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JP2004074889A - 自転車用クランク駆動チェーン装置 - Google Patents

自転車用クランク駆動チェーン装置 Download PDF

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Abstract

【目的】自転車の運転状態において、運転者による直線的なペダル踏み下げ力を走行負荷状態に応じた最適なトルク特性に変換することができる新規な機構を提供する。
【構成】クランク軸と、該クランク軸と同軸に一体的に回転する一対のクランクアームおよびクランクチェーンギアと、後輪ハブに同軸に一体的に回転するリアチェーンギアと、クランクチェーンギアとリアチェーンギアの間に張設した駆動チェーンとを備えた自転車用クランク駆動チェーン装置において、駆動チェーンの張り側経路中に、クランク軸の回転周期の半分の周期で動作する偏心中間アイドルギアを介在させて駆動チェーンと噛み合わせることにより、張り側チェーン経路長を周期的に変化させ、走行中のクランク軸に角速度変化を与える。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自転車用クランク駆動チェーン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に自転車用クランク駆動チェーン装置は、自転車のボトムブラケットにクランク軸ならびに該クランク軸と一体化された一対のクランクアームおよびクランクチェーンギアを設けるとともに、後輪ハブにはリアチェーンギアを設け、クランクチェーンギアとリアチェーンギアの間に駆動チェーンを張設して、クランクアームに連結したペダルの踏み込みにより発生したトルクをクランクチェーンギアから駆動チェーンを介してリアチェーンギアに伝達し、後輪を駆動して自転車を走行するようにしている。
【0003】
自転車運転時のペダリング動作は、図12に示すように、運転者Aの膝関節Bが往復機関のピストン、脛Cがコネクティングロッドの役割を果たしており、膝関節部の上下運動によってクランク軸Dを回転させるものであり、典型的な往復運動クランク回転機構である。このため、膝関節BとペダルEおよびクランク軸Dが一直線上に位置した場合(図12の状態)は上死点となり、回転トルクが生じない。また、図12に示す位置からクランク軸Dが(同図において)反時計方向に180°回転した位置では下死点となって、このときも回転トルクが生じない。クランク軸Dが上死点から下死点へと180°回転する間に運転者AがペダルEを踏み込むことによってトルクを生じさせ、これをクランクチェーンギアFから駆動チェーンGを介してリアチェーンギアHに伝達して後輪Iを走行駆動する。
【0004】
クランクペダルの踏み下げ速度は実効クランクアーム長に比例するため、踏み始め(クランク軸の上死点近く)と終わり(下死点近く)では速度が遅く中間域で速度が速い正弦波カーブを描く(図13参照)。また、特別な訓練を受けていない一般の人はほとんどがペダル踏み下げ動作のみで有効なトルクを発生させており、その有効クランク角度は上死点後45°〜135°の間の約90°の角度範囲(図13下図の横線領域)となる。言い換えれば、クランク長の実寸をrとすると、クランク軸角度θのときの有効クランク長LはL=rsinθとなるので、有効クランク長Lがクランク長rの70%以上となる領域がトルク発生の実用領域であると考えられる。この範囲以外の踏み下げ領域ではトルク変換効率が低く、非効率なペダリング動作を強いられている。
【0005】
このような問題を解決するための手段として、クランクチェーンギアを楕円形等の非円形にすることが従来より提案されている(特公昭62−43906号公報、特公昭62−43907号公報、特開平9−20281号公報、特開平10−291493号公報、実用新案登録第3024134号公報等)。非円形クランクチェーンギアにおいてはピッチ径が歯ごとに異なることから、リアチェーンギアが真円形であっても、ペダリング周期においてギア比を連続的に変化させることができるため、適切なギア比を設定することによってペダル踏み下げによるトルク変換効率を向上させようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように非円形クランクチェーンギアを採用することについて多くの提案がなされているにもかかわらず、一般に定着するには至っていないのが現状である。
【0007】
これには幾つかの理由が考えられるが、一つは、非円形ギアを製造することの困難さとそれに伴う製造コストの増大である。クランクチェーンギアを非円形とすることはその歯ごとのピッチ径を駆動チェーンのピッチに対応させなければならず、しかも該ピッチ径を所望のギア比が得られるように設定しなければならないため製造が困難であり、しかも汎用性に乏しいため一般の市販品を流用することができず、製造コストが嵩んでしまう。
【0008】
また、クランクチェーンギアの非円形を極端にする(楕円率(長軸/短軸の比率)を大きくする)と、ペダリングにおいてその一部に負荷が集中したり、駆動チェーンの曲がり角が大きくなる等の理由によって十分な耐久性を確保することができないという問題がある。さらには、非円形クランクチェーンギアの長軸が略水平となった状態で負荷がかかると、水平に近い領域で駆動チェーンに滑りが生じてチェーンが外れやすくなるという問題もある。このため、クランクチェーンギアを非円形にするとしてもその楕円率は1.3程度が実用上の限度であるが、この程度の楕円率では約±15%の変化率にすぎず、真円形クランクチェーンギアと比べた場合の改善効果が体感上得られなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の事情に鑑みて、本発明は、自転車の運転状態において、運転者による直線的なペダル踏み下げ力を走行負荷状態に応じた最適なトルク特性に変換することができる新規な機構を提供することを目的とする。
【0010】
自転車が定常走行しているときは、運転者および自転車の質量による車輪の回転が基準となっている。そこで、本発明者は、クランクチェーンギアとリアチェーンギア間の張り側において駆動チェーンと噛み合う偏心中間アイドルギアを設けることにより該張り側の経路長をクランク軸の回転に同期させて周期的に変化させ、クランク軸の回転に角速度変化を生じさせることを見出した。
【0011】
自転車のクランク軸には2本のクランクアームが180°間隔で連結されるので、張り側チェーン経路中に円形の偏心アイドルギアを噛み合わせて偏心回転させる場合、クランク軸の回転速度の2倍の速度で回転するように同期させればよく、すなわち、クランクチェーンギアの歯数の半分の歯数を持つギアを用いればよいことになる。また、偏心ギアによるチェーン経路長の変化は180°ごとに最大・最小を繰り返すので、クランク軸上では90°ごととなる。ここで、基準クランク軸角速度に対して、偏心中間ギアによるクランク軸角速度変化率増加側を+、減少側を−とすると、
増加側変化率(+%)=(Rp−1)×100
減少側変化率(−%)=(Rm−1)×100
となる。ここで、Rpは偏心ギアの入力側最大有効半径と出力側最小有効半径との比、Rmは偏心ギアの入力側最小有効半径と出力側最大有効半径との比である。
【0012】
上記算出式により変化率が±15%〜±50%となるようにして試作したところ、いずれも機構的には全く問題なく動作するものであったが、人間の脚の動きがクランク軸の角速度変化に追従できる範囲は±30%が限度であることが分かった。また、円形偏心中間アイドルギアによるクランク軸の角速度変化は略正弦波カーブであり、クランクペダルの踏み下げ速度を補正するに十分な特性を持っていることも確認された。
【0013】
本発明は、以上の知見および実験に基づいて完成するに至ったものであり、クランク軸と、該クランク軸と同軸に一体的に回転する一対のクランクアームおよびクランクチェーンギアと、後輪ハブに同軸に一体的に回転するリアチェーンギアと、クランクチェーンギアとリアチェーンギアの間に張設した駆動チェーンとを備えた自転車用クランク駆動チェーン装置において、駆動チェーンの張り側経路中に、クランク軸の回転周期の半分の周期で動作する偏心中間アイドルギアを介在させて駆動チェーンと噛み合わせることにより、張り側チェーン経路長を周期的に変化させ、走行中のクランク軸に角速度変化を与えることを特徴としている。
【0014】
偏心中間アイドルギアは、クランクチェーンギアの半分の歯数を有する円形ギアとして構成することが好ましい。
【0015】
本発明による自転車用クランク駆動チェーン装置は、クランク軸の180°回転の間で一方のクランクアームが上死点および下死点に位置するときをそれぞれクランク軸回転角度0°および180°として、クランク軸回転角度45°のときに張り側チェーン経路が最短となり、クランク軸回転角度135°のときに張り側チェーン経路が最長となるような第1の設定で実施することが可能である。
【0016】
また、同様に、クランク軸の180°回転の間で一方のクランクアームが上死点および下死点に位置するときをそれぞれクランク軸回転角度0°および180°として、クランク軸回転角度0°のときに張り側チェーン経路が最短となり、クランク軸回転角度90°のときに張り側チェーン経路が最長となるような第2の設定が実施することも可能である。
【0017】
さらには、これら第1および第2の設定を含む複数の設定を可能にするための設定変更手段を設けることができる。この設定変更手段としては、偏心中間アイドルギアに同心状に形成される複数の係合穴と、これら係合穴の一つに係合可能であるロックピンと、ロックピンを係合穴の一つに係合させる方向にロックピンを付勢するスプリングと、ロックピンをスプリングの付勢に抗して係合穴との係合から解除するための操作ノブとを有する構成を採用することができる。また、他の設定変更手段として、偏心中間アイドルギアの回転軸を複数位置間で移動可能に設けるとともに、該偏心中間アイドルギアの回転軸を位置移動させるための切り替えレバーを設けた機構として構成することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明による自転車用クランク駆動チェーン装置の理念的構成を図1に示す。同図において、符号1はクランクチェーンギア、2はリアチェーンギア、3はこれらの間に張設された駆動チェーン、4は駆動チェーン3の張り側に噛み合う偏心中間アイドルギア、5は本発明の主題には直接関連しないテンション装置である。
【0019】
図1の構成において、クランクチェーンギア1として直径194.6mmの円形ギアを用い、偏心中間アイドルギア4として直径97.3mm、偏心量8.5mmの円形偏心ギアを用い、偏心中間アイドルギア4を張り側(駆動側)に略90°噛み合わせることによって変動するクランク軸角速度変化率は、下記計算式より+28%、−22%となり、略±25%となる。
((54.5/42.5)−1)×100=+28(%)
((42.5/54.5)−1)×100=−22(%)
【0020】
比較のため、従来技術に基づいてクランクチェーンギアを楕円形ギアにした場合は、楕円率(長軸/短軸の比率)を1.6としたときに半径変化率が±23%となる(図14)が、前述したようにこのような楕円率とすることは実用的な限界を大きく超えるものであって実製品では採用することができない。
【0021】
図2は、本発明のより具体的な実施形態を示すもので、クランク軸(図示せず)と同軸に一体的に回転するクランクチェーンギア1と、後輪ハブ6と同軸に一体的に回転するリアチェーンギア2との間に張設した駆動チェーン3の張り側に、円形偏心中間アイドルギア4を噛み合わせている。一対のクランクアーム7a,7bがクランク軸の両端に180°間隔で取り付けられていてクランク軸と同軸に一体的に回転する。クランクアーム7a,7bの先端にはそれぞれ回動自在にペダル8a,8bが連結されている。
【0022】
図2(A)は偏心ギア4の中心が回転軸10の最上方位置にあって、駆動チェーン3の張り側経路長が最短となっているときであり、この実施形態では、一方のクランクアーム7a(右足をペダル8aにかけて踏み込む)が上死点にあるときのクランク軸回転角度を0°として、クランク軸回転角度が45°のときに張り側駆動チェーン経路長が最短となるように設定している(以下の記述においてこの設定を「標準設定」と呼ぶ)。図2(B)は偏心ギア4の中心が回転軸10の最下方位置にあり、クランク軸回転角度が135°であって、駆動チェーン3の張り側経路長が最長となっているときである。
【0023】
図3は、この実施形態におけるクランク軸回転角度とクランク軸角速度との関係(A)および後輪駆動トルクとの関係(B)を示すグラフである。図3(A),(B)において実線がこの実施形態における関係であり、破線は偏心ギア4を用いない場合を参考的に示している。駆動チェーンの張り側に偏心ギアを用いない場合は、図3(A)に破線で示されるようにクランク軸が一定速度で回転して角速度変化がないため、クランク軸回転角度と駆動トルクとの関係は図3(B)に破線で示されるようなものとなり、前述のように、そのピークトルクの70%以上が実用領域であるとすると、(片足によるペダリング角度範囲180°のうちの)45°〜135°の約90°のクランク軸回転角度範囲で有効トルク発生が得られることになる。
【0024】
これに対して、図2の標準設定の本発明実施形態によると、図3(A)に実線で示されるようにクランク軸回転角度が45°〜135°の範囲で角速度が減少し、90°のときに角速度減少がピークとなり、これに伴って、図3(B)に実線で示されるように、偏心ギアなしの場合に比べて若干平坦なトルクカーブを描くことになる。図3(B)に示す偏心ギアなしの場合(破線)と本発明実施形態の場合(実線)の各トルクカーブをそれらのピークを合わせて描写したのが図4であり、ピークトルクの70%以上が実用領域であるとすると、偏心ギアなしの場合は前述のように45°〜135°の約90°のクランク軸回転角度範囲で有効トルク発生が得られるのに対して、より平坦なトルクカーブを描く本発明実施形態の場合には、約30°〜150°の約120°の広範囲にわたって有効トルク発生が得られており、有効トルク発生領域が拡大されていることが分かる。
【0025】
ここで、標準設定の本発明実施形態の場合に図3(B)で実線で示すようなトルクカーブが得られることについて、図2とともに図5を参照して説明すると、張り側駆動チェーン経路が最短となる図2(A)の位置(クランク軸回転角度=45°)と同経路が最長となる図2(B)の位置(クランク軸回転角度=135°)では経路長が変化しないデッドポイントとなるため、クランク軸角速度が一定である偏心ギアなしの場合と発生トルクは同じである(図3(B)参照)。
【0026】
より詳しく説明すると、駆動チェーンの張り側に偏心アイドルギア4を噛ませた本発明機構では、トルク入力側(クランクチェーンギア1側)における偏心ギアの有効半径(駆動チェーン3との接点と偏心ギア4の回転軸10との間の距離)とトルク出力側(リアチェーンギア2側)における偏心ギア有効半径との比が出力トルクを決定することになるが、図2(A)=図5(A)のデッドポイントではトルク入力側とトルク出力側とで偏心ギア4の有効半径が同じである(RA=RA)ため、トルク変化が生じない。同様に、図3(B)=図5(B)のデッドポイントでもトルク入力側とトルク出力側とで偏心ギア4の有効半径が同じである(RC=RC)ため、トルク変化が生じない。
【0027】
これに対して、クランク軸回転角度が45°〜135°の間にあるときは、図5(C)に示すように、トルク入力側の偏心ギア有効半径(RS)とトルク出力側の偏心ギア有効半径(RL)との関係がRL>RSとなるため、偏心ギアなしの場合と比べると発生トルクは減少する(図3(B)参照)が、後輪駆動速度は速くなる。そして、RL/RSの比率は図5(C)に示す位置、すなわちクランク軸回転角度が90°となるとき、言い換えればクランクアーム7a,7bが略水平となるときに最大となるので、このときに、発生トルクは相対的に最小となるが後輪駆動速度が最大となる。
【0028】
標準設定時の本発明実施形態は上記のような特性を有するので、上死点から下死点に至るペダリングにおいて比較的フラットなトルク発生が得られ、有効トルク発生領域が従来の45°〜135°の約90°の範囲から約30°〜150°の約120°の広範囲にわたって得られる。また、この標準設定によると、クランク軸回転角度が90°のときに最大の後輪駆動速度が得られるので、通常の自転車走行において最も負荷がかかるときにペダリングが軽く感じられて、スムーズな走行感が得られる。
【0029】
図2の実施形態に示す偏心ギア4の詳細が図6に示されている。偏心ギア4の中心開口(符号なし)に偏心軸ユニット9の軸9aが嵌入されており、この偏心軸9aと平行に延長する中空軸(符号なし)には、偏心ギア4の回転軸となるロックピン10が、スプリング14により同図において下方に付勢された状態で挿入されている。ロックピン10の一端にはノブ10aが設けられ、他端は上記バネ付勢によって、偏心ギア4に同心状に所定等角度(この実施形態では30°)間隔で配列された係合穴11のいずれか一つと係合している。偏心軸ユニット9の回転軸部9bは、ボールベアリング12を介して、自転車の適所に固定された軸受13に対して回転可能に装着されている。
【0030】
上記構成において、スプリング14の付勢に抗してノブ10aを引き上げてロックピン10を係合穴11から抜き出し、このままの状態で偏心ギア4を所望の角度だけ手動回転させた後に、ノブ10aから手を離すことにより、ロックピン10を以前とは別の係合穴11に係合させることができるので、クランク軸回転角度と張り側駆動チェーン経路長との相関関係に関する設定を任意に変えることができる。
【0031】
たとえば、前述の標準設定からクランク軸回転角度45°だけ位相をマイナス方向にずらして、クランク軸回転角度が0°のとき(クランクアーム7aが上死点にあるとき)に張り側駆動チェーン経路長が最短となり、クランク軸回転角度が180°のとき(クランクアーム7aが下死点にあるとき)に張り側駆動チェーン経路長が最長となるように設定することができ(以下の記述においてこの設定を「疑似変速モード設定」と呼ぶ)、この場合の実施形態の概略構成が図7(A)(クランク軸回転角度0°のときの状態図)および図7(B)(クランク軸回転角度90°のときの状態図)に示されており、また、この実施形態におけるクランク軸回転角度とクランク軸角速度との関係(A)および後輪駆動トルクとの関係(B)を示すグラフが図8に示されている。図8(A),(B)において実線がこの実施形態における関係であり、破線は偏心ギア4を用いない場合を参考的に示している。駆動チェーンの張り側に偏心ギアを用いない場合については、図3(A),(B)を参照して既述したので、ここでは説明を省略する。
【0032】
図7の疑似変速モード設定の本発明実施形態によると、図8(A)に実線で示されるようにクランク軸回転角度が0°〜90°の範囲で角速度が減少して45°のときに角速度減少がピークとなり、また、90°〜180°のクランク軸回転角度範囲では角速度が増大して135°のときに角速度増大がピークとなり、これに伴って、図8(B)に実線で示されるようなトルクカーブを描くことになる。
【0033】
ここで、疑似変速モード設定の本発明実施形態の場合に図8(B)で実線で示すようなトルクカーブが得られることについて説明すると、張り側駆動チェーン経路が最短となる図7(A)の位置(クランク軸回転角度=0°)と同経路が最長となる図7(B)の位置(クランク軸回転角度=90°)では経路長が変化しないデッドポイントとなるため、クランク軸角速度が一定である偏心ギアなしの場合と発生トルクは同じである(図8(B)参照)。
【0034】
すなわち、前述のように、駆動チェーンの張り側に偏心アイドルギア4を噛ませた本発明機構では、トルク入力側(クランクチェーンギア1側)における偏心ギアの有効半径(駆動チェーン3との接点と偏心ギア4の回転軸10との間の距離)とトルク出力側(リアチェーンギア2側)における偏心ギア有効半径との比が出力トルクを決定することになるが、図7(A)および図7(B)の各デッドポイントではトルク入力側とトルク出力側とで偏心ギア4の有効半径が同じであるため、トルク変化が生じない。
【0035】
これに対して、クランク軸回転角度が0°〜90°の間にあるときは、図9(A)に示すように、トルク入力側の偏心ギア有効半径(RS)とトルク出力側の偏心ギア有効半径(RL)との関係がRL>RSとなるため、偏心ギアなしの場合と比べると発生トルクは減少する(図8(B)参照)が、後輪駆動速度は速くなる。一方、クランク軸回転角度が90°〜180°の間にあるときは、図9(B)に示すように、トルク入力側の偏心ギア有効半径(RS)とトルク出力側の偏心ギア有効半径(RL)との関係がRL<RSとなるため、偏心ギアなしの場合と比べると発生トルクが増大し(図8(B)参照)、後輪駆動速度は遅くなる。
【0036】
疑似変速モード設定時の本発明実施形態は上記のような特性を有するので、特別な訓練を受けていない一般の人がペダリングするときに十分な踏み込み力を得にくい上死点から90°までの領域ではトルク発生は小さいものの後輪駆動速度が速くなるので、軽快な走行感が得られ、一方、大きな踏み込み力が得られる90°から下死点までの領域、特に最大の踏み込み力が得られる135°近辺できわめて大きなトルク発生が得られるので、0°〜90°までの走行で得られた速度を利用した十分なペダル踏み込みによって高トルク発生が可能となり、発進時や登坂時等の高負荷時にも肉体的負担を軽減させた効率のよい走行が可能となる。
【0037】
また、この走行特性によると、運転者はペダリング周期の後半である90°〜180°のクランク軸回転角度範囲において集中的にペダリングを行い、前半の0°〜90°では負荷の少ない軽快なペダリングで速度を稼ぐことに集中すればよいので、単純な繰り返し動作から開放されたメリハリのある運転動作を行うことができ、長距離運転時の疲労感を減少させることができる。
【0038】
さらに、偏心ギアなしの場合に90°〜180°のペダリング周期後半での走行に負担感が大きいのは、角速度が一定であってトルク発生が徐々に減少してゆく(図3および図8の破線)トルク特性であるだけでなく、このときにはペダリングを担当している足とは反対の足を持ち上げるための負荷がさらに加わって運転者の肉体的負担が増大されることにあるが、上記した本発明の疑似変速モード設定によれば、この間のトルク発生が増大しているので、反対の足を持ち上げるための負荷に対しても疲労感が少ない。
【0039】
以上において、本発明による自転車走行特性の設定として「標準設定」と「疑似変速モード設定」の2通りを説明したが、クランク軸回転角度と張り側駆動チェーン経路長との関係、言い換えればクランク軸回転角度とクランクアーム位置との関係を任意に変更することによって様々な設定にすることができる。
【0040】
また、本発明による自転車走行特性の設定を変更するために、前述の実施形態では図6に示すような構成の可変機構付き偏心ギア4を用いて、ロックピン10の抜き差しによって設定変更を行うようにしたが、かかる設定変更手段としては任意の構成を採用することができる。
【0041】
たとえば、図10および図11に示すような切り替えレバー15の先端を偏心ギア4の移動可能な回転軸17に回動自在に連結するとともに、その中間地点を支点16に軸支して、運転者が切り替えレバー15を操作することによって偏心ギア4の回転軸17を移動させ、クランクアーム7a,7bの位置をクランク軸に対して相対的に回転させることができるような構成を採用してもよい。図10(A),(B)は図2(A),(B)に対応する標準設定における45°および135°の各デッドポイント位置を示し、この標準設定から切り替えレバー15を支点16を中心として図において反時計方向に回動させることによって、図11(A),(B)に示すように、図7(A),(b)に対応する疑似変速モード設定とすることができる。
【0042】
以上に本発明の幾つかの実施形態について図面を参照しながら詳述したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において広く変形態様を取り得る。たとえば、張り側駆動チェーン経路長を周期的に変化させるための中間偏心アイドルギアとして、偏心ギア4に代えて遊星ギアを用いることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、クランク軸と、該クランク軸と同軸に一体的に回転する一対のクランクアームおよびクランクチェーンギアと、後輪ハブに同軸に一体的に回転するリアチェーンギアと、クランクチェーンギアとリアチェーンギアの間に張設した駆動チェーンとを備えた自転車用クランク駆動チェーン装置において、駆動チェーンの張り側経路中に、クランク軸の回転周期の半分の周期で動作する偏心中間アイドルギアを介在させて駆動チェーンと噛み合わせることにより、張り側チェーン経路長を周期的に変化させ、走行中のクランク軸に角速度変化を与えるようにしたので、自転車の運転状態において、運転者による直線的なペダル踏み込み力を走行負荷状態に合わせた最適トルク特性に変換することができ、トルク変換効率を顕著に向上させることができる。
【0044】
本発明によれば、偏心中間アイドルギアを含むすべてのギアについて円形ギアを使用可能であるため、製作コストが安価に済み、楕円形ギア等の非円形ギアをクランクチェーンギアに用いた場合の欠点を排除することができる。
【0045】
さらに、本発明によれば、各ギアの歯数、偏心中間アイドルギアの偏心量、クランクアームとの偏心軸角度等の設定における自由度が大きく、有効クランク角度を上死点後30°〜150°間の約120°の範囲に亘るまで拡大することでき、従来の円形クランクチェーンギア方式の場合の有効クランク角度が45°〜135°間の約90°の範囲であったことに比べて、顕著な改善効果を得ることができる。
【0046】
また、本発明によれば、クランク軸回転角度と張り側駆動チェーン経路長との相関関係ないし自転車走行特性を任意に設定可能であり、自転車走行時の負荷状態や運転者の嗜好に応じた設定をすることができ、変速ギアを付けなくても疑似変速動作を行うように設定することが可能であるし、2〜3段程度の簡単な変速ギアを付加することによってより一層の走行性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自転車用クランク駆動チェーン装置の理念的構成図である。
【図2】本発明のより具体的な実施形態を標準設定にして示す装置構成図で、同図(A)は張り側駆動チェーンが最短経路となるとき、同図(B)は張り側駆動チェーンが最長経路となるときの状態図である。
【図3】標準設定の本発明実施形態におけるクランク軸回転角度とクランク軸角速度との関係(A)および後輪駆動トルクとの関係(B)を示すグラフである。
【図4】図3(B)に示す偏心ギアなしの場合(破線)と本発明実施形態の場合(実線)の各トルクカーブをそれらのピークを合わせて示すグラフである。
【図5】標準設定の本発明実施形態におけるクランク軸回転角度45°(A)、135°(B)および90°(C)のときの各状態説明図である。
【図6】図2の実施形態に示す偏心ギアの断面図(A)および平面図(B)である。
【図7】疑似変速モード設定にした本発明実施例の装置構成図で、同図(A)は張り側駆動チェーンが最短経路となるとき、同図(B)は張り側駆動チェーンが最長経路となるときの状態図である。
【図8】疑似変速モード設定の本発明実施形態におけるクランク軸回転角度とクランク軸角速度との関係(A)および後輪駆動トルクとの関係(B)を示すグラフである。
【図9】疑似変速モード設定の本発明実施形態におけるクランク軸回転角度45°(A)および135°(B)のときの各状態説明図である。
【図10】自転車走行特性の設定変更手段として切り替えレバーを用いた実施形態を標準設定にしたときの装置構成図で、同図(A)は張り側駆動チェーンが最短経路となるとき、同図(B)は張り側駆動チェーンが最長経路となるときの状態図である。
【図11】図10の実施形態を疑似変速モード設定にしたときの装置構成図で、同図(A)は張り側駆動チェーンが最短経路となるとき、同図(B)は張り側駆動チェーンが最長経路となるときの状態図である。
【図12】自転車運転時のペダリング動作を示す説明図である。
【図13】クランク軸の回転とそれに伴う有効クランク長の変化の関係を示す図である。
【図14】従来技術に基づいてクランクチェーンギアを楕円形ギアにした場合の自転車用クランク駆動チェーン装置の理念的構成図である。
【符号の説明】
1 チェーンクランクギア
2 リアチェーンギア
3 駆動チェーン
4 偏心ギア
5 テンション装置
6 後輪ハブ
7a,7b クランクアーム
8a,8b ペダル
9 偏心ギアユニット
10 ロックピン(偏心ギアの回転軸)
11 係合穴
12 ボールベアリング
13 軸受
14 スプリング
15 切り替えレバー
16 支点
17 偏心ギアの回転軸

Claims (5)

  1. クランク軸と、該クランク軸と同軸に一体的に回転する一対のクランクアームおよびクランクチェーンギアと、後輪ハブに同軸に一体的に回転するリアチェーンギアと、クランクチェーンギアとリアチェーンギアの間に張設した駆動チェーンとを備えた自転車用クランク駆動チェーン装置において、駆動チェーンの張り側経路中に、クランク軸の回転周期の半分の周期で動作する偏心中間アイドルギアを介在させて駆動チェーンと噛み合わせることにより、張り側チェーン経路長を周期的に変化させ、走行中のクランク軸に角速度変化を与えることを特徴とする、自転車用クランク駆動チェーン装置。
  2. 偏心中間アイドルギアが、クランクチェーンギアの半分の歯数を有する円形ギアとして構成されることを特徴とする、請求項1記載の自転車用クランク駆動チェーン装置。
  3. クランク軸の180°回転の間で一方のクランクアームが上死点および下死点に位置するときをそれぞれクランク軸回転角度0°および180°として、クランク軸回転角度45°のときに張り側チェーン経路が最短となり、クランク軸回転角度135°のときに張り側チェーン経路が最長となるような第1の設定が採用されることを特徴とする、請求項1または2記載の自転車用クランク駆動チェーン装置。
  4. クランク軸の180°回転の間で一方のクランクアームが上死点および下死点に位置するときをそれぞれクランク軸回転角度0°および180°として、クランク軸回転角度0°のときに張り側チェーン経路が最短となり、クランク軸回転角度90°のときに張り側チェーン経路が最長となるような第2の設定が採用されることを特徴とする、請求項1または2記載の自転車用クランク駆動チェーン装置。
  5. クランク軸の180°回転の間で一方のクランクアームが上死点および下死点に位置するときをそれぞれクランク軸回転角度0°および180°として、クランク軸回転角度45°のときに張り側チェーン経路が最短となり、クランク軸回転角度135°のときに張り側チェーン経路が最長となるような第1の設定と、クランク軸回転角度0°のときに張り側チェーン経路が最短となり、クランク軸回転角度90°のときに張り側チェーン経路が最長となるような第2の設定とを含む複数の設定を可能にするための設定変更手段が設けられることを特徴とする、請求項1または2記載の自転車用クランク駆動チェーン装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110053699A (zh) * 2019-06-06 2019-07-26 金洪烈 一种人力车双功能踏杆驱动的四杆驱动机构

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