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JP2004068602A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

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JP2004068602A
JP2004068602A JP2002224443A JP2002224443A JP2004068602A JP 2004068602 A JP2004068602 A JP 2004068602A JP 2002224443 A JP2002224443 A JP 2002224443A JP 2002224443 A JP2002224443 A JP 2002224443A JP 2004068602 A JP2004068602 A JP 2004068602A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
plant model
diagnosis
dead time
Prior art date
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Application number
JP2002224443A
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English (en)
Inventor
▲高▼▲柳▼ 恵一
Keiichi Takayanagi
Shigeo Okuma
大隈 重男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】プラントモデルの逐次同定が行われる空燃比フィードバックシステムにおいて、空燃比センサの応答遅れを精度良く診断できるようにする。
【解決手段】燃料噴射弁から空燃比センサまでのプラントモデルを逐次同定し、同定したプラントモデルのパラメータを用いてフィードバック制御における制御ゲインを設定する構成において、フィードバック制御状態で空燃比センサの応答劣化を診断するときには、前記同定パラメータを、予め機関負荷・機関回転速度に応じてマップに記憶させた値に固定させる。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関し、詳しくは、プラントモデルの逐次同定を行って、フィードバックゲインの修正を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、制御系を表すプラントモデルを逐次同定し、同定したプラントモデルのパラメータを用いてフィードバック制御を行わせる構成の空燃比フィードバック制御装置が知られている(特開2000−230451号公報,特開2000−140684号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、空燃比フィードバック制御に用いられる空燃比センサが劣化すると、検出応答遅れが増大する。
そこで、前記検出応答遅れに基づいて空燃比センサの劣化の進行(故障の発生)を診断することが従来から行われている。
【0004】
しかし、空燃比センサの検出遅れ特性を表したプラントモデルを逐次同定し、同定したプラントモデルのパラメータを用いてフィードバックゲインを設定する構成のフィードバックシステムでは、空燃比センサの応答遅れの拡大を補うようにゲインが修正されてしまう。
このため、劣化が進んだ空燃比センサを正常品として診断したり、診断中にプラントモデルのパラメータが変更されることで、応答診断にばらつきが生じるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、プラントモデルの逐次同定が行われる空燃比フィードバックシステムにおいて、空燃比センサの応答遅れの増大を精度良く診断できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明では、空燃比センサの検出遅れ特性を表したプラントモデルを逐次同定し、同定したプラントモデルのパラメータを用いてフィードバック制御における制御ゲインを設定する空燃比制御装置において、空燃比センサの出力特性の診断を前記フィードバック制御中に行うときに、逐次同定を停止させる構成とした。
【0007】
上記構成によると、空燃比センサの出力特性の診断(応答劣化の診断)を空燃比フィードバック制御中に行うときに、プラントモデルの逐次同定を停止させ、プラントモデルのパラメータを一定とする。
従って、診断中にプラントモデルのパラメータに基づいてフィードバックゲインが変更されることがなく、空燃比センサの診断を安定して精度良く行わせることができる。
【0008】
請求項2記載の発明では、診断中において、プラントモデルのパラメータを、運転条件に応じて予め設定された値に固定する構成とした。
上記構成によると、空燃比センサの出力特性の診断(応答劣化の診断)を空燃比フィードバック制御中に行うときには、プラントモデルのパラメータを、それまでの演算結果から、運転条件(例えば機関負荷,機関回転速度)に応じて予め設定された値に切り換えて、診断中において保持させる。
【0009】
従って、プラントモデルのパラメータを、空燃比センサの特性変化に影響されない値に保持させた状態で、空燃比センサの診断を行わせることができ、空燃比センサの診断を安定して精度良く行わせることができる。
請求項3記載の発明では、診断中において、プラントモデルのパラメータを、診断開始直前の値に保持させる構成とした。
【0010】
上記構成によると、空燃比センサの出力特性の診断(応答劣化の診断)を空燃比フィードバック制御中に行うときには、診断中においてプラントモデルのパラメータを診断開始直前の値に保持させる。
従って、プラントモデルのパラメータを略適切な値に設定しつつ、診断中にプラントモデルのパラメータに基づいてフィードバックゲインが変更されることがなく、空燃比センサの診断を安定して精度良く行わせることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す内燃機関のシステム図である。
図1に示すように、内燃機関1の吸気通路2には、吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ3が設けれ、該エアフローメータ3の下流側には、スロットル弁4が設けられている。
【0012】
また、吸気通路2に設けられた燃料噴射弁5は、マイクロコンピュータを内蔵したコントロールユニット(C/U)6からの噴射パルス信号により開弁駆動して燃料を噴射供給する。
機関1の各気筒には、燃焼室7内で火花点火を行う点火栓8が設けられており、吸気バルブ9を介して吸入された混合気を火花点火によって着火する。
【0013】
燃焼排気は、排気バルブ10を介して排気通路11に排出され、触媒コンバータ12を介して大気中の排出される。
前記触媒コンバータ12上流側の排気通路11には、排気中の酸素濃度に応じて空燃比をリニアに検出する広域型の空燃比センサ13が設けられている。
更に、機関1の所定のクランク角毎にクランク角信号に出力するクランク角センサ14、機関1の冷却ジャケット内の冷却水温度Twを検出する水温センサ15、前記スロットル弁4の開度TVOを検出するスロットル開度センサ16等の各種センサが設けらており、これらの検出信号は前記コントロールユニット6に入力される。
【0014】
前記コントロールユニット6は、次のようにして前記燃料噴射弁5を制御する。
まず、吸入空気量Qaと、前記クランク角センサ14からの信号に基づいて検出される機関回転速度Neと、からストイキ(λ=1)相当の基本燃料噴射量Tp=Qa/Ne×K(Kは定数)を演算する。
【0015】
次に、運転状態に応じて空燃比をフィードバック制御するかオープンループ制御するかを判断し、フィードバック制御する場合には、目標空燃比λt及び空燃比センサ13の検出信号に基づき空燃比フィードバック補正係数αを演算し、該空燃比フィードバック補正係数α及び目標空燃比λtで前記基本燃料噴射量Tpを補正して、最終的な燃料噴射量Ti(Ti=Tp×(14.7/λt)×α)を求める。
【0016】
一方、オープンループ制御の場合は、前記空燃比フィードバック補正係数αを1に固定して、最終的な燃料噴射量Tiを算出する。
そして、前記最終的な燃料噴射量Tiに対応する噴射信号を前記燃料噴射弁5に出力する。
ここで、本実施形態における空燃比燃制御について詳細に説明する。
【0017】
図2は、前記コントロールユニット(C/U)6内の空燃比制御部を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る空燃比制御部は、出力判断部21と、空燃比フィードバック制御部22と、を含んで構成される。
前記出力判断部21は、運転状態に応じて空燃比フィードバック制御部22で算出されたフィードバック制御量(空燃比フィードバック補正係数α)を燃料噴射弁5に出力するか否かを判断する。
【0018】
そして、フィードバック制御量を出力しないと判断したときは、フィードバック制御量の代わりに固定値(オープンループ制御時は1、燃料カット時は0)を出力する。
前記空燃比フィードバック制御部22は、図2に示すように、スライディングモード制御部(以下、S/M制御部という)221と、むだ時間補償器222と、プラントモデル同定部223と、制御ゲイン算出部224と、むだ時間算出部225と、むだ時間更新部226と、を含んで構成されている。
【0019】
前記S/M制御部221は、目標空燃比λtと実空燃比λrとの偏差に基づくスライディングモード制御によりプラント(前記燃料噴射弁5〜前記空燃比センサ13の間)への制御量u(t)、すなわち、燃料噴射弁5のフィードバック制御量(空燃比フィードバック補正係数)αを次式(1)のようにして算出する。
【0020】
【数1】
Figure 2004068602
【0021】
但し、e(t)はS/M制御部221への入力、Kは線形項線形ゲイン、Kは線形項微分ゲイン、Kは適応則ゲイン、Kは非線形ゲインである。
また、σ(t)は切換関数で、Sを切換関数線形ゲイン、Sを切換関数微分ゲインとしたときに、σ(t) = Se(t)+Se(t)と表せるものである。
なお、上記線形項制御ゲイン(K,K,K)は、後述する制御ゲイン算出部224で算出される。
【0022】
前記むだ時間補償器222は、スミス法によるむだ時間補償制御を実行するのものであり、プラントモデルを用いた局所フィードバックによりプラントに含まれるむだ時間(排気の輸送遅れ等)の影響を補償する。
前記プラントモデル同定部223は、前記燃料噴射弁5から空燃比センサ13まで(プラント)をプラントモデルで表し、このプラントモデルをオンラインで逐次同定する。
【0023】
具体的には、逐次最小二乗法(RLS法)を用いてプラントモデルの各パラメータを逐次推定し、この推定パラメータを制御ゲイン算出部224に出力する。
前記制御ゲイン算出部224は、前記プラントモデル同定部223で推定したプラントモデルの各パラメータを用いて、前記S/M制御部221におけるスライディングモード制御の線形項制御ゲインK,K,Kを算出する。
【0024】
上記線形項制御ゲインK,K,Kの算出は、極配置法によるセルフチューニングコントロールにより行われるものであり、具体的には、システム全体(プラント、S/M制御部221及びむだ時間補償器222等)を1つの閉ループ伝達関数で表し、その極が応答性、行き過ぎ量、整定時間等の点から望ましい極と一致するように前記スライディングモード制御の線形項制御ゲインK,K,Kを算出する。
【0025】
前記むだ時間算出部225は、前記プラントに含まれるむだ時間k、すなわち、燃料噴射弁5を制御してからその効果が空燃比センサ13により検出されるまでの遅れ時間を算出する。
以下、本実施形態におけるむだ時間kの算出について説明する。
図3は、むだ時間算出の制御フローであり、空燃比フィードバック制御中に実行される。
【0026】
図3において、ステップS1では、吸入空気量Qaを読み込む。
ステップS2では、読み込んだ吸入空気量Qa基づいて、図に示すようなテーブルTkを検索することでむだ時間kを算出する。
前記むだ時間更新部226は、現在のむだ時間を補正・更新するものであり、図4に具体的な制御フローを示す。
【0027】
図4において、ステップS11では、スロットル弁4の開度TVOの変化(スロットル開度変化)が所定値(例えば5deg)以下であるか否かを判断する。
かかる判断は、定常状態にあるか否かを判断するために行うものであり、他の方法であってもよい。
そして、スロットル開度変化が所定値以下である場合(すなわち、定常状態にあると判断した場合)はステップS12に進み、スロットル開度変化が前記所定値を上回る場合には本制御を行わない。
【0028】
ステップS12,S13において、空燃比センサ13により検出される実空燃比λrを所定時間において逐次サンプリングする。
ステップS14では、サンプリングした実空燃比の最大値λmaxと最小値λminとの差の絶対値εmax(=│λmax−λmin│、以下、最大振幅という)が所定量以上であるか否かを判断する。
【0029】
この判断は、実空燃比λrが目標空燃比λtに収束したか否かを判断するために行うものである。
そして、最大振幅εmaxが所定量以上であれば、収束していないと判断してステップS15に進み、最大振幅εmaxが所定量を下回る場合には、収束していると判断して本制御(すなわち、むだ時間の補正・更新)を行わない。
【0030】
なお、実空燃比λr(の平均値等)と目標空燃比λtを直接比較し、その差によって収束しているか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS15では、むだ時間補正フラグfkが0であるか否かを確認する。
このむだ時間補正フラグfkは、むだ時間を増加する補正を行った後に収束状態が悪化した場合に設定されるものであり(ステップS20参照)、このむだ時間補正フラグfkに1が設定されていなければ、ステップS16に進む。
【0031】
ステップS16では、現在のむだ時間k(−1)を、所定時間Δkuだけ増加する補正を行って(k=k(−1)+Δku)、むだ時間kを更新する。
そして、ステップS17,S18において、むだ時間更新後(むだ時間増加後)の実空燃比λrを所定時間において逐次サンプリングする。
ステップS19では、むだ時間更新前後における最大振幅を比較し、むだ時間更新後の最大振幅εmaxが、更新前の最大振幅(すなわち、ステップS14で算出された最大振幅)εmax(−1)よりも小さくなっていなければ、むだ時間を増加する補正によって空燃比の収束性が悪化したと判断し、ステップS20に進んでむだ時間補正フラグfkに1を設定する。
【0032】
なお、かかるむだ時間補正フラグfkの設定により、次回の補正は、むだ時間を減少補正する方向で行われることになる(ステップS15→S21)。
ステップS15において、むだ時間補正フラグfkに1が設定されていると判定された場合には、前回、むだ時間を増加する補正を行った結果、空燃比の収束性が悪化したものと推定されるので、ステップS21に進み、現在のむだ時間を、所定時間Δkdだけ減少する補正を行って(k=k(−1)−Δkd)、むだ時間kを更新する。
【0033】
そして、ステップS22,S23において、むだ時間更新後(むだ時間減少後)の実空燃比λrを所定時間において逐次サンプリングする。
ステップS24では、むだ時間更新前後の最大振幅を比較し、むだ時間更新後における最大振幅εmaxが、更新前(すなわち、ステップS14で算出された最大振幅)εmax(−1)よりも小さくなっていなければ、むだ時間を減少する補正によって空燃比の収束性が悪化したと判断し、ステップ25Sに進んでむだ時間補正フラグfkを0にリセットする。
【0034】
なお、かかるむだ時間補正フラグfkの0リセットにより、次回の補正は、むだ時間を増加補正する方向で行われることになる(ステップS15→ステップS16)。
以上のように、基本的には、むだ時間kは、吸入空気量Qaに基づいて算出されるが(もちろん、機関回転速度Ne、排気温度Te等を考慮して算出するようにしてもよい)、その後、空燃比の収束性を判断してむだ時間を補正し更新していくので、経時変化等の影響によって、制御に用いるむだ時間がプラントの実際のむだ時間と誤差が生じて収束状態が悪化した場合でも、これを改善することができる。
【0035】
次に、前記制御ゲイン算出部224で行われるスライディングモード制御の制御ゲインの算出、すなわち、極配置法によるセルフチューニングコントロールを用いた制御ゲインの算出について説明する。
かかる制御ゲインの算出は、まず、プラントを伝達関数で表すプラントモデルG(z−1)を設定し、その後、S/M制御部221の伝達関数G(z−1)及びむだ時間補償器22の伝達関数G(z−1)を求める。
【0036】
そして、これらの伝達関数を合成してシステム全体の閉ループ伝達関数W(z−1)を算出し、その極があらかじめ設定した極となるようにS/M制御部221における制御ゲイン(K,K,K)を算出する。
以下、プラントモデルの設定、プラントモデルの同定(パラメータ推定)、S/M制御部221の伝達関数化、むだ時間補償器222の伝達関数化及びスライディングモード制御の制御ゲインの算出について、順に説明する。
(A)プラントモデルの設定について
燃料噴射弁5と空燃比センサ13との間(プラント)を、前記むだ時間算出部225で算出したむだ時間k、又は、前記むだ時間更新部226で補正・更新された場合には、当該更新後のむだ時間k(≧1)を用いて、次式(2),(3)に示す二次のARXモデルA(z−1)で表す。
【0037】
A(z−1)y(t)=z−ku(t)+ε(t)  …(2)
A(z−1)=1+a−1+a−2 …(3)
但し、y(t)はプラント出力(すなわち、実空燃比λt)、u(t)はプラント入力値(すなわち、燃料噴射弁5のフィードバック制御量α)、ε(t)は不規則雑音である。
【0038】
すると、プラントモデルの伝達関数GP(z−1)は、次式(4)のように表すことができ、また、推定パラメータベクトルθ(t)及びデータベクトルψ(t−k)は、下記(5)、(6)式のようになる。
(z−1)=z−k/A(z−1)  …(4)
θ(t)=〔a(t),a(t),b(t)〕 …(5)
ψ(t−k)=〔−y(t−1),−y(t−2)、u(t−k)〕 …(6)
(B)プラントモデルの同定(パラメータ推定)について
設定したプラントモデルは、前記プラントモデル同定部223で同定される。
【0039】
ここで、前記プラントモデルはむだ時間kを用いて設定してあり、プラントモデルの同定は、プラントの入力データであるフィードバック制御量αと、これに対応する出力データであるむだ時間k経過後の空燃比と、に基づいて行われることになる。
かかるプラントモデルの同定には、逐次最小二乗法(RLS法)を用いており、実値と推定値の誤差の二乗が最も小さくなるように各パラメータを推定する。
【0040】
具体的な演算式は、一般の重みつき逐次最小二乗法(RLS法)と同一のものであり、時間更新式:t=1,2,…,Nに対して、次式(7)〜(9)を計算することにより行う。
【0041】
【数2】
Figure 2004068602
【0042】
なお、前記忘却係数λ、λは、忘却要素なしの場合には前記忘却係数λ=λ=1とし、忘却要素つきの場合にはλ=0.98、λ=1とする。
また、本実施形態においては、前記パラメータ推定値の初期値θ0を、運転状態の応じてあらかじめ設定した値(例えば、a(0)=A1、a(0)=A2、b(0)=B1)とすることで、収束までの時間の短縮化を図っている。
(C)S/M制御部221の伝達関数の算出について
前記S/M制御部221を、次のようにして伝達関数化する。まず、y(t)をプラント出力値(実空燃比λr)、ω(t)を目標値(目標空燃比λt)とし、e(t)=ω(t)−y(t)とすると、1サンプルにおけるプラント入力(すなわち、S/M制御部221からの出力)u(t)の差分Δu(t)は、次式(10)で与えられる。
【0043】
【数3】
Figure 2004068602
【0044】
ここで、e(t)=ω(t)−y(t)、e(t)−e(t−1)=Δe(t)であるから、式(10)より次式(11)が得られる。
【0045】
【数4】
Figure 2004068602
【0046】
但し、K(z−1)は次式(12)で表されるもので、式(13)のように展開して各制御ゲインに基づいて算出するものである。
【0047】
【数5】
Figure 2004068602
【0048】
従って、式(12)よりプラント入力u(t)は、次式(14)で表される。
【0049】
【数6】
Figure 2004068602
【0050】
ここで、非線形項を含めないものとして取り扱うことにすると、S/M制御部221の伝達関数G(z−1)は、次式(15)のように表すことができる。
(z−1) = K(z−1)/(1−z−1)  …(15)
(D)前記むだ時間補償器222の伝達関数の算出について
上述したように、むだ時間補償器222は、スミス法を用いているので、むだ時間補償器222の伝達関数G(z−1)は、次式(16)のように算出できる。
【0051】
Figure 2004068602
なお、z−1/A(z−1)は、むだ時間がない場合の出力予測であり、z−k/A(z−1)は、むだ時間k経過後の実出力予測である。
以上のようにして算出した各伝達関数(プラントモデル、S/M制御部21、むだ時間補償器)を用いてブロック図で示したものが図5である。
(E)システム全体の閉ループ伝達関数W(z−1)の算出について
本実施形態では、上述したようにS/M制御部221の非線形項は含めないものとして、システム全体を閉ループ伝達関数で表す。
【0052】
まず、前記S/M制御部221とむだ時間補償器222の局所フィードバックループを取り出し、目標(目標空燃比λt)から出力(フィードバック制御量)への1つの伝達関数を算出する。
図5において、S/M制御部221とむだ時間補償器22とを含む局所フィードバックループの伝達関数GCL(z−1)は、式(15)、(16)より次式(17)のように算出できる。
【0053】
【数7】
Figure 2004068602
【0054】
従って、プラント及び式(17)に示す局所フィードバックループを含めたシステム全体の閉ループ伝達関数W(z−1)は、次式(18)のように算出できる。
【0055】
【数8】
Figure 2004068602
【0056】
なお、以上の算出結果を図6に示す。
(F)極配置法による前記S/M制御部221の制御ゲインの算出について
前記閉ループ伝達関数W(z−1)の特性多項式は、式(18)の分母であり、(1これを次式(19)のようにおく。
【0057】
【数9】
Figure 2004068602
【0058】
このとき、応答性、行き過ぎ量、整定時間等の点から望ましい極(あらかじめ設定した極)となるようなT(z−1)を設定することで、S/M制御部221の各制御ゲインを以下のようにして算出する。
式(19)より、次式(20)が得られる。
【0059】
【数10】
Figure 2004068602
【0060】
ここで、式(13)より、
K(z−1)=(K+K・S+K・S+K)−(K+K・S+2K)z−1+K−2
であるので、切換関数線形ゲインS及び切換関数微分ゲインSを1に設定し、線形項線形ゲインK、適応則ゲインK、線形項微分ゲインKを可変パラメータとすれば、次式(21)によう表すことができるから、
【0061】
【数11】
Figure 2004068602
【0062】
となり、次式(22)〜(24)を得る。
【0063】
【数12】
Figure 2004068602
【0064】
従って、式(22)〜(24)をK、K、Kについて解き、パラメータa、a、bを用いて表すと、各ゲインは次式(25)〜(27)のように算出できる。
【0065】
【数13】
Figure 2004068602
【0066】
なお、前記特性多項式T(z−1)=1+t−1+t−2としては、例えば、減衰ζ=0.7、固有角周波数ω=30としたときの二次系の連続時間システム、G(s)=ω/(s+2ζω・s+ω)をサンプル時間Tiで離散化したときの伝達関数の分母を用いることが考えられる。
そして、このように算出した制御ゲインは、前記S/M制御部221に出力され、S/M制御部221は、かかる制御ゲインを用いてフィードバック制御量αを算出する(式(13)参照)。
【0067】
ところで、本実施形態の空燃比制御装置には、前記空燃比センサ13の応答劣化を診断する機能が備えられており、かかる診断を図7のフローチャートに従って説明する。
ステップS31では、診断条件が成立しているか否かを判定する。
具体的には、空燃比フィードバック制御中であって、所定運転領域で定常運転されているときに、診断条件が成立していると判断する。
【0068】
診断条件が成立しているときには、ステップS32へ進み、目標空燃比を強制的に切り替える設定を行う。
次のステップS33では、目標空燃比切り替え後の経過時間の計測を開始させる。
ステップS34では、空燃比センサ13で検出される空燃比が切り替え後の目標空燃比に一致するようになったか否かを判別する。
【0069】
そして、実際の空燃比が切り替え後の目標空燃比に一致するようになると、ステップS35へ進み、目標空燃比切り替え後から実際の空燃比が切り替え後の目標空燃比に一致するまでに要した時間である診断値の算出を行う。
ステップS36では、前記診断値と判定値SLとを比較する。
尚、判定値SLと比較させる診断値として、複数回の平均値を用いるようにしても良い。
【0070】
前記診断値が判定値SLよりも大きいとき、即ち、目標空燃比の変化に対する実空燃比の応答遅れが所定以上であるときには、ステップS37へ進み、空燃比センサ13の故障判定(応答劣化判定)を行い、警告ランプ(MIL)の点灯などを行う。
一方、前記診断値が判定値SL以下であるときには、空燃比センサ13の検出特性に大きな応答劣化はないものと判断し、ステップS37を迂回して本ルーチンを終了させる。
【0071】
図8のフローチャートは、前記プラントモデル同定部223による逐次同定を、前記空燃比センサ13の応答診断時に停止させる処理を示す。
ステップS41では、機関1の運転条件を読み込み、ステップS42では、同定パラメータ(a,a,b)の算出を行わせる。
ステップS43では、前記空燃比センサ13の応答劣化診断中であるか否かを判別する。
【0072】
診断中でないときには、ステップS44へ進み、ステップS42における演算結果をそのまま前記ゲインK、K、Kの演算に用いるようにする。
一方、ステップS43で応答劣化診断中であると判定されたときには、ステップS45へ進む。
ステップS45では、予め運転条件(機関負荷・機関回転速度)毎に同定パラメータ(a,a,b)の基準値を記憶したマップを参照して、そのときの運転条件に対応する同定パラメータ(a,a,b)を検索し、該マップ検索で求めた同定パラメータ(a,a,b)を前記ゲインK、K、Kの演算に用いるようにする。
【0073】
即ち、空燃比センサ13の応答診断が行われている間は、そのときの運転条件に応じた同定パラメータの基準値が、前記ゲインK、K、Kの演算に用いられることになる。
ステップS46では、前記同定パラメータに基づき算出される前記ゲインK、K、Kを用いて空燃比フィードバック制御を行う。
【0074】
上記構成によると、前記診断中において、ゲインの算出に用いる同定パラメータが、空燃比センサ13の応答劣化に対応しない基準値に固定されるから、空燃比センサ13の応答劣化による影響が空燃比フィードバック制御にそのまま表れ、空燃比センサ13の応答劣化を精度良く診断することができる。
図9のフローチャートは、前記プラントモデル同定部223による逐次同定を、前記空燃比センサ13の応答診断時に停止させる処理の別の実施形態を示す。
【0075】
ステップS51では、機関1の運転条件を読み込み、ステップS52では、同定パラメータ(a,a,b)の算出を行わせる。
ステップS53では、前記空燃比センサ13の応答劣化診断中であるか否かを判別する。
診断中でないときには、ステップS54へ進み、ステップS52における演算結果をそのまま前記ゲインK、K、Kの演算に用いるようにする。
【0076】
一方、ステップS53で応答劣化診断中であると判定されたときには、ステップS55へ進み、応答診断開始の初回であるか否かを判別する。
そして、初回であるときには、ステップS56へ進み、前記ステップS52で算出した同定パラメータ(a,a,b)を、診断中同定パラメータ記憶用RAMに格納する。
【0077】
ステップS55で初回でないと判別されると、ステップS57へ進み、前記診断中同定パラメータ記憶用RAMに格納されている同定パラメータ(a,a,b)を、前記ゲインK、K、Kの演算に用いるようにする。
即ち、空燃比センサ13の応答診断が行われている間は、診断開始直前に演算された同定パラメータが、前記ゲインK、K、Kの演算に用いられることになる。
【0078】
ステップS58では、前記同定パラメータに基づき算出される前記ゲインK、K、Kを用いて空燃比フィードバック制御を行う。
上記構成によると、診断中に同定パラメータの算出結果が変化しても、これによって、ゲインK、K、Kが修正されることがなく、前記空燃比センサ13の応答診断における診断値がばらつくことを回避でき、以って、診断を精度良く行わせることができる。
【0079】
尚、上記実施形態では、スライディングモード制御によって空燃比をフィードバック制御する構成としたが、通常の比例・積分・微分制御によってフィードバック制御を行う構成であっても良い。
更に、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項2記載の内燃機関の空燃比制御装置において、前記診断中において、前記プラントモデルのパラメータを、機関負荷及び機関回転速度に応じて予め設定された値に固定することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
【0080】
上記構成によると、空燃比センサの診断を行う間は、予め機関負荷及び機関回転速度に応じて設定された値に、プラントモデルのパラメータが固定される。
従って、機関負荷及び機関回転速度に対応する適切なゲインで空燃比フィードバック制御を行わせつつ、空燃比センサの診断を精度良く行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す内燃機関のシステム図。
【図2】本発明に係る空燃比制御全体を示すブロック図。
【図3】むだ時間算出部225におけるむだ時間算出のフローチャート。
【図4】むだ時間更新部226におけるむだ時間の補正・更新のフローチャート。
【図5】プラント、S/M制御部221及びむだ時間補償器222を伝達関数で表したブロック図。
【図6】本発明におけるセルフチューニングコントロールを用いたスライディングモード制御による空燃比フィードバック制御全体を示すブロック図。
【図7】空燃比センサの応答劣化診断のフローチャート。
【図8】劣化診断時における同定停止処理のフローチャート。
【図9】劣化診断時における同定停止処理のフローチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関、5…燃料噴射弁、6…コントロールユニット(C/U)、13…空燃比センサ

Claims (3)

  1. 排気中の特定成分濃度に基づいて空燃比を検出する空燃比センサを備え、
    前記空燃比センサで検出される空燃比を目標空燃比に一致させるべく、燃料噴射弁による機関への燃料噴射量をフィードバック制御する構成であって、
    前記空燃比センサの検出遅れ特性を表したプラントモデルを逐次同定し、同定したプラントモデルのパラメータを用いて前記フィードバック制御における制御ゲインを設定する空燃比制御装置において、
    前記空燃比センサの出力特性の診断を前記フィードバック制御中に行うときに、前記逐次同定を停止させることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記診断中において、前記プラントモデルのパラメータを、運転条件に応じて予め設定された値に固定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記診断中において、前記プラントモデルのパラメータを、診断開始直前の値に保持させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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