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JP2004075462A - 高強度珪酸カルシウム硬化体 - Google Patents

高強度珪酸カルシウム硬化体 Download PDF

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JP2004075462A
JP2004075462A JP2002238464A JP2002238464A JP2004075462A JP 2004075462 A JP2004075462 A JP 2004075462A JP 2002238464 A JP2002238464 A JP 2002238464A JP 2002238464 A JP2002238464 A JP 2002238464A JP 2004075462 A JP2004075462 A JP 2004075462A
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Japan
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calcium silicate
less
tobermorite
cured
raw material
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JP2002238464A
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Akihiro Ogawa
小川 晃博
Hiroyoshi Matsuyama
松山 博圭
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Abstract

【課題】建築材料として好適な、曲げ強度、圧縮強度および弾性率が向上した珪酸カルシウム硬化体を提供すること。
【解決手段】結晶性珪酸カルシウム水和物およびフェノール樹脂を含み、かつかさ比重が0.05以上1.0以下である珪酸カルシウム硬化体。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶性珪酸カルシウム水和物およびフェノール樹脂を含む珪酸カルシウム硬化体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築物の軽量化への要望から、不燃性かつ軽量な建築材料が求められている。これらの建築材料として、軽量気泡コンクリート(ALC)および繊維補強珪酸カルシウム板(ケイカル板)が知られており、これらの建材はトバモライトやゾノトライトといった結晶性の珪酸カルシウム水和物を含んでいる。これらの珪酸カルシウム水和物は長期の耐候性、耐火性、耐不朽性に優れ、建築物の外壁材、床材、内壁材として広く利用されている。
通常使用されている軽量気泡コンクリートの弾性率は、1700〜2500N/mmの範囲にあり、圧縮強度は、4〜5N/mmの範囲にある。また、面材として重要な物性である曲げ強度は、素材の強度としては1N/mm程度と低い。このことから、支持部材間隔が長い部位には使用できない、自重によるたわみに絶えられず薄板化ができない、等の問題が生じていた。
【0003】
軽量気泡コンクリートの物性を改善する方法として、気泡径分布を制御する、独立気泡の比率を高める、トバモライトの結晶性を高める、等の方法も試みられている。例えば、軽量気泡コンクリートの表面や内部に存在する気泡が見掛け上、亀裂として作用するために、強度を著しく低下させているとの観点から研究がなされ、WO99/42418号には、気泡を用いずに軽量化したALCに関する技術が開示され、例えば比重0.52で圧縮強度10N/mmの建材が報告されている。鉄筋を配した外壁や床板等の構造部材として、板の長尺化による支持部材間隔の長大化を求められている近年では、構造設計上、通常の軽量気泡コンクリートの3倍の強度を有する材料が求められている。しかし、WO99/42418号に開示されている技術による建材では水銀圧入法で測定される微分細孔分布における最大値の1/4の高さにおける対数分布幅が1を越えているために、同じ比重で比較した場合の曲げ強度や圧縮強度が通常の軽量気泡コンクリートの倍が限界であった。
【0004】
板の薄板化を目指すには、さらなる曲げ強度の向上が求められていた。
特開平8−12466号公報にポリイソシアネート、そのオリゴマー、およびそれらの変性物(ポリイソシアネート化合物)を含浸させた珪酸カルシウム成形体が開示され、該珪酸カルシウム成形体の表面脆さが改善されると共に圧縮強度または曲げ強度が向上したことが記載されている。また、該公報の実施例に記載の珪酸カルシウム成形体は全て補強繊維を3wt%含有するいわゆる繊維補強珪酸カルシウム板であり、厚み30mm以下のものである。
【0005】
該公報に記載のポリイソシアネート化合物を含浸させた珪酸カルシウム成形体は、ポリイソシアネート化合物を有機溶媒に溶解した溶液に珪酸カルシウム成形体を浸漬して製造していることから、該成形体表面はポリイソシアネート化合物で被覆されている。該ポリイソシアネート化合物は可燃性であり、建築材料として用いる珪酸カルシウム成形体を可燃性の樹脂で被覆することは建築材料に要求される不燃性の点で問題がある。また、浸漬して含浸させる方法は、繊維補強珪酸カルシウム板に比して空孔の小さい、且つ通常50mm〜200mmもの厚みで使用する軽量気泡コンクリートには適用できない。さらに、含浸には塩化メチレンやトルエンなどの有機溶媒を用いることから製造コストがかかると言う問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、建築材料として好適な、曲げ強度、圧縮強度および弾性率が向上した珪酸カルシウム硬化体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、結晶性珪酸カルシウム水和物を含む珪酸カルシウム硬化体中にフェノール樹脂を含有させることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
【0008】
即ち、本発明は、
[1] 結晶性珪酸カルシウム水和物およびフェノール樹脂を含み、且つ、かさ比重が0.05以上、1.0以下であることを特徴とする珪酸カルシウム硬化体、
[2] 結晶性珪酸カルシウム水和物を主体とし、フェノール樹脂を0.1wt%以上10wt%以下含むことを特徴とする[1]に記載の珪酸カルシウム硬化体、
[3] 結晶性珪酸カルシウム水和物がトバモライトであることを特徴とする[1]または[2]に記載の珪酸カルシウム硬化体、
[4] 粉末X線回折におけるトバモライトの(220)面の回折ピーク強度Ibがトバモライトの(220)面と(222)面の2本の回折ピークに挟まれた角度領域における回折強度の最低値Iaとの間に、Ib/Iaが3.0以上となる関係を持つことを特徴とする[3]に記載の珪酸カルシウム硬化体、
[5] 水銀圧入法で測定される微分細孔分布の最大値の1/4の高さにおける対数分布幅が、かさ比重が0.14以上1.0以下である場合、0.4以上1.2以下であり、かさ比重が0.05以上0.14未満の場合、0.4以上2.0以下であることを特徴とする[3]または[4]に記載の珪酸カルシウム硬化体、
[6] フェノール樹脂がレゾール系フェノール樹脂であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の珪酸カルシウム硬化体、
[7] 少なくとも珪酸質原料と石灰質原料とフェノール樹脂の前駆体と水からなるスラリーを型枠に注入し、予備硬化した後に、オートクレーブで養生することを特徴とする珪酸カルシウム硬化体の製造方法、
である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明において珪酸カルシウム硬化体とは、一般に珪酸カルシウム水和物を主成分とする軽量気泡コンクリートおよび珪酸カルシウム板等を指す。
本発明の珪酸カルシウム硬化体は、結晶性珪酸カルシウム水和物を含むことが必要である。本発明において、結晶性珪酸カルシウム水和物とはトバモライト(5CaO・6SiO・5H2 O)やゾノトライト(6CaO・6SiO・H2 O)などの安定な結晶相をもつ珪酸カルシウム水和物を指す。トバモライトは、軽量気泡コンクリート(ALC)などの組織中に通常見られ、板状あるいは短冊状の形態をとる。一方、ゾノトライトは針状あるいは棒状の形態をとる。本発明においては、含有する結晶性珪酸カルシウム水和物がトバモライト(5CaO・6SiO・5H2 O)、ゾノトライト(6CaO・6SiO・H2 O)またはこれらの混合物であることが好ましく、トバモライト(5CaO・6SiO・5H2 O)であることがより好ましい。
【0010】
本発明の珪酸カルシウム硬化体は、フェノール樹脂を含むことが必要である。フェノール樹脂には、前駆体としてレゾールを用いるレゾール型フェノール樹脂と、前駆体としてノボラックを用いるノボラック型樹脂とがあり、必要に応じてどちらも用いることができる。例えば、後述する本発明の珪酸カルシウム硬化体の製造方法において、珪酸質原料とセメントと石灰質原料を含むアルカリ性のスラリーに添加する場合には、レゾールが好ましく使用され、酸性のスラリーに添加する場合はノボラックが好ましく使用される。
【0011】
該フェノール樹脂を含有すると、珪酸カルシウム硬化体の圧縮強度、弾性率、取り分け曲げ強度が向上する理由は分からないが、フェノール樹脂は、前駆体であるレゾールまたはノボラックが三次元的な架橋構造を形成する際に、気泡あるいは細孔の内表面上に接着し、強固な結合を形成することができるためと推測している。
【0012】
また、フェノール樹脂は耐熱性、難燃性に優れていることから、珪酸カルシウム硬化体中に含有しても珪酸カルシウム硬化体の不燃性を殆ど損なうこともない。本発明の珪酸カルシウム硬化体は不燃性を要求される建材等では好適である。本発明の珪酸カルシウム硬化体は、フェノール樹脂を含有することが必須である。該樹脂の含有量は0.1wt%以上、10wt%以下が好ましく、より好ましくは1wt%以上、10wt%以下、特に好ましくは5wt%以上、10wt%以下である。強度向上の点から0.1wt%以上含むことが好ましく、不燃性の点から含有量は10wt%以下が好ましい。
【0013】
本発明の珪酸カルシウム硬化体は、かさ比重が0.05以上1.0以下であり、好ましくは0.08以上0.7以下であり、より好ましくは0.2以上0.7以下である。
本発明の珪酸カルシウム硬化体は、結晶性珪酸カルシウム水和物が主体であることが好ましく、結晶性珪酸カルシウム水和物がトバモライトであることがより好ましい。
珪酸カルシウム硬化体において、結晶性珪酸カルシウム水和物が主体であるか否かは、珪酸カルシウム硬化体の破断面の走査型電子顕微鏡観察と粉末X線観察を併用することにより判断する。
【0014】
結晶性珪酸カルシウム水和物がトバモライトの場合、粉末X線回折において、トバモライトの最強線(220)を越える他の回折ピークが存在しないことである。ただしトバモライトとともに、結晶質シリカ、炭酸カルシウム、石膏が共存する場合、トバモライトが主体であっても、これら共存物質の高い結晶性のために、これらの物質の最強線がトバモライトの最強線を超える場合があるが、この様な場合は走査型電子顕微鏡観察下において、その構造が板状あるいは短冊状の粒子が主体であると判断できれば、主としてトバモライトからなるとする。しかし、このような場合でも、粉末X線回折において、トバモライトの(220)面の回折ピーク強度Ibに対するトバモライト以外の高結晶性の共存物質、すなわち結晶質シリカ、炭酸カルシウム、石膏の最強線の回折強度Icの比(Ic/Ib)が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。ここで板状あるいは短冊状の粒子とは、1つの粒子において、互いにほぼ平行な2つの表面間の距離がその粒子の最小長さに相当し、その粒子の最大長さが最小長さ(以後厚みと称する。)の5倍以上である粒子とする。もちろん、ここで言う最大長さ、厚みは二次元への投影長さである。これらトバモライトの粒子の大きさは特に規定はしないが、最大長さが数μm〜10μmであることが好ましい。
【0015】
トバモライトは、低結晶性ケイ酸カルシウム水和物( これ以後、CSH と略記する。)と共存する場合があるが、CSHは様々な粒子形態をとることが知られており、通常、繊維状、粒状、塊状の粒子形態をとるために電子顕微鏡下でトバモライト粒子と区別できる。この様なCSHは、トバモライトの基本骨格を崩さない範囲で含有できる。ここで、CSHは強度、耐候性、耐久性など建材としての様々な必要性能を低下させることがあるので、可能な限り含有しないことが好ましい。
【0016】
結晶性珪酸カルシウムがゾノトライトの場合も、トバモライトと同様に粉末X線において、ゾノトライトの最強線(320)を越える他の回折ピークが存在しないことである。但し、結晶質シリカ、炭酸カルシウム、石膏が共存する場合、ゾノトライトが主体であっても、これら共存物質の高い結晶性のために、これらの物質の最強線がゾノトライトの最強線を超える場合があるが、この様な場合は、走査型電子顕微鏡観察下において、その構造が針状あるいは棒状が主体であると判断できれば、主としてゾノトライトからなるとする。しかし、このような場合でも、粉末X線回折において、ゾノトライトの(320)面の回折ピーク強度Idに対するゾノトライト以外の高結晶性の共存物質、すなわち結晶質シリカ、炭酸カルシウム、石膏の最強線の回折強度Icの比(Ic/Id)が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
【0017】
本発明の珪酸カルシウム硬化体において、結晶性珪酸カルシウム水和物がトバモライトである場合、粉末X線回折において観察される、2つのトバモライトの回折線(220)、(022)に挟まれた角度領域における回折強度の最低値Iaに対するトバモライトの(220)回折ピーク強度Ibの比(Ib/Ia)が3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。通常トバモライトは、CSHと共存することが多い。CSHは強度、耐候性、耐久性など建材としての様々な必要性能を低下させることがある。例えば、珪酸カルシウム硬化体中にCSHが多量に存在すると、雨などによる吸水とその後の乾燥などにより寸法安定性が低下したり、長期間大気中に放置された時に大気中に含まれる二酸化炭素と反応して、炭酸カルシウムと非晶質珪酸に分解する炭酸化反応を起こし、それによる体積収縮により亀裂や組織劣化が発生したりすることがある。従って、X線回折並びに電子顕微鏡観察で、主としてトバモライトからなると判定された場合でも、CSHを可能な限り含有しないことが好ましい。
【0018】
上述のように繊維状、粒状、塊状の様々な粒子形態をとるCSHは電子顕微鏡下、トバモライトで無いことは容易に判断される。しかし、CSHが様々な粒子形態をとるために、他の微量共存物質例えば繊維状の石膏、粒子状の炭酸カルシウム等と電子顕微鏡観察で明確に区別できない場合があるため、電子顕微鏡でCSH含有割合を決定することは難しい。トバモライトとCSHが共存する硬化体について、粉末X線回折を行うと、トバモライトの(220)回折ピークと(222)回折ピークに挟まれた領域に、ブロードなCSHの回折ピークが認められる。このCSHの回折ピークは通常29.1〜29.4°(2θ)付近に出現する。CSHがトバモライトに比べて少ない場合、CSHの回折ピークは、トバモライトの回折線に吸収された形になり、通常CSHの回折強度の測定は不可能となる。ところがCSHが多量に存在する場合、トバモライトの(220)回折ピークと(222)回折ピークに挟まれた領域におけるX線の回折強度は、ベースラインに比べて高い値となることから、CSHが多量に存在するか否かを判定することができる。珪酸カルシウム硬化体がCSHを全く含まず、かつ高結晶性のトバモライトを主体とする場合、同領域におけるX線強度の最低値はバックグランド強度と一致する。
【0019】
一方、たとえCSHが存在しない場合でも、トバモライトの結晶性が低い場合には、Ib/Iaは小さくなる。これは(220)と(222)が近接しているために、ピークのすそのが重なり合うためである。トバモライトの結晶性が低下すると、珪酸カルシウム硬化体の強度劣化、および耐候性の低下が起こる。
従って、2つのトバモライトの回折線、(220)と(222)に挟まれた角度領域における回折強度の最低値Iaに対するトバモライトの(220)面の回折ピーク強度Ibの比(Ib/Ia)が大きい程、珪酸カルシウム硬化体中に含有されるCSHが少ない、もしくはトバモライトの結晶性が高い。なお、ここでの強度IaおよびIbは、バックグランド強度を含めた値であり、Ia、Ibの算出方法を図1に示す。なお、トバモライトの結晶性が高く、CSHがほとんど存在しない場合においても、Ib/Iaの値は通常、20程度である。
【0020】
本発明の珪酸カルシウム硬化体において、結晶性珪酸カルシウム水和物がトバモライトである場合、水銀圧入法で測定される微分細孔分布曲線における最大値の1/4の高さにおける対数分布幅は、かさ比重が0.14以上1.0以下の範囲では、0.4以上1.2以下であることが好ましく、0.4以上1.1以下がより好ましく、0.4以上1.0以下であることが特に好ましい。かさ比重が0.05以上0.14未満の範囲では、0.4以上2.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.4以上1.95以下、特に好ましくは0.4以上1.9以下である。
【0021】
ここで、水銀圧入法とは、硬化体内部へ水銀を圧入させて、その時の圧力と侵入量の関係から細孔径の分布を測定するものであり、細孔の形状が円筒形であると仮定して計算されたものである。水銀圧入法により細孔径の測定可能範囲は6nm〜360μmであるが、この値は実際の細孔の直径を表すものではなく、構成物質間の間隙の大きさの指標として使用され、硬化体の細孔構造を記述する際には有効な解析手段である。水銀圧入法で測定された微分細孔分布は、測定された細孔径に対する細孔量の積算曲線を1次微分して得られる。通常、かさ比重が0.05以上、1.0以下の珪酸カルシウム硬化体の場合には、その測定範囲内の細孔径6nm〜50μmの間に微分細孔分布が存在する。
【0022】
微分細孔分布曲線における最大値の1/4の高さにおける対数分布幅(以下、対数1/4値幅と略称する。)とは、細孔径分布の広がりを表す1つの指標であり、微分細孔分布曲線における最大値の1/4の高さにおける細孔分布の幅を対数にて表示したものである。その算出方法を図2に示すが、水銀圧入法により測定された細孔径に対する細孔量の積算曲線を1次微分して得られる微分細孔分布曲線における最大値の1/4の高さを与える細孔径が2つである場合(図2)、大きい順にA、Aとすると、対数1/4値幅はA、Aそれぞれの常用対数の差となる。なお、微分細孔分布曲線における最大値の1/4の高さを与える細孔径が2つより多い場合は、それらのうち最大の細孔径Aの常用対数と最小の細孔径Aの常用対数の差となる。対数1/4値幅が大きくなると、構成物質間の空隙が大きくなり、細孔径が50μm以下の細孔領域における細孔径分布は広い分布を持つことになり、応力を担う骨格を形成する部分(以下「マトリックス」という。)の間隙の均一性が低いことを示す。そのため、局所的な応力集中が生じやすくなり、曲げ強度や圧縮強度が低下する。該対数分布幅は小さい方が強度が高くなる傾向にあるが、0.4未満の対数分布幅を得ることは難しい。
【0023】
ところで、一般にCSHは繊維状、粒状、塊状等の粒子形態をとり、結晶質のトバモライトより微細であることに加えて、ゲル細孔と呼ばれる0.1μm以下の細孔を多量に含有している。そのため、珪酸カルシウム硬化体中にCSHが多量に存在する場合にも対数1/4値幅が非常に小さくなることがある。このように、CSHを多量に含有している場合には対数1/4値幅が小さい場合であっても、該対数1/4値幅は小さい方が強度が高くなる傾向にあるという上記効果は発現しない。
【0024】
以下、本発明の珪酸カルシウム硬化体の製造方法について説明する。
本発明の珪酸カルシウム硬化体は、(1)少なくとも珪酸質原料と石灰質原料とフェノール樹脂の前駆体と水を用い、混合攪拌しスラリーとし、該スラリーを型枠に注入し、予備硬化した後に、脱水処理をせずにオートクレーブで養生する方法、(2)少なくとも珪酸質原料と石灰質原料と補強繊維とフェノール樹脂の前駆体と水を用い、混合攪拌しスラリーとし、該スラリーを型枠に注入し、加圧脱水後、オートクレーブで養生する方法、(3)少なくとも珪酸質原料と石灰質原料と水を加熱下で反応させて高結晶珪酸カルシウム水和物を含むスラリーを得、該スラリーに少なくとも補強繊維とフェノール樹脂の前駆体を添加し型枠に注入し、加圧脱水後、オートクレーブで養生する方法、などにより得られるが、(1)および(2)の方法が好ましく用いられる。
【0025】
以下、本発明の珪酸カルシウム硬化体の好ましい例であるトバモライトを主体とする珪酸カルシウム硬化体の代表的な製造方法である上記(1)について詳細に説明する。
原料として、少なくとも珪酸質原料と石灰質原料とフェノール樹脂の前駆体であるレゾールもしくはノボラックと水を用い、これらを混合した後に、該スラリーを型枠に注入し、予備硬化した後に加圧脱水することなくオートクレーブで養生することにより、本発明の珪酸カルシウム硬化体が得られる。
【0026】
ここで、珪酸質原料とは、SiOの含有量が70wt%以上の原料を言う。たとえば、結晶質の珪石、珪砂、石英およびそれらの含有率の高い岩石、並びに非晶質の珪藻土、シリカヒューム、フライアッシュ、天然の粘土鉱物およびそれらの焼成物等である。これらのうちで結晶質の珪酸質原料とは、珪石、珪砂、石英およびそれらの含有率の高い岩石であり、粉末X線回折においてα−石英あるいはクリストバライト等のシャープな回折ピークを呈するものをいう。また、非晶質珪酸原料とは、珪藻土、シリカヒューム、フライアッシュ等の粉末X線回折において固有の明瞭な回折ピークを示さないものを言う。
石灰質原料とは酸化物換算でCaOを50wt%以上含む原料であり、生石灰あるいは消石灰等を言う。
【0027】
フェノール樹脂の前駆体とは、レゾールやノボラックを言う。スラリー中にセメントや石灰質原料を含む場合、スラリーはアルカリ性を示すのでレゾールを用いることが好ましい。レゾールは、通常、液状で水を含むが、そのままスラリーに添加しても構わない(但し、この水の量はスラリーの水分量として計算することが必要である。)。
フェノール樹脂の前駆体の添加量は、本発明の珪酸カルシウム硬化体を製造する際の固体原料の総重量に対して、0.1wt%以上、10wt%以下が好ましく、より好ましくは1wt%以上、10wt%以下、特に好ましくは5wt%以上、10wt%以下である。
【0028】
本発明における製造法において、予備硬化を早めることができることからセメントを使用することが好ましい。セメントとは普通ポルトラントセメント、早強ポルトラントセメント、ビーライトセメント等の珪酸成分とカルシウム成分を主体とするセメントを言う。
【0029】
上記の原料の他に硫酸アルミもしくはその含水物、あるいはその他の硫酸化合物を用いることは好ましい態様である。
硫酸アルミニウムもしくはその含水物における硫酸アルミニウムとは、化学式(Al(SO )からなる物質を言い、その含水物とはたとえば化学式(Al(SO ・18HO )で示されるような結晶水を含む化合物を言う。いずれの場合でも結晶水を除いた状態でAl(SOとして80wt%以上含有するものを用いる。さらに原料形態としては粉末、スラリーいずれでも構わない。硫酸アルミニウムもしくはその含水物の添加量は、本発明の珪酸カルシウム硬化体を製造する際の固体原料の総重量に対して酸化物換算(Al)で0.09wt%以上10wt%以下であることが好ましい。
【0030】
その他の硫酸化合物は特に限定されるものではなく、SOないしはSOを含有する化合物であれば良い。例えば、亜硫酸、硫酸、無水石膏(CaSO)、二水石膏(CaSO・HO )、半水石膏(CaSO・1/2HO )、硫酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属の硫酸塩、硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属の硫酸塩、硫酸銅や硫酸銀などの金属硫酸塩等であり、これらを単独で用いても、複数同時に用いてもよい。これらその他の硫酸化合物のうち、その構成元素が通常珪酸カルシウム硬化体に含まれ、かつ高結晶性のトバモライトをより多量に生成させ、細孔の微細化かつ細孔分布の均一化を実現させるために、二水石膏が好ましく用いられる。
【0031】
その他の硫酸化合物の添加量は上記硫酸アルミニウムもしくはその含水物を含めて、SO換算で、固体原料の総重量に対して0.15wt%以上15wt%以下であり、好ましくは0.2wt%以上10wt%以下である。
ここで、固体原料とは、珪酸質原料、石灰質原料、セメント、フェノール樹脂の前駆体、硫酸アルミもしくはその含水物およびその他の硫酸化合物を指す。固体原料の総重量には結晶水、水和水および原料に含まれる水は含まれない。例えば、二水石膏の場合、結晶水を除いたCaSOの部分の重量で計算する。Al(SO ・18HOの場合は、Al(SOの部分の重量で計算する。レゾールの場合、その固形分のみの重量で計算する。
【0032】
固体原料の総重量に対する使用した水の重量比(以下、水/固体比と称す。)は、0.67以上5.5以下である。発泡剤や起泡剤を用いない場合は、水/固体原料(水/個体と略称する。)比が0.77以上5.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.9以上4.0以下で、さらに好ましくは1.2以上3.0以下である。
発泡剤や起泡剤を用いる場合には、水/固体比が0.67以上3.5以下、好ましくは0.85以上3.3以下、より好ましくは0.96以上2.7以下になるようにスラリー状態で混合された後に、気泡剤としてアルミニウム粉もしくはそのスラリーまたはペーストを固体アルミニウム換算で固体原料の総重量に対して0.003wt%以上0.95wt%以下混合した後に型枠に注入する方法が好ましく用いられる。気泡を含有させる方法は、金属アルミニウム粉による発泡に限定されるものでなく、例えば従来用いられているプレフォーム法、すなわち、気泡剤水溶液に空気を送り込んでフォームを形成し、そのフォームを本発明のスラリーに混合させる方法、気泡剤をスラリーに混合した後に起泡機によってフォームを形成させる方法などが好ましく用いられる。
【0033】
使用されるすべての原料は、CaO/SiO2 モル比が0.5以上1.5以下、好ましくは0.6以上1.3以下、より好ましくは0.65以上1.1以下となるようにスラリー状態で混合される。この値が1.5を超えると、トバモライト形成に必要な珪酸質成分が不足するためにトバモライトの生成量が著しく低下するだけでなく高結晶性のトバモライトが生成しない。また0.5未満では、珪酸質成分は十分であるが、未反応の珪酸原料が多量に残留するためにトバモライトの生成量も低下する。
【0034】
珪酸質原料、セメント、石灰質原料、硫酸化合物原料等とフェノール樹脂の前駆体であるレゾールもしくはノボラックと水からなるスラリーを混合する温度について特に規定はないが、該混合により型枠注入前にセメントの初期水和を進め、かつ珪酸質原料と石灰質原料を反応させることによって、型枠注入後の予備硬化を早める効果がある。従って、混合温度が低すぎると、反応が進まず、その後の予備硬化を遅らせることになる。混合直後の温度で40℃以上、100℃以下が好ましく、50℃以上100℃以下がより好ましい。
【0035】
スラリーを混合する時間も特に規定はないが、短すぎると各固体原料の分散が不十分で均一なスラリーが得られずかつセメントの初期水和ならびに珪酸質原料と石灰質原料との反応が進まない。また、長すぎるとその反応やセメントの水和が進みすぎてかえって予備硬化を遅らせる。従って、1分以上5時間未満が好ましく、30分以上3時間未満がより好ましい。
【0036】
用いられる石灰質原料の全部を珪酸質原料およびセメントと同時に混合すると、石灰質原料がセメントの初期水和を遅らせる場合もある。従って、予備硬化を早めたい場合には、石灰質原料以外の固体原料と水を40℃以上で、スラリー状態で10分以上混合する第一工程を行った後に、石灰質原料の一部または全部を加えて、さらに40℃以上で30秒以上混合する第二工程を経てから型枠に注入して予備硬化させる方法も好ましく用いられる。ここで原料の投入にあたり、最初の第一工程におけるスラリーへの添加を一次投入、後の第二工程におけるスラリーへの添加を二次投入と、以後称する。
【0037】
フェノール樹脂の前駆体の添加方法については、特に制限はないが、フェノール樹脂の前駆体以外の固体原料の一次投入直後に添加する方法が好ましい。添加後、攪拌することにより、フェノール樹脂の前駆体はスラリー中で均一に分散することが可能となる。
この様にして混合されたスラリーに、必要に応じて撥水性物質あるいは補強繊維が混合され、そのまま型枠に流しこまれ成形される。この時、必要に応じて補強鉄筋あるいは補強金網が配置された型枠に流し込まれ成形される。この時、補強鉄筋あるいは補強金網は防錆処理が施されていることが好ましい。
【0038】
型枠に注入されたスラリーは、自己発熱あるいは外部加熱等により、好ましくは40〜100℃の間で1時間以上かけて予備硬化される。予備硬化は、蒸気養生室等の水分が蒸発を抑制した環境下で行うことが好ましい。得られた予備硬化体は、必要に応じて任意の形状に切断された後に、オートクレーブを用いて高温高圧養生される。切断は軽量気泡コンクリートの製造に一般に用いられるワイヤーによる切断法も使用できる。オートクレーブの条件としては160℃(ゲージ圧力:約0.53MPa)以上、220℃(ゲージ圧力:約2.3MPa)以下が好ましい。得られた硬化体は乾燥され、本発明の珪酸カルシウム成型体が得られる。
【0039】
撥水性物質は、型枠に注入する前のスラリー、あるいは予備硬化体、あるいはオートクレーブ後の硬化体、いずれの工程においても添加することが可能であり、好ましくは0.1〜3wt%、さらに好ましくは0.5〜2wt%添加される。ここで、スラリーに添加される場合は、そのままで、予備硬化体、オートクレーブ後の硬化体に添加する場合は噴霧等の手法とその後の乾燥等の熱処理を併用することが好ましい。硬化体内部までの撥水性を実現するためには、スラリーに添加することが好ましい。
【0040】
補強繊維は、耐アルカリガラス繊維、カーボン繊維、ステンレス繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維等の無機繊維、セルロース繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維等の有機繊維などをいい、型枠に注入する前のスラリーに添加される。添加量は、固体原料の総重量に対して0.5wt%以上20wt%以下であり、好ましくは1wt%以上10wt%以下である。
このように製造される本発明の珪酸カルシウム硬化体は曲げ強度、圧縮強度、弾性率が高く、耐火性に優れ、加工性にも優れることから、各種外壁材、内壁材、等に好適である。特に、支持部材間隔が長い部位に必要な長尺のパネル、薄板化パネルとして利用可能である。
【0041】
以下に実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明において使用される各種の測定方法は以下の通りである。
[曲げ強度、圧縮強度]
JIS  R  5201の曲げ強さおよび圧縮強さの測定に準じて測定した。すなわち、曲げ強度測定に用いた供試体寸法は、40mm×40mm×160mmであり、スパン幅は100mmである。圧縮強度は曲げ試験で割れた半分の試料において、加圧面40mm×40mmで最大荷重を測定した。なお試験体の乾燥条件は、20℃、相対湿度60%の恒温恒湿槽中にオートクレーブ後の硬化体を置き、該硬化体の絶乾状態を基準とした含水量が、10±2%になった時点で測定試料とした。
【0042】
[弾性率]
JIS A−1127の共鳴振動によるコンクリートの動弾性係数の試験方法に準じて測定を行った。測定には、PCオートスキャン型動ヤング率測定器((株)マルイ製MODEL MIN−011−0−08)を用いた。曲げ強度の測定に用いたものと同一形状、同一乾燥条件の試料を用い、縦振動測定を行った。縦振動の一次共鳴周波数から動弾性係数を算出し、その値を弾性率とした。
【0043】
[かさ比重]
曲げ試験に用いたのと同じ寸法のオートクレーブ後の硬化体を、105℃にて24時間乾燥させた時の重量と寸法から算出した。
【0044】
[粉末X線回折:Ia,Ibの測定]
強度測定に用いた試料を乳鉢中で粉砕した後に、理学電気(株)製RINT2000において、CuのKα線を用いて測定した。測定条件は、加速電圧40kV、加速電流200mA、受光スリット幅0.15mm、走査速度4゜/分、サンプリング0.02゜である。なお回折線はグラファイトのモノクロメーターにより単色化されてカウントされた。2つのトバモライト回折線(220),(222)に挟まれた角度領域におけるバックグランドを含めた回折強度の最低値をIa、およびバックグランドを含めたトバモライト回折線(220)の最大強度をIbとする。なおこれら2つの回折線はそれぞれ29.0゜、30.0゜(2θ)付近に見られる回折線に対応する。図1に算出方法の模式図を示す。
【0045】
[水銀圧入法:対数分布幅、細孔量割合の算出]
オートクレーブ後の硬化体を粉砕した後に分級して得た2〜4mm部分を、105℃にて24時間乾燥させて測定用試料とした。これら試料を、Micrometritics社製、Pore  Sizer  9320を用いて細孔径分布を測定した。この時、水銀と硬化体の接触角は130度、水銀の表面張力は484dyn/cmとして計算を行った。測定された細孔径に対する細孔量の積算曲線を1次微分して得られる微分細孔分布の最大値の1/4の高さを与える細孔径が二つ場合、大きい順にA、Aとすると、対数分布幅は、A、Aそれぞれの常用対数の差となる。微分細孔分布の最大値の1/4の高さを与える細孔径が二つ場合の算出方法を図2に示す。微分細孔分布の最大値の1/4の高さを与える細孔径が二つより多い場合は最大値を与える細孔径の常用対数と最小値を与える細孔径の常用対数の差となる。細孔径が0.1μm以下の細孔量の割合は、細孔径が6nmから360μmの範囲で測定された全細孔量を100%とした時の、それぞれの細孔径範囲の細孔量の体積分率である。
【0046】
[鋸引き性]
木工用鋸を用いて硬化体を切断し、切断しやすさ、切断面の状況から評価した。
【0047】
【実施例1〜3】
表1に示す原料配合比にて、攪拌機を用いて混合を行った。混合は、60℃に加温した水にフェノール樹脂の前駆体を含む固体原料を一次投入し(フェノール樹脂前駆体を最後に投入した。)、混合槽を60℃に加温しながら、2時間攪拌を行い、次いで、60℃に加温しながら二次投入を行い、1分間攪拌を行なった。ここで、石灰質原料の投入については一次投入および二次投入で行った。硫酸化合物については実施例1では一次投入、実施例2および3では二次投入で行った。混合後のスラリーを型枠に流し込み、60℃にて予備硬化させた。これらを脱型してオートクレーブにて190℃で4時間、高温高圧養生を行った後に乾燥して珪酸カルシウム硬化体を得た。なおここで珪酸質原料は、珪石粉砕粉(秩父鉱業(株)製:ブレーン比表面積11000cm/g)およびシリカフューム(EFACO社製:EFACO SILICA)を用いた。また石灰質原料としては生石灰(河合石灰工業(株)製)を、セメントは普通ポルトランドセメント(OPC)を用いた。硫酸化合物は二水石膏(純度97%以上)を用いた。フェノール樹脂の前駆体としてレゾール(旭有機材工業(株)製:AVライトレジン、固形分濃度80wt%)を用いた。表1の重量部は、水を含まない固形分で表記した。すなわち、二水石膏の場合、CaSOとして、硫酸アルミニウムの18水和物の場合、Al(SO3 として、レゾールの場合、固形分としての重量部である。これら得られた珪酸カルシウム硬化体の各種物性を表3に示す。実施例1の珪酸カルシウム硬化体の粉末X線回折の結果を図1に示す。トバモライトの(220)が最強線であった。実施例1の珪酸カルシウム硬化体の水銀圧入法による細孔分布曲線を図2に示した。また、これら珪酸カルシウム硬化体の破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、その構造は、いずれの硬化体においても、トバモライトの板状粒子と、少量の繊維状粒子から構成されていた。
【0048】
【比較例1】
レゾールを含まないこと以外は実施例1と同様に行なった。硬化体の各種物性を表3に示す。
【0049】
【比較例2】
レゾールを含まないこと以外は実施例2と同様に行なった。硬化体の各種物性を表3に示す。
【0050】
【表1】
Figure 2004075462
【0051】
【表2】
Figure 2004075462
【0052】
【表3】
Figure 2004075462
【0053】
【発明の効果】
本発明の珪酸カルシウム硬化体は、軽量でありながら高い曲げ強度、高い圧縮強度、高い弾性率を有し、耐火性に優れ、加工性にも優れることから、各種外壁材、内壁材、等に好適である。具体的には、耐火間仕切り板、クロス直仕上げ用壁材、防火軒天、耐火被覆板、ビル用外壁、住宅床板、耐火野地板、等に使用でき、特に、支持部材間隔が長い部位に必要な長尺のパネル、薄板化パネルとして利用可能であり、数倍の物性を有する建材の提供を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた珪酸カルシウム硬化体の粉末X線回折図である。また、粉末X線回折図におけるに対するIa、Ibの算出方法の説明図でもある。
【図2】実施例1で得られた珪酸カルシウム硬化体の水銀圧入法における微分細孔分布図である。また、水銀圧入法における微分細孔分布の対数半値幅算出方法の説明図でもある。

Claims (7)

  1. 結晶性珪酸カルシウム水和物およびフェノール樹脂を含み、且つ、かさ比重が0.05以上、1.0以下であることを特徴とする珪酸カルシウム硬化体。
  2. 結晶性珪酸カルシウム水和物を主体とし、フェノール樹脂を0.1wt%以上10wt%以下含むことを特徴とする請求項1に記載の珪酸カルシウム硬化体。
  3. 結晶性珪酸カルシウム水和物がトバモライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の珪酸カルシウム硬化体。
  4. 粉末X線回折におけるトバモライトの(220)面の回折ピーク強度Ibがトバモライトの(220)面と(222)面の2本の回折ピークに挟まれた角度領域における回折強度の最低値Iaとの間に、Ib/Iaが3.0以上となる関係を持つことを特徴とする請求項3に記載の珪酸カルシウム硬化体。
  5. 水銀圧入法で測定される微分細孔分布の最大値の1/4の高さにおける対数分布幅が、かさ比重が0.14以上1.0以下である場合、0.4以上1.2以下であり、かさ比重が0.05以上0.14未満の場合、0.4以上2.0以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の珪酸カルシウム硬化体。
  6. フェノール樹脂がレゾール系フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の珪酸カルシウム硬化体。
  7. 少なくとも珪酸質原料と石灰質原料とフェノール樹脂の前駆体と水からなるスラリーを型枠に注入し、予備硬化した後に、オートクレーブで養生することを特徴とする珪酸カルシウム硬化体の製造方法。
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