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JP2004068127A - 電解用電極、その製造方法、該電解用電極を有する電解セル - Google Patents

電解用電極、その製造方法、該電解用電極を有する電解セル Download PDF

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English (en)
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Chiaki Iwakura
岩倉 千秋
Hiroshi Inoue
井上 博史
Naoharu Furukawa
古川 直治
Shinji Nohara
野原 愼士
Tsuneto Furuta
古田 常人
Yoshinori Nishiki
錦 善則
Megumi Koizumi
小泉 恵
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De Nora Permelec Ltd
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Permelec Electrode Ltd
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Abstract

【課題】従来の水素吸蔵材料を電極材料はその電解効率が上昇しているが、 未だ満足できる電流効率とは言えない。本発明はこの電流効率の低さを大幅に改善し、所望の反応を短時間で行うことのできる電極、その製造方法、前記電極を使用する電解セルを提供することを目的とする。
【解決手段】電極基材1表面に、電極活性物質である水素吸蔵材料3を三次元的に形成した電解用電極5。水素化源として水素吸蔵材料中に吸蔵された活性の高い原子状水素を使用できること、及び水素吸蔵材料が三次元的構造を有し莫大な表面積の増大があり、両者の相乗効果により、対象の水素化反応等の電流効率が上昇する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素化反応に適した電解用電極、その製造方法、該電解用電極を有する電解セルに関する。
【0002】
【従来の技術】
水素吸蔵材料からなる電極を有する電解セルで、電極から到達した原子状水素を用いて被処理物質の還元や水素化を行う電解方法が提案されている(特開平9−184086号公報)。またこの方法は還元や水素化反応以外に脱水素反応にも適用され、該脱水素反応には、天然物の合成に用いられるケトン類の脱水素による不飽和ケトンの生成や芳香族炭化水素の生成などが含まれる。
通常の水素吸蔵材である箔を使用する電極反応では、二次元表面で反応が進行するため、電解処理に時間を要し、工業的な応用が困難である。反応速度を向上させるためには、触媒を最適化すること、及び被処理物質との接触面積を大きくすることが望ましい。
【0003】
このための触媒としてパラジウム黒や白金黒を担持させたもの(特開平11−61474号公報)が提案され、又電解室内に多孔性材料を充填して反応面積を増加させること(特開平10−195686号公報)が提案されている。還元体の製造方法として、水素吸蔵金属から脱着する活性な原子状水素によるもの(特開平11−61423号公報)が提示され、一方で箔のコストと耐久性の観点から隔膜を支持体とする電極構造体(特開2000−234193公報)が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来技術により著しく電解性能は向上したが、反応効率の向上の面では、より以上の改良が求められている。
本発明は、水素化、還元、脱水素あるいは酸化等の反応における電流効率の低さを大幅に改善し、所望の反応を短時間で行うことのできる電極、その製造方法、前記電極を使用する電解セルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1に、電極基材表面に、電極活性物質である水素吸蔵材料を三次元的に形成したことを特徴とする電解用電極であり、この水素吸蔵材料表面に、水素吸蔵材料以外の触媒を担持しても良く、本発明は、第2に、電極基材表面にテンプレートを三次元的に形成し、このテンプレートを水素吸蔵材料で被覆した後、前記テンプレートを溶出させて、前記電極基材表面に電極活性物質である水素吸蔵材料を三次元的に形成することを特徴とする電解用電極の製造方法であり、本発明は、第3に、前記電解用電極の電極基材を該電極基材が隔膜として陽極室及び陰極室を区画するように配置したことを特徴とする電解セルである。
【0006】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明では、電極基材表面に、水素吸蔵材料を電極物質として三次元的に担持して電解用電極を構成する。この電解用電極を電解に使用すると、陰極での水電解で生成する水素ガスは発生機の原子状水素のまま水素吸蔵材料に吸蔵される。そしてこの電極物質である水素吸蔵材料は莫大な表面積を有するため、電解液と十分に接触し、該電解液中に水素添加反応を受ける反応対象が存在すると、吸蔵された水素が反応性の高い原子状水素として反応対象と反応して水素化反応が行われる。なおこの反応は水素化反応に限定されず、原子状水素により進行する任意の反応、例えば還元、脱水素あるいは酸化等の反応が含まれる。
【0007】
このときの原子状水素と反応対象との接触効率が非常に良いため、反応対象の水素化反応の電流効率が従来の二次元的な電極物質を有する電解用電極より遥かに良好になる。
又効率の水素化反応に加えて他の反応が必要な場合には、前記水素吸蔵材料以外の適宜の触媒を更に担持すれば良い。
【0008】
本発明の電極物質として、パラジウム、パラジウム合金、ニッケル、チタン、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ミッシュメタル(Mm)に代表される希土類金属を含む水素吸蔵金属又は合金等があり、これらを薄膜や板として使用する。その厚さは反応を速やかに進行させる観点(電極内の水素吸蔵を経て反応室で水素置換反応が進行するための充電時間を考慮する)と機械的強度を維持する観点を考慮して決定され、通常は0.05mmから1mmが好適である。
【0009】
この電極物質を三次元的に担持して使用する電極基材は、電解セル内を陽極室と陰極室に区画する隔膜として使用しても良く、この場合の電極基体はイオン交換膜又は多孔性膜としても良いが、この膜材料は膜を介した液の移動を防止する機能が必要とされ、例えばパラジウム黒又は金属パラジウム又はパラジウム合金よりなる液不透過物質が使用できる。使用可能なイオン交換膜は特に限定されないが例えば旭硝子株式会社製アニオン交換膜のセレミオンAMT、カチオン交換膜のセレミオンCMV,株式会社トクヤマ製のアニオン交換膜のネオセプタAMHやカチオン交換膜のネオセプタCMHなどが挙げられる。多孔性膜としては例えば湯浅株式会社のユミクロン膜、住友電工株式会社製のポアフロン膜が挙げられる。液不透過性膜は、蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法のような物理的成膜法や、電気めっき、無電解めっき、及びこれらの組み合わせにより形成できる。多孔性膜の空孔部をパラジウム黒又は金属パラジウム又はパラジウム合金で埋めることにより、電解室の溶液が反応室に透過することを防止し、電解により生成した原子状水素のみが透過できるようになる。パラジウム黒又は金属パラジウム又はパラジウム合金の膜厚は0.5μmから30μmが望ましい。
【0010】
テンプレートとして用いる物質は、電極基材表面に比較的容易に層状に積層でき、その後に被覆される電極物質を溶解させることなく除去できれば特に限定されないが、ポリスチレンや二酸化珪素の使用が望ましい。これらの物質はコロイド粒子の形態であること、特に球状コロイド粒子の形態であることが好ましい。溶媒に懸濁させた球状コロイド粒子を塗布や含浸により電極基材表面に被覆(担持)する。電極基材上のコロイド粒子は溶媒蒸発に伴う自己集合により三次元的に規則正しく配列する。コロイド粒子はそのサイズが数十nm〜数百μmの高分子コロイドが適しており、各粒子径は0.1μm〜10μmの範囲が好適である。前記テンプレートは、これらのコロイド粒子を1μm〜100μmとなるように塗布又は浸漬し、溶媒を蒸発させて作製できる。
このテンプレート上に担持する電極物質は前述の通りであるが、例えば光沢の出ないパラジウム黒は大面積を有し、金属パラジウムと比べて数百から数千倍の水素吸蔵能を示し、更に有機化合物の水素化反応触媒や選択的水素化反応触媒として非常に優れた特性を有する材料といえる。
【0011】
この電極物質及び後述する触媒物質の担持法は、特に限定されず、前述の塗布や浸漬の他に、電気化学的還元、無電解めっき、水素吸蔵合金から脱着する活性な原子状水素による還元による析出、あるいは蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法のような物理的析出法が挙げられる。
一例としてパラジウム材料を用いた三次元触媒構造体を電気化学的還元(電気めっき)で得るためには、溶媒に懸濁した球状ポリスチレン粒子を塗布し、溶媒を蒸発させた後のパラジウム箔を陰極とし、白金を陽極とし、更にめっき液として塩酸又は塩酸とエタノールの混合液に塩化パラジウムを溶解した液を用い、電流密度0.1A/dm〜1A/dmの範囲で電解を行えば良い。パラジウム析出量はめっき時間の長短により調節でき、0.1μm〜100μmの厚さとすることが好適である。
【0012】
このように水素吸蔵材料をコロイド粒子等のテンプレート上に析出させた後、あるいは更に触媒物質の析出後に、前記コロイド粒子等の除去を行う。この除去は通常、コロイド粒子のみを溶解し水素吸蔵材料を溶解しない溶媒にパラジウム箔等の電極基材全体を浸漬することにより行う。コロイド粒子がポリスチレン粒子の場合は、酢酸エチルに約1日浸漬することにより水素吸蔵材料をそのままの形で残してポリスチレン粒子のみを溶出させることができる。
ポリスチレン溶出後の電極基材表面は、連通孔を有するハニカム構造又はそれに類似する三次元構造となり、物理的強度に優れた電極基材が得られる。この三次元構造を有する電極基材の電極物質の表面積は、二次元電極物質と比べて飛躍的に増大し、反応物との接触面積が大きくなって電流効率が向上する。
【0013】
電極物質としてこれまで述べた水素吸蔵材料の他に、水素化、還元、脱水素、酸化等の各種用途の触媒を担持することもできる。これらの触媒の材質は、白金族金属、銅、亜鉛、スズ、金、銀などの金属や、それらの合金あるいは酸化物等である。これらの材質は、化学的還元、電気化学的還元、水素吸蔵金属から脱着する原子状水素による還元のいずれかの方法により析出させることが好ましい。析出後に、更に触媒成分を電気化学的に又は焼成により酸化物に変換することも可能かつ有効である。しかしながら触媒成分の担持量が多過ぎると、水素の反応室への供給が阻害されることがあるため、厚さは5μm以下が好ましい。
【0014】
通常前記水素吸蔵材料を析出させた電極基材は陰極として使用され、その対極となる陽極は、酸性中での酸素発生反応である場合は、白金、イリジウム等の金属あるいはそれらの酸化物、又はホウ素をドープした導電性ダイヤモンド等が使用できる。これらの触媒は、そのまま板状として用いても、チタン、ニオブ、タンタルなどの耐食性を有する板、金網、粉末焼結体、金属繊維焼結体上に、熱分解法、樹脂による固着法、複合めっき、高圧法、CVD法などにより1〜500g/mとなるように担持しても良い。アルカリ溶液を使用する場合には、ニッケルやステンレス材料が使用できる。
【0015】
電解室の隔膜は、前述した通り電極基体が兼用するように電極を配置しても良いが、別個の中性隔膜やイオン交換膜の使用が可能である。イオン交換膜はフッ素樹脂系及び炭化水素樹脂系のいずでも良いが、耐食性の面で前者が好ましく、陽極及び陰極で生成する各イオンが対極で消費されるのを防止するとともに、液の伝導性が低い場合にも電解を速やかに進行させる機能を有する。
電解条件は、温度は5℃から60℃が好ましく、電流密度は1〜100A/dmが好ましい。
【0016】
電解室の厚さは抵抗損失を低下させるためになるべく薄くすべきであるが、電解液を供給する際のポンプの圧力損失を小さくし、圧力分布を均一に保つために1〜10mmとすることが好ましい。
電解セルの材料は、耐久性の観点から、ガラス、カーボン、耐食性の優れたチタンやステンレス、PTFE樹脂等が好ましい。
本発明の電解用電極は、有機合成特に炭素−炭素二重又は三重結合の水素化、又は無機合成、廃水処理等の用途に使用できる。該電解用電極を設置した電解セルは、非常に反応性の高い原子状水素で反応を行うことができ、かつ電気化学的制御により反応速度をほぼ任意に変えることができる特徴を有し、処理対象は溶液でも気体でも良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に添付図面に基づいて本発明の電解用電極及び該電極を設置した電解セルの実施態様を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
図1aから図1cは本発明に係る電解用電極の一連の製造工程を示す縦断面図である。
パラジウム箔等の電極基材1に、溶媒に懸濁させた多数のポリスチレン粒子2を塗布し、溶媒を蒸発除去すると、図1aに示すようにその表面に規則正しく配列された複数層のポリスチレン粒子2を有する電極基材1が得られる。
【0019】
次いで図1bに示すように、このポリスチレン粒子2をテンプレートとして使用し、このポリスチレン粒子2全体を隙間が生じないように、パラジウム黒等の水素吸蔵材料3で被覆する。この水素吸蔵材料3による被覆は、対応する金属イオンを含む水溶液中で電解還元して行うことが望ましい。
このポリスチレン粒子2及び水素吸蔵材料3を担持した電極基材1をポリスチレン粒子2を溶出させられる溶媒、例えば酢酸エチル中に浸漬する。これにより図1cに示すようにポリスチレン粒子が溶出して、互いに連通するポリスチレン粒子と同数及び同形状の球状空間4が形成され、前記水素吸蔵材料3はこの球状空間4に面するため、莫大な表面積が得られることになる。このようにして莫大な電解面積を有する電解用電極5が得られる。
【0020】
図2は図1cで得られた電解用電極を電極セルに設置した状態を示す縦断面図である。
電解セル6は、隔膜としても機能する電解用電極5の電極基材1により、該電極基材1上に担持された水素吸蔵材料(陰極として機能)3が位置する反応室(陰極室)7と、多孔性陽極8が収容された電解室(陽極室)9に区画されている。前記反応室7には水素化される反応基質自体又は陰極液10に溶解した反応基質が供給され、電解室9には導電性物質例えば水酸化カリウム等が溶解した陽極液11が供給される。
この状態で両極3及び8間に通電すると、反応室7で水電解による水素ガス発生が起こるが、陰極物質が水素吸蔵材料から成るため、発生機の原子状水素が該水素吸蔵材料3に吸蔵される。この吸蔵された原子状水素は水素化反応等を受ける成分が陰極液10中に含まれていると、直ちに水素吸蔵材料3表面から放出されて対象成分の水素化を行う。このときに水素供給物質が非常に反応性の高い原子状水素であること、及びこの原子状水素が放出する水素吸蔵材料3が莫大な表面積で反応対象物と接触するため、水素化反応の電流効率が上昇し、効果的な水素化反応が実施できる。
【0021】
[実施例]
次に本発明に係る電解用電極に関する実施例及び比較例を記載するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0022】
実施例1
厚さ50μmのパラジウム箔表面に、溶媒である水に懸濁させた多数の平均粒径約1μmの球状ポリスチレン粒子を塗布し、更に乾燥して前記溶媒を除去した。このパラジウム箔表面の多数球状ポリスチレン粒子間の空間や前記粒子表面に次の条件でパラジウム黒を電気化学的に析出させた。
陽極:白金
陰極:球状ポリスチレン粒子を担持したパラジウム箔
電解液:0.028M塩化パラジウム+1M塩酸水溶液
電流密度:0.1A/dm
電解時間:30分
【0023】
このようにして作製したパラジウム黒を析出させた球状ポリスチレン粒子担持パラジウム箔を24時間酢酸エチルに浸漬し、ポリスチレン粒子を溶解して、三次元構造を有するパラジウム黒層を電極基材であるパラジウム箔上に形成して電解用電極とした。
又電解時間を増減させて、析出量が0〜0.3mg/cmである計4種類の電解用電極を作製した。
【0024】
比較例1
厚さ50μmのパラジウム箔表面に、球状ポリスチレン粒子を塗布しなかったこと以外は実施例1と同じ析出条件でパラジウム黒を析出させて電極基材に二次元パラジウム黒を担持した電解用電極とし、更に電解時間を増減させて、析出量が0〜1.8mg/cmである計4種類の電解用電極を作製した。
実施例1の電極と比較例1の電極のそれぞれについて、各析出量でのRoughness Factor (粗面化因子)を測定したところ図3のグラフに示す通りであった。図から同じ析出量での実施例1の電極基材の表面積は比較例1の電極基材の表面積は10倍以上で大きな面積拡大効果があったことが分かる。
【0025】
実施例2
実施例1で作製した電解用電極を陰極として使用し、陽極として多孔性ニッケル電極を使用して図2に示す電解セルを組み立て、電解室は1M水酸化カリウム水溶液で満たし、反応室には反応基質として4−メチルスチレンを加えた。
室温下で電流密度が1A/dmとなるように電流を流して4−メチルスチレンの水素化を行ったところ、70%の電流効率で▲1▼式に示すように、4−エチルトルエンが生成した。
析出量のみ異なる他の2個の電解用電極を同様にして作製し、▲1▼式で示す反応に使用し、その電流効率を測定した。その結果を図4のグラフに示した。
【0026】
【化1】
Figure 2004068127
【0027】
比較例2
陰極兼隔膜としてパラジウム箔のみを用いたこと以外は実施例2と同様にして4−メチルスチレンの水素化を試みた。その結果、4−メチルスチレンの水素化に関する電流効率は図4のグラフに示す通り、0%であった。これはパラジウム黒が担持されていないため、反応室側への原子状水素の供給量が殆どないことが原因であると考えられる。
【0028】
比較例3
陰極兼隔膜として、実施例2と同量のパラジウム黒をテンプレートを使用せずに担持したパラジウム箔を用いたこと以外は実施例2と同様にして4−メチルスチレンの水素化を試みた。パラジウム黒の担持量はそれぞれ0.7mg/cm、1.5mg/cm及び3.1mg/cmとした。各担持量における電流効率は図4のグラフに示す通り、順に37%、72%及び85%であった。
低析出量の領域で電流効率が低いのは、パラジウム黒触媒層が三次元化していないため、実質上の反応面積が小さいことが原因であると推定される。
【0029】
実施例3
実施例1で作製した電解用電極の上に、電気めっきにより0.1μmの厚さでスズを担持して本実施例の電解用電極とした。
この電解用電極を陰極として使用し、陽極として多孔性ニッケル電極を使用して図2に示す電解セルを組み立て、電解室は1M水酸化カリウム水溶液で満たし、反応室には反応基質として0.03M硝酸水溶液30mlを加えた。
室温下で電流密度が10A/dmとなるように電流を流して硝酸イオンの還元を行ったところ、図5のグラフに示す通り、50%の電流効率で硝酸イオンが還元されて約40分後に硝酸イオン濃度が約20mg/リットルとなり、約1時間20分後には実質的に零になった。
【0030】
比較例4
比較例3の電解用電極の上に、電気めっきにより0.1μmの厚さでスズを担持して本比較例の電解用電極とした。
この電解用電極を使用して実施例3と同様の条件で硝酸イオンの還元を試みた。その結果、硝酸イオンは図5のグラフに示すように約20%の電流効率で還元された。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、電極基材表面に、電極活性物質である水素吸蔵材料を三次元的に形成したことを特徴とする電解用電極である。
この電解用電極は水素化源として水素吸蔵材料中に吸蔵された活性の高い原子状水素を使用できること、及び水素吸蔵材料が三次元的構造を有し莫大な表面積の増大があり、両者の相乗効果により、対象の水素化反応等の電流効率が上昇する。
又本発明の電解用電極では、水素吸蔵材料以外に他の触媒を担持しても良く、これにより有用性の高い電解用電極が提供できる。
【0032】
本発明の三次元的構造は、電極基材表面にテンプレートを三次元的に形成し、このテンプレートを水素吸蔵材料で被覆した後、前記テンプレートを溶出させて、前記電極基材表面に電極活性物質である水素吸蔵材料を三次元的に形成することにより得られ、これにより連通孔を有するハニカム構造又はそれに類似する三次元構造となり、物理的強度に優れた電極基材が得られる。この三次元構造を有する電極基材の電極物質の表面積は、二次元電極物質と比べて飛躍的に増大し、反応物との接触面積が大きくなって電流効率が向上する。
前記電解用電極を電解セルに収容する際には、電極基材を隔膜と兼用でき、電解セルの小型化等に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aから図1cは本発明に係る電解用電極の一連の製造工程を示す縦断面図である。
【図2】図1cで得られた電解用電極を電極セルに設置した状態を示す縦断面図である。
【図3】実施例1と比較例1における電解用電極のパラジウム黒析出量と粗面化因子の関係を示すグラフである。
【図4】実施例2と比較例2及び3における電解用電極のパラジウム黒析出量と電流効率の関係を示すグラフである。
【図5】実施例3と比較例4における反応時間と硝酸イオン濃度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電極基材
2 ポリスチレン粒子
3 水素吸蔵材料
4 球状空間
5 電解用電極
6 電解セル

Claims (6)

  1. 電極基材表面に、電極活性物質である水素吸蔵材料を三次元的に形成したことを特徴とする電解用電極。
  2. 電極基材表面に、電極活性物質である水素吸蔵材料を三次元的に形成し、更にその表面に金、白金族金属、白金族金属黒、銅、スズ、及びこれらの合金及び酸化物を含む群から選択される少なくとも1種を含む触媒層を形成したことを特徴とする電解用電極。
  3. 水素吸蔵材料が、パラジウム、パラジウム合金、ニッケル、チタン、ジルコニウム、ジルコニウム合金、アルミニウム、カーボン及び希土類金属を含む群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の電解用電極。
  4. 電極基材表面にテンプレートを三次元的に形成し、このテンプレートを水素吸蔵材料で被覆した後、前記テンプレートを溶出させて、前記電極基材表面に電極活性物質である水素吸蔵材料を三次元的に形成することを特徴とする電解用電極の製造方法。
  5. テンプレートがポリスチレン及び二酸化珪素から選択されるコロイド粒子である請求項4に記載の製造方法。
  6. 請求項1から3までのいずれかに記載の電解用電極を該電解用電極の電極基材が隔膜として機能するように配置したことを特徴とする電解セル。
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