105/mlにカフェイン 4 mM及びp53に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド1 μMを添加して、24時間培養した時のpTyr−cdc 2、cdc 2及びβ−アクチンの発現解析(Western blott解析)の結果を示す(カフェイン+AS)。カフェインの添加なし(コントロール)、p53に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドのみ添加(AS)、カフェインのみ添加(カフェイン)の結果も併せて示してある。
【図60】緑茶に含まれる多価ポリフェノールのうち主なものの構造式を示す。
【図61】各種造血器腫瘍細胞株の増殖に対するEGCGの効果を示す。左図は、各種造血器腫瘍細胞株2×104/mlに、それぞれ、EGCG 0、10、20及び50μMを添加して、24時間培養した時のEGCG濃度とViabilityを示す。右図は、各種造血器腫瘍細胞株2×104/mlにEGCG 10μMを添加して培養した時の培養日数とViabilityを示す。
【図62】各種造血器腫瘍細胞株2×104/mlにEGCG 10μM又は20μMを添加して、24時間培養した時のアネキシンVとPI染色による早期アポトーシスの検討結果を示す。EGCGの添加なし(コントロール)の結果も併せて示してある。
【図63】各種造血器腫瘍細胞株1×105/mlにEGCG 20μMを添加して、24時間培養した時の細胞の形態を観察した結果を示す。EGCGの添加なし(コントロール)の結果も併せて示してある。
【図64】各種造血器腫瘍細胞株2×105/mlにEGCG 20μMを添加して、3時間(U937細胞については12時間)培養した時のラダー形成の結果(EGCG 20μM 3hr)を示す。EGCGの添加なしの結果(コントロール)も併せて示してある。さらに、各種造血器腫瘍細胞株2×104/mlにEGCG 20μM及びカタラーゼ 500U/mlを添加して、3時間(U937細胞については12時間)培養した時のラダー形成の結果(EGCG 20μM +カタラーゼ)を示す。
【図65】各種造血器腫瘍細胞株2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、24時間培養した時の細胞周期解析の結果を示す(右)。EGCGの添加なし(コントロール)の結果も併せて示してある(左)。
【図66】EGCGが誘導するアポトーシスに対する抗酸化剤の効果を示す。各種造血器腫瘍細胞株2×104/mlに、EGCG 20μM及びカタラーゼ 500 U/ml(EGCG 20μM+catalase 500 U/ml)又はSOD 500 U/ml(EGCG 20μM+SOD 500 U/ml)を添加して、24時間培養した時のViabilityを示す。EGCGの添加なし(コントロール)、EGCGのみ添加(EGCG 20μM)の結果も併せて示してある。
【図67】各種造血器腫瘍細胞株2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、6時間培養した時のカスパーゼ3の活性を示す。
【図68】NB4細胞2×104/mlにEGCG 20μM及びカスパーゼ阻害剤カスパーゼ−3阻害剤 10 μM, カスパーゼ−8阻害剤 20 μM, カスパーゼ−9阻害剤 50 μMを添加して、2時間培養した時にアポトーシス誘導が見られた細胞の百分率を示す。EGCGの添加なし(コントロール)、EGCGのみ添加(EGCG 20μM)の結果も併せて示してある。
【図69】細胞内活性酸素の産生(ROS)及びミトコンドリア膜電位(MMP)に対する、EGCGの効果を示す。左図は、各種造血器腫瘍細胞株2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、3時間培養した時の活性酸素の産生を示す。右図は、各種造血器腫瘍細胞株2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、3時間培養した時のミトコンドリア膜電位の低下を示す。EGCGの添加なし(コントロール)の結果も併せて示してある(黒ベタで表示)。
【図70】細胞内活性酸素の産生及びミトコンドリア膜電位に対する、EGCGの効果の経時変化を示す。上図は、NB4細胞2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、3時間、6時間及び12時間培養した時の活性酸素の産生を示す。下図は、NB4細胞2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、3時間、6時間及び12時間培養した時のミトコンドリア膜電位の低下を示す。EGCGの添加なし(コントロール)の結果も併せて示してある(黒ベタで表示)。
【図71】上図は、NB4細胞2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、0時間、3時間、6時間培養した時のBcl−2、Bcl−XL、Bax、アクチンの発現解析の結果を示す。下図は、UF−1細胞2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、0時間、3時間、6時間培養した時のBcl−2、Bcl−XL、Bax、アクチンの発現解析の結果を示す。さらに、NB4細胞またはUF−1細胞2×104/mlにEGCG 20μM及びカタラーゼ 500 U/mlを添加して、1時間培養した時のBcl−2、Bcl−XL、Bax、アクチンの発現解析の結果(EGCG 20μM + カタラーゼ500 U/ml)も示す(上図及び下図)。
【図72】NB4細胞2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、0時間、3時間、6時間培養した時のp53、p27、アクチンの発現解析の結果を示す。さらに、NB4細胞2×104/mlにEGCG 20μM及びカタラーゼ 500 U/mlを添加して、1時間培養した時のp53、p27、アクチンの発現解析の結果(EGCG 20μM +カタラーゼ 500 U/ml)も示す。
【図73】上図は、NB4細胞2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、0時間、3時間培養した時の細胞質(Cytocolic cyt.c)及びミトコンドリア(Mitochondrial cyt.c)におけるチトクロームcならびにアクチンの発現解析の結果を示す。下図は、UF−1細胞2×104/mlにEGCG 20μMを添加して、0時間、3時間培養した時の細胞質及びミトコンドリアにおけるチトクロームc ならびにアクチンの発現解析の結果を示す。さらに、NB4細胞またはUF−1細胞2×104/mlにEGCG 20μM及びカタラーゼ 500 U/mlを添加して、1時間培養した時の細胞質及びミトコンドリアにおけるチトクロームcならびにアクチンの発現解析の結果(EGCG 20μM + カタラーゼ500 U/ml)も示す(上図及び下図)。
【図74】EGCGの作用機序を説明するスキームである。
【図75】クルクミンの構造式を示す。
【図76】各種造血器腫瘍細胞株の増殖に対するクルクミンの効果を示す。各種造血器腫瘍細胞株1×105/mlに、それぞれ、クルクミン 0、5、10及び20μMを添加して、48時間培養した時のViabilityを示す。
【図77】上図は、HS−sultan細胞1×105/mlに、それぞれ、クルクミン 5、10及び20μMを添加して、12時間培養した時のアネキシン VとPI染色による早期アポトーシスの検討結果を示す。下図は、HS−sultan細胞1×105/mlに、それぞれ、クルクミン 5、10及び20μMを添加して、12時間培養した時の細胞周期解析の結果を示す。クルクミンの添加なし(コントロール)の結果も併せて示してある(上図及び下図)。
【図78】HS−sultan細胞1×105/mlにクルクミン 10μMを添加して、24時間培養した時の細胞の形態を観察した結果を示す(右)。クルクミンの添加なし(コントロール)の結果も併せて示してある(左)。
【図79】HS−sultan細胞1×105/mlにクルクミン10 μMを添加して、0、1,3、6時間培養した時のカスパーゼ3の活性を示す。
【図80】HS−sultan細胞1×105/mlにクルクミン 10μMを添加して、0、1,3、6時間培養した時のカスパーゼ8の活性を示す。
【図81】クルクミンの作用機序を説明するスキームである。
Claims (5)
- カスパーゼを活性化することができる化合物またはその薬理上許容できる塩を含有する、造血器腫瘍の治療薬。
- カスパーゼを活性化することができる化合物が、カプサイシン、1’−アセトキシチャビコールアセテート、カフェイン、カテキン、クルクミン及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項1記載の治療薬。
- カスパーゼを活性化することができる化合物またはその薬理上許容できる塩を含有する、免疫抑制剤。
- カスパーゼを活性化することができる化合物が、カプサイシン、1−アセトキシチャビコールアセテート、カフェイン、カテキン、クルクミン及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項3記載の免疫抑制剤。
- カプサイシン、カフェイン、カテキン及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの化合物またはその薬理上許容される塩を含有する、p53を標的分子とする分子標的治療薬。
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