JP2004067865A - 金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】金属板と貼合せて製缶や製蓋加工を行う際、およびこれらを用いて金属缶を作成する際に、優れた成型加工性を示し、かつ耐熱性、耐レトルト性、フレーバー性、耐衝撃性に優れた金属缶、例えば飲用缶、食品缶等を製造し得る金属板貼合せ用ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(A)と、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(B)と、ポリエステル(A)とポリエステル(B)とを混合して少なくとも1回溶融混練押出して得られたポリエステル(C)とを含む組成物からなるポリエステルフィルムであって、当該組成物中のポリエステル(A)の含有量が5〜40重量%、ポリエステル(B)の含有量が10〜60重量%、ポリエステル(C)の含有量が5〜60重量%であることを特徴とする金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(A)と、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(B)と、ポリエステル(A)とポリエステル(B)とを混合して少なくとも1回溶融混練押出して得られたポリエステル(C)とを含む組成物からなるポリエステルフィルムであって、当該組成物中のポリエステル(A)の含有量が5〜40重量%、ポリエステル(B)の含有量が10〜60重量%、ポリエステル(C)の含有量が5〜60重量%であることを特徴とする金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板と貼り合わせ加工を行う基材として有用なポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、金属板と貼り合わせて製缶や製蓋加工を行う際およびこれらを用いて金属缶を作成する際に、優れた成型加工性を示し、かつ耐熱性、耐レトルト性、フレーバー性、耐衝撃性に優れた金属缶、例えば飲用缶、食品缶等を製造し得る金属板貼り合わせ用単層または多層ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルムは、各種素材と貼り合わせた複合材として広く使用されている。例えば、飲料缶分野では、金属の耐食性を高めるために、有機被膜としてポリエステルフィルムをラミネートしたラミネート金属板より製缶されたものが使用されるようになった。
従来、ポリエステルフィルムを他の素材へ貼り合わせる方法としては、接着剤、特に非水系接着剤を使用して行われるのが一般的であったが、多量の有機溶剤使用による環境負荷を軽減する観点より、ポリエステルフィルムに熱接着性を付与し、直接被着体へ貼り合わせる例が増えている。
【0003】
フィルム用素材として最も広く用いられているポリエステルであるポリエチレンテレフタレートは十分な熱接着性を有さないため、イソフタル酸などの他成分を共重合することで熱接着性を付与する方法が提案されている。例えば、特開平2−305827号公報には、イソフタル酸12モル%共重合ポリエチレンテレフタレートやセバシン酸9モル%共重合ポリエチレンテレフタレートなどがその例として挙げられている。
しかしながら、10モル%前後の他成分が共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートは、熱接着層を構成するポリエステルとしてある一定レベルの特性を満足するものではあるが、他の材料との貼り合わせに際して、高精度の温度・圧力制御を要するなど、必ずしも工業的な大量生産に適したものではない。また、さらに他成分の共重合量を増すことで結晶性を低下させ、接着性を高める方法も提案されたが、かかる方法では、耐熱性が不十分となるため、耐レトルト性や耐食性の点において問題が生じ、根本的な改良法ではない。
【0004】
かかる問題点を解決するために、エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルと、ブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとからなるフィルムを使用する方法が提案されてきたが、金属との密着性が不十分であり、特にしごき成型によって製缶する場合には、製缶時に、いわゆるカジリの問題を引き起こし、改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、金属板との接着性を高度に満足し、加熱や水との接触によっても剥離しがたく、例えば飲料缶などの金属素材の耐食被膜として有用であって、しかも製缶工程でのカジリ問題が発生することがない、しごき成型に適したラミネート金属板を与えることができる金属貼り合わせ用ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなる単層または多層ポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(A)と、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(B)と、ポリエステル(A)とポリエステル(B)とを混合して少なくとも1回溶融混練押出して得られたポリエステル(C)とを含む組成物からなるポリエステルフィルムであって、当該組成物中のポリエステル(A)の含有量が5〜40重量%、ポリエステル(B)の含有量が10〜60重量%、ポリエステル(C)の含有量が5〜60重量%であることを特徴とする金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の金属板熱ラミネート用ポリエステルフィルム(以下「フィルム」と略称することがある)で使用するポリエステル樹脂について説明する。
本発明で使用するポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸とグリコールとの常法による縮重合反応で得られる。
ポリエステル(A)は、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸、グリコールとしてエチレングリコールを使用したポリエステルであり、エチレンテレフタレート成分を80モル%以上、好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含有することが必要であり、この他にジカルボン酸成分またはグリコール成分あるいは両方の第三成分を含有する共重合体であってもよい。
【0009】
ポリエステル(B)は、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを使用したポリエステルであり、ブチレンテレフタレート成分を80モル%以上、好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含有することが必要であり、この他にジカルボン酸成分またはグリコール成分あるいは両方の第三成分を含有する共重合体であってもよい。
ポリエステル(A)および(B)における第三成分として使用できる成分の例として、上記した化合物以外に、ジカルボン酸成分の例としては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、グリコール成分の例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−2−ブチル−1−プロパンジオール、ビスフェノールA等が挙げられ、またオキシカルボン酸の例として、4−ヒドロキシ安息香酸などが挙げられるが、これらの例に制限されるものではない。
【0010】
本発明においては、ポリエステル(A)および(B)に加え、ポリエステル(C)を使用する。ポリエステル(C)は、ポリエステル(A)およびポリエステル(B)と、必要に応じ第三の成分とを混合し、少なくとも1回溶融混練押出したポリエステル組成物である。ポリエステル(C)中のポリエステル(A)成分の含有量は、通常5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%である。また、ポリエステル(C)中のポリエステル(B)成分の含有量は、通常10〜95重量%、好ましくは20〜80重量%である。ポリエステル(C)中には、ポリエステル(A)および(B)とのエステル交換物やそれ以外のポリエステルを含有してもよいが、その含有量は通常50重量%以下であり、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
【0011】
ポリエステル(C)におけるポリエステル(A)に起因する融点は、ポリエステル(A)の融点よりも3℃以上、さらには5℃以上低いことが望ましい。ポリエステル組成物(C)の融点が低い場合、金属板との密着性が高度に満足される。一方、40℃以上低くなると、フィルムの耐熱性が劣り、製缶時の加工適性に影響を及ぼすようになり、特にカジリの発生が起こりやすくなる傾向がある。
ポリエステル(C)が、ポリエステル(A)成分とポリエステル(B)成分とを所定量含有し、かつ溶融混練押出を行うことにより融点が低くなった組成物であり、これをポリエステル(A)および(B)と混合して得られるフィルムは、金属板との密着性を向上すると同時に製缶時の加工適性を良好とし、かつ耐熱性、耐衝撃性、フレーバー性を向上することができる。
なお、ポリエステル(C)としては、フィルムの耳部やスリット工程での不要部等を再生した原料であってもよい。
【0012】
本発明のフィルムは、ポリエステル(C)を、ポリエステル(A)およびポリエステル(B)と共に含有するため、密着性と製缶時の加工性を同時に満足するが、かかる特性向上は、フィルムを構成するポリエステルの末端カルボキシル基の量が40当量/トン以上、好ましくは45当量/トン以上である場合、耐熱性が高度に満足され、製缶工程の温度が高くなってもカジリ等の問題が発生することのない好適なフィルムとなる。本発明においては、ポリエステル(C)を得るために少なくとも1回以上溶融混練押出を行うが、かかる工程を経ることは、容易に所定の末端カルボキシル基量のポリエステル組成物を得るために有利である。
【0013】
本発明のフィルム中のポリエステル(A)の含有量は5〜40重量%である。ポリエステル(A)が少ない場合は、フィルム耐熱性が劣るようになり、耐レトルト性やフレーバー性も低下するようになる。ポリエステル(A)が多すぎると、金属板との密着性の低下や製缶時の加工適性の低下が見られるようになり、成型のムラが発生しやすくなる。一方、ポリエステル(B)の含有量は10〜60重量%である。ポリエステル(B)が少ない場合は、製缶時にフィルムの変形が起こりにくくなるので、その結果加工適性の悪化を招く。ポリエステル(B)が多すぎると、フィルムを生産する工程での製膜性が低下し、破断や延伸ムラなどの問題が起こりやすくなる。なお、上記したポリエステル(A)および(B)のフィルム中の含有量は、ポリエステル(C)中に存在するそれぞれのポリマー成分の量を除いた量を指す。
【0014】
本発明のフィルム中のポリエステル(C)の含有量は、5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。ポリエステル(C)の含有量が5重量%未満では、フィルムの接着性が劣り、60重量%を超えると、カジリが発生しやすくなり好ましくない。
本発明に使用されるポリエステル(A)の極限粘度は、通常0.55〜1.2、好ましくは0.58〜1.0の範囲であり、ポリエステル(B)の極限粘度は、通常0.60〜1.5、好ましくは0.65〜1.5の範囲である。極限粘度が低い場合は、耐衝撃性や耐熱性が低下する傾向がある。一方、極限粘度が高すぎると、重合における生産性が低下したり、製膜の際にフィルムに流れムラが発生したりする傾向がある。特に、フィルムが白色顔料を含有する場合、色ムラ(白色濃淡)が発生しやすく、かかる問題が発生すると美観が損なわれるようになる。
【0015】
本発明のフィルムは、ポリエステル(A)、ポリエステル(B)およびその再生ポリマーであるポリエステル(C)とを含む組成物からなる単層のフィルムであってもよいが、かかる組成物からなるフィルムをX層とし、その少なくとも片面に、ポリエステル(A)とポリエステル(B)とからなるY層を設けた積層フィルムとした場合、製缶時の加工適性がさらに高度に満足される。かかるY層をX層の片面に設けた場合は、通常、Y層は金属板との密着とは反対側の面を構成する。
【0016】
Y層中のポリエステル(A)の含有量は通常20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。ポリエステル(A)が多すぎると、製缶時の加工適性の低下が見られるようになり、成型のムラが発生しやすくなる傾向がある。ポリエステル(A)が少ない場合は、フィルム耐熱性が劣るようになり、耐レトルト性やフレーバー性も低下するおそれがある。また、Y層中のポリエステル(B)の含有量は通常30〜80重量%、好ましくは40〜70重量%である。ポリエステル(B)が少ない場合は、製缶時にフィルムの変形が起こりにくくなるので、その結果加工適性の悪化を招く。ポリエステル(B)が多すぎると、フィルムを生産する工程での製膜性が低下し、破断や延伸ムラなどの問題が起こることがある。
【0017】
Y層中には、ポリエステル(A),(B)以外のポリエステルを通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下含有することができる。
本発明のフィルムを積層フィルムとした場合、X層中に、例えば10〜50重量%の白色顔料を含有させて、白色着色フィルムとすることができる。斯かる白色着色フィルムは、成形缶外面にラミネートして、印刷インキの発色を向上される下地フィルムとして好適に使用される。
白色顔料としては、特に制限されないが、通常、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、硫化亜鉛などの白色顔料が使用される。白色顔料含有量は、好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは10〜25重量%である。白色顔料が10重量%未満の場合は、白色隠蔽性に劣り印刷インキの発色が不十分となることがあり、50重量%を超える場合は、フィルム製膜の際に破断しやすくなり、また、製缶後のフィルムの耐衝撃性も低下する傾向がある。
【0018】
なお、X層が白色顔料を含有する場合、X層を構成する各ポリエステルの含有量は、X層のポリエステル全量に対して、上記した範囲とする。
本発明のフィルムには、本発明の特性を損なわない範囲において、他のポリエステル系樹脂、それ以外の樹脂(例えばポリオレフィン系樹脂やエンジニアリングプラスチックス)、無機フィラー等の第3成分が適量含まれていてもよい。
特に、本発明のフィルムには滑剤粒子を配合してフィルムに滑り性を付与することが好ましい。滑剤粒子の平均粒子径は、通常0.01〜6.0μm、好ましくは0.05〜5.0μmである。また、滑剤粒子の配合量は、通常0.01〜1.5重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%である。フィルムがX層とY層とを有する場合は、Y層中に、Y層を構成するポリエステルに対して上記した含有量で滑剤粒子を含有させると良い。
【0019】
かかる滑剤粒子の例としては、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、硫酸バリウム、フッ化リチウム、タルクおよび特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体等を挙げることができる。これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよい。
本発明のフィルムの製造法は、特に限定はなく、公知のポリエステルフィルム製造方法を採用でき、例えば次の様な方法が好適に採用される。すなわち、原料ポリエステルを押出機にて溶融し、Tダイよりシート状に溶融押出して、冷却ロールにて急冷し非晶性シートとし、原料ポリエステルのガラス転移温度以上に加熱した後、縦延伸し、次いで、横延伸と逐次延伸するかまたは同時二軸延伸する。X層とY層とを積層する場合は、2台の押出機にそれぞれの原料を供給し、共押出積層してTダイよりシート状に押出する方法を用いて、所望の積層フィルムを得る。
【0020】
本発明のフィルムの厚さ(全体厚さ)は、用途によって異なる。飲料用金属缶に使用する場合のフィルムの厚さは、通常5〜75μm、好ましくは5〜50μmである。フィルムの厚さが5μm未満の場合はラミネート加工適性が低下したり、耐衝撃性が不十分となったりする問題があり、75μmを超える場合は絞りしごき成形が困難な場合がある。
フィルムがX層とY層とを有する場合、Y層の厚さは、通常1〜10μm、好ましくは1.5〜5μmである。X層の両面にY層を有する場合は、2つのY層の厚さの関係には、制限はなく、同じでもよいし、異なっていてもよい。例えば片面が0.5μm、反対面が2μm、という具合でも良い。2つのY層の厚さが異なる場合は、薄い方の層を、金属板との密着面とすることが、フィルムの耐熱性や耐衝撃性、フレーバー性を高度に満足させるために好ましい。
【0021】
Y層を構成するポリエステル組成物の極限粘度は、0.65dl/g以上であることが好ましく、0.70dl/g以上がさらに好ましい。またY層におけるポリエステル(A)に起因する融点は、245℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは250℃以上である。Y層の極限粘度が0.65dl/g未満の場合であったり、Y層におけるポリエステル(A)の融点が245℃未満の場合は、製缶時の加工適性が劣ったりするようになり、特にカジリの問題が顕著になる。
本発明のフィルムは、主に絞りしごき成形缶を目的として設計されているが、金属板の両面または片面にラミネート処理した後、金属板を所望のサイズに切断し、溶接により製缶するもの、例えば、飲料缶に代表される食品缶詰缶、ペール缶、ブリキ板製18L缶、鋼製ドラム等のフィルムとしても好適である。また、缶材の素材の種類は、特に制限されず、一般的に製缶に供される金属材料であれば問題なく使用し得る。缶材の素材の具体例としては、ブリキ、TFS(チンフリースチール)、アルミニウム等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの例に何ら限定されない。なお、本発明のフィルムの評価方法は以下のとおりである。
【0023】
(1)金属板へのフィルム貼り合わせおよび絞りしごき成形カップの作製
上下2本のロールを有するラミネート装置を使用し、0.18mm厚のアルミニウム板の両面に各例にて得られたポリエステルフィルムを加圧ラミネートし、ラミネートアルミニウム板を作製した。貼り合わせ時のアルミニウム板温度は180〜190℃、貼り合わせ速度10m/分とした。得られたラミネート板を、熱風オーブンを使用して220℃で10秒間加熱処理した。ダイスとポンチを使用し数工程で、上記のラミネート板を、底面直径65mm、高さ150mmの成形容器(以下、カップと略す)に30〜60ストローク/分の速度で絞りしごき成形した。カップ底面より高さ120mm付近の側壁部の板厚は、元のアルミニウム板厚に対して約30%に減少していた。得られたカップについて以下の観察および試験を行って評価した。なお、絶縁性評価に関しては、外観上問題のない缶を選択して行った。
【0024】
(2)成形特性評価
(2−1)成型時のカジリ
カップ成型時の、ダイスとの間でのカジリの発生に関して目視による観察を行い、以下に示す基準により評価した。
◎:60ストローク/分の速度で10000缶以上の連続成型を行っても、カジリの発生は全く見られない。
○:30ストローク/分の速度であれば1000缶以上の連続成型を行っても、カジリの発生は見られない。
△:30ストローク/分の速度であれば100缶以上連続成型可能であるが、カジリによるキズが見られるものが10缶以下存在する。
×:カジリの発生により、100缶の連続成型は不可能であり、キズが見られるものや、成型機を停止せざるを得ないケースも起こる。
【0025】
(2−2)カップのフィルム外観
成形後のカップ内外面について目視による観察を行い、以下の表2に示す基準により評価した。
○:シワ、傷、穴あきが認められない。白色フィルムの場合も白色ムラは見られない。
△:シワまたは傷または穴あきが若干見られる。
×:シワ、傷、穴あきが発生している。白色フィルムの場合白色ムラが見られる。
【0026】
(2−3)保護特性(絶縁性)測定
成形後のカップに0.5重量%NaCl水を入れ、電極を挿入し、缶体をアノードにして6.0Vの電圧をかけた時の電流値を測定し、以下の表3に示す基準によりカップ内面の保護特性を評価した。電流値が小さいほど絶縁特性が良好であり、保護特性が高度であることを示す。なお、試験数は100缶にて実施した。
◎:平均値が0.005mA未満を示す。
○:平均値が0.005〜0.01mAの値を示す。
△:平均値が0.01〜0.1mAの値を示す。
×:平均値が0.1mA以上の値を示す。
【0027】
(2−4)レトルト処理試験
レトルト処理(125℃、20分)後のカップ内外面について目視による観察を行い、以下の表4に示す基準により評価した。
◎:フィルム外観に変化なし。
○:内面フィルムの白化はやや目立つが、外面は白化極微少で実用レベル。
△:外面フィルムが縞状に白化するが、実用レベル。
×:フィルム激しい白化や、剥離も認められる。
【0028】
(2−5)レトルト処理後の絶縁性測定
カップに0.5重量%NaCl水を入れ、以下の表5に示す基準により評価した。なお、試験は100缶について行った。
◎:平均値が0.005mA未満を示す。
○:平均値が0.005〜0.01mAの値を示す。
△:平均値が0.01〜0.1mAの値を示す。
×:平均値が0.1mA以上の値を示す。
【0029】
(2−6)落下試験後の絶縁性測定
耐衝撃性の指標として、カップに350gの水を入れ、50cmの高さから45℃の角度で落下させた後、カップに0.5重量%NaCl水を入れ、以下の表6に示す基準により評価した。なお、試験は100缶について行った。
◎:平均値が0.005mA未満を示す。
○:平均値が0.005〜0.01mAの値を示す。
△:平均値が0.01〜0.1mAの値を示す。
×:平均値が0.1mA以上の値を示す。
【0030】
(3)ポリエステルの融点
フィルム表面より各層試料を約10mg削り出し、ティーエイインスツルメント社製のDSC装置「MDSC2920型」を使用し、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度でポリエステルの融点(Tm)を測定した。
【0031】
(4)極限粘度
フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mL中にポリマー1gを溶解し、30℃で測定した。
【0032】
(5)積層フィルムの各層厚さ
フィルム断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察して各層の厚さを測定した。
【0033】
(6)末端カルボキシル基の測定
A.Conixの方法[Makromol.Chem.,26,226(1958)]に従って測定した。
【0034】
(7)原料ポリエステル
(i)ポリエチレンテレフタレート(PET)
グリコール成分としてエチレングリコール、芳香族ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を使用し、常法の重縮合で製造した。融点(Tm)=256℃、極限粘度=0.70であった。
(ii)ポリブチレンテレフタレート(PBT)
グリコール成分として1,4−ブタンジオール、芳香族ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を使用し、常法の重縮合で製造した。融点(Tm)=225℃、極限粘度=1.10であった。
(iii)イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPAco−PET)
グリコール成分としてエチレングリコールを使用し、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸を使用し、常法の重縮合で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は8モル%であった。融点(Tm)=237℃、極限粘度=0.68であった。
【0035】
実施例1
PET40部とPBT60部とを、ベント付き2軸混練押出機にて280℃で溶融混練押出し、ポリエステル組成物(a)を得た。得られたポリエステル組成物の、PETに起因する融点は、248℃であった。該ポリエステル組成物(a)40部と、PET24部、PBT36部とを混合したものを原料とし、2軸押出機により280℃の温度で押出し、溶融シートを20℃の冷却ドラムで急冷して未延伸非晶化シートを得た。このシートを60〜80℃で縦方向に4.0倍延伸し、次いで、120℃で横方向に5.0倍延伸した後、140℃にて熱固定処理することにより、厚さ20μmのフィルムを得た。
【0036】
実施例2
実施例1のフィルムを製膜する際に発生した耳部の溶融ペレット化再生原料をポリエステル(b)とした。該ポリエステルの融点は、243℃であった。得られたポリエステル(b)30部と、PET28部、PBT42部とを混合したものを原料とし、実施例1と同様にして厚さ20μmのフィルムを得た。
【0037】
実施例3
実施例2で得たポリエステル(b)50部と、PET20部と、PBT30部とを混合したものをX層の原料とし、PET50部とPBT50部とを混合したものをY層の原料として、それぞれ別個の押出機に供給し溶融ポリマーをマルチマニホールドを有する口金で合流させて積層し、共押出積層シートを得た。得られたシートを、実施例1と同様にして延伸、熱処理して、全厚さ20μm、Y層厚さ3μmの2層フィルムを得た。このフィルムにおいては、金属との貼り合わせ面は、X層表面とした。なお、Y層側の溶融押出を単独で行うことによりポリエステルサンプルを採取し、Y層ポリエステルの極限粘度、融点の測定を行った。
【0038】
実施例4
実施例3と同じ組成の原料を用い、口金を変更してX層の両面にY層を共押出積層し、Y/X/Yの構成の積層フィルムを作成した。製膜条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの全厚さは18μm、Y層厚さは、片面側が2μm、反対面が0.5μmであった。このフィルムを金属と貼り合わせる時は、0.5μmのY層面を貼り合わせた。
【0039】
実施例5
PET28部とPBT42部と、白色顔料として平均粒径0.3μmのルチル型酸化チタン30部とを、ベント付き2軸混練押出機にて280℃で溶融混練押出し、ポリエステル組成物(c)を得た。得られたポリエステル組成物(c)50部とPET20部とPBT30部とを混合したものをX層の原料とした。PET45部とPBT55部とをY層の原料とし、実施例4と同様にして、全厚さ16μm、Y層厚さ2.0μmと0.5μmの、Y/X/Yの構成の積層フィルムを得た。
【0040】
実施例6
IPAco−PET28部とPBT42部と、平均粒径0.3μmのルチル型酸化チタン30部とを、ベント付き2軸混練押出機にて280℃で溶融混練押出し、ポリエステル組成物(c)を得た。ポリエステル組成物(c)におけるIPAco−PETに起因する融点は、231℃であった。得られたポリエステル組成物(c)50部とPET20部とPBT30部とを混合したものをX層の原料とした。PET45部とPBT55部とをY層の原料とし、実施例3と同様にして、全厚さ18μm、Y層厚さ2μmの、2層フィルムを得た。このフィルムにおいては、金属との貼り合わせ面は、X層表面とした。
【0041】
比較例1
PET50部とPBT50部とを混合したものを原料として、実施例1と同様にして、厚さ20μmの単層フィルムを作成した。すなわち、当該フィルムは、ポリエステル(C)に当たるポリエステルを含有していないものである。
【0042】
比較例2
実施例1で得られたポリエステル組成物(a)を75部、PETを10部、PBTを15部混合した原料を用いて、実施例1と同様にして厚さ20μmの単層フィルムを作成した。
【0043】
比較例3
実施例1で得られたポリエステル組成物(a)をY層原料とし、PET45部とPBT55部とを混合したものをX層原料としたこと以外は実施例3と同様にして、全厚さ20μm、Y層厚さ3μmの2層フィルムを得た。このフィルムにおいては、金属との貼り合わせ面は、X層表面とした。
【0044】
比較例4
実施例5で得られたポリエステル組成物(c)40部とPET25部とPBT35部とを混合したものをフィルムの原料としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ17μmの単層白色フィルムを作成した。
【0045】
実施例および比較例で得られたフィルムを、前記の手順にてアルミ板に熱ラミネート処理した後、絞りしごき成形してカップ成形した。カップについて種々評価を行った結果を下記表1および2に示す。
実施例1〜6の各評価において、カジリの発生が抑制され、成形性が良好であって、かつ得られた成型品の絶縁特性が良好であり、実用特性である耐レトルト性、耐衝撃性にも優れていることが分かった。
比較例1〜4の各評価においては成形性が劣っていたり、絶縁特性、耐レトルト性が劣っていたりすることが分かった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、絞りしごき成形においてカジリ等の問題がなく、十分な成形特性を有しながら、耐衝撃性、耐レトルト性にも優れた金属板熱ラミネート用積層ポリエステルフィルムが提供され、本発明の工業的価値は高い。
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板と貼り合わせ加工を行う基材として有用なポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、金属板と貼り合わせて製缶や製蓋加工を行う際およびこれらを用いて金属缶を作成する際に、優れた成型加工性を示し、かつ耐熱性、耐レトルト性、フレーバー性、耐衝撃性に優れた金属缶、例えば飲用缶、食品缶等を製造し得る金属板貼り合わせ用単層または多層ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルムは、各種素材と貼り合わせた複合材として広く使用されている。例えば、飲料缶分野では、金属の耐食性を高めるために、有機被膜としてポリエステルフィルムをラミネートしたラミネート金属板より製缶されたものが使用されるようになった。
従来、ポリエステルフィルムを他の素材へ貼り合わせる方法としては、接着剤、特に非水系接着剤を使用して行われるのが一般的であったが、多量の有機溶剤使用による環境負荷を軽減する観点より、ポリエステルフィルムに熱接着性を付与し、直接被着体へ貼り合わせる例が増えている。
【0003】
フィルム用素材として最も広く用いられているポリエステルであるポリエチレンテレフタレートは十分な熱接着性を有さないため、イソフタル酸などの他成分を共重合することで熱接着性を付与する方法が提案されている。例えば、特開平2−305827号公報には、イソフタル酸12モル%共重合ポリエチレンテレフタレートやセバシン酸9モル%共重合ポリエチレンテレフタレートなどがその例として挙げられている。
しかしながら、10モル%前後の他成分が共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートは、熱接着層を構成するポリエステルとしてある一定レベルの特性を満足するものではあるが、他の材料との貼り合わせに際して、高精度の温度・圧力制御を要するなど、必ずしも工業的な大量生産に適したものではない。また、さらに他成分の共重合量を増すことで結晶性を低下させ、接着性を高める方法も提案されたが、かかる方法では、耐熱性が不十分となるため、耐レトルト性や耐食性の点において問題が生じ、根本的な改良法ではない。
【0004】
かかる問題点を解決するために、エチレンテレフタレートを主体とするポリエステルと、ブチレンテレフタレートを主体とするポリエステルとからなるフィルムを使用する方法が提案されてきたが、金属との密着性が不十分であり、特にしごき成型によって製缶する場合には、製缶時に、いわゆるカジリの問題を引き起こし、改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、金属板との接着性を高度に満足し、加熱や水との接触によっても剥離しがたく、例えば飲料缶などの金属素材の耐食被膜として有用であって、しかも製缶工程でのカジリ問題が発生することがない、しごき成型に適したラミネート金属板を与えることができる金属貼り合わせ用ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなる単層または多層ポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(A)と、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(B)と、ポリエステル(A)とポリエステル(B)とを混合して少なくとも1回溶融混練押出して得られたポリエステル(C)とを含む組成物からなるポリエステルフィルムであって、当該組成物中のポリエステル(A)の含有量が5〜40重量%、ポリエステル(B)の含有量が10〜60重量%、ポリエステル(C)の含有量が5〜60重量%であることを特徴とする金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の金属板熱ラミネート用ポリエステルフィルム(以下「フィルム」と略称することがある)で使用するポリエステル樹脂について説明する。
本発明で使用するポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸とグリコールとの常法による縮重合反応で得られる。
ポリエステル(A)は、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸、グリコールとしてエチレングリコールを使用したポリエステルであり、エチレンテレフタレート成分を80モル%以上、好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含有することが必要であり、この他にジカルボン酸成分またはグリコール成分あるいは両方の第三成分を含有する共重合体であってもよい。
【0009】
ポリエステル(B)は、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを使用したポリエステルであり、ブチレンテレフタレート成分を80モル%以上、好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含有することが必要であり、この他にジカルボン酸成分またはグリコール成分あるいは両方の第三成分を含有する共重合体であってもよい。
ポリエステル(A)および(B)における第三成分として使用できる成分の例として、上記した化合物以外に、ジカルボン酸成分の例としては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、グリコール成分の例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−2−ブチル−1−プロパンジオール、ビスフェノールA等が挙げられ、またオキシカルボン酸の例として、4−ヒドロキシ安息香酸などが挙げられるが、これらの例に制限されるものではない。
【0010】
本発明においては、ポリエステル(A)および(B)に加え、ポリエステル(C)を使用する。ポリエステル(C)は、ポリエステル(A)およびポリエステル(B)と、必要に応じ第三の成分とを混合し、少なくとも1回溶融混練押出したポリエステル組成物である。ポリエステル(C)中のポリエステル(A)成分の含有量は、通常5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%である。また、ポリエステル(C)中のポリエステル(B)成分の含有量は、通常10〜95重量%、好ましくは20〜80重量%である。ポリエステル(C)中には、ポリエステル(A)および(B)とのエステル交換物やそれ以外のポリエステルを含有してもよいが、その含有量は通常50重量%以下であり、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
【0011】
ポリエステル(C)におけるポリエステル(A)に起因する融点は、ポリエステル(A)の融点よりも3℃以上、さらには5℃以上低いことが望ましい。ポリエステル組成物(C)の融点が低い場合、金属板との密着性が高度に満足される。一方、40℃以上低くなると、フィルムの耐熱性が劣り、製缶時の加工適性に影響を及ぼすようになり、特にカジリの発生が起こりやすくなる傾向がある。
ポリエステル(C)が、ポリエステル(A)成分とポリエステル(B)成分とを所定量含有し、かつ溶融混練押出を行うことにより融点が低くなった組成物であり、これをポリエステル(A)および(B)と混合して得られるフィルムは、金属板との密着性を向上すると同時に製缶時の加工適性を良好とし、かつ耐熱性、耐衝撃性、フレーバー性を向上することができる。
なお、ポリエステル(C)としては、フィルムの耳部やスリット工程での不要部等を再生した原料であってもよい。
【0012】
本発明のフィルムは、ポリエステル(C)を、ポリエステル(A)およびポリエステル(B)と共に含有するため、密着性と製缶時の加工性を同時に満足するが、かかる特性向上は、フィルムを構成するポリエステルの末端カルボキシル基の量が40当量/トン以上、好ましくは45当量/トン以上である場合、耐熱性が高度に満足され、製缶工程の温度が高くなってもカジリ等の問題が発生することのない好適なフィルムとなる。本発明においては、ポリエステル(C)を得るために少なくとも1回以上溶融混練押出を行うが、かかる工程を経ることは、容易に所定の末端カルボキシル基量のポリエステル組成物を得るために有利である。
【0013】
本発明のフィルム中のポリエステル(A)の含有量は5〜40重量%である。ポリエステル(A)が少ない場合は、フィルム耐熱性が劣るようになり、耐レトルト性やフレーバー性も低下するようになる。ポリエステル(A)が多すぎると、金属板との密着性の低下や製缶時の加工適性の低下が見られるようになり、成型のムラが発生しやすくなる。一方、ポリエステル(B)の含有量は10〜60重量%である。ポリエステル(B)が少ない場合は、製缶時にフィルムの変形が起こりにくくなるので、その結果加工適性の悪化を招く。ポリエステル(B)が多すぎると、フィルムを生産する工程での製膜性が低下し、破断や延伸ムラなどの問題が起こりやすくなる。なお、上記したポリエステル(A)および(B)のフィルム中の含有量は、ポリエステル(C)中に存在するそれぞれのポリマー成分の量を除いた量を指す。
【0014】
本発明のフィルム中のポリエステル(C)の含有量は、5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。ポリエステル(C)の含有量が5重量%未満では、フィルムの接着性が劣り、60重量%を超えると、カジリが発生しやすくなり好ましくない。
本発明に使用されるポリエステル(A)の極限粘度は、通常0.55〜1.2、好ましくは0.58〜1.0の範囲であり、ポリエステル(B)の極限粘度は、通常0.60〜1.5、好ましくは0.65〜1.5の範囲である。極限粘度が低い場合は、耐衝撃性や耐熱性が低下する傾向がある。一方、極限粘度が高すぎると、重合における生産性が低下したり、製膜の際にフィルムに流れムラが発生したりする傾向がある。特に、フィルムが白色顔料を含有する場合、色ムラ(白色濃淡)が発生しやすく、かかる問題が発生すると美観が損なわれるようになる。
【0015】
本発明のフィルムは、ポリエステル(A)、ポリエステル(B)およびその再生ポリマーであるポリエステル(C)とを含む組成物からなる単層のフィルムであってもよいが、かかる組成物からなるフィルムをX層とし、その少なくとも片面に、ポリエステル(A)とポリエステル(B)とからなるY層を設けた積層フィルムとした場合、製缶時の加工適性がさらに高度に満足される。かかるY層をX層の片面に設けた場合は、通常、Y層は金属板との密着とは反対側の面を構成する。
【0016】
Y層中のポリエステル(A)の含有量は通常20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。ポリエステル(A)が多すぎると、製缶時の加工適性の低下が見られるようになり、成型のムラが発生しやすくなる傾向がある。ポリエステル(A)が少ない場合は、フィルム耐熱性が劣るようになり、耐レトルト性やフレーバー性も低下するおそれがある。また、Y層中のポリエステル(B)の含有量は通常30〜80重量%、好ましくは40〜70重量%である。ポリエステル(B)が少ない場合は、製缶時にフィルムの変形が起こりにくくなるので、その結果加工適性の悪化を招く。ポリエステル(B)が多すぎると、フィルムを生産する工程での製膜性が低下し、破断や延伸ムラなどの問題が起こることがある。
【0017】
Y層中には、ポリエステル(A),(B)以外のポリエステルを通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下含有することができる。
本発明のフィルムを積層フィルムとした場合、X層中に、例えば10〜50重量%の白色顔料を含有させて、白色着色フィルムとすることができる。斯かる白色着色フィルムは、成形缶外面にラミネートして、印刷インキの発色を向上される下地フィルムとして好適に使用される。
白色顔料としては、特に制限されないが、通常、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、硫化亜鉛などの白色顔料が使用される。白色顔料含有量は、好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは10〜25重量%である。白色顔料が10重量%未満の場合は、白色隠蔽性に劣り印刷インキの発色が不十分となることがあり、50重量%を超える場合は、フィルム製膜の際に破断しやすくなり、また、製缶後のフィルムの耐衝撃性も低下する傾向がある。
【0018】
なお、X層が白色顔料を含有する場合、X層を構成する各ポリエステルの含有量は、X層のポリエステル全量に対して、上記した範囲とする。
本発明のフィルムには、本発明の特性を損なわない範囲において、他のポリエステル系樹脂、それ以外の樹脂(例えばポリオレフィン系樹脂やエンジニアリングプラスチックス)、無機フィラー等の第3成分が適量含まれていてもよい。
特に、本発明のフィルムには滑剤粒子を配合してフィルムに滑り性を付与することが好ましい。滑剤粒子の平均粒子径は、通常0.01〜6.0μm、好ましくは0.05〜5.0μmである。また、滑剤粒子の配合量は、通常0.01〜1.5重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%である。フィルムがX層とY層とを有する場合は、Y層中に、Y層を構成するポリエステルに対して上記した含有量で滑剤粒子を含有させると良い。
【0019】
かかる滑剤粒子の例としては、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、硫酸バリウム、フッ化リチウム、タルクおよび特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体等を挙げることができる。これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよい。
本発明のフィルムの製造法は、特に限定はなく、公知のポリエステルフィルム製造方法を採用でき、例えば次の様な方法が好適に採用される。すなわち、原料ポリエステルを押出機にて溶融し、Tダイよりシート状に溶融押出して、冷却ロールにて急冷し非晶性シートとし、原料ポリエステルのガラス転移温度以上に加熱した後、縦延伸し、次いで、横延伸と逐次延伸するかまたは同時二軸延伸する。X層とY層とを積層する場合は、2台の押出機にそれぞれの原料を供給し、共押出積層してTダイよりシート状に押出する方法を用いて、所望の積層フィルムを得る。
【0020】
本発明のフィルムの厚さ(全体厚さ)は、用途によって異なる。飲料用金属缶に使用する場合のフィルムの厚さは、通常5〜75μm、好ましくは5〜50μmである。フィルムの厚さが5μm未満の場合はラミネート加工適性が低下したり、耐衝撃性が不十分となったりする問題があり、75μmを超える場合は絞りしごき成形が困難な場合がある。
フィルムがX層とY層とを有する場合、Y層の厚さは、通常1〜10μm、好ましくは1.5〜5μmである。X層の両面にY層を有する場合は、2つのY層の厚さの関係には、制限はなく、同じでもよいし、異なっていてもよい。例えば片面が0.5μm、反対面が2μm、という具合でも良い。2つのY層の厚さが異なる場合は、薄い方の層を、金属板との密着面とすることが、フィルムの耐熱性や耐衝撃性、フレーバー性を高度に満足させるために好ましい。
【0021】
Y層を構成するポリエステル組成物の極限粘度は、0.65dl/g以上であることが好ましく、0.70dl/g以上がさらに好ましい。またY層におけるポリエステル(A)に起因する融点は、245℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは250℃以上である。Y層の極限粘度が0.65dl/g未満の場合であったり、Y層におけるポリエステル(A)の融点が245℃未満の場合は、製缶時の加工適性が劣ったりするようになり、特にカジリの問題が顕著になる。
本発明のフィルムは、主に絞りしごき成形缶を目的として設計されているが、金属板の両面または片面にラミネート処理した後、金属板を所望のサイズに切断し、溶接により製缶するもの、例えば、飲料缶に代表される食品缶詰缶、ペール缶、ブリキ板製18L缶、鋼製ドラム等のフィルムとしても好適である。また、缶材の素材の種類は、特に制限されず、一般的に製缶に供される金属材料であれば問題なく使用し得る。缶材の素材の具体例としては、ブリキ、TFS(チンフリースチール)、アルミニウム等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの例に何ら限定されない。なお、本発明のフィルムの評価方法は以下のとおりである。
【0023】
(1)金属板へのフィルム貼り合わせおよび絞りしごき成形カップの作製
上下2本のロールを有するラミネート装置を使用し、0.18mm厚のアルミニウム板の両面に各例にて得られたポリエステルフィルムを加圧ラミネートし、ラミネートアルミニウム板を作製した。貼り合わせ時のアルミニウム板温度は180〜190℃、貼り合わせ速度10m/分とした。得られたラミネート板を、熱風オーブンを使用して220℃で10秒間加熱処理した。ダイスとポンチを使用し数工程で、上記のラミネート板を、底面直径65mm、高さ150mmの成形容器(以下、カップと略す)に30〜60ストローク/分の速度で絞りしごき成形した。カップ底面より高さ120mm付近の側壁部の板厚は、元のアルミニウム板厚に対して約30%に減少していた。得られたカップについて以下の観察および試験を行って評価した。なお、絶縁性評価に関しては、外観上問題のない缶を選択して行った。
【0024】
(2)成形特性評価
(2−1)成型時のカジリ
カップ成型時の、ダイスとの間でのカジリの発生に関して目視による観察を行い、以下に示す基準により評価した。
◎:60ストローク/分の速度で10000缶以上の連続成型を行っても、カジリの発生は全く見られない。
○:30ストローク/分の速度であれば1000缶以上の連続成型を行っても、カジリの発生は見られない。
△:30ストローク/分の速度であれば100缶以上連続成型可能であるが、カジリによるキズが見られるものが10缶以下存在する。
×:カジリの発生により、100缶の連続成型は不可能であり、キズが見られるものや、成型機を停止せざるを得ないケースも起こる。
【0025】
(2−2)カップのフィルム外観
成形後のカップ内外面について目視による観察を行い、以下の表2に示す基準により評価した。
○:シワ、傷、穴あきが認められない。白色フィルムの場合も白色ムラは見られない。
△:シワまたは傷または穴あきが若干見られる。
×:シワ、傷、穴あきが発生している。白色フィルムの場合白色ムラが見られる。
【0026】
(2−3)保護特性(絶縁性)測定
成形後のカップに0.5重量%NaCl水を入れ、電極を挿入し、缶体をアノードにして6.0Vの電圧をかけた時の電流値を測定し、以下の表3に示す基準によりカップ内面の保護特性を評価した。電流値が小さいほど絶縁特性が良好であり、保護特性が高度であることを示す。なお、試験数は100缶にて実施した。
◎:平均値が0.005mA未満を示す。
○:平均値が0.005〜0.01mAの値を示す。
△:平均値が0.01〜0.1mAの値を示す。
×:平均値が0.1mA以上の値を示す。
【0027】
(2−4)レトルト処理試験
レトルト処理(125℃、20分)後のカップ内外面について目視による観察を行い、以下の表4に示す基準により評価した。
◎:フィルム外観に変化なし。
○:内面フィルムの白化はやや目立つが、外面は白化極微少で実用レベル。
△:外面フィルムが縞状に白化するが、実用レベル。
×:フィルム激しい白化や、剥離も認められる。
【0028】
(2−5)レトルト処理後の絶縁性測定
カップに0.5重量%NaCl水を入れ、以下の表5に示す基準により評価した。なお、試験は100缶について行った。
◎:平均値が0.005mA未満を示す。
○:平均値が0.005〜0.01mAの値を示す。
△:平均値が0.01〜0.1mAの値を示す。
×:平均値が0.1mA以上の値を示す。
【0029】
(2−6)落下試験後の絶縁性測定
耐衝撃性の指標として、カップに350gの水を入れ、50cmの高さから45℃の角度で落下させた後、カップに0.5重量%NaCl水を入れ、以下の表6に示す基準により評価した。なお、試験は100缶について行った。
◎:平均値が0.005mA未満を示す。
○:平均値が0.005〜0.01mAの値を示す。
△:平均値が0.01〜0.1mAの値を示す。
×:平均値が0.1mA以上の値を示す。
【0030】
(3)ポリエステルの融点
フィルム表面より各層試料を約10mg削り出し、ティーエイインスツルメント社製のDSC装置「MDSC2920型」を使用し、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度でポリエステルの融点(Tm)を測定した。
【0031】
(4)極限粘度
フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mL中にポリマー1gを溶解し、30℃で測定した。
【0032】
(5)積層フィルムの各層厚さ
フィルム断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察して各層の厚さを測定した。
【0033】
(6)末端カルボキシル基の測定
A.Conixの方法[Makromol.Chem.,26,226(1958)]に従って測定した。
【0034】
(7)原料ポリエステル
(i)ポリエチレンテレフタレート(PET)
グリコール成分としてエチレングリコール、芳香族ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を使用し、常法の重縮合で製造した。融点(Tm)=256℃、極限粘度=0.70であった。
(ii)ポリブチレンテレフタレート(PBT)
グリコール成分として1,4−ブタンジオール、芳香族ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を使用し、常法の重縮合で製造した。融点(Tm)=225℃、極限粘度=1.10であった。
(iii)イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPAco−PET)
グリコール成分としてエチレングリコールを使用し、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸を使用し、常法の重縮合で製造した。ジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は8モル%であった。融点(Tm)=237℃、極限粘度=0.68であった。
【0035】
実施例1
PET40部とPBT60部とを、ベント付き2軸混練押出機にて280℃で溶融混練押出し、ポリエステル組成物(a)を得た。得られたポリエステル組成物の、PETに起因する融点は、248℃であった。該ポリエステル組成物(a)40部と、PET24部、PBT36部とを混合したものを原料とし、2軸押出機により280℃の温度で押出し、溶融シートを20℃の冷却ドラムで急冷して未延伸非晶化シートを得た。このシートを60〜80℃で縦方向に4.0倍延伸し、次いで、120℃で横方向に5.0倍延伸した後、140℃にて熱固定処理することにより、厚さ20μmのフィルムを得た。
【0036】
実施例2
実施例1のフィルムを製膜する際に発生した耳部の溶融ペレット化再生原料をポリエステル(b)とした。該ポリエステルの融点は、243℃であった。得られたポリエステル(b)30部と、PET28部、PBT42部とを混合したものを原料とし、実施例1と同様にして厚さ20μmのフィルムを得た。
【0037】
実施例3
実施例2で得たポリエステル(b)50部と、PET20部と、PBT30部とを混合したものをX層の原料とし、PET50部とPBT50部とを混合したものをY層の原料として、それぞれ別個の押出機に供給し溶融ポリマーをマルチマニホールドを有する口金で合流させて積層し、共押出積層シートを得た。得られたシートを、実施例1と同様にして延伸、熱処理して、全厚さ20μm、Y層厚さ3μmの2層フィルムを得た。このフィルムにおいては、金属との貼り合わせ面は、X層表面とした。なお、Y層側の溶融押出を単独で行うことによりポリエステルサンプルを採取し、Y層ポリエステルの極限粘度、融点の測定を行った。
【0038】
実施例4
実施例3と同じ組成の原料を用い、口金を変更してX層の両面にY層を共押出積層し、Y/X/Yの構成の積層フィルムを作成した。製膜条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの全厚さは18μm、Y層厚さは、片面側が2μm、反対面が0.5μmであった。このフィルムを金属と貼り合わせる時は、0.5μmのY層面を貼り合わせた。
【0039】
実施例5
PET28部とPBT42部と、白色顔料として平均粒径0.3μmのルチル型酸化チタン30部とを、ベント付き2軸混練押出機にて280℃で溶融混練押出し、ポリエステル組成物(c)を得た。得られたポリエステル組成物(c)50部とPET20部とPBT30部とを混合したものをX層の原料とした。PET45部とPBT55部とをY層の原料とし、実施例4と同様にして、全厚さ16μm、Y層厚さ2.0μmと0.5μmの、Y/X/Yの構成の積層フィルムを得た。
【0040】
実施例6
IPAco−PET28部とPBT42部と、平均粒径0.3μmのルチル型酸化チタン30部とを、ベント付き2軸混練押出機にて280℃で溶融混練押出し、ポリエステル組成物(c)を得た。ポリエステル組成物(c)におけるIPAco−PETに起因する融点は、231℃であった。得られたポリエステル組成物(c)50部とPET20部とPBT30部とを混合したものをX層の原料とした。PET45部とPBT55部とをY層の原料とし、実施例3と同様にして、全厚さ18μm、Y層厚さ2μmの、2層フィルムを得た。このフィルムにおいては、金属との貼り合わせ面は、X層表面とした。
【0041】
比較例1
PET50部とPBT50部とを混合したものを原料として、実施例1と同様にして、厚さ20μmの単層フィルムを作成した。すなわち、当該フィルムは、ポリエステル(C)に当たるポリエステルを含有していないものである。
【0042】
比較例2
実施例1で得られたポリエステル組成物(a)を75部、PETを10部、PBTを15部混合した原料を用いて、実施例1と同様にして厚さ20μmの単層フィルムを作成した。
【0043】
比較例3
実施例1で得られたポリエステル組成物(a)をY層原料とし、PET45部とPBT55部とを混合したものをX層原料としたこと以外は実施例3と同様にして、全厚さ20μm、Y層厚さ3μmの2層フィルムを得た。このフィルムにおいては、金属との貼り合わせ面は、X層表面とした。
【0044】
比較例4
実施例5で得られたポリエステル組成物(c)40部とPET25部とPBT35部とを混合したものをフィルムの原料としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ17μmの単層白色フィルムを作成した。
【0045】
実施例および比較例で得られたフィルムを、前記の手順にてアルミ板に熱ラミネート処理した後、絞りしごき成形してカップ成形した。カップについて種々評価を行った結果を下記表1および2に示す。
実施例1〜6の各評価において、カジリの発生が抑制され、成形性が良好であって、かつ得られた成型品の絶縁特性が良好であり、実用特性である耐レトルト性、耐衝撃性にも優れていることが分かった。
比較例1〜4の各評価においては成形性が劣っていたり、絶縁特性、耐レトルト性が劣っていたりすることが分かった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、絞りしごき成形においてカジリ等の問題がなく、十分な成形特性を有しながら、耐衝撃性、耐レトルト性にも優れた金属板熱ラミネート用積層ポリエステルフィルムが提供され、本発明の工業的価値は高い。
Claims (6)
- エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(A)と、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(B)と、ポリエステル(A)とポリエステル(B)とを混合して少なくとも1回溶融混練押出して得られたポリエステル(C)とを含む組成物からなるポリエステルフィルムであって、当該組成物中のポリエステル(A)の含有量が5〜40重量%、ポリエステル(B)の含有量が10〜60重量%、ポリエステル(C)の含有量が5〜60重量%であることを特徴とする金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルム。
- ポリエステル(C)におけるポリエステル(A)成分に起因する融点が、ポリエステル(A)の融点よりも3℃以上低いことを特徴とする請求項1記載の金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルム。
- 請求項1に記載のフィルムからなる層(X)の少なくとも片面に、ポリエステル(A)20〜70重量%とポリエステル(B)30〜80重量%とからなる層(Y)を積層したことを特徴とする金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルム。
- 層(Y)を構成するポリエステルの極限粘度が0.65dl/g以上であることを特徴とする請求項3に記載の金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルム。
- 層(X)中に、層(X)を構成する組成物に対して10〜50重量%の白色顔料を含有することを特徴とする請求項3または4に記載の金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルム。
- 成形缶用に使用されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の金属板貼り合わせ用積層ポリエステルフィルム。
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| JP2002228676A JP2004067865A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 金属板貼り合わせ用ポリエステルフィルム |
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Family Applications (1)
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-
2002
- 2002-08-06 JP JP2002228676A patent/JP2004067865A/ja active Pending
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