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JP2004071785A - 噴流式はんだ付け装置 - Google Patents

噴流式はんだ付け装置 Download PDF

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JP2004071785A
JP2004071785A JP2002228294A JP2002228294A JP2004071785A JP 2004071785 A JP2004071785 A JP 2004071785A JP 2002228294 A JP2002228294 A JP 2002228294A JP 2002228294 A JP2002228294 A JP 2002228294A JP 2004071785 A JP2004071785 A JP 2004071785A
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solder
jet
printed wiring
wiring board
hole
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JP2002228294A
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Keiichiro Imamura
今村 桂一郎
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Nihon Den Netsu Keiki Co Ltd
Original Assignee
Nihon Den Netsu Keiki Co Ltd
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Abstract

【課題】めっきスルーホールを有するプリント配線板に鉛フリーはんだの第1の噴流波と第2の噴流波とを順に供給してはんだ付けする噴流式はんだ付け装置において、高融点鉛フリーはんだは融点が220℃程度と高いため、第1の噴流波と第2の噴流波との間でめっきスルーホールに供給された鉛フリーはんだが凝固して濡れが停止し、はんだ付け不良を生じる場合があった。
【解決手段】長孔5状の多数の透孔群6により形成されるはんだ吹き口の幅aをプリント配線板4がはんだ温度にチャージされる幅となるように第1の噴流波1を設けるとともに、第2の噴流波11までの間隔bをa:b=1:3以下にして、めっきスルーホール内のはんだを凝固しないようにした。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を搭載しめっきスルーホールを有するプリント配線板とはんだの噴流波を接触させてはんだ付けを行う際に使用する噴流式はんだ付け装置に関するものであり、特に鉛フリーはんだを使用してめっきスルーホールにはんだを十分に濡れ上がらせ、このめっきスルーホールに繋がるランドにはんだを濡れ広がらせることができる噴流式はんだ付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数の電子部品をプリント配線板にはんだ付け実装する際に、噴流式はんだ付け装置が用いられている。すなわち、噴流式はんだ付け装置が形成する溶融状態のはんだの噴流波に、プリント配線板の被はんだ付け部が存在する面すなわち被はんだ付け面(通常は下方側の面)を接触させ、これによりその被はんだ付け部にはんだを供給してはんだ付けを行う装置である。また、めっきスルーホールを有するプリント配線板に対しては、このめっきスルーホールにはんだを濡れ上がらせ、このめっきスルーホールに繋がるランドにもはんだを濡れ広がらせる必要がある。
【0003】
図4は、従来の噴流式はんだ付け装置の一例を説明するための図で、(a)はその要部をプリント配線板の搬送方向に対する縦断面で示した図、(b)は被はんだ付けワークであるプリント配線板がはんだ付けの過程でどのような温度変化を示すかを説明するための温度プロファイルの例を示す図で、縦軸は温度を表し、横軸は経過時間を表している。
【0004】
なお、噴流式はんだ付け装置では通常はプリント配線板4を定速搬送するので、図4(b)の横軸は(a)に示す噴流式はんだ付け装置における搬送位置と一致するように描いてある。そして、実線はプリント配線板4の下方側の面の被はんだ付け部の温度を表し、点線はめっきスルーホール21(図5参照)内の温度を表している。
【0005】
すなわち、プリント配線板4を仰角φで矢印X方向に搬送する搬送コンベア20に沿って、予備加熱ヒータ35と溶融状態のはんだ8を噴流して形成される第1の噴流波31および第2の噴流波11が順に配設されている。
【0006】
これらの噴流波31,11は、はんだ槽32に収容され図示しないヒータにより加熱されて溶融状態のはんだ8を、ポンプ33,34により第1および第2の吹き口体2,13に供給して形成される。図4に示した例は最も一般的に使用されているところの噴流式はんだ付け装置であり、第1の吹き口体2と第2の吹き口体13とをプリント配線板4の搬送方向に沿って順に配設し、第1の噴流波31と第2の噴流波11とを順に配設した構成である。なお、はんだ8の温度は、図示しない温度センサおよび温度制御装置によりヒータに供給される電力を調節して目的とする値に制御されている。
【0007】
また、前記のように図4(b)は、プリント配線板4の被はんだ付け部すなわちめっきスルーホール21やそれに繋がるランド22(図5参照)に温度センサ(不図示)を取り付けて、このはんだ付け部の温度がはんだ付け作業に伴ってどのように変化するかを測定した温度プロファイルの例であり、実線はプリント配線板4の下方側の面のランド22の温度を示し、点線はめっきスルーホール21の内壁の温度を示している。これらの温度は、ランド22やめっきスルーホール21内壁に高温はんだ(融点350℃程度のはんだ)により、温度センサである熱電対をはんだ付けして測定したものである。
【0008】
なお、従来はこの点線で示すめっきスルーホール21内壁の温度を問題としていなかったので、この内壁の温度を示して解説・分析した文献例は無い。このめっきスルーホール21の内壁の温度については、後に詳しく分析して説明し、本項では従来のように実線で示す被はんだ付け面のランド22の温度を取り上げて説明する。
【0009】
すなわち、図4(b)において実線で示されるように、搬送コンベア20で搬送されるプリント配線板4は予備加熱ヒータ35で約120℃程度まで加熱され、続いて第1の噴流波31および第2の噴流波11にその被はんだ付け面(図の下方側の面)を順次に接液させてはんだ付けが行われる。なお、図4(b)に示す例では、はんだ付けに使用するはんだ8として鉛フリーはんだを使用し、その温度を255℃に制御している。そのため、温度プロファイル中の期間Aと期間Cの箇所において温度が255℃に到達している。
【0010】
このように、プリント配線板4は予備加熱工程とはんだ付け工程とによりはんだ付けが行われ、はんだ付け工程では、一般的に第1の噴流波31で被はんだ付け部にはんだ8を濡らし、第2の噴流波11で被はんだ付け部のフィレット形状等を整えて仕上げを行うように構成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
鉛が自然生態系の特に人体に与える毒性の問題から、電子装置に使用されるプリント配線板のはんだ付けに、鉛を使用しない鉛フリーはんだが使用されるようになってきた。しかし、プリント配線板のめっきスルーホールにこの鉛フリーはんだが濡れ上がり難いという問題がある。
【0012】
図5は、めっきスルーホールにおけるはんだ付けの状態の例を説明するための図で、(a),(b),(c),(d)はそれぞれプリント配線板4のめっきスルーホール21部分の縦断面を示す図である。なお、これらの図において、プリント配線板4の下方側の面(被はんだ付け面)4aおよびこの面に設けられたランド22が噴流波に接液する面である。
【0013】
はんだ付けを行って、図5(a)のようにはんだ8がめっきスルーホール21内に濡れとどまっている状態ははんだ付け不良(×)、また、図5(b)のようにはんだ8がめっきスルーホール21内を濡れ上がっているがプリント配線板4の上方側のランド22に濡れ広がらない状態もはんだ付け不良(×)である。これらは、プリント配線板4が使用される電子装置におけるストレスを受けて、めっきスルーホール21とランド22との断線を生じる可能性がある。そのため、不良として判断される。
【0014】
他方、図5(c)のようにはんだ8がめっきスルーホール21内を濡れ上がりさらにプリント配線板4の上方側のランド22に少し濡れ広がった状態は、好ましくはないが許容できる範囲の良い状態(△)、図5(d)のようにはんだ8がめっきスルーホール21内を濡れ上がりさらにプリント配線板4の上方側のランド22に完全に濡れ広がった状態は、はんだ付けが大変に良い状態(○)である。これらは、プリント配線板4の下方側の面のランド22と上方側の面のランド22とがめっきスルーホール21およびはんだ8により接続され、接続信頼性が極めて高い。
【0015】
なお、極めて高い信頼性が必要とされる電子機器、例えば宇宙用電子機器、医療用電子機器、軍事用電子機器、公共設備用電子機器、車両用電子機器、等々においては図5(c)に示すはんだ付け状態ははんだ付け不良(×)として取り扱われる。すなわち、プリント配線板が使用される機器の使用目的やメーカの基準により判断が異なる。
【0016】
そして、前述したように、従来の錫−37%鉛はんだでは図5(d)に示すようなはんだ付け状態が得られたプリント配線板であっても、前述の鉛フリーはんだでは図5(a)や(b)あるいは(c)のようなはんだ付け状態になるという問題がある。
【0017】
これは、鉛フリーはんだの融点が一般的に高く、濡れ性の指標となるメニスコグラフ法におけるゼロクロスタイムも大きいことに原因している。
【0018】
すなわち、従来から最も広く使用されている錫−37%鉛はんだ(その成分が錫63重量%で鉛37重量%のはんだを指し、以下同様に記載する)が融点約183℃であるのに対し、現在のところ鉛フリーはんだの有力候補に上げられ使用されている錫−銀−銅系鉛フリーはんだ(例:錫−3.5%銀−0.75%銅はんだ)、錫−銅系鉛フリーはんだ(例:錫−0.7%銅はんだ)、錫−銅−ニッケル系鉛フリーはんだ(例:錫−0.6%銅−0.05%ニッケルはんだ)では融点が約220℃前後の高融点鉛フリーはんだなのである。
【0019】
また、濡れ性の指標となるメニスコグラフ法による濡れの測定におけるゼロクロスタイム(はんだ付けされる被試験片をはんだ内に浸漬開始してから、その後にこの被試験片がはんだから押し上げられる力が0に戻る迄に要する時間)を比較すると、温度255℃において錫−37%鉛はんだでは約0.33秒であるのに対し前述の鉛フリーはんだでは約1.1秒程度である。すなわち、鉛フリーはんだは従来の錫−37%鉛はんだと比較して約3倍以上も濡れ性が悪いのである。なお、前述の鉛フリーはんだでもはんだ温度を高くするとゼロクロスタイムを更に小さくできるが、プリント配線板に搭載される電子部品の耐熱温度から、約255℃程度が限界となっている。
【0020】
すなわち、図4(b)の実線で示す温度プロファイルにおいて、期間Aにおいてプリント配線板4が第1の噴流波31に接液してめっきスルーホール21に溶融はんだ8が供給され始め、このめっきスルーホール21内にはんだ8が濡れ上がらない状態で第1の噴流波31から離脱し、期間Bにおいてこのめっきスルーホール21内のはんだ8が凝固し、続いてプリント配線板4が第2の噴流波11に接液した際すなわち期間Cにおいて、このめっきスルーホール21内の凝固したはんだ8が溶融しないままはんだ付けが終了してしまうため、めっきスルーホール21にはんだ8が濡れ上がることが困難となり、したがって、このめっきスルーホール21に繋がる上方側の面のランド22にはんだ8が濡れ広がることも困難となるのである。
【0021】
従来の錫−37%鉛はんだでは融点が低いため、前記期間Bにおいてはんだが凝固しても前記期間Cにおいてはんだが容易に再溶融し、この期間Cにおいてすなわち第2の噴流波11に接液している際にめっきスルーホール21内のはんだが再溶融して更に濡れ上がり、プリント配線板4の上方側の面のランド22にも濡れ広がらせることが可能だったのである。しかし、前述の鉛フリーはんだ8では、融点が高いために期間Cにおけるはんだ8の再溶融が困難になっている。
【0022】
また、リフトオフ現象やランド剥離現象の原因として周知となっているはんだ8の凝固偏析により、前記期間Bにおいて凝固したはんだ8に一層融点が高い部分が発生し、これにより前記期間Cにおいて一層はんだ8が再溶融し難くなっている。さらには、凝固の際に引け巣を生じたりブローホールを生じたりすると、はんだ接液の際の熱伝導が悪くなり再溶融のための困難が一層増し、めっきスルーホール21およびこのめっきスルーホール21に繋がる上方側の面のランド22におけるはんだ8の濡れ広がりが一層困難となる。
【0023】
そして、前述の鉛フリーはんだ8が前記期間Cにおいて再溶融が困難であることと相まって、ゼロクロスタイムが大きいことに原因してはんだ8が濡れ上がらずまた濡れ広がらない状態で期間Cを終了し、結果的に前述の鉛フリーはんだ8では、めっきスルーホール21にはんだ8が濡れ上がり難くなって、さらにはこのめっきスルーホール21に繋がる上方側の面のランド22にはんだ8が濡れ広がり難くなってはんだ付け不良を生じ易いのである。
【0024】
本発明の目的は、プリント配線板4のめっきスルーホール21に鉛フリーはんだ8を十分に濡れ上がらせ、また、このめっきスルーホール21に繋がる上方側の面のランド22にもはんだ8を濡れ広がらせることができる噴流式はんだ付け装置を実現することによって、信頼性の高いプリント配線板4のはんだ付け実装を可能にすることにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の噴流式はんだ付け装置は、第1の噴流波と第2の噴流波との間すなわち図4(b)に示す期間Bにおいてめっきスルーホール(被はんだ付け部)あるいはこのめっきスルーホールに繋がるランドに供給されたはんだを凝固させ難くするための加熱条件を満足する噴流波構成としたところに特徴がある。
【0026】
(1)めっきスルーホールを有するプリント配線板を搬送手段で搬送しつつ鉛フリーはんだの噴流波によりはんだ付けする噴流式はんだ付け装置であって、次のように構成する。
【0027】
すなわち、前記プリント配線板の搬送経路に沿って順に第1の噴流波と第2の噴流波とを配設する。そして、前記第1の噴流波はノズル体に設けられた長孔状の多数の透孔群から上方向きに前記鉛フリーはんだを噴流して形成されるとともに前記プリント配線板の搬送方向に前記透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅と前記プリント配線板が接触するところの第1の噴流波から第2の噴流波までの間隔との長さの比率が1対3(1:3)以下に構成される。
【0028】
そして、さらに前記透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅は、前記第1の噴流波から前記プリント配線板が有するところの熱容量がはんだ温度にチャージされる幅に設けられるように構成した噴流式はんだ付け装置である。
【0029】
このように、第1の噴流波を形成するはんだ吹き口の幅と第1の噴流波から第2の噴流波までの間隔との長さの比率を1対3以下にすることにより、第1の噴流波に接液してプリント配線板にチャージされた熱エネルギーが、第2の噴流波に接液するまでの期間に放出され尽くすことがなくなる。したがって、第1の噴流波によりプリント配線板のめっきスルーホールやこのめっきスルーホールに繋がるランドに供給されたはんだが、続いて第2の噴流波に接液するまでの期間において凝固し難くなる。
【0030】
また、長孔状の多数の透孔群から上方向きにはんだを噴流して第1の噴流波を形成しているので、プリント配線板が第1の噴流波に接液している際に、噴流の動圧によりめっきスルーホール内をはんだが濡れ上がり易くなる。
【0031】
したがって、プリント配線板のめっきスルーホールに鉛フリーはんだを濡れ上がらせ、このめっきスルーホールに繋がるランドにも鉛フリーはんだを濡れ広がらせることができるようになる。
【0032】
さらに、本発明者は、プリント配線板が第1の噴流波に接液している期間においてプリント配線板が有する熱時定数の熱容量を十分にチャージすることにより、第2の噴流波に接液するまでの期間においてプリント配線板の温度低下を最小とすることが可能となり、プリント配線板ひいては被はんだ付け部であるめっきスルーホールとこのめっきスルーホールに繋がるランドに供給されたはんだを溶融状態に保持し易くなることを見いだした。
【0033】
そして、このことは第1の噴流波を形成するはんだ吹き口の幅と第1の噴流波から第2の噴流波までの間隔との長さの比率を1対3以下にすることと相まることにより一層顕著に作用する。
【0034】
したがって、プリント配線板が第1の噴流波に接液している際にプリント配線板の熱容量がはんだ温度にチャージ(charge)される幅に透孔群により形成される吹き口の幅を設けることにより、プリント配線板のめっきスルーホールに鉛フリーはんだを容易に濡れ上がらせ、このめっきスルーホールに繋がるランドにも鉛フリーはんだを容易に濡れ広がらせることができるようになる。
【0035】
(2)前記(1)の噴流式はんだ付け装置において、前記透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅は、前記プリント配線板が前記第1の噴流波に接液する時間が2秒以上になる幅に設けられた噴流式はんだ付け装置である。
【0036】
プリント配線板が第1の噴流波に接液する時間を2秒以上にすることにより、プリント配線板の熱容量を十分にチャージできるようになる。したがって、プリント配線板が第1の噴流波に接液を開始して続いて第2の噴流波に接液し接液が完了するまでの期間に渡って、プリント配線板ひいては被はんだ付け部であるめっきスルーホールとこのめっきスルーホールに繋がるランドに供給されたはんだを溶融状態に保持し易くなって、めっきスルーホールに鉛フリーはんだを容易に濡れ上がらせ、このめっきスルーホールに繋がるランドにも鉛フリーはんだを容易に濡れ広がらせることができるようになる。
【0037】
(3)前記(1)の噴流式はんだ付け装置において、前記透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅が30mm以上になるように構成された噴流式はんだ付け装置である。
【0038】
通常の噴流式はんだ付け装置では、透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅が30mm以上になるように構成することによって、プリント配線板の熱容量を十分にチャージできるようになる。
【0039】
したがって、プリント配線板が第1の噴流波に接液を開始して続いて第2の噴流波に接液し接液が完了するまでの期間に渡って、プリント配線板ひいては被はんだ付け部であるめっきスルーホールとこのめっきスルーホールに繋がるランドに供給されたはんだを溶融状態に保持し易くなって、めっきスルーホールに鉛フリーはんだを容易に濡れ上がらせ、このめっきスルーホールに繋がるランドにも鉛フリーはんだを容易に濡れ広がらせることができるようになる。
【0040】
(4)前記(1)ないし(3)の噴流式はんだ付け装置において、前記鉛フリーはんだが、錫−銀−銅系の鉛フリーはんだ、錫−銅系の鉛フリーはんだまたは錫−銅−ニッケル系の鉛フリーはんだである噴流式はんだ付け装置である。
【0041】
鉛フリーはんだの中でも、錫−銀−銅系の鉛フリーはんだ、錫−銅系の鉛フリーはんだまたは錫−銅−ニッケル(Ni)系の鉛フリーはんだはその融点が約220℃前後の高融点鉛フリーはんだであり、プリント配線板のはんだ付けに使用される鉛フリーはんだの中においては相対的に高い温度である。はんだ付け温度を250℃〜255℃程度とすると、融点との温度差は約20℃〜35℃程度しかない。
【0042】
しかし、噴流波によるプリント配線板の加熱条件を前記(1)ないし(4)を満足する噴流波構成とすることにより、プリント配線板が第1の噴流波に接液を開始して続いて第2の噴流波に接液し接液が完了するまでの期間に渡って、めっきスルーホール内やランドに供給されたはんだを溶融状態に保持できるようになり、めっきスルーホールとそれに繋がるランドに良好なはんだ付けを行うことができるようになる。
【0043】
(5)前記(1)ないし(4)の噴流式はんだ付け装置において、前記ノズル体が、前記透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅方向に前記プリント配線板の搬送方向に倣って階段状の段部を有する噴流式はんだ付け装置である。
【0044】
このように構成することにより、長孔状の透孔から噴流したはんだが段部において相互に落差を得ることができるようになり、一方の透孔から噴流したはんだの流れが他方の透孔から噴流しようとするはんだの噴流力を損なうことなく幅方向にプリント配線板の搬送方向に倣って傾斜した噴流波の波面を得ることができるようになる。すなわち、図4(a)に例示する仰角φに合わせた噴流波の波面を形成することができるようになる。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の噴流式はんだ付け装置は、次のような実施形態例において実現することができる。
【0046】
(1)構成例
図1は、本発明の噴流式はんだ付け装置を説明するための図で、(a)は第1の噴流波と第2の噴流波の構成部分を抜粋して縦断面で示した図、(b)は(a)に合わせて描いた温度プロファイルを示し、その横軸は時間を表すがプリント配線板は通常は定速搬送されるのでプリント配線板の位置(被はんだ付け部ひいてはめっきスルーホールの位置)も表している。そして、図1(a)における搬送コンベア上の搬送位置と図1(b)の横軸の位置が一致するように描いてある。また、図1(b)の縦軸は温度を表している。
【0047】
すなわち、第1の噴流波1は第1の吹き口体2により形成され、この吹き口体2の先端に設けられたノズル体3に、搬送コンベア(搬送手段)20で搬送されるめっきスルーホール21およびランド22(図2参照)を有するプリント配線板4の搬送方向Xと交差する方向に4列に設けられた上方を向いた透孔であって長孔5(孔の直径よりも長さが長い透孔)状の透孔群6の吹き口9からはんだ(鉛フリーはんだ)8を噴流して形成されている。また、この例では、ノズル体3の中程に段部7が長孔5の列方向に設けられている(図3(a),(b)参照)。
【0048】
そして、この透孔群6により形成されるはんだ8の吹き口の幅はaでその長さは例えばa=50mmである。また、吹き口の幅aは概ね第1の噴流波1の幅(プリント配線板4と接液する幅)と一致する。なお、後述するが、吹き口の幅aは通常の噴流式はんだ付け装置では30mm以上に構成すればよい。
【0049】
続いて設けられる第2の噴流波11は、図4(a)と同様のトレイ部12を有する第2の吹き口体13の吹き口17から噴流するはんだ8によって構成される。案内板14ははんだ8の流下を案内して第2の噴流波11の形状を整える部材、トレイ部12は第2の噴流波11の流れを安定化させる手段、越流案内板15はねじ16により図の上下方向に移動調節可能に設けられ、トレイ部12上のはんだ8の深さを調節して第2の噴流波11の流速を調節する手段である。
【0050】
そして、第1の噴流波1から第2の噴流波11までの間隔はbである。図1(a)の例では吹き口の幅aと間隔bの長さの比率をa:b≒1:1程度に構成している。そして、この長さの比率a:bは1:3以下に好ましくは1:2以下に構成する。なお、間隔bは50mm〜100mmの範囲とすることが好ましい。
【0051】
すなわち、b=50mm以下では第1の噴流波1と第2の噴流波11とがはんだ槽32(図4参照)のはんだ液面8a上で接触してそれらの流れに干渉を生じるようになって、噴流波(第1の噴流波と第2の噴流波の総称)1,11の形状が不規則に乱れてはんだ付け品質が不安定に変動したり、噴流波1,11表面に形成されるはんだ8の酸化膜が噴流波1,11上に滞留し易くなって、このはんだ8の酸化膜が被はんだ付けワークであるプリント配線板4に付着してはんだ付け不良を生じ易いからである。
【0052】
この酸化膜の存在は、例えば特開平9−47865号公報において説明されているように、高温で溶融状態のはんだが噴流するとこの噴流波面においてはんだが著しく酸化し、目視で確認できる程度の白色系の酸化膜がはんだ噴流の流れと合わせ流れている。この酸化膜がはんだ槽のはんだ液面に集積して堆積するとドロスを形成する。酸化膜自体は固い層を成していて、噴流波上に流れる酸化膜に棒状の部材を触れて固定すると、この酸化膜がはんだ噴流の流れの上で固定して保持され、この酸化膜の下をはんだ噴流が流れる程の性質を有している。
【0053】
そのため、第1の噴流波1と第2の噴流波11とを過度に接近させると、この酸化膜が噴流波1,11上をこの噴流の流れと併せて流れ難くなって、噴流波1,11上に滞留し易くなるのである。
【0054】
なお、仕上げ用噴流波である第2の噴流波11には公知の噴流波形成技術を使用することが可能であり、その他の例としては、特公平4−69509号公報の技術、特許第2938328号公報の技術、特許第3202870号公報の技術、等々を使用することができる。また、第2の噴流波11とプリント配線板4とが接液する期間は前記の技術に開示されているように可変可能であり、本発明においてはその接液期間を従来よりも短くすることが可能である。
【0055】
さらに、第1の噴流波1を形成する技術として、特公昭62−35857号公報の技術のように、ノズル体を往復動させながらプリント配線板に接液させてもよい。この場合、プリント配線板に搭載されているチップ部品等の陰となる部分にめっきスルーホールが設けられていても、往復動の動圧によりこの部分にも容易にはんだを供給することができるようになる。
【0056】
(2)作動
プリント配線板4が第1の噴流波1に接液している時間ひいては吹き口の幅aの期間すなわち期間aと、その後第2の噴流波11に接液を開始するまでの時間ひいては間隔bの期間すなわち期間bとの比率、そして期間aにおいてプリント配線板4に付与される熱エネルギーの量すなわちプリント配線板4の熱容量にチャージされる熱エネルギーの量との関係は極めて重要である。
【0057】
図4(b)に示す従来のプリント配線板の温度プロファイルは、すでに説明したように、実線はプリント配線板4が噴流波31,11に接液する面(被はんだ付け面)4aのめっきスルーホール21に繋がるランド22(図2参照)の温度プロファイルであり、点線はめっきスルーホール21内の温度プロファイルである。
【0058】
これらの温度測定は、温度センサである熱電対を高温はんだ(融点350℃程度のはんだ)を使用して固定して測定したもので、プリント配線板4が噴流波31,11に接液してもめっきスルーホール21内の温度は直ちには噴流波31,11の温度(255℃)まで昇温しないことがわかる。これは、プリント配線板4が有する熱容量が熱エネルギーでチャージされるまでに熱時定数で決まる時間を要するからである。そして、このことは、融点の高い鉛フリーはんだでは致命的な問題となる。すなわち、めっきスルーホール21内のはんだ8が融点近傍の温度に低下して濡れ上がり難くなるのである。
【0059】
そのため、プリント配線板4が噴流波31,11から離脱すると、噴流波31,11に接液した被はんだ付け面4aのランド22の温度とめっきスルーホール21内の温度は概ね一致するように急速に低下する。
【0060】
しかし、本発明の技術によれば、この温度低下を少なくして、鉛フリーはんだの融点を下回り難くすることができるようになる。
【0061】
図1(b)に示す本実施形態例の温度プロファイルに示す▲1▼▲2▼▲3▼の温度プロファイルは、プリント配線板4と第1の噴流波1との接液時間aひいては接液期間▲1▼▲2▼▲3▼により、温度プロファイルがどのように変わるかを示した図である。吹き口の幅aひいては第1の噴流波1とプリント配線板4との接液の長さが50mmの場合が▲1▼、30mmの場合が▲2▼、15mmの場合が▲3▼である。なお、この試験は、吹き口の幅aが異なるノズル体3を交換して行い、期間bの長さが変わらないようにして行った。
【0062】
そして、▲1▼の場合の期間bにおける低下温度は約235℃、▲2▼の場合は約215℃、▲3▼の場合は約170℃である。すなわち、プリント配線板4と第1の噴流波1との接液時間を十分に長くすることによりこのプリント配線板4の熱容量が十分にチャージされていることがわかる。
【0063】
したがって、▲2▼に示すように、第1の噴流波1を形成する吹き口の幅aとして30mm以上あれば、期間bにおいてめっきスルーホール21およびそれに繋がるランド22に供給されたはんだ8を凝固し難い状態に維持することができることがわかる。もちろん、▲1▼のように吹き口の幅aを50mmにすれば、期間bの距離も2倍以上にしてa:b=1:2にすることができることもわかる(図1(b)の※印箇所の温度プロファイル参照)。
【0064】
なお、この試験は、最も標準的な厚さ1.6mmのFR−4材のプリント配線板4を使用して行った。またプリント配線板4の搬送速度は0.9m/分である。したがって、期間aの幅を50mmとして搬送速度を1.35m/分にすれば、期間bの間隔をさらに長くすることが可能であり、a:b=1:3程度にすることもできる。ちなみに、プリント配線板4の搬送速度としては、0.8m/分〜1.4m/分の範囲が通常使用されている搬送速度である。
【0065】
このように、融点が220℃前後の高融点鉛フリーはんだ8、すなわち錫−銀−銅系鉛フリーはんだ(例:錫−3.5%銀−0.75%銅はんだ)、錫−銅系鉛フリーはんだ(例:錫−0.7%銅はんだ)、錫−銅−ニッケル系鉛フリーはんだ(例:錫−0.6%銅−0.05%ニッケルはんだ)を使用しても、期間bにおいてもめっきスルーホール21内やこのめっきスルーホール21に繋がるランド22に供給された鉛フリーはんだ8を凝固し難い状態に維持することができるようになる。
【0066】
すなわち、プリント配線板4が第1の噴流波1に接液してから第2の噴流波11を離脱するまでの期間に渡ってプリント配線板4のめっきスルーホール21に供給されたはんだ8が凝固し難くなって、このめっきスルーホール21をはんだ8が濡れ上がり易くなるとともにこのめっきスルーホール21に繋がるランド22に濡れ広がり易くなり、良好なはんだ付け(図5(d)に例示)を行うことができるようになる。もちろん、プリント配線板4が第1の噴流波1に接液してから第2の噴流波11を離脱するまでの時間は、ゼロクロスタイムよりも遙に大きい。
【0067】
また、第1の噴流波1が上方を向いた透孔であって長孔5状の透孔群6により形成されているため、この透孔群6から上方に噴流するはんだ8によりプリント配線板4の板面に垂直に設けられているめっきスルーホール21に噴流の動圧がそのまま加わり、はんだ8が一層濡れ上がり易いように作用する。
【0068】
もちろん、これらの作動からもわかるように、融点が低くてもゼロクロスタイムの大きい鉛フリーはんだ8に対しても、本発明の作用が有効に作用する。すなわち、プリント配線板4が第1の噴流波1に接液してから第2の噴流波11を離脱するまでの期間(はんだ付け工程)において、プリント配線板4に供給されたはんだ8が溶融状態に保持されるので、実質的に極めて長い時間に渡って溶融はんだ8が被はんだ付け部に供給されていることになり、前記期間をはんだ8の接液時間と見ることができるようになり、前記期間に渡ってはんだ8が濡れ広がることが可能となるからである。
【0069】
(3)はんだ付け工程におけるプリント配線板の加熱作用の詳細説明
図2は、プリント配線板のめっきスルーホール近傍の熱要素を説明するための図で、(a)はプリント配線板のめっきスルーホール部分の縦断面に熱要素(熱抵抗、熱容量)を併記した図、(b)は(a)を集中定数回路で等価的に表した図、(c)は(b)の熱時定数回路の充放熱の様子を説明するための図で、縦軸は温度を表し横軸は時間ひいては搬送されるプリント配線板の位置を表している。
【0070】
すなわち、プリント配線板4が噴流波1,11に接液している状態では、その接液部分からプリント配線板4へ熱エネルギーが移動して加熱されるが、これを熱回路で考えると、プリント配線板4の表面からこのプリント配線板4の材質と体積とで決まる熱抵抗θを介して熱容量Cに熱エネルギーがチャージされて加熱され、プリント配線板4の温度が上昇する。また、プリント配線板4の表面からは周辺雰囲気(大気雰囲気や不活性ガス雰囲気)へ熱抵抗θを介して放熱が行われる。
【0071】
なお、熱抵抗θはプリント配線板4が接液する噴流波1,11すなわちはんだ8の熱抵抗であり、電源Eは加熱源としてのはんだ8(温度が例えば255℃)を表している(以降、加熱源Eと記載する)。また、スイッチ23はプリント配線板4が噴流波1,11に接液した際にON(閉)となり、離脱するとOFF(開)となる。
【0072】
これらの熱素子である熱抵抗θやθ、熱容量Cは、プリント配線板4に分布して存在するのであるが、図2(b)では集中定数回路で等価的に表している。また、熱抵抗θや加熱源Eもプリント配線板4との接液部分に分布して存在するのであるが、図2(b)では集中定数回路で等価的に表している。なお、図2(b)において熱容量Cは、プリント配線板4の被はんだ付け部すなわちめっきスルーホール21とそれに繋がるランド22とが噴流波1,11から離脱した後において、このプリント配線板4のめっきスルーホール21やランド22に濡れて付着しているはんだ8の熱容量を表している。
【0073】
また、熱抵抗θはθと比較して極めて大きく、さらにθはθと比較して極めて小さい。そのため、これらの熱抵抗の関係はθ≫θ≫θとなる。また、プリント配線板4の体積はめっきスルーホール21の体積よりも極めて大きいので、熱容量Cは熱容量Cよりも大きく、これらの熱容量の関係はC>Cとなる。
【0074】
そして、はんだ付けするべき被はんだ付け部すなわちめっきスルーホール21およびそれに繋がるランド22は、図2(b)の等価回路においては点線で囲んだ部分となる。すなわち、はんだ付けにおけるこの部分の温度の挙動が重要であり、それを示した図が図2(c)である。
【0075】
次に、プリント配線板4が第1の噴流波1に接液してその後離脱する過程で、プリント配線板4がどのように加熱され前記点線で囲まれた被はんだ付け部の温度がどのような挙動を示すかを図2(b)(c)を用いて説明する。
【0076】
すなわち、プリント配線板4が第1の噴流波1に接液するとスイッチ23がONとなり、プリント配線板4は熱時定数τ=(θ+θ)C≒θ・Cで加熱される。図2(c)に示すように、噴流波4に接液している部分の温度は接液と同時にはんだ8の温度255℃まで上昇するが、プリント配線板4内やめっきスルーホール21内の温度は充熱曲線τで示すように熱時定数τで上昇する。
【0077】
続いて、例えば時間Tの時点でプリント配線板4ひいてはその被はんだ付け部が第1の噴流波1から離脱すると、すなわち図1(b)の期間▲3▼に相当する間において第1の噴流波1に接液して離脱したとすると、図2(b)のスイッチ23がOFFとなって、プリント配線板4は熱時定数τ≒θ(C+C)で放熱し温度低下する(θ≫θのため)。
【0078】
この場合、被はんだ付け部の温度は前記のようにθ≫θ,C>Cのため、この被はんだ付け部が第1の噴流波1から離脱した直後にこの被はんだ付け部の温度は熱容量Cにチャージされていた温度すなわち図2(c)の(ハ)の点まで急速に温度低下した後、放熱曲線▲3▼で示すように熱時定数τで温度低下する。すなわち、この温度の挙動が図1(b)において示した▲3▼で示される温度プロファイルの挙動である。
【0079】
同様に、図2(c)の▲2▼で示す期間に渡って被はんだ付け部を第1の噴流波1に接液して時間Tの時点で被はんだ付け部を離脱すると、第1の噴流波1に接液していた被はんだ付け部の温度は(ロ)の点まで急速に温度低下した後、放熱曲線▲2▼で示すように熱時定数τで温度低下する。すなわち、この温度の挙動が図1(b)において示した▲2▼で示される温度プロファイルの挙動である。
【0080】
さらに、図2(c)の▲1▼で示す期間に渡って被はんだ付け部を第1の噴流波1に接液して時間Tの時点で被はんだ付け部を離脱すると、第1の噴流波1に接液していた被はんだ付け部の温度は(イ)から放熱曲線▲1▼で示すように熱時定数τで温度低下する。すなわち、この温度の挙動が図1(b)において示した▲1▼で示される温度プロファイルの挙動である。
【0081】
このように、プリント配線板4の熱容量へ十分に熱エネルギーをチャージしてはんだ8の温度すなわち第1の噴流波1の温度にチャージすることにより、図1(b)に示す期間bにおける被はんだ付け部の温度低下を最小にすることができるようになる。なお、C>Cであるので、若干ではあるがτ>τとなる。さらに、図1(a)に示すように、第1の噴流波1と第2の噴流11との間の期間bは、255℃のはんだに加熱された高温(120℃〜150℃程度)の雰囲気の中にプリント配線板4が在るので、噴流式はんだ付け装置が置かれプリント配線板4が搬入される周辺雰囲気の温度すなわち常温と比較して、見かけ上のτが大きくなる。ちなみに、これらによりτが大きくなる程度は2〜3倍程度である。
【0082】
最も一般的なプリント配線板4として厚さ1.6mmのFR−4材では第1の噴流波1とプリント配線板4との接液時間を2秒以上とすれば、このプリント配線板4の熱容量を概ねはんだ温度にチャージすることができるが、厚さが大きくなるとそれに比例して熱容量も大きくなるので、その場合は、熱容量チャージ時間である接液時間をそれに比例して大きくしてやるとよい。したがって、第1の噴流波1を形成する吹き口の幅aをそれに比例して大きくしてやるとよい。
【0083】
このように、第1の噴流波1でチャージされたプリント配線板4の熱エネルギーをひいては温度を第2の噴流波11に接液するまでの期間に放出され尽くすことがないようにして、第1の噴流波1により被はんだ付け部に供給されたはんだ8を凝固し難くするためには、第1の噴流波1を形成する透孔群の幅すなわち吹き口の幅aと第1の噴流波1から第2の噴流波11までの間隔bとの長さの比率を1対3以下また好ましくは1:2以下にすればよい。
【0084】
また、図2(c)に示すように、プリント配線板4の熱容量Cへの熱エネルギーのチャージは、当初は急速に進み次第にはんだ温度(255℃)に漸近する。図4(b)に例示するように、プリント配線板4の予備加熱温度を120℃とすると、はんだ温度255℃との差は135℃であり、この温度差を熱時定数τでチャージすることになる。
【0085】
そして、プリント配線板4の熱時定数へのチャージの大きさは、はんだ8すなわち高融点鉛フリーはんだの融点以上であることが必要であるので、本発明において第1の噴流波1によりプリント配線板4の熱容量Cをはんだ温度にチャージするとは、少なくとも鉛フリーはんだ8の融点以上の温度にチャージされていなければならないことを意味する。すなわち、図2(c)において、プリント配線板4が噴流波1,11から離脱する(イ)(ロ)(ハ)の点における温度が融点以上の温度であることを意味する。
【0086】
これにより、図1(b)の温度プロファイルに示す第2の噴流波11との接液に際して被はんだ付け部の温度を鉛フリーはんだ8の融点以上あるいは近傍の温度に保持することができるようになり、被はんだ付け部が第2の噴流波11に接液すると直ちにこの被はんだ付け部へ供給されていたはんだ8が溶融状態を続行あるいは溶融状態へ移行し、この第2の噴流波11から新たなはんだ8が供給されて濡れ上がりあるいは濡れ広がって行く。
【0087】
(4)多数の透孔群を構成するノズル体の構成例
図3は、第1の噴流波を形成するノズル体の構成例を説明するための図で、(a)はノズル体の横断面を示す図、(b)は(a)に示すノズル体の平面図である。そして、これら(a)(b)は段部が1つのノズル体の例を示している。また、図3(c)は別のノズル体の横断面を示す図、(d)は(c)に示すノズル体の平面図である。そして、これら(c)(d)は段部が2つのノズル体の例を示している。
【0088】
このように、列状に設けられた長孔5状の透孔群を、この列を基準としてプリント配線板の搬送方向に倣って段部7を設けて配列することで、プリント配線板4の搬送仰角φ(図4参照)に沿った第1の噴流波1の波面を形成し、プリント配線板4の板面方向すなわちめっきスルーホール21の孔方向に向かう噴流の動圧を弱めることが少なくなって、めっきスルーホール21へのはんだ8の濡れ上がりを付勢することができるようになる。
【0089】
すなわち、第1の噴流波1は、プリント配線板4が接液した際にそのめっきスルーホール21にはんだ供給を行い易くする為に、上方すなわちプリント配線板4の板面方向を向いて噴流していた方が良いのであり、これにより、噴流の動圧をめっきスルーホール21の孔方向へ与えることができるようになるのである。そこで、本発明では長孔5状の多数の透孔群によりはんだ8の吹き口の幅を構成して第1の噴流波1を形成している。
【0090】
一般的に、噴流式はんだ付け装置におけるプリント配線板4の搬送は、隣合う被はんだ付け部間におけるはんだブリッジを解消する目的やフィレット形状を整える目的から、仰角搬送を行うように構成している。そのため、噴流波1,11の波面もこの仰角すなわちプリント配線板4の板面に沿って傾斜していることが望ましい。
【0091】
この際、高位の透孔から噴流したはんだ8が低位の透孔方向へ向かって流れ、この低位の透孔から噴流しているはんだ8を押し潰し、噴流波1,11の波面が水平化し易くなって、全体として透孔群から上方へ向かって噴流する動圧が弱まり易い。
【0092】
しかし、図3に例示するように、この透孔群を列状に配設し、さらにこの列に沿ってかつプリント配線板の搬送方向に倣って段部7を設けてノズル体3を構成することにより、この段部7により第1の噴流波1の波面が強調され、第1の噴流波1の波面に段部7の落差に相当する傾斜を付与することが容易となり、低位の噴流も押し潰され難くなる。
【0093】
もちろん、本発明の実施に際しては、前記段部7の無いノズル体を使用することもできる。しかし、その場合においては、めっきスルーホール21の孔方向に向かう噴流の動圧が弱くなる。
【0094】
【発明の効果】
本発明の噴流式はんだ付け装置によれば、鉛フリーはんだを使用してもプリント配線板のめっきスルーホールにはんだを濡れ上がらせ、さらにこのめっきスルーホールに繋がるランドにはんだを濡れ広がらせることが可能となり、はんだ付け品質の優れたプリント配線板のはんだ付け実装を行うことができるようになる。
【0095】
特に、錫−銀−銅系の鉛フリーはんだや錫−銅系の鉛フリーはんだ、錫−銅−ニッケル系の鉛フリーはんだのような高融点鉛フリーはんだはめっきスルーホールにはんだが濡れ上がり難いのであるが、本発明の噴流式はんだ付け装置によれば、第1の噴流波と第2の噴流波との間においてはんだが凝固し難くなって、プリント配線板が第2の噴流波に接液した際に、そのめっきスルーホールおよびランドに濡れて付着しているはんだを確実に溶融状態に移行させ、第1の噴流波に接液を開始した時点から連続したはんだの濡れ上がりおよび濡れ広がりを行わせることができるようになる。
【0096】
その結果、はんだ付け品質と信頼性に優れたプリント配線板の生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の噴流式はんだ付け装置を説明するための図である。
【図2】プリント配線板のめっきスルーホール近傍の熱要素を説明するための図である。
【図3】第1の噴流波を形成するノズル体の構成例を説明するための図である。
【図4】従来の噴流式はんだ付け装置の一例を説明するための図である。
【図5】めっきスルーホールにおけるはんだ付け状態の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 第1の噴流波
2 第1の吹き口体
3 ノズル体
4 プリント配線板
4a 被はんだ付け面
5 長孔
6 透孔群
7 段部
8 はんだ(鉛フリーはんだ)
8a はんだ液面
9 第2の吹き口
11 第2の噴流波
12 トレイ部
13 吹き口体
14 案内板
15 越流案内板
16 ねじ
17 吹き口
20 搬送コンベア(搬送手段)
21 めっきスルーホール
22 ランド
23 スイッチ

Claims (5)

  1. めっきスルーホールを有するプリント配線板を搬送手段で搬送しつつ鉛フリーはんだの噴流波によりはんだ付けする噴流式はんだ付け装置であって、
    前記プリント配線板の搬送経路に沿って順に第1の噴流波と第2の噴流波とを配設し、
    前記第1の噴流波はノズル体に設けられた長孔状の多数の透孔群から上方向きに前記鉛フリーはんだを噴流して形成されるとともに前記プリント配線板の搬送方向に前記透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅と前記プリント配線板が接触するところの第1の噴流波から第2の噴流波までの間隔との長さの比率が1対3(1:3)以下に構成され、かつ前記透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅は、前記第1の噴流波から前記プリント配線板が有するところの熱容量がはんだ温度にチャージされる幅に設けられたことを特徴とする噴流式はんだ付け装置。
  2. 前記透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅は、前記プリント配線板が前記第1の噴流波に接液する時間が2秒以上になる幅に設けられたことを特徴とする請求項1記載の噴流式はんだ付け装置。
  3. 前記透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅が30mm以上であることを特徴とする請求項1記載の噴流式はんだ付け装置。
  4. 前記鉛フリーはんだが、錫−銀−銅系の鉛フリーはんだ、錫−銅系の鉛フリーはんだまたは錫−銅−ニッケル系の鉛フリーはんだであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の噴流式はんだ付け装置。
  5. 前記ノズル体が、前記透孔群により形成されたはんだ吹き口の幅方向に前記プリント配線板の搬送方向に倣って階段状の段部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の噴流式はんだ付け装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008544502A (ja) * 2005-06-17 2008-12-04 ジ・オーストラリアン・ナショナル・ユニバーシティー 太陽電池の相互接続プロセス
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JP2012019190A (ja) * 2010-07-07 2012-01-26 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd ハンダ付け噴射ノズル及びこれを含むハンダ付けマシン

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